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(祈とう)
ねね
(寧々の泣き声と 祈とう)
(豊臣秀吉)ハッハッハッハッ
ハッハッハッハッ…。
(秀吉)次は…➡
何を手に入れようかのう。➡
ハッハッハッハッ…!
(徳川家康)戦じゃ…。
朝鮮を従え…➡
みんこく
明国をとると…。
最愛の我が子を亡くした豊臣秀吉は➡
次なる野望に向けて➡
博多の隣の小さな漁村に巨大な城を建造。
我らが神の君は もとより➡
全国各地から名だたる大名を
集結させると➡
10万を超える大軍勢を朝鮮に送り込み
連戦連勝➡
肥前名護屋城は
活気に包まれておりました。
(秀吉)
うり
瓜は要らんかえ? 瓜は要らんかえ!
♬ 味よしのう~りうり
♬ めされ めされ めされそうらえ
♬ 味よしのう~りうり
あじか売りにございまする~!
♬ めされそうらえ
♬ 味よしのう~りうり
♬ めされ めされ めされそうらえ
(石田三成)トビウオ! トビウオ~!
♬ 味よしのう~りうり
♬ あじか かわし めされそうらえ
おい
秀吉は 関白職を甥の秀次に譲り➡
たいこう
自らは 太閤を称し➡
栄華の極みを
迎えておりました。
お~ 見つけたぞ!
こっちゃ来い こっちゃ来い。
(茶々)いや 殿下。
いいから。
ご勘弁を。
いやいや こっちゃ来う こっちゃ来う。
ほら 乗りや。➡
乗りや 乗りや。
(茶々)ご一緒に。
皆の者 茶々じゃ!
ぼさつ
勝ち戦の神様 菩薩様じゃ~!
(歓声)
(秀吉)茶々じゃ~! ハハッ!
次なる野望 すなわち
から
明国の征服 唐入りでございます。
♬~
上陸を始めて1か月余り。
日本勢は 朝鮮の大半を制圧し
肥前名護屋城では➡
いよいよ秀吉本人の唐入りに向けた準備が
進められておりました。
じぶ
ぎょうぶ
(秀吉)石田治部 大谷刑部。
唐入りの進み具合 一同に示せ。
(2人)ははっ。
皆様 こちらへ。
(三成)朝鮮国は
太閤殿下に従うことを拒んだゆえ➡
成敗することと相なり申した。
小西行長 加藤清正らの先駆け勢を
先頭に➡
我が軍勢は
次々と朝鮮国へ上陸。➡
ふざん
とうらい
釜山 東莱らを瞬く間に陥落せしめ➡
かんじょう
こたび 都である漢城をも
瞬く間に陥落させ申した。
(一同)お~。
朝鮮国王は逃亡。 兵は逃げ惑うばかり。
へいじょう
遠からず 北の都と思われる平壌をも
落とせましょう。➡
さすれば いよいよ明国攻め!
余も 皆と共に海を渡るぞ。
(前田利家)よいか!
我らも心を一つにし
殿下をお支えするのじゃ。
(一同)はっ!
よい折じゃ➡
余の考えを示しておこう。
唐入りを果たしたるあとは…➡
だいとう
大唐の都に 我が天子様にお移りいただき
皇帝となっていただく。
そして 余は➡
ニンポー
寧波に隠居所を設け
大坂のごとき商いの都にいたす。
(一同)おお…!
皆々よ 100年にわたる乱世を
戦い続けた我らが一つとなれば➡
この世に倒せぬ敵はない。
てんじく
ゆくゆくは天竺。
そして 南蛮をも我らのものとなろう。
褒美は無限である。
大いに励め!
(一同)お~!
(秀吉)ハハハハハハ…。
ハハハハハッ!
(浅野長政)どうかしておる!
何と申した?
正気の沙汰とは思えませぬ。
バカげた戦じゃ。
殿下は どうかされてしまわれた。
浅野殿!
きつね
(浅野)殿下は狐に取りつかれておる!
狐に取りつかれておるんじゃ!
もう 昔の殿下では
のうなってしもうたわ!
どけ!
殿下。
浅野殿には よく言って聞かせます。
ここは 家康にお預けくださいますよう。
この戦は 唐のため…➡
日ノ本のため!
我らが なすべき行いである!
(一同)ははっ!
あちゃのつぼね
(阿茶局)存外➡
心の内は 浅野殿と同じ思いの方が
多いのかもしれませぬな。
日ノ本の大名を一つにするには➡
大きな夢を見させねばならぬというのが
殿下の考え。
とはいえ あまりに用意が足らぬ。
数で押し切ろうとしておるが
戦とは…➡
さようなものではない。
(阿茶)狐に取りつかれている…。
♬~
言い得て妙かと。
人は誰しも老いまするゆえ。
♬~
しまづ
島津の家中でごわす。
た… 武田信玄と戦ったお話を。
みかたがはら
(本多忠勝)三方ヶ原か。
あれは涙なしでは語れぬ。
(渡辺半蔵守綱)ああ。 時は…!
大納言はおるか! 邪魔するぞ。
誰じゃ!
お~ 待て 待て 待て 待て 待て。
勝手に入るな 坊主!
無礼者が。
わしを誰だと思うとる!
知らぬわ!
わしは将軍だぞ!
将軍だ? ちょっ… ふざけるな!➡
ぶったたかれたいか?
いや 本当に将軍だ。
将軍?
正しくは 元将軍。
元将軍?
せいいたいしょうぐん
(足利義昭)征夷大将軍…。➡
足利…。
(いびき)
しょうざん
(昌山)いや~
ご立派になられましたなあ 大納言。
あのころから光るものがあった!
わしは 一目見た時から 「あっ!➡
この方は 大成なさるお方だあ」と
思ったものですよ。➡
ハッハッハッハッ!
(忠勝)とっくに将軍職は返上され
今は出家なさって 所領も1万石ばかり。➡
とはいえ
じゅさんごう
先の将軍 准三后に変わりはない。
むげ
無下にできぬのをいいことに➡
あちこちの陣に顔を出しては接待させて
昔の自慢話をしとるらしい。
はあ~ 面倒なお方だわ。
全くだ。
追っ払いましょう。
ああ。
(忠勝)半蔵殿
見回りご苦労。 変わりござらんか。
はっとり
(服部半蔵)ござらん。
ただ… 妙なうわさを。
妙なうわさ?
島津様の陣で
家来衆が話しておりまして…➡
藤堂高虎殿の水軍がやられたと。
何…?
(砲撃音)
そんな話は聞いとらんぞ。
既に朝鮮に渡っている家中には➡
戦地のありさまが
いち早く伝わってるものと。
何でも 敵の船には大筒が積んであると。
もし これが まことならば この戦➡
本当のことは 我らに知らされていない
ということもあろうかと。
子細を探らねば…。
♬~
私に 子細を探ってまいれと仰せで?
殿。 それは 忍びの役目でございましょう。
ふう… そうじゃな。
私は もともと忍びではござらぬが➡
それでも やむなく
我が父が残した服部党を率いて➡
長年 奉公をしてまいりました。
そうした働きが ようやく認められ➡
こやつらも皆 まっとうの武士に
取り立てていただいた。
私も今や
8,000石持ちの武将でござる。
その私に
今更… もう一度… 忍び働きをせよと…。
今更そんなことを頼むべきでは…。
あ~ もう そこまで仰せなら しかたない。
これで最後でござるからな。
全く もう わしは忍びではないのに。
(指笛を鳴らそうとする音)
おい!
おおねずみ
(大鼠)呼んだか。
この話 まことなのか 治部殿。
太閤殿下は ご存じなのか?
なぜ お伝えせぬ?
この戦の取り計らいは
我らに一任されております。
殿下に何をお伝えし
何をお伝えせぬかは 我らの裁量。
(忠勝)水軍がやられたとあらば
一大事と存ずるが。
我が軍勢は
朝鮮各地で勝ち続けております。➡
水軍が一つ負けたとて
大局に変わりはござりませぬ。
朝鮮は 水軍に力を集める策を
取ってるかもしれん。
敵に海路を抑えられたら
どうなりましょう?
万に一つ 海路を断たれれば
朝鮮にいる軍勢は➡
日本からの兵糧や援軍を得られず
かの地に取り残される。
勝ち進めば進むほど
戦場を広げれば広げるほど 苦しくなる。
少なくとも
太閤殿下が海をお渡りになるのは➡
取りやめていただくべきであろう。
兵の士気に関わります。
治部殿。
わしも包まず申すが…➡
この戦 難しいと思う。
やるべきであったろうか。
殿下は 今まで一度として
間違った判断をしたことはございませぬ。
♬~
今の殿下は これまでと同じであろうか。
♬~
そなたが苦しい立場なのは察する。
だが
殿下が間違っている時は お止めすると➡
そなたは申したはず。
♬~
(三成)嵐が多く
海が荒れる時節にさしかかります。➡
海が静まるのを待ってから➡
殿下には 悠々とお渡りいただくのが
よろしいのではないかと。
殿下は
この日ノ本になくてはならぬ お方。
万が一があれば また天下が乱れましょう。
どうか お考え直しを。
♬~
⚟(侍女)茶々様…!
我が名は 茶々である。 ウフフフッ。
(秀吉)お~。
せいしょう
(茶々)西笑和尚に教わりました。
(秀吉)ほう うめえもんだあ。
唐には 虎や獅子がおるそうな。
茶々も見てみとうございます。
くじゃく
うん。 虎でも獅子でも竜でも孔雀でも
何でも見せてやる。 なあ? 大納言。
殿下。
茶々 少し外しておれ。
のう?
殿下。
差し出がましいことを申し上げます。
若君様のこと
心より お悔やみ申し上げます。
茶々様のお心を思えば
その悲しみいかばかりか…。 されど➡
それと政は別のこと。
あ~ 大納言。 そなたは…➡
余が 茶々を慰めるために
この戦をしているとでも申すか?➡
アハハハハ…。
余計なお世話じゃ。
(秀吉)おめえが口出しすることではねえ。
余は 日ノ本の民のため
明 朝鮮の民のために➡
唐を斬り従えるんじゃ!
(三成)殿下!
殿下に先んじて この三成と刑部➡
そして
ました
増田長盛が朝鮮へ奉行として海を渡り➡
じきじきに指図をいたしまする!
ござどころ
そして 御座所を設け…。
どけ!
お待ちくだされ 殿下。
どうしても参られるのであれば
この家康 ここで腹を召しまする!
殿下のお代わりは
殿下しか おりませぬゆえ。
♬~
徳川殿…。
我らの留守を
よろしくお頼み申し上げまする。
ご武運を。
おおまんどころ
(茶々)大政所様が?
(秀吉)ああ もう危ねえんだと。➡
悪いがの かか様のところに
帰ってやらねばなんねえ。
もちろんでございます。
おそばにいてさしあげられませ。
すまんの。
何か困ったことがあったら…。
前田利家に相談せえ。
はい。
♬~
あ… ああ…。
あ…。
♬~
(秀吉)ああ… あ…。
(寧々)ずっと… 謝っておいでだったわ。
回想
(仲)すまなんだ…。
息子が…
皆に迷惑をかけて…➡
ハア ハア… わしのせいだわ…。
何で かか様のせいなんじゃ。
腹いっぺえ… 食いてえ…。
あれは いっつも そう言うとった…。
じゃけど わし…➡
あれに
な~んも与えてやれんかったでよ…。
回想
(仲)あれは もう…➡
自分でも
分からんようになっとるんだわ…。
自分が… 本当は何が欲しかったんだか…。
(仲)すまなんだ… 堪忍してちょう。
(寧々)これ以上 何が欲しい。➡
何が足らん?
(寧々)この世の果てまでも
手に入れるおつもりか?
たかが百姓の小せがれが
身の程をわきまえなされ!
言葉を慎め。
かか様の代わりに言うとるんだわ!
私は…➡
あなた様が この世の誰よりも
才ある お方と信じてきた。
だから
あなた様と生きる決意をしたんだわ。
なれど…。
今は そう思えん。
♬~
やにわに押しかけて
申し訳ございませぬ。
何か困ったことがあらば
家康殿にご相談申し上げよと殿下が。
何か?
いえ。
「母に似ている」。
よく言われます。
お困りなこととは?
ずっと家康殿とお話がしたかったのです。
我が母のこと。
母から よう聞かされておりました。
あなた様は
母がお慕い申し上げたお方だったと。
いや… そのようなことは。
隠さなくとも ようございます。
きたのしょうじょう
北ノ庄城が落城する中…➡
母は最後まで
家康殿の助けを待っておりました。
♬~
なぜ…
来てくださらなかったのですか?
♬~
すまなかったと思っております。
時折 無性につらくなります。
父と母を死なせたお方の
妻であることが…。
殿下を恨んでおいでで?
分かりませぬ。
手を差し伸べていただいて
感謝もしております。
でも…➡
はしゃいでいなければ…
どうかしてしまいそうな時も…。
(すすり泣き)
茶々は➡
ずっと思っておりました。
あなた様は
私の父であったかもしれぬお方なのだと。
まことの父は➡
あなた様なのかもと。
めっそうもない。
父上だと思って…➡
お慕いしても ようございますか。
茶々は➡
あなた様に…➡
守っていただきとうございます。
♬~
もちろん…➡
お守りいたします。
私にできることあらば➡
なんなりと。
(足音)
(阿茶)殿 そろそろ。
お初にお目にかかります。
徳川大納言の側室 阿茶と申します。
家康殿は 戦におなごを?
殿下には お許しを頂いております。
私は 殿方と同様のお役目を
任されておりまして➡
たか
鷹狩りにも お供いたしまする。
ここで狩りはできぬと思いますが?
殿下に取りついた狐がいるとのうわさを
耳にいたしました。
我が殿にも取りついてはなりませぬゆえ
狐を見つけたら退治しようと…。➡
お見かけになっておりませぬか?
見ておりませぬ。
狐退治 大いに励んでくだされ。
家康殿。
今日は これにて。
♬~
島津 毛利 小西などの陣から➡
戦地と じかに取り交わしている文を
盗み出してきました。
朝鮮攻めが滞っていることは
間違いございませぬ。
(半蔵)明国の大軍勢が
敵の助けに入ったとあります。➡
兵糧は尽きており
民は激しくあらがう様子。
そして 朝鮮の冬の寒さは
こちらの比ではないとも。
これが まことの姿か…。
かの地
今頃 地獄の様相を呈していることかと…。
(忠勝)殿下が大坂から戻られたら
しかと申し上げましょう。
♬~
改めて 大政所様➡
お悔やみ申し上げます。
うん。
わしは あほうになった…。
皆 そう思っとるらしい。
狐に取りつかれとる。
このわしが
小娘相手に思慮を失うと思うか?
恐れながら➡
茶々様は 遠ざけられるべきと存じまする。
あのお方は
どこか計り知れぬところがございます。
人の心に いつの間にか入り込むような…。
分かっとる!
わしゃ み~んな 全て 分かっとる。
のう? あれで 政を危うくはせん。
茶々は離さんぞ。
殿下のお心を惑わす お方。
茶々を愚弄するのか。
図に乗るなよ…。
わしは太閤じゃ。
その気になれば 徳川くらい潰せるぞ。
♬~
かつての
底知れぬ怖さがあった秀吉ならば…➡
そんなことは口にすまい。
♬~
目を覚ませ。
♬~
惨めぞ 猿!
♬~
⚟(忠勝)お待ちを!
⚟(昌山)よいよい 構うな。 わしは将軍だ。
(忠勝)お待ちを。
おう また来たぞ 大納言。
太閤殿下も一緒だと聞いてな。
3人でやろうではないか。
今度にしてくだされ。
1杯だけじゃ。
将軍だった頃はな この世の一番高い山の
てっぺんに立ってるようなもんでな➡
下々の者が よ~く見えた。
何もかも分かっておった。
そう… 思い込んでおった。
だが 実のところは 全く逆でな。
かすみがかって 何も見えとらん。
周りが いいことしか言わんからじゃ。
自分は そうはならん。
そう思っておっても なるんじゃ。
遠慮なく
厳しいことを言ってくれる者がおって➡
どれだけ助かったか…。
てっぺんは独りぼっちじゃ。
信用する者を間違えてはならんのう。
さて 伊達のとこへ行くか。
あいつは 酒が強いからの。 ハハハハ。
おめえさんは ええのう…。
ずっと羨ましかった…。
生まれた時から➡
おめえさんを慕う家臣が
周りに大勢おって…。
わしには…。
だ~れも おらんかった。
♬~
自分が… 本当は何が欲しかったんだか…。
♬~
わしを見捨てるなよ。
♬~
そなたは 京へ帰れ。
殿下と一緒に 唐に渡るのでは?
帰れ。
茶々は…
殿下のおそばにいとうございます。
ならん。
♬~
(泣き声)
♬~
これまでのことは 感謝しとる。
(すすり泣き)
(泣き声)
こうして秀吉は 明との戦を休止させ
和睦に向けた話し合いを始めました。
殿下のお望みにかなう実りを得られず
申し訳ございませぬ!
(利家)いやいや… 頭を下げるに及ばん。➡
明国の使いを同道させるとは
上出来ではないか。➡
まことに でかした。➡
のう? 殿下。
そなたらが 最善を尽くしたのは
よう分かっておる。
慣れぬ異国での戦 大儀であった。
万事 そなたらの言うとおりにする。
かたじけのうございます…!
(秀吉)さぞ疲れたろう。 よう休め。
ありがたき お言葉にございまする。
(秀吉)家康。
はっ。
利家。
はっ。
そなたらが➡
明国の使いを丁重にもてなせ。
ははっ!
では 我らは これにて。
うん。
殿下!
よど
淀の方様より書状にございまする。
茶々から?
♬~
そんな…!
は…。
いかがなさいましたか?
子が出来た!➡
あ… 茶々が…➡
また みごもった!
♬~
はあ~。
おお… おお… おお~!
あ~ アハハハハハ…!
アッハッハッハッハッハッ…!
アッハッハッハッハッハッ…!
戦じゃ~!
秀頼を… 頼む…。
秀吉! こんな めちゃくちゃにして
放り出すのか!
天下人は 無用と存じまする。
お取りなされ 天下を。
秀頼は あなたの子だとお思い?
あとは… 任せよ。
次回 どうする。
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