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(凪なぎ) みんな なんで 頑張るんだろう?
勉強 部活 恋愛
勝ったり 負けたり 他人に評価を求めたり
特別な青春
特別な存在
よく分かんないし 考えたこともない
将来の夢とか
めんどくさ…
この先も ずっと ゲームしてダラダラ暮らしたい
(ぶつかる音)
(玲王レオ)アッ!
(凪)ヤバッ 壊れる
あっ…
おっ まだ 生きてる
ちょちょ… すげえな お前 サッカー部?
ああ~ 死んだ
…てか 何者? 俺とサッカーやんね?
(凪)うん?
あっ お金持ちの息子の人だ
お金ちょうだい
えっ?
サッカーなんかやんないし スポーツもやったことない
一生 ダラダラしてたいんだよね 俺
お金ちょうだい
いやいや さっきのトラップ 絶対 才能あるよ お前
俺とサッカーやろう
めんどくさいの嫌い 働きたくなーい
(ゲームの音)
フフッ…
面白い! お前は そのままでいい
(凪) この人 何に熱くなってんだろう
サッカーやろうぜ ヘヘッ
(凪)俺に?
(目覚ましのベル)
うーん…
(目覚ましのベル)
ウウッ… (目覚ましを止める音)
うん…
おはよう チョキ
いたっ…
ああっ 目覚める
なんで 人間は おなかが減るんだろう 減らなきゃ食べなくていいのに
食べなきゃ磨かなくていいのに
学校がなきゃ ずっと ゲームしてられるのに
生きるのって めんどくさ…
ハァ…
…んじゃ チョキ いってきます ピース
(玲王)凪!
うん?
よう 凪!
この人 ばぁや 俺の付き人
(ばぁや) どうぞ お見知りおきください
さあ 今日から一緒にサッカーやろうぜ
なんで?
こないだ 約束したじゃん
あ~ したっけ?
俺は 欲しいと思ったものは 全部 手に入れる主義なの
(チャイム) お前は俺の相棒に…
あっ ちょ… おい 凪!
おりゃ ヘッショじゃ 死ね
(ぶつかる音) うえっ…
やっと見つけた サッカーやろうぜ!
ええっ? もう しつこいなぁ
お前は 俺と世界一にならなきゃいけない
そういう運命だ
俺に見つかったことを 誇りに思うのだ
(凪)めんどくさ…
…ていうか なんで サッカーなんかやりたいの?
この御影みかげ玲王の人生は…
(玲王)飽きた つまんない
(玲王)退屈に満ちていた
望むものは 全て手に入った
でも その中に 欲しいものは見つからなかった
俺だけの唯一無二の宝物が欲しかった
(歓声)
これだ これが欲しい
(玲王の父親)ダメだ 諦めなさい お前は俺の後継者だ
(玲王の母親)そうよ 玲王
(父親) お前のためを思って言っている
(玲王)でも…
お前を見つけたとき
俺の夢が始まったんだ
めんどくさ… アニメの見過ぎじゃない?
それに 俺 サッカーなんて ルールも ちゃんと知らんし
(玲王)大丈夫
お前は 俺の言うとおりに 動いてりゃいいから
さあ 全国制覇に向けて練習だ
よろしくな 凪 “ボス”と呼べ
でも 玲王 そもそも サッカー部じゃなくない?
(部員たち)お疲れさまです! ようこそ キャプテン玲王
ほえ~ なんで?
コネだよ コネ 使えるもん使っただけ
(部員)全国まで行けば―
アイドルと パーティーできるんですよね?
(部員)優勝したら 女優と遊園地デートなんスよね?
ああっ そういうこと
御影コーポレーション 御曹子パワー
ああ! 当たり前だ
今は まだ 地区予選ベスト8エイトが せいぜいだけど
俺が来たからには 全国出場が至上命題だ!
(部員たち)おおーっ!
(部員)お… おい 大変だ 今 練習試合の申し込みがあって…
(部員)えっ? 早速?
(部員)いいね どこどこ?
それが…
全国出場常連の超強豪校 駄々田だだだ高校
(部員)はぁ?
(部員) なんで そんな有名校がウチに?
(部員)これもキャプテン玲王が?
いや
あっ…
(ばぁや)お父さまの差し金ですよ (部員)えっ…
おおっ!
伝言です
“俺の息子なら これぐらい勝てて当然だよな?”
“お前の夢へのプレゼントだ”
…だそうです
フフッ… 何がプレゼントだ ふざけんな
潰して諦めさせる気だろう
俺たちの夢のデビュー戦だ 凪 お前の才能を俺にくれ
玲王
(凪)痛い (玲王)返事は?
(凪)痛い (玲王)…じゃなくて
(舐岡なめおか)なんで こんな弱よええとこと やんなきゃいけねえんだよ?
(舌打ち)
世間知らずのボンボンの夢 木っ端こ ぱ微塵みじんに打ち砕いてやるよ
よろしく 箱入り息子くん
うっせえよ サッカー脳筋バカ
お前の小さい器で 俺を語んじゃねえよ
ああ?
お前らは まだ
“本物の天才”ってやつを 知らない
(笑い声)
温室育ちは 自己肯定感がぬくぬく育ってて―
結構なこった
全力で潰しにいってやるよ “本物の天才”くん
(ホイッスル)
(玲王)ハッ!
(舐岡)こいつ マジで天才なのかよ
な… 何やってんだ!?
そのボンボンを止めろ! 挟んで潰せ!
(凪)ええ?
サッカーなんて ルールも ちゃんと知らんし
大丈夫! お前は 俺の言うとおりに動いてりゃいいから
俺は お前を世界一だと証明する
だから 凪 お前は…
フッ…
俺だけを信じて サッカーをしろ!
イエス ボス
いけ 天才
おら!
調子 乗ってんじゃねえ
体勢 崩しちまえば シュート打てねえだろう
ジ・エンド!
(凪) えっ? 何言ってんだろう こいつ
全然 届くけど
(舐岡) はぁ? スコーピオントラップ?
…からのルーレットボレー?
(ホイッスル)
(歓声)
(舐岡) ありえねえ なんだ? この生き物
(部員)凪! (部員)ナイッシュー!
(部員)…しゃー! 先制!
(アンリ)臨時報告です
(アンリ)駄々田の練習試合を 視察に来たんですが
その対戦校に 規格外の2人を見つけました
絵心えごさん
この2人を ブルーロックへ招待します
いくぞ 凪 2人で世界一へ
(凪) ああ… めんどくさ…
ちゃんと見ろし
ああ… 死ぬ
食うか?
ええっ… 消化めんどくさい
おい これ どうやるか教えろよ
ああ~ 風 気持ちいい
(凪) ねえ もう疲れたよ 玲王
そろそろ帰ろう
はいはい 分かった ラスト10本やらせろ 凪
ええっ? おなかすいたぁ
お疲れさまです 玲王坊ちゃま
おう ばぁや どうした?
日本フットボール連合より お手紙が届いております
えっ?
ああっ それ 俺んとこにも来た
“強化指定選手に選出”!?
もしかして いきなり日本代表合宿とか?
ええっ? 合宿とかイヤだなぁ
ゲームとか昼寝とかしたいし
何言ってんだよ ビッグチャンスだぞ
ここでアピールすりゃ 代表まで手っ取り早い
練習するぞ 凪!
ええっ? 足 折れた
細胞 死んだ 心臓 止まった
(玲王)ゾンビかよ
(凪)“ナギ・オブ・ザ・デッド”
(玲王)…たく しょうがねえなぁ
ああ~ 楽ちん 玲王リムジン
はい 今日も よく頑張りました
玲王って変だよね
何それ? お前に言われたかねえけど
だって 俺と一緒にいるの めんどくさがらないから
ヘヘッ… 全然 許容範囲
…つうか お前といると楽しいからな
お前は? そろそろ 楽しくなってきたか?
うーん
サッカーは別にやりたくないけど
玲王といるのは めんどくさくないからいい
(玲王)“楽しい”って言えよ
(玲王)うっし
就活かよ
どんなヤツがいんだろう
俺ら2人で 全部 蹴散らすの楽しみ~!
でもさ 俺より すごいヤツいたら どうすんの?
そいつと組んだほうが いいんじゃない?
ハッ! しねえよ そんな薄情なこと
えっ? してもいいのに
うおっ!
メッチャいる
超高校生級の有名なヤツばっかじゃん
やべえ 何が始まるんだ これ (凪)ほえ~
おおっ!
U-18アンダーエイティーン代表入りも うわさされてる 日本サッカー界の宝 吉良きら涼介りょうすけもかよ
ふーん あの普通っぽい ちびがね
(玲王)いや 黒髪じゃねえ (凪)ああ…
(玲王)でかいイケメンのほう
(玲王)あっ! (凪)おっ?
(絵心)え~ あ~ あ~ あ~
おめでとう 才能の原石どもよ
お前らは 俺の独断と偏見で選ばれた―
18歳以下のストライカー 300名です
(絵心) そして 俺は絵心甚八じんぱち
日本をワールドカップ 優勝させるために―
雇われた人間だ
(ざわめき)
なんだ? あいつ
シンプルに言おう
日本サッカーが世界一になるために 必要なのは ただひとつ
革命的なストライカーの誕生です
俺は この300人の中から―
世界一のストライカーを 作る実験をする
これが そのための施設
“ブルーロック”
お前らは 今日から ここで共同生活を行い―
俺の考えた特殊な トップトレーニングをこなしてもらう
家には帰れないし―
今までのサッカー生活とは 決別してもらう
しかし 断言する
ここでのサバイバルに勝ち抜き―
299名を蹴散らして 最後に残る1人は―
世界一のストライカーになれる
説明は以上 よろしく
(ざわめき)
ハッ! やっべえ ワールドカップ…
世界一だってよ 凪 あっ…
おい
俺 やっぱ帰るね
なんか しんどそうだし やる気ない俺にはムリだし
ちょちょちょ… 待てって
俺たちならいけるってば とりあえず 参加するだけして…
“俺たち”? 何言ってんの? 玲王
あいつは “ラスト1人まで戦う”って言ったよ
えっ?
(絵心) 世界一のエゴイストでなければ―
世界一のストライカーにはなれない
想像しろ 舞台はワールドカップ決勝
8万人の大観衆 お前は そのピッチにいる
スコアは0対0 後半 アディショナルタイム
ラストプレー
味方からのパスに 抜け出した お前は…
ゴールキーパーと1対1
右6mには味方が1人
パスを出せば 確実に1点が奪える場面
全国民の期待 優勝の懸かった そんな局面で―
迷わず打ち抜ける
そんなイカれたエゴイストだけ…
この先へ進め
常識を捨てろ ピッチの上では お前が主役だ
己のゴールを何よりの喜びとし その瞬間のためだけに生きろ
それが“ストライカー”だろう?
(足音) あっ…
あのちび
(選手)うわっ…
(吉良)潔いさぎくん
(選手)行ってやるよ クソが!
(吉良)えっ? (選手)俺もだ!
(選手)俺も!
(騒ぎ声)
うっ…
(笑い声)
どうした?
あとは お前ら2人だけだぞ
行きます!
行くぞ 凪
いや 行かないよ めんどくさそうだし
(玲王) おい せっかく ここまで来て
多分 俺には ブルーロックは向いてないし
きっと 退屈で すぐ帰りたくなる
ほう 俺の話は退屈だったか
(凪)うん だって…
ワールドカップの決勝ゴールなんて 俺には簡単に思い描けたし
ウッ…
お前は まだ 自分のエゴを理解していない
うん?
(絵心)お前みたいな自称天才くんは 世界に いくらでもいる
戦いもせず 大人になって 傷つかずに生きていたいだけの―
自意識肥大野郎に興味はねえ
ぬくぬくと腐っていけ
ロック・オフ
はーい (玲王)ふざけんな!
凪は そんな そこら辺にいる天才もどきじゃない
玲王?
2人なら… 俺たちならできる!
(絵心)なんだ そりゃ? 世界一は2人も存在しないぞ
じゃ こいつを 世界一のストライカーにする!
それが俺のエゴだ!
(絵心)あ?
待って 玲王 俺 やりたくないって…
うるせえ 黙れ
信じろ 凪
昼寝より ゲームより面白い人生に 俺が連れてってやる
俺が お前を退屈にさせない
じゃ 1コだけ約束ね
(凪)最後まで一緒にいてよ
(玲王)ハッ… なんだよ それ お前のエゴ?
約束だよ 玲王
ああ 凪 約束な
フッ… さあ 始めようか
世界で いちばん フットボールの熱い場所
それが―
ブルーロック
スマホ 取り上げられた
ゲームは いったん 諦めろ 凪
(舐岡)おう おう 天才コンビくんじゃねえか
あんときは負けたが ありゃ 油断しただけだ
真の決着は ここでつけさせてもらうぜ
誰?
いや ちょっと覚えてない
お前らが デビュー戦で奇跡的に勝った―
すっごい強豪校のエースだよ!
なんで 忘れてんだよ!
ボンボンの夢 打ち砕いてやるよ
(凪)ああっ… なんか いたような
(玲王)おい 凪! 変なのがいるぞ
(凪)うおっ 上下足じょうげあし妖怪
(斬鉄ざんてつのうめき声)
(斬鉄)誰か助けて 窒息する
よっ! (斬鉄)ハァッ!
ハァ… ハァ…
いや これ ボトムスでしょう あんた
(斬鉄) えっ? あっ ホントだ
まあ 知ってたけどね
いいブラッシュアップになった プレリリースだ
プッ… 絶対ウソじゃん
英語 メチャクチャだし
やあ やあ 着替えは終わりましたか?
才能の原石どもよ
今 同じ部屋にいるメンバーは―
ルームメイトであり 高め合うライバルだ
お前らの能力は 俺の独断と偏見で数値化され―
ランキングされている
ユニフォームにある数字が それだ
へえ~ 結構 低ぅ…
(玲王)この部屋で いちばんランキングが高いのは…
(斬鉄)“241”
(玲王)あいつか
そのランキングは―
トレーニングやゲームの結果で アップダウンする
そして 上位5名は 無条件で 6か月後に行われる大会―
U-20アンダートゥエンティワールドカップ フォワード登録選手とする
フッ… マジかよ
(絵心)ちなみに…
ブルーロックで敗れるヤツは この先―
一生 日本代表に入る権利を失う
アアッ…
ここで勝ち上がるために 必要なのはエゴだ
今から それを測るテストを行う
さあ オニごっこの時間だ
(ブザー)
制限時間は136秒 ボールに 当たったヤツがオニとなり―
タイムアップの瞬間に オニだった者が―
ロック・オフ野郎です
あと ハンド禁止ね
俺が… オニ?
ハハッ… 最高じゃん
最後の5人まで勝ち残れば U-20日本代表だぜ
こんなチャンス 一生 来ねえよ
あらら 主人公体質
バカが
お前らはここで 俺に負けて帰るんだよ!
ああっ! クソが
どっちか脱落させて 引き裂いてやるよ 天才コンビ!
やってみ! ベロベロベー
なあ 玲王 わざと負けるのは なし?
こんな相手に? そのほうがムズいだろう
はい 殺す
天上天下唯我“独走”!
(舐岡)なっ…
は? “独尊”だろう
(玲王)爆発的加速
悪いな 俺の勝ちだ オーディエンス ピーポー
ああ…
何やってんだよ てめえ!
オニだったヤツが 負けだっつってんだろうがよ!
えっ? あっ… あっ そっち?
ああ はいはい 知ってた 知ってた
(笑い声)
ルール分かってねえ あいつ
バカすぎる 天然記念バカ! ハハハッ…
知ったかぶりと 難しい言葉 使いたがり
うん バカっぽい
“バカ バカ”言うほうがバカだぞ
(凪)ヤベッ キレた
“実るほど こうべを垂れる”―
“イナゴかな!”
“稲穂”だろう!
狙いはそっちだ
(ぶつかる音)
(ボールの転がる音)
ハハハッ! ナイッシュー! バカの一撃
おい バカって言うな
(凪)やるじゃん 剣城つるぎ斬鉄
俺がオニか
ああ… めんどくさ…
凪…
ハッ! やっと本気になったか
もう バカって言うなよ
(凪)誰でもいいんだよね? 玲王
(2人)ああ?
じゃ 何もしない
このまま 俺が負けて帰る
(選手)ハハハッ なんだ? こいつ (選手)やる気ねえ
ハァ… 手間のかかる子だな
うん 玲王なら そうすると思ってた あと よろしく
(玲王)悠長に構えてる余裕はねえぞ
(選手)逃げろ! (選手)おい こっち集まるな!
(選手)散れ! バカ
(選手)…しゃ! (選手)焦ってんぞ こいつ
ほざいてろ
計画どおりの密集なんだよ
跳ね返らせて逃げた先で―
たたき込む!
(ぶつかる音)
さすが 玲王 ナイス~
(玲王)うし! (斬鉄)ウガーッ!
また お前か バーカ!
なるほど… じゃ 俺が勝ったら
お前らのほうがバカ決定!
やられてたまるか!
(選手)ダッシュ ダッシュ!
(玲王)シュートフェイク はぁ?
そっちは壁
食らえ
無差別… 誰か当たれシュート!
(選手)ああっ! (選手)ウッ…
はっ!
ヤバい やられ…
(凪)あっ それ ダメ
あっ!
玲王がいなくなるのは 俺が困る
約束したっしょ
一緒にいるって
よけんな バ… (ぶつかる音)
ウッ…
(ボールの転がる音)
(ブザー)
(凪) あ~あ まだ帰れないじゃん 俺
凪! てめえ こら! 帰る理由 作ろうとしただろう
あっ バレた?
あいつがよけてりゃ 頑張った感 出しつつ帰れたのにな
このめんどくさがり屋が
でも まあ サンキュな 凪
えっ 何が? (玲王)何でもねえよ
すごかったですね
特に 凪誠士郎せいしろう 御影玲王 剣城斬鉄の3人は―
超高校生級かも
これは まだ始まり ただの入寮テストだ
本当のサバイバルは ここから始まる
しのぎ合え 才能の原石どもよ
(アンリ)一次セレクションは―
チームVからZの 総当たりリーグ戦です
上位2チームが突破
下位3チームが敗退
例外として―
各チームの最多得点者1人も 勝ち上がりとします
また ゴールには 特典ボーナスが付与されます
なるほど つまり 10ゴール決めて―
1日外出券で ここから脱出しろってことだな
バーカ 全然違う
まず 5チーム総当たりのリーグ戦を―
この11人で 勝ち上がんなきゃなんねえってこと
よろしくな チームV
ほえ~
(絵心) やあ やあ 才能の原石どもよ
まもなく 君たちチームV 対 チームYのキックオフだ
己のゴールかチームの勝利か
一次セレクションでは そんなストライカーの宿命が
試される
サッカーを ゼロから作るための戦いだ
さあ いくぞ 凪
(凪)どうやってサボろっかな
(ホイッスル)
(玲王)伝説開幕! 魅(み)せてやるぜ 御影玲王のスペック
どんな戦い方で来ようが 俺が一瞬で…
もらうぜ (玲王)な… 何やって…
味方だろう?
得点王が勝ち抜けルールだ チームの勝利とか関係ねえ
最強ストライカーは…
(選手)俺だぁ!
(玲王)やべえ そういうことか
ストライカーとしてのエゴを ぶつけ合わせることで―
最強の個人能力を試す
これが一次セレクションの本質
面白おもしれえじゃん ブルーロック
(選手)あっ!
(二子にこ)いただきます
品のない肉弾戦は 嫌いなんで
(玲王)あえて 遠巻きから―
あのおだんご状態のこぼれ球を 狙ったのか
あの前髪くん 優秀
でも…
(二子)あっ!
(玲王)それを狩る俺は超優秀!
ハッ… “いただきます”返し!
それ返し!
てめえ バカ斬鉄!
まだ言うか 御影玲王
(玲王) こいつ やっぱ バカみてえに速(はえ)え
(斬鉄)うりゃ!
(ホイッスル)
(斬鉄)すかさず 知的な決めポーズ
クッ…
ねえねえ (選手)えっ?
俺 キーパーやろっか?
ああ?
クソ! ハァハァ ハァ… (玲王)ヘッ!
ハットトリック 俺の勝ち …て 何くつろいでんだ 凪!
見て これ ハンモックみたい 気持ちいい
…てか もう ウチのチームの勝ちでしょう?
おめでとう 玲王
いや そういうことじゃなくて
あっ そうだ 凪 スマホ欲しいか?
うん? もち… ゲームしたいし
(玲王)じゃ 3点 取れ
ゴールボーナスで スマホが返ってくる
えっ? そんなんあんの? それなら…
(玲王)そうだ 凪
あとは任せたぞ 天才
ほい 来た
させません これ以上は
決めるのは俺だ
スマホ ゲーム あと3点
よし 止まった
ビビったか めんどくさがり屋
ハンモック プリーズ
(二子) はぁ? バイシクルショット?
何それ!?
(ホイッスル)
(二子)なんだ? 今の反応 チートかよ こいつ
これが“天才” 凪誠士郎
理不尽で残酷な めんどくさがり屋のエゴイスト
スマホ ゲーム…
あと2点
(凪)凪誠士郎流 めんどくさくない体の洗い方
全身 一気に泡々あわあわにして
一気に流して
はい 終了
(飛び込む音)
ああ~
無事 スマホ戻ってきたし あとは適当でいいや
イエーイ
(水の音)
湯船で歯ブラシするなよ ばっちいから
えっ ああ すまん うちの家訓なんだ
“冠婚葬祭を忘れても 歯磨きだけは忘れるな”って
何? そのバカ名言みたいなの
うちの家族 歯医者だから
へえ~ 賢い家系なんだ
ああ 俺以外は みんな賢い
じゃ あんたが突然変異で―
家族から バカって言われて育ったとか?
違う 家族は俺に優しい
本当に賢い人間は―
バカにバカって言わない優しさを 持ってる
何? そのガチ名言みたいなの
(斬鉄)俺の言葉だ
お前の言うとおり―
周りの人間は みんな 俺をバカにした
でも 足が速いことに気づいた俺は スポーツで生きていこうと決めた
サッカーで活躍して プロになって
世界一のストライカーになって
“世界一 尊敬されるバカ”になる それが俺の夢だ
へえ~ なんか かっけえね あんた
凪誠士郎 お前は なんで サッカーを?
うーん 俺は 玲王についてきただけだから
あんたみたいに立派な夢とかないよ
“ついてきた”って… あんなヤツの何がいいんだ?
(凪)なんだろう?
初めてだからかも
こんなめんどくさがり屋の俺に 興味を持ってくれたヤツ
(斬鉄)うん
お前 変なヤツだな
(凪)うん よく言われる
(斬鉄)でも 悪いヤツじゃないな
(凪)どうも
考えんの苦手だったら―
とりあえず 玲王の言うこと聞いてみたら?
玲王 メッチャ頭いいし
(斬鉄)うん
(斬鉄)こいつが言うなら 試しにやってみるか
(計助けいすけ)させねえ!
(斬鉄)さあ 御影玲王 やってみろ
ここだろう?
これで試合を決めろ 斬鉄!
いっちゃえ 歯医者さん
フン!
(斬鉄)バカにされ
ただ走り続けた あの日々は ムダじゃなかったのかもしれない
俺をカッコイイと 言ってくれるヤツがいて
俺の使い方を 理解してくれてるヤツがいる
ブルーロックって―
楽しい!
(淳壱じゅんいち)フン! (計助)ぬらぁ!
(斬鉄)むっ! ワニワニパニック
ゲッ! 俺?
ハァ… 熱くなっちゃって
クッ!
(ホイッスル)
(凪)ブルーロックって やっぱ めんどくさ!
(玲王) 楽勝! チームXも大したことない
決めろ 凪
イエス イエス
あっ… えっ?
(玲王)ごめん 凪! 油断した
オーライ 返せ
キング馬狼ばろう
(馬狼) “返してください”だろう
指示待ち奴隷が
奴隷?
斬鉄 挟むぞ!
OK ハメ技
(猛獣の吠ほえる声)
(玲王)クソ! 狙ってやがったのか
俺たちがスイッチするときに 生まれる一瞬の空間を
確かな洞察力とサッカーIQがなきゃ 狙えない盲点
こいつ ただの自己中プレーヤーじゃねえ
これでも楽勝か? 下手クソども
奴隷じゃないし 俺は玲王のパートナーだし
(ホイッスル)
(玲王) そう 俺たちは最強のパートナー
(ホイッスル)
はぁ?
そんなつまんねえゴール決めて 満足か?
別に
ゴールはゴールでしょう つまんねえとか関係ないし
下民の思考だな ゴミくず
何それ? どういう意味さ
お前のゴールは全部―
あの紫髪のご主人さまに コントロールされた―
奴隷ゴールなんだよ
1人じゃ生きられねえ イソギンチャクが
いいか 奴隷人間
世界一に なるストライカーってのはな…
(猛獣の吠える声)
死ぬまで独りなんだよ
(ホイッスル)
誰かに服従するぐらいなら 死んだほうがマシだぜ
(凪)奴隷? 俺が?
(玲王)気にすんな
1人が どんだけすごくたって パワハラ組織は崩壊するさ
さあ あと1点 取って この試合 締めますか
(ホイッスル)
おい 凪!
…んだ てめえ
(凪)奴隷 いきます
フッ… わぁったよ
魅せてやれ 天才
(馬狼)こいつ…
見せつけるための 寸止めかかとトラップ
これでも―
つまんない?
クッ…
殺す
おい! クソファウル! PK!
あ~あ 奴隷にやられるとか あんた 王様キング失格
(ホイッスル)
(試合終了のホイッスル)
(アンリ)ブルーロック 伍号棟 第8戦 試合終了
スコア5対2で チームVの勝利!
おいおい 凪
めんどくさがり屋にしては 激しいゴールじゃんか
俺のため?
えっ? 別に
グッジョブ
(馬狼)何が“めんどくさがり屋”だ とんだエゴイストじゃねえか
次 会うときは 俺の奴隷にしてやる
クソ野郎
(久遠くおん)俺は次の対戦相手の久遠渉わたる ちょっと取り引きをしないか?
(凪)ああ… 疲れた
…つうか なんで あんな頑張っちゃったんだろう
まあ いいや 考えるの めんどくさ…
(久遠)簡単に言えば―
次に対戦するチームZの情報を 教えるから―
0点に抑えて勝ってくれって話
具体的には…
(凪)なんだろう? この人 さっきから メッチャ必死
なあ どうだ? 俺と組まないか?
(斬鉄)断る (凪)めんどくさーい
つまんねえ
えっ…
もういいよ 玲王 この話 めんどくさい
…つうか もう 咀嚼そしゃくすら めんどくさい
帰ろう おんぶして
凪! お前がメシ食いたいっつうから 連れてきたんだぞ
(凪) ごめん めんどくさくなっちゃった
このステーキ もったいなくない?
あっ… でも 残り物 食べたら…
(久遠) 待ってくれ! もう少し 話を
ねえ 玲王 なんで この人 こんな必死なの?
勝つためだろう
(斬鉄)おいしい
(斬鉄)おいしい ふーん
頑張んなきゃ 勝てないなんて
弱いヤツって めんどくさいね
ウウッ…
(凪)俺なら やめちゃうけどな
ねえ 玲王 負けても やりたいほど サッカーって面白いの?
(潔)おい 待てよ
なんだ? お前
(潔)サッカー ナメんな
(凪)あのときの
だから 誰だよ? てめえ
チームZ 潔世一よいち お前らに勝つ人間だ
(ゲームの音)
そろそろ行くぞ 凪
(凪)うん
ブルーロックに来てから 俺は なんか ちょっと変だ
なんで あんなに 頑張っちゃったんだろう?
玲王と一緒にバカにされたから?
あいつが ただ ムカついたから?
この試合が最終戦
俺らは全勝で リーグ戦突破 決めてるけど
チームZのヤツらは この試合に生き残りが懸かってる
もちろん 全力で勝ちにいく
OK “勝ってカブトムシ”だな
“勝って カブトの緒を締めよ”な
(凪)ああ… モヤモヤする
じゃ 一次セレクション ラストバトル
勝ってカブトムシ 勝ってカブトムシ
(凪)めんどくさーい
ハッ! 最弱が 最強の俺たちに勝つつもりかよ
やってみろよ チームZ
…て ありゃ? 10人?
(斬鉄)あの裏切りくん なーんか 隅っこにいるな
(玲王)ああっ…
俺たちが勝ちゃ 現状 得点王で あいつ1人 生き残れるからな
手ぇ抜く気だろう?
(ホイッスル)
最低ランクのチームZ お手並み拝見
いけ! 斬鉄
お前の武器を見せてやれ
俺の武器
俺のレンジでチン!
でも ジャマが入ったら―
凪へ!
(凪)しっかし みんな サッカー好きなんだろうな
イガグリ! (五十嵐いがらし)…しゃ!
おりゃあ! 拾え 潔!
(凪)あんなに必死になっちゃって
(潔)蜂楽ばちら!
(蜂楽)ういっす いっちゃいます!
(凪)こいつらにとって サッカーって なんだろう?
夢? 人生そのもの?
いっちゃえ! 我牙丸ががまる
だあ! 惜しい
(我牙丸)もっかい!
フッ…
すげえ 面白え!
おい 凪! 今の やるぞ
ええっ? めんどくさい
俺にとってサッカーって なんだ?
玲王の付き添い? 暇つぶし?
全然 分かんないや
ほっ
(ホイッスル)
(凪)簡単じゃん なんで こんなの外すかなぁ
ナイスゴール 凪! イメージどおり
玲王 あとは もうサボってていい?
(玲王) まだダメだ あと5点 取ったらな
(凪)ええっ… 4点でいい?
まだ1点 取られただけだ 攻めっぞ 南無三なむさん!
(雷市らいち)やるしかねえだろう (ホイッスル)
(潔)國神くにがみ! (國神)うし!
ンッ!
あんた まだ 射程圏外っしょ
國神きんにくん?
クッ… 待て いかすか!
もういっちょ いくぞ 凪!
さっきと同じ軌道
止めろ! 雷市! イガグリ!
俺がつく! (雷市)同じ取られ方すっかよ
(凪)ストライカーって… ゴールって 何?
勝つことって そんなに大事なこと?
考えんのめんどくさいのに 考えちゃう
(ホイッスル)
マジか
(今村いまむら)な… なんだよ? あれ
ハンパないって
(凪)今の俺 やっぱり ちょっと変だ
(成早なるはや)ヤバいよ 2-0だよ
もう プランどおりじゃムリだよ
(ホイッスル)
(潔)いけ! 千切ちぎり
(千切)おう!
(選手)サイドの裏だ 奪え!
ナーイス! 斬鉄
俺がつく 凪にパス来るぞ
(成早)くっそ! 俺も行く
だったら いけ! 斬鉄 お前のテリトリーっしょ
(潔)戻れ 成早!
うん! これが俺のテリトリー
(ホイッスル)
(斬鉄)玲王
テリトリーって どういう意味?
ハハハッ… 伊達だてメガネかけても 賢くなれねえっつうの
バカ斬鉄
(五十嵐)まだ いける 南無阿弥なむあみ… ダブ… アップ
(久遠)フフッ…
はいはい 終わり 終わり
結局 どのチームも 一緒なんだよ ベーッ!
(凪)一緒か こいつらも なんだよ まだモヤモヤしてるのに
いいね いいね 楽しくなってきた
何? あいつ
分っかんね
蜂楽 何言ってんだ? お前
(蜂楽)えっ? だって メチャメチャすごくない? あの3人
アガるアガる~!
はぁ? もう3-0だぞ このまま やったって…
えっ? 潔 ビビってんの?
(潔)ハッ…
(蜂楽)確かに あいつらのゴールは スーパースペシャルだよね
だったら 簡単じゃん
こっちも スーパースペシャルになればいい
ちょ… あっ…
武器とか方程式とか マックス使ってもムリってことはさ
こいつらから ゴールを奪うときは―
自分の限界を 超えてるってことでしょう
俺の中の“かいぶつ”が言ってる
絶体絶命ってやつは ビビるとこじゃない
ワクワクするとこ
(玲王)面白えじゃん
来いよ 蜂楽廻めぐる
あいよ ぶち抜く
(玲王)超速シザース
左と見せかけて右だろう
あっ!
ルーレットスピン!?
斬鉄!
させるか! パッツン前髪
速はやメガネ だったら…
(斬鉄)ループ! よ~いドンなら 俺に分があるぞ
アウトサイド!? 左か
右!?
しゅん
(斬鉄)空中エラシコ!?
できた! じゃんじゃん イメージ湧いてくる
(凪)すご… なんだ? あいつ
すまん! やべえヤツ 行った
ゴールまで あと3人ぽっきり
3人で一気に潰せ!
いいね いいね どうせ 俺たちは―
世界一のストライカーになるために ここにいるんだ
お前らくらい倒せなきゃ それまでのストライカーってことだね
あと3…
2…
1!
ボンッ!
てめえ ふざけ…
(ホイッスル)
(五十嵐)うおー! 蜂楽!
(今村)ラボーナ!? (成早)すげえ!
見た? 俺のスーパースペシャルゴール
ほら 楽しくなってきたっしょ?
(凪)楽しく?
楽しいなんて 思ったことないな
(斬鉄) なんか あいつら 意気… 消沈?
(玲王)意気“投合”な
(凪)バカ斬鉄
面白えじゃん 完全に潰すぞ
ええっ… めんどくさ…
いくぞ もう1点!
(國神たち)おおっ!
何盛り上がっちゃってんの あいつら
さっきまで死にかけてたくせに
(斬鉄) うん? 玲王 なんか 怒ってる?
別に (ホイッスル)
ただ サッカー歴半年の俺と凪の 無敗記録に―
傷がつくのがイヤなだけだ
(潔)雷市! 玲王にマンツーマンでついてくれ
はぁ? なんだよ それ
俺と体格のいいお前で挟み込む
俺のセクシーフットボールが できねえポジションじゃねえか
やってやるよ クソが!
その代わり 負けたら―
一族まで たたり殺すぞ お前ら!
根に持つタイプはモテねえぞ ギザッ歯
うるせえよ!
こんな試合で ディフェンダーで―
サッカー人生 終わってたまるか!
(凪)もしかしたら こいつらは知ってるのかな
斬鉄!
任せろ!
(凪)俺の このモヤモヤの正体を
(五十嵐)よっしゃ パスそれたぞ!
(凪)熱くなっちゃう理由を
(ぶつかる音) ああっ!
(伊右衛門いえもん)イガグリ…
(五十嵐) 止めたぞ! おら!
チェッ… 止めろ! シュートレンジに侵入させるな!
(我牙丸)パスだ 國神
ビビんな 國神 勝負しろ! スーパーヒーローになるんだろう!
(國神)ンンッ!
(ホイッスル)
…しゃー!
(ホイッスル)
すかさず 我牙丸!
はっ!
フン!
何やってんだ 下手クソ! さっさと戻れ!
クッ… ごめん!
(凪)知りたい
サッカー ナメんな
(凪)ブルーロックに 集まったストライカーたちのエゴを
(アンリ)本当に 思ってたとおりの 戦いになりましたね 絵心さん
(絵心)うん 熱いね 勝つか負けるか 生きるか死ぬか
その極限状態の死線を越える度に―
ストライカーは 覚醒を余儀なくされる
俺が見たかったのは これだ
アンリちゃん ちなみに 覚醒って なんだか分かる?
えっ? えーっと…
凡人が超人になったりする あれのことですよね?
スーパーサイ… 的な
(絵心)うん 全然違う
(アンリ)ウッ…
(絵心) それは まだ成功体験のない人間の―
夢見がちなバカな妄想だよ
バ…
(絵心)覚醒とは―
思考と経験の蓄積のうえに 起こる学習パズルだ
失敗と試行錯誤を重ね―
それでも勝とうと 極限に立ち向かうとき
バラバラだった成功へのピースが かみ合って エゴは開花する
つまり 覚醒とは…
個人おまえが己おまえを学習する瞬間だ
(凪)全然ダメじゃん
あんなにイキがってたのに なんで 打たなかったの?
君 ムダが多いよ
クッ…
(凪)…つうかさ なんで 諦めないの? なんで まだ向かってくるの?
ねえ 教えてよ 何が そこまで 君を突き動かすの?
うるせえよ 天才 今 いいとこなんだよ
(凪)ありゃ 怒られた
なんだ? あの生き物
いけ おら お嬢! ぶっちぎれ!
やってみろ お嬢
俺のほうが速いぞ
“お嬢”じゃねえよ!
俺と よ~いドンかよ!
なっ… (凪)えっ?
斬鉄がトップスピードで負けた
のろまは引っ込んでろ!
(ホイッスル)
うおーっ!
…しゃ! 追いついた おら!
(久遠)クッ…
何やってんだよ お前ら!
10人相手に負けるとか 恥ずかしくねえのかよ タコ!
黙ってろ ゴミが
(凪)玲王が焦ってる
こんなところで 負けてたまるか
俺たちは… 俺と凪は最強なんだ
(ホイッスル)
(雷市)ハァ… 負けるのがそんなに怖いか?
無敗の温室育ちが
ハァハァ…
“敗北”っつう初めては 俺が奪ってやるよ
ク… クソが!
俺たちが… 俺と凪が負ける?
(凪)玲王も あんな顔するんだ
俺に渡せ 玲王
ハッ! 凪
(凪)あれ? また 俺 頑張ろうとしてる
初めて負けるって思ったから?
めんどくさいって思ってたヤツらが カッコよく見えたから?
めんどくさいはずなのに
玲王
俺 やってみる
ハッ… 凪
なんだよ 急に
こいつに ドリブルなんて武器あんのか?
(凪)アタマより カラダが先走る
(五十嵐) クッ… 上を意識させといて股抜き?
頼む 今村!
OK ついていく
(凪)カラダより ココロが加速する
(玲王)俺を見てない
(凪)この好奇心を 確かめたい
シュート来る 飛び込め!
ブロック!
(凪)俺はサッカーで…
俺を試したい!
(ホイッスル)
(凪) なんだよ 俺 熱くなってんじゃん
凪 お前…
(凪)ねえ 玲王
サッカーって面白いんだね
アア…
(凪)あと何点 取る?
(雷市)バカか てめえら!
あと15分で逆転しなきゃ 終わるんだぞ!
死ぬまで攻めろ! 打ち合え バカ!
お前ら ストライカーだろう!
まだ死んでないらしいな
(玲王)あと1点だ 凪
あと1点あれば 俺たちは勝てる
OK ボス
(ホイッスル)
もらうよ お嬢さん
あっ…
(潔)甘いぞ 天才
奪うなら この位置だ
(凪)こいつ 今までと なんか違う
(潔)いけ 千切!
いい子だ 潔 あとで よしよししてやる
(ゴールポストにぶつかる音)
(今村)ああっ! (五十嵐)ポスト!
うっしゃ いただき!
クソ てめえ
いや まだ 攻め潰すぜ
(玲王)波状攻撃?
読みどおり
(ホイッスル)
うらあ!
(凪)これが本気で戦うヤツらの熱 これがサッカー
今 この熱狂の中でゴールを決めたら どんだけ キモチいいんだろう
(ホイッスル)
(選手)いけ! 斬鉄 カウンター
お前は 俺が止める
残念だな 赤髪お嬢
こっちには 今 覚醒ホヤホヤの天才がいる!
ナイス 斬鉄 よく見てた
(潔)俺も ここだと思ってた
アアッ!?
(凪)また こいつ
今 フィールド上の ウイークポイントは ここだよな
よく会うね
お前は 俺が逃がさない
(凪)俺のワンタッチ目を見極めて ディフェンスする気か
右か左か
ああっ もう どうしよう
即興! 反応
(潔)バックショットトラップ!?
(凪) うおっ ヤベッ! できた セナトラ
やべえ! 止めろー!
うおーっ!
(凪) すげえ 俺 こんなことできんだ
超キモチ…
(ホイッスル)
(アンリ)チームZ ファウル!
悪質な反則行為による 得点機会の阻止と見なし―
久遠渉 レッドカード 退場!
久遠 お前 何やって…
ああっ クソ
これで まだ戦えるだろう お前ら
ふざけんな てめえ!
落ち着け 玲王
大丈夫か? 凪
玲王 俺 平気
(久遠)…つうか お前ら
絶対 勝てよ
世界一のストライカーになるのは 俺だからな
ふざけんなよ 久遠 そんなの当たり前だ
俺たちは 勝つ! こんなとこで終われるかよ
(凪)…てか 俺 すごかったくね?
マジで 想像したこともない俺が どんどんあふれてくる
変な感じだけど楽しい
サッカーが 俺を熱くさせてく
俺が変わってく
この先に どんな俺が待ってんだろう
答えが欲しい
(玲王)凪 ケガはないか? (凪)うん 大丈夫
あと3分
おい 玲王 どう守る? (選手)ボール回して 時間 稼ごう
はぁ? 何言ってんだ お前ら (選手)えっ?
“潰す”一択だ
こんなヤツらに引き分けとか 負けと同じだろう
あと1点… あと1点
(ホイッスル)
ファウルすんなよ お前ら!
死守だ 死守!
(凪)ここだ 玲王 来い
俺に出せ
えっ? 自分で狙った? なんだよ
玲王も 最後は自分なんじゃん
来た おら!
俺のテリトリー
てめえ どっから?
フロム 壁ディフェンス
(成早)ボール 拾え! (選手)先に取れ!
(凪)来た!
あと1点
勝った
(我牙丸)まだだ
見える
さあ ラストチャンスだ
(凪)ヤバッ… マジ なんなん? こいつら
蜂楽! こっち
お前の足で ぶち抜け 千切!
フウ…
人数 増やせ
(選手)来い おら! (潔)千切!
(選手)ワンツー カバーだ
(凪)中央に切り返した
あいつ…
いけーっ!
(凪)いちばんヤバいとこ
(斬鉄)お前にミドルは打たせん
外に出たら終わる!
うおーっ!
決めろっつってんだろう!
殺すぞ!
いけ おら!
(凪)いちばんヤバいヤツ
来い!
俺に出せ!
センタリング 警戒しろ! 打たせんな 潰せ!
(凪)そこか エゴイスト
最高だ 蜂楽
(玲王)ハッ! (斬鉄)あっ!
やっぱ 君とは よく会うね
クッ…
今 君が いちばん
このフィールドで 危険な存在だね
ボールに先に触れるのは こいつ
でも こいつは シュートの前に 必ず ワントラップして―
打ちやすい所にボールを置く
そこを狙って奪う!
そんで もっかい カウンターぶちかまして―
俺のゴールで終わらせる
さあ 来い 潔世一
俺が お前のサッカーの全部 熱ごと飲み込んでやる
君は―
俺に勝てないよ
(潔)イヤだ
俺は…
(凪)ダイレクト
俺は そのとき 確かに見たんだ
光を
うおーっ!
(凪)人が 生まれ変わる瞬間を
(ホイッスル)
ハァハァ ハァハァ…
ハァハァハァ…
(凪)玲王
まだ 時間ある あと2点取れば まだ…
凪…
(試合終了のホイッスル)
(アンリ)試合終了 5対4で チームZの勝利
(チームZの歓声)
(凪)ああ クソ
消えちゃう この熱い時間が終わっちゃう
俺も生まれ変われたかもしれないのに
俺が熱くなっちゃった理由も ゴールも 熱も
全部 あいつに…
潔世一に奪われてしまった
玲王
本気で戦って負けるって こんな気持ちなんだね
あ…
悔しいや
(チャイム)
(アンリ)ただいまをもちまして―
ブルーロック 一次セレクション 全棟終了となりました
クリア者は 速やかに トレーニングスーツ着用のうえ―
各棟地下中央エリアへ 集合してください
二次セレクションを開始します
面白くなってきた
天才はエゴにお目覚めのようだ
(ドアの開く音)
(玲王)おっ
おっす お疲れ 凪
ちゃんとクリアしたんだな ファーストステージ
偉いぞ
(ハイタッチの音) ヘヘッ…
セカンドステージは3人1組か あと 誰にすっぺ?
えっと… 俺は 組みたいヤツ来るまで待ちたいかな
うん? いいけど それって斬鉄?
えっと…
言ったら怒るかな 玲王
来たら言う (ドアの開く音)
(ドアの開く音)
(蜂楽)あっ 潔だ
(潔)蜂楽
(蜂楽)イエーイ すぐ会えた
お疲れ クリア おめでとう!
ヘヘヘッ…
あっ 凪
ねえ 潔世一 俺らと組まない?
(潔)えっ?
俺らのチームに来なよ
おいおい 凪
組みたいヤツって こいつのことだったのかよ
うん
だって あの試合で いちばんすごかったのは こいつだ
俺は こいつとサッカーがしてみたい
…だってさ どうすんの? あっち行く?
行くわけないだろう 俺は蜂楽と組む
ヘッ…
すまん 凪 1人で そっちには行けない
…だとよ
(凪)そっか じゃ…
俺が潔のチームに入る
えっ?
えっ? (蜂楽)はぁ?
それならいいでしょう?
(玲王)な… 何言ってんだよ 凪
お前 俺と組むのはマストだろう
どういうつもりだよ 俺はどうなる?
(凪)そんな顔しないでよ
玲王 お前は 俺にサッカーを教えてくれた
俺とお前で世界一になる それは絶対だ
でも 俺たちは負けた 俺たちは最強じゃなかった
俺 玲王といるのは好きだよ
めんどくさくないし 居心地いいし 楽しいし
でも 玲王が 俺に見せてくれた世界一の夢は―
きっと あの瞬間に 一度 終わったんだ
初めて感じた この悔しさってやつの 正体を知るために―
俺は こいつとサッカーがしたい
もう一度 お前と世界一を夢見るために
俺 頑張ってみたいんだ
(鍵のかかる音)
(玲王)あっ…
クッ…
なんだよ それ
好きにしろよ
どうする? 潔
(凪)さあ 俺を選べ エゴイスト
来いよ 凪
じゃあね 玲王 先で待ってる
よろしく 凪っち
うん よろしく
あいつ ちょっと悲しそうだったね
あんた 意外と薄情なタイプ?
(凪)えっ? まあ 寂しくないって言ったらウソだけど
玲王とは きっと また会える
こっちのほうがワクワクしたんだ
そのエゴに従うのが 正しいんじゃないの?
ブルーロックって そういうとこでしょう
今の俺たちじゃ ダメなんだ
凪 よろしくな
うん よろしく
変わって 強くなって また巡り会いたい
(玲王)俺は…
俺の人生は…
今まで 欲しいものは全部 絶対に手に入れてきた
だから きっと あれが…
あの天才が…
生まれて初めて 俺が手に入れられなかったものだ
クソ…
でもさ 凪 本当は 俺 あのとき 気づいてたんだ
サッカーに魅せられて 熱くなってく お前を
自分の才能に気づいていく お前を
そして 潔に負けて 悔しさを手に入れた お前を見て
俺は…
悔しいや
(玲王)本当は うれしかったんだ
でも お前を変えたのは 俺じゃなかった
それを認めてしまったら お前の隣にいられなくなる気がして
俺は 自分の感動に 見て見ぬフリをして蓋をした
俺は こいつとサッカーがしたい
(玲王)子供みたいに目を輝かせて
変わろうと 進もうとする お前に 俺は…
言えなかった
いいよ 凪 行ってこい
夢の先で また会おうぜ
(聞こえない凪の声)
(玲王)言ってしまったら
お前が もう二度と 戻ってこないような気がして
2人の あの夢が もう消えてしまいそうな気がして
怖くて 寂しくて 俺は弱くて
人が変わってくってことが こんなにも残酷だなんて―
知りたくなかった
(凪)こいつ
マジ チート
蜂楽! 凪! 止めてくれー!
来いよ チートモンスター
(凛りん)だから もう終わりだっつってんだろう
ぬるい ド素人が
(凪)ドリブル キック サッカーIQ
…てか 全パラメータ 100点満点中 200点じゃん
人外だろう こいつ
(試合終了のホイッスル)
(アンリ)サードステージ 3対3 ライバルリー・バトル
5対2で チームレッドの勝利
(凪)負けた
(時光ときみつ)はぁ~ ワクワク ワクワク
(蟻生ありゅう)どうする? 時光 凛 勝ったら 1人奪うルールだろう
誰でもいい どれでも一緒だろう
(凪)潔と組んだのに 負けた
えっ? じゃ 蟻生くん 俺は 彼がいいと思うんだけど
うーん 奇遇だな 俺も あいつが欲しい
来いよ
蜂楽廻
ハッ!
(凛)さっさと 次 行くぞ ボーッとすんな オカッパ
お前のこれからは 俺が握る
あ~あ…
俺は 最後まで 潔と一緒に行きたかったんだけどな
蜂楽
約束だよ 玲王
ああ 凪 約束な
行くよ 俺 ルールだし
でも 待つなんてしないよ 潔
俺が欲しけりゃ 奪いに来い
(凪)ねえ 玲王 聞いてよ
俺より 潔より すげえヤツがいるんだ
状況はマジ最悪 次 負けたら終わり
…なんだけど なんでだろう
俺 今 すっげえ楽しいかも
自分が どんどん変わってくのが分かる
まだ 帰りたくない もっと サッカーがしたい
クーッ…
(凪)勝ちたい 強くなりたい
こんな自分がいたなんて―
ブルーロックに来なきゃ 知れなかった
お前に出会わなきゃ 手に入んなかった
ねえ 玲王
また 会ったらさ
話したいことが いっぱいあるよ
変わってくって こんなにも…
ワクワクするんだね
♪~
(玲王) お前らとやるに決まってんだろう
そのために 俺は こいつらと組んだんだからな
聞いてよ 玲王
(はたく音)
(玲王)もう 俺とお前は敵だろ 凪
俺を選ばなかったお前を 俺は ここでたたき潰す
~♪
えーっと まあ いろいろありまして 予定が変わった
どうやら 日本サッカー界のお偉いさん方は―
このブルーロックを 今すぐにでも潰したいらしい
だから あえて 俺は挑戦状をたたきつけた
…ということで 次の選考は3週間後
ブルーロックの存続を懸けた戦い
U-20日本代表 対 ブルーロックイレブンの―
スペシャルビッグマッチだ
この試合に勝てば 俺たち ブルーロックは―
U-20日本代表をジャックできる
♪~
~♪
(絵心)“天才”とは―
1人では 決して “天才”たりえない生き物である
見つける者がいて 初めて その輪郭を成す
(絵心)いいか 才能の原石ども 世界は まだ お前らを知らない
この90分で運命を変えろ
お前のエゴを 今日 世界に刻め
(一同)おおー!
(足音)
行くぞ 凪
今 行く
(玲王)凪!
魅せてくれよ 天才
うん
待ってろ
うん
(歓声)
これが世界
運命への挑戦
俺たちの始まり
見ててよ 玲王
俺の熱を
俺のエゴを
はじめまして 日本
俺が―
凪誠士郎だ
(凪なぎ)ブルーロック あでぃしょなる・たいむ!
あ~ そういや 最近 誰とも コミュニケーションとってないな
さすがにヤバいかな?
でも 人間相手は面倒くさいし ペットでも探すか
(店員)いらっしゃいませ
(凪)すみません
(凪)いちばん面倒くさくないやつを ください
(店員)ああ… ええっ?
よし よろしくな えっと あ~ 名前は… うーん
じゃあ “チョキ”で
ハア… おやすみ チョキ
今の見た? 完璧っしょ 俺のヘッドショット
いってきます ピース
(凪)これ うちのサボテンのチョキ
もし しばらく帰ってこれなかったら 水やりだけ よろしく
ばぁやさん
(ばぁや)承知いたしました
(玲王レオ)何だよ 凪 お前 植物とか飼うんだ
うん 部屋に話し相手が欲しくて
あ~ でも 水 やり過ぎに注意ね
2~3週に1回とかでいいから 基本 放置で
なるほど 愛情の注ぎ過ぎには注意
誠士郎せいしろう様と同じですか
ごめん どういう意味?
いえ 忘れてください
こちらこそ 玲王坊ちゃまを どうか よろしく お願いします
うん まあ 適当にやってみる いってきます ピース
おーい 行くぞ 凪!
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