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⟨あるところに ありすという 女の子がいました⟩
⟨ありすは 小さい頃から→
周りの子供たちと 違っていました⟩
⟨でも 彼女には すごい才能がありました⟩
⟨化学と料理を使って 人々を 喜ばせることができたのです⟩
(明里) おいしい。
⟨ありすは いろんな人の 助けを借りながら→
壁を乗り越えていきました⟩
⟨そして この若者が仲間に加わり…⟩
(ありす) この料理は倖生さんのおかげで→
思いつくことができました ありがとうございます。
⟨ありすの世界に 大きな変化が訪れそうです⟩
⟨しかし…⟩
(モニタ)(蒔子) 五條製薬では 新たなタイプの入眠剤…。
(ありす) お母さん…。
(心護) ありす もう遅いから そろそろ寝なさい。
⟨まだまだ ありすの行く先には 苦難が立ちはだかりそうです⟩
(蒔子) 五條製薬では 新たなタイプの入眠剤→
GJ-294の臨床試験を 開始いたします。
わが国において 睡眠障害を抱える方は→
国民の約2割に及んでおり→
本剤は これら患者さまに対する→
大きな福音となる可能性を 秘めております。
(道隆) ここで もう1つ 五條製薬から報告がございます。
わが社は 今年3月20日に 創立250周年を迎えます。
それを機に 私 五條道隆は→
CEOの職を辞し→
ここにおります五條誠士を→
最高経営責任者とすることを 決定いたしました。
♪~
(拍手)
(心護) はいはい お待たせ~。
(ありす) 白身に塩0.5gを振って→
120℃のフライパンで 3分23秒。
均一に火が通った 理想的な状態といえます。
ありがとう じゃあ いただきます。
(ありす) いただきます。 (倖生) いただきます。
(倖生) うまっ!
(ありす) 今日は金曜日です。 (倖生) え?
金曜日は シジミの お味噌汁なんだよね。
(倖生) あ 曜日によって違うんすか? >> うん。
月から金までは 毎日 味噌汁の具を変えてるんだ。
(倖生) じゃあ土日は?
(ありす) 土日はトーストです パンの日はスープです。
(倖生) へぇ~。
(ありす) いりません。 (倖生) えっ?
あ… ごめんね 僕もらうよ。
(ありす) すみません 今は ハムエッグを食べているのです。
ありすは 一品ずつ平らげてから 次のものに手をつけるんだ。
(ありす) まずはハムエッグを食べます そして ご飯をいただきます。
次に きんぴら そして最後に サラダをいただく予定です。
その際に自分で よそうので お構いなく。
(倖生) 今じゃダメなんだ…。 >> ダメなのよね~! フフ…。
でもね ありす 倖生君も 好意でやってくれたんだから→
あんまり むげにしちゃダメだよ。
(ありす) はい。 >> うん。
(ありす) あの…。 (倖生) はい。
(ありす) その順番には こだわりが ありますか? (倖生) え?
(ありす) 醤油が一番左 ソースが真ん中 七味唐辛子が右→
…というのが 今までの秩序なのですが。
(倖生) あ… 全然 それで。
(ありす) ご理解 感謝します。
(倖生) じゃあ俺 ここ拭くね。
(ありす) あの テーブルを拭く順番なのですが→
冷蔵庫側の角から拭いていますが それについては。
(倖生) いや 特に こだわりはないです。 (ありす) そうしましたら。
テレビ側の角から拭き始め→
キッチンに向かって角に到達→
冷蔵庫側に向かい 角を拭いたら→
食器棚側の角へ。
そうして その後に まとめて中央部分を拭く。
そういった拭き方を 私としては お勧めしたいのですが。
(倖生) 了解。
ごめんね いろんな手順に こだわりがあってさ。
いつか慣れるから。 (倖生) うっす。
一個一個 塵も積もれば山っすから。
(ありす) 塵は山になる前に掃除します。 (倖生) あ… うん。
(倖生) スーパー あっちだけど。 (ありす) 白線に沿って歩きます。
(倖生) いや でも そっちだと遠回りだよ?
えっ?
毎日 こんな遠回りしてんの?
(俊彦) よいしょ!
(俊彦) よし…。
ありすちゃん おはよう! (ありす) おはようございます。
バイトで入った倖生さんです。
>> あぁ ムショ帰りの! (倖生) あぁ いや あの…。
>> そっか 今日 金曜日だもんね。 (ありす) はい 今日は金曜日です。
金曜日は白線の上を歩きます。 (倖生) あ 金曜日だけの決まりってこと?
で 明日は タイルに沿って歩くよね。
(ありす) はい 土曜日ですから。 >> 月曜日 何だっけ?
(ありす) ジグザグに歩きます。 >> そうそう! で 火曜日が あれだ→
電信柱にタッチしながら 歩くんだよね。
(ありす) それは水曜日です。 >> あれ? 火曜日 何だっけ?
(ありす) いつもより1.2倍速を 目指して歩きます。
>> そうだ! 競歩の日だ ねっ。 (倖生) 木曜日はどうなの?
(ありす) 普通に歩きます 木曜日ですから。 >> ねぇ!
(倖生) どういうことだよ…。 (ありす) 豚バラブロック下さい。
(俊彦) あいよ!
(倖生) ここはもう白線ないね。
(ありす) 次の角で曲がるまで 息を止めて歩きます。
(息を吸う音)
(車のクラクション)
(ありす) 1番 H 水素 2番 He ヘリウム→
3番 Li リチウム…。 (車のクラクション)
(倖生) あ…。
(和紗)〔いきなり大きな音が 周りですることは→
ありすが 一番 苦手なことだから…〕
(倖生) あっ… ちょっと待って。
(車のクラクション)
(ありす) うわぁ! あぁ あぁ…! (男性) わぁ!
(ありす) 4番! 4番 Be ベリリウム!
5番…! (女性たち) うわっ!
(倖生) すいません! (ありす) 亜鉛じゃありません 5番はB…!
(倖生) ごめんなさい! すいません。
(ありす) 6番! 6番は何ですか!? (倖生) 6番は炭素! C 炭素だよ!
(ありす) 6番 C 炭素! 6番 C 炭素! (倖生) すいません…。
(ありす) 6番 6番…! 6番 C 炭素…!
(和紗) それは あんたが悪いね。
(倖生) やっぱ そうなんすか…。
(和紗) ありすは後ろからの接触が 超絶苦手だから。
(倖生) 後ろからの接触?
(和紗) ありすの視界の外側から 急に触るとか。
後ろから肩たたくだけでも→
めちゃくちゃ 声 上げられたことあるよ。
それ考えると 後ろから耳ふさぐなんて…。
分かるでしょ?
(倖生) あぁ…。
(和紗) 分かってんのか?
バックハグされるとか もう地獄だから。
地獄の沙汰だから! 絶対すんなよ?
(倖生) しませんよ。 (ありす) 地獄の沙汰ですか?
(和紗) バックハグ 想像してみて?
♪~
(ありす) 1番 H 水素 2番 He ヘリウム…。
(和紗) あんたにバックハグされるとこ 想像して戦慄してるよ? フフ…。
(倖生) これ もしかして俺 かわいそうじゃないっすか?
(和紗) ありす 言っとくけど→
倖生は ありすのために やってくれたんだからね。
(ありす) 倖生さんは いつも…。
不器用ですね。
(和紗) いや あんたに言われたくないと思う。
♪~
(倖生) お待たせしました。
いらっしゃいませ。 (和紗) あら いらっしゃいませ~。
(明里) この間は ありがとうございます。
(和紗) 貧血 良くなりました? >> あれから→
鉄分多いものと白ご飯 毎日 食べてます。
(和紗) あっそう そりゃよかった。
>> あっ! か… 会社の先輩です。 (圭介) どうも。
(和紗) フフフ…。 (倖生) こちら どうぞ。
>> ステキだね。 >> ですね。
(雅美) ハァ…。 (和紗) どうしたの?
(優奈) 雅美さん 結構たまっちゃってるみたい。
もう限界だわ 離婚しようかな。 (和紗) 何 また旦那とケンカしたの?
ちょっと今回は無理 聞いてもらっていい?
(和紗) 話しに来たんでしょ? 優奈ちゃんも?
(優奈) 私は相変わらず 姑のプレッシャーがエグくて。
あぁ 思い出しただけで イライラする…!
(ありす) ストレスを吹き飛ばす 牡蠣のクリーミーグラタンです。
牡蠣には タウリンC2H7NO3S が 豊富に含まれています。
タウリンはカテコールアミンの 放出を抑え→
ストレスによるダメージを 軽減します。
また 牛乳に含まれる トリプトファンC11H12N2O2 は→
体内で精神を 安定させる作用を持つ→
セロトニンC10H12N2O に 変化します。
(倖生) へぇ~。
え そのタウリンってさ…。 (ありす) はい。
(和紗) 質問は今いいから さっさと持ってけ。
(倖生) うっす。
(百花) 住み込みですか? >> うん 昨日から。
(礼央) 今どき珍しいですね。
なかなかホールのバイトが 見つからなくってさ→
条件どんどん上げていって→
住み込みも可ってことに したんだけど→
いや でもまさか→
ホントに そんな希望の人 来ると思わないからさ。
(栄太) え~ いいな! あのニヒルな感じの子でしょ?
え? 何? 「いい」って。 >> お前さ あんなんがタイプなの?
タイプとかじゃないけど カッコ良くは あるじゃん?
この間は散々 俺に友達と飯食うな とか言ってたくせに。
俺は ただ カッコいいって言ってるだけ。
OK OK OK OK。
のろけ合いは そこまでにしとこうね。
違いますよ。
ってか 先生は あの子 タイプじゃないの?
え~? 娘よりも下の子は そんなふうに見れないよ。
でもさぁ 大丈夫なんですか? >> ん?
むしろ 娘さんの方が 危なくないですか?
というと? >> えっ…。
同じ年頃の若い男女が 一緒に住むって 結構…。
まぁ 確かに危ういっすね。 >> えっ 危うい?
だって 先生が大学いる間とか 一緒にいたりするわけでしょ?
今日とか倖生君 清掃のバイトも休みだし。
あ そっか 今2人きりってこと? >> いやいやいやいや…! フッ。
ありすは 倖生君には 結構→
心 許してはいるけど…。 >> ウフフ…!
心 許してるって もう何かが始まってるってこと?
(心護) 何? 何が始まってるの? >> えっ 恋ってこと?
え~ ちょっと~!
いや ないない…! そういうんじゃないよ!
(百花) どうして そう言い切れるんですか?
どうしてって…。 >> だって 倖生君って→
ああ見えて 結構優しいし 意外と抜けてるっていうか→
ギャップみたいなの あるじゃないですか。
そういうのって割と女からしたら あぁいいなって→
思っちゃったりするし それに倖生君って…。
めっちゃ喋んじゃん。
いや… まぁ だから→
大丈夫なのかなって ちょっと 思っただけなんですけど。
(ありす) ごちそうさまでした。 (倖生) ごちそうさまでした。
あれかもね 僕がいない間は→
あんまり2人きりで 家にいない方がいいのかもね。
(倖生) えっ? (ありす) 何ですか?
え? あぁ… 何でもないよ。
(ありす) お風呂に入る時間です。 >> あぁ 行っておいで。
(戸の開閉音)
(倖生) えっと…。
何ですか?
えっ…? 何か言ってた? 僕。
(倖生)「あんまり2人きりで いない方が…」とか。
あぁ… えっと あの… いや ほら→
ありすも 神経質なところがあるから→
いろいろ戸惑うことも 多いわけでしょ?
(倖生) まぁ…。 >> 僕が入れば ほら→
フォローができるわけじゃない? 今朝みたいに。
(倖生) でも 何で急に? >> いや だって…。
いや だって何か今朝 すっごい 戸惑ってたみたいだから。
僕が帰る前にも 何かトラブルがなかったか→
心配しててさぁ。
えっ? 何かあったの?
(倖生) いや 実は…。 >> でしょ?
(倖生)「でしょ」? >> あ いやいやいや…。
何があったの? こっち来て 話 聞くよ。
(倖生) じゃあ… いいっすか? >> ああ。
やっぱり そうなんだよな 2人きりは危険なんだよな。
(倖生) 何か さっきも→
コップの色が違うって言われて。
(ありす)〔今日は金曜日です〕
(倖生)〔あぁ… うん〕
(ありす)〔金曜日は 青色です〕
(倖生)〔金曜日は青色?〕
(ありす)〔金曜日のコップは青色です〕
〔黄色ですと 木曜日になってしまいます〕
(倖生)〔あぁ… ごめん 入れ直そうか?〕
(倖生)〔いやいやいや… ごめんね 入れ直すわ〕
(ありす)〔しかし 倖生さんは 黄色がよかったのでは?〕
(倖生)〔俺は別に何色でも〕
(ありす)〔本当ですか?〕 (倖生)〔うん 本当 本当〕
〔色に関しては任せるよ〕
(ありす)〔では まず月曜日ですが→
飲み物を飲む場合は 赤色のコップとなります〕
〔火曜日が白のコップ 水曜日が緑色のコップ〕
〔木曜日が黄色で 金曜日が青色です〕
〔土曜日は黒のコップ そして→
日曜日は 赤と青の2色のコップです〕
〔しかし ご飯などの食器類は これとは また別になります〕
〔月曜日のご飯茶碗が黄色 火曜日のご飯茶碗が緑〕
〔そして水曜日の…〕 (倖生)〔ごめん あの…!〕
〔ちょっと待ってね〕
(ありす)〔あ ちなみに 金曜日にメモを書く場合は→
緑のペンなのですが それについては こだわりは?〕
(倖生)〔ないよ〕
まだ頭がゴチャゴチャしてて…。
あ~ それね。
ありすも そうだけど ASDの人の中には→
色について 強い こだわりを持つ人がいてね。
ありすは 子供の頃は 特に赤い色に執着してさ。
〔え? 何?〕 〔あっ ありす!〕
(心護の声) 赤いものがあれば 何でも触っちゃう。
(心護)〔ありす?〕
〔あっ また 赤いもんばっか取って…〕
(心護の声) 家に帰れば…。
〔暑っつ! えっ 何?〕
(心護の声) 真夏に暖房の 赤いボタンを押しまくって→
家が灼熱になってたり。
(心護)〔暑っつ! 大丈夫?〕
今は落ち着いた方だよ。
(倖生) いや 赤だけの方が 分かりやすかったっす。
>> うん。 (倖生) 実は さっきも→
部屋にクローゼット あるじゃないですか。
>> え? 部屋? (倖生) はい。
>> ありすの部屋? (倖生) はい。
>> え… 入ったの? (倖生) あ いや 何か→
ちょっと ついてきてくれ って言われて。
(ありす)〔月曜日は赤色を着ます〕
〔火曜日は水色を着ます〕
〔水曜日は黄色です 木曜日は白を着ます〕
〔金曜日は緑です 土曜日は茶色 日曜日はオレンジです〕
〔色については このように秩序があり→
決まってしまっている ものですから→
大変かとは思うのですが どうか→
どうか ご記憶いただきたく 思っております〕
(倖生) ちょっと情報の処理が 追い付かなくて…。
えっ? 2人きりで?
(倖生) はい 30分も説明されて→
ちょっと頭がボ~っとしてて。
しかも また後で説明するって言ってて。
えっ!? ありすの部屋で?
(倖生) いや それは分かんないっすけど。 >> ちょっと…。
(ありす)\うわぁ~!/
ありす!?
どうした ありす! 開けるぞ! いいか?
あっ… ちょっと 取りあえず これ着ようか ねっ。
(ありす) バスタオルの順番が 変わっています。
>> 順番? (倖生) あ…。
さっき崩しちゃったから 積み直したんすけど。
(ありす) 倖生さん 後でバスタオルの色の話を してもよろしいでしょうか?
えっ! その話は… ありす リビングで するよね?
ねっ!?
♪~
(心護) 「そんなの言うまでもない。
3日も待たずに男女の関係。
つまり肉体的な…」。
ありす! あっ…!
あっ…! 膝…!
(ノック)
ありす? 起きてるか?
(ありす)\起きてます/
>> 1人か? (ありす)\1人です/
本当か?
\バスタオルの色の話は 今は してないよな?/
えっ…? 何だ? 今の間は。
(ありす) してません 明日します。
\うん… なら いいんだ/
\おやすみ/
(ありす) お父さん どうしましたか!
(寝息)
(歯を磨く音)
おはよう。 (倖生) おはようございます。
え… 何すか? >> 何?
(倖生) いやいや… 何すか? >> 何が?
(倖生) いや…! 何すか…。
何が?
(和紗)\ハハハハハ…!/
心護ちゃん 心配し過ぎでしょう!
(定一郎) そりゃ 一人娘だもん 心配だよ。
(明希子) この人なんて ひどかったんだよ~? (和紗) 何が?
もうね 四六時中 今あんたが 何してるか気になっちゃってさ!
現場出てても ずっと上の空なのよ。
もう職人の人たち 戸惑っちゃってね~!
(定一郎) だってお前 和紗が ちょっと近所 歩いてるだけでも→
そのへんの男が 放っとかないかもしれねえだろ!
俺がいないところで→
どこの馬の骨かも分かんねえ奴に 見初められてさ→
「お父さん この人と結婚します」 ってなっちゃったら ねぇ!
どうすんだよ! もう心配で心配で…!
あんたが2歳の時の話よ これ。 (和紗) はぁ?
(ありす) お父さんは 私が馬の骨と結婚する と心配していますか?
(和紗) 全然違う。 (定一郎) うん 違うね。
(金之助) おい 銀 銀 銀…! 風邪ひいちゃうから!
おい 虎! お前も一緒に 入ればよかったじゃねえかよ。
(虎之助) 入るわけないじゃん 子供じゃあるまいし。
(金之助) 子供だろうがよ。 >> じゃあ じいちゃんと入ろうか?
入る。
何で じいちゃんとは 一緒に入るんだよ!
子供じゃないんだろ?
じいちゃん 腰悪いから 介護が必要だろ?
そんなことも分かんないの? (定一郎) あぁ 優しいね 虎は。
じゃあ 入ろう 入ろう。
あ 痛い痛い痛い痛い…! (金之助) 銀 銀 銀…!
お母さん…! (明希子) はいはいはい…!
はいはい… せ~の! よいしょと!
(ありす) 共同生活は大変です 和紗は→
こんなに たくさんの人たちと 暮らしていて すごいです。
(和紗) みんなが好き勝手に 動いてるだけだけどね。
📱(着信音)
(和紗) なるほどねぇ。
そんなに大変かぁ。
(倖生) 何か やること全部が 裏目になるっていうか。
まぁ ある程度 覚悟はしてたんすけど…。
まだ1回も 目も合わせてもらえてないし。
俺 嫌われてんすかね。
(和紗) 出た! 中学生。 (倖生) は?
(和紗) 嫌ってたら 住み込みOKしないでしょ?
(倖生) ってか 大丈夫っすか? (和紗) 何が?
(倖生) こんな寒い中 歩いて。
(和紗) え 何? 心配してくれてんの? キモっ!
大丈夫だよ 少しぐらい。
最近 運動不足だからさぁ。
(倖生) ならいいんすけど。
(和紗) そういう気遣いはできんだよねぇ。
(倖生) 俺のせいで何かあったら 嫌なだけっす。
(和紗) 大事大事。
そういうのが お互いの信頼関係に つながるからね。
(倖生) 何がっすか?
(和紗) 言っとくけど ありすがまともに 目を合わせて喋れるのって→
私か心護ちゃんぐらいだよ?
本当に信頼した人としか 目 合わさないから あいつ。
(倖生) 一生無理かも 俺。
(和紗) 努力がいるんだよ 信頼されるって。
(倖生) 努力かぁ…。
(優作) おいっす~! 何 散歩?
(優作) えっ?
(優作)〔ありす~!〕
(優作)〔捜してんの これ?〕
(ありす)〔私の体操着です〕 >> 〔私の体操着です〕
(ありす)〔返してください〕 (クラスメイトたち)〔アハハ…!〕
(優作)〔返してください〕 (ありす)〔返してください〕
(優作)〔返してください 返してくださ~い!〕
〔うっ…!〕 (和紗)〔お前 コラ!〕
〔ふざけたこと してんじゃねえぞ!〕
>> 〔痛ってぇ~!〕 (和紗)〔お前らも 何が楽しいんだよ!〕
♪~
また明日から よろしく~!
(倖生) それで あの人 いまだに嫌われてんすか。
(和紗) いや あいつは 努力以前の問題っていうか。
それから懲りずに10回ぐらい 同じこと繰り返してっから。
まぁ でも信頼さえしてくれれば→
すごく素直っていうか 愚直っていうか。
(和紗の声) ありす 頭いいのに 私と同じ高校 進学してきてさ…。
〔おいっす~〕 >> 〔おいっす~!〕
(和紗の声) どこ行く時も 一緒に ついてきて。
〔♪~ 君を愛してる〕
〔ワァ~!〕
〔いきま~す!〕 〔イェ~イ!〕
〔♪~ 女々しくて辛いよ〕
〔キャ~!〕
(和紗)〔何読んでんの?〕
(ありす)〔新元素の合成と発見についての 書籍です〕
〔最近 日本で新しい元素が 作り出されたのを→
ご存じですか?〕
〔83番元素である ビスマスBiの原子核に対し→
30番元素である 亜鉛Znをぶつけることで→
113番元素が出来たのです〕
♪~
(和紗)〔あのさぁ あんたさぁ 先 帰りなよ?〕
(ありす)〔帰りません 和紗と 一緒にいるのが 一番 安全です〕
(和紗)〔帰りな!〕 (ありす)〔帰りません〕
〔私は和紗と 一緒にいます〕 (和紗)〔帰りなって!〕
(ありす)〔帰りません 私は絶対に帰りません〕
(和紗)〔帰れ!〕
(ありす)〔今 読書中なので 静かにしてください〕
(和紗の声) さすがに そこまで 100%で頼られたらさぁ…。
こっちも100%で 向き合うしかないじゃん?
あいつに寄り添ってくれる人 なんて ほとんどいないからさ。
せめて私は 付き合おうって決めてんだよね。
まぁ 人と人とは信頼関係だよ?
友達だって家族だって 夫婦だって そうだしね。
頑張りな。
♪~
(和紗) あ~ マジで ふざけんなよ あいつ!
(倖生) おはようございます…。 (和紗) マジ 今度という今度は→
絶っ対 許さねえ! >> 許す必要ないよ。
(和紗) でしょ!? (倖生) え? 和紗さん 何の話 してんの?
(ありす) 金之助さんの話です。
(和紗) もう無理だな あいつとは 一緒に暮らせないわ。
(倖生) 昨日は 信頼関係がどうのって 言ってたじゃないっすか。
(和紗) あいつは それを崩したんだよ。 (ありす) 金之助さんは浮気をしました。
(倖生) 浮気!? (和紗) 浮気じゃねえよ お前 殴るぞ!
(倖生) いや 何で俺…。
キャバ嬢とアフターで 飲みに行ったんだって~。
(倖生) アフター…。 (ありす) アフターとは→
キャバクラ嬢の方と 勤務の後に 一緒に外食など…。
(倖生) いや それは分かるよ。
(ありす) キャバクラ・ミューズの カレンさんという方です。
(和紗) あぁ もうやめて その名前 言わないで!
信じらんない どこにそんな金があんだよって!
どう思う? お兄さん。
(倖生) あぁ… どうっすかね。
っていうか まだ開店前なんですけど…。
いや もう私も あんな家にいられないもん。
ホントやだ! (倖生) はぁ…。
(和紗) ついに旦那と 大ゲンカしたんだってさ。
>> もう離婚していいよね? これ。 (和紗) うん。
(倖生) え 何があったんすか?
>> また洗い物してなかったんだよ? (倖生) え?
家事は分担にしてんの 洗い物は夫 洗濯は私。
掃除は リビングが私で トイレと風呂場は夫。
料理は曜日によって交代制 分かる?
(倖生) あ はい。
それが 洗い物してないのが 今週になって3回。
お風呂掃除なんて 2週間は してないんだよ?
もう限界でしょ! (倖生) え そんなことで離婚?
はぁ~…! 和紗ちゃん 「そんなこと」なの!?
これ 「そんなこと」!? (和紗) 分かってねえな!
そういうことの 一つ一つだって 言っただろ!
お前 昨日 何聞いてたんだよ! (倖生) さ~せん。
>> あ~ 腹立つ~…。 (和紗) あぁ…!
(ノック) (優作)\三國谷で~す!/
野菜 持ってきました~!
(倖生) あざっす。 >> ありがとう。
じゃ また お願いしま~す!
(ありす) 人と一緒に住むことは 腹が立つことですか?
えっ?
腹立つね 今はもう 全ての行動が鼻につくもん。
(ありす) 鼻につく?
全部に むしずが走るんだよね。
(ありす) むしず? 走る?
(和紗) 気になって仕方ないってこと。
(ありす) それは分かります。 >> 何で ありすちゃんに分かんのよ。
(ありす) 私も経験したことがあります。 >> 結婚してないじゃない。
(ありす) 結婚はしていませんが… 気になって仕方がありません。
そういう時は どうするんですか? >> えっ?
(ありす) むしずが走った時。
もう最終的には離婚しかないよね。
(和紗) う~ん… 離婚ねぇ。
ん?
(ありす) 和紗は離婚するんでしょうか?
え? 離婚?
(ありす) 和紗は 金之助さんとは 暮らせないと言っていました。
夫婦で むしずが走る時は 離婚が 相場と決まっているそうです。
和紗が離婚すると困ります 離婚すると 金之助さんは→
三ツ沢工務店を辞める ということでしょうか?
もし辞めない場合 和紗が遠くへ行ってしまいます。
うん… ちょっと 落ち着こうか え 何か あったの?
(倖生) 何か 夫婦ゲンカしたみたいで。 >> あぁ…。
ありす 大丈夫だよ。
ほら こっちで一緒に 分子模型 作ろう。
ほら。
(ありす) 醤油が左 ソースが真ん中 七味唐辛子が右です。
えっ 何?
(ありす) 醤油が左 ソースが真ん中 七味唐辛子が右です!
(倖生) あっ ごめん! 間違えた! (ありす) 倖生さんは これについては→
こだわりはないと言っていました こだわりはないので→
醤油が左 ソースが真ん中 七味唐辛子が右でもいい→
…と言いました! (倖生) ごめん メモするの忘れてて。
(ありす) むしずが走っています!!
ありす!
あ… 倖生君は待ってて。
(金之助) もう… 持つって! ちょっと 貸して! ほら…。
(和紗) うるせぇな 帰れ バカ!
バカって何だよ お前 こっちは心配してんだろ!
(和紗) へぇ~ 優しい夫だねぇ!
さぞかしカレンちゃんにも優しく してあげてたんだろうねぇ!
ごめんなさい もう行きませんから…。
(和紗) おぉ… ありす! どうした…!? (心護) ありす!
あぁ ありがとう。 (金之助) どうしたんすか?
(ありす) ダメです 戻りません!
お父さんは私を 家に連れ戻そうとしています!
>> ありす。 (ありす) 倖生さんとは 一緒に住めません。
私は帰りません!
(和紗) 心護ちゃん 大丈夫 ちょっと任せて。
♪~
(和紗) ありす ビール飲む?
(ありす) 飲みます。 (和紗) フフ…。
そっか そんなに大変か。
はい。
よいしょ。
ありすは 倖生のことは嫌い?
(ありす) 倖生さんのことは好きです。
倖生さんは 化学の話を たくさん聞いてくれます。
(和紗) うん。
(ありす) 倖生さんと 一緒にいると とても楽しいです。
でも 一緒に住み始めて いろんな気持ちになりました。
倖生さんが 何かしてくれるたびに→
私は 私の決まりを 押し付けてしまいます。
何度も我慢しようとしましたが また そうしてしまいました。
私は すごくワガママな人間です。
(和紗の声) 一緒に住むってのはさ→
好きとか嫌いだけじゃ どうにもなんないからね。
(ありす 缶を開ける音)
(和紗) 一口ちょうだい。 (ありす) ダメです。
(和紗) あ~ もう~!
何か食べよう。
(ありす) 和紗は離婚するんですか? (和紗) えっ?
(ありす) 金之助さんと。
(和紗) もう1人 産まれるんだよ?
離婚なんかしてる場合じゃないよ。
(ありす) しないんですか?
(和紗) あいつには まだまだ働いてもらわないと。
(ありす) 和紗は→
金之助さんと 一緒にいるのは 大丈夫なんですか?
(和紗) そりゃ腹立つことは多いけどさ→
一緒に住むってのは 譲り合いだからね。
(ありす) 譲り合い?
(和紗) お互い 嫌なところも含めて やっていくってこと。
♪~
♪~
(和紗の声) それって すごく努力がいることなんだよ。
♪~
(ありす) 努力?
(和紗) 人と 一緒にやってくのって 基本しんどいからね。
(ありす) 分かります。
お父さんは料理が下手くそでした。
(和紗) え いきなり悪口?
(ありす) 私は そのおかげで 料理を好きになりました。
(心護)〔うわ…〕
♪~
〔これは…→
炭化だよ〕
(ありす)〔炭化?〕
〔いいか? ありす これはね→
卵の成分であるタンパク質が 高温にさらされたため→
水素や酸素が抜けて 炭素が多く残った状態だ〕
(ありす)〔炭化!〕 >> 〔炭化!〕
〔もう1回作るね フフ…〕
(ありすの声) お父さんはいつも 料理を失敗すると→
化学で言い訳をしました。
〔これは?〕 >> 〔いいか? ありす〕
〔植物の体を支える細胞壁は→
網目状に絡み合った セルロースを主成分とし→
隙間をペクチンが埋めている〕
〔だから とても強固な構造になっていて→
簡単に切れたりしないんだ〕
(ありす) 私は お父さんのおかげで 料理が好きになりました。
でも…。
(男性)〔はい どいて! どいて ほら 通るよ!〕
(女性)〔すいません〕
(男性)〔おい!〕 (男性)〔何やってんだ お前!〕
(女性) 〔すいません 失礼しました!〕
(ありす)〔1番 H 水素 2番 He ヘリウム 3番…〕
(男性)〔おい 八重森!〕 (ありす)〔うっ…! はい!〕
〔いつまで盛り付けてんだ 早くしろ!〕
(ありす)〔いつまで盛り付けてんだ 早くしろ!〕
〔またかよ お前 勘弁してくれよ!〕
(ありすの声) 私はトロくて 皆さんの中に入ると→
足手まといでした。
〔もう ちょっと あの子 外してもらえません?〕
〔ピークの時に あのペースでやられたら→
間に合いませんよ!〕
(ありすの声) 2軒目も3軒目も クビになりました。
皆さんのいる場所に 後から入るのは→
大変なことでした。
だから お父さんは…。
〔どうだ? ありす これが→
ありすのお店だぞ〕
(ありす)〔私のお店…〕
(ありすの声) 私だけの場所を つくってくれました。
そこに和紗が来て 倖生さんが来て…。
私は 今 何とか やれてしまっています。
(和紗) 何? 「やれてしまってる」って。
(ありす) 私が 努力しなくていいように お父さんや和紗が→
いろんなことをしてくれています。
私は 今のままで いいんでしょうか?
(ノック)
ありす 和紗の家に泊まるって。
(倖生) すみません。 >> いや…。
ありすが こんな状態に なってるなんて→
気付かなかった こっちこそ ごめん。
倖生君は 何でこんなに ありすに寄り添ってくれるの?
(倖生) えっ? >> いや…。
そんな人 ホント少ないからさ。
あ… いや ごめん 何でもない。
おやすみ。
(倖生) 気持ち 分かるんで。
(倖生) 助けが必要な時に→
誰も そばにいてくれなかったり→
つらい時に→
周りに味方がいないとか。
そういう時の気持ち…→
分かるんで。
(倖生) おやすみなさい。
うん おやすみ。
(ドアが閉まる音)
♪~
(倖生) あの~… 清掃 終わったよ。
(ありす) はい。
♪~
(ありす) 開店は11時です 今は10時半なので→
あと30分で開店になります。
和紗って人 います?
(ありす) 和紗は銀之助さんの授業参観です。 >> 銀之助?
(ありす) 今日は遅れて来ます。
ちょっと待たせてもらいます。
(ありす) 開店は11時です 今は10時半…。
だから待たせてもらうって 言ってるんですけど!
雅美が来たら帰りますよ。
(ありす) 雅美?
いつも来てません?
ちょっとポッチャリしてて 髪 こう結んでる…。
常連だと思うんですけど。
(ありす) 白石雅美さんは 酢豚とパスタが好きです。
この間は 多大なストレスが たまっていらっしゃったので→
牡蠣のグラタンをお出ししました。
牡蠣 そして乳製品には ストレス軽減の効果があり…。
何だよ 「多大なストレス」って。
(ありす) 配偶者の方とのご関係において 多大なストレスが。
え?
何か聞いてる?
(ありす) 白石雅美さんは 離婚したがっています。
は?
え? もしかして そこにいる?
(倖生) え… ちょっ 何…? 誰っすか?
あの 僕→
白石雅美の夫なんですけど。
ちょっと妻を捜してまして。
(倖生) 白石雅美さん…?
あぁ…。
ここに いませんよね?
(倖生) 何でですか?
昨日から帰ってこないんですよ。
何か毎日この店に通ってる ってのは聞いてて。
和紗とかいう人に 何か唆されたんじゃないかって。
(ありす) 和紗は唆したりしません。
>> は? (ありす) 和紗は相談に乗っているだけです。
>> 何だよ 相談って。 (ありす) 離婚の相談です。
それを 唆してるって言ってんだろ!
(ありす) それを 唆してるって言ってんだろ!
>> 何言ってんの? (ありす) 何言ってんの?
ふざけてるよね…!?
(倖生) 落ち着いてください! >> 何 何!? 暴力!?
(倖生) しませんよ 暴力なんて。
俺はさ 雅美が出てっちゃって 昨日から何も喉通らないんだよ。
お前に そんな気持ち分かんないだろ!
(倖生) 少し落ち着きましょう。
(ありす) 雑炊です。 >> は?
(ありす) 薬味たっぷり 鯵の雑炊です。
>> 何言ってんだ? こいつ。 (倖生) いや… 今いいから。
(ありす) 食欲不振も吹き飛ばす 鯵の雑炊です。
>> おちょくってんのか!? (倖生) おちょくってないです!
(ありす) 鯵にはエイコサペンタエン酸 C20H30O2 などの→
不飽和脂肪酸が 豊富に含まれていて→
脂質代謝の改善 血圧低下作用 などが期待できます。
思い出した… お前あれだろ。
この間 大通りで騒いでた奴だろ。
そうだよ 何か 化学がどうとか叫んでたもん。
大丈夫かよ この店。
絶対もう雅美 来させねえから。
こんな奴がやってんだ。
(倖生)「こんな奴」?
(ありす) 白石雅美さんは 洗い物を しないことを怒っています。
>> は? (ありす) 今週になって3回だそうです。
お風呂掃除も2週間していません。 >> それが何だよ!
(ありす) 私は月曜日 赤色のコップを使います。
火曜日は白のコップ 水曜日は緑色のコップ→
木曜日は黄色で 金曜日が青色です 土曜日が黒のコップ→
日曜日が 赤と青の2色のコップです。
何言ってんだ?
(ありす) ご飯などの食器類は これとはまた別になります。
月曜日のご飯茶碗は黄色 火曜日のご飯茶碗は緑色→
そして水曜日のご飯茶碗は白 木曜日は 青色で…。
それで…。
何言ってんだ? あいつ。
(倖生) 多分 奥さんのことです。
雅美と何の関係があるんだよ?
青色? 赤色?
(倖生) 多分 奥さんにとっては→
すごく大事だったんだと思います。
え?
(倖生) 何か 洗い物は旦那さんで 洗濯は奥さんで→
掃除は えっと…。
(ありす) リビングは雅美さんで トイレとお風呂場が夫。
料理は曜日によって交代制です。
(倖生) そういう 一つ一つのことを 2人で決めて やってて。
何ていうか→
2人で暮らすために そうしよう って決めたことなので→
大事だったんじゃないかって 言ってるんだと思います。
離婚とか そういうことは 分かんないっすけど。
すいません。
俺なんかが言えることでも ないんですけどね。
俺も同じなんで。
♪~
(ありす) 食欲不振も吹き飛ばす 薬味たっぷり鯵の雑炊です。
♪~
(倖生) どうぞ。
いらねえよ…。
(倖生) 体 あったまると 少し 元気出ますよ。
(倖生) 置いときます。
♪~
(心護) いいか? ありす。
純粋な鉄は 銀白色の軟らかい金属だ。
そこに 炭素が加わると?
はい 鋼鉄になります。 >> そうだ!
鋼鉄は 純粋な鉄に比べて 強度が高く粘り強い。
つまり倖生君? >> うっす…。
君と ありすが組み合わさることで 鋼鉄が出来るんだ!
そう! 強い金属になるんだ。
ありす 分かったか? >> はい。
お~! いいんじゃないですか? (心護) いいかな?
はい。 >> いい感じ いい感じ!
ホントに? よし…!
何してたんですか?
いや 倖生君も 頑張ってくれてるからさ→
僕も父親として ありすに 伝えてあげなきゃと思って。
人と一緒に生きていくことが→
いかに素晴らしいかってことをさ。
絶対 伝わる! 感動するもん。
まぁ いけるっしょ。
ありがとう ありがとう! フフフ…。
あ~…。
(戸の開閉音)
ありす 倖生君 話がある。
(ありす) 私もあります。 >> え? 何?
(ありす) 昨日言ったことは撤回します。
これからも倖生さんと 一緒に暮らしていきます。
え?
(ありす) 倖生さん 新しいルールを発表します。
(倖生) え? あ… はい。
(ありす) 食器やコップ バスタオルの 色の順番については→
今まで通りの秩序を 保たせてください。
(倖生) うん。
(ありす) しかし 調味料の並べる順番 テーブルの拭き方については→
倖生さんのやり方でも可とします。 (倖生) あぁ… うん。
(ありす) なお また何かあった場合には→
随時 新ルールとして 更新するとします。
いかがでしょうか?
♪~
(倖生) うす。
(ありす) はい 以上です それではご飯にしましょう。
♪~
(騒ぎ声)
(和紗) え? 大丈夫になった? あ そうなの?
うん 何か納得したみたいで まぁ よかったよ。
フフ… 成長っていうのは 急に訪れるもんだね。
(和紗) まぁ 倖生も頑張ってくれた ってことかね。
よかったじゃん。
う~ん… そうだね。
♪~
(ありす) お父さんの昔の写真ですか?
この人は私のお母さんです。
(倖生) え? この人って…。
(道隆) この間の会見 なかなか反響が大きいらしいな。
(誠士) はい 株価も上がってます。 >> そうか。
(誠士) お義父さんの 支えのおかげで→
蒔子も新薬の研究に 安心して没頭できたんです。
改めて ありがとうございます。
2人のおかげだよ。
お前たちにも子供がいれば→
さらに安泰なんだがなぁ。
お父さん うちには…。
(道隆) 忘れろ あの子のことは。
どうせ何の役にも立たん。
(倖生の声) この人がお母さんなの?
(ありす) はい。
お父さんは それを隠しています。
お父さんは 「お母さんは死んだ」と言います。
私は それを ウソだと知っていますが→
お父さんには言いません。
(倖生) どうして?
(ありす) お父さんは→
私の本当のお父さんじゃ ないからです。
それなのに私を育ててくれました。
だから→
お父さんのウソを→
私は信じたふりをしなければ いけません。
♪~
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