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(漆原冬馬) レジスタンスが タワーに乱入しようとして――
我々の警備兵を 何人も殺した
(冬馬) タワーの安全を脅かす者は――
徹底的に排除する
(漆原徳秋) 新山明日葉さんに――
余計なことを 吹き込んだ人物がいるようなのです
(下村海斗) なんで そこまですんだよ!?
(柊木佳奈恵) 加州さんには やるべきことがあるの!
(佳奈恵) 彼は生きなきゃ いけないの 絶対に!
(三原結月) 佳奈恵ちゃん!
(佳奈恵) 結月ちゃん?
(結月) 私をユートピアに 連れていってほしい
(新山明日葉) このユートピアを――
理想の世界に近づけるためには――
アンダーの現実を 知るべきなのかもしれない
(佳奈恵) 加州さん!
加州さん!
(銃声)
(冬馬) これが 君の言ってた――
理想の世界か?
レジスタンス…
(坪井) ようこそ
(坪井) レジスタンスへ
♪~
~♪
(富岡美津夫) おい! アッアッ…
レジスタンスは どこだ?
レジスタンス?
漆原冬馬 あなたが命じたの?
加州さんの処刑 あなたが命じたの?
君は確か…
明日葉と一緒に ここに来た…
(佳奈恵) 答えて
あなたが加州さんを?
そうだ
(冬馬) 彼は ユートピアのルールを破った
当然の報いだろう
(佳奈恵) 明日葉さんに 会いに行っただけでしょう?
それなのに こんなの…
(冬馬) ルールを決めるのは我々だ
アンダーの人間は それに従っていればいい
彼は 明日葉さんにとって とっても大切な人なの
人の命 何だと思ってんの!?
(明日葉) 切り捨てていい命なんて――
この世に ひとつもないでしょう?
黙れ
命を軽視してるのは アンダーだろう
どういうこと?
レジスタンスが タワーの住人を殺した
(冬馬) 答えろ!
レジスタンスは どこだ?
知らない
尋問しろ どんな手を使ってもかまわない
(海斗) 待ってくれ 待ってくれ!
お前も あのときの…
俺たちは ここに来たばかりだ
レジスタンスのことは 何も知らない
(海斗) 本当だ
聞くだけムダか 行くぞ
(冬馬) ところで お前
こんな所で何をしてる?
い… いや
(冬馬) 警備兵と住人の交流は 禁じられてる
持ち場に戻れ
失礼しました
(冬馬) 住みかは どこだ?
どこに住んでる?
おい 答えろ
(富岡) あっ ご案内します
アンダーのことなら 私に任してください
(富岡) あ~ どうぞ (富岡の手下) こちらに
(富岡) おう どけ! おら!
あ~ どうぞ はい
俺は戻る
もう… 余計なことに首を突っ込むな
できることなんてない
(住人1) レジスタンスなんて知らない!
(警備兵) 吐け ほら!
(住人1) アッ! アアッ!
ホントなんです
(蹴る音) ウウッ…
(冬馬) 次だ
(蹴る音)
(住人1の うめき声)
(富岡) こっちです
(結月) 確かに…
ひどい所みたいだね
(佳奈恵) 言ったでしょ 来てもムダだって
関わらないほうがいい
ユートピアの代表者と 交渉するつもりだったけど
まずは内情を探ってみる
またね
(加州宗一) ウウッ…
ンッ!
ウッ!
アア… ハァ…
ハァハァ ハァハァ…
すぐに 会いに行きます
待ってる
(殴る音)
ンッ!
(殴る音)
(坪井) 1人で タワーを襲撃したらしいな
(加州) 何もできなかった
それで このザマだ
(坪井) 目的は?
あんた…
レジスタンスに入らないか?
(坪井) 僕たちは いつか必ずタワーに行く
まあ いい
どのみち その体じゃ 何もできやしない
しばらくは ここにいろ
(足音)
(高城) 坪井さん
買収した警備兵からの情報ですが
襲撃に向かったメンバーは――
全滅したようです
(坪井) 成果は?
(高城) アヤが――
幹部のひとりを殺害できたようです
(坪井) そうか
アヤが…
(高城) やってくれました
だが これで風穴が開いた
(高城) はい
(高城) ただ…
そのせいもあって――
警備兵たちが アンダーで レジスタンス狩りを行っています
人数は?
それほどでは…
しかし 銃で武装しています
(野坂ゆら) 私 毎日がホントに楽しい
ここに来られて ホントに良かった
私のせいだ
この人の話を聞いてあげてください
(銃声)
(冬馬) これが 君の言ってた――
理想の世界か?
私の…
(ドアの開く音)
(子供たち) 先生… 先生…
(子供たちの泣き声)
(理一) これが アンダーのやり方なんですね
(理一) なんと愚かな…
とてもじゃないけど 分かり合うことはできませんね
(足音)
(柳 知也) 明日葉さん
(柳) 一緒に来てください
待ってください
どこに行くんですか?
まもなく 元老院による 緊急会議が開かれます
あなたにも参加していただきたい
元老院?
(柳) ユートピアの運営は――
建て前上 元老院による合議によって 決定されています
しかし 現在 議員のほとんどが 漆原の息のかかった人間で占められ
実質 独裁状態にあるんです
私も議員のひとりではありますが 何の力もなく…
あの どうして私を?
あなたには 元老院入りする資格がある
(白樺晴子) どういうつもりですか? 柳さん
この会議に参加できるのは 元老院議員のみですよ
彼女は新山会長の娘 会長の正統な後継者です
元老院に入る資格があるはずです
(柳) 一連のテロ事件によって 今の体制では――
アンダーを管理しきれていないことが 明白となりました
タワー内でも 代表への不満が高まっています
何かしらの手を打たないと 住人たちも納得しないと思います
いかがでしょう? 皆さん
(漆原) 助言 感謝します
分かりました 明日葉さんの参加は認めましょう
よろしいですね? 皆さん
ありがとうございます
あの 私…
どうぞ こちらへ
柳さんに言われるまでもなく――
レジスタンスに関して 既に方針は考えてあります
(晴子) そうですよ
もう既に冬馬さんが 警備兵を率いて アンダーに向かいました
(漆原) いや それも そう簡単にはいかないでしょう
(晴子) はい?
(漆原) そもそも 今の我々の力では――
膨れ上がったアンダーの住人を 管理することは不可能です
むしろ 私は 今回の一件で確信しました
ユートピアを 存続させるためには もはや…
アンダーを閉鎖するしかないと
アンダーにいる人たちを 見捨てるということですか?
住民たちの支持を集め――
レジスタンスは 日に日に その力を増しています
今後 更に――
大規模なテロを起こす可能性もある
もう悠長なことを 言っている場合じゃないんです!
今日 皆さんに 集まっていただいたのは――
この件の了承を得るためです
いかがでしょう? 皆さん
(議員) さすがに ユートピアの根幹に関わる問題です
少し考える時間をいただけますか?
それは もちろん
(漆原) 明日葉さん
ちょっと よろしいですか?
何か?
いえ
(扉の閉まる音)
(漆原) 元老院には――
ユートピアの現状を しっかりと ご理解いただいてから――
お呼びするつもりでした
何も知らないあなたを担ぎ上げ 権力を握ろうとする者たちが現れる
それを危惧していたからです
明日葉さん
柳を… あの男を 信用してはいけません
このままでは アンダーとタワーは共倒れになる
アンダーは閉鎖するしかないんです
どうか 私の意見に賛成してほしい
でも…
(漆原) もちろん アンダーの人々には 当面の食糧や武器などを配布します
そして いつか 教育 医療 資源 武力
我々の力で それらを万全のものとしたときに――
彼らを呼び戻します
ユートピアは 我々のためだけに あるのではありません
人類が かつての文明を取り戻す
そんな未来のために ユートピアはある
絶対に守らなければならない 場所なんです
明日葉さん 賛成いただけるなら――
あなたのお仲間だけは――
タワーに呼んでいただいても かまいません
お願いします
力を貸してください
加州…
(加州) すぐに 会いに行きます
待っていてください
どうしたらいいの?
(物が散乱する音)
(湯浅孝志) アア… (湯浅里菜) なんてことを!
(里菜) 理一
(湯浅) レジスタンスなんて 知りませんよ! ホントです!
こんなこと もうやめてください お願いです!
黙らせろ
(湯浅) あっ ちょ…
アアッ!
(殴る音) アッ! ハァハァ…
(殴る音) ウッ!
あなた…
(湯浅) もうやめてください!
(殴る音)
(湯浅) ハァハァ…
(殴る音) アッ!
(高城) なあ いいのかよ?
このまま 好き勝手やらせて
(住人1) しかし 相手はタワーの人間だ
フッ… こっちは 何人いると思ってんだよ
(せき)
(冬馬) 次だ
何だ?
やっちまえ!
(斬る音)
(騒ぎ声)
(斬る音)
(蹴る音)
(斬る音)
殺せ! 殺すんだ!
(殴る音)
(住人) ウオーッ!
違う!
お… 俺はアンダーの人間だ!
くそ
(銃声)
くそ!
(銃声)
逃がすな! 追うんだ!
(住人たち) ウオーッ!
(高城) 坪井さん
警備兵は全滅です
指揮していた男には逃げられましたが 捕まるのも時間の問題でしょう
よくやった
その男…
恐らく 漆原冬馬です
ほう
あの坊っちゃんか
使えるな
(高城) はい
おい ヤツをどうするつもりだ?
見せしめにする 住人たちも喜ぶはずだ
(ノック)
よう
海斗さん
加州は? 佳奈恵さんは?
みんな 無事なのよね?
海斗さん?
佳奈恵は無事だよ
加州は…
処刑された
ルールを破り お前に 会いに行こうとしたんだよ
加州が… そんな…
加州… 加州…
何もしてねえくせに いっちょ前に悲しんでんじゃねえよ
佳奈恵はな
命を懸けてまで 加州を助けようとしたんだぞ
悲しむ前に お前には やることがある
漆原代表の言うとおりにするんだよ
アンダーの閉鎖に賛成して――
佳奈恵をタワーに呼んでくれ
このままじゃ あいつは いつか――
誰かのために命を落とす
分かるだろう? あいつは…
そういう女なんだよ
佳奈恵を助けてやってくれ
(柳) 警備兵が こんな所で何をしている?
(明日葉) 彼は知り合いです
(柳) 不用意な行動は 避けたほうがいい
どんな言いがかりをつけられるか 分かりませんので
漆原代表とは どのようなお話を?
アンダーの閉鎖に賛成してほしいと
(柳) いけません そんなことをすれば――
新山会長が目指したユートピアとは 全く違う形になってしまう
議員の中には 新山会長を慕う者が たくさんいる
あなたが反対の声を上げてくれれば 賛同する議員は 必ず現れるはずです
明日葉さん
漆原代表を信用してはいけません
それは あなたも同じです
(子供A) 見て これ タワーのゴミがあるぞ
(子供A) あっ やった! 肉だ!
(子供B) あっ リンゴあった!
(子供A) やった
(冬馬) おい
おい 君たち
何をしてる?
(子供A) あげないよ これは俺たちのだ
よせ そんな物
配給があるだろう
(子供A) 何言ってんの? 足りるわけないじゃん
(子供B) おにいさん ここの人じゃないの?
(子供C) ねえ 何か食べ物持ってない?
(冬馬) いや
(子供B) 少しでいいからさ 恵んでよ ねえねえ
(子供B) 何でもいいからさ (冬馬) やめろ やめろ
(子供C) 待ってよ!
(子供B) 恵んでよ ねえ 持ってるんでしょ?
(子供B) ちょうだい! (冬馬) 食べ物なんて 持ってない
(子供たちの騒ぎ声)
触るな
(子供B) ちょうだい! (子供A) お願い!
(子供たちの騒ぎ声)
(子供たちの騒ぎ声)
(子供B) ねえ 待って! (子供C) 待って!
ハァハァ… なんで…
どういうことだ?
ウッ…
ウウ…
ウワッ!
ハァハァ ハァハァ…
アッアッ… アアッ!
ウッ…
(冬馬の取り乱す声)
ウウ ウウ…
助けてくれ
(佳奈恵) それは 焼却を待つ遺体
毎日のように 飢えと病で 人が死んで――
いくら焼いても 間に合わないんだって
あなたたちが殺したんだよ
(佳奈恵) レジスタンスのことは知らない
でも これを見ても まだ言える?
命を軽視してるのがアンダーだって
(住人2) いたぞ
(住人2) ここが墓場になるとは 皮肉なもんだな
死んだ連中も 少しは浮かばれるだろう
(おびえる声)
知らなかったんだ
食糧も 医薬品も――
満足に行き渡ってると思ってた
(冬馬) やっと分かった
あなたたちの怒りが
(住人1) 今更 何言ってんだ?
力になる… 力になるから
(住人2) 出任せを信じられるか
行くぞ
アア… ハァハァ…
(冬馬) ハァハァハァ…
待って
ハァハァハァ…
あなたに何かできることがあるの?
僕に 考えがある
(漆原) 人類が かつての――
文明を取り戻す
そんな未来のために ユートピアはある
絶対に守らなければならない 場所なんです
佳奈恵を助けてやってくれ
汝…
隣人を愛せよ
(佳奈恵) 私は好きだよ
明日葉さんの言葉
(漆原) それで 解放の条件は?
(佳奈恵) 配給を 今の2倍に増やしてほしい
2倍?
佳奈恵さん
要求をのまなければ――
あなたの息子を殺す
息子は無事なのか?
父さん すいません
冬馬
(冬馬) ただ…
彼らの要求は 妥当です
アンダーに来て 分かりました
食糧は全く足りていません
子供は痩せこけ――
老人は次々に死んでいます
我々には――
レジスタンスの討伐より先に するべきことがあったんです
(冬馬) 父さん
僕からも お願いします
彼らの要求に応えてあげてください
冬馬くん
分かった 検討する
3時間後 また連絡する
返事は そのときに
(明日葉) 漆原さん
(漆原) ハァ…
一度でも彼らの要求をのめば これから先 同じことが繰り返される
(明日葉) えっ?
優先すべきは ユートピアの未来です
冬馬さんを見捨てるつもりですか?
明日葉さん
あなたに伝えなければ ならないことがあります
先日のレジスタンスの襲撃
黒幕は柳でした
(冬馬) ありがとう
うまくいけばいいけど
(里菜) これで 配給が増えるんですね
(安堵の ざわめき)
(物音)
(男性) おっ レジスタンスか?
(住人たち) レジスタンス?
(ざわめき)
レジスタンス?
(男性) レジスタンスだ
(男性) わあ 来た!
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)
加州さん
(加州) 佳奈恵さん いろいろと すみませんでした
(佳奈恵) 生きてたんですね 良かった
こいつらに助けられたんです
よう
久しぶりだな
坪井さん
(坪井) こんな所で再会するとはね
知り合いだったのか
ああ
坪井さんがレジスタンス?
何してる?
彼を人質に 配給を増やすよう タワーと交渉してるの
(坪井) おい 拘束しろ (高城) はい
(佳奈恵) 待って
これは 彼の提案なの アンダーのために
(坪井) 相変わらずだな
だが タワーの人間を信用するな
(坪井) やれ (高城) はい
交渉に失敗したときは 僕たちに任せろ
(ざわめき)
(男性) 誰か聞いてないですか?
(女性) なんで柳さんが?
(ざわめき)
(晴子) 皆さん 静粛に!
残念ですが――
元老院議員 柳 知也が――
レジスタンスの 協力者であることが分かりました
(男性) え~っ? ウソでしょ 柳さんが?
タワーを襲撃した際 レジスタンスの女が着ていた服です
これが 彼の自室から 発見されたんです
(ざわめき) (男性) マジか
(晴子) 柳は女をかくまい そのあと 襲撃させた
彼が レジスタンスと つながりがあるのは明白です
(晴子) よって――
死罪とします
(柳の仲間) やめろ!
(銃声)
(倒れる音)
(漆原) やはり 彼には裏がありました
これで分かってくれましたね?
ええ
よく分かりました
こんなことしなくても 逃げはしない
(坪井) 驚いたか 住人たちの歓迎ぶり
しかし ユートピアを変えるには もっと多くの力が必要だ
僕たちレジスタンスは 今の体制を打倒し――
本来の平等なユートピアの 実現を目指してる
(佳奈恵) 本来は こうじゃなかったの?
(坪井) ああ
新山会長が代表だったころはな
(加州) 新山会長を知ってるのか?
(坪井) 命の恩人だよ
片目を失い さまよっていたところを拾われた
お前も会長を?
会長のもとで働いていた
(坪井) あんた 名前は?
加州
会長から聞いたことがある
“娘の明日葉には 加州がついてる”
“だから 心配ない”と
そういうことか
あんたがタワーに行こうとした理由
会長は どうした?
死んだよ
2年近く前に
表向きは病死とされてるが 殺されたんだ
会長の右腕だった漆原徳秋にな
そして ヤツが代表に
会長は 僕の目の前で殺された
守ることができなかった
命の恩人を
人は無力だ
1人が あらがったところで 押しつぶされるだけだ
だが 力を合わせれば戦える
それで レジスタンスを?
力を貸してほしい
新山明日葉も それを望むはずだ
分かった
あんたは?
目的は分かった
でも 手段は?
力で覆す
それしかない
(漆原) 柳さんの件でも 分かったように――
レジスタンスの脅威は タワー内部にまで侵食しつつあります
もはや猶予はありません
今すぐに アンダーの閉鎖に向けて動きたい
(議員) あの 冬馬さんは?
私情のために――
ユートピアを 危険にさらすわけにはいきません
代表
よろしいですね? 皆さん
(議員) 同意します
(議員) 同意します (晴子) 同意します
(議員たち) 同意します
(柳) 明日葉さん
漆原代表を信用してはいけません
それは あなたも同じです
では 明日葉さん
あなたにお願いがある
私は あなたを元老院に入れ 漆原に盾つくような発言をしました
まもなく私は 何かしらの罪をでっちあげられ――
粛清されるでしょう
えっ?
それが あの男のやり方です
まさか そんなこと…
そのときは 私を信じてほしい
そして どうか…
お父さまの遺志を継いでください
(柳の仲間) やめろ!
明日葉さんも よろしいですね?
同意できません
(晴子) あっ… どういうことですか?
憎むべきはレジスタンスです 住人たちではありません
彼らは 居場所を失い――
救いを求めて この地に来た人たちです
そんな人たちを見捨てるなんて やはり間違っています
(漆原) 急に どうしました?
柳さんに何か吹き込まれたんですね?
彼は あなたの友人を殺した レジスタンスの協力者ですよ
信ずるに値する男ではない
誰を信じるか それは私が決めることです
まだ現実が分からないんですか?
分かりません
では 皆さんは知ってるんですか?
アンダーの人たちが 何を思い どう暮らしているのか――
知ってるんですか?
その目で見たことはあるんですか?
私は 何も分からないまま 賛成も反対もできません
何が言いたいんですか?
私をアンダーに行かせてください
冬馬さんと一緒にいるのは 私の仲間です
話し合うことはできるはずです
彼らの話を聞き 共に生きる道を探ります
そして 必ず――
冬馬さんを連れ戻します
あなただって みすみす 息子を死なせたくはないでしょう
(海斗) 聞いたぞ 閉鎖に反対したらしいな
アンダーの人たちを 見殺しにはできない
佳奈恵さんのことも 絶対に死なせないから
(晴子) 行かせてしまって よろしかったんですか?
これで もし冬馬さんを救出すれば――
元老院の中でも 彼女を支持する者が増えるおそれが…
そうさせなければいい話だ
えっ?
(トランシーバーの着信音)
(湯浅) 返事だ 返事が来ましたよ
(佳奈恵) まだ約束の時間じゃない
はい
検討した結果を伝える
交渉には応じない
人質が どうなってもいいの?
好きにしろ
えっ…
よろしいんですか?
そもそも あれは 上にふさわしい人間ではない
(里菜) そんな…
(坪井) ハハハハッ…
残念だったな
やめろ
やめてくれ
さっきまでの威勢は どうした?
(男性) やれ! やっちまえ!
(騒ぎ声)
(殴る音)
(うめき声)
アアッ アアッ…
(冬馬の わめき声)
(蹴る音)
(殴る音)
(冬馬) やめろ! やめろ!
ハァハァ ハァハァ…
(殴る音)
(殴る音)
ウウッ…
(おびえる声)
見てきたでしょう タワーの連中が何をしてきたのか
ハァハァ… 頼む
やめてくれ!
死にたくない! 死にたくない!
アアッ アアッ…
(坪井) よく見ろ みんな!
この惨めで愚かな男を
こんな連中が たまたま上にいるだけで――
いい暮らしをし 俺たちを支配してる
おかしいと思わないか!?
(騒ぎ声)
ハァハァハァ…
だったら 変えよう
全員の力で!
(歓声)
ハァハァ…
すごいな
(歓声)
ユートピアなんて名ばかり
同盟を結ぶのは難しいかもしれない
(無線) そんな… もう食糧は尽きかけてる
このままじゃ 我々は全滅だ
(住人たちの騒ぎ声)
(坪井) そんなに命が惜しいか?
これまで 虫けらのように アンダーの人間を殺してきたくせに
(蹴る音) ウッ… ハァハァ…
違う
俺は違う
俺は殺してない
殺してない!
(おびえる声)
ブザマだなぁ
(銃声)
やめなさい
(明日葉) 私たちは 戦いに来たのではありません
タワーを代表して 皆さんのお話を聞きに来ました
明日葉さん!
加州
(坪井) 明日葉?
まさか あんた 新山明日葉か?
はい
彼を解放してください
こいつは あんたたち親子の敵だ 助ける義理はないはずだ
(住人たち) そうだ そうだ!
(騒ぎ声)
やめて!
なぜ こんなヤツを?
彼は――
私の婚約者です
(高城) ゴーレムが現れた!
(富岡) 俺たちを 皆殺しにするつもりだ!
(明日葉) この憎しみを生んだ タワーを変えなければ
(坪井) ヤツらを 生きてタワーには帰すな
俺が救い出します
(海斗) 佳奈恵に出会えて 良かったって…
(佳奈恵) 海斗!
(明日葉) 私が タワーの代表になります
♪~
~♪
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