All language subtitles for どうする家康（３５）欲望の怪物 - [FHD@KFMVFR.hevc10_crf 20_p 8][字].srt - 3
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1
00:00:06,140 --> 00:00:11,880
{\an1}（徳川家康）秀吉に…➡
2
00:00:11,880 --> 00:00:18,650
{\an1}ひざまずいても…➡
3
00:00:18,650 --> 00:00:21,290
{\an1}よいか？
4
00:00:21,290 --> 00:00:31,630
{\an1}♬～
5
00:00:31,630 --> 00:00:37,300
{\an1}じょうらく
6
00:00:31,630 --> 00:00:37,300
{\an1}ついに 上洛を決意された 我らが神の君。
7
00:00:37,300 --> 00:00:44,810
{\an1}秀吉は その人質として
8
00:00:37,300 --> 00:00:44,810
{\an1}おおまんどころ
9
00:00:37,300 --> 00:00:44,810
{\an1}母 大政所を岡崎に送り…。
10
00:00:44,810 --> 00:00:47,150
{\an1}（仲）はあ… ふう…。
11
00:00:47,150 --> 00:00:49,650
{\an1}（井伊直政）そこでよい。
12
00:00:49,650 --> 00:00:51,580
{\an1}かか様。
13
00:00:51,580 --> 00:00:58,660
{\an1}（仲）あ～！ 旭 来てくれたんか。
14
00:00:58,660 --> 00:01:04,260
{\an1}（直政）そこじゃ。
15
00:00:58,660 --> 00:01:04,260
{\an1}こし
16
00:00:58,660 --> 00:01:04,260
{\an1}なぎゃ～こと輿に揺られて…➡
17
00:01:04,260 --> 00:01:08,600
{\an1}わしゃ 足も悪いっちゅ～に…。
18
00:01:08,600 --> 00:01:15,110
{\an1}こんな所に
19
00:01:08,600 --> 00:01:15,110
{\an1}老いた母親を追いやるなんて。 はあ…。
20
00:01:15,110 --> 00:01:17,780
{\an1}ただよ
21
00:01:15,110 --> 00:01:17,780
{\an1}（大久保忠世）大政所様
22
00:01:15,110 --> 00:01:17,780
{\an1}お待ち申し上げておりました。➡
23
00:01:17,780 --> 00:01:19,710
{\an1}大久保忠世にございます。➡
24
00:01:19,710 --> 00:01:22,120
{\an1}さぞ お疲れでございましょう。➡
25
00:01:22,120 --> 00:01:27,320
{\an1}おみ足を温める湯を用意してございます。
26
00:01:22,120 --> 00:01:27,320
{\an1}ささっ どうぞ こちらへ。
27
00:01:29,290 --> 00:01:31,790
{\an1}お… 大政所様。
28
00:01:31,790 --> 00:01:34,630
{\an1}かか様？
29
00:01:34,630 --> 00:01:36,960
{\an1}大政所様。
30
00:01:36,960 --> 00:01:42,440
{\an1}♬～
31
00:01:42,440 --> 00:01:45,340
{\an1}ああ ああ…。
32
00:01:42,440 --> 00:01:45,340
{\an1}（忠世）えっ やっ… ちょっ…。
33
00:01:45,340 --> 00:01:47,340
{\an1}おや～？
34
00:01:50,140 --> 00:02:00,150
{\an1}秀吉との会見前夜 宿としたのは
35
00:01:50,140 --> 00:02:00,150
{\an1}秀吉の弟 秀長の屋敷。
36
00:02:00,150 --> 00:02:05,120
{\an1}（豊臣秀長）ご足労 痛み入りまする。
37
00:02:00,150 --> 00:02:05,120
{\an1}こちらこそ お招きにあずかり。
38
00:02:05,120 --> 00:02:08,330
{\an1}（秀長）さあ どうぞ こちらへ。
39
00:02:10,760 --> 00:02:17,270
{\an1}まさに
40
00:02:10,760 --> 00:02:17,270
{\an1}敵陣 真っただ中でございましたが…。
41
00:02:23,340 --> 00:02:26,280
{\an1}めえ
42
00:02:23,340 --> 00:02:26,280
{\an1}（秀長）まことに よう参られました。
43
00:02:26,280 --> 00:02:30,420
{\an1}参じるのが遅くなりまして。
44
00:02:26,280 --> 00:02:30,420
{\an1}（秀長）いえいえ。➡
45
00:02:30,420 --> 00:02:34,720
{\an1}兄も私も 心から喜んどります。
46
00:02:36,620 --> 00:02:40,290
{\an1}（秀長）明日
47
00:02:36,620 --> 00:02:40,290
{\an1}兄と お会していただくにあたって…。
48
00:02:40,290 --> 00:02:43,300
{\an1}（ふすまが開く音）
49
00:02:40,290 --> 00:02:43,300
{\an1}（秀長）うん？
50
00:02:43,300 --> 00:02:46,630
{\an1}（小声で）殿下がお越しに。
51
00:02:43,300 --> 00:02:46,630
{\an1}えっ？ 今？
52
00:02:46,630 --> 00:02:49,300
{\an1}（足音）
53
00:02:49,300 --> 00:02:51,970
{\an1}（秀長）兄様…。
54
00:02:51,970 --> 00:03:07,250
{\an1}♬～
55
00:03:07,250 --> 00:03:11,060
{\an1}（豊臣秀吉）よう来てくれたの。
56
00:03:15,600 --> 00:03:19,100
{\an1}やっと…➡
57
00:03:19,100 --> 00:03:26,770
{\an1}やっと… う… あ あ…。
58
00:03:26,770 --> 00:03:32,080
{\an1}さような芝居は なしにしましょう。
59
00:03:39,790 --> 00:03:42,420
{\an1}はよ
60
00:03:39,790 --> 00:03:42,420
{\an1}早う入ってこお。
61
00:03:42,420 --> 00:03:52,970
{\an1}♬～
62
00:03:52,970 --> 00:06:35,090
{\an1}♬～
63
00:06:35,090 --> 00:06:37,930
{\an1}（秀吉）
64
00:06:35,090 --> 00:06:37,930
{\an1}ねね
65
00:06:35,090 --> 00:06:37,930
{\an1}ええではないか！ えっ 寧々 寧々！➡
66
00:06:37,930 --> 00:06:40,600
{\an1}そんで そんで… そんでな 寧々。
67
00:06:40,600 --> 00:06:45,270
{\an1}こ… これが これが
68
00:06:40,600 --> 00:06:45,270
{\an1}家康殿の一番の家臣 酒井忠次だわ。
69
00:06:45,270 --> 00:06:47,610
{\an1}（酒井忠次）
70
00:06:45,270 --> 00:06:47,610
{\an1}さえもんのじょう
71
00:06:45,270 --> 00:06:47,610
{\an1}酒井左衛門尉忠次にございます。➡
72
00:06:47,610 --> 00:06:50,280
{\an1}きたのまんどころ
73
00:06:47,610 --> 00:06:50,280
{\an1}北政所様。
74
00:06:47,610 --> 00:06:50,280
{\an1}（寧々）おうわさは かねがね。
75
00:06:50,280 --> 00:06:54,780
{\an1}ほんでな ほんでな ほんでな
76
00:06:50,280 --> 00:06:54,780
{\an1}わあ～！ おめえ 知っとるぞ。
77
00:06:54,780 --> 00:06:58,280
{\an1}わしは 知っとるぞ。 おめえは
78
00:06:54,780 --> 00:06:58,280
{\an1}ちえしゃ
79
00:06:54,780 --> 00:06:58,280
{\an1}まさのぶ
80
00:06:54,780 --> 00:06:58,280
{\an1}油断ならねえ知恵者 本多正信であろう！
81
00:06:58,280 --> 00:07:00,220
{\an1}（本多正信）ハッハッハッ お見知りおきを。
82
00:07:00,220 --> 00:07:02,160
{\an1}徳川殿の知恵袋か。
83
00:07:02,160 --> 00:07:07,960
{\an1}え～ ほんでな こやつ！ わあ～ こやつ！
84
00:07:02,160 --> 00:07:07,960
{\an1}わしの悪口を さんざん書き連ねた➡
85
00:07:07,960 --> 00:07:14,370
{\an1}榊原康政。
86
00:07:14,370 --> 00:07:16,300
{\an1}（榊原康政）その節は ご無礼を。
87
00:07:16,300 --> 00:07:18,910
{\an1}いや～ 名文だったがや。
88
00:07:18,910 --> 00:07:23,080
{\an1}文武に秀でたるご様子。
89
00:07:18,910 --> 00:07:23,080
{\an1}（秀吉）ほんでな ほんでな あの～➡
90
00:07:23,080 --> 00:07:26,110
{\an1}あっ ほんで こいつが… 誰じゃ！
91
00:07:26,110 --> 00:07:29,750
{\an1}（秀長）兄様。 鳥居元忠殿。
92
00:07:29,750 --> 00:07:32,250
{\an1}ざ
93
00:07:29,750 --> 00:07:32,250
{\an1}戯～れ言…！
94
00:07:32,250 --> 00:07:36,090
{\an1}ええのう 欲しいのう！
95
00:07:36,090 --> 00:07:38,990
{\an1}わしの家臣にならんか？
96
00:07:36,090 --> 00:07:38,990
{\an1}（鳥居元忠）え…。
97
00:07:38,990 --> 00:07:43,960
{\an1}（寧々）あんた。 徳川殿のござる前で…。
98
00:07:38,990 --> 00:07:43,960
{\an1}ええではないか！ のう？ 家康殿。
99
00:07:43,960 --> 00:07:46,600
{\an1}わしらは もう 敵ではねえ。
100
00:07:46,600 --> 00:07:49,270
{\an1}おめえさんの息子を わしがもらい➡
101
00:07:49,270 --> 00:07:54,110
{\an1}いもと
102
00:07:49,270 --> 00:07:54,110
{\an1}わしの妹を おめえさんは もらった。
103
00:07:49,270 --> 00:07:54,110
{\an1}わしらは もう 一つの家だわ！
104
00:07:54,110 --> 00:07:57,780
{\an1}あ～ 寧々も秀長も
105
00:07:54,110 --> 00:07:57,780
{\an1}もう おめえさんの身内。
106
00:07:57,780 --> 00:08:02,550
{\an1}すなわち！
107
00:07:57,780 --> 00:08:02,550
{\an1}おめえさんの家臣も わしの家臣だわ！
108
00:08:02,550 --> 00:08:06,420
{\an1}酒井も 本多も 榊原も うう…。
109
00:08:06,420 --> 00:08:10,120
{\an1}（秀長）鳥居殿！
110
00:08:06,420 --> 00:08:10,120
{\an1}（秀吉）戯れ言だが…！
111
00:08:12,230 --> 00:08:16,730
{\an1}（寧々）まことに お恥ずかしい限り。
112
00:08:16,730 --> 00:08:22,070
{\an1}夫が ここまでハメを外したのは
113
00:08:16,730 --> 00:08:22,070
{\an1}久しぶりでございます。
114
00:08:22,070 --> 00:08:26,370
{\an1}おあきれになったことでしょう？
115
00:08:22,070 --> 00:08:26,370
{\an1}いえ。
116
00:08:32,710 --> 00:08:37,220
{\an1}人を知るには 下から見上げるべし…。
117
00:08:39,090 --> 00:08:42,760
{\an1}兄が昔から よう言っとりました。
118
00:08:42,760 --> 00:08:49,260
{\an1}人は 自分より下だと思う相手と対する時
119
00:08:42,760 --> 00:08:49,260
{\an1}本性が現れる。➡
120
00:08:49,260 --> 00:08:54,400
{\an1}だから みっともねえ なまりを使い
121
00:08:49,260 --> 00:08:54,400
{\an1}卑しき振る舞いをして➡
122
00:08:54,400 --> 00:09:02,140
{\an1}常に一番下から
123
00:08:54,400 --> 00:09:02,140
{\an1}相手の本性を よう見極めるのだと。
124
00:09:02,140 --> 00:09:05,880
{\an1}そして こうも言っとりました。
125
00:09:05,880 --> 00:09:09,750
{\an1}信用できると思えたのは ２人だけ。
126
00:09:09,750 --> 00:09:14,590
{\an1}信長様と徳川殿。
127
00:09:14,590 --> 00:09:19,360
{\an1}お二人とも 裏表がないと。
128
00:09:19,360 --> 00:09:24,200
{\an1}だから兄は
129
00:09:19,360 --> 00:09:24,200
{\an1}徳川殿が来てくださって➡
130
00:09:24,200 --> 00:09:28,070
{\an1}心の底から
131
00:09:24,200 --> 00:09:28,070
{\an1}うれしかったのでごぜ～ます。
132
00:09:28,070 --> 00:09:33,570
{\an1}♬～
133
00:09:33,570 --> 00:09:38,240
{\an1}（秀長）天下一統したいという思いは
134
00:09:33,570 --> 00:09:38,240
{\an1}兄も同じ。➡
135
00:09:38,240 --> 00:09:44,050
{\an1}どうか 末永く 支えてやってくだされ。
136
00:09:44,050 --> 00:09:57,400
{\an1}♬～
137
00:09:57,400 --> 00:10:01,930
{\an1}えたい
138
00:09:57,400 --> 00:10:01,930
{\an1}どこか得体の知れぬ御仁と思っていた
139
00:09:57,400 --> 00:10:01,930
{\an1}殿下も➡
140
00:10:01,930 --> 00:10:06,770
{\an1}腹を割って話してみれば 我らと同じ。
141
00:10:06,770 --> 00:10:10,610
{\an1}あんど
142
00:10:06,770 --> 00:10:10,610
{\an1}少し安堵いたしました。
143
00:10:10,610 --> 00:10:15,410
{\an1}秀長殿に 北政所様。
144
00:10:17,480 --> 00:10:22,290
{\an1}よいお身内をお持ちでございますな。
145
00:10:22,290 --> 00:10:36,440
{\an1}♬～
146
00:10:36,440 --> 00:10:39,640
{\an1}起きておいででござろう。
147
00:10:43,640 --> 00:10:49,350
{\an1}かなわんのう おめえさんには。
148
00:10:54,650 --> 00:10:57,160
{\an1}ご安心召されよ。
149
00:10:57,160 --> 00:11:02,600
{\an1}この家康 殿下を支えると決め申した。
150
00:11:02,600 --> 00:11:08,400
{\an1}もう殿下に 陣羽織を着させぬ覚悟。
151
00:11:12,770 --> 00:11:15,810
{\an1}陣羽織…➡
152
00:11:15,810 --> 00:11:19,280
{\an1}ええな それ。
153
00:11:19,280 --> 00:11:25,950
{\an1}明日 一同の前で それやってちょ～でえ。
154
00:11:19,280 --> 00:11:25,950
{\an1}うん？
155
00:11:25,950 --> 00:11:28,620
{\an1}はあ…。
156
00:11:28,620 --> 00:12:00,320
{\an1}（太鼓の音）
157
00:12:06,360 --> 00:12:11,260
{\an1}みかわのかみ
158
00:12:06,360 --> 00:12:11,260
{\an1}徳川三河守家康➡
159
00:12:11,260 --> 00:12:14,470
{\an1}関白殿下のもと…。
160
00:12:16,770 --> 00:12:21,110
{\an1}天下一統のため 励みまする。
161
00:12:21,110 --> 00:12:23,610
{\an1}（どよめき）
162
00:12:28,780 --> 00:12:32,120
{\an1}（秀吉）うん。
163
00:12:32,120 --> 00:12:34,420
{\an1}ん。
164
00:12:43,830 --> 00:12:46,630
{\an1}つきましては！
165
00:12:43,830 --> 00:12:46,630
{\an1}うん。
166
00:12:49,540 --> 00:12:57,140
{\an1}殿下の陣羽織を
167
00:12:49,540 --> 00:12:57,140
{\an1}頂戴いたしとうございます。
168
00:12:57,140 --> 00:13:02,580
{\an1}な～に～！？ この陣羽織をとな！？
169
00:13:02,580 --> 00:13:06,390
{\an1}こ… ならん！ ならん！ ならぬ。
170
00:13:06,390 --> 00:13:10,260
{\an1}余は 関白である。
171
00:13:10,260 --> 00:13:16,600
{\an1}…が 武将でもある。
172
00:13:10,260 --> 00:13:16,600
{\an1}せんじょう
173
00:13:10,260 --> 00:13:16,600
{\an1}戦場で陣羽織は欠かせぬ。
174
00:13:16,600 --> 00:13:19,500
{\an1}この家康がいるからには➡
175
00:13:19,500 --> 00:13:22,100
{\an1}二度と 二度と➡
176
00:13:22,100 --> 00:13:25,940
{\an1}二度～と…！
177
00:13:25,940 --> 00:13:30,410
{\an1}殿下に陣羽織は着させませぬ。
178
00:13:30,410 --> 00:13:35,110
{\an1}聞いたか？ 聞いたか？ 聞いたか？ 皆！
179
00:13:35,110 --> 00:13:40,920
{\an1}この家康は 余を
180
00:13:35,110 --> 00:13:40,920
{\an1}二度と戦場に行かせぬと申しておる！
181
00:13:40,920 --> 00:13:44,290
{\an1}あ～ あっぱれ！
182
00:13:44,290 --> 00:13:48,790
{\an1}あっぱれ！ あっぱれ。
183
00:13:48,790 --> 00:13:51,300
{\an1}かがみ
184
00:13:48,790 --> 00:13:51,300
{\an1}武士の鑑である！
185
00:13:51,300 --> 00:13:53,630
{\an1}（一同）お～！
186
00:13:53,630 --> 00:13:55,670
{\an1}ああ～➡
187
00:13:55,670 --> 00:13:59,670
{\an1}いえ～ やす…。
188
00:14:01,440 --> 00:14:03,440
{\an1}フフフ…。
189
00:14:03,440 --> 00:14:06,580
{\an1}殿にまで つまらん芝居をさせおって。
190
00:14:06,580 --> 00:14:10,750
{\an1}直政がいたら 暴れていたかもしれん。
191
00:14:06,580 --> 00:14:10,750
{\an1}連れてこんで よかった。
192
00:14:10,750 --> 00:14:13,090
{\an1}ああ 全くよ。
193
00:14:13,090 --> 00:14:16,960
{\an1}だが 何故 直政とわしが
194
00:14:13,090 --> 00:14:16,960
{\an1}取り替えられたんじゃろうな。
195
00:14:16,960 --> 00:14:21,260
{\an1}取り替えられた？
196
00:14:16,960 --> 00:14:21,260
{\an1}ああ。 当初は わしが残って➡
197
00:14:21,260 --> 00:14:26,100
{\an1}直政を連れてくるはずだったんじゃ。
198
00:14:21,260 --> 00:14:26,100
{\an1}何か聞いとらんか？ 正信よ。
199
00:14:26,100 --> 00:14:29,970
{\an1}旭様が 彦殿と直政を取り替えてほしいと
200
00:14:26,100 --> 00:14:29,970
{\an1}申されてな。
201
00:14:29,970 --> 00:14:33,270
{\an1}旭様が？ なぜじゃ。
202
00:14:29,970 --> 00:14:33,270
{\an1}うん？
203
00:14:33,270 --> 00:14:36,780
{\an1}う～ん… 殿のおそばには➡
204
00:14:36,780 --> 00:14:42,110
{\an1}彦殿がついておらねばならん！
205
00:14:36,780 --> 00:14:42,110
{\an1}ということじゃろうな。
206
00:14:42,110 --> 00:14:47,990
{\an1}ふ～ん…。
207
00:14:42,110 --> 00:14:47,990
{\an1}旭様も ようお分かりだわ。 うん。
208
00:14:47,990 --> 00:14:50,190
{\an1}うん？
209
00:14:54,430 --> 00:14:58,430
{\an1}うっつく
210
00:14:54,430 --> 00:14:58,430
{\an1}美しいの～う。
211
00:15:00,730 --> 00:15:04,600
{\an1}直政殿で ようごぜ～ましたなうん
212
00:15:00,730 --> 00:15:04,600
{\an1}かか様。
213
00:15:04,600 --> 00:15:07,610
{\an1}フフフフ…。➡
214
00:15:07,610 --> 00:15:14,280
{\an1}ん！ 直政。 魚の骨に気ぃ付けや～よ。➡
215
00:15:14,280 --> 00:15:17,250
{\an1}骨 取ったろか？
216
00:15:14,280 --> 00:15:17,250
{\an1}（直政）ああ いえ。
217
00:15:14,280 --> 00:15:17,250
{\an1}取ったるわ…。
218
00:15:17,250 --> 00:15:21,390
{\an1}（直政）恐れ多うございます。
219
00:15:17,250 --> 00:15:21,390
{\an1}（仲）ええ ええ。 取ったるわ 取ったるわ。
220
00:15:21,390 --> 00:15:24,920
{\an1}直政殿。 あれは？
221
00:15:24,920 --> 00:15:29,260
{\an1}（直政）あっ 寒くなってまいりましたので
222
00:15:24,920 --> 00:15:29,260
{\an1}まきに困らぬようにと。
223
00:15:29,260 --> 00:15:33,100
{\an1}（仲）直政は 気が利くのう。
224
00:15:33,100 --> 00:15:38,270
{\an1}♬～
225
00:15:38,270 --> 00:15:40,770
{\an1}すぐに戻ります。
226
00:15:38,270 --> 00:15:40,770
{\an1}うん。
227
00:15:40,770 --> 00:15:43,610
{\an1}これを。
228
00:15:40,770 --> 00:15:43,610
{\an1}はっ。
229
00:15:43,610 --> 00:15:45,910
{\an1}（せきばらい）
230
00:15:47,780 --> 00:15:50,120
{\an1}何のまねじゃ。
231
00:15:50,120 --> 00:15:54,620
{\an1}大坂の殿の御身に何かあれば
232
00:15:50,120 --> 00:15:54,620
{\an1}これに火をつけて ばあさんを焼き殺す。
233
00:15:54,620 --> 00:15:57,520
{\an1}焼き… 焼き…！
234
00:15:54,620 --> 00:15:57,520
{\an1}や… やり過ぎであろう！
235
00:15:57,520 --> 00:16:02,730
{\an1}秀吉への脅しでござる。
236
00:15:57,520 --> 00:16:02,730
{\an1}人質の役目とは かくなるもの。
237
00:16:02,730 --> 00:16:07,070
{\an1}お主は いいかげん その…
238
00:16:02,730 --> 00:16:07,070
{\an1}加減というものを…。
239
00:16:07,070 --> 00:16:10,940
{\an1}（直政）あっ かたじけない。
240
00:16:07,070 --> 00:16:10,940
{\an1}骨に気ぃ付けや～よ。
241
00:16:10,940 --> 00:16:14,940
{\an1}また また来てちょ～でえ。
242
00:16:14,940 --> 00:16:19,380
{\an1}徳川殿のおかげで つつがなく
243
00:16:14,940 --> 00:16:19,380
{\an1}祝いの儀を終えることができました。
244
00:16:19,380 --> 00:16:21,450
{\an1}（忠次）これを。
245
00:16:21,450 --> 00:16:26,090
{\an1}だが
246
00:16:21,450 --> 00:16:26,090
{\an1}ここに来なかった大名が何人かおる。➡
247
00:16:26,090 --> 00:16:30,260
{\an1}わしは
248
00:16:26,090 --> 00:16:30,260
{\an1}その一人を叱り飛ばしに西へ向かう。
249
00:16:30,260 --> 00:16:32,260
{\an1}しまづ
250
00:16:30,260 --> 00:16:32,260
{\an1}九州 島津ですな。
251
00:16:32,260 --> 00:16:37,030
{\an1}おめえさんは東だわ。
252
00:16:32,260 --> 00:16:37,030
{\an1}関東の北条を叱り飛ばしてちょ～でえ。
253
00:16:37,030 --> 00:16:39,970
{\an1}軍勢を差し向けて ええ。
254
00:16:39,970 --> 00:16:46,710
{\an1}ただ殿下。 そのためには
255
00:16:39,970 --> 00:16:46,710
{\an1}やっかい事が残っておりまして…。
256
00:16:46,710 --> 00:16:51,410
{\an1}（秀長）真田でございますな。
257
00:16:51,410 --> 00:16:56,280
{\an1}（忠次）相変わらず
258
00:16:51,410 --> 00:16:56,280
{\an1}北条に与えた沼田領に居座ったまま…。➡
259
00:16:56,280 --> 00:16:58,780
{\an1}一向に言うことを聞きませぬ。
260
00:16:58,780 --> 00:17:03,620
{\an1}真田は 徳川の与力。 しかと飼いならせ。
261
00:17:03,620 --> 00:17:07,060
{\an1}（忠次）はっ。
262
00:17:03,620 --> 00:17:07,060
{\an1}お言葉ながら➡
263
00:17:07,060 --> 00:17:13,730
{\an1}裏から こっそり餌を与えたのは
264
00:17:07,060 --> 00:17:13,730
{\an1}どなたです？
265
00:17:13,730 --> 00:17:17,600
{\an1}それで なおさら
266
00:17:13,730 --> 00:17:17,600
{\an1}言うことを聞かなくなったのですぞ。
267
00:17:17,600 --> 00:17:24,380
{\an1}ひょうりひきょう
268
00:17:17,600 --> 00:17:24,380
{\an1}フフ… いや～ 真田は 表裏比興の者だで。
269
00:17:24,380 --> 00:17:26,450
{\an1}表裏比興…？
270
00:17:26,450 --> 00:17:29,920
{\an1}表と裏を使い分ける くせ者。➡
271
00:17:29,920 --> 00:17:33,220
{\an1}我らも手を焼いております。
272
00:17:35,590 --> 00:17:37,620
{\an1}おあい
273
00:17:35,590 --> 00:17:37,620
{\an1}（於愛の方）日ごと夜ごと➡
274
00:17:37,620 --> 00:17:41,760
{\an1}関白様と天下の行く末について
275
00:17:37,620 --> 00:17:41,760
{\an1}お
276
00:17:37,620 --> 00:17:41,760
{\an1}語り合うておられるそうじゃ。
277
00:17:41,760 --> 00:17:46,600
{\an1}それにな 京の天子様にも お目通りして➡
278
00:17:46,600 --> 00:17:49,640
{\an1}え～っと… 何だったかしら…。
279
00:17:49,640 --> 00:17:54,270
{\an1}しょうさんみ
280
00:17:49,640 --> 00:17:54,270
{\an1}ごんちゅうなごん
281
00:17:49,640 --> 00:17:54,270
{\an1}正三位 権中納言という位を
282
00:17:49,640 --> 00:17:54,270
{\an1}頂いたそうじゃ。
283
00:17:54,270 --> 00:17:56,780
{\an1}すごいのう。
284
00:17:59,780 --> 00:18:05,220
{\an1}いな
285
00:17:59,780 --> 00:18:05,220
{\an1}（於愛）これ お稲！
286
00:17:59,780 --> 00:18:05,220
{\an1}殿の書状をお読みしてる時に！
287
00:18:05,220 --> 00:18:08,720
{\an1}（稲）相すみませ～ん。
288
00:18:12,960 --> 00:18:16,230
{\an1}（於愛）ちゃんと お座りなさい。
289
00:18:12,960 --> 00:18:16,230
{\an1}ん～。
290
00:18:16,230 --> 00:18:19,570
{\an1}あなたは 本当に手が焼ける。
291
00:18:19,570 --> 00:18:24,070
{\an1}あなたの父上に言いつけますよ。
292
00:18:26,340 --> 00:18:29,580
{\an1}それだけは ご勘弁を。
293
00:18:29,580 --> 00:18:32,380
{\an1}（笑い声）
294
00:18:34,450 --> 00:18:37,450
{\an1}（仲）あ～ん。
295
00:18:41,190 --> 00:18:46,190
{\an1}ま～一つ あ～ん。
296
00:18:48,390 --> 00:18:50,760
{\an1}うん。
297
00:18:50,760 --> 00:18:57,940
{\an1}美しいお顔に生んでまって
298
00:18:50,760 --> 00:18:57,940
{\an1}母上に礼を言わなかんのう。
299
00:18:57,940 --> 00:19:01,810
{\an1}母上は息災かうん？
300
00:19:01,810 --> 00:19:06,750
{\an1}私の母は 少し前に亡くなりました。
301
00:19:06,750 --> 00:19:09,350
{\an1}ほうか…。
302
00:19:09,350 --> 00:19:14,050
{\an1}ご自慢の息子であったことでしょうな。
303
00:19:09,350 --> 00:19:14,050
{\an1}いいえ。
304
00:19:14,050 --> 00:19:19,930
{\an1}私は とんでもない悪童で
305
00:19:14,050 --> 00:19:19,930
{\an1}母を泣かせてばかりおりました。
306
00:19:19,930 --> 00:19:25,660
{\an1}仕官できたのも
307
00:19:19,930 --> 00:19:25,660
{\an1}ほうぼう
308
00:19:19,930 --> 00:19:25,660
{\an1}母が 方々に頭を下げてくれたおかげ。
309
00:19:25,660 --> 00:19:29,540
{\an1}もう少し
310
00:19:25,660 --> 00:19:29,540
{\an1}孝行してやればようございました。
311
00:19:29,540 --> 00:19:34,740
{\an1}でも ご立派に出世されて
312
00:19:29,540 --> 00:19:34,740
{\an1}きっと喜んでおられよう。
313
00:19:34,740 --> 00:19:41,750
{\an1}どうでしょう… 出世ということでは
314
00:19:34,740 --> 00:19:41,750
{\an1}関白様には かないませぬ。
315
00:19:43,380 --> 00:19:48,250
{\an1}（直政）さぞ お幸せなことと存じます。
316
00:19:48,250 --> 00:19:52,390
{\an1}幸せ… わしが？
317
00:19:52,390 --> 00:19:57,600
{\an1}（直政）そりゃあ
318
00:19:52,390 --> 00:19:57,600
{\an1}天下一の孝行息子であらせられますから。
319
00:20:00,270 --> 00:20:03,600
{\an1}大政所様 お喜びくだされ。
320
00:20:03,600 --> 00:20:08,270
{\an1}あるじ
321
00:20:03,600 --> 00:20:08,270
{\an1}我が主 間もなく京 大坂での務めを終え
322
00:20:03,600 --> 00:20:08,270
{\an1}帰国の途につきまする。
323
00:20:08,270 --> 00:20:16,150
{\an1}故に 大政所様も お役御免。
324
00:20:08,270 --> 00:20:16,150
{\an1}大坂にお帰りいただけます。
325
00:20:16,150 --> 00:20:20,790
{\an1}大坂に… ほうか。
326
00:20:20,790 --> 00:20:23,590
{\an1}ようございましたな。
327
00:20:26,590 --> 00:20:30,960
{\an1}直政を大坂までお供させましょう。
328
00:20:30,960 --> 00:20:34,630
{\an1}よいのか？ 直政殿。
329
00:20:34,630 --> 00:20:36,670
{\an1}（直政）お供いたします。
330
00:20:36,670 --> 00:20:41,310
{\an1}ようごぜ～ましたな かか様。
331
00:20:41,310 --> 00:20:45,980
{\an1}わしは 幸せなんかのう…。
332
00:20:45,980 --> 00:20:49,650
{\an1}♬～
333
00:20:49,650 --> 00:20:53,990
{\an1}外を出歩くことも許されん。
334
00:20:53,990 --> 00:21:00,760
{\an1}大きな城の隅っこに
335
00:20:53,990 --> 00:21:00,760
{\an1}ちいせえ畑あてがってまって➡
336
00:21:00,760 --> 00:21:04,600
{\an1}要らん菜っぱや大根なんぞ こさえて…➡
337
00:21:04,600 --> 00:21:11,100
{\an1}こんな時だけ人質に差し出される…。
338
00:21:11,100 --> 00:21:15,910
{\an1}これが 幸せなんかのう…。
339
00:21:18,780 --> 00:21:22,610
{\an1}おぎい
340
00:21:18,780 --> 00:21:22,610
{\an1}於義伊も ようやっておるようで
341
00:21:18,780 --> 00:21:22,610
{\an1}ホッとしました。
342
00:21:22,610 --> 00:21:27,490
{\an1}（秀長）ええ。 実に利発なお子様で
343
00:21:22,610 --> 00:21:27,490
{\an1}兄も大いに気に入っておられる。➡
344
00:21:27,490 --> 00:21:30,490
{\an1}行く末が楽しみでござる。
345
00:21:30,490 --> 00:21:33,290
{\an1}（忠次）うん？ あの方は 何を？
346
00:21:33,290 --> 00:21:38,960
{\an1}（秀長）ああ…
347
00:21:33,290 --> 00:21:38,960
{\an1}豊臣家臣一の変わり者でござる。➡
348
00:21:38,960 --> 00:21:45,470
{\an1}常に忙しく あちこち立ち回っておって
349
00:21:38,960 --> 00:21:45,470
{\an1}我らも なかなか会えませぬ。
350
00:21:56,520 --> 00:21:59,820
{\an1}何か見えますかな？
351
00:21:59,820 --> 00:22:03,790
{\an1}（石田三成）星が見えまする。
352
00:21:59,820 --> 00:22:03,790
{\an1}星？
353
00:22:03,790 --> 00:22:08,530
{\an1}（忠次）星を見て 何とします？
354
00:22:08,530 --> 00:22:16,270
{\an1}（三成）南蛮では 星々に
355
00:22:08,530 --> 00:22:16,270
{\an1}神々の物語を見いだすと聞き及びまして。
356
00:22:16,270 --> 00:22:18,770
{\an1}（忠次）物語…。
357
00:22:18,770 --> 00:22:21,970
{\an1}けんぎゅう
358
00:22:18,770 --> 00:22:21,970
{\an1}牽牛織り姫のような？
359
00:22:27,480 --> 00:22:29,780
{\an1}（三成）ああ。
360
00:22:29,780 --> 00:22:36,120
{\an1}星と星を さまざまにつないで
361
00:22:29,780 --> 00:22:36,120
{\an1}いろいろなものを形づくるのです。
362
00:22:36,120 --> 00:22:39,990
{\an1}あの強く輝いているやつと その右。
363
00:22:39,990 --> 00:22:42,790
{\an1}おう。
364
00:22:39,990 --> 00:22:42,790
{\an1}その下に３つ並んで➡
365
00:22:42,790 --> 00:22:46,630
{\an1}少し離れたやつと あれで➡
366
00:22:46,630 --> 00:22:49,530
{\an1}ひしゃく
367
00:22:46,630 --> 00:22:49,530
{\an1}柄杓の形になります。
368
00:22:46,630 --> 00:22:49,530
{\an1}ほう！
369
00:22:49,530 --> 00:22:57,810
{\an1}南蛮では 大きな熊になぞらえるようで。
370
00:22:49,530 --> 00:22:57,810
{\an1}なるほど。 フッ 面白い。
371
00:22:57,810 --> 00:23:00,710
{\an1}（元忠）どれ？ どれじゃ？
372
00:23:00,710 --> 00:23:02,780
{\an1}（正信）あの赤いやつじゃろ。
373
00:23:02,780 --> 00:23:05,620
{\an1}（康政）違う あそこに３つ並んどるじゃろ。
374
00:23:05,620 --> 00:23:08,090
{\an1}（正信）全部並んどるじゃろ。
375
00:23:05,620 --> 00:23:08,090
{\an1}（康政）どこ見とる。
376
00:23:08,090 --> 00:23:10,120
{\an1}（元忠）どれじゃ？
377
00:23:08,090 --> 00:23:10,120
{\an1}（康政）だから あれじゃ。
378
00:23:10,120 --> 00:23:12,390
{\an1}（正信）どれじゃ？
379
00:23:12,390 --> 00:23:18,200
{\an1}この世は 丸い玉のような形を
380
00:23:12,390 --> 00:23:18,200
{\an1}しているともいいます。
381
00:23:18,200 --> 00:23:21,130
{\an1}あ… 聞いたことがあります。
382
00:23:21,130 --> 00:23:25,400
{\an1}にわかには信じ難いが。 フ…。
383
00:23:25,400 --> 00:23:32,280
{\an1}古い考えに凝り固まっていては
384
00:23:25,400 --> 00:23:32,280
{\an1}まこと
385
00:23:25,400 --> 00:23:32,280
{\an1}ものの真の姿は つかめませぬ。
386
00:23:32,280 --> 00:23:41,490
{\an1}政もまた 新たなるやり方
387
00:23:32,280 --> 00:23:41,490
{\an1}新たなる考え方が必要と存じます。
388
00:23:44,820 --> 00:23:50,630
{\an1}確かに… そのとおりじゃ。
389
00:23:52,960 --> 00:23:57,140
{\an1}気が合いそうでござるなあ。
390
00:23:52,960 --> 00:23:57,140
{\an1}フッ。
391
00:23:57,140 --> 00:24:02,370
{\an1}（三成）いずれのご家中のお方で？
392
00:23:57,140 --> 00:24:02,370
{\an1}たわけ！ 徳川中納言殿じゃ！
393
00:24:02,370 --> 00:24:06,580
{\an1}は… う… これは ご無礼を！
394
00:24:06,580 --> 00:24:11,250
{\an1}じぶのしょう
395
00:24:06,580 --> 00:24:11,250
{\an1}豊臣家臣 石田治部少輔三成でございます。
396
00:24:11,250 --> 00:24:16,590
{\an1}おおっ そなたが切れ者と うわさの。
397
00:24:16,590 --> 00:24:22,260
{\an1}手腕に疑いはござらん。
398
00:24:16,590 --> 00:24:22,260
{\an1}徳川殿のお役にも立ちましょう。
399
00:24:22,260 --> 00:24:24,600
{\an1}それは頼もしい。
400
00:24:24,600 --> 00:24:28,470
{\an1}何とぞ お力添えを。
401
00:24:28,470 --> 00:24:31,170
{\an1}こちらこそ。
402
00:24:35,770 --> 00:24:44,280
{\an1}あれと あれと あれをつなぐと
403
00:24:35,770 --> 00:24:44,280
{\an1}こう… 弓のようではござらんか？
404
00:24:44,280 --> 00:24:50,960
{\an1}なるほど。 ホホッ
405
00:24:44,280 --> 00:24:50,960
{\an1}いや 私は あの辺りに馬が見えまする。
406
00:24:50,960 --> 00:24:54,430
{\an1}馬。
407
00:24:50,960 --> 00:24:54,430
{\an1}あれと あれが首で➡
408
00:24:54,430 --> 00:24:58,960
{\an1}こういって… あそこに尻尾。
409
00:24:58,960 --> 00:25:01,570
{\an1}しかし 馬にしては…。
410
00:25:01,570 --> 00:25:05,440
{\an1}（康政）楽しそうじゃなあ 殿は。
411
00:25:01,570 --> 00:25:05,440
{\an1}ああ 楽しそうじゃ。
412
00:25:05,440 --> 00:25:10,280
{\an1}我が家中には
413
00:25:05,440 --> 00:25:10,280
{\an1}ああいう話ができる家臣はおらんからな。
414
00:25:10,280 --> 00:25:12,910
{\an1}そんなことは…➡
415
00:25:12,910 --> 00:25:16,780
{\an1}うん おらんな。
416
00:25:12,910 --> 00:25:16,780
{\an1}じゃろ？
417
00:25:12,910 --> 00:25:16,780
{\an1}おう。
418
00:25:16,780 --> 00:25:21,250
{\an1}殿は 戦の話などではなく➡
419
00:25:21,250 --> 00:25:24,760
{\an1}ああいう話がしたかった
420
00:25:21,250 --> 00:25:24,760
{\an1}お人なんじゃな…。
421
00:25:24,760 --> 00:25:27,390
{\an1}徳川様 こうやって…。
422
00:25:27,390 --> 00:25:33,700
{\an1}（忠次）戦なき世が そこまで来ている…
423
00:25:27,390 --> 00:25:33,700
{\an1}そんな気がするわい。
424
00:25:36,130 --> 00:25:38,140
{\an1}何でござろう？
425
00:25:38,140 --> 00:25:43,410
{\an1}かわや
426
00:25:38,140 --> 00:25:43,410
{\an1}うさぎ
427
00:25:38,140 --> 00:25:43,410
{\an1}厠が兎？
428
00:25:38,140 --> 00:25:43,410
{\an1}はい。 私も分かりませぬが…。
429
00:25:43,410 --> 00:25:53,790
{\an1}♬～
430
00:25:53,790 --> 00:25:57,960
{\an1}こたびの上洛 実によいものとなりました。
431
00:25:57,960 --> 00:26:02,560
{\an1}（秀長）気を付けてお帰りくだされ。
432
00:25:57,960 --> 00:26:02,560
{\an1}（秀吉）旭をよろしゅうのう。
433
00:26:02,560 --> 00:26:09,070
{\an1}時に殿下 お市様の３人の姫君は
434
00:26:02,560 --> 00:26:09,070
{\an1}ご息災でありましょうや。
435
00:26:09,070 --> 00:26:16,240
{\an1}おお～！ 息災 息災。
436
00:26:09,070 --> 00:26:16,240
{\an1}皆 健やかに麗しくお育ちだて。
437
00:26:16,240 --> 00:26:19,910
{\an1}特に 一番上の➡
438
00:26:19,910 --> 00:26:22,750
{\an1}茶々…。
439
00:26:22,750 --> 00:26:27,390
{\an1}いや そりゃあもう ハハ…。
440
00:26:27,390 --> 00:26:31,590
{\an1}もうじき わし…。
441
00:26:27,390 --> 00:26:31,590
{\an1}兄様。
442
00:26:31,590 --> 00:26:33,630
{\an1}もうじき？
443
00:26:31,590 --> 00:26:33,630
{\an1}いや。
444
00:26:33,630 --> 00:26:37,260
{\an1}とにもかくにも 東国の仕置きを
445
00:26:33,630 --> 00:26:37,260
{\an1}よろしくお願いいたします。
446
00:26:37,260 --> 00:26:41,770
{\an1}真田には 徳川殿のもとへ赴くよう
447
00:26:37,260 --> 00:26:41,770
{\an1}きつく申しつけておきますで➡
448
00:26:41,770 --> 00:26:43,700
{\an1}しかと説き伏せなさいませ。
449
00:26:43,700 --> 00:26:48,940
{\an1}そうじゃ さもないと
450
00:26:43,700 --> 00:26:48,940
{\an1}北条征伐に わしが出陣せねばならん。
451
00:26:48,940 --> 00:26:51,840
{\an1}陣羽織を返してもらうことになるに。
452
00:26:51,840 --> 00:26:54,410
{\an1}決して
453
00:26:51,840 --> 00:26:54,410
{\an1}そのようなことには いたしませぬ。
454
00:26:54,410 --> 00:27:01,220
{\an1}私は 二度と無益な戦をせぬと
455
00:26:54,410 --> 00:27:01,220
{\an1}心に決めております。
456
00:27:01,220 --> 00:27:07,230
{\an1}この世を戦なき世にいたしましょう。
457
00:27:11,730 --> 00:27:16,530
{\an1}では これにて。
458
00:27:11,730 --> 00:27:16,530
{\an1}うん。
459
00:27:27,080 --> 00:27:29,280
{\an1}うん。
460
00:27:32,580 --> 00:27:36,090
{\an1}戦なき世か…。
461
00:27:37,760 --> 00:27:41,390
{\an1}直政殿。
462
00:27:41,390 --> 00:27:44,930
{\an1}母を頼みましたよ。
463
00:27:44,930 --> 00:27:47,130
{\an1}はっ。
464
00:27:50,740 --> 00:27:54,540
{\an1}では 参りましょうか。
465
00:27:56,410 --> 00:28:00,880
{\an1}きゃあ
466
00:27:56,410 --> 00:28:00,880
{\an1}帰りたないのう…。
467
00:28:00,880 --> 00:28:07,590
{\an1}何を仰せです。 関白様が
468
00:28:00,880 --> 00:28:07,590
{\an1}お帰りをお待ちでございますぞ。
469
00:28:09,220 --> 00:28:13,730
{\an1}関白って誰じゃ。
470
00:28:13,730 --> 00:28:17,060
{\an1}アハハハ…。
471
00:28:17,060 --> 00:28:23,740
{\an1}大政所様ご自慢のご子息
472
00:28:17,060 --> 00:28:23,740
{\an1}秀吉様でございます。
473
00:28:23,740 --> 00:28:29,540
{\an1}ありゃ わしの息子なんかのう？➡
474
00:28:29,540 --> 00:28:34,450
{\an1}わしゃ あれのことを な～んも知らん。
475
00:28:34,450 --> 00:28:41,250
{\an1}わしゃ ただの貧しい百姓で
476
00:28:34,450 --> 00:28:41,250
{\an1}ず～っと働きづめで➡
477
00:28:41,250 --> 00:28:45,920
{\an1}あれにゃあ しつけの一つもしとらん。
478
00:28:45,920 --> 00:28:50,400
{\an1}とお
479
00:28:45,920 --> 00:28:50,400
{\an1}十やそこらで家を出てってまってな…➡
480
00:28:50,400 --> 00:28:54,770
{\an1}きゃあ
481
00:28:50,400 --> 00:28:54,770
{\an1}何年かして ひょ～っこり帰ってきたら➡
482
00:28:54,770 --> 00:28:59,270
{\an1}織田様の足軽大将になっとった。➡
483
00:28:59,270 --> 00:29:04,040
{\an1}それからは あ～っちゅう間に出世して➡
484
00:29:04,040 --> 00:29:09,210
{\an1}今は天下人…➡
485
00:29:09,210 --> 00:29:12,920
{\an1}関白じゃと。
486
00:29:15,720 --> 00:29:20,590
{\an1}なにもん
487
00:29:15,720 --> 00:29:20,590
{\an1}ありゃあ 何者じゃ？
488
00:29:20,590 --> 00:29:26,730
{\an1}わしゃ 何を生んだんじゃ？
489
00:29:26,730 --> 00:29:35,540
{\an1}とんでもねえ化け物を
490
00:29:26,730 --> 00:29:35,540
{\an1}生んでまったみたいで おっかねえ…。
491
00:29:38,340 --> 00:29:44,580
{\an1}誰かが
492
00:29:38,340 --> 00:29:44,580
{\an1}力ずくで首根っこを押さえたらんと➡
493
00:29:44,580 --> 00:29:48,450
{\an1}えれえことに なるんだないかのう…。➡
494
00:29:48,450 --> 00:29:53,760
{\an1}そう 徳川殿にお伝えしてちょう。
495
00:29:55,590 --> 00:29:59,100
{\an1}（秀吉）戦なき世か…➡
496
00:29:59,100 --> 00:30:01,300
{\an1}フ…。
497
00:30:02,970 --> 00:30:05,870
{\an1}（秀吉）家康…。
498
00:30:05,870 --> 00:30:14,410
{\an1}♬～
499
00:30:14,410 --> 00:30:22,290
{\an1}（秀吉）戦がなくなったら
500
00:30:14,410 --> 00:30:22,290
{\an1}武士どもを どうやって食わしていく。➡
501
00:30:22,290 --> 00:30:29,790
{\an1}民もじゃ。 民も まっとまっと
502
00:30:22,290 --> 00:30:29,790
{\an1}豊かにしてやらにゃあ いかん。
503
00:30:32,130 --> 00:30:41,310
{\an1}（秀吉）日ノ本を一統したとて
504
00:30:32,130 --> 00:30:41,310
{\an1}この世から戦がなくなることは➡
505
00:30:41,310 --> 00:30:43,810
{\an1}ねえ。
506
00:30:49,980 --> 00:30:54,650
{\an1}切り取る国は…➡
507
00:30:54,650 --> 00:31:01,460
{\an1}日ノ本の外に まだまだ あるがや。
508
00:31:01,460 --> 00:31:06,260
{\an1}♬～
509
00:31:06,260 --> 00:31:10,600
{\an1}まあまあ 兄様。
510
00:31:06,260 --> 00:31:10,600
{\an1}今は 天下一統でござる。➡
511
00:31:10,600 --> 00:31:13,500
{\an1}さきざきのことは おいおい。
512
00:31:13,500 --> 00:31:29,320
{\an1}♬～
513
00:31:50,810 --> 00:31:54,450
{\an1}於愛様。 これは どちらに？
514
00:31:54,450 --> 00:31:56,450
{\an1}はい。
515
00:31:58,150 --> 00:32:03,350
{\an1}（於愛）う～ん そうじゃな… あっちの…。
516
00:31:58,150 --> 00:32:03,350
{\an1}はい。
517
00:32:08,760 --> 00:32:13,970
{\an1}人の日記を勝手に のぞき込む人が
518
00:32:08,760 --> 00:32:13,970
{\an1}ありますか！ お行儀悪い…。
519
00:32:17,100 --> 00:32:20,940
{\an1}あ～！ あっ 申し訳ございません。
520
00:32:20,940 --> 00:32:23,410
{\an1}ちかめ
521
00:32:20,940 --> 00:32:23,410
{\an1}近頃 ますます近目が進んで…。
522
00:32:23,410 --> 00:32:26,110
{\an1}よいよい。 フフッ。
523
00:32:26,110 --> 00:32:32,120
{\an1}慣れ親しんだ浜松とも お別れじゃのう…。
524
00:32:33,850 --> 00:32:38,120
{\an1}急に寂しくなってまいりました。
525
00:32:38,120 --> 00:32:43,290
{\an1}そこでな どうじゃ？
526
00:32:38,120 --> 00:32:43,290
{\an1}礼を言いに行かんか？
527
00:32:43,290 --> 00:32:47,300
{\an1}礼？ どなたに？
528
00:32:47,300 --> 00:32:50,100
{\an1}皆にじゃ。
529
00:32:54,010 --> 00:32:59,140
{\an1}（於愛）
530
00:32:54,010 --> 00:32:59,140
{\an1}世話になったのう。 世話になったのう。
531
00:32:59,140 --> 00:33:01,750
{\an1}ありがとうございます。
532
00:33:01,750 --> 00:33:04,380
{\an1}（にぎやかな声）
533
00:33:04,380 --> 00:33:08,090
{\an1}よし 食べよ。
534
00:33:04,380 --> 00:33:08,090
{\an1}ありがとうございます。
535
00:33:08,090 --> 00:33:10,990
{\an1}（老婆）いけませぬ。
536
00:33:08,090 --> 00:33:10,990
{\an1}（於愛）そんなこと申すな。
537
00:33:10,990 --> 00:33:14,590
{\an1}（老婆）いけませぬ。
538
00:33:10,990 --> 00:33:14,590
{\an1}（於愛）遠慮せず もらっておくれ。
539
00:33:14,590 --> 00:33:18,400
{\an1}（老婆）いけませぬ！
540
00:33:14,590 --> 00:33:18,400
{\an1}わしゃ もらえんのだわ。
541
00:33:18,400 --> 00:33:21,270
{\an1}（於愛）なぜ？
542
00:33:18,400 --> 00:33:21,270
{\an1}（老婆）わしゃ 昔➡
543
00:33:21,270 --> 00:33:26,140
{\an1}お殿様に ひでえことを…
544
00:33:21,270 --> 00:33:26,140
{\an1}だんごの中に石入れて…。
545
00:33:26,140 --> 00:33:28,410
{\an1}何じゃ？
546
00:33:26,140 --> 00:33:28,410
{\an1}はあっ！
547
00:33:28,410 --> 00:33:32,280
{\an1}あ～！ あの時の！
548
00:33:28,410 --> 00:33:32,280
{\an1}あっ！ あっ あっ…！
549
00:33:32,280 --> 00:33:37,120
{\an1}あっ ああ…！
550
00:33:32,280 --> 00:33:37,120
{\an1}（元忠）殿 あの時のばあさんだわ。
551
00:33:37,120 --> 00:33:40,150
{\an1} 回想
552
00:33:37,120 --> 00:33:40,150
{\an1}うあっ！ 石！ 石！
553
00:33:40,150 --> 00:33:42,920
{\an1}（本多忠勝）貴様！
554
00:33:40,150 --> 00:33:42,920
{\an1}ヒヒヒヒッ！
555
00:33:42,920 --> 00:33:45,790
{\an1}おおっ！ 達者であったか。
556
00:33:45,790 --> 00:33:48,630
{\an1}あ… あ…。
557
00:33:45,790 --> 00:33:48,630
{\an1}ちっとも変わらんのう。
558
00:33:48,630 --> 00:33:51,130
{\an1}あんときゃあ… あん時は まさか➡
559
00:33:51,130 --> 00:33:53,970
{\an1}こんなに ご立派になられるとは
560
00:33:51,130 --> 00:33:53,970
{\an1}思いもせず…➡
561
00:33:53,970 --> 00:33:58,440
{\an1}わしゃあ とんでもねえことを…。
562
00:33:58,440 --> 00:34:03,910
{\an1}わしら いろいろと
563
00:33:58,440 --> 00:34:03,910
{\an1}ひでえ うわさも広めちまって…。➡
564
00:34:03,910 --> 00:34:12,250
{\an1}だっぷん
565
00:34:03,910 --> 00:34:12,250
{\an1}殿は 戦場から逃げる時 怖くて脱糞して
566
00:34:03,910 --> 00:34:12,250
{\an1}焼きみそだと ごまかしただの…。
567
00:34:12,250 --> 00:34:14,250
{\an1}だんごを勝手に食って➡
568
00:34:14,250 --> 00:34:17,920
{\an1}わしが追っかけてって
569
00:34:14,250 --> 00:34:17,920
{\an1}銭取ってやった！ だの…。
570
00:34:17,920 --> 00:34:21,790
{\an1}ありゃあ お前たちか！
571
00:34:17,920 --> 00:34:21,790
{\an1}ものすごく広まっとるぞ。
572
00:34:21,790 --> 00:34:24,100
{\an1}こんなに広まるとは…。
573
00:34:24,100 --> 00:34:27,130
{\an1}フフ… よいよい。
574
00:34:27,130 --> 00:34:33,400
{\an1}あの時 わしは 本当に怖くてな
575
00:34:27,130 --> 00:34:33,400
{\an1}少し漏らしたんじゃ。
576
00:34:33,400 --> 00:34:35,340
{\an1}え…。
577
00:34:35,340 --> 00:34:38,940
{\an1}だんごをとったのも
578
00:34:35,340 --> 00:34:38,940
{\an1}きっと わしであろう。
579
00:34:38,940 --> 00:34:44,820
{\an1}わしが情けない姿をさらしたのは
580
00:34:38,940 --> 00:34:44,820
{\an1}紛れもないこと。
581
00:34:44,820 --> 00:34:49,950
{\an1}存分に語り継いで わしを笑うがよい。
582
00:34:49,950 --> 00:34:56,430
{\an1}なんという お殿様だわ…！
583
00:34:56,430 --> 00:34:59,300
{\an1}さあ 食べよ。
584
00:34:59,300 --> 00:35:01,730
{\an1}ありがとうごぜ～ます！
585
00:35:01,730 --> 00:35:04,640
{\an1}さあさ。
586
00:35:01,730 --> 00:35:04,640
{\an1}ありがとうごぜえます。
587
00:35:04,640 --> 00:35:07,610
{\an1}ありがとうごぜえます。
588
00:35:04,640 --> 00:35:07,610
{\an1}（元忠）石は入っとらんか？
589
00:35:07,610 --> 00:35:09,610
{\an1}（笑い声）
590
00:35:07,610 --> 00:35:09,610
{\an1}お稲！
591
00:35:09,610 --> 00:35:14,080
{\an1}なぜ そなたが食べておる！
592
00:35:09,610 --> 00:35:14,080
{\an1}父上を連れてまいりますよ！
593
00:35:14,080 --> 00:35:16,380
{\an1}（稲）食べておりません！
594
00:35:14,080 --> 00:35:16,380
{\an1}お稲！➡
595
00:35:16,380 --> 00:35:19,280
{\an1}あっ こらこらこら… あっ あっ！➡
596
00:35:19,280 --> 00:35:23,150
{\an1}お稲！ お待ちなさい！
597
00:35:19,280 --> 00:35:23,150
{\an1}父親譲りじゃな。
598
00:35:23,150 --> 00:35:25,760
{\an1}ハハッ 全く。
599
00:35:23,150 --> 00:35:25,760
{\an1}（於愛）お稲！
600
00:35:25,760 --> 00:35:29,930
{\an1}（元忠）ホホホホ…。
601
00:35:25,760 --> 00:35:29,930
{\an1}ほら お稲 逃げろ逃げろ！
602
00:35:29,930 --> 00:35:32,830
{\an1}（笑い声）
603
00:35:29,930 --> 00:35:32,830
{\an1}父上は 捕まらんかったぞ！
604
00:35:32,830 --> 00:35:35,270
{\an1}（笑い声）
605
00:35:35,270 --> 00:35:41,140
{\an1}かくして １６年という月日を過ごした
606
00:35:35,270 --> 00:35:41,140
{\an1}浜松の地を離れ➡
607
00:35:41,140 --> 00:35:47,650
{\an1}あの懐かしい今川館の跡地に建てたる
608
00:35:41,140 --> 00:35:47,650
{\an1}すんぷじょう
609
00:35:41,140 --> 00:35:47,650
{\an1}駿府城へ。
610
00:35:49,410 --> 00:35:56,120
{\an1}この新天地で 君の前に参じたのは
611
00:35:49,410 --> 00:35:56,120
{\an1}この方。
612
00:36:01,990 --> 00:36:04,700
{\an1}（忠次）入られよ。
613
00:36:19,240 --> 00:36:21,180
{\an1}（せきばらい）
614
00:36:21,180 --> 00:36:24,380
{\an1}（せきばらい）
615
00:36:24,380 --> 00:36:32,090
{\an1}（忠次）こちら 真田昌幸殿。
616
00:36:24,380 --> 00:36:32,090
{\an1}そのご子息 信幸殿にございます。
617
00:36:33,760 --> 00:36:41,770
{\an1}（忠次）真田殿
618
00:36:33,760 --> 00:36:41,770
{\an1}こちら 徳川中納言様にあらせられる。
619
00:36:44,100 --> 00:36:50,910
{\an1}（忠世）正三位
620
00:36:44,100 --> 00:36:50,910
{\an1}徳川権中納言家康様にあらせられる！
621
00:36:53,280 --> 00:36:59,420
{\an1}はあ… 真田殿
622
00:36:53,280 --> 00:36:59,420
{\an1}いろいろと行き違いがござったが➡
623
00:36:59,420 --> 00:37:03,420
{\an1}こうして参じてくださったのは➡
624
00:37:03,420 --> 00:37:06,220
{\an1}実に好ましいこと。➡
625
00:37:06,220 --> 00:37:12,030
{\an1}さすれば 沼田の地
626
00:37:06,220 --> 00:37:12,030
{\an1}北条に明け渡していただけますな？
627
00:37:13,930 --> 00:37:16,730
{\an1}いただけますな？
628
00:37:20,370 --> 00:37:23,570
{\an1}お耳が悪いのか…。
629
00:37:20,370 --> 00:37:23,570
{\an1}答えよ！
630
00:37:23,570 --> 00:37:29,910
{\an1}徳川殿には これまでも
631
00:37:23,570 --> 00:37:29,910
{\an1}幾度となく同じことを言われ➡
632
00:37:29,910 --> 00:37:34,750
{\an1}そのたびに
633
00:37:29,910 --> 00:37:34,750
{\an1}同じお答えをしてまいりましたが…。
634
00:37:34,750 --> 00:37:39,390
{\an1}ここでも また 同じことを。
635
00:37:39,390 --> 00:37:47,770
{\an1}これは恐らく 徳川殿というお方は
636
00:37:39,390 --> 00:37:47,770
{\an1}言葉を存じ上げんのだと。
637
00:37:47,770 --> 00:37:50,470
{\an1}無礼であるぞ！
638
00:37:47,770 --> 00:37:50,470
{\an1}よい。
639
00:37:53,100 --> 00:37:55,410
{\an1}家康である。
640
00:37:55,410 --> 00:37:58,710
{\an1}言葉は人並みに分かる。
641
00:38:01,880 --> 00:38:09,590
{\an1}改めて聞く。
642
00:38:01,880 --> 00:38:09,590
{\an1}なぜ 沼田を渡してくれぬ？
643
00:38:13,220 --> 00:38:15,930
{\an1}お～。
644
00:38:18,730 --> 00:38:22,430
{\an1}見事なつぼでございまするな。
645
00:38:26,240 --> 00:38:28,170
{\an1}信幸。
646
00:38:28,170 --> 00:38:30,570
{\an1}（真田信幸）はい。
647
00:38:30,570 --> 00:38:35,450
{\an1}このつぼ そなたにやろう。
648
00:38:30,570 --> 00:38:35,450
{\an1}（信幸）かたじけのう存じます。
649
00:38:35,450 --> 00:38:40,080
{\an1}（忠世）お… お主のものではなかろうが！
650
00:38:40,080 --> 00:38:42,990
{\an1}皆様もご存じでござったか。
651
00:38:42,990 --> 00:38:48,390
{\an1}自分のものではないものを
652
00:38:42,990 --> 00:38:48,390
{\an1}人に譲ることはできぬということを。
653
00:38:48,390 --> 00:38:50,930
{\an1}（信幸）沼田は 我らが切り取ったもの。➡
654
00:38:50,930 --> 00:38:55,630
{\an1}徳川殿が
655
00:38:50,930 --> 00:38:55,630
{\an1}北条殿に差し上げることはできませぬ。
656
00:38:59,940 --> 00:39:03,810
{\an1}さ～な～だ～殿。
657
00:39:03,810 --> 00:39:08,550
{\an1}貴殿は 徳川の与力でござる。
658
00:39:03,810 --> 00:39:08,550
{\an1}はあ。
659
00:39:08,550 --> 00:39:12,350
{\an1}ならば 徳川に従わねばならん
660
00:39:08,550 --> 00:39:12,350
{\an1}それは分かりますな？
661
00:39:12,350 --> 00:39:14,420
{\an1}はあ。
662
00:39:14,420 --> 00:39:18,420
{\an1}沼田を明け渡していただけませぬか。
663
00:39:20,560 --> 00:39:24,430
{\an1}で～き～ま～せ～ぬ。
664
00:39:24,430 --> 00:39:31,240
{\an1}ハハハハハッ！
665
00:39:24,430 --> 00:39:31,240
{\an1}言葉が通じんのは 貴殿の方では？
666
00:39:31,240 --> 00:39:36,740
{\an1}与力であっても
667
00:39:31,240 --> 00:39:36,740
{\an1}所領を明け渡す道理はございませぬ。
668
00:39:36,740 --> 00:39:39,380
{\an1}フフフフフ…。➡
669
00:39:39,380 --> 00:39:43,250
{\an1}これは 関白殿下のお指図でもある。
670
00:39:43,250 --> 00:39:47,590
{\an1}よもや 関白殿下に逆らうおつもりでは
671
00:39:43,250 --> 00:39:47,590
{\an1}ありますまいな？
672
00:39:47,590 --> 00:39:51,460
{\an1}たやすく関白のお名前に
673
00:39:47,590 --> 00:39:51,460
{\an1}すがらぬ方が よろしいかと。
674
00:39:51,460 --> 00:39:53,760
{\an1}格が落ちまするぞ。
675
00:39:53,760 --> 00:39:55,790
{\an1}（正信）ハハハハ…！
676
00:39:55,790 --> 00:40:03,270
{\an1}♬～
677
00:40:03,270 --> 00:40:05,940
{\an1}フ…。
678
00:40:05,940 --> 00:40:12,640
{\an1}初めてお目にかかったが
679
00:40:05,940 --> 00:40:12,640
{\an1}うわさどおり 面白き御仁よ。
680
00:40:16,110 --> 00:40:23,820
{\an1}分かった。 沼田のことは
681
00:40:16,110 --> 00:40:23,820
{\an1}わしにも落ち度があったと思う。
682
00:40:25,420 --> 00:40:29,130
{\an1}代わりの領地を与える。
683
00:40:29,130 --> 00:40:31,830
{\an1}それで どうじゃ？
684
00:40:34,800 --> 00:40:38,300
{\an1}ありていに申せば…➡
685
00:40:38,300 --> 00:40:44,310
{\an1}我らは 徳川殿を信用できぬということ。
686
00:40:45,980 --> 00:40:50,780
{\an1}ならば 何を望む？
687
00:40:52,750 --> 00:40:56,450
{\an1}いかがでございましょう？
688
00:40:56,450 --> 00:40:59,990
{\an1}この者の妻に➡
689
00:40:59,990 --> 00:41:03,260
{\an1}徳川殿の姫君を頂きたい。
690
00:41:03,260 --> 00:41:07,770
{\an1}（忠世）何を ずうずうしいことを！
691
00:41:03,260 --> 00:41:07,770
{\an1}身の程をわきまえられよ！
692
00:41:07,770 --> 00:41:11,600
{\an1}この物言いこそが
693
00:41:07,770 --> 00:41:11,600
{\an1}我らをないがしろにしている証し！
694
00:41:11,600 --> 00:41:14,810
{\an1}姫君を頂きたい。
695
00:41:16,470 --> 00:41:22,110
{\an1}（忠次）あいにく
696
00:41:16,470 --> 00:41:22,110
{\an1}殿には 年頃の姫がおりませぬ。
697
00:41:22,110 --> 00:41:26,980
{\an1}ならば ご重臣の姫君を➡
698
00:41:26,980 --> 00:41:33,290
{\an1}まずは徳川殿の養女にするという形でも
699
00:41:26,980 --> 00:41:33,290
{\an1}構いませぬが。
700
00:41:33,290 --> 00:41:42,800
{\an1}♬～
701
00:41:42,800 --> 00:41:47,000
{\an1}（於愛）どうかなさいましたか？ お稲殿。
702
00:41:49,140 --> 00:41:52,640
{\an1}どうかも何もしたも…➡
703
00:41:52,640 --> 00:42:00,150
{\an1}そんな怖い目で見張られていては
704
00:41:52,640 --> 00:42:00,150
{\an1}気になってしかたありませぬ。 父上！
705
00:42:00,150 --> 00:42:05,920
{\an1}（忠勝）於愛様。
706
00:42:00,150 --> 00:42:05,920
{\an1}一層 厳しく しつけてくだされ。➡
707
00:42:05,920 --> 00:42:09,760
{\an1}このままでは➡
708
00:42:09,760 --> 00:42:14,400
{\an1}こし入れ先がござらんでなあ！
709
00:42:14,400 --> 00:42:16,770
{\an1}（稲）ふん！
710
00:42:16,770 --> 00:42:19,400
{\an1}フフッ。
711
00:42:19,400 --> 00:42:30,150
{\an1}♬～
712
00:42:30,150 --> 00:42:34,790
{\an1}本多忠勝の娘を こし入れさせる用意も
713
00:42:30,150 --> 00:42:34,790
{\an1}進めております。
714
00:42:34,790 --> 00:42:38,290
{\an1}殿は お慕いするお方ではない。
715
00:42:38,290 --> 00:42:40,220
{\an1}すいません。 おっ。
716
00:42:40,220 --> 00:42:44,430
{\an1}女を引き渡せ！
717
00:42:40,220 --> 00:42:44,430
{\an1}真田の忍びに操られておる。
718
00:42:44,430 --> 00:42:47,970
{\an1}やまい
719
00:42:44,430 --> 00:42:47,970
{\an1}何でも欲しがる 病…。
720
00:42:47,970 --> 00:42:50,300
{\an1}うそ
721
00:42:47,970 --> 00:42:50,300
{\an1}嘘でも笑っていなされ。
722
00:42:50,300 --> 00:42:54,810
{\an1}私の笑顔は 偽りでございます。
723
00:42:54,810 --> 00:42:57,310
{\an1}次回 どうする。
87900
