Afrikaans
Akan
Albanian
Amharic
Armenian
Azerbaijani
Basque
Belarusian
Bemba
Bengali
Bihari
Bosnian
Breton
Bulgarian
Cambodian
Catalan
Cebuano
Cherokee
Chichewa
Chinese (Simplified)
Chinese (Traditional)
Corsican
Croatian
Danish
Dutch
Esperanto
Estonian
Ewe
Faroese
Filipino
Finnish
Frisian
Ga
Galician
Georgian
German
Guarani
Gujarati
Haitian Creole
Hausa
Hawaiian
Hebrew
Hindi
Hmong
Hungarian
Icelandic
Igbo
Interlingua
Irish
Italian
Javanese
Kannada
Kazakh
Kinyarwanda
Kirundi
Kongo
Korean
Krio (Sierra Leone)
Kurdish
Kurdish (Soranî)
Kyrgyz
Laothian
Latin
Latvian
Lingala
Lithuanian
Lozi
Luganda
Luo
Luxembourgish
Macedonian
Malagasy
Malay
Malayalam
Maltese
Maori
Marathi
Mauritian Creole
Moldavian
Mongolian
Myanmar (Burmese)
Montenegrin
Nepali
Nigerian Pidgin
Northern Sotho
Norwegian
Norwegian (Nynorsk)
Occitan
Oriya
Oromo
Pashto
Persian
Polish
Portuguese (Brazil)
Portuguese (Portugal)
Punjabi
Quechua
Romansh
Runyakitara
Samoan
Scots Gaelic
Serbian
Serbo-Croatian
Sesotho
Setswana
Seychellois Creole
Shona
Sindhi
Sinhalese
Slovak
Slovenian
Somali
Spanish
Sundanese
Swahili
Swedish
Tajik
Tamil
Tatar
Telugu
Thai
Tigrinya
Tonga
Tshiluba
Tumbuka
Turkish
Turkmen
Twi
Uighur
Ukrainian
Urdu
Uzbek
Vietnamese
Welsh
Wolof
Xhosa
Yiddish
Yoruba
Zulu
(青年の声) ソーシャルディスタンスって言葉を
初めて聞いたのは いつだっけ
距離を取ることで自分を守る
それは物理的にも心理的にも 有効なはずだ
でも…
(亮平(りょうへい))純(じゅん)くん!
(純の声)高校生はお構いなしだ
幼なじみの亮平は 特に距離感が ぶっ壊れている
(亮平が話す声)
(教師)点Cを通過した瞬間の 小物体(しょうぶったい)bの速さを求めよ
ただし 摩擦(まさつ)はゼロとする
(純)学校は“ただし摩擦は ゼロとする”に満(み)ちあふれている
あいつは ああだから こういうヤツ
そう決めることで 世界を簡単にしている
(小野(おの))茉奈(まな)の友達が 男 紹介してほしいんだって
(蒼汰(そうた))マジ!? (亮平)やりました!
(純)男子高校生にとって セックスは生殖(せいしょく)行為ではなく
自らの地位を高める社会活動だ
その点で 小野は このクラスの王
(小野)安藤(あんどう)って彼女いんの?
(純)え?
あ… いや
(小野) じゃあさ こっちの子どう?
(亮平)お?
(純)僕は…
こっちのほうが好みかな
(亮平)純くん
(小野)それ俺の彼女!
(亮平)分かる! 分かるけどぉ だけど
(純)怪しい新興(しんこう)宗教の集会に 参加させられた気分
いっそ洗脳(せんのう)されて改宗(かいしゅう)できれば 楽なんだけど
そうはできないから バレないように距離を取る
電車で乗り継いで35分
この距離が 僕を本当の僕にしてくれる
(純)その時 彼女との距離0.1ミリ
…って なんの映画だったっけ
誠(まこと)さんが好きだって言ってた映画
(純)すいません
(純)0(ゼロ)ミリだと やはり悲劇だ
この子は たしか…
三浦(みうら)… さん?
安藤くん…
(誠)あぁっ…
(純)その時 彼との距離0.01ミリ
(純)んっ…
これも互いを守る距離
(2人の荒い息)
(誠)ふっ
ファンタジーだね
初めてなのに すんなり入って
純は大変だったもんな
(純)やめて!
(誠)ねえ
今度 こんなふうに襲ってみてよ
(純)絶対やだ
たまには押し倒してみてよ
結構 好きかも
ねえ
これ言ってみて
絶対やだ 絶対言わない
(誠)なんだよ
どんな子? この持ち主
(純)知らない
(誠)同じクラスの子って 言ってたじゃん
(純)ほとんど話したことない
なんか 悩みなさそうな感じ
(三浦) 何 考えてるか分かんない系です
真顔(まがお)で 人刺(さ)しそう的な?
秘密にするって言ってましたけど 新刊 人質に取られたし…
どうすりゃいいんすか 姐(ねえ)さん
(誠)心配だな
秘密の共有は 人を親密にするから
(純)何それ
(誠)純と急接近するかも
(純)ありえないよ
(純)だって
彼女が好きなものは
ホモであって僕ではない
(セミの鳴き声)
(生徒たち) おはようございまーす
(亮平)純くん! おはよー!
(純)うわ… 汗くさっ
(亮平)うそ ちゃんと拭(ふ)いたんだけどな
(小野)お前ら ほんと仲いいな
(亮平)あっ そうだ今宮(いまみや) 監督が昼休み来いって
なんか練習メニューが なんとかって
(今宮)めんどくさ!
(亮平)ねえねえ
三浦さんって美術部だよね?
(三浦)あぁ うん
俺 パラパラ漫画 得意なんだけど
今度 勝負しない?
(三浦)え? なんで? やだ
(亮平)えぇ… やだ? やだ? (今宮)普通に嫌でしょ
(亮平)えー なんで? お願い! 1回 勝負してよ
お願い お願い お願い
俺ほんとに すごいのパラパラ漫画 やったことある?
俺 ほんっとにうまくて
こんな滑(なめ)らかな動き できんの
(今宮)絶対 ウソ (亮平)できたらすごいでしょ?
(亮平)ね? だから1回 勝負しよ
(店内に流れる ポップミュージック)
(三浦)誰にも言ってないよね?
(純)え?
(三浦)誰にも言ってないよねって
(純)あっ うん
(三浦)はぁー…
あぁっ
(ファスナーを開ける音)
(三浦) 安藤くんて タバコ吸うの?
(純)いや… 吸わない
親が吸うから におい付いたのかも
(三浦)はぁー
(純)え… そんな臭(くさ)い?
(三浦)いや
今日一日 生きた心地 しなかったから 安心した
“三浦がこんなん買ってました 三浦は腐女子(ふじょし)でーす”とか
言われるんじゃないかって
(純) そんなガキっぽいことしないよ
単に どんなものか 読んでみたかったから 借りただけ
(三浦)小野くんとかと仲いいし
(純)一緒にしないで
亮平が小野と仲いいから たまに話すくらいで
(三浦)中学の時 友達全員いなくなったんだ
女子のリーダー的な子に 私が腐女子だってバレて
“え キモ”って
3文字だよ?
“え キ モ”
私の中学生活 それで終了
滅(ほろ)びの言葉かよ
ホモを嫌いな女子なんて いないんじゃなかったっけ
女子はみんな こういうの好きっていうか
みんな? み… みんなじゃないかもしれないけど
嫌いな人はいないっていうか
いや ほ… ほんとに違うの
ホモ好き女子を嫌いな女子は 大量にいるの!
(三浦)あ…
ス… ストロベリーソースの ベリーベリーパンケーキのお客様
(店員)ごゆっくりどうぞ
(三浦) 安藤くんは? どう思った?
(純)本の中身のこと?
それとも三浦さんが腐女子なこと?
(三浦)どっちも…
まあ
僕には関係ない世界だと思ったかな
ホモのことも ホモ好きのことも
やっぱ真顔で人刺(さ)す系だ
え?
(三浦)安藤くんって なんで そんなトゲトゲしてるの?
してないよ
してるよ
さっきも 小野くんと一緒にしないで とか
ホモ好きは関係ないとか
ホモって言葉
現実の男性同性愛者にとっては
侮蔑(ぶべつ)のニュアンスもある 言葉なんだからね
あんまり ホモホモ言わないほうが いいんじゃないかな
三浦さんも言ってたよね ホモ好き女子が なんとかって
それは…
安藤くんが先に言ったから
普段は言わないよ
(三浦)あっ 飲み物 取ってこようか?
(純)いや 用 終わったし もう帰るけど
ほら そうやって遠ざけようとする
なに?
安藤くんさ
今度の日曜って暇?
(店員)限定グッズは お一人様1個です
今からの方(かた)は 公園のほうへ お並びくださーい
(純)これ…
どれくらい並ぶの?
今日は…
2時間くらいかな
(三浦)姐(ねえ)さん!
(奈緒(なお)) 読んだんだよね“センショジョ”
感想は?
(純)あっ
あの…
ファンタジーだなと はい… 思いました
(奈緒)どの辺が?
その…
最初から うまくいくとか
(隼人(はやと)) そこ引っかかるよな 男的には
あんな簡単に入るもんなのかね
(奈緒)ほかには?
(純)あとは
2人の見た目が似てて
たまに どっちがどっちか 分かんなく…
(隼人)ディスるねぇ アンディ
(奈緒)んー それは単に描(か)き分(わ)けの問題だけど
いや 意外と鋭い指摘かも
恋愛対象が同性の場合
好きな人に 自分の見た目を寄せていくことは
可能だし ありえるよね だって好きなんだから
(三浦)うっふ 愛ですねぇ
(奈緒)うん 愛
(純)ちょっと…
(純)作者?
(三浦)違う違う
腐女子の なんていうか 師匠と
彼氏の隼人(はやと)さん
(奈緒)ねえ てか何? アンディって
(隼人)だって アンディ 安藤(あんどう)でしょ 彼
(奈緒)ふふっ つまんねー
(店内に流れるアニメソング)
(奈緒)これ めっちゃアツいよね (三浦)ヤバい…
(三浦たちの話し声)
(隼人) 全然リアルじゃねえんだよなぁ
本物のゲイには 奈緒より俺のほうが詳しいんだよね
俺 ヘアメイクの アシスタントやっててさ
ゲイの人ってセンスあるっつーか
敵(かな)わねえなぁって思うこと多くて
俺もゲイに生まれたかったよ
会ったことある? 本物のゲイ
(純)いや 分からないです
(隼人)そっか
でもね 見れば分かるよ
目が違(ちげ)えんだよね
(隼人)教えようか 見分け方
(純)いや 興味ないですよ ホモなんか
(隼人)え?
アンディって もしかして…
ホモフォビア?
(純)あ いや…
(隼人)違うか
ここでは シーな
(純)はぁ…
(三浦)まだヘソ曲げてんのかよ
(奈緒)そんなことないですよ
(三浦) 次の曲 お前のために歌うから
(奈緒)えっ それって…
(三浦) 気づいてなかったのかよ バーカ
(隼人)これと同(おんな)じ名前の ペンギンがいるんだって
(三浦)お前… 起きてたのか
(隼人)奈緒~! アシカ見たい アシカー
(奈緒)うっさいなぁ (隼人)アシカどっち?
(奈緒)アシカどっち?
(隼人)こっちかな? (奈緒)こっちじゃない?
(三浦)“これだから腐女子は” って思ってるよね?
(純)まあね
(三浦)だよねぇ
(純)ウソ 思ってないよ
(三浦)ウソ 絶対 思ったよ
(純)よく知らないけど
腐女子が みんな 三浦さんみたいな 子じゃないんでしょ?
だから思うとしたら
“これだから腐女子は”じゃなくて
“これだから三浦さんは”だよ
(三浦)より悪い…
(純)分かったふりしたくないだけ
物理の授業で
“ただし摩擦はゼロとする”って あるでしょ?
“空気抵抗は 無視できるものとする”とか
(純)複雑なことを無視して
世界を簡単にしたくないんだ
あ…
じゃあ また今日みたいなの お願いしてもいい?
まあ
たまになら
そんなに欲しいんだ? グッズ
本当の私を知っても
あの3文字 思わない人がいて嬉(うれ)しい
(男性)まさか君が BL(ビーエル)を好む女性と出かけるなんてね
(純)本当の自分を さらけ出してまでの頼みを
断れないよ
(男性)しかし彼 隼人くん?
全くデリカシーのないヤツだ
(純)僕は
さらけ出してないから
明かしてないのに 配慮しろなんて言えない
(男性)君らしい答えだ
(純)そっちは? 今日は何してたの?
(男性)海まで散歩したよ
(純)アイコンの海?
(男性)そう
早くこの海を渡りたいよ
(男性)性別や性的指向に 縛られない 自由な世界へね
(亮平たちの談笑)
(亮平)純くん 純くん! ちょっと来て
(蒼汰)安藤みたいなヤツが いちばん見てるから
(大和(やまと))絶対AV見てねえよ 興味なさそうだもん
(蒼汰)好きなAV女優 誰?
(亮平)いる? (大和)見てないだろ?
(小野)見んの? AVとか (亮平)見なくはないよ 純くん
(純)見るよ 見るよ
(蒼汰)ほらね! (亮平)そうなんだ
(蒼汰)意外と見てんのよ (亮平)意外と?
(純)男だからね
(大和)まあまあまあ 男だからな
(小野)まあ そうだよな そりゃ見るわ
(蒼汰)で 誰 誰?
(亮平)誰? 誰? 誰?
(純) えっと… でも誰とかではない
(三浦) 安藤くん いつも学食だよね
(純)え?
(三浦) 安藤くん いつも学食だよねって
(純)あぁ
うち母子家庭だから 弁当は
(三浦)ごめん…
今さら悩んでないよ
(純)座れば?
(三浦)何 聴いてたの?
(純)QUEEN(クイーン)
(三浦)おぉ 知ってる
(足と手で刻むリズム)
(ドンドン タッ)
(ドンドン タッ)
(ドンドン タッ)
(ドンドン タッ)
(ドンドン タッ)
え? 違う?
合ってるけど
ベタだなぁって…
(三浦)ねえ ほんと口(くち)悪い
じゃあ教えてよ ベタじゃないの
(三浦)結構 昔の人だよね 何で知ったの?
(純)あぁ 映画
これとか
(純)僕がQUEENを 知ったきっかけは
ミスター・ファーレンハイト
昔の音楽に詳しい大学生の彼と 出会ったのは
誠さんと 初めて つながった夜のことだ
(誠)気になる?
(純)手
かっこいい
(誠)触(さわ)られたい?
(純)初体験のことを 誰かに話したかった
あ 痛(い)っ…
中二病(ちゅうにびょう)かよ
(純)それ以来 彼とは定期的に やりとりをしている
兄のような存在だ
QUEENを気に入ったなんて 純の理解者になれそうじゃないか
(純)誠さんとのことを知ったら 軽蔑(けいべつ)するよ
現実のホモは汚いって
(男性)子持ちの既婚者なのに 高校生を抱く君の彼は
確かに汚いとも言えるね
(男性)おやおや 気分を害したなら謝るよ
(純)君は
いつか結婚したいとか
子供が欲しいとかは思わないの?
(男性)僕はコウモリのようには 生きられないな
ある時は獣(けもの) ある時は鳥のふりをする生き方はね
(純)そっか…
(みづき)純くーん? (ドアが開く音)
(みづき)あっ! いないのかと思った
(純)いたよ ノックしてよ!
(みづき) “ただいま”って言ったもーん
彼女?
(純)違うよ
(みづき)ふふふ
(純)アマゾンから何か届いてたよ
(みづき) あー エッグスタンドかな
(純)は?
(みづき)こういうさ
こう卵を載せるやつ
(純)一生 使わないよ
ねえ いつだっけー?
卵たくさん落としてさーあ
台所ビッシャビシャにしたの
(純)覚えてない
ん~?
あーあ
遠い昔のよう
母親に秘密を持つお年頃かぁ
(純)はぁ…
(みづき)ん~? ふふふ
(亮平)あのさ 今度の連休の初日
よみうりランド行かない?
(純)え なんで?
(亮平)なんでって そりゃ楽しそうだから
俺と小野っちと 小野っちの彼女と
ねっ 行くっしょ?
(純)でも僕 小野と そんな仲よくないよ
(亮平) これで仲よくなったらいいじゃん
純くんさ
彼女もいない 友達も少ないで 高校生活 終えるわけ?
小野っちと仲よくなったほうが 絶対 楽しいしさ!
高校生らしいことしようぜ なっ?
(純)分かったよ
(亮平)よっしゃ
あっ 今宮と三浦も来るから よろしく
(純)えっ?
(不気味な効果音) (三浦)うあぁぁぁ!!
(純)痛(いった)っ…
行こう
無理
行こう!
無理!
そんなに苦手なら やめとけばよかったのに
(三浦)やだ…
私だって楽しみたい
(純) そんなんじゃ楽しめないでしょ
(不気味な効果音)
(三浦) こうなるのを楽しむ所でしょ
わぁぁぁっ!!
あぁっ はぁ…
あー ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい…
(純)なんで謝ってんの
(三浦)はぁ…
(男の子)全然 怖くなかったね
(三浦)ぎゃぁぁぁー!!
(今宮)えぇー
大丈夫? リタイアしなかったの?
(亮平:小声) 小野っち! 頼んだよ
小野っちの ここに 懸かってるんだから
(小野)何がだよ は?
(亮平)任せた (小野)は?
(亮平:小声)純くん
揉(も)んだ? いったでしょ
(純)揉んでないよ
(亮平)何やってんだよ! もう (純)痛(いった)っ…
(亮平)はい! 次 行こう 次
(亮平)よっしゃー!
じゃあ 俺 今宮と乗るから
小野っち じゃあ 彼女さんと
純くん 三浦と乗ればいいでしょ
(小野)いや
俺 安藤と乗るわ
(小野)お前 三浦と乗れよ
(小野)6名です (係員)6人で どうぞ
(小野)気づいたんだけど 安藤って三浦に興味ないでしょ
(純)えっ
いや…
(小野)いいよ 無理すんなって
ほかに好きな人でもいんの? 彼女いないんでしょ
(純)別に今は いらないから
来年 受験だし
(小野)真面目だなぁ おい
まあ でも それ聞いて安心したわ
亮平 三浦のこと好きじゃん?
(純)えっ?
(小野)え?
知らなかったのかよ
俺より付き合い長(なげ)えんじゃねえの?
薄々 気づいてっと思うけど
今日のこれ 三浦が亮平に相談したんだよ
告(こく)るきっかけ作ってほしいって
あいつ 混乱してたわ
“俺 どうしたらいいか 分かんねえよぉ…”って
(純)そうなんだ…
(小野)その様子なら断るよな?
なら 俺らでタッグ組まね?
あいつら くっつけようぜ
あのアホ 俺らが 面倒みてやんねえと やべぇじゃん
(亮平)なんだよ
なんの?
全然 分かんない
(今宮) じゃあ私 亮平と乗ろうかな
(亮平)そうしよう!
(小野)いや 亮平 三浦と乗れよ
(亮平)え?
(小野)なっ? 安藤
(純)うん 僕 まだ今宮さんと乗ってないし
(今宮)あぁ… じゃあ そうする?
(係員) ゴーゴーゴー バンデット!
(三浦)バンデット! (亮平)バンデット!
(亮平)ほー!
イエーイ!
(歓声)
(亮平) 乗る前の威勢(いせい) どこ行ったの?
(小野)全然 大丈夫
(亮平) ちゃんと撮っておいて 今宮
この顔さえあれば どんだけ ケンカしても小野っち許せる
しっかり撮っておいて
(茉奈)じゃあ一緒に (今宮)一緒に乗ろう!
(今宮) これでいい? これでいいや
(亮平)小野 乗って じゃあ 行こう
(今宮・茉奈)お願いしまーす
(係員のアナウンス)
(亮平)おーらぁ~!
(茉奈たち) やばーい! やばい やばい
見てて酔いそう
(茉奈)死んでる 2人とも
(係員) ご乗車ありがとうございます
扉は係員が開けに参りますので 座ったまま お待ちください
(亮平)あぁぁぁ…
(一同)わぁっ!
(三浦たち)頑張れ! いけ!
(拍手)
(亮平)落ちろ!
(亮平) 2 2 2で乗るでしょ? ね?
小野っちは彼女と じゃあ 2人で楽しんでください
それじゃ どうしよ…
(小野)お前 そこで乗れよ
(亮平)いや いいよ
ここ こうしようよ
ねっ 今ちょうど そう分かれてるし そうしよ
(今宮)じゃ 私と乗りますか
(亮平)そうしましょう!
(今宮)あっ こっち見た
イエーイ!
(今宮)話しなよ! 話しな (亮平)いいから 俺らはいいから
(今宮)絶対 緊張してるよ (亮平)ねっ
(三浦)ふふふっ
(三浦)亮平くんって 昔から ずっと あんな?
(純)あぁ うん
(三浦)いつ知り合ったんですか?
5歳の時かな
母さんと こっちに越してきて
友達もいなくて
公園で初めて 声をかけてくれたのが 亮平
妄想してる?
(三浦)ふっ
してない!
(純)ダダ漏れだよ
ですよね
亮平
いいヤツだよ
うん
えっ?
あ いや…
本当は
てっぺんになったらって 思ってたんだけど
たぶん また
視線 感じて 緊張しちゃうから
今 言うね
(純)三浦さん
私
安藤くんのことが…
(純)僕は…
(亮平)ほら 見てこれ!
そのために これ “Tuesday(チューズデイ)”着てきてんだから
チューさせたいから
(今宮) あははっ よくない よくない
(亮平)小野っちぃ
(亮平)あいつら あいつら そろそろよ
えっ…
泣いてる? 三浦
(今宮)え… どういうこと?
もう告(こく)ったってこと?
(亮平)なんで泣いてんの?
(亮平)めちゃくちゃ 泣いてるもん だって…
(ヒソヒソ話す声)
(今宮)しょうがない 頑張った!
(亮平)えっ…
(茉奈)オッケー?
(三浦)オッケーだって
(今宮)えっ… えぇっ?
じゃ なんで泣いてんの?
(亮平)よかったな (茉奈)ねっ
(純)三浦さん
僕は…
(純)ホモだ
三浦さんのことが好きだ
だから…
だからって…
よろしくお願いします
諦めたくない
(亮平)おーい
もう泣かせんなよ
(亮平)おめでと
(今宮)嬉しいよね おめでとー めっちゃ嬉しい
(足音)
(三浦)私は断然 マルス攻(ぜ)めの モリエール受けなんだけどさぁ
ブルータス受けの…
ジョルジュ攻めも悪くないよね
(純)三浦さんの絵 どれ?
(三浦)安藤くんはどう思う?
(純)これ?
(三浦)あっ! ちょっとダメ!
まだ全然 途中だから
(純)美術室に来てって言ったの 三浦さんだよ?
(三浦)それは…
迎えに来てほしい的な そういうアレだから
絵 見てほしいとかじゃないから
帰ろっ はい
(純)え?
(三浦)姐さんが 今度4人で出かけようって
(純)また限定グッズ?
(三浦)違う
ダブルデート
(純)うん どこ?
(三浦)安藤くんに決めてほしいな
(純)分かった
考えとく
あ…
はぁ…
(男性)彼女はどんな子?
(三浦)これ
(純)かわいい子だと思う
(純)作ったの?
ありがとう
あっ 見た目はその…
気にしないで
おいしそう
(三浦)ちょっとぉ 恐る恐る食べないでよ
(純)こんなかわいい子と 付き合える僕は
幸せ者だとも思う
でも 客観的なんだ
好きなんだけど 誠さんの好きとは違う
ラブとライクの違いみたいに
(三浦)あぁっ… 全っ然 分かんない
0と1ってさ 受け攻め はっきりしてるよね
(純)は?
(三浦)0が受けで
1が攻め
バカなの?
2は受け
3 受け
4 攻め
5 6受け
7…
7は?
攻め?
(三浦)だよね!
攻め
8
ふふっ はい 露骨(ろこつ)
9は 攻め
6対4かぁ
もう一人 攻めがいると バランスいいのに
0から9まで全部 男の時点で バランス最悪だけどね
ふふふっ
(三浦)はーあ
腐(くさ)れ話(ばなし)したら 少し元気 出た
(純)じゃあ この問題
ねえ 安藤くん
勉強 教えてくれるの 嬉しいんだけどさ
次から 場所…
安藤くん家(ち)とかじゃダメ?
(男性) ラブとライクの違いじゃない
勃(た)つ好きか 勃たない好きかだ
(店員)では ご用意いたします (男性客)よろしく
(誠)13時ならいける
うん 会議室 用意しといて
あぁ 今 会食中なんだ
うん じゃあ よろしく
(誠)何? ニコニコして
(純)ここ
(誠)え?
(誠)早く言ってよ…
かっこつけて電話してたのに
(純)誠さん 来週なんだけど
(誠)ごめん
来週末は家族サービスで温泉
なんか テレビでやってたんだって
これ 知ってる?
(純)僕も来週はダメだったから
(誠) 今日はその分 ゆっくりしよう
(純)誠さん
奥さんのこと
愛してる?
どうした 急に
(虫の鳴き声)
僕の
…ことは?
僕と奥さんが川で溺(おぼ)れてたら
どっちを助ける?
純 なんかあった?
彼女を
作った
俺の予想が的中したんだね
おめでとう
(誠)嫉妬(しっと)するな…
(虫の鳴き声)
(玄関ドアが開く音)
(三浦)おじゃまします
(ドアを閉める音)
(純)スリッパ これ (三浦)あっ ありがとう
(純)荷物 適当に
(三浦)あっ… うん
(三浦)あっ ニモ
(三浦)かわいい 安藤くんの?
(純)母さんが急に買ってきた
エサあげてみる?
(三浦)うん
(ふたを開ける音)
(男性) なぜ普通になりたいんだい?
(純)家族が欲しい
(男性)ほかには?
(純)いつか 自分の子供が欲しい
(男性)ほかには?
(純)母さんを
安心させたい
(男性)ほかに
(純)みんなに 気持ち悪いって思われたくない
(男性)ほかに
(純)もうないよ
(男性)本当かい?
純
純
(純)自分を
んっ…
気持ち悪いって思いたくない
(純)ごめん
(三浦)いいよ
私も まだ ちょっと怖いし
やっぱファンタジーだね 最初から うまくいくとか
(純)普通のセックス
できなかった
(男性) 君の挑戦は応援してたんだけどな
(純)名前を呼ばれた時
自分がどういう人間か
身体(からだ)が思い出してしまった
普通じゃない
異常な側の人間だって
(純)えっ…
(亮平)今日 一緒に帰ろうぜ
(純)部活は?
(亮平)試験休み
オーケー?
おねしゃす!
ふふっ
小野っち 話せよ
安藤 三浦とはどう?
どうって 何が
ヤったかってこと
んなこと聞いてねえよ
いいじゃんか
ヤった? ヤった?
やろうとは… した
(亮平)やろうとはしたって どういうこと?
挿(い)れる前にイっちゃったとか?
まあ そんなとこ
(亮平)マジかよ…
(亮平)情けねえよ 純!
純 しっかりしろ!
(純)やめろよ
(亮平)小野っち 先輩として レクチャーしてやってよ こいつに
(小野)やだよ
(小野)まあ でも そんな感じならよかったわ
じゃ 俺ちょっと 彼女 呼んでっから
(亮平)おう
(小野)じゃ
(亮平)じゃ
(亮平)ごめんな
いや
小野っちのヤツ なんか すっげぇ心配しててさ
純くんが好きでもねえのに⸺
三浦と 付き合ってるんじゃないかって
だとしたら許さねえって 息巻(いきま)いちゃってさ
亮平
実はさ
実は僕…
(亮平)あ!
(亮平)小野っちが なんか 余計なこと言ってたんでしょ?
俺が三浦のこと好きだとか
それ全っ然 気にしてないから
てか そこまで マジのやつじゃないって
それにさ
好きな人が その好きな人と 一緒にいるの見たら
吹っ切れるっしょ 普通に
そういうもん… かな
(亮平)おう
俺は もう吹っ切れた
今宮狙(ねら)いだから
俺 今
だから頼んだよ!
(純)何が?
(亮平)いや 今回 マジ ガチなのよ
ほんとに協力して お願い!
(純)でも僕 何もできないよ 助けられない
(亮平)頼むよ! なんとか
(みづき)純くーん (ドアが開く音)
ノック!
彼女?
違うよ
(館内に流れる太鼓や笛の音)
(三浦)ねえ 何か気づかない?
(純)え… 何かって?
(走ってくる足音)
(奈緒)久しぶりー! (三浦)あっ
(隼人)あれー? 紗枝(さえ)ちゃん いつもと髪形 違う?
(三浦)え?
(奈緒)あっ ほんとだ! かわいい その感じ
(隼人)超かわいい
(三浦)ありがと~
(純)ごめん
(三浦)あれ? なんかすごい荷物
(奈緒)あー ちょっと午前中 コスプレイベントあってさ
(三浦)あっ へえ~
(奈緒)行きますか
(三浦)んっ
(隼人)足首に鍵つけんのって ゲイのサインなんだって
(純)へえ…
(隼人)案外 多いのな
(誠)なんで ここにいる
ダブルデート
俺が来るの知ってたよね?
(誠)まあ いいか
思いがけず会えたし
(窓を叩く音)
息子
サウナに2人いたよ ゲイ
俺も試しに 足首に鍵つけてみたらさ
めっちゃ見られた
こんなとこでの話じゃねえよ
(誠)くそノンケ
あー…
もう全員 そうに思えてきた
(奈緒)お待たせー!
じゃーん
(三浦)どう?
(純)かわいい!
(奈緒)え…
今 かわいいって言ったよね
えっ 今 かわいいって言ったよね?
おー! やったじゃーん
(三浦)ありがとー (奈緒)イエーイ!
(純)えっ? (三浦)あっ
(三浦)惜しい
(三浦)ほっ
(的(まと)が倒れた音) (2人)おっ!
(三浦)やったぁ!
(店員)はい 2等賞ね ドリンク無料券
(2人)ありがとうございます
(占い師が話す声)
(占い師)現在は
これは恋人という名前のカードで 愛情を表します
お二人は もうカップル?
(三浦)そうです
(三浦)大丈夫? (純)大丈夫
ほらぁ
(三浦) 今度は2人でデートしようか
うん
(三浦)順番おかしかったね
デートもしたことなかったのに
私 この前のこと
全然 気にしてないから
これは ファンタジーじゃないし
ゆっくりでいいと思う
そうだね
(スマホのバイブ音)
(男性)純
僕は海を渡るよ
僕らを縛るもののない 自由な場所へ行く
(男性)つまり
これは遺書だ
(三浦)どうかした?
(純)なんで…
(三浦)安藤くん?
(遠ざかる足音)
(男性) ずっと前から考えていたんだ
だから君が気に病(や)むことはない
その日が来ただけ
最後に純 頼みがあるんだ
(誠)純
どうした?
(誠)彼と会ったことはあるの?
(純)僕が…
異常だとか言ったから…
(誠)純のせいじゃない
(純)なんで僕たちみたいな人が 生まれてくるの
なんで僕たちみたいな人が 生まれてくるの!
(誠)もうしゃべるな
(周囲の音が消える)
どういうこと?
(三浦)その人は誰!?
なに 何者!?
(誠)君 落ち着いて…
うるさい おっさん黙ってろ!!
答えてよ
(純)別にいいじゃん
好きなんでしょ
ホモ
(純)分かってる
彼女が好きなものは
僕であってホモではない
(すすり泣き)
(遠くから聞こえる電車の走行音)
(玄関ドアが開く音)
(ドアが閉まる音)
(みづき)おかえり
遅かったね
(ドアを開ける音)
(ドアを閉める音)
(小野たちの談笑)
(亮平)おっはよー 純くん!
(亮平) どうしたの 元気ないじゃん
ねえ ねっ
はあっ!
ごめんごめん ごめんごめん
彼氏の股間(こかん) 勝手に触っちゃった
(教師)古文の世界では よく主語が省略されることがあって
(教師の声が続く)
(スマホのバイブ音)
(小野)そういえば フミキ
今度の試合 スタメン外れるらしいぜ
(部員)はあ? マジで?
(小野)監督が言ってたんだよ
(部員)初耳なんだけど えっ マジで? なんで?
あっ…
バッシュ忘れたわ
(部員)マジか
(小野)先 行ってて
(部員)分かった (小野)ごめん
(引き戸が開く音)
(引き戸を閉める音)
(三浦)ここなら 誰も来ないと思う
今日 部活休みだから
(純)三浦さん…
(三浦)あっ
ちょっとごめん
まず
私に先に謝らせて
昨日は私も冷静じゃなかった
そこはごめん
続けて
三浦さん
僕は
ホモだ
あの人は
僕の彼氏
奥さんと子供っぽい人と 帰ってくとこ見たけど
(三浦)不倫ってこと?
現実のゲイは みんなそうなの?
表(おもて)では女の人と付き合うふりして
裏で本当に好きな男の人と 付き合ってるの?
みんなじゃない
女の人と付き合うのは 世間体(せけんてい)のため?
違う それだけは絶対に
(三浦)じゃあ何?
(純)三浦さんは
いつか結婚したり
子供が欲しいって
思う?
(三浦)うん
僕もそうなんだ
結婚して
子供ができて
いつか孫ができて
家族に囲まれて死ぬ
僕もそういう幸せが欲しいって
思ってしまうんだ
三浦さんとなら
ちゃんと 付き合えるんじゃないかって思った
(純)でも…
僕は やっぱり
ホモだった
本当にごめんなさい
(三浦)何それ…
私はどうしたらいいの?
安藤くんを好きになって
そんな話を聞いても
今さら嫌いにもなれない私は どうしたらいいの…
(部員たちの掛け声)
(亮平)うあー! クソッ
(亮平)ダメだ 今日はダメだ
(小野)お前 知ってたのかよ
(亮平)え…
(小野)安藤のことだよ
(小野)安藤がホモだって話だよ!
(ノック)
(みづき) ごはん 食べなかったの?
(純)ごめん
今日 作ってない
(みづき)それは大丈夫
(みづき)あした 会社 休んじゃおっかなぁ
久々に 張り切って料理しちゃおっかな~
あしたは早く帰ってきなよー
ふぅ…
(生徒たち)マジで?
純くん おはよ!
今日の放課後 暇?
久々に一緒に遊ばない?
(純)今日は早く帰れって…
(蒼汰)亮平もやっぱ そっち系?
(大和)お前やめとけよ
(クスクスと笑う声)
聞いたの?
(亮平)純くん…
(蒼汰) うわ俺か やっちゃったぁ…
(大和)やったな
(三浦)どうしたの?
泣いてるの?
(純)最低だ
え?
どけよ!
(階段を下りる足音)
(足音)
(亮平)こんなとこ いたのかよ
(純)漢文 小テストだっけ
(亮平)知らね
小野っちが 純くんと三浦が 話してんの聞いてたんだよ
だから三浦のせいじゃない
むしろ俺のせい
小野っちに お前 知ってたのかって 問い詰められて
それをみんなに聞かれて
(純)僕
亮平をそういう目で見たことないよ
(亮平)そんなん気にしてねえよ
(亮平)まあ
相談してくれたらよかったのに とかは思うけど
純くんは純くんだから
(男の子の泣き声)
ねえ なんで泣いてるの?
卵… 落としちゃった
卵?
お母さん いつも泣いてるから
卵焼き作ってあげようと思って
秘密 教えてあげよっか
誰にも言わない?
俺さ 砂場で スイカ育ててんの
もうすぐスイカの木 100個ぐらい出来る
一緒にやる?
うん
じゃあ 一生 友達な!
(亮平の声)初めて会った日に 言ったこと まだ有効だから
(純)なんだっけ
(亮平)えっ?
忘れてんのかよ
まっ いいや
これ 三浦から預かった
“ホモを嫌いな女子はいないから 大丈夫”だって
(亮平)それ食ったら戻ろうぜ
純くんいねえと つまんねえよ
(亮平)あ…
次 体育だ
やめとく?
(純)今まで そういう目で見てた って思われるのムカつくし
(下級生1) そうだ聞いた? 2年のホモの話
(下級生2) 聞いた! やばいよな
(下級生1) もし会ったら どうする?
(下級生2) いや 全力で逃げるっしょ
(下級生1)顔知らねえじゃん 安藤って人?
(下級生2)便所で めちゃチンコ見てくるヤツいたら
そいつじゃね?
(純)おい
お前らのチンコなんか見ねえよ
すいません
(亮平)ほい!
(亮平)んあぁぁ!
体育 マジだりぃ~
(亮平)よいしょ
(小野)出てけよ
(亮平)おい いいかげんにしろよ 小野っち
(小野) お前 裏切った自覚ねえだろ
(純)あるよ
(小野)じゃあ出てけって
お前がいると みんな着替えらんねえだろ
(純)そんな目で見てない
(小野) ずっとウソついてたヤツのこと
今さら信じられっかよ
(亮平)やめろ小野っち
(小野)俺が今 女子更衣室 行って そんな目で見てないって言っても
気持ち悪(わり)ぃよな
今まで黙ってたのは
自分で気持ち悪ぃって 分かってたからじゃねえの?
(亮平)別にいいじゃんか! 今までどおりで
(小野) こいつは三浦で試したんだぞ
お前 好きな女に そんなことされて ムカつかねえのかよ
お前 今日 こいつのチンコ触んなかったよな
あれ なんでだ
(亮平)それは…
(小野) 気持ち悪くなったんじゃねえの?
今までどおりじゃないのは お前も一緒だろ!
(純)出てくよ
小野が正しい
(亮平)謝れ 小野っち
(純)いいよ 亮平
もういい
スイカの木
そろそろかな
(亮平)純くん?
純くん!
(落ちた音)
(女子生徒たちの悲鳴)
(鼻歌)
ん~ おいしい (スマホの着信音)
(鳴り続ける着信音)
はいはい
ちょっと待ってね
ん?
もしもし
はぁ…
たっかぁー!
(純)ノックしてよ
(みづき)あー ごめんごめん
個室ってさぁ 高いのねぇ
学費保険 吹っ飛んだわぁ
あっ
大部屋 空(あ)いたら 移動してもらうからね!
(純)うん
(みづき)あー よかったぁ それくらいで済んで
ほんとに
(みづき)んー…
お母さんもさ
いたんだよね
高校生の頃に
憧れの女の先輩
(みづき) 話せただけで嬉しくってさ
なんか
これが恋なのかなぁって
思ったりして
(純)だから何
それと同じだって言いたいの?
気の迷いだって?
違う…
ごめん
(純)ずっと悩んできたんだよ…
これは何かの間違いで
僕も いつか 女の子を好きになれるって
僕自身が いちばん期待してたんだよ…
男を好きになる自分が
嫌で嫌で たまらなかったんだよ…
はぁ…
(純)結婚することも
母さんに孫を見せることもできない
幸せな未来が欲しいのに
一人
どっかのアパートで 孤独死する想像が
頭から離れない…
それでも
それでも
女の子を好きなふりをして
必死に周りに合わせて
必死に周りに合わせて 生きてきたんだよ…
なんで僕なんて産んだんだよ…
なんで僕は まだ生きてるんだよ
(みづき)うっ…
(純)ごめんなさい
(みづき)ごめん…
ごめん
ごめんね…
(女子生徒の声) 自分の好きなものを
否定されるっていうのは
自分だったら すごい傷つくだろうなって思うから
やっぱり世界的に 認めてあげるべきだと思います
(担任教師)野村(のむら)はどう思う?
(野村)はい
あ… えっと
アメリカ人は全員 ハンバーガー好(ず)きって言ったら
違うじゃないですか
だから その
“同性愛の人たちだから こう” みたいなのは なんか
違うかなって思います
そういうのも 性教育とかも
ちゃんと 力 入れたほうがいいかなって思う
隠さないで伝えてくれれば いいのになとか
俺は思っちゃいますね
(女子生徒)今の時代って そういうのを発信することで
SNSとかで 有名になったりする人もいるし
そういう影響力のある人が そういう発言をすることで
みんなの認識とかも 変わるんじゃないかな
なんか こう 普通の…
普通のって言っちゃダメだ
あの 男女の恋愛のドラマと 全然 何も変わらずに
見れて 面白かったから
そういうので
異性愛者も そういう気持ちは 変わらないんだな とか
理解していけたら いいなって思います
(担任)なんか 男子 黙っちゃったな
(生徒たちの笑い声)
(担任)急に ダイゴどう思う?
(ダイゴ)俺は ありだと思う
(笑い声)
(男子生徒)いけるってこと?
(ダイゴ)このクラスで言うと…
(笑い声)
(男子生徒)いや まあ なんか いろいろあるなって思いました
(笑い声)
(三浦の声)今日クラスで 同性愛について話し合ったんだ
(亮平) うちのクラスっつーか 全校な
全クラス
(純)じゃあ 全校生徒にゲイバレしてるんだね
(亮平) そりゃ お前 飛び降りたんだぜ
超有名人だよ
つーか
“スイカの木 そろそろかな”
…って あれが辞世(じせい)の句でよかったの?
超(ちょ)ぉぉ~ ダサくね?
なぁ?
(亮平)よいしょ (三浦)ねえ お見舞いなんだけど
(亮平)まあまあまあ
そうだ
俺 今日 ママとデートの予定だったわ
じゃあ
(三浦)ディスカッション
いろんな意見が出たけど
同性愛は異常だって人は いなかったよ
今どき そんな珍しいことじゃないって
でも
みんな どっか 他人事(たにんごと)っていうかさ
そしたら 同じように思ってた人が もう一人いた
(三浦の声)小野くん
(女子生徒)今は マンガとか ドラマとか
同性愛を扱ったものも多いから
だから私は 全然 理解できるかなぁって…
(小野)理解者面(づら)してたって
実際 目の前に現れたら 好奇心 丸出しだったじゃねえか
(生徒たち)あいつが言うか? あいつ変わんねえな
(担任)発言を遮(さえぎ)るな
あいつのこと なんかのキャラみてえに
見てたんじゃねえの?
(担任)発言を遮るな!
(三浦の声)私も
同性愛に理解あるほうって 思ってたから
なんか
恥ずかしくなった
でも
安藤くんのことは理解したい
理解できなくても 想像したい
安藤くんのこと
他人事にしたくない
言っとくけど
私 まだ 安藤くんと別れたつもりないから
(亮平)はい
(亮平)まっ 元気そうだったよ
腕… 腕 もう
こんなだったけど
(小野)俺 あいつがゲイだから ムカついてるんじゃねえんだよ
(亮平)分かってる
分かってるけど
そりゃ言い訳だわ
そんなダセぇ小野っち見たくねえわ
(三浦)てか…
ごめん
ムカついてたよね
死にたいくらい苦しんでたことをさ
ファンタジーっていうか
そういうふうにして楽しんでて
冷静に考えると それっていいのかな とか
知らずに傷つけてたかも とか
三浦さん
BL本(ぼん)貸してよ
僕も三浦さんのこと
理解したいから
ホモ多すぎ
(三浦)えっ? 感想それだけ?
(純)主人公とお兄さんと友達が ホモなのは まだいいとして
なんで お父さんとお母さんまで ホモなの?
てか お母さんがホモって何? なんで さらっと男なの?
(三浦)そっからかぁ
この本 全部 BL星(せい)の出来事だから
(純)え?
(三浦)アメコミの なんとかユニバースって
あれと同(おんな)じ
男しかいない 男だけで生殖(せいしょく)活動もできる
BLユニバースなの 物語を超えて
(純)なるほど
…とは ならないね
(三浦)第二弾は それを踏まえて
(純)読みきれないよ
(三浦)退院 そろそろ?
(純)うん
(三浦)学校 来るよね?
(純)転校… するかも
お母さんの親戚が大阪にいて
ごめん
(三浦)もし よかったら
あと1回だけ 来てくれないかな
描いてた絵がね コンクールに入選したの
表彰されるから 安藤くんにも 見届けてもらえたらなって
考えさせて
どうせ引っ越すなら
BL星に行きたいなぁ
なんて…
(三浦)私も!
(純)え?
(2人の笑い声)
(純)あ 痛(いって)っ…
(三浦)大丈夫?
ナースコールする?
(純)大丈夫 大丈夫
(亮平)来ないね
(教師)それでは次 表彰状授与(じゅよ)
該当(がいとう)生徒は檀上に
(校長)東京都高等学校 書道コンクールにおいて
頭書(とうしょ)の成績を収めたので これを賞します
はい おめでとう
(拍手)
(教師)次 美術部 三浦紗枝
はい
(校長)表彰状 三浦紗枝殿
(亮平)遅(おせ)ぇよ
(純)ごめん
(校長)…頭書の成績を収めたので これを賞します
(亮平)どんな絵なの?
(純)知らない
(拍手)
私は!
BLが大好きでーす!!!!
(生徒たちのざわめき)
(三浦)えー 私がBLにハマったのは小5の時
えー 好きな少年漫画のキャラが 表紙だったので買ってみたら
二次創作のBL本だったのが きっかけでした
(校長)ちょっと ちょっと 君 君
(三浦)まだまだ かかるんで 待っててください
未知の世界に心奪われた私は
気づけば お小遣いの8割をBLに費(つい)やす⸺
立派な腐女子になっていました
(教頭)いいかげんにしなさい!
(三浦)まだ小学生編なんで!
(三浦)中2の時…
(生徒たちのどよめき)
(亮平) 大事な話をしようとしてんだ!
今まで ずっと無いことにしてきたものと
向き合おうとしてんだよ!
(三浦)話させて! (担任)今じゃない!
(担任)教室で話せ 今ここじゃないだろ
(亮平)離せ!
(小野)おい!!
発言 遮らねえんじゃねえのかよ
(男子生徒1) そうだ 邪魔すんな!
(男子生徒2) そうだそうだ 遮るな!
(亮平)すいません
すいません ちょっと 行ってもらっていいっすか?
ちょっと 一緒に! ごめんなさい ごめんなさい
すいません すいません
はい ごめんなさい すいません
(生徒たちの笑い声)
降ります降ります
足元 気をつけてください
一歩ずつ ゆっくり
すいません
ははっ…
えー
どこまで話したか 分かんなくなっちゃったけど
えーと
その時のトラウマで
私は 高校では BL好きを隠していました
でも それが ある男の子にバレてしまったんです
彼は 私がBLを買ってたことを
秘密にすると言ってくれました
でも 不安だった私は 先輩に相談して
こちら側に 引きずり込む作戦に出ました
(生徒たちの笑い声)
その日 私は
彼のことを 好きになってしまいました
(生徒たちの盛り上がる声)
それからの私は 四六時中
彼のことばっかり考えてました
そんな私に 友達は快(こころよ)く協力してくれて
ついに私は…
告白をしました
(歓声と拍手)
(男子生徒)どうなったの?
(大きな歓声と拍手)
でも!
万事順調とはいきませんでした
私って そんな魅力ないかなって思って
こそこそ努力しました
胸がちっちゃいからかな とか
髪形がおかしいのかな とか
お化粧が下手だからかな とか
でも
そういう問題ではなかったんです
地球上の男子 全員ゲイだったら いいのにって思ってた私が
唯一
ゲイであってほしくなかった 男の子は
ゲイでした
彼は苦しんでました
普通に生まれたかった
普通の幸せが欲しかった
だから私と付き合ったと 彼は言いました
それから先のことは
皆さんも よく知ってると思います
彼の周りには
見えない壁があります
彼が作ったその壁は
自分を守るためのものじゃなくて
私たちを守るためのものなんです
私たちが困惑しないように
自分をなくして
摩擦をゼロにして
世界を簡単にして
彼は
自分が嫌いで
私たちが好きなんです
でも そんな彼を
私は大好きで…
最初は
男だから好きになったのかも しれないけど
今は
彼という人が大好きなんです
だから
生きてて本当に嬉しい…
(走ってくる足音)
(三浦)うう…
(担任)大丈夫か?
(生徒たちのざわめき)
(小野) いつまで そんなとこいんだよ
自分がいちばん かわいそうだとか 思ってるんじゃねえぞ
ゲイだかホモだか知らねえけど
俺は お前の そういうとこがムカつくんだよ
うるせえよ
(純)ありがとう
僕も三浦さんが大好きだ
(純)泣きすぎだよ
(女子生徒たちのはしゃぐ声)
(近づく足音)
(下級生)あの…
以前 昇降口(しょうこうぐち)で…
(純)あぁ
(下級生)僕も
…なんです
僕もなんです
ず… ずっと悩んでました
本当にすいませんでした
一緒にいた彼のこと
好きなの?
(純)先に話振(ふ)ったの 君だったなって
僕も経験あるから
気になる相手にゲイネタ振って 反応 見るの
でも
今日 改めて気づいたんだよね
もし この世界に摩擦がなかったら
僕らは一歩も進めないって
(亮平)いやぁ マジやばかったな 小野っち見た? 校長の鼻
(小野)鼻毛だろ? (亮平)そう!
(亮平) マジで もう笑いそうになってさ
(小野)それに集中しちゃって 全然 分かんなかった
(亮平)純くぅーん…
反省文20枚だって
もう マジだりーよぉ…
(純)三浦さんは?
(亮平)あぁ
一応 親 呼ばれるっぽい
(亮平の声)まあ 大丈夫っしょ なんか すっきりした顔してたし
(亮平)痛い?
(純)もう痛くないよ
(亮平)あ 痛くないんだ
(純)だからって やんなよ
(小野)安藤
悪かったな
(純)うん
(亮平)おい 小野っち
それで謝ったつもりかよ
謝るんだったら
これくらい謝れよ
(スマホ:小野) 安藤 本当にごめん…
(亮平)ちょ 見て見て見て
見て見て
(スマホ:小野)安藤 ごめん…
(亮平)こんな泣いてる小野っち なっかなか見れない
(亮平)見て見て (純)え めっちゃ泣いてる
(小野)おーい お前ふざけんなよ お前 マジで
(亮平)うーわ (純)うわ
(亮平)うわ 汚(きった)ね
うわぁ 汚(きった)ない
(亮平)ブッサイクだ (純)あらぁ
(小野)お前 覚えとけよ
(亮平)怖い怖い怖い (純)はははっ
(小野)おい 安藤も なに笑ってんだよ お前
(亮平:小野のまね) 安藤ごめん… 安藤ごめん…
(小野) 素(す)の一生懸命さだからな お前
(笑い声)
ん?
(みづき)きれいじゃーん
ふふふ
(誠)お母さん ここ 結構もう 長いことやってるの?
(女性)そうなのよ
(誠)何年ぐらい?
(女性)内緒
(誠)内緒? そっか そこは聞いちゃいけないよね
はい じゃ お母さん ありがとう
(誠) これ もう作ってる所ないんだって
全部ガラスの瓶
(純)へえ
(誠)うわっ
こぼれちゃった
あ そっか
(誠)うわぁ ダメだな
はい
(純)ありがとう
(純)ごめんね
早い時間に
(誠)いいよ 久しぶりに会えて嬉しい
(純)僕
誠さんを好きになって よかったと思ってる
(誠)どうした?
別れよう
(男の子)ラムネ飲みたーい
(親子の話し声)
(誠)俺も 純くらいの歳(とし)の頃は
本当に悩んだよ
結婚して家庭を持つ
それ以外の選択肢は 初めから用意されてない気がした
温泉でキスした時さ
家族に見られてもいいやって 思ったんだ
(誠)妻を助けるよ
純と妻が溺れてたら
妻を助ける
また泣いた?
泣いてないよ
(三浦)意外と泣き虫だね
(純)初めての恋だったから
(男性)最後に純 頼みがあるんだ
(三浦)旅(たび)ぃぃ!
「QUEENⅡ(ツー)」を 僕の墓に供(そな)えてくれないか?
本名と住所を記(しる)すよ
気が向いたら訪ねてきてほしい
(純)もうすぐだと思う
(三浦)あー
終わったらさ 連絡ちょうだい
(純)え?
いや 一緒に来てほしいって 言ってくれたのは嬉しいけど
やっぱ ここから先は 一人で向き合ったほうがいいと思う
(純)うん
(純)あの
僕
稲葉祐樹(いなばゆうき)さんの…
友達で
(テレビ番組の音声)
ここです
(純)彼は
大学生では…
(純)大学生で
年上の彼氏がいて
(母)何ですか それは…
(波の音)
(母)なんで こんな写真…
これは
祐樹の従兄(いとこ)です
昔から よく懐(なつ)いていました
(母の声) いつからだったんでしょうね
そういう気持ちに変わったのは…
(シャッター音)
(男性)え? 俺を撮ったの?
(祐樹)いや 海だよ海
(母の声) しばらくして 連絡があったんです
祐樹くんに告白されましたって
一人じゃ 抱(かか)えきれなかったんでしょう…
私たちは必死に支えようとしました
息子が まっとうに生きられるなら なんでもしようって
(母の声) 病院に… 連れていったんです
その日から この部屋から出られなくなって…
(純) 本当に好きだったんだと思います
(純)その写真にしたのは
その人になりたいくらい
その人のことが好きだったからだと
この中の息子は
すごく幸せそうですね…
バカ野郎…
本当に中二病かよ
(波の音)
(足音)
(三浦)全然 来ないね
(純)来ないね
(三浦) 時刻表 見た? スッカスカ
ふふふっ
私ね ずっと考えてたんだ
なんで安藤くんとか あの子みたいな
同性愛者が生まれるんだろうって
思ったんだけど
神様も腐女子なんじゃないかな?
(純)ふふっ
女性の同性愛者は?
(三浦)きっと 神様は2人いて
百合好(ゆりず)きの男の神様と
BL好きの女の神様の ペアなんだと思う
(純)クソみたいな神様だね
(三浦)ふふっ だよね
我ながら そう思う
まあでも そう考えたらさ
正しいとか正しくないとか ないから
(三浦)最初で最後のデートが 海ってのも悪くないよね
(純)え?
(三浦)私たちも別れよっか
だって
大阪とか遠いもん
遠距離は無理 フツーに無理
(純)分かった
ありがとう
(三浦)ありがとうって何?
フったの私だから
(純)分かったよ
(三浦)はぁー
私が好きなものは
BLであって 安藤くんだよ
(純)僕が好きなものは
男であって 三浦さんだ
生身(なまみ)の人間には初めての恋だった?
(三浦)違(ちげ)ぇーし
うぬぼれんな
あっ
BL星(せい)に行く時は連絡してね 私も一緒に行くから
(純)もうしばらく地球で生きるよ
♪~
~♪
(男子生徒)ちょ… 待って待って ナカムーが告白するらしいよ
(はしゃぐ声)
Can't find what you're looking for?
Get subtitles in any language from opensubtitles.com, and translate them here.