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本当にすいませんでした｡

山の便利屋であってはならないという意味が よくわかりました｡

救える命と救えない命➡

そして救わない命➡

それをいかに迅速に見極めるか｡

救わない命ですか｡

考えたくないけどね｡

それでも考えるべきだろうな｡

ＭＭＴのこれからを見つめ直していくためにも｡

あぁ… あっ｡

江森君 江森君？江森先生！

大丈夫ですか？江森君！

横に倒しますよ｡あっ…｡

大丈夫ですか？救急に連絡お願いします｡

あぁ…｡

大丈夫だ！いつものことだ｡すぐに治まる｡

あぁ…｡

かなりきつい発作があったようだね｡

トロポニンも少し上がってるし心電図も虚血性変化が出てる｡

やはり そうですか｡

冠血管拡張薬を使ってしばらく安静にして精査しよう｡

入院は困ります｡江森君➡

自分の体は自分がよ～くわかってるでしょ｡

ですが仕事を休むわけにはいかないので｡

ＭＭＴのことが気がかりなのはわかるがね➡

医師が健康でなければ患者は救えない｡そうだろう？

あぁ… それは そうですが｡

いざというときに自分が倒れたらどうするんだ？

江森先生が？入院？

入院って お体悪かったんですか？

実は以前から 冠動脈に疾患を抱えていたそうなの｡

それで昨日 突然倒れて｡

まさか 初耳です｡

江森先生 大丈夫なんでしょうか？

本人からは心配いらないと言われています｡➡

江森先生の古くからの恩師でもある➡

津山総合病院に検査入院することになったから｡

何か ここのところ悪いニュースばかりですね｡

ははっ｡週刊誌に書かれた件については➡

気にしないで｡ＭＭＴは➡

前例にないことをやってるわけだし➡

周りが敏感になるのも無理ないことだから｡

宮本先生も みんなも➡

これまでどおりよろしくお願いします｡

そうですね｡院長のおっしゃるとおり➡

江森先生がいない分まで俺たちで頑張るしかない｡➡

さあ 仕事 仕事｡切り替えていこうよ！

はい｡はい｡

なぁ｡はい｡

よしじゃあ カンファレンスしよう｡

失礼します｡鮎川さん そろそろお帰りですか？

先生 いろいろありがとうございました｡

予定より早く退院できて良かったね｡

ははっ病室で夏が終わっちゃうなんて➡

やっぱ寂しいですからね｡

まさかとは思いますけど➡

すぐに山荘で働こうなんて思ってないですよね？

ん？えっ？だめですよ｡

夏が終わるまでは自宅療養｡わかりました？

何か気になってしかたないんですよね｡

山荘と ず～っと一緒に見守ってきましたからね｡

あぁ… お客さんたちが安全に山に登れるようにさ｡

純家さんってどっかで会ったよね｡

去年の内科医会のクリスマスパーティーでね｡

あぁ～ はいはい｡あの堅物で話が通じなさそうなね｡

そうでもないわよ｡

久しぶりにお会いして意気投合したから｡

週刊誌にリークしたのは あなたですか｡

ＭＭＴを潰すなら今ですよ｡

潰すだなんて 人聞きが悪いことおっしゃらないでください｡

あら 県の限られた予算でやりくりするには➡

経費削減のために断捨離だって必要ですよ｡

不必要な医療政策は切り捨てるべきです｡

確かに 一理ありますね｡

いずれ県が動くはずよ｡

それで帰ってくるかね典子さんは｡

必ず連れ戻して➡

うちの病院でゼロから内科医について学ばせるわ｡

そういう週刊誌の記事とかってさ➡

どこまで取材して裏付けしてんだろうな｡

さあ｡

大丈夫？典子｡

ん？いや ここんとこ➡

疲れ たまってんじゃないか？

あぁ～｡

まあ 親のこととかいろいろあったからね｡➡

私たちは ただ➡

患者さんを救いたくて頑張ってるだけなのに｡

ああ そうだよ｡典子たちは悪くない｡

ありがと｡

マジで言ってんだぞ｡

圭吾 救ってもらってＭＭＴには感謝してるし➡

そう思ってる患者は他にもたくさんいるって｡

ふふっ ありがと｡マジで言ってんだよ｡

おう ははっ｡➡

よしスタミナつくもん作ってやるか！

よし｡

江森先生➡

ご自身の体のこと気付いてたのに➡

登ってたんですね｡

ＭＭＴで一緒にやってくれませんか？

悪いが俺には時間がないんだ｡

どういうことですか？

７年前｡

７年前に山で亡くしてしまった人を…｡

見つけなきゃいけないんだ｡

今は山岳医として 山岳看護師として➡

僕たちが頑張っていくしかありませんね｡

そうですね｡

知事｡知事は➡

ＭＭＴが このような事態を引き起こすことを➡

想定されていたんでしょうか？

いや｡困ったことになったな｡

知事の顔に泥を塗ったも同然です｡

何とか我々のほうで火消しいたしますので➡

任せていただけますか？

責任はＭＭＴにきちんと取らせますので｡

くれぐれも穏便に頼むぞ｡

承知いたしました｡

４人で登るの２年ぶりだよな｡

あっ もう そんなたつ？うん｡

やっぱ 山はいいよな｡うん｡

ドドドド…

おっ！おっ 何だ？

おっ おぉ～ おぉ…｡

けっこうでかかったよな｡うん でかかったな｡

地震か｡大丈夫か？

うん｡はぁ… よいしょ｡

ドドドド…うわ～！

まずいぞ おい｡逃げろ！

早くしろ！逃げろ！

おはよう｡

はぁ～｡歩➡

仕事のほうは大丈夫なのか？

えっ？例の週刊誌の件で➡

病院をクビになるんじゃないかと冷や冷やしてるぞ｡

やめてよ おとうさん｡そんなわけないじゃないの｡➡

ないわよね？

ははっそうならないように頑張ってるよ｡

あれだぞ こういうのは➡

周りの空気に振り回されていたらどつぼに はまるぞ｡➡

医者たるものいつでも平常心じゃなきゃな｡

そんなこと言われなくたって➡

わかってますよ 歩は｡ねぇ｡

でも ありがとう 父さん｡

うん ははっ｡いただきま～す｡

えっ？

何？

蒼馬岳の登山道で地震による土砂崩れって➡

これ 鮎川山荘の近くだ｡

｢登山者４人の安否不明｣？

えぇ～ 今 長野県 蒼馬岳の➡

土砂崩れの現場付近に来ています｡➡

４人の登山者と連絡が取れなくなっていて➡

近くにいた目撃者から４人の登山者が➡

土砂崩れに巻き込まれたと通報があったということです｡➡

救助隊の懸命な捜索が続いています｡

土砂崩れから２時間が経過しています｡

土砂に巻き込まれたと見られる４人の安否が気になります｡

現場付近からは登山者の所持品と思われるものが➡

いくつか見つかっているということです｡

これ 私も買っちゃった➡

あなたとおそろいの｡ははっ いや べつに➡

同じものじゃなくたって他に もっといいのあっただろ？

誰の影響だと思ってるの？

あなたと出会ってなかったら➡

山岳医療に関心を持つこともなかったし➡

山岳医の認定を取ることだって｡

ははっ｡

教えてくれてありがとう 先生｡

ははっいや べつに俺は何もしてないよ｡

ふふっ 待って｡ははっ｡

お礼にね あなたにも はい｡

おぉ～｡ほら｡

おぉ～ いいね｡どう？

ねえ今使ってるの もう古いでしょ｡

悪いな はははっ｡ふふっ｡

ぴかぴか｡おっ いいね これ やっぱ｡

絵理子ちゃん そっちは大丈夫？

はい｡警察から登山者に➡

注意喚起するようにって連絡が来て｡

そう｡そんな大変なときにおじいちゃんがいなくてごめんね｡

いえ 幹太と何とかやってるんで大丈夫です｡

状況が状況だから先生たちは➡

みんな 病院で待機してなくちゃいけなくて｡

診療所も開けられないけどよろしくね｡

わかりました｡

宮本先生｡救助隊から➡

何か連絡ありましたか？

行方不明の人たちまだ見つかってないみたい｡

今 鮎川山荘に連絡したんですけど警察から➡

登山ルートを規制するよう連絡がいってるそうです｡

遭難者がいつ搬送されてくるかわかりませんし➡

準備を整えましょう｡はい｡

救助隊の懸命な捜索が続いています｡

江森先生が？

病室から荷物もなくなってましてね｡

そちらの病院に連絡は いってませんか？

いえ｡私のほうからも連絡してみます｡

はいわかったらすぐに連絡しますので｡

失礼します｡

もしもし 江森君？

津山先生から連絡があったわよ｡

病院抜け出して今どこにいるの？

蒼馬岳の土砂崩れの現場に向かってる｡

えっ？

待ってまさか その体で山に登る気？

問題ない｡だったらＭＭＴに行かせる｡

行方不明者が発見されていない｡

消防からの要請はまだ時間がかかるはずだ｡

あなた だって心臓が…｡

自分の体のことは自分が一番わかってる｡それに➡

災害現場でのフｧーストエイドには俺は誰よりも慣れてる｡

強がらないで！万が一のことがあったらどうするの？

美鈴の所持品が見つかったかもしれないんだ｡

えっ？大丈夫だから気にするな｡

ううっ… はぁ～｡

はい 松澤です｡

えっ？

コンコン コン！どうぞ｡

お待たせしました｡

ご足労おかけします 松澤院長｡

いえ｡

どうぞ｡

本日はどういったご用件で？

信濃総合病院に対する➡

行政指導です｡➡

先日のＳＮＳの炎上騒動と週刊誌の告発について➡

我々 県としてはたいへん遺憾に思っています｡

当院の医師が二次遭難した件につきましては➡

再発防止に努めるつもりです｡

ほう｡では もう二度と➡

医師を山に派遣するようなことはないと？

いえ｡あくまで➡

二次遭難の再発防止に努めると申し上げただけです｡

困りましたね｡

航空隊のほうから➡

二度とこのような事態が起こらないよう➡

山岳救助に関しては救助隊に任せてほしいという上申書が➡

私どものほうに上がってきているようですが｡

航空隊が？

ええ｡つまり もう二度と➡

医師をヘリに乗せるべきではないということです｡➡

そういうわけで松澤院長がご所望である➡

レスキューヘリ導入の件ですが➡

白紙に戻させてもらうことになりそうですね｡

待ってください！

そもそもＭＭＴは➡

知事の意向もあって発足したプロジェクトなんですよ｡

その知事から一任されているんですよ➡

あなた方の対応についてはね｡

そんな…｡

ともかく今後の再発防止のためにも➡

ＭＭＴに関しては活動を自粛するようお願い申し上げます｡

あぁ…➡

うっ！

あっ… はぁ～｡

要救助者 発見！はい！

おい こっちだ｡早くしろ！

今１人 発見されました｡今１人 発見されたようです｡➡

詳しい容体入りしだいお伝えします｡

信濃総合病院の江森です｡わかりました お待ちください｡

はい｡頑張りましょうね｡

活動自粛？

えっ どういうことですか？

県庁の知り合いからさっき連絡があって➡

うちの院長が呼び出し食らったみたいで｡

本当か？それ｡院長から何も聞いてないぞ｡

まあ週刊誌沙汰にまでなった以上➡

何もおとがめなしというわけにはいかないんでしょうが｡

もはや宮本だけの問題じゃない｡

そもそも現実問題医師が山に行くことには➡

それなりのリスクがありましたからね｡

いや でも➡

医師が山に行ったからこそ救われた命だってあります｡

そうですよ｡山岳医療のリスクだけじゃなくて➡

ＭＭＴの功績も評価されるべきです｡

我々 医師の現場は山じゃなく病院｡➡

運ばれてくる患者を受け入れて全力で治療に当たる｡➡

それ以外は望まれてないってことじゃないですか？

まあ そうかもしれないが｡

院長は山岳医療の未来を変えようとしてたんだよ｡

ＭＭＴがこのまま解散だなんて➡

あっていいわけがない｡

よし 準備しよう！

はい｡はい｡

えっ？

典子さん｡

荷物はどうしたの？

辞めるつもりはないと言いましたよね？

行政指導を受けるような病院を？

行政指導の件どうして知ってるんですか？

ははっ 私はただあなたの将来を案じているのよ｡

だから この病院の腐敗した体質を暴いて➡

ようやく県の重い腰を上げさせたの｡

やっぱり…｡

週刊誌に情報をリークしたのあなただったんですね｡

ええ｡そうすれば あなたもＭＭＴから自由になれるでしょ｡

あなたがやってることは異常です！

異常なのは この病院よ｡

山岳医療なんてマイノリティーな分野に➡

あなたのような優秀な人材を割くなんて どうかしてるのよ｡

どうかしてるのはあなたのほうじゃないですか｡

大体 山の患者なんて全ての患者の数に比べたら➡

微々たるものじゃない｡

数が何か問題ですか？

当然よ➡

ヒューマンリソースは限られているんだから｡

その論点で言うなら➡

難病の研究もやめるべきだというんですか？➡

何万人に１人っていう難病を治療するために➡

先端医療の研究は進められています｡➡

たとえ 希少なケースだとしても➡

大切な命を守るためにみんな努力してる｡➡

たとえ 僅かな割合でも➡

救う命の価値は同じです｡

だったら なぜ医学の学習科目に➡

山岳医療は入っていないのかしら？

所詮 山岳医療は➡

山好きな医者の善意だけで成り立ってる｡

それが この国の現状なのよ｡

私たちは決して➡

ボランティアでやってるんじゃない｡

医師として当然の使命です｡➡

医療だって 時代と共に変わっていくべきだと➡

私は思います｡

江森君？どうかしたの？

今 土砂崩れの遭難現場にいる｡

行方不明だった遭難者が見つかった｡

一刻を争う状況だ｡頑張りましょうね｡

人手は足りてるの？いや➡

医師の応援がいると伝えたが消防本部が難色を示している｡

要救助者 発見！早く早く！

何とかならないのか！実は➡

県からの行政指導が入って➡

医師を山に行かせるわけには…｡そんなこと言ってる場合か｡

人命が懸かってるんだぞ！大丈夫ですか？大丈夫ですか？

このままじゃ救える命も救えない｡

今助けますからね！

わかった｡

１ ２ ３ １ ２ ３｡

あっ すみません｡

もう大丈夫ですからね｡

どこか痛い所ありますか？

うっ… あぁ…｡

他に痛い所ありますか？

失礼します➡

信濃総合病院 院長の松澤といいます｡➡

知事と話をさせてもらえませんか？

申し訳ありませんが今は お取り次ぎできません｡

一刻を争うんです｡何とかお願いできませんか？

事前のお約束がないことには…｡➡

お待ちください｡勝手なことをされては困ります｡

時間がないの｡騒がしいですね｡

人命が懸かってるんです｡すみません 失礼します｡➡

知事！お話したいことが｡

松澤院長｡どうぞ お引き取りください｡

いや いい｡

どうぞ｡

ありがとうございます｡

ＭＭＴの件ですか｡

はい｡➡

蒼馬岳で発生した土砂崩れの遭難者が➡

発見されたことは ご存じですか？

ええ救助隊から報告を受けています｡

救助に医師の手が必要です｡

ヘリで医師を搬送していただきたいんです｡

用件はわかりました｡

しかし先日の二次被害の問題を受けて➡

ＭＭＴのあり方を見直すべきだという意見が出ていましてね｡

我々に問題があったことは重々承知しています｡

ですが 今は一刻を争う状況です｡

ええ だからこそ山に医師を向かわせたことで➡

二次被害をもたらすようなことはあってはなりません｡

もちろんです｡

しかし適切な応急処置がなければ➡

手遅れになりかねません｡

医師が現場に向かうことによって➡

救命率が上がるというエビデンスがあります｡➡

ＭＭＴには救える命があるんです｡

地域医療の未来のために➡

知事と夢を語り合って➡

ＭＭＴが生まれたんじゃないですか｡

はぁ～ まさしく➡

今年１年目の新生児ですね｡

そうです｡ＭＭＴは➡

私にとっても知事にとっても➡

我が子同然の存在のはずです｡

我が子の失敗と成長を見守る責任が➡

親にはあるはずです｡

活動自粛っていわれてるのに➡

私たちが受け入れちゃっていいんですかね？

まだ正式に決まったわけじゃありませんから｡

患者さんのために今 やれることやりましょう｡

はい｡

でも 正直 むなしいです｡

私たちがやってきたことって何だったんでしょう｡

私も｡そんなふうに感じるなんて➡

ＭＭＴを始めた頃は思いもしませんでしたけど｡

そうだよな｡ＭＭＴのおかげで➡

救える患者がいるってわかって山岳医療の勉強してな｡

でも このままじゃレスキューヘリの導入は➡

夢のまた夢ですね｡

しかたありませんよ｡こればかりは➡

国や自治体の協力がなければ成り立たないことですし｡

１度や２度の失敗が何だってんだよ｡

ＭＭＴは新しい医療の扉を開こうとしてんだよ｡

ﾄﾗｲ ｱﾝﾄﾞ ｴﾗｰ 繰り返していくしかないじゃないかよ｡

ははっ まあ➡

若い諸君は知らないかもしれないが➡

救急医療も昔はそうだった｡

法律も何にもないところから始まって➡

何度も何度も失敗と成功を繰り返して➡

少しずつ制度が整ってそれでようやく➡

僕らのような救命救急医が生まれたんだ｡

次は山岳医療だろ！

見返してやるしかないんじゃないのか？

宮本先生｡

はい｡このまま終わりにはしたくありません｡

うん｡

院長から｡ん？

もしもし｡宮本先生｡

そっちに救助のヘリが向かうから➡

鮎川さんと一緒に同行してください｡

えっ？ん？どうした？

土砂崩れの行方不明者が発見されて➡

救助隊から医師同行の要請が入ったわ｡

現場の江森先生と一緒に➡

遭難者の応急処置をお願い｡

江森先生が？

今は説明してる時間はない｡

頼んだわよ 宮本先生｡

一刻を争う状況です急ぎましょう｡

はい｡急ぎましょう｡

はい｡

ＭＭＴが現場に？

先ほどヘリで医師を搬送したと航空隊の方から報告が｡

どうなってるんだ｡知事からの指示のようです｡

ありがとうございました 知事｡

あくまで人命優先のための措置です｡

ＭＭＴのあり方については世論も含めて➡

今後も考えていく必要があることには変わりありません｡

はい｡

松澤院長やってくれましたね｡

知事にじか談判してまで航空隊を動かすとは｡➡

公共の機関を私物化するおつもりですか？

私は ただ➡

１人でも多くの命を救うために最善の手段を取っただけです｡

困りますよ 院長｡

もし また二次被害を起こしたらどう責任を取るおつもりです？

山のお医者さんごっこは金輪際やめていただきたい｡

お医者さんごっこ｡ええ そうです｡

その言葉は撤回してください｡

はい？

今 現場では患者を救いたい一心で➡

一分一秒を争って医師たちが闘っているんです｡

１ ２ ３！

温めますね｡お願いします｡

自然の脅威にさらされながら➡

自分自身の健康も➡

時には命すらも落としかねないリスクを背負いながら…｡

右足 固定しますね｡

それでも患者を救おうとしてるんです！

空調の効いた部屋の中で➡

お役所ごっこなんてやめていただきたい｡

今度 問題を起こしたらもう 後はありませんよ｡➡

知事もＭＭＴを見限りますよ！

頼んだわよ｡

今 固定してますからね｡痛いけど我慢してくださいね｡

ブー…

今 救助ヘリが来ました｡

もう少しの辛抱です頑張ってください｡

江森先生 江森先生！

間もなく倒木から救助できそうですが➡

クラッシュシンドロームの危険性はありそうでしょうか？

今行きます｡はい お願いします｡

お願いします｡はい｡

挟まれてはいますが血流は保たれているので➡

心配ないでしょう｡はい わかりました｡よし｡

ここに寝かしてください｡はい｡よし 救出するぞ｡

はい｡よし いくぞ １ ２ ３｡よし｡➡

よし こっちも じゃあ｡➡

１ ２ ３｡よし｡➡

はぁ… ゆっくり ゆっくり｡➡

はぁ…｡頭 ＯＫです｡

入ります｡はい お願いします｡

痛い所ありますか？

あっ…｡

お待たせしました！

ご苦労｡はぁ はぁ…｡

この患者はバイタルが不安定で➡

右血気胸が疑われる｡胸腔ドレーン入れてくれ｡

はい｡先生 意識が低下してます｡

今行きます｡こっち頼む｡

はい｡お願いします｡

大丈夫ですか？大丈夫ですか？医師の宮本です｡

今から処置しますね｡

点滴やるので これお願いします｡

服切りますよ｡

ちょっと ちくっとしますよ｡

お待たせしました｡足元 気を付けて…｡

はい｡

ルートとってください｡はい｡

大丈夫ですからね｡

腕 失礼しますね｡

はぁ…｡シュー…

ドレーンお願いします｡はい｡

鮎川 来れるか？はい｡

酸素投与とトラネキサム酸 用意してくれ｡

はい わかりました｡

お願いします｡はい｡

失礼します｡

よし｡

搬送お願いします｡わかりました｡

ストレッチャー 準備｡はい｡

お願いします｡

要救助者２名 発見しました｡

こっちも搬送お願いします｡わかりました｡

はい｡

消防長野 ヘリ１から信濃総合病院｡➡

要救助者２名 共にＪＣＳ１桁｡➡

負傷部位は事前の情報どおり｡

あと１０分ほどで信濃総合病院に到着｡どうぞ｡

信濃総合病院 了解しましたスタンバイします｡

状況は？

もうすぐ患者を乗せたヘリが到着します｡

行きましょう｡はい｡

頼んだよ｡はい｡

１ ２ ３！

他の遭難者の状況は？

残りの２名も無事 発見されました｡➡

このあと搬送します｡お願いします｡

お願いします！

入ります｡

入ります｡こっち１番入れるよ｡➡

FASTするよ｡そっち２番入れて｡

わかりました｡こちらの患者は私が｡

はい｡この点滴 ロックします｡➡

入れます｡

はい 移すよ｡１ ２ ３！

いくよ １ ２ ３！モニターつけます｡

酸素切り替えます｡お願いします｡

毛布外しますね｡

脾臓が破裂してるかもしれないな｡

開腹手術の準備｡はい｡

麻酔スタンバイします｡そっちの状況は？

これから挿管します｡

ミタゾラムで鎮静かけるよ｡はい｡

輸血 ＲＢＣ ＦＦＰ１０単位ずつ持ってきて｡

はい｡救急です ＲＢＣ １０単位➡

ＦＦＰ １０単位お願いします｡Ａラインと末梢➡

もう１本とって｡はい｡

どこか痛い所ありますか？

うっ！あっ…｡

骨盤が折れてますね｡固定します お願いします｡

うっ… 痛っ｡

ちょっと痛いかもしれません｡あぁ…｡➡

痛ぇ… 痛ぇ はぁ はぁ…｡締めますよ｡

うわ～！

心タンポナーデだ｡

心臓の周りの血を抜きますね｡

ちょっとちくっとするかもしれません｡

もう少しで楽になりますからね｡

よし｡

とう骨 触れます｡ドレナージチューブ入れて➡

搬送します｡はい｡

ガーゼもっとちょうだい｡はい｡

キンコーン キンコーン…

出血点どこだ？➡

あぁ～ ちょっと ここ吸って｡

はい｡

ガイドワイヤ入りました｡ん？ん？あった｡➡

やっぱり脾損傷だ サテンスキー｡はい｡

エアリークありますか？

リークあります呼吸性変動もあります｡

よし じゃあＣＴ撮って ＩＣＵに入れて｡

お願いします｡はい｡

はい 入ります｡動かします｡

脾臓 摘出するよ｡はい｡

メッツェン｡

これこそが私の信じた山岳医療よ｡

いや 本当に助かりました｡➡

先生方がいてくれなかったらどうなっていたことか｡

いえ こちらこそ｡

では我々は これで｡

ご苦労さまでした｡お疲れさまでした｡

ブー…

どうしてこの現場に来てたんですか？

精密検査 控えてたんですよね｡

江森先生｡

勝手に山に来たことは申し訳なかったと思ってる｡

ここに来れば…｡

ここに来れば救えるかもしれないと思った｡

７年前…｡

ちょ… どこに行く気ですか！放せ！美鈴を捜すんだよ！

江森先生！夜は危険だあなたならわかるでしょ｡

あのとき 俺は➡

事故現場に行くことすらできなかった｡

やめてください｡放せ！

あんな思いはもう二度としたくない｡

今１人 発見されました｡

信濃総合病院の江森です｡

今 助けますからね｡頑張りましょうね｡

ご苦労さまです｡

あっ お願いします｡

医師の江森です｡

背中を押された気がした｡

大丈夫ですか！

現場には➡

医師を必要としている人たちがいる｡

救えるかもしれない命があると｡

今日 もし 俺たち医師が山に来ていなければ➡

遭難した人たちの命を➡

つなぐことができなかったかもしれない｡

医師が山に行けば救える命がある｡

みんなが俺に そう教えてくれた｡

ＭＭＴの その理想を俺たちで探していかないとな｡

ご苦労だったわね｡

後はこっちに任せて｡江森先生への伝言だけよろしくね｡

はい わかりました｡

じゃあ これから下山します はい｡

津山先生が説教したいそうですよ｡

ちゃんと精密検査受けてもらいますからね｡

帰りたくないな｡

じゃあ 後よろしく｡はい｡

さあもうヘリ着いてるよ 準備しよう｡

はい｡切り返します｡

骨盤骨折による出血性シｮｯクです｡入ります！

レボアと創外固定しよう｡はい｡

うん｡入るよ｡はい｡

心嚢ドレーン入れてます｡FASTします｡

ゆっくりでいいよゆっくりでいいよ｡➡

１ ２ ３！１ ２ ３！

蒼馬岳の土砂崩れ事故で➡

行方不明となっていた登山者４人が➡

救助隊によって救出され病院に搬送されましたが➡

いずれも意識不明の重体だということです｡

無事 助かるといいけどな｡うん｡

幹太君 絵理子ちゃん｡

あっ オーナー！オーナー？

お体は大丈夫なんですか？

うん まあ ぼちぼちね｡えっ じゃあ➡

復帰されるんですか？いや➡

この山荘に あぁ～➡

別れを言いにきたんだよ｡

今年の夏を最後に➡

鮎川山荘を畳むことにしたよ｡

はぁ～｡

宮本｡はい｡

お前のことをただの山好きの医者って➡

言ったこと 撤回するよ｡

えっ？

お前は➡

あっ…｡

うっ！江森先生？

大丈夫ですか？うっ…｡

江森先生？ごほっ…｡

胸が苦しいですか？ああ｡

冠動脈の疾患が？心筋梗塞を➡

引き起こしたかもしれない｡救助隊に連絡します｡

はい｡江森先生 ザック下ろしましょう｡

ああ 大丈夫だ｡はい｡

ﾌﾟﾙﾙﾙ…

すいません 救助をお願いします｡

蒼馬岳の下山中に同行者が➡

心筋梗塞を引き起こしたかもしれません｡

はい すぐに病院で治療しないと命に関わります｡

こちらにヘリ 手配できますか？

あぁ… うっ はぁはぁ…｡

Ａライン入ったよ｡血圧７０です｡

レボア入りました｡５ccインフレートします｡

輸血 追加して｡はい｡

挿管ＯＫです｡はい 吸ってます｡

ポータブル呼んで｡はい｡

えっ？江森先生が？

ヘリを要請したんですが➡

燃料の補給に戻ってからだともうヘリを出せる時間に➡

間に合わないかもしれないって言われて｡

わかったわ｡ヘリの状況については➡

こっちで確認して随時 連絡するから｡

受け入れの準備もしておく｡はい お願いします｡

はぁはぁ…俺のことはいい 下山しろ｡

そうはいきません｡もうしばらくの辛抱です｡

ヘリは来ない｡温かくして待ちましょう｡

はい｡はぁ… いいから帰れ！

できません｡

うっ… また二次遭難する気か｡

放っておけるわけないじゃないですか｡

うっ うぅ…｡

もう山で誰かを失う思いはしたくないんですよ｡

はぁ… うっ あっ！

江森先生｡先生｡

江森先生 大丈夫ですか？先生｡

江森先生？江森先生 江森先生｡

江森先生！江森先生！

一緒に生きて帰りましょう｡

呼吸が止まってます｡どうにか➡

ヘリを飛ばしてもらうわけにはいかないんですか？

江森先生は命を救おうと➡

闘ったんじゃないですか｡医者が山で死んでどうすんだよ！

山岳医療の未来につながると思うんです｡