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(和泉(いずみ)勝(まさる))ん~
-(女性)すいません -(勝)あっ はい はい
(勝)は~い 何でしょう?
(女性)えっと 浮き輪と…
(桜井(さくらい)広海(ひろみ))はいはいはい お待ち遠さま すいません
混んでるんですよ でも なかなかね 裏のじじいが作らないんでね
(男性) ねえ ここ カラオケないの?
あっ ないんですよ 俺 代わりに歌いましょうか?
-(広海)ああ… -(和泉真琴(まこと))やめて
だそうです
(鈴木(すずき)海都(かいと))はい お待たせ
(父) やっと休みが取れましてね
もう ギリギリセーフですよ
(海都)ああ そうですか
もうちょっとでね 子供の夏休み 終わっちゃうとこでした
ああ じゃあ よかったな 海 来れて
-(母)ねっ やっと来れたんだよね -(父)よかったな
ああ でも まだ泳げますよね?
ええ もちろん まだ 全然 泳げますよ
いや でも もう 夏も終わりですね
えっ…
-(父)食べよう 食べよう -(母)うん
(父)いただきます
-(男性)すいません -(海都)はい
(前田(まえだ)春子(はるこ)) どうも ありがとうございました
(客たち)ごちそうさま
(春子)悪いね 忙しくて
(寺尾(てらお)はづき)ううん 手伝います
ホント? 無理しないでね
(はづき)調子いいんです 最近
(春子)そっか
(広海)はい ご案内!
こちらね カラオケ OKなんです どうぞ どうぞ
-(男性)ある ある… -(春子)いらっしゃい
(春子)サンキュー カラオケは こっちで~す
あれ? はづきちゃん 大丈夫なの?
はい
そっか あっちいねえ
-(はづき)あの… -(広海)ん?
もうすぐ夏も終わりですよね そしたら どうするんですか?
(広海)えっ ああ…
俺は ほら 一年中 夏みたいな男だから
うん 夏を呼ぶ男って感じ フフフ…
はづきちゃん どうするの? 東京 戻るの?
いえ…
あ… そっか
(勝)ウイ~
ああ 気持ちいい
ああ でもさ ほら
なんで こんな急に 忙しくなるんでしょうね
(勝)もう 夏休み 終わるからな
まっ 9月 入ったらよ もう ぱったりよ
真琴 お前 そういえば宿題やったのか?
絵日記とか ドリルとか ほら
(真琴) そんなん あるわけないでしょ
お前 8月31日になって え~んとかって泣くなよ
俺 手伝ってやんねえかんな
(真琴) そんなことが あったとしても
あなたには頼みません 海都さんに頼むからいいもんね
ああ そうですか はいはい
(真琴)そうですよ
あっ ちょっと待ってて
(ギターの演奏)
(ギターの演奏)
(真琴)余りの花火 やろう
(春子)うん
(真琴)はい
まずはセンちゃん こっちは?
(春子)コウちゃん
よし
(真琴)2人 合わせて…
(春子・真琴)センコウ
-(海都)夏の終わりってさ -(広海)ん?
夏の終わりって いつなんだろうな
何だ急に どうしたんだよ
いや 何となくさ…
(春子)やっぱさ 秋になると終わるんじゃないの?
春子ちゃん それは当たり前じゃ…
(真琴)でもさ 学校とか始まっちゃうと
何か 夏って感じ しなくなっちゃうんだよね
うん うん うん 学生のとき そうだったよね
ねっ ねっ ねっ
-(春子)あとさ やっぱ 食べ物 -(真琴)ああ…
市場に栗とか出てきちゃうとね
(真琴)ああ ああ マツタケ食べたい
-(海都)いや あの だからさ… -(勝)だから…
そういうのを “暑さ寒さも彼岸まで”っつうのよ
(笑い声)
何がおかしいんだよ 分かってんの?
(笑い声)
いや もうちょっと 文学的な意味っていうか
何ていうのかな そういう質問だったんだけど…
(真琴・春子)はあ?
あっ いや 何でもない
何?
“夏の終わり”とかいう ほら タイトルで
また 作文なんか 書いてるんじゃないだろうね
書いてないよ
あっ マジ 書いてんだ
-(広海)見せて 見せて… -(海都)うるさいな 書いてません
-(広海)真琴 -(真琴)何?
(広海)お前 もうちょっと 違う花火ないのかよ
俺 そういうの嫌いなんだよ いいか? これだ
-(真琴)あっ ああ! -(勝)ああ~!
(広海)真琴!
(真琴)“真琴”じゃない 人のせいにしないでよ
(勝)あ~ 熱い 熱い…
大丈夫? おじいちゃん
(広海)やめろって 年寄りは治るの遅いんだからな
(勝) 何だ? 今 何つった お前
(広海)“あじゃぱー”分かります? あの あじゃぱー
-(真琴)ちょっと! -(春子)何やってんのよ
(5人の騒ぎ声)
(男性)うるさい! 今 何時だと思ってんだ!
(5人)すいません
(広海)俺?
(真琴) ちょっと休憩 行ってきます
ああ~ 何か 海都さん すごい うまくなった
そう?
いやあ すばらしいね もう天才
プロ並みよ これで メシ食ってけるよ
(海都)待って待って待って もうちょっとさ
気持ちよく褒めるってこと できないのかね
(春子)ありがとうございました どうも~!
(真琴)暑いのに元気ですね
(春子)中の連中も 元気にしてやってよ
え?
(真下(ました)裕子(ゆうこ)) もうすぐ夏休みも終わっちゃうね
(内藤(ないとう)祐介(ゆうすけ)のため息)
(裕子)また 何もなしに 終わってしまうのか…
(祐介)そうなんだよ もう 終わったよ 俺は
どうしたの?
-(裕子・祐介)あ… -(真琴)ん?
(祐介)模擬試験さ もう 最悪
次 あんな成績だと マジ ヤバいよ 俺
そうなんだ
-(裕子)ねえ 真琴 -(真琴)ん?
(裕子)ディズニーランド 行かない?
やっぱ 夏休みの思い出に
だって 今 混んでるよ
(裕子)混んでるからいいんじゃん
いい若い者(もん)が すいてるとこ 出かけるもんじゃないんです
だって ほら 私 忙しいし
じゃあ 祐介は?
だから 俺の話 聞いてないのかよ 俺は夏休みなんてないの
30日に もう一回 試験あんだよ
じゃあ 誰もいないじゃん
-(裕子)ねえ 真琴 -(真琴)ん?
あの2人 夏休み終わったら どうするの?
(真琴)どうするって?
だから あと1週間で 夏休み終わりでしょ?
そうだよ
夏休み終わったら お客さん あんまり来なくなるでしょ?
そうしたら あの2人も いなくなっちゃうの?
え?
そんなの… 分かんないよ
でも ずっと ここにいるわけに いかないんじゃない?
ねっ 春子さん
ん? うん… まあね
いつまでいるとか
夏休み終わったらどうするかとか 聞いてないの?
-(真琴)ない -(裕子)そうなんだ
(祐介)ハア… いいよな あの人たちは お気楽で
(裕子)あ~あ ディズニーランド 行きたかったな
(祐介)ハア… まいったな
(広海)おらっ
(広海)おらっ
おい 真琴!
ま… 真琴!
あっ いっ… ちょっと 今のなし!
なしじゃないよ
子供の前なんだよ ちゃんとルール守んなきゃ
ねえ ねえ? ほら…
(裕子)でも ずっと ここに いるわけに いかないんじゃない?
♪~
~♪
(勝)うわ~ 暑(あち)い
(春子)どうした?
(真琴)ううん
-(春子)あ… -(真琴)何?
裕子に言われて 寂しくなっちゃったりしたんでしょ
えっ? 何が?
またまた とぼけて…
あの2人が いなくなっちゃうんじゃないかってさ
ちょっと しんみり…
そんなんじゃないって
清々するだろうし…
そうかな…
私は寂しいけどなあ
そんな正直に言われちゃうと あたしだって…
あっ やっぱり寂しい
春子さん
(春子)まだ 大丈夫だって
まだ どうするかなんて 考えてないって あの2人は
そうかな
やっぱ 寂しいんだ
あのね…
もう…
(広海) あっ 取られちゃったね 餌ね
いいよ いいよ 付けるから はい
よいしょ
餌 食われちゃったよ
-(広海)あれ? -(海都)え?
(ため息)
(広海)おい 何やってんだ
ほら 見ろよ 釣れたんだよ お前も一緒にやる? 釣り ねえ
-(祐介)いいです -(広海)え?
僕は あなたとは違うんです
はあ?
将来のある身ですから
何? “将来のある身”って
あなたたちみたいに いつまでも 遊んでるわけにはいかないんですよ
僕の… 僕の夏は もう終わったんだ
お前 自分で諦めて どうするんだ お前よ
ほっといてくださいよ
(海都)どうしたの?
ん?
微積か 懐かしい ちょっと見せて
あっ ホントだ 懐かしい 俺も よくやったよな
すいません ウソつきました
あっ 俺 用事あっからよ ちょっとな じゃあね
あっ 祐介 頑張れよ
何 公開模試?
ええ あっ これ 見てくれます?
こんなはずじゃないと 思ってたんですけど
へえ~ そっか そっか
もし よかったらさ 教えてあげようか
え?
こう見えても 元一応エリート
俺も たまに勉強したい気分に なるんだよね
あるんですか? そんな気分って
うん まあ たまにね
あとで来なよ
-(広海)おう -(裕子)うっ!
何だ 何だ こっちは こっちで ホントに…
ハルちゃんは?
-(裕子)買い出しで~す -(広海)あっ そう
-(裕子)広海さん -(広海)何?
つまんない
は?
だってさ 高校2年の夏休み っていったら
最後の夏休みって感じでしょ?
まあ 広海さんみたいなのも いるけどさ
例外か 俺は
つまんない
-(客A)おやすみなさい -(客B)おやすみなさい
(真琴)おやすみなさい
(広海)おう
はい お待ち遠さまです 枝豆です
社長 何やってんですか? この忙しいのに
うるせえな でも 気持ちいいな
そうですか? はい
文句言わずに やれよ お前
何だと? この野郎 ん~
(客)ねえ カラオケ ないんだっけ?
いや だから ないんですよ うちは
よく聞かれるんですけどね 俺が代わりに歌いましょうか?
-(広海)ある… -(真琴)やめて 音痴
音痴なんですよ すいません
-(広海)こいつだって音痴ですよ -(祐介)こんばんは
(真琴)あれ? 祐介 どうしたの?
あの 海都さんは?
あっ… おい 呼んでるよ 祐介!
あっ 来た 来た 来た
どうも
-(海都)一緒に勉強するんだ な? -(祐介)はい
え?
あっ そっか そっか そっか
じゃあ いいよ 俺ら2人で 真琴とやっとくから
-(広海)どうぞ 上 -(真琴)はあ?
いいじゃんか たまには ねえ?
あっ そう? じゃあ 悪いね
-(海都)じゃあ 上 行こうか -(祐介)はい
(真琴)ふ~ん…
-(広海)頑張れよ -(海都)うん
はい どうぞ うわっ 暑っ…
(祐介)お邪魔します
狭いし暑いけど 下 お客さん まだ いるし…
うるさいのもいるし…
あらら… どうぞ
(祐介)あっ 失礼します
あっちい… よし やるか
はい
(海都)はい
-(客A)おやすみなさい -(広海)あっ どうも
-(客B)おやすみなさい -(広海)ごゆっくり
(広海)社長 やっと終わりましたね
(勝)うん
ああ~ お疲れさまです
-(真琴)はい は~い -(広海)おう
真琴 お前は勉強しなくていいのか?
あんたに言われたくないよ
何だって?
(勝)そりゃそうだろうな
悪いけど 俺は社長には 言われたくないですよ
何だって?
あっ そうだ! 勉強といえば やっぱ夜食だよな
ああ うん
作って持ってってやるか
-(真琴)いいね! -(広海)何がいいかな?
何 食べたい?
お前が食うんじゃねえんだよ
-(真琴)分かってるよ そんなの -(広海)…ってるよ そんなの
-(広海)冷蔵庫でも見るか -(真琴)OK
-(広海)よっしゃ -(真琴)よし
-(広海)あっ -(勝)こら!
-(勝)あ! ああ… -(広海)しゃ… 社長
静かにしてください 上 勉強してるんですよ
(小声で)こら…
(海都)うん…
これで解けないわけじゃ ないんだけどね
-(祐介)えっ? -(海都)うん
ちょっと こんがらがってるのかな
-(海都)コツ 教えようか -(祐介)あっ はい
まず 分母と分子を別々に分けて
で それから1つの式に まとめてごらん
うん 分母は…
そう うん
おい 真琴
何?
もうちょっと ほら 細かく切れねえのか?
おっきいかな? え?
カー! もういいよ ちょっとやらせて
いいか? こうやってるやるんだよ いい?
お前 手 こう置いてんだろ?
これじゃダメに決まってんじゃん ほら
こうやって置いて…
こうやって 何つうのかな 引いていくんだよな 手を
こうやって 分かる?
はい やってみろ
-(真琴)うん -(広海)うん
-(真琴)こう? -(広海)そうそうそう
うん
ああ いい感じ いい感じ
-(真琴)ホント? -(広海)うん
-(広海)ネギ いいぞ -(真琴)OK
よ~し これで…
スタミナうどんの出来上がり!
いい感じ! おいしそう おいしそう
ちょっとさ お前さ ほら 味見してみろよ
-(真琴)これ? -(広海)うん ほら
どう?
おいしい
-(広海)悪くない? -(真琴)おいしい!
-(真琴)ホント おいしい -(広海)ちょっと…
ダメだよ ダメだって もう おしまい
味見も おしまい だって2人の分 なくなっちゃう
(広海)うざっ ちょっと貸せ いいから いいから
-(真琴)ダメ! 味見 おしまい -(広海)いいから…
(くしゃみ)
(ため息)
うん そこで平方完成
-(広海)ジャーン! -(真琴)イエーイ!
何だよ
(広海)お夜食の時間ですよ
(海都)へえ~ 気が利くじゃん 悪い そこ置いといて
(祐介)これを2乗しちゃって 分母と分子…
(広海)あっ!
やっぱ ほら 作りたてがおいしいよね?
(真琴)うん やっぱ 伸びちゃうとね
-(広海)そうそうそう… -(真琴)せっかくだから
分かったよ じゃあ休憩にしよう
そうこなきゃね いい子 いい子 いい子 そうそう…
-(真琴)休憩も必要だよね -(広海)休憩も必要ね
うんうんうん そうそうそう
-(広海)はい どうぞ -(真琴)はい いらっしゃいませ
ちょっと待って うどん? このクソ暑い部屋で うどん?
何 言ってんの 夜食といえば うどんでしょ?
それに消化もいいし これ パワー出るんだから ねっ
-(海都)いただきます -(祐介)いただきます
うまいじゃん これ なあ?
うまいっすよ
-(真琴)うわ~ イエーイ! -(広海)よっしゃ!
(真琴)でしょ? ほらね ほらね
(広海)やっぱ 真琴だね
(広海) あのさ ほら 入れたのがね…
何?
俺の分は?
は?
何 言ってんですか? 社長
ほら あんまりね 年取ったら 夜遅く食わないほうがいいの
何だって?
(勝)あっ ああ…
-(広海)社長! -(真琴)しーっ
(ため息)
-(祐介)あの… -(海都)どこの部分?
いやいや あの 広海さんなんですけど…
ハハ… うん 何 あいつがどうかした?
俺 結構ひどいこと 言っちゃったなと…
(海都)うん
あんたとは違うって…
それなのに どうしてなんですかね
(海都)いやいや 気にしちゃいないよ あいつは
え?
いや そういうヤツじゃないから
でもさ 俺は…
うん 同じだと思うな
(祐介)え?
いや 祐介も 俺も あいつも…
それ どういう意味ですか?
(海都)うん
将来はさ…
将来は みんな 不安なんだよ
うん 誰でも同じだと思うよ
たださ 何ていうのかな
それをさ あえて表に出さないほうが
男としては かっこいいと思わない?
まあ…
だろ?
はい
できた?
-(祐介)あの… -(海都)ん?
どうして 海都さんは 会社 辞めちゃったんですか?
うん それはね
簡単には説明できないな
だってさ 祐介 今 10…
17です
-(海都)17だろ? -(祐介)はい
17のときに説明されても
俺も よく分かんなかったと 思うしさ
うん…
分かってたまるかって気もするしね
たださ 俺の場合は
まあ ずっと決められた レールの上っていうか…
歩いてきたけど
それは それで 全然 後悔してないし
無駄だとかは思ってない
っていうか 無駄なことなんていうのは
ないんじゃないのかな 人生には
(ノートをたたく音) (海都)これも
はい
よし やろうか
うっす
-(広海)真琴 -(真琴)ん?
お前 まだ寝なくていいのか?
-(真琴)うん まだ いい -(広海)そっか
-(広海)高校2年か… -(真琴)え?
いや お前は どうなんだよ ほら 夏休み 楽しかったのか?
-(真琴)あたし? -(広海)うん
うん まあね
そっか
-(真琴)ねえ -(広海)ん?
どうだったの? 高校生のときの夏休みとかって
俺は ほら 水泳 水泳の日々だったから
あっ そっか
あんまり季節 関係なかったんだよな
どういう意味?
だって ほら 一年中 泳いでるじゃん
大体 夏だっつうのにさ ずっと屋内のプールだから 練習は
-(真琴)そうなんだ -(広海)うん
雨が降ろうが晴れようが ずっと屋内のプールなんだよ
ふ~ん
だから ほら あの… 季節の変わり目っつうの
あれは あんまり 感じたことないんだよな
気が付くと 夏は終わってんだよ
うらやましいよ お前が
あたし?
うん だって ほら 海 目の前にして
そういうの いろいろ感じて 育ってきたんだろ?
ああ… まあね
だから 今年は ここで
それを感じてみようかななんて 思ってんだ
夏の終わり
そう
そうなんだ
-(真琴)ねえ -(広海)え?
ううん 何でもない いいや
何だ お前 気持ち悪いヤツだな
今日はさ 子供扱いしないんだ
あ?
ほら やっぱり 大人になっていくじゃん
でも そういうのって 気付きにくいでしょ?
いや だってさ ほら
ん?
俺 寝るとこねえし しゃべる相手いないじゃん
何 それ
おやすみ
もう寝る
寝る!
(ギターの演奏)
(ギターの演奏)
(祐介)できました
あれ?
あれ? どうだったっけな…
♪~
(真琴)お待たせしました
-(女性)すいません あと4つ… -(真琴)4つ はい
いってきます
(海都)危ね!
はい お待ち遠 ラーメンと…
(ため息)
A+Bα=C+Dα ならば…
今日 夜食どうする?
-(広海)何? -(真琴)夜食 あの2人の
あっ そっか
カツ丼とか どう?
いや ちょっと胃にもたれるな
-(真琴)そう? -(広海)いいのない?
(広海)ジャーン!
(2人の歓声)
(祐介)うまそう
(春子)みんな お疲れさん
-(春子)持ってきたよ -(真琴)ありがとう
(春子)どうよ
(海都)あっち…
(海都)おお 祐介
(真琴)あっ どうだった? できた?
バッチリ
(真琴)うわ~
分かりやすいヤツだな お前な
海都さんのおかげです ホント ありがとうございました
そんなことない 祐介が頑張ったんだから
あれ? あと何か忘れてないかな
あっ 真琴 夜食 うまかった
-(祐介)マジで 最高 あれ -(真琴)ああ いいえ よかったよ
おい!
それじゃあ 失礼します ありがとうございました
おいおい ちょっと待った ちょっと…
(祐介)広海さんにも 感謝してま~す
分かりゃいいんだよ 分かれば まっ 使ったのは ここのお金だけど
何だって?
いえいえ 何でもないですよ
~♪
(海都)あっ ちょっと… ここに ゴミためてんだよ 今
-(広海)どこ? -(海都)ここだよ ここ
-(広海)どこどこ? -(海都)ここだよ
(足踏みする音)
(海都)何だ それ
大体 そういうことやってるから 礼の一つも言われないんだよ
(広海)うるせえな
-(広海)大変だったね -(海都)ん? 何が?
(広海)ほら 家庭教師ってやつ?
(海都)ああ
いや 別に
よいしょ
結構 楽しかったよ
-(広海)楽しかった? -(海都)うん
(海都)何か 学生の頃はさ
(広海)うん
(海都)勉強なんて楽しいと 思わなかったんだけどさ
何か 楽しかったな
やっぱ 勉強ってさ やらされたり
しなきゃいけないと思いながら やってるときっていうのは
何か 嫌なもんなんだけどさ
そうじゃないときっていうのは したくなるんだよな
不思議なもんだよ
まっ そのうち あんたも 分かると思うけどね
(広海)何 その年上みたいな 口の利き方
-(海都)年上だよ 俺のほうが -(広海)ああ でしたね
-(広海)でも ほら -(海都)ん?
(広海)夜になると ほら ちょっと肌寒くなってくるね
(海都)うん
そういう季節なんだろうな
ねえ
俺たちってさ…
もしかしたら 俺たちって
すっごい ぜいたくな時間を 過ごしてるんだろうな 今
そう思わない?
ああ
-(広海)こないだ ほら -(海都)ん?
-(広海)あんた 言ってたじゃん -(海都)何?
“夏って いつ終わるのかな”って
ああ
-(広海)俺 思うんだけどさ -(海都)うん
季節の終わりっていうのは 自分で決めればいいんじゃないかな
うん…
自分で夏は終わりだと思ったら そのときが終わりなんじゃないかな
今のフレーズ あんたにあげるよ
-(広海)使っていいよ -(海都)何に使うんだよ
だから 作文だよ
ったく あんたは もう いいこと言うのに
どうして そうやって自分で ちゃかすのかな
性格ですからね
だろうね
(広海と海都の笑い声)
-(海都)あんたさ -(広海)ん?
(海都)いつまで ここに いるつもり?
(広海)俺?
俺は…
うん まだ ここにいるよ
俺は…
自分で夏が終わったと思うまで ここにいる
そっか
あんたは?
俺?
俺は…
“夏の終わり”ってタイトルの作文 まだ1行も書いてないからね
なるほど
(広海・海都)うわっ
フフフ… はい
-(海都)サンキュー 気が利くね -(広海)サンキュー
-(広海)ういっす -(海都)はい
-(広海)うわ! -(真琴)キャー
キャー!
ちょっと ああ もう 掛かった バカ!
バカ? あの野郎…
(真琴)待って ああ~! 待って!
待って 待って 待って… ちょっと待って~!
(真琴)キャー! (水音)
(真琴)あれ?
あの2人は?
あら こいつが残ってたわ
え? 何 どうしたの?
今日で終わっちゃうよ
(春子)どうにかしてよ これ
うわっ 寒っ…
ほら お前 どうしたいんだよ 言ってみろ
-(裕子)ホントに? -(広海)うん
ディズニーランド 連れてって!
-(海都)ディズニーランド? -(裕子)うん
あのね 真琴も 行きたい 行きたいって
言ってたんですよ
-(広海)真琴も? -(裕子)うん
へえ~ 真琴ちゃんが?
そうだったかな…
ホント ホント ホント ウソじゃない ウソじゃない…
ねえ 春子さんも一緒に行こう
ねっ ねっ 行こう 行こう 行こう
私も?
うん あっ みんなで行こう みんなで行こう
ほら 祐介も試験 終わったんだし 今日ぐらい いいじゃん
うん そりゃあ まあね
決定! ディズニーランド 決定! うわ~!
まだ決まってねえぞ
行かないの?
いや 別に いいんだけどさ…
でもな…
でも ほら やっぱねえ せっかくなんだからさ ねえ
でも やっぱ やめとくか
ああ 海都さんが女子高生 もてあそんでる
ちょっと待って 待って なんで俺が?
そんな 人聞き悪い…
はづきちゃん どうかな?
行きたいな
そう
じゃあ 行くか みんなで
やった~!
(春子)じゃあ 私 着替えてくるからさ
行こう 行こう 行こう… もう 行くの 行くの…
真琴 やったよ!
ディズニーランド 連れてってくれるって
やった~!
やった やった~!
(真琴) ミッキーマウス 会えるかな?
(広海)バカ お前の顔が ミッキーマウスだよ
-(真琴)何 それ -(広海)早く乗れよ
(祐介)は~い ありがとうございます
(春子)あっ 来た 来た 来た 遅いよ
(蓑田(みのだ)利夫(としお))お待たせ ごめんね 麦茶 冷やしてたもんだから
(殿村(とのむら)公三(こうぞう))あっ 俺もね フィルムなんか買ってたからさ
はあ?
(利夫・公三)は?
何やってんだ? お前ら
(利夫)留守番です
(公三)みんな 出かけました
(勝)ん?
(真琴の歌声)
♪ ラララ ランララ ラララー
♪ ああ ララララ
(勝)あ? バンに乗ってったのか?
-(利夫)全員 乗れるからって -(公三)うん
バカめ… チッ
(真琴)このバナナ 青いよ まだ
(春子)バナナ ちょうだい
(衝撃音)
バナナ…
(エンジンの異音)
えっ? 何 何 何?
(裕子)お~い!
フンッ 俺を置いてくからだよ
(公三の苦笑)
(裕子)ねえ なんで こうなんの?
(広海)知るか 俺に言ったって
(海都)あんたと車に乗ると 必ず こういうことになるんだよ
(広海)どういうことだよ どういう意味だよ
-(春子)あのさ -(広海)え?
あたし やっぱ お店が心配になってきたから
今日は この辺で…
ああ そっか そっか… ダメ!
あっ そうだ 俺 やっぱ 勉強してきますわ
あっ 祐介 ほら もう 勉強 教えてやんないぞ
はづきちゃん ほら どうなの? 体は大丈夫なの?
いつ着くんですか? ディズニーランド
は? いや そう言われても…
一応 こんな感じだからさ ごめん
大丈夫だよ ミッキーマウスは年取らないから
フッ…
まあさ これも いい夏の思い出に なるんじゃないの?
え? どこがですか?
そんなのやだ! やだ やだ やだ!
-(真琴)ねえ 暑いね -(広海)え?
まだ 夏は終わらないよね?
そうだな
(真琴)う~ん
(海都)もし 春子ちゃんが
自分は春樹(はるき)君の母親だって そう名乗ったら…
(吉永(よしなが)一樹(かずき))春子には その権利があります
(海都)それを 春子ちゃんに⸺
決めさせるのは 酷なんじゃないですか?
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