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・(クラクション)
(自転車のベルと仙蔵の鼻歌)
(仙蔵)おはようっす!
(鼻歌)
おお~ やってるね (女性)こんにちは
(仙蔵)ハハッ ああ 見えるよ見えるよ・
ハハハ… あっ (急ブレーキ音)
(仙蔵)アア~ アイタタ… オオ イテ
ア~…
やい やい やい やい 何しやがるんでぇ!
(英語のどなり声) (仙蔵)どうしてくれるんだよ
(英語)
(仙蔵)ンッ!
日本にはなぁ 原子爆弾 なんてねえけどな (英語)
一人一人の腕ずくだったら・
てめぇらに負けるかってんだ おう (英語)
こういうときは ごめんくださいって謝るところ・
ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ ぬかしやがって おう!
日本の銀座の「銀六」 知らねえのか!
(勝也)おい おやじ そう日本日本って言うなよ
いや だって こいつらがね… まあまあ そうムキになるなって
せっかく こんな いいカモ捕まえてさ
カモ? (チャーリィ)Kamo? What?
Can you play bowling? Yeah.
How about bet game? Why?
If you win, you can amend your damage.
OK. (チャーリィの口笛)
(チャーリィ)Let's go, John. (ジョン)OK.
おい おやじ 自転車どけな (仙蔵)おう・
どっこいしょっと… (車の走行音)
心配すんな 任しとけって
へぇ~…
(ボウリングの音)
(山口)頼むぜ 痛むのは こっちの懐だからな
(貴島)しょっぱなから 5万円も賭けやがって
思い切ったことしやがるよ まったく 任しとけ
みみっちく賭けたんじゃ ファイトが湧かねえよ
分かったよ
(節子)ねえ どっちに賭ける? (奈美)もち 勝也よ
じゃあ 私はチャーリィ (奈美)いいわ いくら?
OK.
(口笛)
・ Lousy luck.
・ Good shot!
(貴島) こいつは いかれ そうだぜ5万円
Come on, Charlie. You gotta hit on and get up.
Come on, you can take it.
・ Very easy.
ラスト 頼むぜ (奈美)勝也!
(2人の英語の歓声)
(貴島)チェッ・
やられやがった (山口)ばか野郎
Pay me.
OK.
チェッ ついてねえや チェッ
だから言わねえこっちゃ ねえんだよ ちくしょう
(山口)やだぜ おい 親父の小切手も・
そう ちょいちょい 偽造できねえしな
(奈美)勝 私だって 損しちゃったわよ・
1, 000円
(奈美)何よ… Hey you.
I bet this for 100, 000yen. This girl?
Sure. OK.
Come on, let's go. (チャーリィ)Sure.
・(英語)
(ボウリングの音)
That a boy, Charlie. Come back, sweets.
(貴島)今度は いただき フフ
・ That's good!
(ボウリングの音)
・(英語)
Oh, no!
勝! わあ~!
(笑い声)
・♪~
(男性・勝)おっす! (奈美)こんにちは
おやじ (女将)銀六でございます
さっき ぶっ壊した ビールの代金だ (仙蔵)へえ…
あっ 外崎さん これじゃ多すぎるよ
じゃあ 私がもらっとくわ (女将)へえ… へえ…・
お前さん 税務署からだよ 代わっとくれ
はいはい 「銀六」です え? ええ
そりゃ あんたね 無茶ですよ え? ええ
おっと (仙蔵)ええ・
そりゃ分かってる? ええ・
チェッ…
ぐっと気分も でかくなるね
(奈美)フフ… 豪遊しよう? フン
(仙蔵)え? それじゃねえ 一家心中でもしろって言うの?・
冗談じゃないよ
♪(歌声)
♪~
(奈美)おかわり
おい そうピッチ上げんなよ これが豪遊? やだわ
お飲み物 オール100円均一 閉店まで粘ろうってわけ?
フン 結構 気分は上々ってな顔してるぜ
フフ… 少し酔ったかな
ねえ あのとき もし負けたら どうするつもりだったの?
ほんとにアメリカ人に 渡すつもりだったの?
負けるなんて全然考えてないね
でも もし負けたら? しかたねえさ
ばかにしてるわ 人権蹂躙ね ばかにされたくなかったら・
俺たちみたいな与太学生と つきあうなよ
早く家へ帰って ねんねしな
嫌い!
ああ飲まれちゃ かなわねえ
ハイボール (バーテンダー)はい
♪(歌声)
♪~
(足音)
ウーン… アア…
・(ラジオ)
ただいま
(あき江)おかえり ご飯は?
済んだ そう
おいしいケーキがあんだけど 食べない?
また彼氏とデートしたね? その後うまくいってんの
ええ とっても
チェッ 「とっても」は余計だな
1回連れてこいよ 見てやるからさ
(あき江)そうね 勝ちゃんの 人を見る目 危ないもんだな
冗談じゃねえや
博打やってみろ よく分かるよ 人の心ってもんが
そう? お母様から手紙よ 読んでごらんなさい フン
読まなくたって分かるさ
「真面目に勉強してますか」
「あなたのお父さんは 元県知事までなすった方です」
「あなたも早く お父さんのように…」
チェッ 官吏と政治家だけが 偉い人間だと思ってんだから
政治家なんて 三流の人間がやる商売だよ
じゃ 勝ちゃん 何流?
俺か? 俺は四流さ
将来は善良で平凡な サラリーマンってとこかな
あっ あした入社試験ね 大丈夫?
ダメだよ コネがねえもん
これも彼のプレゼントだね そうよ
あんまりいい趣味じゃないな イミテーションだろ
勝ちゃんたら やきもちやいてんのね
やいてるさ あきれた
僕には気をつけたほうがいいよ 変な奴に あんたを渡さないからね
怖いわね せいぜい気をつけましょう
・(ラジオ)
(学生)我々の思想と 言論の自由を守るために
我々の日本を 再び警察国家にしないために
警職法反対デモに・
参加してください ・ 行くぞ
(学生)日本のデモクラシーを 守るために断固 警職法と闘おう・
闘って闘い抜いて 反動政府を打倒しよう
(学生たち)そのとおり! (学生)警職法改正はただ単なる…
(山口)お前 行くかい? (学生)ああ
しかし どうしてこう 彼らはヒステリックなのかね
すぐに闘争だとか革命だとか
でも うらやましいね
こっちはデモクラシーより 就職のほうが心配だよ
なあに あいつらだって 就職運動してんのさ
どうして (貴島)学生運動の闘士から・
労働運動の闘士 将来は社会党の代議士さんか
フン 立派なコースだよ
秀才は一流銀行や会社に売約済み
中途半端な俺たちだけが 売れ残ってウロウロしてんのさ
(山口)おう 勝 おめえ 今日の入社試験 何回目だよ
6回目さ (山口)まだ いいほうだよ
俺なんざ あさっての花菱物産で 11回目だよ
心配するな 26回っていう レコードホルダーがいらぁ
・(学生たちの拍手)
(客)ハァ… ウエストが95もあるなんて・
痩せたいわね ほんとに (従業員)お待ちどおさま
ゴルフもフラフープも 全然 効き目がないのよ
(あき江)じゃ あさって これ お店のほう・
お届けしますから
あんたって まるで苦労がないみたい
私なんて苦労の塊よ
・(電話のベル) (客)商売はうまくいかないし・
主人は浮気をするし 株の値は下がるし
(従業員)もしもし… (客)白髪と しわが増える一方
これで痩せないのが 不思議なぐらいよ
先生 お電話です (あき江)はい
ちょっと失礼
もしもし ・(修一)僕だよ
あら… ・ ダメだよ 今夜の約束は
え? どうして?
・ 外せない宴会が あるんだ どうしても
その宴会 あしたに延ばせないの?
・ ダメだね 重要なお得意だからね
今夜 どうしても お会いしたいの
ぜひ ダメ?
(せき払い) (課長)えー・
昨年より続いております 業界の不況は・
その底をつきまして
各社とも急きょ その業務を縮小し この険悪なる情勢に・
対処せざるを得ないことに なりました
わが社も 本日・
新入社員の採用試験を 行う予定でありましたが・
昨日 重役会議の席上・
今年度の新規採用を 見送るということに・
決定をいたしましたので・
甚だ残念 かつ 遺憾ではありますが・
一般募集を中止いたします
あしからず ご了承ください
(学生)あ~あ どこ行っても これじゃダメだな
(学生)チェッ だから三流会社はイヤだよ
(学生)しょうがないさ 日本経済は底が浅いんだ
(学生)アメリカ 行って 皿洗いでもするか
週給40ドル 16, 000円だからな
(学生)行くんならソ連だな 完全雇用だもの
(学生)ちくしょう 革命でも起きねえかな
(椅子を蹴る音)
(クラクション)
あまり お客様がないようだったら 早めに お店閉めてね
(従業員たち)はい (あき江)マスターには・
私から電話しとくわ
(従業員たち)いってらっしゃい (あき江)あっ そうそう
ボンソワールのみどりさんの ドレスね・
ウエスト1インチ 詰めといてちょうだい (従業員たち)はい
お待ちどおさま どうしたの?
(修一)君 困るよ 僕だって仕事の都合があるんだ
あんまり無理 言わないでくれよ
怒ってんの? (修一)いや
無理言うの 今日だけよ もう二度と言わないわ
どうして (あき江)あとで話すわ
(エンジンの始動音)
(車の走り去る音)
(観客たちの声援)
(ゴング)
(観客たちの声援)
木下!
君 拳闘って好きなのかい
ううん 別に
しかし 見に来ようっつったのは 君のほうだし・
さっきから やたらに興奮してるじゃないか
今の私 何かしら刺激が欲しいのよ
どうして
ねえ 赤ちゃんが できちゃったらしいのよ
(修一)ええ?
これから診察してもらいに 行くんだけど・
一緒に来てくれる?
ちょうどいいね・
始末するんだ
(あき江)えっ
(観客たちの声援)
・ もっともっと ワンツーワンツー ワンツーで
おろすのさ なるべく早く
(観客たちの声援)
(あき江)なんだか怖いわ
(修一)大丈夫だよ
手術が終わるまで 待っててくださる?
(修一)ああ
ねえ 私たち 結婚してたら 子供が産めたのね
きっと かわいい子よ だって私たちの子供ですもの
君 おろすのイヤなのかい?
ううん そうじゃないけど
でも… (修一)でも?
結婚したいわ 早く
(急ブレーキ音)
どうしたの?
君… 僕は確かに君を愛してる
しかし 結婚する気はないよ
なぜ? (修一)別に理由はないさ
なぜなの?
仕事が忙しいんだ 結婚どころじゃないね
私を愛していないのね
そう思いたければ そう思うさ
そう
僕たちは愛情を楽しんでるんだ それでいいじゃないか
私 もうこれっきり あなたには お目にかからないわ
(車のドアの閉まる音)
(修一)君!
…ったく
へい お待ち
どうして こう世の中には 試験が多いのかね
幼稚園入るのから就職するまで 明けても暮れても試験さ
俺の親父ったらよ 俺を小学校 入れるのに20万
中学校に50万 高等学校に80万 大学に150万
しめて300万も献金しやがったよ
それで月給たった1万3, 000円の サラリーマンじゃ… フッ・
割が合わねえな (山口)ばかだよ 親父も
今 ポーンと俺に300万くれてみろ 気の利いた商売 始めてやんだがな
おう 勝 もう帰んのかよ そうは毎晩 カネが続かねえよ
ゆうべ 毛唐から巻き上げたカネ どうしたんだよ
授業料さ とっくに大学の金庫へ 納まってら
遊びたかったら アメ公でも連れてきな あばよ
チェッ しまってやんなぁ
・(遠くのクラクション)
・(赤ん坊の泣き声)
(看護師)もうお帰りですか (あき江)ええ
大丈夫ですか? あと1時間ぐらい・
お休みになってると いいんですがね
(看護師)お大事に
(施錠音)
(車の近づく音)
(ブレーキ音)
(車のドアの開く音)
(ドアの開く音)
(あき江)ただいま おかえり
アア…
どうしたんだい 顔色悪いぜ
ちょっと風邪気味なの フラフラするわ
入社試験どうだった?
募集中止なのさ
そう 残念だったわね
平気さ 僕は生まれつきタフなんだ 通るまで何回でもやるよ
(倒れる音)
姉さん どうしたんだい
お医者さん 呼んできて 産婦人科の え?
早く 早く!
(ドアの開閉音)
・~
どうなんです
(医師)少し動きすぎたんですね
あした もういっぺん 治療に来てください
・(遠ざかる足音)
勝ちゃん
怒ってんの?
相手は誰なんだい
勝ちゃんに関係ないことよ
誰なんだい
誰だっていいじゃないの もう 私には用のない人よ
姉さん 捨てられたんだな
私が捨てたのよ
誰なんだい そいつは ほっといてよ
もう何もかも忘れて・
サバサバした気持ちに なってんだから
ウソつけ ほんとよ
ココアいれてちょうだい
そうかい
じゃ 自家用ナンバー 「0531」の持ち主に会ってみるぜ
大強証券銀座支店 次長 江馬修一
そうだろ! 相手は 会ってどうするの
そんなことは成り行き次第さ 勝ちゃん・
乱暴したら承知しないわよ
面 見るだけなら いいだろ 面を
・(電話のベル) (修一)ハハハハ…
よしよし 今行く ああ
(社員)次長 この方が (修一)うん
(いたるところで鳴る電話)
応接間へ通してくれ (社員)はい
おいおい 油紙 頼むぜ (社員)はっ
80円になったら3, 000枚 売り 70円になったら3, 000枚 買い戻し
太田さんの注文だ いいね (社員)はっ
君か 外崎勝也君っていうのは なんの用事です?
なんの用か聞かなくったって 分かってんだろ
(修一)あき江さんのことなら 君と話しても しかたないな
おい ふざけんな
ハハ…
君も学生なら ヤクザのマネは よしたほうがいいね
あんた 妊娠さして捨てて それでも平気かい
ハハ… 別に捨てやしないさ
結婚しないと言ったら・
姉さんのほうで 別れたいときたのさ
ごまかすな! あんたも男らしく 責任 取ったら どうだい
責任?
(笑い声)
君も少しは 法律をかじったんだろうが・
恋愛に法律上の責任はないのさ
文句があるなら警察でも 裁判所でも訴えたら どうだ
じゃ 失敬するよ この野郎
僕もケンカには自信があるほうだ いつでも相手になってやる
また来たまえ
ちくしょう…
(車の通り過ぎる音)
アア すまん すまん おお 随分たくさんあるね
こんなに たくさんの食料品 誰が食べるんだい
(加根子)山では とっても おなかがすくんですって
山って どこ行くんだい (加根子)うん?
これからプランを制作するのよ
兄さん どっかいいとこ知らない?
学生時代 登山マニアだったんでしょ
(修一)それは昔のことさ・
近頃は仕事が忙しくて とんと ご無沙汰してるよ
(トランクを閉める音)
兄さん (修一)うん?
忙しい 忙しいって 仕事ばっかりしてると・
パパみたいになっちゃうわよ (修一)どうして
仕事の鬼になって 人間らしい優しさがなくなるわ
ハハハハ… 大丈夫だよ
(加根子)ほんと 危ないもんだわ
しかし パパにも困ったもんだな ママが死んでから・
お妾さんの家に 泊まりっきりなんだからな
だから 私 脅かしてやんのよ (修一)なんて?
不良になるって (修一)よせよ
フフフ… でも 兄さんまで 仕事のために・
私を独りぼっちにしたら なっちゃうわよ ほんとに不良に
おいおい 脅かすなよ
じゃ 荷物 届けといて (修一)ああ
6時ごろ帰ります 兄さんは?
本店に ちょっと用があるんだ
早く帰って (修一)はい
(エンジンの始動音)
(走り去る音)
(そろばんをはじく音)
予算は1人 1, 235円
(節子)交通費580円 宿泊費200円
(学生) あら 寮 値上げしたのよ 220円に (節子)いつから?
(学生) 厚生課の掲示板 見なかったの?
頼りないわね 会計係 (学生)遅い 加根子
どういうことになったの?
やっぱり 寮 行くことに決めたの・
説明するわ 長尾峠を通って・
上りが12キロ 下りが7キロちょっとかな
(学生)ワァ とっても無理だわ (奈美)それくらい歩かなくちゃ
(学生)リュックをしょってんのよ (学生)手ぶらで歩いても無理だわ
ハイボール (バーテンダー)はい
(奈美)そうかなぁ
(学生)寮に着くまでに 日が暮れちゃうわよ
(学生)次の日 山へ 登るんでしょう? ダメよ
(奈美)ねえ いいことがある 任しといて
ねえ 私たちとドライブ行かない?
やだね 女だけだろ?
だから 勝ちゃんが必要なの ああ 用心棒か
車はワゴン 2日間で5, 000円 どう?
安すぎるよ 2万も出しゃ考えてもいいぜ
ダメよ 私をさんざん なぶった罰よ
ボウリングの選手よ 六大学のチャンピオン
279点の レコードホルダーなんですって
(学生たち)へえ~ (奈美)交渉成立
寮までドライブします
(学生)じゃ 予算足りないわ (奈美)大丈夫
汽車より安上がりよ
よろしく 外崎勝也です
(拍手)
(車の走行音)
♪(イタリア語の合唱: 『フニクリ・フニクラ』)
♪~
♪~
今年の流行 サックドレス? (奈美)古いわよ もう・
サイドラインからハイポイント
サックの前は マグネットライン その前はHライン
Hの前がアロー ぐっと古くなってAライン
どうして流行って くるくる変わるんでしょう
(奈美)デザイナーの先生方が ご飯食べるためよ
誰が着るのかしら (学生)お金持ちか ばかな人
普通の人間は誰も着ないわよ
誰も着ない流行なんて あるかしら 変ね
世の中って変なのよ
♪(イタリア語の合唱: 『フニクリ・フニクラ』)
♪~
(ざわめき) (学生)おじさん こんにちは
(鳥の鳴き声)
・(学生たちの笑い声)
(一同)乾杯!
いよいよ来年は卒業 この寮とも おさらばね
卒業したって お先真っ暗
今年の女子大卒業生に対する 求人はゼロ
したがって私たちの就職率も ゼロって話よ
やっぱり結婚するより 手はないわけね 飯を食うためには
そうよ 結婚は最大の就職よ
女よ 家庭に帰れ すごい逆コースね
3年間 高い月謝を払って勉強した 歴史も文学も社会学も・
みんな無駄でした 私たちの目的は…
男性をキャッチすること
愛情ある男性を (学生)若くて いきのいい奴を
稼ぎのあるオスを
(加根子)捕まえて飼いならすこと マンハント 万歳ね
(奈美)生存競争 万歳よ
あ~あ 恋がしたくなったわ (奈美)歌いましょ
愛の歌を
アン ドゥ トロワ…
♪(学生たち)黒い瞳の若者が
♪ 私の心をとりこにした
・♪ もろ手を差しのべ 若者を
・♪ 私はやさしく 胸にいだく
ハァ…
どうしたんだい
飲みすぎたのよ 苦しくって
・~
きれいだな ススキが まるで湖みたいだ
そうね
泳ごうか えっ
さあ
・~
・~
(2人の荒い息づかい)
アアッ
・~
あっ…
アアッ
(飛行機が通過する 大きな音)
・(子供たちの遊ぶ声)
(あき江)何 考えてるの?
約束じゃなかった? 山へ行って・
不愉快な気持ち 洗い落としてくるって
ますます はっきりさしてきたんだ
怒るべきことは 怒らなくちゃいけないってね
しつこいのね
しつこいんじゃないよ 素直なのさ
じゃ 私は素直じゃないの?
そうさ 姉さん 腹ん中じゃ まだ あいつが忘れらんないんだろ
会いたくてウズウズしてんだろ そんなことないわよ
私 一生 独りで暮らそうと 思ってんのよ
腰の曲がった ババアになってもかい そうよ
これでも いろいろ楽しい計画があんのよ
郊外の住宅地に 小さい洋装店 開くの
マスターが お金出してくれるのよ
ねえ 勝ちゃん 私のデザイン 相当なものよ
近所の若い娘さんたちを シックなドレスで飾るわ
お庭には花壇を作って バラの花をいっぱい
変なおとぎ話はやめてくれよ ゾッとすらぁ
姉さん あの男に会いたかったら 会いに行ったら どうだい
抱きついてキスしたら どうだい
腹が立ったら あの野郎の顔 引っかきむしってやるのさ
フン できねえだろ
そんな情けねえ根性だから 捨てられるんだよ
犬みたいに おっぽり出されるんだよ 勝ちゃん
俺はやるぜ やりたいことを やるんだ
あいつは法律上の責任はねえって 言いやがった
本当に責任があるかないか 俺がはっきりさしてやるよ
あいつの泣きっ面を 思いっきり楽しんでやるんだ
おう
(ボウリングの音)
話があんだってさ
話って なんだい
どうして あんなことなすったの
俺にも よく分かんねえんだ
私を遊んだのね 違う
じゃ どうしたの 分からねえな
無責任ね
責任を負えばいいのかい
そんなことじゃない じゃあ どうなんだい
君を愛してますって 言えばいいのかい?
僕は君が好きさ 大好きさ
大好きだからこそ… ふざけないで
とんでもない 真面目な気持ちさ
そんなことじゃ済まないことよ
じゃ どうすりゃいいんだい
私 あなたを憎んだわ 殺してやろうと思った
殺して自分も死のうかと思った
笑ってんのね 笑ってなんかいないさ
それは僕が悪かった 認めるよ
謝る
謝ったって どうにもならないことだわ
でも 悪いのは あなただけじゃない
私にも罪があると思ったの
回りくどいね
要するに なんだい はっきり言ったら どうだい
私も あなたが好きよ 愛していきたいの
そりゃ ばかげてるぜ
俺はボウリングだけが 取り柄の与太学生だよ
なんでもいいのよ そう決心したんだから
あしたの日曜日 会ってくださらない?
いいよ 君には頭が上がんないからね
じゃ キスして
♪(ピアノ)
♪~
♪~
・(ブザー)
(修一)はい (加根子)おかえりなさい
ただいま (加根子)お食事は?
え? 済んだよ
コーヒーが飲みたいな (加根子)お酒臭い
兄さん このごろ毎晩ね 酔っぱらって帰るの
しかたがないさ この日本って国じゃ・
取り引きに宴会は付き物だからね 胃が丈夫でないと もたないよ
これじゃあ 遠からず胃潰瘍だな
(修一の笑い声)
(加根子)ねえ 兄さん (修一)ん~ うん?
(加根子) 早く お嫁さん もらわない?
どうして (加根子)うん?・
奥さんがいれば 兄さんだって早く帰るでしょ
健康にいいわ (修一)随分 今夜は元気だね・
ここ2~3日 具合が悪いって 青い顔してたくせに
(加根子)フフ… そう? (修一)ハハハ…
ねえ 兄さん (修一)うん?
恋愛したことある? (修一)え?
んー ないとは言えないね (加根子)今は?
仕事が忙しくてチャンスがないよ
それがいけないのよ・
人間は仕事だけじゃ 幸せになれないわ・
私 兄さんがすばらしい恋愛して すばらしい結婚するの 見たいな
加根子 (加根子)なあに?
(修一)お前 恋愛してんのかい
そんなふうに見える?
うん? ばかに はしゃいでるからさ
(加根子)ウフフ…
おやすみ
♪(歌声)
♪(カスタネットと歌声)
♪~
♪~
(あくび)
♪~
(拍手)
(ざわめき)
ウーン…
アア… ハァ…
どう? 面白かった? あくびが出たね
あなた 一体 何に興味があるの
スポーツとダンス 体 動かすのがいいね
本なんか読まないの
週刊誌とスポーツ新聞は 毎日 読むね
サーッと目を通して 電車の中へポイさ
でも 大学は経済学部ね 勉強 大変じゃない?
落第しない程度にやるさ
何しろ卒業しないと 就職できませんからね
しかし 大学で教えてることなんか・
実社会じゃ なんの役にも立たないよ
そうかしら 女子大だってそうさ
体のいい花嫁学校だね
さっさと辞めて タイプでも習ったら どうだい
何しろ人生の目的は・
いかにして 飯を食うかってことだからな
これでも そのほうは せっせと毎日 勉強してんだ
どこで? 親不孝通りでさ
親不孝通り?
・♪~
(男性)ばか野郎 (男性)気をつけろい!
どうして ここが親不孝通りなの?
バー キャバレー 飲み屋 ナイトクラブ
俺みてぇにグレた学生が ウロウロして・
親を泣かしてっからさ
(女性)勝ちゃん よう もうかるか
(女将)いらっしゃい (山口)おう 勝
(山口)待ちくたびれたぜ・
いいカモ 探したんだよ パンアメリカンの社員さ
(貴島)2~3日前に 東京へ来たんだってさ
グリーンダラーが 懐で うなってらぁ・
うまく引っかけりゃ いくらでも吐き出すぜ ダメだね
今夜は先約があんだよ
(貴島)チェッ おい 5枚ほど貸せ
(山口)5枚? いいじゃねえか
あした そのパンアメリカンの 野郎をしぼり上げてやらぁ
さっさと出しな
(学生)おたく どこだい 目白だろ? 俺は立生だけどよ
(学生)違うよね 上野だろ 絵 描いてんだろ?
おい ごめんよ ごめんよ (学生)なんだ この野郎
なんだ ばか野郎! 砂利のくせに・
でっけぇ面するんじゃねえ! (学生)チェッ ばか野郎
♪~
よお おう
うっす (男性)おい 勝
はい はい はい (男性)おっす
よう (女性)こんばんは
大変な顔ね みんなお友達?
ああ クズみたいな連中だけどさ・
見栄や体裁抜きで裸で つきあえるとこが面白いのさ
おい (バーテンダー)やあ いらっしゃい・
何にします? オンザロック
私もいただくわ ジンフィズ (バーテンダー)はい
とにかく現在は右か左の時代だ
否も応もなく 我々は・
右か左かを 選択しなけりゃならない
どっちつかずの中立なんてダメさ (学生)フン
アメリカの女中になるか ソ連の奴隷になるかか
民自党 万歳か 社会党 頑張れか ハハ…
(学生)ストライキをやるか 御用組合に成り下がるか
(学生)さて 右と左に分かれたら 次はケンカだ 殴り合いだ
上は国会から 下は夫婦ゲンカにいたるまで・
代議士も労働者も警官も・
サラリーマンも 主婦連のおばさんも・
日本国中 いたるところで 朝から晩まで・
死に物狂いの乱闘だよ 闘争だよ
(学生)闘争の時代だね (学生)暴力日本か
いいねえ 腕がなるね
いっちょやるか (学生)やるか
(学生たちの笑い声)
とても楽しそうね そうでもないさ
どうせ 2~3年すりゃ サラリーマン
カネも暇も自由になんねえや
今のうちだと思って 楽しんでんのさ
もっとも そのころになりゃ バー遊びにも飽きて・
ウンザリしてるんだから ちょうどいいのさ
こんばんは あら 加根子
この男には 気をつけたほうがいいわよ
どうして? (奈美)乱暴でわがままで・
ケチでエゴイストで冷酷で
それから? ガラが悪くて ずるくって
つまり 俺は男性的ってわけだな
そうよ そうなのよ だから好きなの 残念だけど
加根子 用心しな
♪~
(クラクション)
♪~
♪~
(英語)
(重役) おい 何言ってんのかね 君
(通訳) 日本の女は すばらしいそうです
うん そうだろう ビフテキだって 外国なんか問題にならん
肉がうまいんだよ 肉が
なんだって日本が一番さ ハハハ…
(社員) 課長 そろそろ引き揚げて・
浅草の白黒といきましょうや (課長)いや やめとこう
明日は5時起きさ
これだよ (社員)ゴルフはいいですね
同じお得意のご機嫌取りでも・
待合やマージャンなんかよりは よっぽど健康的ですよ
(課長)フフフフ…・
こういう楽しみでもなくちゃ 君・
サラリーマンなんか ばかばかしくて やっちゃおれんさ
(社員)ですね (女性)お久しぶり
随分 長いことお見限りだったのね
(男性)いやぁ 忙しくてね
テレビ 映画 ラジオ 眠る暇もねえんだ
フッ これじゃ 殺されちゃうよ まったく…
ぐっと貯まったでしょ? 私 欲しい物があんだけどな
ダメダメ みんな税金さ
俺たちはね 税務署のために 働いてるようなもんなんだよ
死ねば税務署が お墓を建ててくれるでしょう
(女性)アハハ
面白いとこねえ ナイトクラブって
つまんねえとこさ 1枚 皮をひんめくりゃ カネ
客といやぁ 外人か社用だ そうでもなきゃ 芸能界のスターさ
ショーもバンドも みんなから・
カネをふんだくる仕掛けに すぎないのさ
さもしいところだよ (拍手と替わる音楽)
踊ろう
♪~
うまいね ダメよ 硬くって
申し分ないさ どこへ出しても 一人前だよ
(加根子) でも たまにしか踊らないのよ
ウソだね パートナーは誰だい
(加根子) 兄や兄のお友達 でも ときどきよ
フーン…
ねえ なんだい
あなたって 思ったより ずっと面白い人ね
そうかい?
私 決心してよかったわ 何を?
(加根子)あなたを愛そうと
後悔しても知らないぜ
大丈夫
♪~
・(近づく車の走行音)
・(ブレーキ音)
とっても楽しかったわ 今夜
お気に召して結構でした ウフフ…
今度いつ会ってくださる? あした?
あしたはマズいな ひと稼ぎしなきゃなんねえんだ
じゃあ あさって
いいよ おやすみ
待って
・~
おやすみなさい じゃあ あさってね
(車の走り去る音)
ただいま (あき江)おかえりなさい
あ~ くたびれちゃった
勝ちゃん なんだい
水くさいのね 何が?
見たわよ なんでい
かわいらしい人ね とっても楽しそうだったわ
やいてんのかい 何 言うのよ
今度 紹介してね 会わないほうがいいぜ
どうして
あの子 江馬 江馬加根子っていうんだよ
江馬? そうさ 江馬修一さんの妹さ
それ 偶然なの? 偶然 知り合ったの?
いや はっきり言うと 俺のほうから近づいたんだ
どういうつもりなの 勝ちゃん 知らねえな 眠いんだよ
勝ちゃん!
離せよ
そんなに聞きてえなら 言ってやらぁ
江馬修一に お返しをしてやりてぇんだよ
あいつが姉さんにしたことを そっくり妹にしてやんのさ
あいつも妹だけは かわいいらしいからな
きっと怒るぜ 気違いみたいになって悔しがるぜ
勝ちゃん そんなことしたら 姉さん 許さないわよ
許さない? そうよ
じゃあ どうして江馬 許したんだ 許してないわ
ごまかすな! あんたには 俺の気持ちは分かんないんだよ
そりゃ 俺はどうしようもない男さ
博打も打てば女遊びもする
だけどさ ここへ帰ってくりゃ・
あんたの顔さえ見りゃ そんなヤクザな気持ちは・
さっぱり忘れて しゃっきりするんだ なぜだい
あんたに心配かけたくないからさ
姉さん あんたはいい人なんだ
誰よりも 幸せになっていい人なんだ
それを あの野郎 めちゃくちゃにしやがって
我慢ができねえんだよ!
でも 妹さんに罪はないわ
そんなこと分かってるよ 分かってるうえでやってんだ
止めたって無駄だよ 聞かないよ 無駄だよ!
(学生たち)ワン ツーの…
(学生たち)ワン ツーの… ワン…
(学生たち)ワン ツーの…・
ワン ツーのラスト!・
ワン ツーの… ワン ツーのラスト!
(学生)加根ちゃん・
ご面会
(学生たちのかけ声)
あの… 勝也さんの
(あき江)姉ですの はじめまして
江馬です よろしく
ゆうべ 弟から 初めて あなたのこと お伺いしましたの
それで 無性に あなたに お目にかかりたくなって
突然で びっくりなすったでしょ
いいえ 一目で お姉様だって分かりましたわ
目がとっても優しくて 勝也さん そっくり
フフ… でも 弟は 大変な乱暴者なんですのよ
だけど とっても正直で好きですわ
正直すぎて ときどきカッとなるんですの
何をしでかすか分からなくて いつも泣かされますわ
私 こう見えても とっても意地っ張りですの
絶対に負けてませんわ
勝也さんこそ 私みたいな女に見込まれて・
一生 閉口なさるわ (あき江)一生?
ええ できたら結婚するつもりですの
(学生たち)ワン ツーのラスト ワン ツーのラスト・
ワン ツー ラスト ワン…
うらやましいわ あなた方
若くて たくましくって 怖いものなんかないみたい
(学生たちの声)
(学生たち)そーれ
(学生たちのかけ声)
あ~あ 手数かけやがって あのパンアメリカンの野郎
しけてやんのよ 3時間も待たしやがって・
やっと払いやがった はいよ
おまけに円でよ おやじさん
借り 返すぜ
(仙蔵)はい 確かに
車 来てんのか ああ
スカイラインのパリパリが 表でお待ちかねだい
さあ 今夜は箱根でリーチ 稼がしてもらいますよ
(山口) よう おやじさん 弁当できてるね (仙蔵)ああ できてるよ
それから お神酒は瓶を2本 頼むよ・
どうも宿屋の酒は 水くさくていけねえからな
加根子 遅いわね (節子)ぐっと おめかしよ
・♪~
ああ よかった 何が?
(加根子)私 ゆうべ怖い夢見たの とっても怖い夢
あなたが私を殺そうとすんの
フッ 殺したいのは君のほうだろ
それは昔のことよ 夢でよかった
ハァ… 乗れよ
(エンジンの始動音)
(走行音)
皆さんは? まだ「銀六」で おだ上げてるよ
悪いわ してやられて・
ベソかくような連中じゃねえや
しけこむ穴に不自由はしねえよ どこ行こう?
(加根子)でも…
今夜は どこでも 君の好きなとこへ お供するぜ
どこだい
山のほうへ行って 山? どの山だい
私たちの山のほうへ
まっすぐに
(鳥の鳴き声)
(加根子)ウーン… ハァ…
(加根子)フフフフ…
(加根子の笑い声)
・~
・~
ンッ! ワァッ!
ハハハハ…
ハァ…
よっこいしょ…
もっと強く抱いて
このまま眠りたい 冗談じゃねえや
凍っちゃうよ
私と死ぬのイヤ?
やだね どうして?
長生きしてえのさ
フゥ…
私と一緒に できたらね
フフッ
私 きっとすばらしい奥さんよ どうだか
ほんとよ
抱いて
(鳥の鳴き声)
(掃除機の音)
(吐く声)
(お手伝いさん) どこか具合が悪いんですか
(水の流れる音)
(加根子)ううん なんでもないの
(ブレーキ音)
(車のドアの開閉音)
(車の走り去る音)
(医師)もう 来なくていいよ (患者)あら
どうも長らく (医師)いや
(医師)お名前は?
石川よし子
(医師)年齢は? (加根子)19
・(赤ん坊の泣き声)
(医師)結婚してますね? (加根子)はい
・(器具の置かれる音)
・(赤ん坊の泣き声)
(学生) 残ってるのは三流どこばかし・
初任給 8, 000円とくらぁ (学生)いよいよ浪人だな
♪(コーラス)
俺も ひとつコーラスでもやるか (貴島)どうして
ダークダックスって お手本があらぁ
うまくいきゃ テレビのスターだぜ (貴島)マスコミ万歳だね
ホームラン ポカポカ打って 2, 000万円もいただく奴もいるし
それに引き換え なんの才能もない 俺たちは悲劇だね
せいぜい親を恨むさ
♪~
・♪(コーラス)
(職員)日本の名物って なんだい 4字なんだけどな
フジサンにゲイシャ
(職員)タイフウ コウズイ オショク マチアイ ビンボウ
いくらでもあるさ
イースタン商事 お願いします
(職員)授業料 完納してますね 払ったよ
えーと どこでしたっけ イースタン商事
(めくる音)
よく掲示 見てください
イースタン商事は きのう 採用者が決定しましたよ
チェッ どこか他に・
新しい求人の口はないですか (めくる音)
もう ほとんど 出尽くしましたね
(めくる音)
あっ タクシー会社の事務員なら ありますよ
ビッグニュースって なんだい
なんだか分かる?
見当つかないね
私ね 赤ちゃんができたらしいの
ほんとかい
もう2か月よ
へえ…
でもね 医者から「妊娠してます 間違いない」って言われたとき・
なんだか とってもうれしかった
私も女だなと思ったわ
お家の人 知ってんのかい
ううん 誰も・
言えるわけないじゃない・
私たちの関係 あんなことで始まったでしょ?・
言いそびれて・
あなたと つきあってることだって 知らないわよ
フーン…
ねえ どうしよう
ちょうどいいチャンスだね 何が?
君の兄さんに紹介してくれよ
もう こうなった以上 僕たちの関係も隠しておけないよ
はっきり認めてもらおうや すべては それからさ
(いたるところで鳴る電話)
(修一)おい (社員)はあ
(修一)日本物産 5, 000枚 138円で売ってくれ (社員)はあ
(修一)よう また小遣い せびりに来たな?
兄さん 重大な話があるの
ハハハ… 大げさだなあ
私の一生を左右するような 重大な話よ
(修一)うん?・
なんだい?
私ね 結婚したい人があるの (修一)え? これは驚いたね
会ってくださる? (修一)もちろん
拝見さしていただくけどさ どんな男だい?
(加根子)まだ学生よ
学生? (加根子)そうよ
だから 結婚は2~3年先よ
ただ 兄さんに 承認していただきたいのよ
秀才でもハンサムでも・
ブルジョアでもないけど 頼もしい人
・(ノック) (修一)ウーン… はい
(社員) 東亜銀行の方が見えてますが
(修一)あっ すぐ行く
よし その頼もしいお方に会おう どこがいいかな
(加根子)家がいいわ 今晩 お食事に呼んであるの
ハハ 随分 手回しがいいんだな (加根子)ごちそう作るわ
早く帰ってね (修一)どうも近頃・
様子が変だと思ったよ ハハハハ…
(社員) 大型2台 はい 承知しました
(社長)おい そんな電話のかけようがあるか
いいかい? お客さんから注文があったら・
電話に向かって必ず 「ありがとうございます」と・
頭を下げるんだ 分かったか
そのぐらいの精神がなけりゃ 商売繁盛せん
はい (社長)チッ ハァ…
どうも近頃の奴らは すぐ賃金だとか・
闘争だとか言いおって・
少しも商売を大切にしておらん
会社を潰したら 自分たちが食えねえってことが・
分からねえんだから・
あっ さっきの条件 月給1万2, 000円じゃ不服かね
いいえ そう
じゃあ 来年 早々 勤めてもらいましょう
はあ
(乗務員)社長 (社長)なんじゃ
事故を起こしました (社長)事故?・
お前は今年になって 3度目だからな・
今度 起こしたら辞めてもらうぜ
(社長) 運転手は いくらでもいるんだ
(社員)あのねえ 学生さん
あんたが ここに入ったらね・
組合の委員長になってさ あいつを のしてくださいよ ね?
ハァ… どうして こう 心配事が多いのかしら
最近 心臓も腎臓も肝臓も みな様子がおかしいのよ
薬なんて いくら のんでもダメ
あなたって まるで苦労がないみたい
いいえ これでも
どうせ あなたの心配なんて 恋愛かなんかでしょう
そんなもの なんでもないわ 恐ろしいのはね 年を取ることよ
1つ年を取るごとに 十ずつ心配の種が増えるわ
きっと あと5年もしたら 生ける屍よ
ちょっと失礼
なあに? 就職したよ
あら おめでとう 今晩 お祝いしましょうね
いや 今夜は もっと おめでたいことがあるんだ
なあに? さあ なんだろう
♪(レコードの音楽)
フフ…
どう? (お手伝いさん)結構ですよ
お嬢様が結婚なさると・
また この家も にぎやかになりますね
奥様が亡くなってから ほんとに陰気で寂しくて…
ナプキンは お母様の好きだったの 出しといてね
はい はい
(加根子)兄さん 遅いわね
随分 立派な家だね
ママの設計よ
でも ママ お家が出来上がったと思ったら・
すぐ病気で亡くなっちゃったの 3年前
お母さんは君に似てたのかい みんな そっくりだって言うわ
気の強いところが ・(ブザー)
あっ 兄さんだわ
♪~
(加根子)おかえりなさい (修一)すまん すまん
どうしても 会わなきゃならん人がいてね
いるかい? (加根子)しびれを切らしてるわ
そうか それは悪かったな
やあ どうも お待たせしました
兄よ 外崎勝也さん
はじめまして 外崎です はあ
お兄様 何になさる? ハイボール ストレート?・
あ… ストレートがいいわね
(注ぐ音)
君… 君は加根子と 結婚するつもりなのか
はあ できましたら
私の目は確かだと思うんだけどな ね? いいでしょ?
(修一)ん… (加根子)ダメ?
考えることはないでしょう 僕たちは・
もう実際 結婚してんのと おんなじなんだから な?
本当か 加根子
ええ
子供もできてんですよ
結婚でもしなきゃ どうにもならんでしょう
勝也さん
本当か?
ええ
でも だから結婚するって いうんじゃないの
私 勝也さんを愛してるからよ
確かに私たちのしてること よくないことだわ
だけど 結婚するんなら 結婚すれば みんな…
だから 兄さん 兄さん
ハハ… 君 兄さんを口説くの やめたほうがいいね
僕を嫌いらしいよ
いいじゃないか 僕は何も無理して・
君のお婿さんに なることはないんだ
喜んで引っ込むよ 何を言うの? 兄さんだって…
まあ サヨナラしようや
君も子供なんか おろしちゃえよ
腫れ物が 変なとこへできたと思って・
気軽に掻き出しちゃえばいいのさ
なあに 僕のことなんか すぐ忘れるさ
新しい男を見つけろよ
もっと兄さんの気に入るような 男と 一緒になるんだな
傷物かどうかは 外から見ただけじゃ・
分からんからね 貴様!
もっと殴れ もっと!
俺が てめぇを どれだけ殴りたかったか
文句があるなら こいつに言ってくれ
こいつは俺の姉さんを はらまして捨てたんだ
俺は ただそのマネをしただけさ
あばよ
(遠ざかる足音)
(ドアの開閉音)
アア… フン
勝也さんのお話 ほんとなの?
ああ
本当だよ
情けない人ね (修一)なあ 加根子
触らないで (修一)加根子!
(止まるレコード)
チェッ
(注ぐ音)
♪~
(山口)いよいよ12月も22日か
なんとなくソワソワして 落ち着かねえな
この暮れを ちょっと楽しく越そうと思うと・
最低10万は要るね
勝の野郎の尻ひっぱたいて 稼がせなきゃね
だけどよ あの野郎 気まぐれだからな
プロデューサーとしちゃ 苦労するよな
(ろれつの回らない声で) おい ホワイトラベル ダブルだぜ
・ はい (奈美)随分 荒れてんのね
おや おひとり? 加根子どうしたの
とっくに お手切れさ
おい 今夜は つきあえ そりゃ… だけどさ
グズグズ言うなって
おい 踊ろう
♪~
(店員)いらっしゃい
(店員)いらっしゃい いらっしゃい
♪~
(奈美)来たわよ 何ー?
フン
なんだよ さっきサヨナラしたんだ もう用は ねえはずだぜ
大阪のおばさんのとこへ行くわ
学校を辞めて働くの
どうぞ ご勝手に
あなたの子供 産むつもりよ
私 兄さんたちのマネしたくないの
産みたきゃ産むさ もう あんたは自由だ
俺とは他人さ なんでも 好きなようにしたらいいよ
そうね じゃ 最初 決心したように・
どこまでも あなたを愛さしてもらうわ
子供の顔が見たかったら いつでも いらっしゃい
チェッ ばかな女さ
ガキを産みてえなんて・
30過ぎたオールドミスの 言うこった
バッキャロー!
ふざけるなってんだよ な?
でも…
何が「でも」だよ
♪~
(笑い声)
(電車の警笛)
ハァ…
ンー!
フゥ…
(ふすまをたたく音)
起きろ!
起きろ起きろ起きろ起きろ… ちくしょう!
大変なご機嫌ね
やったぜ 姉さん
修一の野郎に ベソかかしてやったぜ
あの野郎の泣きっ面 姉さんに見してやりたかったよ
ざまあみやがれってんだ
何をしたの
何もしねえよ
ただ 加根子にバイバイしただけさ
あの野郎 怒って 大阪へ行くんだってよ
大阪へ? ガキが産みてえんだってよ ガキ
本当に気の強い女だよ
勝ちゃん それ本当なのね?
ウソじゃねえから 笑わすじゃないか ハハハ…
いい気持ちだね
姉さん うれしいだろ 俺に お礼言ったら どうだい
勝ちゃん なんだよ
私 あんたと別れて暮らすわ あんたみたいな気違いと・
一緒にいたくない あきれて ものも言えないわ
何?
ここ 出てってよ
出てけっつうんなら 出ていきますよ
もともと銀座は俺の巣だ
こーんな狭っ苦しいとこへ 住んでるより・
よっぽど気分がいいや 願ったり かなったりだ
出てったあとで後悔すんなよ
後悔なんかするもんですか ばからしい
さっさと出ていきなさい チェッ
・(遠ざかる足音)
どうしても大阪へ行くのかね (加根子)ええ
どうしても子供を産むのかね (加根子)ええ
結婚もしないで 子供を産むなんて・
女1人で どうやっていくんだよ
世間知らずも甚だしいよ
そうね
子供だって かわいそうだ 私生児じゃないか
そうね
やめたら どうなんだよ むちゃくちゃだよ
そうよ
女の気持ちって むちゃくちゃなものよ
お前の気持ちは分からんね (加根子)分からないでしょう
兄さんに分かるはずないわよ
兄さん 私のことを心配する前に 自分のことを心配したら どうなの
くだらない人間に ならないでちょうだい
・
え? 僕に電話? 誰から?
あき江から?
今更 なんの話だっていうんだい
(ウェイトレス) 何にいたしましょうか
あ… コーヒー (ウェイトレス)はい
君の弟には あきれたもんだね
気違いだよ 狂犬だよ
悪いのは弟じゃないわ
(修一)僕だって言うのかよ
(あき江)いいえ 私よ 私さえ しっかりしてれば・
こんなことに ならなかったんですもの
愚痴をこぼしても始まらんね
加根子が受けた傷は どうにもならんよ
加根子さんは大丈夫よ 私なんかと違って・
弟に負けていませんもの
だから安心しろって言うのか それを言いに来たのか 君
いいえ (修一)じゃ 何だ
私も加根子さんを 見習う決心しましたの
あなたを いつまでも諦めないつもりよ
無駄だね (あき江)無駄でもいいの
だって 弟が教えてくれたんですもの
それ以外に 私が幸せになる道はないって
結構な弟だよ (あき江)そうよ
すばらしい弟だわ
あなただってそうよ 私を捨てたら 幸せになれないことよ
冗談は やめてくれ (あき江)冗談かしら
冗談だよ
・(女性)いやー! フフフ…
ウーン…
(仙蔵)さあ さあ さあ さあ 起きたり起きたり
もう4時だよ
もう店を開く時間だよ (あくび)
さっさと顔を洗わんか フゥ…
あ… あのな さっきから お客さんが お待ちかねだよ
お客さん? ああ さあ さあ…
ウーン…
・(女将) お前さん 税務署から電話だよ
・ 下りてきとくれ
また税金か チェッ 税務署に火つけたくなるよ
ウーン…
なんだ 客って てめぇか ケンカしに来たのかよ
今日は黙って殴られてねえぜ
君に負けたよ 何?
僕は君の姉さんと 結婚することに決めた
ウソをつきやがれ
君は僕のマネをして妹を捨てた
もう一度 僕のマネをしてくれないか
ふざけんな てめぇの都合のいいように・
丸め込もうなんて 虫がよすぎらぁ 帰れ!
妹は今夜9時の「月光」で発つ
見送りに行ってやってくれないか
うるせえ! 帰れったら帰れよ
勝也君 頼むよ うるさい!
どうも失礼しました (仙蔵)いや これはどうも
(女性たち)こんばんは (男性)おっす
(女性)久しぶりね (男性)飲み行く?
・♪『ジングルベル』
フゥ…
ダメだね いくら呼んでも 返事しねえんだから
せっかく いいカモ 捕まえたっていうのに・
何 グズグズしてやがんだろうな 勝也の奴
カモには羽が生えてんだぜ どっかへ飛んじまうよ
(山口) ねえ おやじさん 呼んできてよ (仙蔵)うん?・
ん…
・♪『ジングルベル』
(仙蔵)勝也さん・
ハハハハ…
(仙蔵)勝也さん あんたとも長いつきあいだ
大概のことはピンとくる うるせえ!
ハハハ… あんたのいいところは 意地っ張りさ
だけど 意地の張りっぱなしってえのは・
よくねえね 野暮だよ
ほっといてくれ 俺のことだ
ハハハ… さあ さあ そこだ
若いうちは 勝手気ままなことをやる
え? どうせ つまらねえ世の中だ それもいい
親不孝も でたらめも結構だ
だから あっしは あんた方を面倒見てるんだ
おい 恩に着せようってのかい
とんでもない
だけど あんたは もう大学卒業だ
この辺で きちっと 決まりをつけたら どうかね
おやじ 説教面は似合わねえぜ
ハハハハ… とにかく よくねえな 勝也さん
よくねえことは分かってるよ
分かってんなら どうです
うるせえ! 行きゃいいんだろ 行きゃ
どこへ 知るもんかい!
(足音)
おい 5, 000円貸せ
貸すよ 貸すけど どうすんだ 大阪へ行くんだ
冗談じゃねえや 商売 忘れて もらっちゃ困るじゃねえか
とっぽいクロンボが ボウリングセンターで・
待ってんだぜ おい 時間がねえんだ 早く出せ
チェッ せっかく 暮れの稼ぎ時だってのに
(貴島)おっ… おい!
おい いつ… いつ帰ってくんだよ!
もう帰ってこないわよ (山口)どうして
遠からず 子持ちのお婿さんになるんだもん
こんなとこ ほっついてる暇ないわよ
加根子だね 相手は (奈美)そうよ
(駅のアナウンス)
(足音)
どこへ行くの 君の行くとこへさ
どこへ行っても? そうさ
(警笛) (加根子)いつまでも?
そうさ!
あ~あ あいつがいなくなると 懐が寂しくなるねえ
(山口)ちくしょう なんとなく心細くなったよ
俺たちもウカウカしてられねえや
そろそろ年だからね (奈美)そうよ
年の暮れよ クリスマスよ
来年は私も二十歳だわ (山口)俺はサラリーマンだ
サラリーマンになれりゃ 御の字だよ
ハァーッ
くよくよしたって始まらねえや
あしたはクリスマスイブ 来年は いい年かもしれねえぜ
おう ジャンジャン飲もう! (山口)よし 行こう
おやじさん ツケ (仙蔵)へい
(学生)おやじさん (仙蔵)へい らっしゃい
ラグビー部の新顔だよ よろしくね
(学生)おう 飲もうぜ (仙蔵)ごひいきに どうぞ
(学生)よし ビール (仙蔵)へい
(貴島)よう (学生たち)ワァ~
さあ 飲み明かそう!
ジャンジャン飲もう
・♪『ジングルベル』
(学生たちの笑い声)
・~
・~
・~
・~
轟かせる名優・菅原文太>
スクリーンを駆け回り 数多くの観客を魅了>
その雄姿は・
今なお映画ファンから熱狂的な 支持を集め続けている>
そんな菅原文太の主演作を 6か月にわたって総力特集>
荒ぶる半生を菅原文太が熱演!>
石野に重傷を負わせた・
坂口組の幹部を殺害し 大阪へと渡ったひとりの男>
ねえ また来てな お名刺 持ってへんの?
お名前 教えて
夜桜の銀次だ
「夜桜銀次」と呼ばれた男は・
大阪の街でも その狂犬ぶりを発揮していく>
(銃声)
手… 上げんか
(銃声) (悲鳴)
盃をもらった石野の口利きで・
博多へと舞い戻った銀次は 九州進攻作戦の先鋒として・
さまざまな事件の裏側で 大暴れを繰り返すようになるが…>
(銃声)
伝説の鉄砲玉・夜桜銀次>
殺しは ひとりばい
ひとりで やらにゃいけんもんじゃのぅ
渡瀬恒彦>
兄貴… しゅんましぇん…
おどば 兄貴が・
こげん心配しとるとは 思っとらんのべすばい
働くやくざ・郡司に松方弘樹>
(銃声)
銀次の兄貴分である石野を 貫禄たっぷりに演じる>
もう ハジキでは どげんにもならんとじゃ
自らの美意識を融合し・
謎に包まれた 夜桜銀次の 生きざまを描き上げる>
兄貴… ああ
今度の相手は殺してもよかですか
もちろんじゃ
殺しなら ひとりのほうがよか…
兄弟 大阪は広いけん
あが ひとりじゃ どげんにもならん
言うとおりにせんか!
やくざ仲間たちからも・
恐れられた男の 知られざる半生とは?>
にいちゃん! やめんか!
夜桜銀次っちゅう ええ極道がおりましてなぁ
『山口組外伝 九州進攻作戦』は・
日本映画専門チャンネルで 今月放送です>
これで よかなん
動くな! じたばたするんじゃねえよ!
『懲役三兄弟』をお届け>
ファイナルとなる10月は・
『仁義なき戦い』4Kニューマスター版が 登場!>
これで しまいじゃ
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