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「山へ行こう 次の日曜」
「昔みたいに 雨が降れば」
「川底に沈む橋越えて」
「胸まである 草分けて」
「ぐんぐん進む背中を」
「追いかけていた」
「見失わないように」
「抱えられて」
「渡った小川」
「今はひらり」
「飛び越えられる」
「一緒にね いろんな話ししよう」
「晴れたらいいね 晴れたらいいね」
「晴れたらいいね」
自分の留守中に みのりが竜太と見合いをし
それが失敗に終わったとは 思ってもいない ひらりでした。
はい お土産~。 はい 秋田黄八丈のお財布。
ごめんね~ 反物 高くて買えなかったの。
それからね ほら 曲げわっぱの小物入れも 買ってきちゃったの。
あんまり かわいいんで お姉ちゃん 喜ぶと思ってさ。 はい。
ありがとう。
元気ないね。
あ うん。 おじいちゃんのこと 心配だからね。
大丈夫だって。 だってさ 竜太先生が診てくれて
それで大丈夫って言ってくれたんだもん。
何てったって 私の彼は名医ですからね。 な~んてね。
私が片思いしてるだけなんだけど。
これはね 竜太先生にお土産なの。 久男んちの お酒。
ただで もらってきちゃった。
どうしたの? ん? 別に。
あの ひらりが帰ってきた時 婚約してたら どうするなんて聞いて
バカみたいだったね。
そんなの 真面目に聞いてなかったよ。 だって 秋田1泊2日だもん。
その間に出会いと婚約っていうのは ないでしょう。
私 何年たっても 出会いも婚約もないタイプよ。
暗いな~ もう。
もう なきゃないで いいじゃない。
ひらり 竜太先生と うまくいくといいね。
どうかな~ こっちが勝手に お熱上げてるだけですから。
今に うまくいくと思う。 だって ひらり いい子だもん。
そうなるといいな。 ねえ お姉ちゃん
私 これから どうしたら 竜太先生に 女として見てもらえるかしら。
さあ 私に相談しないでよ。
恋は あんたの方が ずっと うまいんだから。
そうは言っても 一回り近くも違っちゃうと
何していいか 訳分かんないんですよ。
あ そうだ!
これこれ これこれ。 これも一緒に お酒とつけちゃおう!
いぶりがっこ。 お酒とおつまみがセットで来れば
何て私って気の利く女って 思われるかもしれない!
決まり! そうしよう これ。
椰子の海 わきが甘い!
うわっ! わっ。
うっ あ~!
強いね あの人。 あれはね 部屋で一番上の梅響。
九月場所にかけてるの。 だってね 勝ち越せば十両に上がれるの。
あいたっ。 どうした!?
どうしたの?
えっ あ うん…。
梅ノ川 交代して。 おっす。
あっ…。
親方。 ん?
いや 大丈夫 ちょっと ひねっただけだ。
ホントに? ああ よくあるんだよ。 あのくらいのことは。
あ 友達 ちゃんこ作るところ見たいんだろ?
行っておいで。
はい。 うん。
⚟
梅響。 はい。
足首 やったな。 いや 大丈夫です。
ちょっと ねじっただけで もう 痛くも何ともないです。
ホントだな? ホントです。
おかみさん 私たちも ごちそうになってもいいですか?
もちろんよ。 これにね ホウレンソウのおひたしに
サラダにね 卵焼きも たくさんあるから 食べてって。
栄養バランスいいんですね。 そう。
私さ いっつも腹立つんだよね。 ほら ちゃんこっていうと
何でもかんでも突っ込んでるように 思われがちだけど
魚ちゃんこ 肉ちゃんこって ちゃんと分かれてて
それで 味付けだって こまやかなのよ。
おかみさん 味見てください。 ああ はいはいはい。
ちょっと 味薄いよ。 はい。
こまやか。
あっ いや ほら 男の料理だから ま その辺はさ。 ね!
よう 色男。 ハハハハ。 足の具合 どうだ?
大丈夫です。 おお そりゃ よかった よかった。
九月はな 絶対 勝ち越してくれよ。 ハハハハ じゃあな。
お帰りですか? え?
江戸っ子は 気が早えんだよ。 十両昇進のお祝いだよ。
注文してくるからな。 じゃ ちょっと行ってきます。
もう ホントに秋田の竿燈って すごいんですよ。
道路の端から端まで ズラ~っと提灯が揺れて。
すみれさん 藍ちゃんが見たら 大喜びしますよ。
はい 社長。 はい ありがと。
そんなに秋田がよかったんなら もう少し長くいりゃよかったのに。
ジャンジャジャ~ン! よう!
これは どうも 珍しい。 いらっしゃいませ。
いや 梅響にね 博多帯のいいのを 見繕ってくんないかな。
社長 ちょっと用意しといてよ。 分かりました。
いやね 十両昇進の前祝いだよ。 ハハハハハ。
早いとこ渡してやろうと思ってね。
しかしね あいつは 涙ぐましいほどの 頑張りようだな。
私も 今日 稽古見ましたけど 何か 張り切り過ぎちゃって
足首 ひねったみたいで。 いや もうケロっとして
やってたよ。 でも あれだね 社長
あれは男から見ても ほれぼれするような いい男だねえ。 ヘヘヘ。
あいつはね 女がほっとかねえな。 俺はね あいつが十両に昇進したらね
すぐ かみさんを探して…。 ええ~っ!?
早いですよ。 ねえ 社長。 早いですよ。
いや 早かないよ。 ああいう男に限ってね
変な年上の女に 引っ掛かるもんなんだよ。
博多帯ですね! 博多帯に引っ掛かる…
いや そうじゃないんだよ。 年上の女に引っ掛かるだろ。
年上でも何でもいいけど 女はピンからキリまであるじゃないか。
ピンならいいのよ ピンなら。
ほら あの キリのさ あの~ ひどいのに引っ掛かったら最悪だよ。
よく 世の中であるじゃないの。 もじもじっとした顔でさ
暗~い女で 10も15も年が上でさ
あげくの果てには子連れなんてのがさ…。
あの でも ピンならいいんですよね ピンなら。
そう ひらりちゃん ピンならいいのよ ピンなら。
キリが困るのよ キリがね。
すみれさん あの 木原さんに コーヒーの出前取って。はい。
キリマンジャロで よろしいですか? キリマンジャロで。
あいたっ。
どうだい? 姉ちゃん。 え!
お客さん来なくて助かってる。 かっ。
何を持ってきたら いくら貸す っていうのが 一応のね
大体の相場表があるんだけどさ 型どおりでいいのかどうか
分かんないじゃない?
しかしよ 姉弟そろって
よくも こんだけ暇な仕事に 就いたもんだよな。 ハハハ!
あっ いらっしゃい。 いらっしゃいませ。
これで いくら貸してもらえますか?
はい。
はあ~ ちょ… ちょっと いいですか? すいませんね。
わ~ すげえな。 これ 何ていうんですか?
ルビーです。 200万ぐらいするもんです。
200万!? か~っ。
よっ 姉ちゃん まだか? うん。
すいませんね 何しろ この 質屋の見習いなもんでして。
あんた 誰ですか? いやいや 名乗るほどのもんじゃ
ありませんよ。 はい。
すみません ちょっと 店主連れてまいりますので
少々お待ちください。
すいませんね。 いや~ 残暑厳しいお日柄ですね ホントに。
しょんべんっすか? しょんべんでしたらね…。
また出直して…。 お待たせいたしました~。
今 来ましたんで。 お客さんです。
はい。
はい これです。
拝見しましょう。
おい。 ちょっ…。
しょんべん 我慢できなかったんだ。 ハッ。
偽物だよ。 え?ええっ!?
ひ… 一目で分かったんですか?
うん 昔から質屋ってのは 一目で分かるものなんだ。
「テーコーセー」
「エーエェ」
「ホーオォォー イーヤァー ネェー」
よし 今日は このくらいにしとこう。
今年の牛嶋さまの大祭には
奉納演芸として この一番組の木遣りも出演するぞ。
きやりを入れて 稽古します! イヤッハハ! 面白い。 アハハ!
頭 ありがとうございました。
ああ ご苦労さん。 ありがとうございました!
お疲れさん! ありがとうございました!
おい みのり! はい!
お疲れさまでした~。
芳美ちゃん 一杯やってきなよ。
はい! あの 私 お手伝いします。 ああ。
あの 銀次さん。え? おつまみ作ります。
あ じゃあ 頼むよ。 うん。
おう 父ちゃん ご苦労さん。 ありがとうございました。
よいしょ。 いいカミさんになるぜ 芳美ちゃんは。
芳美 外堀から固めたね~。 うまいね。
どなたさんも こんばんは!
おう! スイカの差し入れ。
重い… あ~っ!
重い。こんばんは。 あ こんばんは。
よいしょ。
おいしそう。 銀次さん。
ああ どうも。
う~ん。 はっ…。
あの まずかったら別の…。 いや うまいっすよ。 うん。
何か 2人って似合う。 今度 デートすれば?
嫌だ ひらりちゃん…。 芳美さん 嫌?
いや でも 銀次さんが…。 銀次の方は別に問題ねえやな。
決まり! じゃあ 今度の日曜日にでも どうぞ。
やめといた方がいいと思うよ。 一度 俺を知ると ほら
女は 離れられなくなっからよ。
そしたら 離れません。
フウ~! いや~!
言うね 芳美さん!
や~だ。
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