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Original subtitles

(扉が開く)

(足音が近づく)

(扉が閉まる)

(伊達原)君のこんな姿を ずっと想像していたよ

(伊達原)その執念の深さには 目を見張るものがある

根気と努力は 検察官にとって必要な素質だ

惜しいことをしました

惜しいことをしました

だが 危ない橋を渡っていると

いつかは こうなる

ああ…

私はね 秋田の片田舎に生まれたんだよ

短い夏が過ぎると あっという間に雪が覆う

1年の半分以上が

1年の半分以上が

暗いんだよ

幼心に明かりに憧れてね

必死に勉強して 東京に出た

だが 司法の世界に入って 待っていたのは

また競争だ

田舎者 三流大学出というだけで

軽んじられ 抑えつけられた

だから私は 誰よりも手柄をあげ 組織の倫理に従い

競争の苛烈さの中を 勝ち抜いてきた

競争の苛烈さの中を 勝ち抜いてきた

(明墨)何が言いたいんですか

私はね 権力を憎んでいる

理不尽を憎んでいる 悪を憎んでいる

そのわりには ご自分の罪には 随分と甘いんですね

あなたを見てると つくづく思います

ご都合主義の ゆがんだ正義感ほど

この世を腐らせるものはない

この世を腐らせるものはない

正義… ねえ

私に言わせれば

君の方こそ ゆがんでいる

殺人犯を世に放つ

そんな人間を 世間は正義と呼ぶだろうか?

(伊達原)前にも話したよね

例えば 大切な家族を前に

例えば 大切な家族を前に

男がナイフを振りかぶっている

今にも殺されてしまいそうだ

君の手にはナイフがある

さあ君はどうす… 殺します

成長したね

あの時 君は答えられなかった

大切な家族を守るためには 誰しも人を殺す

そして 家族を守った君を

人々は正義と言うんだね

人々は正義と言うんだね

わかるね?

私にも守るべき家族がいる

自分の家族さえよければ

他の家族は犠牲にしてもいいと?

鬼ヶ島に乗り込んだ桃太郎は

鬼にも子どもがいるということを 考えたでしょうか?

ある行為が 正義になるか 悪になるかは

見え方次第

法律というのはね

その見え方のために

うまく利用するべきものなんだよ

だから君も

これまで 法を利用してきたんだろう?

結構いい線いってたと 思うんだけどね

結構いい線いってたと 思うんだけどね

残念でなりません

(息を吐く)

<(赤峰)明墨先生の逮捕は メディアでも報じられ>

<クライアントの多くが離れた>

<緋山さんは 明墨先生と同時に>

<証拠隠滅の教唆犯として 身柄を拘束された>

<証拠隠滅の教唆犯として 身柄を拘束された>

<白木さんとは ずっと連絡が取れない>

(バイブレーター着信)

<ジャンパーを持ち出し 検察に渡した理由は>

<聞けないままだ>

(緑川)明墨は 依然 黙秘を続けています→

ですが ジャンパーの血痕という 物証に加え 白木の証言→

緋山も供述を始めています

明墨は間違いなく 罪に問われるでしょう

久しぶりの裁判 わくわくするねえ

正義の仮面が剥がれた 明墨弁護士に

正義の仮面が剥がれた 明墨弁護士に

検事正 自らが 制裁を加える

かなりの注目が集まっています

彼の罪は 証拠隠滅だけじゃないからね

世間を騒がした分 きちんと説明する責任がある

12年前の事件のことですか?

臆測と疑惑で 検察の名誉を傷つけたんだからね

きっちり 償ってもらわないとね

(青山)やっぱり 保釈は難しそうですか

(青山)やっぱり 保釈は難しそうですか

(紫ノ宮)そのようです

証拠隠滅の疑いって言いますけど

何をいまさら 隠滅するって言うんですかね

家宅捜索で根こそぎ奪っておいて

そうですね

先生は何と?

志水さんの再審の手がかりを 見つけてくれって それだけです

一刻も早く 手がかりを見つけましょう

はい 戻りました

おかえりなさい どうでしたか?

平塚専門官の元部下の方に 会ってきました

平塚専門官の元部下の方に 会ってきました

《(金田)ガンで亡くなる前に 先生に言われたんです》

《科学者として許されない 過ちを犯した》

《お前はそうなるな って》

《今回 電話もらうまで》

《改ざんなんて 想像もしませんでしたけど》

《そうだったのかもしれない》

改ざんを後悔した平塚先生が 善意で残したもの… か

元部下の金田さんは すでに科捜研を退職しています

元部下の金田さんは すでに科捜研を退職しています

そこで 今働いている職員の方に 連絡を取っているところです

期待してるよ

はい

平塚先生が科捜研を辞めてから もう8年

仮に 今も何か残されているとしたら

どこに? 科捜研の資料室ですかね

(白木)何の話?

白木さん…

私物 取りに行ってきたの

これまで お世話になりました

これまで お世話になりました

何で先生を?

単純に 目が覚めたってだけ

だって おかしいでしょ

殺人の証拠を隠すなんて

下手したら こっちまで 捕まってたかもしれないんだよ

悪いけど 間違ってるとは思ってないから

(リポーター)司法の闇を 暴き続けてきた明墨弁護士の→

証拠隠滅罪幇助の疑惑→

今回の裁判は 多くの注目を集めており

傍聴券を求め 長蛇の列ができています

(扉が開く)

(手錠を外す音)

寂しいねえ

「被告人は 東京中央弁護士会 所属の弁護士であり」

「緋山啓太に対する殺人被告事件の 弁護人であったものであるが」

「自己の刑事被告事件の証拠となる ジャンパー1点を」

「令和6年2月6日頃から…」

(緑川)被告人の弁護の結果→

緋山さんには 無罪判決が出ています

そのことについて どう思われますか?

緋山さんは無罪じゃありません

緋山さんは無罪じゃありません

殺人犯です

どういうことでしょうか 説明していただけますか?

事務所で ジャンパーが見つかったんです

(緑川)ジャンパーというのは

こちらの写真に写っているもので 間違いありませんか?

はい

緋山さんが 羽木さん殺害時に 着ていたものです

(緑川)第一審では 見つからないままでしたね

それが 明墨法律事務所内で 見つかったと?

はい 犯罪を隠して 殺人犯を無罪にする

はい 犯罪を隠して 殺人犯を無罪にする

あってはならないことだと 思いました

(緑川)ありがとうございます→

ジャンパーの襟部分から検出された 皮脂を鑑定したところ→

緋山さんのDNAと一致しました

このことから 緋山さんが 犯行時 着用していたものであることは→

明白だと考えます

(緑川)1月30日 21時45分頃

あなたは 自宅に向かう羽木さんを追いかけ

背後からハンマーで頭部を殴打し

背後からハンマーで頭部を殴打し

死亡させましたか?

(緋山)はい 私が殺しました

罪を認めるんですね (緋山)はい

自分の事件の控訴審では 全てを話し

罪を償うつもりです

申し訳ありませんでした

羽木さん殺害後 着用していた ジャンパーをどうされましたか?

裁判のあと ゴミ処理場で処分を

裁判のあと ゴミ処理場で処分を

(緑川)証拠を 隠滅しようとしたんですね

そのことについて 誰かから指示を受けましたか?

緋山さん 法廷での偽証は罪に問われます

正直にお答えください

明墨先生に

被告人に指示された ということですね

はい

被告人… 被告人は なぜ

あなたに罪を隠せと言ったんだと 思いましたか? 緋山さん

あなたに罪を隠せと言ったんだと 思いましたか? 緋山さん

12年前の事件の冤罪を 晴らすためだと言っていました

それは 糸井一家殺人事件のことですね?

はい

(傍聴席がざわめく)

志水裕策死刑囚の 冤罪疑惑については

5月27日発行の 東京中央新聞にても報じられ

世間でも話題になりました

世間でも話題になりました

その事件と あなたの殺人を隠すことと

どんな関係が?

昔撮影した動画に 志水さんが写っていたらしくて

探すのを手伝ってほしい そのために私を無罪にすると

それで その冤罪を示す動画は 見つかったんですか?

いえ

その動画が 存在しているということは

証明できますか?

証明できますか?

できません

つまり 志水さんが冤罪だという 確証はない

ということですね?

はい

先ほど 検察官が読み上げた 起訴状の事実について

何か言いたいことはありますか?

全て 事実です

全て 事実です

(傍聴席がざわめく)

緋山さんが羽木さんを殺害した 事実を知りながら

その証拠となるジャンパーを 破棄するよう指示しました

その理由は 先ほど緋山さんが 証言していたとおりですか?

はい

糸井一家殺人事件で 死刑判決を受けた

志水裕策さんの 冤罪を晴らすことが目的でした

志水裕策さんの 冤罪を晴らすことが目的でした

(傍聴席がざわめく)

今 この法廷で 何か言いたいことはありますか?

必ず 志水さんの冤罪を晴らします

以上です

(伊達原)この記事は 5月27日→

(伊達原)この記事は 5月27日→

東京中央新聞に 掲載されたものです

この記事が火種となり

志水さんの冤罪疑惑は 世間の反響を呼んだ→

記者が 沢原麻希さん→

あなたの元依頼人ですよね

はい (伊達原)この記事の内容は

あなたが沢原さんに 吹き込んだものですか?

情報を提供した という意味でしたら はい

ですが 確か先ほど 証拠はないとおっしゃった

ですが 確か先ほど 証拠はないとおっしゃった

つまり あなたは

不確かな情報でマスコミをあおり 世間を騒がせた

違います 確かに証拠はありませんが

冤罪だと確信するだけの 根拠はありました

なるほど

では その根拠とやらを 聞かせてもらえますか?

桃瀬という元検事が遺した ファイルがあります

それによれば 深澤という刑事が

「志水さんのアリバイを示す動画が 見つかったが」

「志水さんのアリバイを示す動画が 見つかったが」

「もみ消された」と証言しています

伊達原検事正 あなたによって

(傍聴席がざわめく)

ハハハハハハハ

ハハハハハハハ→

供述明確化のため

検察官請求証拠 甲第20号証を示します

(坂口)どうぞ

そのファイルというのは

この「糸井一家殺人事件」と 表紙に書かれている

この「糸井一家殺人事件」と 表紙に書かれている

ファイルのことですか?

はい 私も読ませていただきました

これによると 確かに

その動画を隠滅したのは 私だと書いてあります

しかし その根拠となる論理は

正直言って 破綻していると 言わざるを得ませんでした

(坂口)どういうことでしょうか 事実に基づいていない臆測や

根拠のない噂レベルの話が 並べ立てられていました

根拠のない噂レベルの話が 並べ立てられていました

先ほど あなたがおっしゃった 深澤刑事にも話を聞きましたが→

彼は 桃瀬検事の存在も そのような動画の存在も

何も知らないと言っていましたよ

待ってください ここは検事正の弁明を聞く…

裁判長!

これは弁明などではなく

被告人の動機を 明らかにするためには→

避けて通れない事柄です

どうか しっかりと やりとりを聞いていただきたい

わかりました 続けてください

わかりました 続けてください

(伊達原)このファイルを 書き残した時

桃瀬さんは すでに 重い病気に侵されていた

間違いありませんか?

ええ

気の毒に 39歳という若さで

どんなに絶望したことでしょう

そうした死の瀬戸際に 立たされた時

人は 自身の存在意義を 確かめるでしょう

人は 自身の存在意義を 確かめるでしょう

桃瀬さんの場合 それが

人を救いたいという使命感だった

…とは思いませんか?

そうは思いません!

もちろん信じたくはないでしょう

あなたは このファイルを信じ 検察を辞めて弁護士になった

桃瀬さんの代わり

人を救いたいという 使命感に駆られてね

ヒーローになりたいと 思ったことは?

いいえ 全く思いませんね

そうですか でも私は

検察にいた頃のあなたを 知っています

非常に優秀で 正義感が強く 将来を嘱望されていました

まさに 正義の検察官でした

だが 極端な正義感は

時に 道を誤らせる

ヒーローになりたい人間には

ヒーローになりたい人間には

そのためのステージが 必要ですからね

忘れたわけではないでしょう 検察を辞める前の数カ月間→

あなたは 根拠のない臆測と 虚言のパフォーマンスを繰り返し→

同僚たちを困惑させていた

異議あり! そして 現にあなたは今も

殺人犯を無罪にして 証拠を隠滅し

何の確証もない情報で 世間を騒がせ

それが正義のためだと 信じている→

違いますか! 裁判長 先ほどから

違いますか! 裁判長 先ほどから

何の根拠もない 検察官の 臆測による発言が続いています

どうか 適切な訴訟指揮をお願いします

そうですね 検察官は ある程度 根拠のある質問を心掛けるように

失礼しました

ですが被告人は 私の元部下でした

先ほどの発言は 臆測というよりは

むしろ私の実感を伴った 発言だったことを

付け加えさせていただきます

被告人

最後に何か言いたいことは?

随分と必死ですね

必死? 当然でしょう

不正の疑惑がある人間に対して 真実を追い求めるのは

検察として 当然の使命ですからね

それが元身内となれば なおさらのことです

検察の恥ですからね!

検察の恥ですからね!

ですが 先ほどから見ていると 検事正は

真実を追い求めているというより 必死で ご自身の疑惑を

払拭しようと しているように見えます

私は そんなことはしませんよ でしたら安心しました

そんなことをしても 時間の無駄ですからね

ほう それは どういう意味ですか?

まもなく 志水さんの再審請求を 行う予定です

新証拠が見つかりましたので

新証拠? ええ

志水さんの無罪を主張するには 十分な根拠となるものです

志水さんの無罪を主張するには 十分な根拠となるものです

でしたら 見せてもらいましょうか その新証拠とやらを

(緑川)そのとおりです 裁判長

これは 本件において 重要な争点です

志水死刑囚が 結局 冤罪でないとすれば

被告人がやってきたことは 何の正義もない

悪質極まりない 司法への冒涜です→

悪質極まりない 司法への冒涜です→

被告人が 自己の行為を正当化するならば

その新証拠が何であるかは

語られる必要があるかと思います

私も同じ意見です

裁判長さえよろしければ 次回公判で

弁護人から その証拠を示しますが

少し整理させてください

今の点 弁護人はいかがですか?

被告人の意向であれば 異論ありません

被告人の意向であれば 異論ありません

(坂口)わかりました 確かに本件は

12年前の糸井一家殺人事件が 大きな争点となるようです→

弁護人は次回の公判で→

その新証拠に関連する 事実について 主張してください

新証拠なんて 先生は何で急にあんなこと…

僕も 先生に確認したいことがあって

もしかしたら 証拠はもう…

(扉が開く)

(扉が開く)

青山さん

お二人に お話ししたいことがあります

(伊達原)あなたなら 心当たりが あるんじゃないかと思いましてね

明墨の言う 新証拠

そんなものが

本当に存在すればの話ですが

教えてもいいですけど

それ教えて 私に何かメリットあるのかな って

それ教えて 私に何かメリットあるのかな って

契約書の金額に加えて

特別報酬を上乗せするよう

レブルス法律事務所の局長に 話を通しておきます

ボツリヌストキシン

明墨は あなたが 毒を書き換えたと思ってるんです

弁護側から 証拠調べ請求書がきています

科捜研の 薬毒物鑑定の報告書のようですが

見るまでもない

それは 偽造書類だ

改ざんの事実がない以上

新証拠の存在など あるはずがない

裁判所で「新証拠がある」なんて 大見得を切った手前

裁判所で「新証拠がある」なんて 大見得を切った手前

苦し紛れに でっち上げたんだろう

言語道断です

取り調べ請求は不同意と伝えます

いや 同意だよ

ですが せっかく まいてくれた餌だ

食いついてあげないとね

前回の裁判で あなたは

12年前の志水死刑囚の 冤罪を示す

12年前の志水死刑囚の 冤罪を示す

新たな証拠があると 言っていました

その供述に間違いありませんね 間違いありません

その新たな証拠というのは

この裁判で 証拠として 採用されることになりました

ご本人の口から 改めて 詳しくご説明をお願いします

ご存じのとおり 糸井一家殺人事件は

飲食物の中に 毒物が混入されたことによる

毒殺事件です

当時の捜査資料によれば

現場のテーブルから タリウムが検出されたとあります

遺体からも同じ毒素が検出された これにより

遺体からも同じ毒素が検出された これにより

死因は 硫酸タリウムによる 中毒死と断定されました

裁判長 ここで供述明確化のため

弁護人請求証拠第10号証を 示します

(坂口)どうぞ

これは 科捜研で行われた 薬毒物検査の鑑定書です

あなたが言っていた

志水さんの再審につながる 新証拠というのは

この書類のことでしょうか はい そのとおりです

この書類のことでしょうか はい そのとおりです

この書類は 科捜研の資料室で発見されました

事件の毒物鑑定を行った

平塚先生が残したものです

(傍聴席がざわめく)

この書類によれば 2012年3月の12日

毒物鑑定が行われています

その結果 検出されたのは ボツリヌストキシン

記載されている数値は 致死量をはるかに超える量です

ですが その捜査資料には

ボツリヌストキシンなんて 一言も書かれていませんでした

ボツリヌストキシンなんて 一言も書かれていませんでした

あるのは「タリウムが検出された」 という記載のみです

検査結果が反映されていない

なぜ そんなことが起こったと 考えましたか?

鑑定結果が 書き換えられたからです

そうですよね 伊達原検事正

そう考える理由を お聞かせいただけますか?

はい 理由は二つあります

一つは 伊達原検事正には

一つは 伊達原検事正には

志水さんのアリバイを示す動画を もみ消した疑いがあること

もう一つは 当時の検察が

差し迫った状況にあったことです

差し迫った状況? 詳しくお話しいただけますか?

はい 志水裕策さんは

逮捕後も ずっと否認を続けていました

その上 殺人を裏付ける物証は 何一つ出ていなかった

ですが 志水さんの身柄拘束は

あらゆる理由をつけて 勾留延長や 再逮捕などが繰り返され

あらゆる理由をつけて 勾留延長や 再逮捕などが繰り返され

65日にも及んだんです

それでも志水さんは 否認をし続けたんです

最後の勾留満期が迫っている

これ以上 身柄拘束の理由はない

物証も自白もなければ 釈放するしかない

一方 科捜研からは 薬毒物の鑑定報告が出ていました

遺体からボツリヌストキシンが 検出されたと

遺体からボツリヌストキシンが 検出されたと

これは検察にとって 非常に都合の悪い結果でした

ボツリヌストキシンは 研究者でもない限り 手には入らない

志水さんが どうやって入手したのか

説得力のある理由をつけるのは 困難でした

その点 硫酸タリウムなら 都合がよかった

志水さんが勤めていた 会社の倉庫には

殺鼠剤としての硫酸タリウムが 常備してあったからです

当時は管理も ずさんで

社員なら誰でも簡単に 持ち出すことができました

社員なら誰でも簡単に 持ち出すことができました

つまり 硫酸タリウムだった ということにすれば

志水さんを起訴する上での

大きな後押しとなりうる 状況だったということですね

そのとおりです この鑑定結果を理由に

ついに 志水さんを 殺人罪で再逮捕したんです

なるほど あなたが捜査に呼ばれたのは

そのあとのことでしょうか?

ええ 当時の実感から言っても

この鑑定結果は 私を含めた検事たちにとって

この鑑定結果は 私を含めた検事たちにとって

起訴する上での 有力な根拠となっていました

以上です

いやいや 大変引き込まれる話でしたね

何も知らない人が この話を聞いたら

私が鑑定結果を書き換えたように 信じてしまいそうだ

ハハハハハハ

だが それは真実ではない

確かに 毒の鑑定については 少々時間がかかり

確かに 毒の鑑定については 少々時間がかかり

現場の混乱を招きました

特に 途中から捜査に加わった あなたにはね

でも 全て説明できますよ

お聞きになりますか?

ええ ぜひ

事件発覚当初 現場で行われた 簡易検査の結果には

確かに ボツリヌストキシンに 反応がありました

確かに ボツリヌストキシンに 反応がありました

そして その情報は

現場の警察官たちに 周知されました

ですが そののち しばらくしてから→

現場から 新たに

タリウムが検出されたとの 報告があったのです

あなた そのこと知ってました?

いいえ

つまり ボツリヌストキシンと タリウム

両方が検出されていたと? そのとおりです

タリウムの検査には

タリウムの検査には

ICP-MSという 非常に特殊な機械が必要であり

他の毒物とは 一緒に検査ができません

そのため 改めて鑑定を行う必要が あったのです

法医学教室から遺体を引き取り→

科捜研において 非常に詳細に 調べてもらったのです

これは 当時 科捜研で行われた

薬毒物鑑定の正式な記録と→

弁護側から提出された 弁第10号証の鑑定書を→

弁護側から提出された 弁第10号証の鑑定書を→

並べたものです

ここに 糸井一家殺人事件における

薬毒物鑑定の結果が 記載されています

ご覧のとおり ボツリヌストキシンと タリウム

二つの検査が行われています

つまり 私も平塚先生も

決して 検査結果を

ねじ曲げてなんて いないんですよ!

遺体の血中に含まれていた ボツリヌストキシンの量は

遺体の血中に含まれていた ボツリヌストキシンの量は

致死量の わずか 100分の1以下でした→

人間が死ぬような量ではなかった

つまり ボツリヌストキシンは

死因とは 直接関係がなかったのです

この毒素は 食品内で自然に 発生することがありますので

まあ 飲食物の中に ごく微量に 含まれていたのでしょう

まあ 飲食物の中に ごく微量に 含まれていたのでしょう

事件と関係ない物質と わかった以上

二つの毒素が記載されているのは かえって誤解を招く

だから 捜査資料には 記載がなかったのです→

それだけのことです

これまでの経緯

あなた 何も知らなかったでしょ?

なるほど

それが あなたの作ったストーリーですか

それが あなたの作ったストーリーですか

しかし おかしな話ですね

弁護側が出した証拠と 検察側の証拠

どちらも 科捜研による検査で 全く同じ遺体を調べている

にもかかわらず なぜ こうも結果が異なるのか

どちらかがニセモノ ということでしょう

そして その答えは 火を見るより明らかだ

あなた方が提出した この書類

あなた方が提出した この書類

偽造書類ですよね! 異議あり

何の根拠もない 決めつけでの 質問は やめてください

根拠なら ありますよ

私が示した証拠は 科捜研から 正式に取得した書類です

改ざんのしようがありません

資料室から見つかった などという

あいまいな方法で取得した 書類より→

信用性が高いと思いますが

断言します

このような書類

このような書類

ねつ造しない限り 存在するはずがない!

存在するはずがない

ええ 違いますか?

では なぜ その存在するはずがない書類を

あんなに必死になって 探したりしたんですか?

何のことでしょう? 私が 探した?

裁判長 検事正は つい最近

裁判長 検事正は つい最近

科捜研の資料室に 出入りしています

6月の13日 午後7時から8時頃のことです

心当たりがあるはずですが

事実無根だ 何の根拠が

映像があります

あっ 防犯カメラのことかな?

だとしたら あの室内にはありません

だとしたら あの室内にはありません

ハハハハハ ハハハハハ

さすが よく把握されていますね

ですが違います

資料室内に設置された 別のカメラの映像です

弁護人 そのカメラ映像を 提出する予定はありますか?

はい 証拠取調請求書なら こちらに

(坂口)わかりました 検察官は急ぎ その映像を確認し→

ご意見を

はっ

はっ

それでは 映像を再生します その前に 裁判長

よろしいですか? 被告人の発言を認めます

何でしょうか?

この映像に関する 伊達原検事正の認識は

極めて重要です

異例とは承知していますが 被告人の立場から

異例とは承知していますが 被告人の立場から

伊達原検事正に 求釈明を させていただけないでしょうか

ただいまの求釈明ですが

当時のことを知る 被告人自身により行うことを

認めていただけないでしょうか

私たちが責任を負います

趣旨はわかりましたが

検察官 いかがですか?

裁判長がよろしいなら 私どもは かまいません

では この場での求釈明を認めます

では この場での求釈明を認めます

ありがとうございます

それでは まず こちらの映像をご覧ください

(映像を再生する)

(映像を停止する)

これは 伊達原検事正 あなたですよね?

ええ いや

今 思い出しました 確か…

古い未解決事件の資料を 見返したくて 探しに行きました

私が検事の間に 一件でも多く解決したい

その一心で きました

いや~ 古い資料を探すのには 骨が折れました

本当に そうでしょうか

(映像を再生する)

(映像を停止する)

あなたが探し当てた このファイル

何か書かれていますね

これは一体 何と書いてあるんでしょうか?

お答えに なられないんですね

では 赤峰君 この画像を拡大してみてください

ああ 「平塚」と書かれていますよね

(映像を再生する)

(映像を再生する)

今 ファイルから 書類を抜き出しましたよね

これは一体 何の書類でしょうか?

やはり お答えになりませんか

では…

よ~く

ご覧ください (映像を再生する)

(映像を停止する)

(映像を停止する)

見覚えがあるはずですよ そっくりではありませんか

弁護人請求証拠第10号証として 提出された この書類に

このあと あなたは 書類を持って出ていき

その後は一度も戻っていません

あなたは この書類を 何のために持ち出したんですか?

そして なぜ 先ほど

この書類が存在するはずがない などと断言したんでしょうか

やはり ご自分が持ち出し 確かに処分したからでしょうか

やはり ご自分が持ち出し 確かに処分したからでしょうか

(坂口) 被告人 ただいまの求釈明について

その趣旨を もう少し はっきりさせてください

失礼いたしました

では 順を追って 説明させていただきます

この事件の薬毒物鑑定を 担当された平塚先生は

すでに他界されております ですが 元部下の方によれば

亡くなる前 自らの過ちを後悔し

何かを託そうと されていたそうです

伊達原検事正は その情報を入手し

伊達原検事正は その情報を入手し

すぐさま探しに行ったんです

あとは ご覧いただいたとおり

かつて 自らが行った 改ざんの証拠を持ち出し

隠滅を図ったんでしょう

それが 私が用意した

ニセモノだとも知らずにね

ハハハハ…

ニセモノ… 伊達原検事正は

改ざんの証拠を 消し去ったと思い込み

さぞや ホッとしたことでしょう

ですが 実は 我々が一足早く資料室に入り

ですが 実は 我々が一足早く資料室に入り

証拠の原本を入手していました

しかし それを 裁判で提示したところで

あなたは いくらでも 言い逃れしたでしょう

現に先ほども 改ざん後の鑑定書を提示して

弁護側が出した この証拠こそが

ニセモノだと おっしゃっていましたよね

伊達原検事正 あなたが 平塚先生が残した鑑定書を

不都合な証拠だと考え それを自ら

消し去ろうとする瞬間を 捉えることが我々には必要でした

消し去ろうとする瞬間を 捉えることが我々には必要でした

そこで 部下に指示して この書類そっくりのニセモノを作らせ

資料室に仕込んでおいたんです

いずれ あなたが この書類を 探しに来ることを見越して

もちろん近くには 小型カメラも一緒に

違う

これは何かの間違いです!

そもそも 君の部下が 警察内部に侵入できるわけがない

ええ そうでしょうね 入れるのは限られた人間のみ

ええ そうでしょうね 入れるのは限られた人間のみ

例えば 警察内部の人間とか

もしくは

検察官とか

君か

緑川…

不正の疑惑がある人間に対し 真実を追い求めるのは

検察として 当然の使命ですよね

それが身内であれば なおさらです

だって

検察の恥ですから

ちなみに この件は

ちなみに この件は

検事総長も了承済みです

お二人に お話ししたいことがあります

白木さん

緑川検事

緑川検事

ごめんね この前は冷たいこと言って

菊池がいる手前 ああ言うしかなくて

あいつ どこ行っても ついてくるんだもん

私も伊達原を 信じ込ませるために

ギリギリまで明かすなと 先生に言われていました

じゃあ…

私と礼子と明墨は 司法修習の同期だったの

3人揃って検事になってね

伊達原の不正のこと

伊達原の不正のこと

礼子から最初に聞いた時は 信じてあげられなかった

《証拠は?》 《(桃瀬)えっ?》

《伊達原さんが 隠滅したっていう証拠だよ》

《それは…》 《噂ベースなら検証する価値もない》

《君も検事だったら もっと別に やることがあるんじゃないのか》

《ただでさえ犯罪者が 列をなしてるっていうんだ》

《聞いた相手が悪かったかもね》

《志水を自白させたの 明墨だから》

《志水を自白させたの 明墨だから》

《でも ごめん 礼子 私も ただの噂だと思う》

《伊達原さん あの事件で急に出世したでしょ?》

《やっかむ人も いるんじゃないかな》

(緑川)ようやく信じたのは 礼子が亡くなる直前

私と明墨に それぞれ ファイルを託してくれてね

そこからは もう死に物狂いだった→

伊達原の不正の証拠を つかむために

《明墨》

《配属の希望が通った》

《配属の希望が通った》

《伊達原と同じ 東京地検に配属になる》

《今は下っ端だけど 必ず伊達原の目に留まってみせる》

《礼子の思いは必ず果たす》

《俺は》

《検事を辞める》

《諦めるの?》

《内部から探っても 潰されるだけだ》

《内部から探っても 潰されるだけだ》

(緑川)明墨は検察の外から 私は 中から→

志水さんを救い出す 例の動画を捜すことになったの

(緑川)進展がないまま どんどん 時間だけがすぎた→

でも 羽木精工での 殺人事件をきっかけに→

全てが動きだしたの→

緋山が昔 住んでいた場所は 千葉県千葉市花見川区→

志水さんがぬいぐるみを 捜していた公園の場所から近い→

志水さんがぬいぐるみを 捜していた公園の場所から近い→

それで気になって調べてみたら→

緋山の口座には スピルドアからの 入金記録があったの→

入金時期も ちょうど12年前から

スピルドアや江越のことを 何か聞き出せるかもしれない

そう思って 入念に取り調べさせた

《(姫野)念入りに調べるのが 私の常でしてね》

だから あの事件 起訴するまでに時間が かかった

ホントは私が直接 緋山と話をしたかったんだけど

ホントは私が直接 緋山と話をしたかったんだけど

検察官の取り調べは録音が残る

12年前のことを聞いたりしたら

必ず 伊達原の耳に入る

それで 明墨先生に 弁護を頼んだんですね

じゃあ 正一郎の事件を担当したのも…

うん 私から買って出た 富田の不正を暴くことは

瀬古さんの不正に つながってるのもわかってたから

《あの映像の…》 《依頼人の虚偽を》

《暴いてくださいまして 感謝いたします》

《暴いてくださいまして 感謝いたします》

(緑川)細かいやり方は ともかく 明墨は見事に やってのけた

なら 伊達原が 江越に接触していたことも

あらかじめ知っていたんですか

(緑川)状況を理解したのは→

動画を削除されたあと

ショックなんてもんじゃなかった

何のために ここまで やってきたのかって

でも…

あなたたちが 毒の改ざんに気がついてくれた

でも 結局

改ざんの証拠は何も

そう だから 先生は

最後の一手に出たの

《頼みたいことがある 君にしかできないことだ》

《これを伊達原に渡してほしい》

《もう 話は つけてあります》

《彼女なら 伊達原の前でも うまく立ち回るだろう》

《一体 何をする気?》

《伊達原を法廷に おびき出す》

(白木)明墨先生が考えた作戦

それが 自ら逮捕されるってことだった

確かに 世間が注目する法廷の場で

伊達原を 追い詰めることができれば

もみ消しようがない証拠になる

それで

それで

(息を吐く)

このとおり

平塚先生が善意で残した 改ざんの証拠がある

そんな情報を聞き あなたは 科捜研から書類を持ち出した

この行為こそが あなたが改ざんをしたという

何より確かな証拠です

改ざん前の書類の存在を知って

それを廃棄しようとする人間が いるとしたら

それを廃棄しようとする人間が いるとしたら

それは 改ざんに関与した人間以外

考えられませんからね

殺人の重要な証拠である 鑑定書が改ざんされていた

この事実をもって

私は志水さんの 再審請求を行うつもりです

(傍聴席が ざわめく)

志水さんは あなたの不正によって

無実の罪を着せられた

この罪は

殺人犯を無罪にするのと どっちが重いんでしょうね

殺人犯を無罪にするのと どっちが重いんでしょうね

十人の真犯人を逃すとも

一人の無辜を罰するなかれ

裁判長 たった今 被告人によって示唆された

裁判長 たった今 被告人によって示唆された

別事件の 証拠改ざんの疑いにつきましては

検察庁として その真偽を 責任持って明らかにいたします

(傍聴席がざわめく)

(瀬古)本日 明墨弁護士の裁判で 疑惑が明らかになった

12年前の証拠改ざんについて 強く再調査を願います

(麻希)もし 疑惑が事実ならば ご自身が下した判決は

(麻希)もし 疑惑が事実ならば ご自身が下した判決は

誤りだったことになりますが

はい そうなります

収賄に続いて 過去の誤審も 認めるということですか?

国民を裏切ったあなたが いまさら

伊達原検事正の批判ですか!? どうなんですか?

どう捉えていただいても かまいません

人は弱い だからこそ

人が人を裁くことの危うさが 司法には つきまとう

そのことを 決して忘れてはならないんです

一人の尊い命が かかっています

一人の尊い命が かかっています

どうか 慎重に 再調査を行っていただけるよう

切に願っています

ありがとうございました

瀬古さんの 勇気ある告発のおかげで

世論が大きく動きます

こうなれば 検察も

そして 司法界全体も 見て見ぬふりはできない

いえ 絶対にさせません

やっぱり 強い人ね

私に近づいたのも 桃瀬さんのためなんでしょ?

明墨と同期だってことも

嫌々 伊達原のところに いるのも知ってた

どうして そのことを伊達原に 黙っててくださったんですか?

うらやましかったの 同じ女性でも

伊達原のそばにいても あなたは

あなたたちは 自分の信念を曲げなかった

あなたたちは 自分の信念を曲げなかった

私のような弱い人間とは違う

あなたなら

やり遂げるわ

瀬古さんは 閉鎖的な司法の世界で

常に女性たちの先頭に立って 道を切り開いてきた

今も 過去の過ちと 向き合おうとなさってる

強い人だと私は思います

結局 あれから 緑川さんの尽力もあって

伊達原の起訴は決まったそうです

そうか 江越を尋問して

志水さんのアリバイ動画の存在と

それを伊達原に渡したことを 証言させたそうなんです

再審に通じる重要な証拠を 隠滅した罪としてなら立件できる

先生

僕ら 弁護側が出した あの証拠

あれは偽造したものですよね

あれは偽造したものですよね

平塚先生が 善意で残したものなんて

存在しなかった

緑川さんは 伊達原よりも先に

あの書類を 手に入れたわけじゃない

青山さんが作った偽造書類を 資料室に仕込んだだけ

フッ…

人の善意なんて たかが知れてる

ちゃんと わかってますよ

ちゃんと わかってますよ

記憶にありません

志水さんのアリバイを示す動画を もみ消したという

証言もありますが それについては 記憶にありません

記憶にないというのは

それは やったかもしれない ということでしょうか?

いえ 記憶にないということです

いえ 記憶にないということです

(倉田) その動画に志水さんらしい男が

写ってると報告を受け すぐに 伊達原さんのもとへ行きました

それで 被告人は何と?

動画は 発見されなかったことにしろと

それで あなたは指示どおり 隠滅を行った

はい (緑川)最後に→

被告人に 何か言いたいことはありますか?

いえ ただ…

動画を見る瞬間まで 伊達原さんは

動画を見る瞬間まで 伊達原さんは

志水さんが ホントに犯人だと 信じていたんだと思います→

あんなに動揺している姿を 私は初めて見ました

犯罪者を憎むがあまり

刑罰を与えなければという 使命感のあまり

行きすぎた正義感が 暴走してしまうことが

我々にはある

ですが

ですが

それも全て言い訳です

伊達原さんと私は

国家権力の盾を利用して→

自分たちの都合のいいように

物事を 動かしていただけなんです→

それが 無実の人を苦しめ→

真犯人を逃すことになった

残りの人生をかけて償っても

到底 足りるものではありません

到底 足りるものではありません

志水裕策さんと そのご家族の皆様

信頼を裏切ってしまった 国民の皆様に

深く

深く謝罪いたします

あなたは12年前 被告人の部下として

志水さんの事件に 関わっていましたね

はい 今のお気持ちを

お聞かせ願えますか?

ずっと 後悔してきました

否認し続けていた志水さんを 自白に追い込んでしまったことを

否認し続けていた志水さんを 自白に追い込んでしまったことを

志水さんの自由と尊厳を奪い

家族との絆を 壊してしまったことを

この罪が消えることはありません

私が初めて 志水紗耶さんに会ったのは

まだ 母親の早苗さんが ご存命だった頃です

早苗さんは まだ5歳だった紗耶さんを連れて

千葉地検を訪れていました

千葉地検を訪れていました

《(早苗)あの》

《はい》 《志水裕策は…》

《面会ですか? それでしたら今は》

《弁護士以外には 認められていませんので では》

《あの!》

《志水裕策は》

《本当に 人を殺したんでしょうか》

《本当に 人を殺したんでしょうか》

《検察は そう考えています》

《(紗耶)違うもん!》

《パパは優しいもん》

《悪い人なんかじゃない!》

《紗耶 もう帰ろう》

《パパに会いたいよ》

《パパに会いたい》

父親を信じ 帰りを待ち続けた 彼女の希望を奪ったのは

我々です

彼女は誰よりも家族を求めていた

《(紗耶)先生のこと ホントのお父さんだと思うんだよ》

《ミルとマメの お父さんと お母さんだから》

《私たちも親戚だ》

《そうだな》 《ハハハッ やった~》

《やった~ マメのおかげで 私にも新しい家族ができたよ》

伊達原さん

あなたが娘さんとすごした この12年間

どうでしたか?

さぞ 幸せだったことでしょう

ですが それは あなたが 志水さんと紗耶さんから奪った

人生の上に成り立っているんです

戯言だよ バカバカしい

きれいごと言うな

競い合い 奪い合う

それが この世の中だ

守りたいものを守るためには 他人を蹴落としてでも

勝ち上がるしかない! (橋本)被告人は勝手に

話さないでください 志水は

容疑をかけられるだけの 原因があった

横領に手を染めた犯罪者だぞ!

社会的信用を失い 家族を失って当然だろう

それを全て 私のせいにするのか!

この社会は 一度でも道を踏み外した者に

この社会は 一度でも道を踏み外した者に

二度とチャンスを与えない

誰もが勝ち上がるために 必死な世の中で

足を踏み外した人間は 踏みつけにされる

それが 真理だ

現実なんだよ!

その同じ言葉を

娘さんにも言えますか?

ふとした瞬間 意図せず 足を踏み外すことは

誰にでもあります

その時 彼女が 踏みつけられたとしても

父親として そう言うんですか?

仕方のないことだと それが世の中だと

確かに あなたのおっしゃるとおり

この世の中は ちっとも公平なんかじゃない

何の落ち度もなく 命を奪われる者がいる

何年 何十年と 悪事を重ねても隠し通し

何年 何十年と 悪事を重ねても隠し通し

富と権力を 欲しいままにする者もいる

こんな不平等な世の中で

誰もが気づかないうちに 自分の物差しで

人を裁き 罰を与えている

時には 二度と立ち直ることが できないぐらい厳しい罰を

本当に恐ろしいことですが これが現実です

だって

人は 人を裁くことが

快感ですからね

法律とは一体 何なんでしょう? 我々は法律によって白か黒かを

公平に判断することができます

ですが それも しょせん 人間が作り上げた尺度です

法によって白となったことが 本当に白なのか?

黒の奥には 実は

限りない白が 存在しているのではないか?

それを考え続けることこそが

こんな世の中をつくってしまった 我々の役割なのかもしれません

ハハハハ…

ブラボー! ハハハハ…

傑作だね

さんざん 法を犯してきた君が

それを言うとは 大切な人を守るためなら

誰しも 人を殺す

誰しも 人を殺す

確かに 今の私は殺すでしょう だが それだけではありませんよ

地獄へと引きずり下ろし

二度と はい上がれないよう 見張り続けます

あなたが自分の罪を悔い 償いたいと思う その日まで

共に

地獄に落ちましょう

遅れるよ はい はい 行ってきます あっ 気をつけてね

行ってらっしゃい あっ ねえねえ ねえねえ

もう手提げ忘れてる 気をつけてね (青山)ああ 手提げ はい

(麻希)前回の公判では 否認を 続けていた伊達原被告ですが→

今回の裁判では一転 罪を認める発言がみられました→

証拠動画の隠蔽に 薬毒物鑑定書の改ざん→

これらの罪を認めたとなれば 志水さんの再審に向けて→

大きく事態が動くのは 間違いありません

世間からも 大きな注目が集まっており

世間からも 大きな注目が集まっており

再審を求める声も かなり多くなっています

これで先生が いつ帰ってきても 迎えられますね

ええ

《ここにも警察が来るでしょう》

《あなたは全て話して かまいません》

《わかりました》

《わかりました》

《俺 感謝しています》

《犯罪者の俺なんかを 志水さんのために》

《協力させてくれて》

《私は あなたを 利用したまでです》

《それに勘違いしない方がいい》

《人を助けたからといって》

《あなたの罪が 軽くなることはありません》

《犯罪者は 希望を持つべきじゃ ないんですかね》

《犯罪者は 希望を持つべきじゃ ないんですかね》

《被害者遺族のことを考えれば 当然でしょうね》

《あなたが傷つけた人々に》

《何を思うか どう行動するか》

《目を背けず 向き合い続けることが》

《あなたに残された使命です》

《必ず生きてください》

《必ず生きてください》

緑川さんの協力もあって まもなく 勾留が解かれることになると思う

虚偽告訴幇助の件も 再調査が行われる見込みで

飛鳥 俺の弁護を降りろ

何で? 正当な裁判をしてもらうために

何で? 正当な裁判をしてもらうために

別の弁護士を依頼する

私じゃ 頼りないってこと?

違うよ

娘に守られる父親なんて

かっこ悪いだろ

わかった

わかった

でも また来るから

お父さん

礼子

私たち

頑張ったよね

頑張ったよね

志水裕策さんの 再審が決定しました

パパ

おかえりなさい

(志水)ただいま

紗耶

そうか 無事 釈放されたか

そうか 無事 釈放されたか

再審は これからですが 必ず無罪を勝ち取ります

ありがとう

ここまで これたのは 君たちのおかげだ

ずっと

気になっていたことがあります

なぜ

僕を事務所に 入れてくれたんですか?

僕を事務所に 入れてくれたんですか?

初めて 君を見た時

《直ちに退廷を命じます》

《あなた方が そこにいるのは》

《罪のない人間に 罪を着せるためですか?》

《法に携わる人間が 人々の信頼を背負っていることを》

《忘れてはダメです!》

《法廷に立つ者の それが誇り なんじゃないんですか? ねえ!》

《(桃瀬)「私たちが」》

《(桃瀬)「私たちが」》

《「司法の信頼と誇りを」》

《「取り戻せますように」》

君の その信念が

志水さんの冤罪を晴らすための 力になると思った

人は ふたとおりに分かれる

真実と向き合う者と

そこから 目を背ける者

君は

見込んだとおりだった

君は言ったよな

大事な人を守るためなら

人を殺すと

はい

必ず やり遂げてくれると思っていた

君を部下に持てたことを 誇りに思う

あの裁判から

ずっと考えていました

法律とは一体 何なのか

罪を償い やり直すためにあるのが法律だと

前まで思ってました

でも 今は知ってます

罪を償ったからといって

許してくれるほど 世の中 甘くない

公平でもない

そんな不条理と戦うために

アンチヒーローが 必要なのかもしれません

だから 今度は僕が

あなたを無罪にして差し上げます

あなたを無罪にして差し上げます

それでは もう一度お聞きします

ここからは よ~く考えてから お答えください

あなたは本当に 人

殺したんですか?

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