All language subtitles for Kemutai.Ane.to.Zurui.Imouto.EP08.1080p.U-NEXT.WEB-DL.AAC2.0.H.264-MagicStar

《じゅん：私は　今までずっと
大事なことを

見逃してきたのかもしれない》

（らん）ずるいよ
お姉ちゃんのくせに

そんなこと言うなんて…。
（律）俺

らんちゃんのことが好きだ。
今まで

大事なこと
何も言ってこなかったから。

《私は　全部正しかったって

今は思える。

今は…》
私

りっくんと離婚することにしたの。

お姉ちゃん

今までお世話になりました。

えっ。

ちょっと待って。

なんでいきなり
そんなことに？

気付いたの。

私は

お母さんに
見てもらえない寂しさを

ただ　りっくんに
ぶつけてただけだって。

お姉ちゃん…。

ごめんなさい。

いや…
そういうのいいから。

ってか　キモいから　やめて。

フッ…　だいたいさ

謝ったから許されるとか

勘違いしないでよね。

許してくれなくていいの。

許すって

すごく難しいもん。

私も　それはよくわかるから。

だから　これは

私の自己満足。

でも

お姉ちゃんに会ってよかったよ。

おかげで　自分が
呪いにかかってるって

気付いたし。

呪い？

家族の絆って

呪いみたいなものでしょ？

逃げても　逃げても

どこまでも追いかけてくる。

だから

自分で断ち切ろうと思って。

今日から私

お姉ちゃんのことも

お母さんのことも忘れて

自分の人生を生きる。

～

これ…　返すね。

お母さんのネックレス…。

お姉ちゃんから奪ったもの

全部返す。

私が本当に欲しかったものは

何一つなかったから。

さようなら　お姉ちゃん。

《「全部返す」って　言われても…》

もうすぐ朝だね

りっくん。

（律）うん。

りっくん…。

今までありがとう

律…。

これ　律が書いた小説だよね。

ごめん。　私

律が逃げてるなんて
勝手に決めつけて…。

じゅんちゃんは
何も間違ってないよ。

ホントは小説書いてたなら

どうして
そう言ってくれなかったの？

言えるほどのものじゃないし。

それ　捨てといて。

ねぇ

私って

どういう存在だったの？

教えてよ。

今まで　さんざん思わせぶりな態度
とってきたんだから。

ごめん。
ごめんじゃなくて。

私は　いったい

律の何だったの？

～

なんなの…。

《どいつもこいつも

私の気持ちなんて
おかまいなしに…。

だけど…》

いいよね　お姉ちゃんは。

正論吐ける人生

羨ましいよ

《私は　いつもこうやって

誰かを追い詰めてきた気がする。

これも全部
呪いだったんだろうか》

（玄関チャイム）

（斉藤）あ…。
はい…。

どうも　はじめまして。
斉藤と申します。

はぁ。

あの…　もしかして

東郷じゅんさんですか？

はい　そうですけど…。

あぁ　そう…　私

由里子さんと昔
おつきあいをしていた時期が

ありまして…。
えっ？

私

あなたの　父親なんです。

～

すみません。
突然　おじゃまして…。

いえ…。
知人から

由里子さんが亡くなった
って聞いて驚きました。

せめて　お線香だけでもと…。

あっ…　すみません。

このネックレス

私が　由里子さんに　これ
プレゼントしたもんなんです。

えっ。
由里子さんとは

同じ職場だったんです。

彼女　派遣社員で入ってきて

それでお互い　一目ぼれで…。

私が生まれたときに

母と二度と会わないって

約束したと聞きましたが。

すみませんでした。

ただ　当時どうしても

妻と別れることができなくて…。
えっ。

ただ　じゅんさんのことを
忘れたことは

一度も…。
待ってください。

私は

不倫の末に
できた子なんですか？

すみません。

こんな話
言うべきじゃなかったですよね。

何それ…。

由里子とは　何度も
一緒になることを

夢見たんですが
やはりお互いの…。

そんな話

聞きたくありません。

すみません。
それじゃ　これで

おいとまします。

あ…　あと少しだけ

いいですか？

なんですか？
実はですね

去年
腰を悪くしてから　なんとか

食いつないでる状態でして…。

はい？
あの

お金を…。

ほんの少しでいいので
貸していただけないかなと…。

ハァ…　ホントにもう

情けない話なんですけど

友達の肩代わりで借金して

妻に逃げられて。
今は　ネットカフェを

転々としてまして。

親戚や　誰も
頼れる人がいないんです。

お帰りください。
私には

じゅんさんだけなんです！
いいから

もう帰ってください！

ハァ…。

いや　あの…　もし

あの　気が変わるようなことが
ありましたら　ここに

ご連絡ください。

では

失礼します。

（やよい）完全スルーでいいでしょ。

ホント　そうだよね。
（やよい）で？

まだなんか言ってほしい？

えっ？
フッ　背中　押されないと

実の父親
助けちゃいそうなんでしょ？

そんなわけないじゃん。
どうだろ。

じゅん　結局人がいいからねぇ。

やめてよ。

ハァ。
何？　どうしたの？

私って　なんだろう。

ずっとお母さんに
正しく生きろって言われてきて

でも　そういうお母さん自体
うそばっかで…。

なんか　今までの自分って

何だったんだろうって思えて。

フッ　まぁ

子どものころから　ずっと
いい子やってきたんだもんね。

らんが言うとおり
家族の絆って

ホントやっかいだよ。
（みち）で

また　お姉さんと
一緒になるとは

さすがに
ならなかったわけね。

じゅんちゃんに聞かれました。

俺にとって
自分は何だったのかって。

それで？

答えられませんでした。

それどころか
じゅんちゃんのまっすぐな目を

見ていられなくて…。

結局　俺は

いつも　手に入らないものを

好きだと　思い込んでた
だけかもしれません。

ハァ…。

ほんっと　クズね。

さんざん期待させたあげく
尻尾巻いて逃げるなんて。

あとは　もう　自分に
目を向けるしかないでしょ。

誰も幸せにできない
クズで無力な自分に。

ん…。

（斉藤）どうした？
下に　お金落としちゃった…。

お金？　あっ…。

ツツ…　ちょっと待ってね。

（斉藤）えぇ…　はい

これでいいかな？

ありがとう。
うん。

よかったよかった。

あいたたた…。

ハァ　ハァ　ハァ…。

ハァ…。

あいた…。

ハァ…。

お待たせしました。
レアチーズケーキと

濃厚ティラミスです。
（ひかる）ありがとうございます。

よいしょ…。

（ひかる）何見てんの？

ん…。

旅系インフルエンサーの募集？

うん。
そんなの　らんらんには

無理じゃない？
なんで？

食事すら一人じゃできないじゃん。

僕はついていけないよ？
別に　ひかるいなくても

平気だし。
無理無理。

絶対　寂しくなって
すぐ帰りたくなるよ。

大丈夫だよ。
別に帰る場所なんてないし。

うぅん…。
（バイブ音）

ん…。

あ…。
何？

いや　お母さん
職場まで迎えに来てほしいって。

体調悪いみたい。
えっ　早く行ってあげなよ。

らんらん　ごめん
一人にしちゃって。

大丈夫　大丈夫。

あぁ　ティラミスが…。

またね。
うん。

（バイブ音）

すみません。
ホントに　ご迷惑おかけして…。

ネットカフェ生活と聞いた以上
無視できなかっただけです。

落ち着いたら帰ってください

なるはやで。

じゅんさんは
ホントにいい人ですね。

昔と全然変わらない。

昔？

実は　じゅんさんが
小学生のときに

一緒に出かけたことがあるんです。

由里子と　３人で
待ち合わせして…。

由里子：斉藤さん！

あの日は
ホントに夢のようでした。

由里子も　じゅんさんも
ホントに楽しそうで。

すみません。
えっ。

実の　父親が　こんな人間で

ホントに申し訳ない。

自分でも情けなくて…。

でも　じゅんさんが

私にとって
たった一人の身内でして…。

もういいです。

もう…
謝らなくても　いいですから。

その人　誰？

らん。　アンタどうして？

ちょっと忘れ物があって。

ねぇ　りっくん。

荷物　まとめに来た。

あぁ…　そっか。

これで　いいよね。

うん。　ありがとう。

それにしても　まさか

お姉ちゃんの
お父さんに会うなんて。

あの２人
ここで一緒に住むのかな？

それは　ないんじゃない？

まぁ　関係ないけど。

よし…　決めた。

私…　明日から旅に出る。

旅？
うん　一人旅。

らんちゃんが？
私…　だいぶ

強くなったんだよ？
今は一人でも　全然平気なの。

もう私
一人でも眠れるから。

だから　りっくんも安心して

りっくんの好きなことしてね。

好きなこと…。

（ノック）

らん…　ちょっといい？

この家
売りに出そうかと思って。

えっ。
このまま

私一人で住んでても
維持費が大変だし

一応　アンタの家でもあるから
アンタの意見を…。

いいじゃん　賛成。

ホントに？
うん。

そのほうがいいよ。
お金も入るし　ラッキー。

それに　わたし的には

この家がなくなると

もう二度と　お母さんのこと
思い出さなくて済むし。

これで完全に　お母さんから
解放されるって感じ。

フゥ…　よし。

お母さんのことも
お姉ちゃんのことも

きれいさっぱり忘れて
第二の人生　スタートだ。

あぁ　清々した！

（斉藤）そんな言い方
ないんじゃないですか。

何があったか知りませんが

母親のことを　そんなふうに
言うもんじゃありません。

あの…。
由里子は

あなたを　一生懸命
愛そうとしたんですよ。

らんさん　あなたを
一目見て　わかりました。

間違いなく
由里子の娘さんだって。

フフッ　本当に由里子にそっくりだ。

由里子　言ってましたよ。
らんさんは

じゅんさんと違って
とっても手のかかる子だけど

でも　やっぱり
自分がおなかを痛めた子だから

どうしても
見捨てることはできないって。

ご自身の人生　生きたいなら

まずは　母親を
許すことから始めませんか？

由里子だって
頑張ったんですから…。
他人は

黙っててください。

あなたが　妹に
そんなことを言う権利は

ありません。

そもそも　「親を許せ」なんて

誰にも言えないんですよ。

～

ここに　５０万あります。

勘違いしないでください。

これは私のためです。

あなたのことを忘れて
スッキリしたいから。

実の父親だろうと
関係ありません。

もう二度と

ここには来ないでください。

帰ってよ。

～

（戸の開閉音）

じゅんちゃん。

らんちゃん
ひかるくんちに行くって。

さっき帰ったよ。

そう。

明日の朝
一人で　旅に出るんだって。

ふぅん。

これ

やっぱ私には
捨てられないから。

ありがとう。

俺にとって　じゅんちゃんは

憧れなんだ。

出会ったときから　ずっと

俺は　じゅんちゃんに
憧れてたんだと思う。

まっすぐで　強くて

きれいな目をしてて

自分の正しさを持ってて…。

そんなじゅんちゃんが
まぶしくて

羨ましくて
しようがなかった。

俺は　じゅんちゃんみたいに
なりたいんだ。

俺…　今だって

じゅんちゃんに
嫉妬してるんだよ。

こんな気持ちだから

最初から　うまくいかないのは
当たり前だったんだ。

なのに

じゅんちゃんに再会して

どうしても
求めずには　いられなかった。

私も。

～

ずっと　追いかけてきたのは

キラキラした　あのころの
自分たちだったのかもしれない。

これからは

ちゃんと　自分の欲しいものを

取りにいくよ。

いつか

じゅんちゃんに
嫉妬しない自分になる。

律…。

ありがとう。

～

苦手だからって
捨てたら失礼じゃん。

捨ててるんじゃないよ。
隠してるの。

隠す？
うん！

捨てられないものだから
隠すの！

よし。

ハァ。

なんだ…　簡単じゃん。

な～んだ…。

（朝子）今更何？

離婚のことなら
らんちゃんから聞きました。

どうして
そんな大事なこと

親に相談もないなんて…。

報告…
したいことがあるんだけど。

（朝子）えっ？　何？

小説…　書こうと思って。

（朝子）ハァ…　小説？

俺…　頑張るから。

ホントに　大丈夫かなぁ
らんらん一人で。

大丈夫だって。

英語　話せないし

夜は眠れないって
泣いてそうだし。

まぁ　もし
帰りたくなったら

迎えに行くよ。

ひかる　ありがとう。

もう　ここで大丈夫。

じゃあ　またね　らんらん。

～

らん！

お姉ちゃん…。

私…　まだ　アンタに

言い足りないことがあるの。

何？　わざわざ
こんな所に連れてきて。

私も蹴りたくなって。

お母さんのお墓。
はぁ？

まぁ　そんなことしても
しようがないか。

ねぇ　何なの？

アンタさ　こないだ　私に

「許さなくていい」
って言ったよね？

じゃあ　私…　アンタのこと

一生許さないことにする。

だから
アンタも勝手にしたらいいよ。

家族の絆ってさ

いつでも切れるんだよ。

切りたくなったら　切ればいい。

で…　頼りたくなったら

頼る。

家族は選べなくても

どうするかは自分で選べる。

あの家
売らないことにしたから。

それだけ。

うん。

バイバイ　らん。

～

海が近くにあって

それで　海を見ていたら

いろんなことが
どうでもよくなってきて。

旅行が
楽しめるようになったのは

いいことですね。

あっ。　これ

先生にお土産。
えっ。

いつも
お世話になっているお礼です。

わぁ…　ありがとうございます。

へぇ～。

（みち）まさか
子ども向けの本で

デビューするとはねぇ。

自分でも
思いもしませんでしたよ。

ねぇ　今夜
何か食べに行かない？

お祝いしてあげる。
ありがとうございます。

でも　今日はちょっと…。

えっ？

ただいま　お姉ちゃん。

アンタ　なんで…。

せっかくだから
お祝いしてもらおうと思って。

ってか　帰ってくるなら
連絡くらいしろっていうの。

あっ　ちょっと待ってよ

お姉ちゃん！
あぁもう　ウザい。

お姉ちゃん…。
来ないで…。

さっき　お寿司　頼んどいたから
お姉ちゃんのおごりね。

はぁ？　それが１年ぶりに会う

姉に対する態度？
っていうか　この家

こんなに古かったっけ。
いきなり文句言うなら

来るなよ。
はぁ？　それが１年ぶりに会う

妹に対する態度？
あぁ　もう　ウザい。

何なの　ホント。
ちょっとは優しくしてよ。

私　家族に祝ってもらうの
初めてなんだから。

そんなわけないでしょ。

それより　ねぇ　褒めてよ。

何を褒めるの？
私一人で

１年過ごしたんだよ。
偉いでしょ。

ウザ…。

はい　どうぞ。

はい　どうも。

ってか　これ
全部　アンタの好物じゃない。

そりゃそうでしょ
私の誕生日なんだから。

なんで
お姉ちゃんの好物　作んのよ。

ねぇ　踊って。
はぁ？

なんで私が
アンタの前で踊らなきゃいけないの。

だってお祝いしてくれるって
言ったでしょ？

私やっぱ　アンタのこと嫌いだわ。

そっくりそのまま
返してあげる。

ねぇ　変身ポーズ覚えてる？

知らない。　そのステッキ

早々に　アンタに取られたんだから。

聞いてないし…。

《家族って　めんどくさい。

選べないし

人生　メチャクチャにされるし。

嫌いなのに
お祝いさせられるし》

《なかなか捨てられないし》

あっ　思い出した！

こうだ！

《ホント

めんどくさい。

けど…》

フッ…。

らん。

誕生日　おめでとう。