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♬~
♬「山へ行こう 次の日曜」
♬「昔みたいに 雨が降れば」
♬「川底に沈む橋越えて」
♬「胸まである 草分けて」
♬「ぐんぐん進む背中を」
♬「追いかけていた」
♬「見失わないように」
♬「抱えられて」
♬「渡った小川」
♬「今はひらり」
♬「飛び越えられる」
♬「一緒に行こうよ」
♬「‘こくわ’の実 また採ってね」
♬「かなり たよれるナビゲーターになるよ」
♬「一緒にね」
♬「いろんな話し しよう」
♬「晴れたらいいね 晴れたらいいね」
♬「晴れたらいいね」
♬~
⚟(ひらり)私 どうしても分かんない!
高校横綱から 本物の横綱に なるってことまで言ってて➡
どうして コロッと入門やめますなの?
久男 あんた 何なのよ?
(みつ子)よく考えたら やっぱり➡
プロでは通用しないって 分かったのよね。➡
本人が 兄と一緒に会社をやりたいって 申すものですから…。
久男! あんた そんなこと いっぺんだって➡
言ったこと なかったじゃないのよ!
本物の力士と ぶつかって 自分の力 ずっと試すって…。
だから 久男は 口では…。 (金太郎)みつ子! おめえは黙ってろ。
久男 おめえ 口があるんだろ。
(銀次)結局 怖えんだろ。 (久男)違います。
いや だから そうじゃなくて 久男が…。
(金太郎)みつ子 おめえは少し黙ってろっつうんだよ。
何か やっぱり 高校中退じゃ 困るかなとかって。
(明子)じゃあ あの 高校卒業したら 改めて入門するってことなのね?
(久男)はい。➡
いえ その時 考えるというか…。
(金太郎)ったく 俺の孫にしちゃ はっきりしねえ野郎だな ホントにもう。
久男 あんた 一番やりたいことって何なの?
誰も怒らないから 正直に言って。
あんた 一番やりたいことって何?
会社… 継ぐことです。
はあ~。
(梅若)分かった。 久男のことは 諦めた。
(銀次)親方 そいつぁ ちょいと 諦めが早すぎますよ。➡
だって 俺が聞いてたって 久男 訳分かんねえもん 言ってることが。
いや これだけの才能を潰すのは 俺だって惜しいよ。
この体は 相撲取りになるために 生まれてきたようなもんだ。
このまま 土俵に上がっても 序二段辺りは 敵じゃない。
だからといって 横綱 大関に なれるという保証もありません。
私はね 堅実に会社を継ぐという 久男君の人生設計➡
大したもんだと思って 聞いておりました。 諦めます。
(敏明)何とも申し訳ございません。 あれだけ お約束しておきながら。
いやいや。 そのかわり 久男君。 はい。
継ぐからには 父親の代より 会社を大きくしろ。
(久男)はい。 (金太郎)カ~ッ。 男だねえ 親方。
どこが。 男なら もっと粘ってほしいよ。
ひらりちゃんには いつもボロクソです。
ああ 久男君 せっかく来たんだ。 2~3日 東京で遊んでいけ。
えっ? (金太郎)カ~ッ さすが 男だねえ 親方。
ボロクソひらりに 案内でもしてもらって➡
あっちこっち見て それから帰ったらいい。
誰が こんなはっきりしないやつ。
まあ そう言うな。 いいでしょう?
でも…。 みっちゃん➡
俺が 2~3日の間に 手ごめにして➡
相撲取りにするんじゃないかと 思ってるんだろ。
いえ そうじゃありませんけど…。
思ってる顔だ。 大丈夫。 3日たったら 必ず返す。
(明子)じゃあ お布団の用意とか しておきましょう。
泊まるのは 伯母さんのうちにします。
どうして? だって せっかくだもの うちに お泊まんなさいよ。
いや 伯母さんとこに泊まります。
(銀次)おめえも ホントに 疑り深え野郎だな。
手ごめにされるとか思ってんのかよ。
バカヤロー こんな でかい半鐘泥棒みてえなやつ➡
誰が 手ごめにするもんかい。
ありがとうございました。
(みつ子)ごめんね お姉ちゃん。 みんなで ごやっかいになっちゃって。
(ゆき子)いいわよ。 久男には おじいちゃんとこで寝てもらうけど。
えっ?
(小三郎)久男が 何で あっちに泊まらなかったか 分かるか?
えっ? ううん。
どうして こっちへ泊まらなかったか 分かるか?
えっ? ううん…。
気が変わるのが怖いんだよ。
あいつは 相撲が好きで 相撲取りになりてえんだ ホントは。
親方は とっくに気付いてるよ あいつの本心に。
だから 東京で遊んでいけって…。
うん。 ひらり 面白くなってきたぞ。
親方が このまま黙ってるもんか。
おじいちゃん どうして 世の中って こう 面白いことばっかあんだろう。
なあ。 うん!
久男の本心に気付かないのは うすらトンカチの金太郎だけよ。
あのバカ。
だけどよ あの小三郎っていう クソジジイは うすらトンカチだよな。
今日だってよ 黙ってぶっ座ってるだけでもって➡
気の利いたことは 何一つ言えなかったじゃねえか。➡
ええ? あのバカ。
いやあ よう そこいくってえとよう 父ちゃんは 立派だったよな。 ええ?
親方の男ぶりまで褒めてよう。
な? なあ 聞いたろ 俺 ビシッて言ってったろ。
いや~ てえしたもんだよ 父ちゃんはよ。
そりゃあ おめえ 一番組の組頭ともなりゃあな➡
人の本心ってものをね 見抜けなくちゃならねえんだ。 なっ。
久男が 相撲取りに なりたくねえって気持ちを➡
ビシッと言って分かってんのは この俺だけだったろ?
うん そうだ そうだ。
(みつ子)あ~ ホッとした。 久男を力士にさせずに済んで。
(ゆき子)分かるわ。 私に息子がいたら やっぱり 力士より楽な道 選ばせたもの。
正直言って 久男は 兄貴に コンプレックスを持ってるんですわ。
一彦ちゃん 優秀すぎるのよ。
先妻の子と比べられて こっちも肩身が狭いわ ホント。
一彦と 一緒に仕事を継ぐよりも➡
素質のある相撲を取らせる方が ええんでねえかと➡
男親としては 悩んだんです。
だども やっぱり 力士となると 厳しすぎて➡
親の方が 耐えられなかったんですわ。 ハッハッハ…。
(洋一) しかし よく本人が納得しましたね。
いや~ それは あいつだって どこかで 力士になるのは➡
おっかねかったんです。
私らが止めてくれるのを待ってるのが 見えたからのう。
しかし 自分の力だけを頼りに のし上がっていくっていうんですか。
そういう仕事に就ける素質がありながら 普通の会社員になるってのは➡
何か 惜しい気がするけどねえ。
力士ってのは 自分が努力して 強くなりさえすれば 上に上れる。
横綱の人事異動にともなって 大関が 幕下に落ちるなんてことは絶対にない。
自分の力だけが頼りって 何か 羨ましい気がするけどなあ。
私ね 久男が力士になるって 宣言した日➡
おっぱいのにおい 突然 思い出したの。
生まれたばっかりの久男 お布団に寝かせておくでしょう。➡
目が見えないのに 目が動くの。➡
私のこと 探してるのよ。
だっこすると ふにゃ~って笑って。
私ね 子離れできない母親って言われても 平気なの。
母親なんて どんな立派なこと言ったって 子離れなんて できないもんなのよ。➡
おっぱいのにおいさせてた子 ずっと抱いて 育ててきたんだもん。
そうよね。 (みつ子)私ね➡
男のロマンだか 何だか知らないけど 子供を痛い目に遭わせたくないの。➡
久男が 土俵にたたきつけられたり➡
弟弟子に抜かれて その子の背中流したり➡
そんな惨めな思い させたくないの。 私 そんなこと聞くたんびに➡
おっぱいのにおいさせてた久男のこと 思い出すと思うのよね。
しかしそれはね 親のエゴっていうもん…。 しかしじゃなくて。
お義兄さんだって みのりやひらりが つらい目に遭わされたら➡
きっと 思い出すわよ。➡
おそろいの朝顔の浴衣着て お祭りに行ってた頃のこと。
⚟(梅若)いいか 何が何でも久男は 相撲取りにする。
(梅響)しかし 親方。 そんなマザコンが ママと離れて暮らせますかね。
今どきのガキは 多かれ少なかれ マザコンだ。
んなこと構っちゃらんないよ。
とにかく なんとかまわしをつけさせて 稽古をさせるんだ。
お前 負けてやれ。
またですか? 新弟子が来るたんびに 俺 負けて…。
バカヤロー。 自信をつけさせるってことが 大事なんだ。
誰だって 最初は相撲取りになるのが おっかねえんだよ。 いいな。
はい。 うん。
だけど 朝稽古 見に来ますかね?
大丈夫だ。 あっちのおじいちゃんは 久男の本心を読んでるよ。
必ず 連れてくる。 明子。
はい。 お前は 久男がさみしがらないように➡
徹底して 優しくて きれいなおかみさんをやれ。
簡単よ。 優しくてきれいなら 地でいけるもん。
何だ。 それでだ 事あるごとに 大相撲ってのは すばらしい仕事で➡
選ばれた男にしか できないってことを示す。 いいな。
分かりました。 分かりました。
土俵の下には 金も地位も名誉も 女も埋まってるってことを示すんだ。
ハッハッハ…。 何だ。
この人ね 新弟子時代 親方にそう言われて 土俵を掘ったのよ。
バカヤロー。 (梅響)みんな知ってますよ 親方。➡
いくら掘っても 金も女も出てこなかったって話。
私 この人のこういうところが大好きなの。
弟子たちも そう言ってます。 ほら。
ねえ 久男。 もしもよ もしも 少~しでも➡
力士になろうかなって気持ちがあるなら やってみたら?
やる気ないよ 全然。 うそ。
本当は やりたいのに怖いのよ。 会社継いだ方が 安全だって思ったの。
もう 今から守りに回って どうすんの?
(みのり)私は 久男の気持ち分かる。
やっぱり 安全なところから 飛び出していくのって怖いよ。
私だって 転職したいなって思うけど あの大企業 辞められないもん 怖くて。
私 好きでもないのに 安全だからって だけで選ぶ方が もっと怖いと思う。
絶対 生き生きできないと思うもん。
好きでもない会社継いで 力士になりゃよかったなって思ってさ➡
テレビの相撲なんか もう 絶対見ないで。 私 そんなの嫌だから。
何があっても 大相撲の仕事 就くよ。
ひらりは 怖いもの知らずなのよ。
誰だって 安全に 穏やかに生きていく方法 考えようって 少しは思うものよ。
何で 若いうちから 安全で穏やかなの?
私が久男なら 力士になるな。
それで駄目だったら やめりゃあいいの。
それから会社継いでもいいじゃない。
その時は もう年だよ。 何が年よ!
40近くまで幕下にいて それから田舎に帰って➡
立派に新しい仕事してる力士だって いるのよ。
すぐ年って言うんだから みんな。
ひらりの言ってること 間違ってるわよ。
会社継ぎたいって思ってる久男には 力士やってみるってことは➡
無駄な年重ねてることになんのよ。 うそ うそ うそ うそ。
なれるかなれないか 分かんない横綱に 懸けるのが かったるいだけよね。
(みのり)久男 私は 安全な生き方 考えるのって➡
ちっとも 恥ずかしいことじゃ ないと思うよ。
いくら 久男が 高校横綱だって プロは違うもん。
十両までは 給料もないし 力士なんて みんな体中 傷だらけよ。➡
ほんで 10年も15年も辛抱して やっぱり駄目だったっていうんなら➡
その10年を会社経営に充てた方が ずっと利口よ。
俺も そう思う。
勝手にすれば。
久男 でも明日 朝稽古 見るよね?
見ない。 絶対 見ない。
♬~
ああ… 何だ… 何だ 何だ。 まだ寝てろ。 早いぞ。
おい。 あっ でも じゃあ せっかく起きたんだ。
そんじゃあ あの 朝稽古でも見に行くか? え?
起きなさいよ。
親の心など頓着なく この恵まれた素質を花開かせようと➡
周りが動き始めていました。
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