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♪~
(冴木) 行ってみませんか? 蔵土へ。
(花音) 冴木さんとなら→
少しずつ 真実に近づける気がするんです。
朝が来るのが 少し楽しみです。
手をつないでくれませんか?
(花音) 父以外の誰かが 差し替えたんです。
灰川邸事件の真犯人が。
(冴木) お前は誰だ。
誰なんだよ。
(銃声)
(冴木) 蓮水さん?
蓮水さん!
(花音) 冴木さん…。
諦めないでください…。
何があっても…。
(冴木) 蓮水さん…。
蓮水さん!?
蓮水さん!?
♪~
(心電計の音)
(ノック)
(五味) よっ。
(五味) はぁ…。
(五味) まだ 目 覚まさないんだ。 (冴木) はい。
出血性ショックによる 意識不明の状態らしいです。
命に別条はないみたいですけど。
(五味) 鈴木は もう大丈夫だって。
脳振とうを起こしてただけだって。
(五味の声) まぁ 精神的な ショックは大きそうだけど。
(冴木) すいません 俺のせいです。
あの男は?
(五味) 緊急で指名手配にかけて 追ってるけど→
まだ見つかってない。
まぁ 特徴的な風貌だし すぐ見つかればいいんだけど。
(五味) 灰川邸事件の捜査も 正式に再開するってさ。
勝手にとはいえ→
事件の真相を追ってた刑事と その関係者が襲われたんだから→
さすがに 無視はできないって。
それに 灰川邸周辺で聞き込みをしたら→
灰川が逮捕される前→
そいつと灰川が 一緒にいるところを→
目撃したっていう情報が出た。 (冴木) え?
(五味) 灰川と そいつ 共犯っていう線もある。
(五味) だから そのケガ 早く治しなよ。
あんたも捜査本部に戻すってさ。
(冴木) いいんですか?
(五味) まぁ 今までのことは すげぇ怒られるだろうけど→
灰川と そいつに 一番 近づいてるのは あんただから。
じゃあ 署に戻るわ。
あんたは?
(冴木) 俺は 蓮水さんが目を覚ますまでは ここに。
(五味) 冴木。 (冴木) はい。
(五味) 公私混同には気を付けなよ。
(冴木) え?
(五味) 灰川邸事件の捜査が 再開される以上→
蓮水花音は また重要参考人になる。
容疑者としても 排除されたわけじゃ ない。
(冴木) 蓮水さんは 犯人なんかじゃありませんよ。
(五味) あんた 蓮水花音のこと どれだけ知ってる?
(五味) 蓮水花音の母親は あの子が生まれたばかりの頃→
男を包丁で刺した 殺人未遂事件を起こしてる。
刺されたのは 蓮水花音の父親。
ただ 他に家庭がある男で→
その いざこざが原因らしい。
母親は 実刑を食らって→
赤ん坊だった蓮水花音は 施設に引き取られた。
>> 〔花音ちゃん〕
〔お母さん 来てくれたよ〕
(花音) 〔え?〕
(五味の声) でも 7歳の頃 母親が刑期を終えて出所。
あとは 本人から聞いてる通り。
母親に育児放棄された彼女は 灰川と出会って 家を出た。
(冴木) 母親のことは→
蓮水さんが18の時に死んだって ことしか聞いてません。
でも 母親の過去に何があっても 蓮水さんには関係ないでしょ?
(五味) じゃあ 母親の死因は?
(冴木) 死因?
(五味) 火事で死んだって 彼女 話した?
(五味) 火の不始末による事故ってことに なってるけど→
真相は よく分かってないらしい。
(冴木) 蓮水さんが やったって 言いたいんですか?
(五味) そこまでは言ってない!
ただ 蓮水花音の周りには ずっと死がまとわりついてる。
そもそも 何で あの子は 階段から突き飛ばされた時→
あんたにだけ 連絡したんだろうね。
(五味) はぁ…。
ごめんね。
刑事だから 疑うのが仕事なんだわ。
それに 蓮水花音が被害者だとしても→
あの子のことが大事なら→
これ以上 捜査に巻き込むのは 危険でしょ。
♪~
(花音) 〔私を突き落とした犯人は→
灰川邸事件の犯人です〕
〔あなたが 捜査を続けてくれませんか?〕
〔実の母が死んだ時は ちゃんと感じたんです〕
〔「よかった」って〕
〔「やっと死んでくれた」って〕
>> 刑事さん!
(駆け寄る音)
(花音) あっ 冴木さん。
(冴木) 何で そんな普通なんですか?
丸々2日間 昏睡状態だったんですよ。
(花音) え?
そんなに寝てたんですか? 私。
(冴木) はい…。
(花音) 冴木さんは?
(冴木) 俺は大丈夫です この通り。
(花音) よかった…。
私 冴木さんが死ぬかもって 思った瞬間…。
悲しいし→
絶対に嫌だって思ったんです。
(花音) おかしいですよね 父が死んだ時は 何も感じなかったくせに。
(冴木) だからって とっさに 火炎放射器を作れる人は→
そういないと思いますよ。
(花音) そうなんですか?
(冴木) いや 「そうなんですか?」って…。 (花音) フフっ。
よかった。
冴木さんと また こうやって会話ができて。
(冴木) はい。
(冴木) 蓮水さん…。 (花音) 何者なんですかね?
(冴木) え?
(花音) あの男。
ああやって 襲ってきたってことは→
やっぱり 灰川邸事件の 真犯人なんでしょうか?
(花音) すいません 何か言いかけてました?
(冴木) どうして そんなに知りたいんですか?
こんな目に遭ってまで どうして あなたは…。
(花音) え?
(冴木) 蓮水さんは→
もう この事件に 関わらない方がいい。
灰川邸事件の捜査が 正式に 再開されることになりました。
あとは 俺たち警察が調べます。
(花音) でも 私は…。
(冴木) ダメです。
(冴木) これ以上 あなたを 危険な目には遭わせられません。
(冴木) じゃあ 俺は これで。
♪~
(緒方) おっ もしかして例の件?
(森) はい 冴木さんっていう 元刑事には会えたんですけど→
最後まで話は聞けなくて…。
他にも当てはあるので そこから探ってみるつもりです。
頑張ってよ。
その7年前の凶悪事件と その子の失踪に関連があるなら→
話題性 全然 変わってくるからさ。
はい。 ああ。
♪~
(マヤ) 確かに リッカのマークに似てるけど→
タトゥーを入れたのは 私じゃ ない。
この子のことは知らないし→
未成年相手に そんな無責任なことしないよ。
(森) じゃあ 他の方の連絡先を→
教えてもらうことは できませんか?
2017年の事件で生き残った 5人の中の誰でもいいんです。
(マヤ) 5人…。
えっ 違いますか?
だって…。 (マヤ) 悪いけど帰って。
何にせよ 記者に そう簡単に教えるわけない…。
これは 記事のためだけじゃなくて→
個人的に 美来ちゃんが心配なんです!
私だって そう。
もう 誰も傷ついてほしくないんだよ。
自分の大事な人たちに。
(階段を下りる音)
(モニタ) おのを所持した男が 北甲府市に住む 24歳の女性と→
富士山北警察署に勤務する→
男性巡査部長と巡査の 3人を襲いました。
(モニタ) 男は 巡査が携帯していた 拳銃を奪い 発砲。
(モニタ) その後 逃走しました。
(モニタ) 山梨県警は 犯人とみられる男の映像と→
似顔絵を公開しました。
(モニタ) この映像は 先月16日に→
富士山北警察署 裏手の 防犯カメラに写っていたもので→
警察は この防犯カメラに 写っている男と→
今回の事件の犯人が 同一人物とみて→
男の情報提供を呼びかけています。
♪~
うわ~!? うわ~!?
うわ~!? うわ~!? うわ~!?
うわ~!?
うわ~!?
うわ~!? うわ~!? うわ~!?
うわ~!?
(五味) 今のところ あの絵を売った画商を 地道に捜して→
絵の購入者を見つけ出すしか 方法は なさそうです。
(川相) 本当に 絵を掛け替えた人間が 灰川邸事件の犯人なのか?
(冴木) 灰川にとって 「真珠の耳飾りの少女」は→
父親を殺した過去を忘れない ための大事なものだったんです。
それを わざわざ 子供に殺されることにおびえ→
子供を殺した男の絵に 替えたんです。
犯人からのメッセージとしか 考えられません。
(五味) それに 犯人は 灰川十三の 本当の子供の可能性があります。
>> で それが こいつってことか。
(冴木) その可能性もあると思います。
>> 分かった だが できるだけ急いでくれ。
こいつの捜索に 何の進展もない中→
お前たちを遊ばせておく 余裕はない。
(五味) 鈴木は まだ 復帰できそうにないですか?
>> ああ。
新人が精神的に参って フェードアウトするのは→
珍しいことじゃ ない。
鈴木のためにも 今は 犯人逮捕に全力を尽くせ 冴木。
(冴木) はい。
(宮崎) 状態から見て これは 恐らく 最近 描かれたものだね。
(五味) どのようなルートで取引されたか 分かりませんか?
>> さぁね… 画商仲間にも聞いてみるよ。
(冴木) あの… 最近 この絵が 取引されたっていう話は?
>> フェルメール。
私の知る限りでは ないね。
みんな この絵が好きだけど→
私は どうも好きになれない。
結構 不気味な逸話もあるからね。
(五味) 不気味な逸話?
>> この絵と この絵→
似てると思わない?
(五味) 確かに。
>> 一説によると フェルメールは→
この「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」を 元ネタにして→
「真珠の耳飾りの少女」を描いたと いわれてる。
(冴木) でも それが何で不気味なんですか?
>> この絵のモデルになった ベアトリーチェは→
父親を殺した少女だからだよ。
父親から ひどい虐待を受けていた ベアトリーチェは→
ある日 家族と共謀して 父親を殴り殺したんだ。
でも その結果→
彼女は 父親殺しの罪で 斬首刑になる。
この 頭のターバンは→
首 はねる時に→
髪の毛で 刃が滑らないように するためのものらしい。
(五味) じゃあ このフェルメールの 青いターバンも?
>> まぁ 一説によるとって話だから ホントのことは分からないけどね。
でも…。
私は この絵を見るたびに→
父親から ひどい目に遭って 復讐した挙げ句→
悲惨な最期を遂げた少女が 思い浮かんで→
嫌な気分になる。
(ドアが開く音)
(ドアが閉まる音)
♪~
📱(振動音)
📱(操作音)
(役所職員) では こちらにサイン頂けますか?
(火葬場職員) はい。
(マヤ) あっけないもんだね。
(灰川) 〔そんなもの いちいち作ってたら→
庭が墓だらけになるぞ〕
(花音) 〔でも かわいそうだよ お墓がないの〕
(灰川) 〔なぜだ?〕
(花音) 〔だって お墓がなかったら ただ死んだだけになる〕
〔生きていたこと 忘れられちゃう〕
(灰川) 〔そうだろうか?〕
〔誰かが生きていた証しは→
墓に残るわけじゃ ない〕
〔人の中に残るんだ〕
〔まぁ そのうち分かる〕
(花音) 〔じゃあ 父さんも お墓は いらないってこと?〕
>> 〔ああ そうだ〕
〔墓は いらない〕
〔俺が死んだら→
灰にして ここに まいてくれ〕
♪~
(灰川) 〔食事にしよう〕
(優磨) 〔僕 カレーがいい〕
〔甘口カレーだ〕
(子供たち) 〔カレー! カレー! カレー!〕
(優磨) 〔早く 早く!〕
〔カレー! フォ~!〕
(マヤ) 花音 行くよ。
♪~
あの屋敷は どうなるの?
(悟) 相続する人がいないなら→
最終的には 国のものになるはずだけど。
う~ん 何か 実家がなくなる気分だわ。
(花音) だったら 最後に みんなで戻ろうよ。
私たちの家に。
>> 花音 それ!
(花音) うん もらってきた。
(マヤ) 盗んできたんでしょ!
(悟) 勘弁してくれよ。
(花音) だって お父さん 死んだら お墓じゃなくて→
あの屋敷に まいてほしいって 言ってたでしょ?
その思いを かなえてあげられるのは→
私たちだけじゃない?
♪~
>> ねぇ これ やんなきゃダメ?
父さんは 灰にして まいてくれって言ってただろ。
それに 遺骨をそのまま捨てたり 埋めるのは 死体遺棄罪になる。
(優磨) もう… もう既に→
窃盗罪と住居不法侵入だけど。
まぁ 父さんに育てられた私たちに→
普通の倫理観を求める方が 無理な話だ ハハっ。
だから嫌なんだよ…。
っていうか マヤ。 (マヤ) ん?
もうちょい 丁寧にやらない? 父さんだよ これ。
(マヤ) 分かってます~。 >> 分かってないよ。
(マヤ) 分かってます ハハハ…。
何?
(花音) ん?
何か こうしてると 昔 思い出すなぁって…。
(花音の声) きょうだいみたいな みんなと いつも一緒にいて…。
それを見守ってる お父さんがいて。
(花音) 楽しかったよね 毎日。
(マヤ) うん。
ずっと続けば よかったのにな。
よし! しんみりしてても仕方ない!
ほら ドカドカ砕こう。
はい ドカドカ!
(優磨) ドカドカって…。 (マヤ) ハハハ。
擬音が もう雑なんだよ。 (マヤ) そう?
もっと丁寧に。
(砕く音)
(マヤ) おぉ…。 (砕く音)
>> ハハっ。 (砕く音)
>> じゃあ いきますか。
(花音) うん。
(花音) さよなら お父さん。
♪~
(灰川) 〔雪っていうのは 見た目はキレイだが→
中身は バイ菌だらけなんだよ お嬢さん〕
(灰川) 〔みんなの決めたルールが 一度でも お前を守ってくれたか?〕
〔ルールは自分で決めろ〕
〔今日から ここがお前の家だ〕
〔もう大丈夫だ〕
〔俺の家族は お前たちしかいない〕
〔絶対に何があっても〕
(マヤ) 花音?
(花音) 遺灰が目に入ったのかな…。
>> まぁ… そういうことにしとこ。
♪~
(悟) 蒼佑も 来れればよかったのにな。
(マヤ) 私も そう思って 連絡したんだけど…。
(マヤの声) どうしても先に 終わらせなきゃいけないことが→
あるんだって。
(太一) わざわざ悪いね こんなとこまで。
(蒼佑) あ いえ… こちらこそ 突然すいません。
しかし 真和君の息子さんとは…。
言われてみれば 似ている気もするな ハハっ。
そうですかね。
お父さんのこと 知りたいんだよね?
はい。
(画商) いや~ うちで売った覚えは ないですね。
(冴木) そうですか…。
(五味) あの ささいなことでも 構いませんので→
同業者の方から話を聞いたら こちらまで連絡 頂けますか?
(画商) はい。
(五味) 地道に捜すしかないとはいえ→
これ 2人で見つけるの 無理じゃない?
(冴木) しょうがないっすよ 捜査員 足りてないんだから。
(五味) はぁ… これじゃあ まともに 飯 食う時間もないわ。
(花音) \冴木さん!/
(マヤ) 何かあった?
(花音) ん?
>> 花音 変わったよね さっき泣いてたし。
誰かの影響?
あっ もしかして 好きな人できたとか?
(花音) う~ん… 好きとか そういうんじゃないと思う。
ただ 今 どこで 何してるんだろうとか→
私のこと どう思ってるんだろう って気になるだけで…。
>> いやいや それは もうさ…。
(花音) 何?
>> 大丈夫 何でもない。
まぁ… 気になるんだったら 自分から行動してみれば?
ここに来るのも これで最後かな…。
だね。
(悟) よし。 (マヤ) よし。
それ 何の花?
(花音) え… サツキだと思う。
あれ?
造花だ。
>> 造花? (花音) うん。
しかも 花びらが6枚ある。
え… サツキって本来5枚なのに。
>> 父さんが飾ったのかな?
まぁ 死んじゃった今となっては 分かんないね。
(花音) 花びらが6枚…。
(冴木) 〔「六つの花」と書いて リッカ〕
>> 〔この屋敷で暮らす 家族の証しだ〕
(花音) リッカ…。
>> 花音?
(花音) あっ ごめん 先に帰ってて 私 もう少しだけ残る。
♪~
(花音) あった。
(花音) よいしょ。
ハァ… これで6つ目。
(何かに当たる音)
(花音) ん~…。
(ハンマーでたたく音)
(花音) これって…。
📱(操作音)
📱(呼び出し音)
📱(音声ガイダンス) ただ今 電話に出ることができません。
📱 発信音の後に メッセージをお入れください。
📱(発信音)
ごめん 仕事中に電話して。
俺 今日…。
親父の親戚に会ってきたんだ。
〔まぁ僕は いとこっていっても→
小さい頃に 遊んだことがある程度で→
そんなに 親しくはなかったんだけどね〕
〔何せ あの家 怖かったから〕
〔怖い?〕
〔真和君の親父さん〕
〔つまり 君のおじいちゃんは 気性が荒くてね〕
〔気に食わないことがあると すぐに手が出る人だった〕
〔父にも 手を上げたんですか?〕
〔もう亡くなってしまったから 正直に言うけど→
日常茶飯事だったと思う〕
〔こんな話 ホントは聞きたくないよな〕
〔いえ… 知れてよかったです〕
(蒼佑の声) 結局→
親父も俺たちと同じだった。
それで何か…。
兄貴と話したくなって。
(冴木) 蓮水さんが? 📱(井上) あぁ はい。
(井上) 冴木刑事に 渡してほしいものがあると。
(冴木) 分かった 帰ったら受け取る。
(五味) 気になるなら 先 戻っとけば? (冴木) え?
(五味) こっち どうせ あと もう1軒だし。
(冴木) お疲れ。 (井上) お疲れです。
これです。 (冴木) ありがとう。
(冴木) 灰川の…。
(灰川の声) 「血の繋がりを捨てた 孤独な人生」。
(灰川の声) 「そんなものを記録する 意味などあるのだろうか」。
(灰川の声) 「だが ほとんどの 日記がそうであるように…→
この日記も 誰かのために書くわけではない」。
(創の声) 「意味などなくてもいいはずだ」。
(創の声) 「1992年5月19日。
少年院を出てから俺は 誰とも深く関わらず→
ただ日々を生き延びてきた」。
(創の声) 「そのことに不満はなかったし→
それが自分の定めだと 思っていた」。
(創の声) 「なのに 今日…」。
♪~
自分で直せるなんて すごいですね。
(創) 人に頼りたくないだけです。
自分でできれば 無駄に人と関わらずに済む。
すいません…。
私が何にもできないせいで 無駄に関わらせてしまいました。
(空気が漏れる音)
あっ。
(創の声) 「彼女の名前は米田深雪。
なぜ 俺は彼女を助けたのだろう」。
(創の声) 「5月21日。
先日のパンク修理のお礼を 渡されそうになる」。
(深雪) これ 少しで申し訳ないんですけど。
いらない。
でも 何かお礼をしないと 気が済みませんから。
いりません。
それ…。
痛かったですよね→
すごく。
(創の声) 「彼女は 夫からの暴力に耐えかね→
逃げてきていた。
同じ傷を抱えた者同士が 引かれ合うことは→
必然なのだろうか」。
(創) ただいま。
(創の声) 「10月29日」。
(創の声) 「深雪から 妊娠したと告げられる」。
(創の声) 「自分でも意外なほど→
素直にうれしかった」。
(創の声) 「ただ…」。
(深雪の泣き声)
(創) どうした?
(泣き声)
(深雪) あなたは…→
この子の父親には なれないの。
この子は…→
この子は…。
(創の声) 「深雪と夫との離婚が 成立していない現状では→
お腹の子の父親は 法律上 俺ではなく→
彼女を苦しめた 夫になってしまうらしい」。
(深雪の泣き声)
(創の声) 「1993年6月1日。
夫が離婚に応じるとは 考えられず→
それよりも 彼女の居場所がバレて→
連れ戻されることの方が怖い」。
♪~
(深雪) 大丈夫。
私たちで ちゃんと守ってあげよう。
ああ。
(創の声) 「悩んだ末 出生届は出さず→
2人で育てていこうと決めた」。
(赤ん坊の泣き声)
ほら おいで。
よいしょ はい。
よいしょ よいしょ よいしょ はいはい はい。
(深雪) おやおや どうしたの?
(灰川の声) 「1993年6月6日。
男の子が生まれた」。
(冴木) やっぱり 灰川には 本当の子供が…。
(画商) あぁ はいはい これは→
私が売った 「サトゥルヌス」です。
(五味) 本当ですか? (画商) はい。
2か月前くらいに のみの市で売ったんです。
(五味) 灰川邸事件発覚の少し前…。
その絵を購入したのは この男では?
(画商) いや この方じゃないですよ。
(五味) え? >> こんな顔じゃなかったです。
確か若い 20代くらいの青年でした。
(五味) 20代…。
(五味) この中に その人物はいますか?
♪~
(蒼佑) うっ! うぅ…。
うっ うぅ…。
♪~
(画商) あ~ あぁ。
この中にもいませんね。
(五味) ホントですか? よく見てください。
>> 間違いありませんよ。
この絵を買っていくなんて 物好きだなぁと思って→
少しの間 話 したんで 顔は覚えてます。
(五味) そうですか…。
>> あれ? この人ですよ。
(五味) え?
>> 私が絵を売ったの この人です。
この人が この絵を買っていきました。
📱(振動音)
♪~
(冴木) ジュン…。
>> はい 鈴木 潤です!
(花音) 鈴木さん→
今 どこですか?
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