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(銃声)
天下の覇権を巡って 羽柴秀吉との 決戦に及んだ我らが神の君は➡
見事なる大勝利を収めたのでございます。
が…。
(羽柴秀吉)家康にゃあ勝たんでも この戦にゃあ勝てる。
考えてみやあ。 敵の総大将は➡
家康ではねえ。
秀吉は 的を織田信雄に絞り➡
その家臣を次々に調略し 領国を執拗に攻撃。
それに耐え切れなかった信雄は あっけなく…。
(秀吉)早~う 急げや~。➡
急げや。 急げや。 急げや。
まことに 我が所領を安堵するのじゃな。
(羽柴秀長)わしらあに お任せくだされ。
そうか。 (秀吉)こうして また➡
酒を酌み交わすことができて うれしゅうごぜ~ます。
この猿 信雄様に弓引く…。
うう… 弓… 弓… 弓引くことんなって…➡
どれだけ… つらかったか…。
(秀長)戦は しめえでごぜ~ます。
ご配下の徳川殿も 直ちに ここへ来ていただくのが ようごぜ~ます。
ああ…。
人質も連れてきた方がええわ。
いや 人質っちゅうんは聞こえが悪い。
養子だわ。
徳川殿の子息を 我が養子としてえ。
♬~
ほ~でねえと…➡
滅ぼしてまうでよ。 (信雄のせきこみ)
♬~
(原康政) 「しかる上は 我々 三河守と筑前守➡
和睦せしめんがために ちそう致すべく候間➡
是非 早速に 談合せしまば 神妙たるべく候」。
(徳川家康)勝手なことを…!
♬~
(井伊直政)長久手において 勝利を収めたのは 我らであるのに!
なぜ 和睦せねばならん!
まあ 我らは我らで戦い続けるのみ。
北条と組めば まだまだ戦えまする! (酒井忠次)そうもいくまい。➡
総大将が和睦した以上 我らは 戦う大義を失った。
受け入れざるをえん。
(本多正信)ひとまず 形の上だけでも和議を結び➡
秀吉の出方を見るほかないでしょうな。
(石川数正)殿が行ってはなりませぬ。 養子も断りましょう。
行ってくれるか? 数正。
はっ。
これは あくまで かりそめの和睦じゃ。
秀吉に屈することは➡
断じてない!
♬~
秀吉との談判を終えた数正は 岡崎に戻り…。
(数正)満足な結果が得られず 申し訳ございません。
面を上げよ。
そなたより談判にたけた者は 我が家中にはおらん。
秀吉に➡
こんなものまで押しつけられました。
ホホホホホ…! こりゃあ すごい!
(忠次)ハッハッハッ この堅物を金で釣ろうとはな。
我が徳川家中の絆の強さを知らんのだ。 ハッハッハッ!
哀れなやつよ。 フフフ…。 で 殿。 養子の件 いかがいたしましょう?
長丸様も福松様も まだ幼い。 また 徳川家の…➡
徳川家の跡取りとおなりになるお方かと。
(忠次)恐れながら 殿には もうお一人 若君がおられまするが…。
(お万の方)また こうして お目通りかなう日が来ようとは。
うむ。
こたびのお話 是非にも お受けしとうございます。
すまぬな。 於義伊の身の安全には 万全を期する。
さようなことは ご無用。 もし再び羽柴殿と事を構える折には➡
この子のことは 一切 気になさいませぬよう。
私のことは 捨て殺しとなさってください。
殿にとって 私とのことは 無用の出来事だったかもしれません。
されど… いずれ きっと この子が 殿のお役に立つ日が来ると信じて➡
今日まで育ててまいりました。➡
この世に無用のことなど 一つもございませぬ。
お帰りなさいまし。 お帰りなさいまし。
於義伊様のお供として そなたに行ってもらう。
承知しました。 父上。
(鍋)すぐに支度にかかりなされ。 (勝千代)はい。
鍋 よいな。
取り決めを交わされたのは あなた様。
その務めを 我が家が負うのは 当たり前のことでございます。
♬~
(秀長)徳川殿と もめておられるようで。
(真田昌幸)我が領地である沼田を 勝手に北条にお与えになられた。
北条の機嫌を取るために 我らをないがしろにされたわけだ。
それは 徳川殿がいけませんなあ。
力ずくで取り戻そうかと 越後の上杉と手を組み申したが…。
プッ!
ハッ なかなか役には…。
♬~
お手伝いできることがあれば 何なりと。
天下のもめ事を鎮めるは 我が兄の務め。
何しろ 間もなく… 天子様の代わりになられるで。
♬~
ほう。
♬~
天正13年7月 驚くべき一報がもたらされました。
内大臣を関白にすべしとてえり。
♬~
そんなバカな…。
関白といえば 公家の最高職… 天子様の次。
征夷大将軍より上かもしれませぬ。
武士がなれるものなのか…? 聞いたこともないぞ。
これで 名実ともに 信長を超えました。
♬~
(本多忠勝)聞いたか? 百姓出の猿が 関白とは…!➡
朝廷も どうかしておる!
金で朝廷を抱き込んだのでしょう。
また数正殿が大坂に挨拶に行くそうだ。 心もとないな。
(忠勝)数正殿は これまでにも 我らに損な話を突きつけられるばかり。
老いたのかもしれん。
秀吉から金をもらったという うわさも。
まことか?
♬~
よう来たのう 数正。
いつ見ても ええ男っぷりじゃ。
(秀長)大坂の町は いかがでごぜ~ますかん?➡
見事なもんでござろう。
はっ。
では 大坂に屋敷を与える。 こっちにおれ。
そなたは我が家臣じゃ。 我が右腕として働け。
ええ暮らしをさせたるに。
恐れながら 我が主は 徳川三河守でございます。
余は関白である。
関白とは 天子様の代わり。
すなわち 日ノ本全土の大名が 我が臣下と同様である。
無論 家康も我が命に従わねばならん。
お言葉ではございますが 我が主は 和睦しただけ➡
臣下の礼をとってはおりませぬ。
聞き分けのねえことを言ったら いかんがや。
もう一戦やるきゃ?
(秀長)今や関白様の軍勢の強大さ いかなるものか お分かりでござろう?
されど 東国は いまだ関白殿の力及ばず。
我ら徳川と関東 北条が しかと手を結んでおりますれば➡
関白殿の軍勢といえども 決して負けはせぬと存じまする。
(秀吉)北条のう…。
だが 北条とは 領地の件で いざこざがある…➡
と聞いたような。
徳川殿が北条に渡した領地に 真田が居座って動かんのだわ。
あ~ 真田… 昌幸か。
あいつは面倒だでの~う。
真田は 小せえ。 徳川殿ならば 力ずくで どかすこともできましょう。
…が もし誰かが こっそり裏から手ぇ回して➡
真田を助けたら どうなってまうかしゃん?
♬~
お~ うめえ…。
うめえ すももだわあ。
♬~
真田ごときに負けたら 徳川は えれ~こったね。
♬~
家康は直ちに来て 余に ひざまずくべし。
そして 人質を もう一人差し出すべし。
長丸か福松じゃ。
さもなくば 三河も遠江も➡
焼け野原と考えよ。
♬~
(寧々)旦那様。➡
そのような物言いは およしなさいまし。➡
勘違いなさってはいけませぬに➡
いち百姓の出であることを お忘れあるな。
ああ おめえさんの言うとおりだわ。
つい偉そうにしゃべってまった。
アハハ… みっともねえ なまりを 忘れんようにせんと。
すまなんだのう 数正。
ああ こりゃ 我が妻 寧々だわ。
お初にお目にかかります。 寧々と申します。
我が夫も 乱世を鎮めたい一心なのでごぜえます。
もう皆 戦は こりごりでごぜえますでな。
♬~
つまらぬものでごぜえますが 奥方へ。
♬~
(秀吉)ええおなごでしょう。➡
わしは この世の幸せは おなごだと思うとる。➡
おなごが きれ~いなべべ着て おしろい塗って➡
あめえもん食って 笑っとる。➡
それが幸せな世だわ。
♬~
お互い そろそろ重てえ具足を 脱ぐ時ではござらんかな。
数正。 いつでも わしんとこに来や~せ。
とりあえず…➡
真田には気ぃ付けや。
♬~
その年の夏 真田が徳川より離反。 上田合戦勃発。
秀吉 家康…➡
北条 上杉➡
もめれば もめるほど 甘い木の実が落ちてくる…。
乱世を泳ぐは➡
愉快なものよ。
武田信玄 勝頼に仕え 武田滅亡後も絶えず謀略を巡らしながら➡
その孤塁を守り続けてきたのが 真田昌幸と その2人の息子…。
父上! 徳川勢 攻めかかってまいりました!
間もなく 大手門!
来ましたな 父上。
城内に引きずり込み 封じ込めよ。
皆殺しにせい。 (一同)はっ!
信玄の権謀術数を最も受け継いだのは この真田親子かもしれませぬ。
(忠勝)彦殿… 忠世殿 七殿がそろっていながら➡
真田なんぞに負けるとは 徳川の恥。
(鳥居元忠)負けておらん。 ひととき兵を引いたまで。
それを負けと申す。 背後に助けておる者がいる!
お前らだって負けておるわ!
全ては秀吉の手のひらの上…。
殿の上洛と 更なる人質を求めております。
秀吉は まさに破竹の勢い。 豊臣という姓を名乗るという話もある。
とよとみ? 聞いたこともねえ姓じゃ。 自分で こさえたんじゃろう。
四国 北国も平定し 国替えを次々に行っております。
敵だった者から国を取り上げ 遠方の地へ追いやる。
我らも ひれ伏せば そうなりましょうな。
三河 岡崎の地を捨てるなど ありえん。 岡崎決戦じゃ!
この岡崎に残り 民百姓が何年も戦い続ける それのみ!
同意! その備えは十分にあります。
籠城ならば 2年 いや 3年は耐えられる。
(正信)まっ 秀吉の天下が どれほど もつかに かかってますな。
やつが下手を打てば 向こうから崩れてくれるかもしれん。
すぐに下手を打つかもしれん。
秀吉が天下のかじ取りを 何年もできるとは思えん。
それまで耐え忍び じわじわと調略を進める…。
さすれば 十分に勝機はある!
これ以上の人質は送らぬ。
敵を切り崩し 岡崎決戦に備える。
一同 異存ないか。
(康政 忠勝 直政)異存なし!
数正。 お主は どう思う?
遠慮なく申せ。
殿… 秀吉のもとへ 参上なさってはいかがでしょう。
どういう意味じゃ。
(忠勝)秀吉に ひざまずけと?
(康政)何を仰せか 分かっておられるか? 数正殿。
秀吉は 関白なんじゃ…。 信雄様も 既に臣下に入られた。
名実ともに 織田家を超えたんじゃ。
大坂の町は この世の全ての富を集めて つくったがごとく。
かの城は 安土を超え➡
我らの城が いくつあっても足らぬ 巨大さと美しさ。
もはや… 秀吉の天下は崩れぬ。
随分 秀吉に心酔のご様子じゃ。
戦となれば この岡崎が焼け野原となろう。
我らが一丸となって戦えば そうはならん!
我らは長久手で 10万の秀吉軍に勝った!
勝ってはおらん!
あんな勝利は ささいなこと。
今の我らと 秀吉のありようを見れば➡
どちらが勝ったのか 誰の目にも明らかじゃ!
♬~
数正殿…➡
どなたの家臣か。
やはり調略され申したか…。➡
こちらの動きも 秀吉に知らせておられたか!
石川数正 謀反の疑い!
こら 落ち着け! 数正は 数正の考えを申したまでじゃ!
♬~
数正。
わしは…➡
秀吉に及ばぬか?
秀吉に劣ると申すか。
みっともないなまりを わざと使い ぶざまな猿を演じ…➡
人の懐に飛び込んで人心を操る…。
欲しいものを手に入れるためには 手だてを選ばぬ。 関白までも手に入れた。
あれは 化け物じゃ…。
♬~
殿は 化け物には かないませぬ。
秀吉の臣下に入るべきと存じます。
♬~
それは できん…。
していただかねばなりません。
秀吉が怪物ならば 退治せねばならん。
一同 支度をせい。 従えませぬ!
我が命であるぞ!
岡崎城代として お断り申す!
ならば 岡崎城代の任を解く!
♬~
酒井殿が。
お主が調略されるようなやつでないことは 分かっておる。
あくまで 殿と 皆のことを思うてのことだとな。
だが 秀吉に ひざまずけば➡
これまで苦労して手に入れた 全てを失う。
三河も 遠江も➡
駿河も 甲斐も 信濃も…。
国…。
国なんてものは なくなるかもしれんぞ。
は… 何じゃと?
世は 変わろうとしておる。 大坂に行けば よく分かる。
秀吉が 天下を一統するということは➡
日ノ本全てが 秀吉のものになるということだ。
三河であろうと遠江であろうと 我らの国であって我らの国でない…。
そういう世になる。
そんなこと あってはならん。
乱世が終わるというのは そういうことだ。
国を失うことは 誰も受け入れん。
少なくも 殿が そんなご決断をすれば➡
徳川は 終わる…。
そんな皆を説得するのも 殿の役目であろう。
国を守らぬ大名は 生きてはいけぬ。
♬~
それだけが理由かの。
♬~
(忠次)数正… お主には 見えているものがあるんじゃろう?
(忠次)殿と話せ。
♬~
幼い頃➡
わしは そなたが苦手でな…。
いつも叱られてばかりおった…。
そのおかげで今がある。
そなたが…➡
わしを ここまで連れてきてくれたんじゃ。
♬~
そなたの言い分は 分かっておるつもりじゃ。
だが わしは…。
こうするほかないんじゃ…。
勝つ手だてが 必ずやある…。
そなたがいれば…。
そなたがいなければ…➡
できぬ。
数正。
大高城の兵糧入れが つい こないだのことのようでござる…。
数え切れぬほどの戦をしてまいりました。
実に多くの仲間を失いました。
今も… 夢に よう出ます。
あの顔や あの顔や あの顔が…。
あの弱く優しかった殿が➡
かほどに強く 勇ましくなられるとは。
さぞや…➡
さぞや お苦しいことでございましょう。
苦しいことなどあるものか。
わしは…➡
戦なき世を作る➡
この世を浄土にする➡
そう心に決めてきた!
苦しくなどない。
そう… お誓いなさったのですね… 亡きお人に。
♬~
王道をもって覇道を制す!
わしには できぬと申すか。 数正!
♬~
秀吉に ひれ伏すなどと申したら➡
この国を守るために死んでいった 多くの者たちが化けて出ましょう。
危うく忘れるところでござった。
殿を天下人にすることこそ 我が夢であると。
覚悟を決め申した!
もう一たび この老体に むち打って 大暴れいたしましょう!
♬~
私は➡
どこまでも 殿と一緒でござる。
♬~
羽柴秀吉 何するものぞ!
我らの国を守り抜き 我らの殿を天下人にいたしまする!
♬~
殿…➡
決して お忘れあるな。
私は どこまでも 殿と一緒でござる。
♬~
よいな。 はい。
石川数正…。
その妻子…。
その家臣…➡
出奔いたしてございます。
♬~
(秀長)よう ござらしました。
(寧々)奥方も ようこそ。
新たな お仲間が出来て 寧々も うれしいがね。
♬~
今日から そなたは我が家臣。
新しい名を授ける。
我が一字を取って➡
吉輝。
出雲守吉輝。
石川出雲守吉輝 関白殿下のため 身をささげまする。
♬~
「関白殿下…➡
これ…➡
天下人なり…」。
♬~
なぜ わしを裏切った…。
お心を とらわれているからでございましょう。
これくれえ役に立ちゃ~せ。 きぃ~!
まさに 秀吉の妹だわ。
おなごは 男の駆け引きの道具ではない!
本当は分かっておられるはず 我らは負けたのだと。
う…。
数正のたわけ! 数正のあほたわけ!
次回 どうする。
大阪のシンボル 大阪城。
現在の城は 2回の焼失を経て 昭和になって再建されたもので➡
秀吉時代の城は 地下に その名残をとどめています。
石垣の一部は発掘 復元され 既に公開されているものも…。
更に 昭和59年に発見された➡
高さ6mに及ぶ石垣の一般公開に向けての 準備も行われています。
滋賀県 琵琶湖に浮かぶ竹生島には➡
秀吉時代の大坂城の一部を 今でも見ることができます。
唐門です。
慶長7年 宝厳寺の伽藍工事に合わせて➡
秀吉の子 秀頼の命で ここに移されたといいます。
更に近年の調査の結果 唐門を含む5つの建物が➡
秀吉時代のものではないかと 考えられています。
長浜は 秀吉が初めて自分の城を持った地。
そこでは 秀吉の栄華をしのぶことができます。
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