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「君が跳んだ 水たまりへと」
「街の翳が」
「雪崩れてゆくよ」
「手のひらの上に」
「太陽を乗せて」
「心の暗がり照らし出しておくれ」
「Dreaming Girl Dreaming Girl」
「雨上がりの少女」
「Dreaming Girl 君と」
「めぐり逢えた」
「素敵な奇跡」
「Dreaming Girl」
(のぞみ) ただい…。 ⚟(あづさ) もっと真面目に考えなさい!
達也!
(リキ) おやおや… 達ぼんに 何事か 起こったようです
受験を諦める?
どういうこと?
(薫乃) 達也が 浮かない顔で ブラブラしてるっていうから
あづささんが 聞いたのよ。 「何 悩んでるのか?」って…。
それで? (うらら) んだら 達也
はあ 大学さは 行かねえって。 そっか…。
(あづさ) ああ~! 本当に もう!
そんなに 怒ることないじゃない。 怒るわよ!
あいつだって 悩んだ上の結論なんだから。
結論なら 怒んないわ! えっ?
受験やめて ブラブラしたいって…。
ええっ? ブラブラ? (あづさ) そう!
あ~ 許せない… もう絶対に 許せない!
入るわよ。 ⚟(達也) 何?
御飯。
はい!
よいしょ…。
何してんの? 食べよう。
(達也) 何だよ…。 姉ちゃんまで ここで食うことねえだろ。
いいじゃない 別に。
さあ 頂きま~す!
う~ん おいしい!
ねえねえねえ… このお肉 100g 900円もするんだってよ!
う~ん おいしい! おいしいな…。
100g 900円って高いの?
高いわよ。 お姉ちゃんが 初めて ボーナスもらってきた時
焼き肉のお肉 買ってきたでしょ? あれ 100gで1,000円だったもん。
へえ~。
ブラブラしたいんだって? ん…?
よく言うわね そんなこと。 だって そうなんだもん。
ふ~ん…。 じゃあ どんなふうに ブラブラしたいの?
(達也) うん? だから 「ブラブラ」にも いろいろあるでしょう?
ただ そうやって寝てるだけとか 旅に出るとか…。
旅に出る? やめてよ 親父じゃないんだからさ。
じゃあ 何?
「何」っていうのがないから 「ブラブラ」なんだろ。
開き直んな こら。 開き直ってねえよ。
何やりたいのか 分かんないけど
分かんないのに「まあ とりあえず勉強」 っていうのが できねえんだよ。
医者になりたいやつは 医学部とか 姉ちゃんみたいに
弁護士になりたいやつは 法学部とか あるかもしんねえけど
俺… 何になりたいかなんて 分かんねえもん。
私だって 分かんなかったわよ~。
だから 大学入って それから考えようと思って
とにかく 勉強したんじゃない。 よく そんなんで勉強できるよな。
別にさ… 逃げてえわけじゃねえんだよ。 うん?
何つうの? 俺って ちゃんと 自分のことをさ
考えたこと なかったんだよ。 「俺って これから どうなんのかな」とは思っても
「これから 何をしたいのか」は 考えたこと なかったんだ。
考えようと思ってもさ
「とりあえず 勉強すりゃいいじゃん」と 思って 勉強するんだよ。
でも「勉強したいわけじゃないのに
大学行くのも おかしいよなあ」と思って その繰り返し…。
でもさ… いつまでも こうやって 自分のこと 考えないでいるのは
やっぱ おかしいと思ったんだよ。
だから ブラブラしてさ ゆっくり 考えたかったんだよ。
それ ブラブラって言わないと思うよ。 えっ?
全然 ブラブラじゃない。
私みたく ダ~ッて 突っ走っちゃう やり方もあるけど
そうやって 立ち止まって考えるのも いいと思う。
褒めてくれて ありがとう。
行こう! えっ?
今 達也が言ったこと お母さんに言おう! いいよ…。
よくない! 言わなきゃ お母さん 分かんないわよ。
達也が 本当に ただ 勉強するのが嫌で
何も考えないで ブラブラしたいだけだと思っちゃうよ。
いいよ 別に。 よくない!
(階段を下りる音)
言いなさい!
(達也) いいよ…。
言いなさい! (薫乃) どうしたの?
達也ね 何をしたいのか 考えたいんだって…。
本当に 何をしたいのか見つけてから 勉強なり就職なり したいんだって。
はあ~ 何を言うかと思えば…。
私 それ 「ブラブラする」ってこととは 違うと思う。 ねえ お母さん 違う?
何 言ってんの! 甘い!
親に養ってもらってるから そんなこと言えるのよ。
ふざけたこと言ってんじゃありませんよ。 ふざけてなんかない! 達也 真剣よ!
(あづさ) だったら 自分で言いなさい。
お姉ちゃんが言っても しょうがないでしょう。
自分で言いなさい。
達也…。 達也…。
俺は… 「とりあえず」じゃないものが… 欲しいんだよ。
とりあえずじゃないもの?
とりあえず 就職するために 大学行くとか
とりあえず 大学行くために 勉強するとか そういうんじゃなくて…
とりあえずじゃない 生き方がしたいんだよ。
そんなもの… あるのかしら?
ふ~ん。 じゃあ あったとして どうやって探すの?
働く。
何でもいいから やりたいこと 片っ端から やってみて
本当に自分がやりたいこと 見つける。
(あづさ) 簡単に見つかるかしらね? 見つける。
分かってるの? 今 大学を諦めるってことは
降りるってことなのよ。
やっぱり 大学行くのが 必要だって分かったら
改めて 受験勉強するよ。
人より 何年か遅れて 行くってことになるけど
別に 後悔はしない。 もちろん 自分で働いた金で行く。
口だけの覚悟じゃないでしょうね?
だったら… きっちり うちへ お金を入れなさい。
(達也) うん。
泣きついてきたって 助けないからね。
うん…。
じゃあ… 勝手にしなさい。 けど いいわね?
これからは お母さんは あなたの面倒は 一切 見ないってことよ。
これから 自分で 自分の面倒を 見ていくってことなんだからね。
(優) へえ~ 受験 やめるってか?
(桃子) 「とりあえずじゃない生き方」ねえ。
とても 達也の口から出たとは 思えないなあ。 うん…。
でも… 分かるなあ。 そう?
男ってのはね 一度は こう 何か でっかいものに なりたいんだよ。
分かる気がする。 自分を超えたいのよね。
お~ 話せるねえ。 大人になったなあ。
おはようございま~す!
あっ 今日は また随分 早いんですねえ。
(星野) お邪魔だろうけど 明日 最後の締め切りだから。
ああ 例の ホラ吹き インチキ記事のことですか?
さてと コーヒーでも いれようかなあ 先生の。
(赤松) おい ちょっと来い!
あっ ちょっと待ってください。 今 おいしいコーヒー いれますから。
コーヒーは要らん。 はい?
河合っていう客が来たらしいな?
河合… ああ 覚えてます。 犬を抱いた おばあちゃんです。
どんな用だった? 手短に説明しろ。
はい。 え~ 河合さんは 2か月前に
交通事故でケガをしている 生後間もない子犬を拾って
育ててこられたらしいんです。 でも 最近になって 元の持ち主の方が
「返してほしい」って迫ってるらしくて…。 うん それで?
すっかり懐いて 返したくないので
何か 方法はないかって 相談に来られたんです。
(赤松) で… 「話せば 分かる」と言って 帰したのか?
今 元の飼い主から 電話があった。
ばあさん 話し合いを求めて 乗り込んできたらしいぞ。
飼い主は 突っぱねた。
「話し合う余地はない。 犬は自分のものだ」と言ってなあ。
はい…。 そしたら ばあさん 居直ったらしい。
弁護士さんに 「話せば 方法は あるかもしれない」と言われたと
弁護士の意見を振りかざしてな。 弁護士?
で… 「一体 どんな法律や 条例をもってすれば
方法が あるんでしょうか? これから そのばあさんと一緒に伺いますので
何とぞ ご説明ください」と そう言ってきた。
えっ? 方法があるなんて言ってません。
「ちゃんと話せば 分かってくれる かもしれない」って言っただけです。
「かも」? おい!
どんな根拠をもって 「かも」という言葉が出てくるんだ?
それは あの…。 何で 相談なんか乗った?
前にも 言ったろ? 君は弁護士じゃないんだぞ。
弁護士だなんて言ってません。 ちゃんと 弁護士じゃないってことも話しました。
もちろん お金も頂いてませんし あくまでも 個人的に お話を…。
バカ野郎!
ここは どこだ!? えっ?
名称だ。 俺の名前の下に 何が付いてる? 法律事務所です。
法律事務所に来る人間は 弁護士に会いに来るんだ。
いくら 君が 「個人的に 相談に乗ったから」と言ったって
そんなことは通用せん! 金を もらってようが もらってまいが
ここで 述べられた意見は 弁護士が言った言葉として判断される。
すいません…。 犬を抱いてたので…。
あの… うち 動物病院だから ひと事だと思えなくて…。
弁護士というのは 先生と呼ばれる。
いいか? 医者でも 教師でも 政治家でも 先生なんて呼ばれる商売は
思わぬところで 人に 影響を与えるんだ。
責任を持てんことは 絶対に やっちゃあ いかん。
すいません。 あの… 来たら どうしたら?
一切 構うな。 俺が処理する。
君の無責任な発言をわびて 改めて ばあさんには 「犬を返せ」と言う。
じゃあ あの おばあちゃんには? 法律上 権利はない。
何か 方法は ないんでしょうか? 法律的には ない。
「法律 法律」って…。 法律家に なろうとするやつが
何を 言っとるんだ! でも これは 個人的な事件じゃないですか。
法を持ち出さなくても 何か 解決する方法があるんじゃないですか?
(星野) 俺も そう思います。
法律っていうのは 人を守るもんでしょう?
その法律に縛られて 苦しむ人がいるのは おかしいんじゃないかな…。
俺も 法律は嫌いだ。
しかし この複雑な どうしようもない 人間関係を 調節するには
強力なナタが必要だ。
いいか? …でないと 人間ってのは アホだからなあ
いつまでも 争ってなきゃならん!
そう思わないんだったら 弁護士なんて… やめちまえ!
でも…。 俺は 弁護士だ。
ここに来る人間は 近所のおやじに 人生相談に来るのとは違うんだぞ。
法律的な解決を求めて 来るんだ。
(ノック)
(赤松) はい どうぞ。
頼りの赤ゲン先生にまで 冷たく 突き放されて
のぞみ嬢ちゃん 大ピンチであります
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