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「君が跳んだ 水たまりへと」
「街の翳が」
「雪崩れてゆくよ」
「手のひらの上に」
「太陽を乗せて」
「心の暗がり照らし出しておくれ」
「Dreaming Girl Dreaming Girl」
「雨上がりの少女」
「Dreaming Girl 君と」
「めぐり逢えた」
「素敵な奇跡」
「Dreaming Girl」
(すすり泣き)
(うらら) 分かったぞい。 おばあちゃん 福島さ 帰ったりしねえ。
そだに泣いてくんにくても いいぞい。
(達也) うららのせいじゃないぜ。 えっ?
(あづさ) 何なの? 何か あったの?
(うらら) 何なんだい?
(のぞみ) 別れちゃった。 「別れちゃった」って…。
はあ まさか 純ちゃんとかい?
のぞみ!
お母さん。
純ちゃん…。
(リキ) あの世へ 行っちまったわけでもねえのに
こんなに悲しいとは…。
人間様の「さよなら」は 結構 大変なもののようです
(赤松) …で 帰りたいのか?
(徹) えっ?
あの人にないしょで おふくろさんに 連絡取ってるそうじゃないか。
(徹) 何だ そんなことまで知ってるのか。
ああ そうだよ…。 帰りたいんだ。
ああ… どうしようもなく 帰りたくなった。
フッ… 今更 なにが 「どうしようもなく」だ。
俺 もうすぐ 46なんだよ。
俺も 同じ年だよ。
この年になって 根っこが 定まらないってのは 結構 こたえるよ。
定まるのが 嫌で 出ていったんじゃないのか?
(徹) 3年ほど前から 伊豆のサボテン農園にいるんだが…。
まあ いろいろあって いづらくなった。
今度 どこへ行くかって 考えた時…
浮かんでくるのは うちだけだった。
勝手なことを!
20年… いろいろやったよ。 まっ ほとんど 水商売だ。
クラブや スナック…。 俺 この顔だから 結構 モテて…。
まっ それなりに 楽しく暮らしたよ。
お前は 昔から 楽で 楽しいことが好きだったからな。
相変わらず 痛いね お前の言葉。
何で 出てった?
「逃げ」だよ。
ああっ もう!
はあ… ヤケになって… もう めちゃめちゃ やりたかったんだよ。
爆発したかったんだよ!
一人で 爆発してろ!
(ため息)
うちを出てる間さ… まともな職を見つけて…
頭下げて 帰るつもりだったんだよ。
けど… 見つからないまま…。
あづさが その赤ん坊を 達也を引き取ってるって知ったんで…
余計に帰れなくなったよ。 つらかった。
時代に引きずられたとはいえ…
嵐のあとの脱力感ったら なかったよ。
それを言ったら 戦争を乗り越えた人は どうなるっていうんだ? えっ?
みんな ひっくり返るような中から はい上がってきたんだぞ!
それも 分かってるよ!
そんなに分かってるなら 何で 今更 戻ってきたんだ!?
自分が 何をしたらいいのかも 分かってるんだろうな!?
俺… 俺 帰りたいんだよ。
じゃあ 帰れ。 勝手に 帰りゃいいじゃないか。
俺に 何をしろって言うんだ。
俺…。
帰ってもいいもんかな?
何 言ってるんだ。
見てほしかったんだ お前に…。
見る? 何を?
(徹) 俺が 家に帰ってもいい人間かどうか…。
見てほしかったんだよ。
ひどい面だ。 何の反省もしてない面…。
ただ 年を取っただけ。 深みも 厚みも 全くない。
軽薄で 無責任にまみれた面だ。
でも 帰れ。 その無責任な面で帰れよ。
…で 女房や 娘や 息子に
軽蔑され 罵倒されろ!
それが 「帰る」っていうことだ。
⚟(あづさ) のぞみ 入るわよ。
はい ココア。
落ち着いた? うん。
フフッ…。
昨日は 試験に落ちて 泣いて
今日は 彼氏と別れて 泣いて…。
あ~あ。 ひどい一週間!
慰めないわ。 うん?
慰められると 余計 泣きたくなるでしょ?
うん。
この部屋も 様子 変わったわねえ!
うららちゃん いづらくなったの このせいかな?
そんなことじゃないわよ。 ああ言ってね みんなに甘えてんの。
お母さんは? 甘え上手だった?
あんまり…。 だから 出てっちゃったんじゃない?
私も下手。 女の人ってさ…
そんなに 好きな人のことだけ考えて 生きてなきゃ いけないのかな?
うん?
私が弁護士になりたいなんて思わなくて ず~っと純ちゃんのことだけ考えてたら
多分 向こうの親が反対しても 結婚してたと思う。
ねえ 本当に… 本当に 別れてきたの?
どうして?
「弁護士と俺と どっちをとるか」って 言われたの。
それで?
「弁護士」って言った。 ええ~っ!
あっ もちろん 本気じゃないわよ!
売り言葉に買い言葉ってやつ。 うん。 それで?
すぐに謝ったけど もう駄目だった。
謝られると惨めになるって言われたの。
でも 私が弁護士を目指してる限り 同じことの繰り返しになっちゃう。
だから もう… どっちにも行けないって…。
それで 素直に別れてきたの? えっ?
関口君だって 意地があるでしょう。
冗談にせよ 自分より 弁護士をとるって言った あなたを
素直に認めるわけないでしょう。
「弁護士になる夢より何より あなたの方が 大事よ」って言って 追っかけたら
きっと許してくれるわよ。 でも 夢も大事なのよ。
本当に 関口君を失いたくなかったら
一度は 引いてみるってことも 必要かもしれないわよ。
せっかく やりたいこと見つけたのに 途中で諦めるなんて 嫌!
もう あなたって人は! 正直言うと 悩んだわよ。
こんな思いまでして 試験受ける意味があるのかって悩んだわ。
当たり前よ。 これで悩まなかったら バカよ。
でも 嫌…。 やっぱり諦められない。
今 諦めたら 私 何にもなれない。
じゃあ 関口君は失っていいの?
勝手ね。 あなた 結局 本気で 関口君を好きになれなかったのよ。
はあ… そんな人に 人の心が救えるのかしら?
お母さんは どうなの!? えっ?
お母さん… 本当にお父さんに 戻ってきてほしいの?
何 言ってんの? あなた。
お母さん 冷たい…。 「20年 待った 待った」って言ってるけど
ほかに好きな人がいなかったから 待ってただけじゃない。
本当に 本当に戻ってきてほしかったら すぐにだって迎えに行くはずだわ!
何も知らないのに 何 言ってんの。
知らなくて当たり前でしょ? いないんだもの。
お父さん 覚えてないんだもの。
どうして行かないの?
いる所が分かってるのに じっとしてるなんて
私 全然 分からない!
お母さん 怖いのね。
お父さんが「帰りたくない」って言うのが 怖いのよ。
拒否されるのが怖いなんて 本物じゃないわ。
お母さんこそ 本当に お父さんを愛してないのよ。
いいかげんにしなさい。 私が 本当に
純ちゃんを好きになれなかったって 言うんだったら
それは お母さんのせいよ! お母さんに似たのよ!
弁護士なんて やめなさい!
自分の足りないの 人のせいにするような人
弁護士になる資格なんてないわ。
嫌よ! 今すぐ やめなさい。嫌!
せっかく やりたいこと 自分で 見つけたのよ。
なにが 「自分で見つけたのよ」よ。
親に養ってもらって 御飯 作ってもらって
下着の洗濯までしてもらって なにが「自分」!?
そんなに「自分 自分」って言うんなら うち出て 一人で 自分で
何から何まで やりなさい!
⚟(薫乃) ただいま…。
あら どうしたの?
(純一郎) 今のお前は 愛情とか 気持ちを ないがしろにしすぎるんだよ。
そこが嫌なんだよ!
(ひとみ) そうやって 何でもかんでも 手に入れようとするの 大嫌い。
(サチ) 「そんなに 人生甘くないわよ」って 教えてあげたくなっちゃうの。
何でもかんでも中途半端なんだよ。
私 出ていく。 (薫乃) ええっ!?
今日は 叔父ちゃんとこに泊まるから。
アパート決まったら 荷物 取りに来るから。
のぞみ 何 言ってんだ!? そうだよ 姉ちゃん!
出てって どうすんだよ? (戸が開く音)
止めないで。
やったらいいわ。 もう 24なんだもの。
それだけ覚悟ができてるって言うんなら やり遂げなさい。 自分でね。
分かった。 じゃあ みんな 元気でね。
リキもね。
ちょっと…。
仕事を失い 恋をなくし 夢に破れ
家からも放り出された のぞみ嬢ちゃん 24歳。
春の夜の出来事でした
さて 来週は「可愛い子には 旅をさせよ?」の巻。
はるかな 弁護士への道を目指す のぞみ嬢ちゃんは
更に厳しい いばらの道へと 足を踏み入れます
お願い! 離婚して!
そこまで言うな! 決めるのは… 母さんだよ。
どんな いばらかは 見てのお楽しみ。 ワン!
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