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♬~
♬「山へ行こう 次の日曜」
♬「昔みたいに 雨が降れば」
♬「川底に沈む橋越えて」
♬「胸まである 草分けて」
♬「ぐんぐん進む背中を」
♬「追いかけていた」
♬「見失わない ように」
♬「抱えられて」
♬「渡った小川」
♬「今はひらり」
♬「飛び越えられる」
♬「一緒にね いろんな話ししよう」
♬「晴れたらいいね 晴れたらいいね」
♬「晴れたらいいね」
♬~
☎
(ゆき子)はい 藪沢で…。
☎根本です。 あ… 先日は どうも。
☎あの 日曜日 空いてますか? え?
☎よかったら ラグビーの試合 見にいらっしゃいませんか?
あの…。 ☎藪沢は 「来る」って言ったんです。
あっ ああ 主人は もうお返事を…。
そうですか。 そうですよね。 少々お待ちください。
あなた 根本さんから。
(洋一)俺だ。 え?
ああ 相談しておくよ。
(洋一)分かったよ。 じゃあな。 (電話を切る音)
俺をチームに引っ張り込むには 君にも試合を見せといた方がいいってさ。
どうする?
ラグビー 見方 分かんないし。
俺は どっちでもいいけど。
行くわ。 じゃあ 行こう。
「嘘つきの 背中に昼の 雲がわく」。
(梅若)大田原 黒磯 白河。
何だ? 駅のそばに 土地を確保できるんなら➡
栃木の黒磯か 福島の白河辺りでもいいか。
(明子)でも 白河なんて 子供たち 場所入りするの大変ね。
いや 場所中は 東京に宿舎を確保するとか➡
ま いろいろ考えるさ。
そうね。
ま 強い力士が出てくりゃ 部屋やっていくのも楽なんだけどもな。
これから強くなるわよ。 だって みんな頑張ってるもん。
ああ。
そうね。 いつかまた➡
両国に戻ってくればいいんだもんね。 うん。
いや それはしない。
その土地の人に かわいがってもらって➡
それで強くなったら 横綱や大関が出ても 俺は そこを動かんぞ。
俺自身 この町の人たちに どれほど育ててもらったか。
金がない時代 食わしてもらったり。
もう亡くなったけど トヨばあちゃんって人がいてな➡
新弟子時代 稽古で ぶっ倒れたら 金くれて➡
何つったと思う? 「逃げろ」ってさ。
俺 そのお札 いつも まわしに挟んで 土俵に上ったよ。
お守りだと思ってさ。
十両に上がった時 トヨばあちゃんに それを返した。
もう お守りがなくても 自分の足で立てますって。
だけど これからも ずっと 見守っててくださいって。
ばあちゃん 泣いて喜んでな。
「死んだ時 そのお札を ひつぎに入れてやりました」って➡
親戚の人に言われたよ。
「天国に着くまで 今度は➡
ばあちゃんのお守りに なってくれるでしょう」って。
相撲部屋も相撲取りも➡
その土地と一緒に 生きていくものなんだよ。
そうね。 ごめんなさい。
(梅若)うん。
「川開き 幼な児の目に 空の花」。
空の花 う~ん…。
ああ みのり。 ねえねえ 「空の花」って言われて➡
花火って すぐピンと来る?
(みのり)来ない。 そっか。
あれ? 土曜日なのに会社? ううん 面接受けに行く。
え? (みのり)サンライズ化粧品の宣伝部。
化粧品会社としては中堅だけど 外資系だから実力主義なんだって。
宣伝部って 面白そうだし。
そんなこと 突然決めて。
誰かに相談すると 気持ちは揺れるのよ。 私 決めたから。
ねえ 何か ヤケになってんじゃないでしょうね。
何よ その言い方! 出がけに そういうこと言わないでよ。
だって そう見え…。 私は お母さんみたいな人生➡
送りたくないの。
いつだって 行き当たりばったりじゃないの。
私は 自分で考えて生きるわ。
ヤケなんて言わないでよ もう 気分悪い。
♬~
(銀次)父ちゃん。 姉ちゃんからよ 料理の本 借りてきたぜ。
へっ へっ! (金太郎)おい 銀次。
あ? 花火は パ~ッと派手なもんだろ。
ああ。だから 料理は あっさりと イカはどうだい。
イカの細造りにマリネなんざ どうだ。
マリネなんつう洋風のもん 作れんのかよ。
任せとけってんだ。 ネオジャパネスクよ。 豊かな老後よ 父ちゃんは。
ハハハ いいけどよ 地べた座って花火見んのによ➡
細造りなんて ちょいと気取り過ぎじゃねえか?
うん そういや ちょっとお上品かな。
あ 父ちゃんよ 俺 この鍋焼きうどんがいいな。
(金太郎)バカヤロー! え?
(金太郎) 鍋焼きうどんなんて冬の素材じゃねえか。
よし 決めた。 才能に走ることなく素材に徹する。
これが料理の基本だ。
いいけどよ 何作る気よ。
そうめんだよ。 あ?夏は そうめんよ。
かっ 何だよ。
そんなもの 料理の基本も才能に走るも ねえじゃねえか。
バカヤロー そうめんったって ただのそうめんと訳が違うんだ。
この父ちゃんに 考えがあるんだよ。
そこでだ 銀次 おめえの出番だ。 ん?
(小沢)寒風山 もっと腰下ろして。 (寒風山)はい!
(ひらり)どなたさんも こんにちは!
暑いのに ご精が出ますね 小沢さん。 おお いいから 続けろ 続けろ ほら。
(寒風山)何の騒ぎですか?
今夜 隅田川で花火大会あるの 知ってるだろ。
(寒風山)はい ここで みんなで見るって。 その準備よ。
いいから 続けろ 続けろ ほら。 今日は お店も半ドンよ。
いいねえ 江戸っ子社長は。 (小沢)桟敷でも作るんですか?
今夜を楽しみにってな。 おう 父ちゃん 行くぜ。
はい ガッテンだ。 おう ガッテンだ!
(みつ子)久男! (銀次)姉ちゃん!
また来たのか お前は。
小沢さん 今日は どうしても お話ししたいことがあって参りました。➡
これから 親方にも申し上げるつもりです。 この休みにも帰ってこないし➡
東北 北海道巡業が近いっていうのに 親方から何の連絡もありません。
巡業のついでに 一日ぐらい 久男を帰してもらえるんでしょうか?
姉ちゃんよ 巡業ってのはよ➡
十両以上の力士がいる部屋でねえと 行けねえんだよ。ホントなのよ。
ほかの部屋の関取の付き人になって 行く場合だってあるんでしょ?
知ってるわよ そのぐらい。 東北巡業だったら➡
秋田の子から指名してくれって 言うつもり。
キャバレーと一緒でよ 指名料取るんだよ。
バカヤロー 冗談言ってる場合じゃねえだろ。
だって あんまり頭悪いから 姉ちゃん。 頭悪いから こいつは本気になって➡
指名料 出しかねねえんだよ。
いいか みつ子 巡業ってなあな 新弟子は行かれねえんだ。
だって 中退した高校に 挨拶も済ませてないのよ 久男。
一日ぐらい なんとかしてくれたって いいでしょ。
(小沢)全て 上が決めることですから。
冗談じゃありません! 久男 いつまで そんなポンプみたいなことやってんの!
心配して 来てくださって ありがとうございました。
気を付けて お帰りください。
久男… あんた 帰りたいんでしょ?
ね! 今どき 辛抱なんて はやんないのよ。
気を付けて お帰りください。
(泣き声) おばちゃん!
(みつ子)「気を付けてお帰りください」って それが親に言う言葉?
もう ほっといてくれってことなのよ。
ほっとくかどうか決めるのは親の方よ。 子供が言うことじゃないわ。
親子が思い合う気持ちは 当たり前なのに。
子離れしてないとかマザコンとかって 世間が笑うでしょ。
だから みんな無理して 親も子も 離れたふりしてなきゃなんないのよ。
笑ってる世間だって 子離れしてないし マザコンなのよ。
思い合う気持ちは自然だと思うけど➡
少なくとも子供は かなり冷静に母親を見てるわよ。➡
多分 久男は もう あんたのこと うっとうしく思ってるわよ。
今日 みのりに言われた。 お母さんみたいな人生送りたくないって。
え? 売り言葉に買い言葉だと思うわよ。
でも 半分は本気だと思う。
(小三郎)いらっしゃい。
何だ ひらりか。 行こ 花火。
銀ちゃんと おじいちゃん 張り切っちゃって もうすごいよ。
ああ いいよ。 僕は 花火の音が好きだから➡
ここにいて 音だけ聞いてる。
見た方が ず~っと面白いって。
あっちの おじいちゃんとはさ 目ぇ合わさなきゃいいよ。
うん そんなことじゃないよ。
花火は 年々見事になって 昔とは違うけど➡
音だけは昔のまんまでね。 ここにいて 音だけ聞いてると➡
すぐ 昔の両国に戻れる。
珍しいね おじいちゃんが昔話するなんてさ。
いや 昔話は 夏の夜にだけ似合うんだよ。
分かった。 じゃあ 私 お姉ちゃんと行ってくるね。
うん。 じゃ 僕も 冷たいもんでも頂くかな。
あっ あっ おじいちゃん!
大丈夫?
ああ 年だね。 どうも 脚が弱った。
一度 診療所で診てもらおうよ。
おじいちゃん ここ座ってて。 私 持ってくるから。 ね。
あいたっ。
あっ お帰り。 待ってたのよ。
花火行くよ。 うん。
面接 割と うまくいったと思う。
よかったね。 もし受かったら 行くといいわ。
そのつもり。
さっき ごめんね。
いいわよ。 でも 行き当たりばったり っていうのは当たってた。
お母さんも つい 余計なこと言っちゃった。
ヤケじゃないの?っていうのも 当たってた。
私とお母さん 似てるから。
相手の考えてること分かって よくないね。ね。
環境変われば また人生開けるよ。 うん 受かったら行く。
(花火の音)
玉屋!
(花火の音)
(歓声)
やっぱり おじいちゃんのアイデアって すごいよ。
当たりめえよ 豊かな老後よ。
♬~
(竜太)何だ? これ。
この そうめん流し トマトまで流れてくるんだ!
しかし 丸ごとって乱暴だよ! 丸くなきゃ流れねえんだよ!
おい 今度はよ 果物シリーズだ! 桃いくぞ!
よ~し 受けて立つぞ!
(花火の音と歓声)
医者として言っておく。 お前の体は完璧だ。
足腰も筋肉もバネも一級品。 幕内にも三役にも上がれる体だよ。
もし 上がれなかったら 原因は お前のここだけだ。
慰めじゃねえよ。 医者として言う。
必ず上がれる。
ひらりちゃん! たった今 お母さんから。 おじいちゃん 倒れたって。
(2人)え!? 安藤先生! あ いた いた。
急に昔話を始めた小三郎の姿が浮かび➡
ひらりは 悪い方へ悪い方へと考えていました。
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