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♬~
♬「山へ行こう 次の日曜」
♬「昔みたいに 雨が降れば」
♬「川底に沈む橋越えて」
♬「胸まである 草分けて」
♬「ぐんぐん進む背中を」
♬「追いかけていた」
♬「見失わないように」
♬「抱えられて」
♬「渡った小川」
♬「今はひらり」
♬「飛び越えられる」
♬「一緒に行こうよ」
♬「‘こくわ’の実 また採ってね」
♬「かなり たよれるナビゲーターになるよ」
♬「一緒にね」
♬「いろんな話し しよう」
♬「晴れたらいいね 晴れたらいいね」
♬「晴れたらいいね」
♬~
(稽古の声)
(梅若)椰子の海 突っ張れ!
(寒風山)もういっちょ!
♬~
よ~し。
ひらりちゃん 効果あったよ 野菜ジュース。
♬~
すみれと梅響を 少しでも近づけようと➡
ひらりは すみれを 朝稽古の見学に誘っていました。
腰を落として寄るんだ!
(梅若)ほら 押せ押せ!
(掛け声)
(ひらり)どうぞ。
(掛け声)
梅響! (梅響)はい!
よし。
もういっちょ!
もういっちょ!
(梅若)当たりが弱い! もういっちょ!
♬~
(藍)頑張れ。
♬~
(すみれ) ごめん ごめん。
♬~
…5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8。
黙想。
よ~し 稽古終わり。 (力士たち)ありがとうございました!
親方 今日は どうもありがとうございました。
よかったら ちゃんこ食べていきませんか。
いいえ そんな。 ほら ひらりちゃんも一緒に。
すみれさん お店開くまで まだ時間ありますから。
親方 ホントに よろしいんでしょうか。 どうぞ どうぞ。
さ 行きましょう。
ちゃんこ場 ご案内します。 一度来たから 知ってます。
(明子)よっ ほ~ら どうぞ 皆さん。
藍ちゃん。 はい どうぞ。
(梅十勝)卵焼き。 ありがとう。おい 梅響。
(梅響)はい。 そこ座って 一緒に食べろ。
(力士たち)お疲れさまです。
藍ちゃん 一緒に食べような。 うん。
よし。
(梅若)おお そうやってると まるで お父さんみたいだね 藍ちゃん。
(笑い声) やだ お父さんだなんて 悪いです。
お兄さんですよ。 お父さんでいいよな?
すみれさん。 はい これも 藍ちゃんに。
すいません ひらりちゃん 頂きます。 どうぞ。
ちょっと ごめん 暑い。
(梅若)梅響。 はい。これも 食べてもらえ。
(梅若)朝稽古 どうでした? すみれさん。
はい。 とってもセクシーでした。
あっ アハッ こりゃ 珍しい感想ですね。
(笑い声) やだ 私ったら!
いえ あの…。 分かります すみれさん。
こう 転がされても土まみれになって ぶつかっていく男っていうのに➡
感じちゃうんですよね 女は。 そうなのよね ひらりちゃん。
土まみれで相手をにらみつける目とか セクシーよね。
うちの部屋でセクシーなのはね➡
梅響と わしだけです。 (笑い声)
いいえ 皆さん セクシーです。 ねえ ひらりちゃん。
あ はい。
♬~
おはようございます。 (蛭田)おはよう。
すみれさん まだですか? 私より早く 梅若部屋出たのにな。
え? 朝稽古 一緒に見てたんです。
そうか そこまで仲よくなれば 俺も安心だ。
もう 大丈夫です。 (すみれ)おはようございます。
(蛭田)おはよう。 先ほどは…。
どうだった? 朝稽古。
小さい時から あれを毎日見てれば➡
こういう仕事できない方が おかしいですよね。
すみれさん お相撲って 結構面白いでしょう。
もし よかったら また行きません? 藍ちゃんも喜んでたみたいだし。
裏表のある女だって みんなに言いふらしていいわよ。
あんた 私が梅響さんに入れ込んでると思って➡
面白がってんでしょ。 面白がってなんかいません。
面白がってるわよ。
モサモサした中年の子連れ女が 美男力士にほれてると思ってんでしょ?
で 今に みんなに言いふらすのよね。
「面白いよ 私が仲取り持つから 見においでよ」って。
ごめんなさい。 ホント言うと 一つだけ面白がりました。
梅響の前では すみれさん 何で私にまで優しいんだろうって。
私は 大人の女だから 人前では うまくやるのよ。
別に 梅響さんがいたからじゃないわよ。
あんた 私が切り絵作ってるところ見て 弱み握ったと思ってるでしょ。
でも 大間違いよ。 私は ただ単純に お金がないから➡
安上がりのプレゼントを 考えただけなんだから。
弱みどころか 私は あんな すごいプレゼント見たことないって➡
ショックだったんです。
うまいわね。
もっと弱み握ろうと思って 私を朝稽古 誘ったくせに。
ま のこのこ出かけてった私も バカだったけど➡
でも それは 仕事に役に立つと思ったからよ。
すみれさんって 素直じゃない。
ホント あんたは素直よね。
でもね その素直さが ムカつくっていうのよ 私は。
あんたみたいな得なタイプの女って 必ずいるのよね。
素直に自分の気持ちが出せて 出し方が上手で。
たまたま そういう性格に 生まれついたからって➡
みんなに かわいがられちゃ たまんないっていうのよ。
私 みんなに かわいがられてなんかいません。
好きな人だっているけど 全然 振り向いてくれないし。
その男も あんたに ムカついてんじゃないの?
(春子)へえ~ 根本さんと2人で 飲んだんだ。
(ゆき子)うん。 な~るほどね。
私にだけ言いたいことがあるって 言うからさ 何かなと思ってたら➡
それか。
もちろん 一回こっきりよ。 向こうから誘うわけじゃないし。
何かこう この辺が温かくなってる。
ゆき子 それって恋よ。
いや 絶対違うわよ。 何かね 根本さんと話してると➡
人として認められた気がしたの。
こう ポンポンっと 会話がキャッチボールできてね➡
それで言うのよ 「ゆきちゃんって面白いね」って。
私の話を 本当に楽しそうに笑ってね➡
「俺も そう思う」とか 私にも 「どう思う?」って聞くのよ。
分かるわ~ 夫とは全然違うわけよ。 うん。
何か 密度の濃い時間を持った気がしてね 胸が温か~くなってる。
絶対 恋とかじゃないのよ。
うん おいしい。
(みのり)ねえ 芳美と恵子知らない? (ミチ)あ 知らないですね。
⚟(ラジカセから木遣り唄)
(恵子 芳美)♬「テーコーセー」
♬「エー エェー」
(芳美)切って。 (ラジカセを止める音)
サボって。 何やってんの?
(恵子)ネオジャパネスクの稽古。 (芳美)何か用?
私 サンライズ化粧品 受かった。
(2人)えっ!? さっき うちに連絡があったって。
すぐ辞めるの? ここ。
さみしい…。 ね。
転職とか言ってても ずっと一緒にいられる気がしてた。
でも みのり おめでとう。 宣伝部なら やりがいあるね。
私 採用 辞退するつもりなの。
(2人)え!?
母から電話もらった瞬間は めちゃくちゃ うれしかったの。
だけど だんだん考えちゃって 30分たったら 辞退って決めてた。
何でよ? ここと比べると やっぱり落ちる。
資本金も社員数も福利厚生も こことは比べものになんないのよ。
そんなこと承知で受けたんでしょ? そうよ。
だけど いざ受かったら この会社の よさばかり目についちゃって…。
よさったって 大きくって安全ってだけじゃない。
それが大事なのよ。 私なんて 一生結婚できないかもしれないし➡
それだったら 大きくて安全なところにいないと➡
一人じゃ生きていけないもん。
そうなのよね 大企業って 親代わりみたいなもんよね。
私 ここにいるわ やっぱり。
私たちは その方が うれしいけど。
何か すっきりした。 ここにいて 適当に仕事やって➡
いつか 王子様が現れるのを待つ。 それが一番よ。
竜太先生は 王子様になってくんないのかしらね。
好きだけど そればっかりはね。
正直に言ってね…。 (竜太)何?
私って ムカつく? ムカつくよ。
怒らないから 正直に言ってね。
どこが? 真面目にとるなよ。
誰にだって 1回2回はムカつくってこと。
ホントに? しつこいなあ。
だって すみれさんに また いろいろ言われちゃったから。
結構 気にするんだな。
めげると 私 こうやって すぐ ごはん つきあってとか言うでしょ?
それって ムカつくって。 なるほどねえ。
でも いいや。 好きな竜太先生と こうやって ごはんできたから。
それ!
そういうことを ケロッと言えない女にとっては➡
ムカつくんだよ あんた。
(ため息) 俺 すみれさんのつらさ➡
分かる気がするよ。
一番見られたくない あんたに アパートは見られるし➡
仲取り持つように 朝稽古には誘ってくれるし。
でも 来たのは向こうよ。 誘いに乗ってしまった自分にも➡
腹が立つんだよ。 こんな小娘に弱み見せちゃってってさ。
そんなこと 全然思ってないのに。
あんたは思ってなくても ムカつくやつに 借りを作ったみたいでさ➡
すみれさん 突っ張らないと やってらんないんだよ。
フッ あげく小娘は やたらケロッとして 何でも言いたいことをケロッと言うしよ。
得な女ってね 腹立つんだよ。
それって 勘違いよね。
年中 ケロッと言ってると 好きですって言っても➡
本気にしてもらえない悲しみっていうのが あるのにさ。
もし 今 私が 「竜太先生好き つきあって」 って言っても 本気にしないでしょ?
する。 え?
する。 言ってみな。
僕も好きって言う?
俺は 言うより言われるのが趣味なの。
私だって趣味よ。 もう~。
食べよ。 おう 食え 食え。
10歳も年上の竜太は ひらりにとって どうも勝手が違うようです。
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