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希望ちゃん 早く早く!
おしんには 貧しさに耐えて
ただ ひたすら ろくろを回し続けてきた希望と
黙って 希望を支えてきた百合とが 誰よりも ふびんであった。
それだけに 希望の受賞が うれしかったのである。
ええっ。 あ…?
え~。
ゆうべは ワインを飲みました。
[ 回想 ] はあ…。
ここら辺では手に入らんワインやで。
わざわざ神戸まで戻って 手に入れてきたんや。
あんたに飲ませてあげたかったし。 すんません…。
ほな 乾杯。 乾杯。
ん! おいしい…! おいしい? フフフッ。
[ 回想 ] ヘヘ~。 どうぞ~。 ハハッ ありがとうございます。
ほんま すごい…。 よっしゃ! 一緒に暮らそう!
よし! 一緒に暮らしょ~!
小池アンリさん また どこか出かけたんやろか…。
喜美子 40を超えて 初めての二日酔いです。
「涙が降れば きっと消えてしまう」
「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
「私を創る 出会いもサヨナラも」
「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
「いたずらな空にも 悔やんでいられない」
「ほら 笑うのよ 赤い太陽のように」
「いつの日も雨に負けるもんか」
「今日の日も 涙に負けるもんか」
「やさしい風に吹かれて」
「炎は再び舞い上がる」
ほな これ くれたん 竜也んとこのお父さん?
バナナやろ?
ゆうべ 説明したやん。
竜也のことが心配で おじさんが見に来てはった。
ほな これは うれしさのお裾分けか。
まあ 言うたら そういうこっちゃ。 あっ ほんでな
起きたら 小池アンリさん いはらへんの。
知らんわ。 そもそも お母ちゃんに あんな友達いてたなんて。
友達? あれ 友達なん? 聞くなや 俺に。 もうええか?
ほんでな いちいち電話してこんといて 暇やのう。
ああ ほんならな。
お母さん? はい…。 お元気?
あ… はい。 火まつりの時に また講演頼んでるさけ
よろしゅう言うといてな。 こちらこそ お世話になります。
あっ 穴窯で有名な女性陶芸家 川原喜美子先生や。
知ってるやんなあ? 信楽で知らん人いやらへんで。
はい。 ほな 失礼します。
お父さんも昔 陶芸家やったん知ってる?
川原八郎いうて そこそこ有名で 頑張ってやったんやけどな。
八郎の話は 喜美子の話と共に
今でも たまに 人々の口に上ることがあります。
おはようございます。
川原八郎は 妻である川原喜美子の才能に負けて
信楽から逃げていった…。
よし…。
おっ ええ色 出てるやないか。
そうですか? ありがとうございます。
あ~ そういうたらなあ
名前にも はやりいうのがあんのやなあ。 名前?
愛と誠が人気らしいわ 子どもの名前。
分かってる。 予定日は まだまだ先や。
気ぃが早いんは 十分 分かってるけどな。
はよないですよ。 桜も桃も おめでた分かった瞬間に付けてました。
桜に桃?
可愛らしいなあ。 叔母さんとこの 子どもです。
サニーいうカフェに嫁がはった?
はい。 叔母さんが 百合子 叔父さんが信作。
女の子やったら お花の名前。 男の子やったら 何とか作 付けるいうて。
へえ~。
信作叔父さんは 男の子を想定して
ケン作 キン作 ユウ作 ハチ作 4つ候補出してました。
最後 納得できへんな。 ハチ作? うん どっからハチが?
八郎。 俺のおやじです。
ああ…。
信作叔父さんは おやじのこと 何や知らん 大好きなんですよ。
俺も 言うたことあるよな? おやじが出てった話。
ああ 武蔵丸いう名前付けてくれた すぐ殴るお父さん。
手紙の一通ももろたことないし どこにいてるか分からん。
おやじのせいで おふくろが どんだけ苦労して俺を育てたか…。
ほやけど 普通やったんですよね。
せや どんな父親のもとで生まれ育とうが 何しようがな
俺は普通の子ぉや。
普通の ええ先生や。
アッハハハ… ええ先生まで 自分で言うかな。
親は親。 子は子ぉや。
はい。
いらっしゃい。
ええ?
ええよ。
ええよな。 ええよ。
ヘッヘッヘッ お前! ハチ! おう おう おう!
久しぶりやんけ! おう おう…。
5年か? 4年か? どんぐらいや。
まあ まあ まあ こうやって会うんは 4年ぶりやな。
おうおう… 元気そうやな。 元気ちゃうわ アホ!
元気やん…。 へろへろや~。
もう忙しいどころちゃうで ほんま ずっと あちこち出張や。
研修やら 顔つなぎやら 何やらで 東京ばっかりや。
えっ 今は何? えっ 今は お前…。 おう とりあえず…。
ああ ありがとう。 今は 課長や。
ヘヘッ。 観光課 大野課長や。
大野課長~。 おう おう おう おう。
ほんで 何や びっくりしたで いきなり会いたいいう連絡あって。
ああ… 若いもんらが 仕事 覚えてきたからな
ちょっと こっちにも余裕できてん。 うん。
ほんで 桜と桃のピアノ発表会も 無事 済んだしなあ。
あ~ ええなあ 見たかったわあ。 上手なもんやで バンバンバン!
何や それ。 可愛らしい。 太鼓やん。
はい。 ありがとうございます。
ほんで 何?
うん? 何か あったんやろ?
あ… 課長になってな…。 うん。
飲みに行っても楽しないねん。
誰と飲んだら気が楽やろうって考えたら お前や。
こうやって ゆっくり飲めんのは お前ぐらいしかおらへん。
ほやから名古屋から呼び出したった。
せやから聞いてるやん。
何でも言え。
東京のな。 うん。 出張先のビジネスホテルな。
決まったホテルや。 いっつも同じとこ泊まんねん。
これが また せっまい部屋でなあ。
それはええねんけど その部屋の ベッドの横に ライトがあんねん。
そのライトの… スイッチが どこにあるか分からへん…。
かれこれ3年ぐらい 泊まり続けてんのやけど
いまだに分からへんねん。
あのスイッチ どこにあんのやろうな…。
はあ どこやろなあ。
誰にも聞かれへんねん 今更…。 分かる。
誰にも言えへんやろ こんな どうでもええ話。
分かる。 どうでもええ話やろ。
はい。 ありがとうございます。
ただいま。
買うてきたで。 ヘヘヘヘッ。
はい。
はいはい はいはい。 出来たでえ。
ありがとうございます。 うん 何かな おなかに入れとかんと。
すんません。 はい どうぞ。
う~ん… 何 これ。 お茶漬けや。
冷や飯に…。 うん お茶かけた。
うん。 フフッ。 ありがとうございます 頂きます。
はい 食べえ。 あっ 食べへんのですか?
あっ うちは 食べてきた。 買いもんもしてきたで。
あっ コーヒーもらうな。 はい。
あの… 昨日 一緒に暮らそう言うたん 覚えてます?
覚えてるよぉ 酔うた勢いでな。
酔うた勢いでしたね。
「川原ちゃ~ん」「小池ちゃ~ん」言うて 盛り上がったな。
「川原ちゃん」「小池ちゃん」…。 部屋空いてるから ええよぉ言うてたで。
あ…。 好きに使てええって。
はい。
あの…
ほんまに一緒に暮らすんやったら 出かける時は言うてくれます?
どこ行ったんやろて心配します。
まあ 今までは 1人やったから 誰に言う必要もなかったんでしょうけど。
面倒くさいなあ…。 ああ 分かった。 ほな 出かける時は
あんたの許可を得る。 何かする時も言う。 ほんでええ?
そう言われると…。
いや やっぱり大丈夫です。 言わんくて大丈夫です…。
ほんまに暮らします?
1人で寂しいんやろ? 泣いてたやん。 えっ?
川原ちゃん ハチさん ハチさん言うて 泣いてたで。
ハチさん…? うん。
「グレートトラバース3」!
日本を代表する三百の頂。
その全てを自らの足だけで踏破する
前代未聞の挑戦だ!
挑むのは…
登ったぞ~!
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