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(桜井(さくらい)広海(ひろみ))ん~ ういっ
夏だね
(広海)花火大会か いいね 日本の夏って感じだね
(鈴木(すずき)海都(かいと)) 何か 忙しくなるらしいな
(広海)あっ ねえねえねえ 桜(さくら)ちゃん 誘ったの?
-(海都)何か 友達と来るって -(広海)へえ~
(海都) でも こっちは仕事だからさ
いいじゃん ほら 男が働いてる姿 見ると
女は ホレ直すもんよ
-(海都)そうかね -(広海)痛(いて)っ!
ごめん ごめん ごめん
-(広海)やんのかよ -(海都)仕事中なの 今
大体 そういうこと あんたに言われても
説得力 まるでないんだよ
やっぱり?
痛えな この野郎 この野郎…
でもさ…
花火大会で ビール売る夏になるなんて
思ってもみなかったな
やっぱり?
ああ
何か 自分が不思議だよ
そう?
まあ 悪くないけどね それも
俺さ ほら 子供の頃 花火職人 あれに憧れてたんだよね
なんで?
何か かっこいいじゃん
大体 どうやってやってんのか よく分かんないし
何か危険なにおいがするんだよね
何か 男の中の男って感じで 夏の花火に人生懸けてて
夏以外の人生は 謎に包まれてるんだよね
なるほどね
あっ 俺さ ほら 実は
ついてっちゃおうかなと思ったこと あんのよ 思わなかった?
思わないよ 普通
そう
-(海都)おいおい… でもさ -(広海)何?
意外と 普通だったりするんじゃないの
何が?
だから 花火やる人
夢がないね 夢 ないんだよ
(和泉(いずみ)勝(まさる))何 遊んでんだ
(殿村(とおむら)公三(こうぞう))よう
(広海)遊んでないっすよ もう
売り物(もん)だからな 丁寧に扱えよ
お前ら 頼んだぞ あとな
-(公三)はい -(勝)ここら辺だ
(蓑田(みのだ)利夫(としお))こっちからぐるっと…
何やってんですか?
(公三)あっ 打ち上げ花火のね 下調べ
えっ?
-(海都)なんで 利夫さんたちが? -(公三)うん
俺たちやってんだよ 毎年 ねえ キャプテン
-(利夫)うん やってる 花火 -(広海)そんな…
-(利夫)仕切ってんの -(公三)ねえ
現実なんて こんなもんかね
だから 言ったろ
はあ~ もう がっかり 何か 最低
そこまで言わなくったって
あ~ もう いい メシ食い行こう
もう いい メシ食い行こう もう いい メシ食い行こう
もう 帰る
-(利夫)おい -(公三)ちょっと…
じゃあ これ もし よかったら
-(公三)でも でも… -(海都)いや いや
(公三)これ いいの?
うっ
(広海)腹 減った マコちゃん 腹 減った マコちゃん
(海都)真琴(まこと)ちゃん おはよう
(和泉真琴)おはようございます
-(広海)いただき! -(真琴)おはようございます
(原(はら)富士子(ふじこ))おはよう
(広海)おはようじゃねえよ お前 まだいたのか
(富士子)悪かったわね
ねえ あした 花火大会なんでしょ? いたかったな それまで
いい いい 仕事だろ 帰れ
何 それ
だって ほら お前いると ろくなことないんだもん
あのね 言っとくけど 客ですからね あたし
あっ!
懐かしいね それね そんなこと言ったヤツいたよね
“言っとくけど 俺は客だから”
いた いた
(広海)今 パン 塗ってるヤツ
うるせえんだよ
(富士子)花火大会かあ いいな 浴衣 着たかったな
ねえ 真琴ちゃん やっぱ 夏の女は浴衣だし
そうなんですか?
あっ 花火といえばさ 聞いてくれる?
広海ったらね 恥ずかしいんだよ
えっ 何ですか 何ですか
おい ちょっと待て!
お前 また海 落とすよ 今すぐ帰れ
(富士子)ごめん でも まだ朝食 食べてないから
あっ そう
そうだ!
何だよ
ほら 俺たちもさ 交ぜてもらおうよ 花火
やってみたいじゃん
(広海)お願いします
やり方 お願いします 指導してください
(利夫)分かんないな できないと思うんだ 俺
素人には分かんないだろ…
-(海都)あっ! -(利夫)え?
(利夫)いやいやいや ここじゃなくて
-(公三)おい -(利夫)分かんないって
こんちは
-(内藤(ないとう)祐介(ゆうすけ))うい~ -(真下(ました)裕子(ゆうこ))おう
ああ 祐介・裕子だ
そのさ“祐介・裕子”って 続けて言うの やめてくんない
何か 売れない漫才コンビ みたいじゃない
-(真琴)春子(はるこ)さんは? -(裕子)買い出し
あした 仕事なの?
あったり前でしょ 1年で一番忙しい日なんだから
-(祐介)そっかあ -(裕子)また今年も祐介か
悪かったな 俺だってさ…
-(裕子)何? 何? 何ですか? -(祐介)別に
あっ 分かった 祐介 真琴の浴衣姿とか見たいんだ
何 言ってんだよ
(戸が開く音)
-(前田(まえだ)春子)ただいま -(真琴)おかえり
-(裕子)おかえりなさい -(春子)あ~ 忙しい 忙しい
(真琴)お疲れさま
(春子)あっ 留守番 ありがとね
(裕子)いえ いえ
でもさ 真琴さ さみしくない?
やっぱ 女の子は浴衣 着て かっこいい彼氏 連れて
行きたいじゃん 花火
しょうがないの 民宿の娘ですから
それに 浴衣なんて持ってないし
似合わないと思うしさ
-(裕子)ああ ああ -(真琴)なんで“ああ”ってさ
(春子)ねえ 裕子は浴衣とか 持ってんの?
うん あっ でも お母さんのお下がりですよ
ほら うち ケチだから
そうか
でもさ 今年はバイト 2人もいるんだからさ
真琴は いいんじゃないの 休んだって
そういうわけにはいかないの ねっ 春子さん
-(春子)ん? -(真琴)頑張ろうね
うん
何か手伝う
-(春子)じゃあ 豆腐 -(真琴)はーい
よし
はい お待ち遠さまでした また来てね
あっ ほら お待ちかねの人 ほら!
(海都)いらっしゃい
-(亜希子)あっ こんにちは -(海都)久しぶり 遠かったでしょ
(亜希子)はい すいません
(広海)ようこそ ダイヤモンドヘッドへ
お待ちしてました はい どうぞ
ねえ ねえ ねえ 桜は?
(亜希子)ああ…
-(亜希子)桜 来ないって -(海都)えっ?
-(亜希子)何か 来にくいみたいで -(海都)なんで?
-(亜希子)ね? -(瞳)うん
あっ そう…
♪~
~♪
(亜希子)いい眺め
-(瞳)あっ ホント -(亜希子)気持ちいい
(海都)ああ あのさ
どうして桜 来なかったのかな
ギリギリまで迷ってたんですよ
桜 かわいそうですよ
かわいそう
だって いきなり鈴木さん 会社辞めて こんな所で…
女の子は⸺
どうしていいか分かんないんですよ
(瞳)周りにも 結構 いろいろ言われてるしね
えっ?
そりゃ そうですよ
桜 なんで来なかったと思います?
花火大会だって言って 楽しみにしてたんですよ
浴衣とか買いに行って
でもね 桜 言ってました
“きっと花火大会 楽しくて”
“でも 一緒に帰れないのは 寂しすぎる”って
“楽しいだけ余計 寂しい”って
そう…
(瞳) 怒らないであげてくださいね
桜 ホントに よく我慢してると思うもん
そんな 怒るなんて…
フウ…
(広海の歌声)
麦茶 どうぞ
あっ ごめんなさい いきなりビールのほうがいい?
あっ じゃあ ごゆっくり ごゆっくり
(亜希子)ありがとうございます
-(広海)よろしくね -(海都)何だよ
-(瞳)面白い -(海都)うちの名物 フフッ
ごめんね テーブル汚いね
(亜希子)大丈夫です
う~ あっつつのつっつ あ~
おう やっと帰んのか?
(富士子)帰るわよ
-(富士子)ねえ 広海 -(広海)何?
もう一回 やり直そうか
はあ?
何かさ ここで働く広海 見てたら ちょっと惜しくなってきちゃった
何だよ それ お前 前は惜しくなかったってこと?
うん 全然
ああ 気付くのが遅かったね 富士子ちゃ~ん
そっか まっ いっか
じゃあね
もう 会うことねえと思うけどよ 気を付けて帰れよ
(富士子)また来るね
チャオ
(亜希子)あ~ 気持ちいいよね
(瞳)ホント 涼しい
(亜希子)海を見ながらね こういうのもいいよね
(広海)ねえ
これに入ってさ 花火なんか見たら 最高だと思いません?
桜ちゃんも来ればよかったのにね
-(瞳)ホントよね -(亜希子)桜も来ればよかったよね
でも これが 桜が言ってた あれ?
何 これ 天然ジャクジー?
そうそう そうそう! いいこと言うね 桜ちゃんもね
(瞳)痛い
“気を付けないとやけどする” って言ってたから大丈夫 これ?
言ってた 言ってた
俺も 気を付けないと やけどする男って感じ
でも これに入りながらさ ビールとか飲みたいよね
そうだよね“部長のバカ野郎”とか 叫んでみたいよね
そうだよね“部長のバカ野郎”とか 叫んでみたいよね
(広海)ゆっくりして くださいね
(2人の笑い声)
(瞳)ねえ あなたが広海さんですか?
何?
(瞳)桜が言ってた “ちょっと軽いけどいい人だ”って
でも 何て言うか…
(亜希子)ちょっとじゃないよね
(2人の笑い声)
冗談じゃないよ 君たち
ふざけんな!
(海都)真琴ちゃん
桜さん 来なかったんですか?
(海都)うん
そうなんだ
うん 真琴ちゃんさ
俺とあいつ ここにいるから あした 友達と遊んできなよ
ねえ せっかくなんだから
ダメです だって頼りないもん
大丈夫だよ
ダメです
-(真琴)あたし これ やりますから -(海都)大丈夫… 痛っ
ちょっと 大丈夫ですか? ほらね 任せられないでしょ
(海都)はい はい
浴衣?
そう
持ってねえだろ あいつは
欲しいなんて言ってねえぞ
ダメだね 男は
(勝)うん?
ダメだ ダメだ
(戸が開く音)
-(海都)おう -(広海)はい ほい
サンキュー うわっ 冷たい
ああ~ はあ~
-(海都)やっぱりさ -(広海)ん?
いや…
やっぱ ひどいこと してんだろうな俺 桜に
そうなんだよな
よく分かんないけどさ
やっぱ いいや
何だよ
いや ほら 俺の言葉なんて 何の役にも立たないでしょ
-(海都)うん -(広海)“うん”?
えっ? あっ いや…
普通 そんなことない とか言わない?
ない ない ない で? 何だよ
いいよ もう
-(海都)何だよ 言えよ -(広海)やだ
言ってください お願いします
そう? じゃあ メモの用意はいいかな
(2人の笑い声)
バカ
-(広海)いや 俺さ… -(海都)ん?
俺 1つだけ 決めてることあるんだよね
女は大切だよ 男は女に優しくするべきだと思う
でもね 男は…
女を理由に人生 決めちゃいけないと思うんだよね
それは 女にも 失礼なんじゃないかな
あ~ 俺 自分で言って すげえ感動しちゃった
ハハハ メモした?
(2人の笑い声)
ったく あんたはさ…
-(広海)えっ? -(海都)ええ
あんたはいいよな 気楽で
まあね
でもね ほら それは それでさみしいよ
そっちこそ幸せじゃん ほら 心配してくれる人いてさ
えっ?
う~ん 俺なんか誰もいないからさ
俺って要するに 孤独な太陽って感じ フフフ…
でも ホントさ 時々あんたって よく分かんないよ
ああ 時々ですか うれしいね
つい この間までは ほら 全然だったでしょ
まあ そうだな そういえば
-(広海)あっ -(海都)ん?
いや もう ねえよ
(海都)もう 飲んじゃったの?
(広海)飲みに行かない? ほら“渚(なぎさ)”に
(海都)まあ いいけど 行く?
(広海)いや ほかにないから
-(海都)じゃあ 行こう -(広海)よ~し
(広海)潰すよ
(戸が開く音) (広海)ハロー!
たまに来るなら こんなお店
あっ あ… 今 何か隠したでしょ?
なんだ あんたたちか
何だよ そりゃ
(春子)真琴かと思ったからさ
真琴ちゃん?
ねえねえ 何 それ 春子ちゃん
(春子)うん
これ あたしのなんだけど 真琴にと思って
へえ~ 浴衣か
女の子だからね あいつも一応
いいじゃん
あいつさ“私は忙しいから” とか言って
浴衣なんか興味なさそうに してるけど
ホントは違うじゃん
あいつ ほら ガキのくせに 妙にしっかりしてっからね
あたしもね 家 商売やってたから
花火大会のとき いっつも手伝わされてて
浴衣 着てる女の子 うらやましかったんだ
へえ~
内緒だからね できるまで
うんうん うんうん 任せなさい
守れる? 約束 あんた 意外と口 軽そうだもんね
何 言ってんだ 言っとくけど あんたには言われたくないね
-(広海)ああ そうですか -(海都)そうですよ
あの2人は?
(勝)さあな
ああ…
でもさ 2人がいないと静かだよね
(勝)そうか? でも去年まではそうだったろう
そうだけど
(勝)なあ 真琴
(真琴)ん?
やっぱ あれか
母親がいてくれたらなって そう思うか?
えっ なんで?
いや まあ ただ何となくな
-(真琴)おじいちゃん -(勝)ん?
あたしさ
ちょっとは うれしかったよ
お母さんが“一緒に暮らしたい” って言ってきたとき
もう 忘れちゃってるかなって 思ってたから あたしのことなんか
フフッ バカ
でもね…
(勝)安心しろ “帰れ”なんて言わないよ
それにしてもさ 今年の夏は にぎやかだよね
(勝)にぎやかっていうのかな
いい花火大会になりそうだね あした
真琴さ 浴衣 喜ぶよ
-(広海)はい はい はい -(春子)うん
じゃあ ごゆっくり
-(広海)あのさ -(春子)ん?
ほら 春子ちゃんの男って どんなヤツだったの?
えっ?
やめろよ そういうこと聞くの
そっか ごめん ごめん
ううん いいよ別に
海都さんに ちょっとだけ似てる
-(海都)俺に? -(広海)こんなの?
何だよ “こんなの”って
エリートだったんだ あたしの彼も
(広海)ああ なんだ そういう意味か
海都さんが ここ来たのと おんなじだと思う
(海都)同じって?
彼にとっての夏休み みたいなもんだったんだ
あたしと付き合ったのは
休んでみたかったんじゃない?
でも 夏休みは 秋が来れば終わるんだよね
詩人だねえ
よかった?
(広海)うん うん いい いい
-(春子)あっ ねえ -(海都)ん?
海都さんはどうすんの? 夏 終わったら
う~ん
考えてないよ 考えないために来たんだから
そっか
でもさ 花火大会ってね…
(広海)あっ ちょっと待った
なんで 俺には そういうこと聞かないの?
それより 俺 前から言おうと 思ってたことあんだよね
-(広海)聞いていい? -(春子)うん
いい? いいですか?
なんで“さん”で 俺は“くん”なの?
-(春子)いいじゃんねえ -(海都)ねえ
それにさ
何にも考えてないでしょ? 広海君って
失礼しちゃうね
だって 打ち上げ花火みたいな もんじゃない 広海君って
何 それ ちょっと どういう意味?
ドッカーンと上がって 後には何にも残んない
あっ そう ハハハ…
ねえ よかった? 今の あたし 詩人?
いや 全然よくない 全然よくないよ
でもね
花火大会が終わると 夏は すぐ終わっちゃうんだよ
夏の折り返しなの あしたは
折り返しか
じゃあ ごゆっくり
飲もうか はいはい はいはい ねえ 飲もうよ
-(海都)じゃあ -(広海)ういっす ういっす…
(海都)夏の折り返しか
短いよなあ
やめようぜ しんみりすんのは
そういうわけじゃないけどさ
-(広海)水泳はさ… -(海都)え?
折り返してからが勝負なんだよね
へえ~
だから これからでしょう
ハハハハ…
そう これから
(海都)うん
(目覚まし時計のアラーム)
(広海)コケコッコー コケコ
真琴 朝だよ 花火大会だ
ちょっと ノックぐらいしてよ
(海都)痛っ
ストライク!
ちゃんと考えて買ってる? うち 赤字なんだから
赤字って お前 いいだろ
マサじい マサじい
“マサじい”って何 それ
“勝じい”の略して マサじいだよ
何?
-(広海)おい -(真琴)えっ?
(真琴)あっ はづきさん?
あっ お~い
-(真琴)はづきさん -(広海)お前 狭いよ
(真琴)はづきさん どうしたんですか?
(寺尾(てらお)はづき)東京に ちょっと帰らなくちゃならなくて
(真琴)ああ じゃあ 花火大会 来ないんだ
(はづき)定期検査の日なんです
(真琴)そっか 残念だね
(はづき)うん 私も見たかったんだけど
あっ はづきちゃん 来年もあるじゃない ね?
ねえねえ はづきちゃん あれに似てない?
何だっけ? えっとね クララ
何 それ クララ… あっ
「アルプスの少女ハイジ」のやつ?
そう そう! そう! お前 ハイジね
-(真琴)ああ -(広海)何 その“ああ”って
-(広海)気に食わないね -(真琴)ハイジか
あの ほら 天然育ちっていうか ほっぺた赤いところ
-(真琴)あっ そう -(広海)そう
で じゃあ おじいちゃんは おじいさんで
俺は 俺は 俺は?
(真琴)ペーター ペーター
汚いところとか ちょっと汗臭いじゃん ハハッ
フン! だからさ はづきちゃんさ
ここにいると クララは立てるようになるよ
じゃあ 私も治るかな
-(広海)当然! -(海都)ちょっと待って
-(海都)俺は? 俺 -(広海)え?
俺 言ってない 俺
(真琴)ほかに誰いたっけ?
犬のヨーゼフ
(真琴の笑い声)
ああ もう それしかいないか
(海都)なんだよ ヨーゼフって
(広海)そんな怒るなよ ガキじゃないんだから ねえ
じゃあ いってきます
早く帰ってこいよ
花火 見たくても 見れないヤツもいるんだな
(真琴)うん
社長 大丈夫ですか? 味
(真琴)ねえ これ漬物なんだから 何か切り方あるでしょ
-(瞳)ああ いい匂い -(海都)おはよう
-(亜希子)おなかすいた -(瞳)おはようございます
今 朝食になるから もうちょっと待ってね
(2人)えー!
鈴木さんが作った朝ごはん 食べるなんて 何か不思議
-(瞳)ねえ 意外 -(海都)結構 うまいんだよ
鈴木さんが作った朝ごはんなんか 食べるのって不思議だよね
何つうか まあ 俺のおかげだけどね
(海都)うるさいんだよ いちいち
-(広海)どれどれ… -(海都)花火 楽しんでって
はい あっ…
-(真琴)食べてばっかり -(広海)いいじゃん
(亜希子)何か 雲行き 怪しくない?
(瞳)本当だ
(雨音)
(雷鳴と雨音)
あっ…
(広海)いや いやあ すっごい雨だ まいったよ
(勝)そうか
あ~ しかたねえな うん うん うん ご苦労さん
あっ 中止だ 今日は
(真琴)え~
(勝)まあ 来年のお楽しみ ってとこだな
何か ごめんね せっかく来てくれたのに
いえ でも どうしようか
-(亜希子)帰ろうか -(瞳)帰ろうか
線香花火でも買ってこうかな
(風の音)
(亜希子)鈴木さん
(海都)あっ もう帰る?
ごめんね ホントに また いつでも遊びに来て
-(亜希子)ね? -(瞳)うん
-(亜希子)ごめんなさい -(海都)え?
やなことばっかり言って
いや とんでもない
でも 桜 頑張ってるから
(海都)うん
もう少し考えてあげて
じゃないと かわいそうだから
(海都)うん
(春子)できた!
雨かあ
ハア…
(公三)こんちは
いやあ まいったね まいったね 今日はね ねえ おやじさん
マコちゃん 小包
-(真琴)あたし? -(公三)うん
-(公三)はい -(広海)誰からだ
おっ 慶子(けいこ)か
あっ…
-(公三)じゃあ おやじさん また -(勝)おう ご苦労だな
(公三)どうも
-(広海)開けてみろよ -(勝)うん そうだ 開けろ
(勝)浴衣かあ
やっぱり慶子も母親だな
(春子)こんちは
あ~ ぬれた ぬれた
どうした?
あっ…
これ…
今 慶子が送ってきたんだ
へえ~ どれどれ
うわ~ かわいいじゃない さすが慶子さんだね
よかったね 真琴
うん いい いい
(真琴)でも…
あたし 浴衣なんて いいよ
(春子)真琴
持っていきな
真琴
真琴 それ かわいいぞ
なあ ほら かわいいよ
(勝)どうしたんだ お前ら
さてと
何か用だったのか?
うん あの… しょうゆさ 借りようかなと思って
いいよ 持ってけ
じゃあ 借りてくね
雨すごいね やまないかね
そうだな…
じゃあね サンキュー
どうするよ
どうするっつったってさ
ちょっとさ 渚 行ってこいよ
-(広海)ちょっと待った -(海都)え?
どうして俺だけ そういう役割になるわけ
だってさ
こういうとき あんたのほうが 絶対いいって
どうして?
俺 行くと ほら
余計 バカなこと言って 傷つけちゃいそうだからさ
何だよ それ
ねえ
-(海都)俺? -(広海)うん
それに ほら 春子ちゃん エリート好きらしいし
関係ないじゃん そんなの
俺って ほら 取扱注意っつうか 常に危険と はらんでる男だからさ
-(海都)配慮に欠けるってこと… -(広海)そうとも言うけど
ほら
早く
分かったよ ちょっと行ってくるよ
(戸が開く音)
-(春子)来た来た -(海都)えっ?
どっちが来るかなって 楽しみにしてたんだ
まいった
いいの いいの 気にしないで
-(海都)だって 浴衣… -(春子)いいんだってば
慶子さんが作ってくれたほうが 真琴には いいに決まってるでしょ
いや でもさ…
母親が作ってくれたほうが
いいに決まってるの
春子ちゃん…
それに 楽しかったから
作ってるとき すごく楽しかったから
それでいいの
母親の気持ちになれたから
それでいいの
無駄でもいいの
夏か…
大丈夫だったよ 春子ちゃん
そう
(ため息)
(広海)ねえねえ ねえねえ
ほら 花火やろうよ 雨 上がってきたし
ウソ
やろうよ
うん
花火 花火 やろう
-(海都)やるか -(広海)やりますか
-(海都)よし やろう -(広海)よっしゃ!
(戸が開く音)
春子ちゃん
春子ちゃん
(戸が開く音) (スイッチを押す音)
(真琴)ちょっと… 何 その顔 ノックしてって言ったでしょ
-(広海)真琴 -(真琴)何?
ほら それ着て 下りてこいよ
えっ?
-(真琴)やだよ -(広海)なんで
-(真琴)なんでって… -(広海)うれしくないの?
いいでしょ ほっといて
あ~ ホントはうれしいんだ 素直じゃないな
怒るよ
早くしろよ
ちょっと 待ってよ
花火大会 中止でしょ 着たってしょうがないじゃん
やるんだな これが
えっ?
花火には浴衣が必要なの
何 それ
それに ほら みんな お前の浴衣姿 見たいんだよ
なっ 早くしろよ なっ 待ってるからな
お前 来なかったら ぶっ飛ばすからな
分かった 分かった 分かった?
ちょっと… ちょっと待ってよ
そんなこと言われたって…
(ノック音)
はい
春子さん
手伝ってあげるよ
すてきでしょ
やっぱ夏は浴衣だね
-(広海)馬子にも… -(海都)何 言って…
聞こえた
(真琴)うわ~ 奇麗
やっぱ 夏は花火 俺 花火職人に憧れててさ
何つうのかな まあ 話したと思うけど
この… 何か夏なんだよねえ
もしもし 桜? 俺
(山崎(やまざき) 桜)海都?
あのさ 今から俺 花火 上げるから
花火って… だって 中止だったんでしょ?
うん でも上げるんだ 俺が
(肩をたたく音)
-(海都)痛っ 何? -(広海)早く
桜 ちょっと待って
(海都)何 何… え?
もしもし?
もしもし 俺 俺 広海
うん そう そう そう ちょっと軽い広海
あのさ 今から あいつが 花火 打ち上げっから
空 見ててやって
だって 見えるわけ…
(広海)見えるの 見えるの 何 言ってんの
空は つながってんじゃん 海と一緒で
何 言ってんの 見えるの いくよ
いい いい? いくよ!
おい いい?
OK!
5…
4…
3…
2…
1!
♪~
(花火の音)
(桜)見えるわけないじゃない
うわ~
(勝)結構 やるじゃないか
-(真琴)すごい -(春子)かっこよかったよ
(海都)サンキュー
ハハハハ…
どうかした?
よっしゃ
-(広海)俺の番だ -(海都)おう
(春子)何?
(広海)俺の番 あっ…
おい ねえじゃねえかよ これ
いいよいいよ いいよいいよ
いいよ いいよ
ちょっと やだ!
あ~
バカ やめとけ
遅いんだよね
(歓声)
フウ~ フウ フウ
おい
~♪
誰? あの おばさん
(海都)さあ…
ジャーン!
(真琴)美智恵(みちえ)さん?
(菊田(きくた)美智恵) お願い お願い…
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