All language subtitles for シジュウカラ＃01

おはようございま～す｡
おはようございま～す｡

おはようございま～す｡

ねぇ 辞めるのやめようよ｡

片道２時間は 無理だって｡

忍さん ﾏｸﾞｶｯﾌﾟ忘れてますよ｡
あ～ ありがとう｡

交通費 出すから｡
それか 引っ越すのやめなよ～｡

じゃあ ﾏﾘも引っ越す？
無理｡

私 東京以外 住めないし｡
ﾌﾌﾌﾌ…｡

どうぞ｡
ありがとう｡

何？
忍さぁ…｡

ん？
まさか 自分の漫画
描くの やめないよね？

ﾌﾌﾌﾌ… えぇ～｡

まだ ささき蜜柑は
岡崎京子になれてないぞ｡

＜私は ささき蜜柑どころか
佐々木忍ですらない＞

(悠太)お母さん？
ん～？

｢部活だより｣のｲﾗｽﾄ
明日までだって｡

え～!?
えっ 今 言う？ それ｡

ねぇ この状況 わかってるよね？

ねっ？
綿貫さん
食器は 台所でいいですか？

はい｡ ねぇ お母さんさぁ➡

魔法使いじゃないんだよ｡
そういうの つまんない｡

ねぇ えっ？
何？ つまんないって 何それ｡

あ～あ｡
何よ？
やっぱ なんかな…｡

何よ？
いや お母さんが
もっと売れてたら➡

吉祥寺の豪邸に
住めたかもしんないのに｡

それは どうも
すみませんでした～｡

ごめんなさいね～｡

豪邸か～ 俺も住みたかったな～｡

私も｡
あっ ｳｿｳｿ 働こう 働こう｡

忍ちゃん これ どこ置く？

２階 物置部屋｡

(ﾄﾞｱの閉まる音)

(洋平)あっ 割れない…
これ ｲﾝﾁｷだな～｡

あ～ うちは ﾏｶﾀﾞﾐｱなのにな～｡

(ﾄﾞｱの開閉音)

いい？
ん～ 今日は ちょっと…｡

悠太に 兄弟できたら困っちゃう｡

ﾌｯ… まだ妊娠するの？ ﾌｯ…｡

妹かな？ 弟かな？
って ﾔﾊﾞいでしょ｡

ね？ おやすみ｡

もう やめてよ！

じゃあ いつならいいわけ？

♬～

｟ん？

えっ？

えっ？

ﾊﾊｯ｡
ﾌﾌｯ｡

(笑い声)

能楽堂だって｡
ん～？

へぇ～ １回 見てみたいな～｡

えぇ～ 俺 １回 見たけど
爆睡だったし｠

何 その格好｡

ﾋﾞｯｸﾘした｡

えっ… 帰ってきたなら言ってよ｡

ｶﾞｰﾃﾞﾆﾝｸﾞって
ﾎﾝﾄ おばさんって感じ｡

おばさんだから｡

でも お母さん こういうの
やってみたかったんだ｡

(悠太)ふ～ん｡
(小鳥のさえずり)

(小鳥のさえずり)

どうしたの？

(小鳥のさえずり)

ごはんできたら呼んでね｡

♬～

(ﾊﾞｲﾌﾞ音)

お久しぶりです｡
お久しぶりです｡

ささきさんの 『地獄にﾎｯﾄｹｰｷ』
電子で ﾊﾞｶ売れです｡

ﾊﾞｶ売れ… えっ？
まだ 実感ないですよね？

印税 そろそろ入ると思うので
楽しみにしていてください｡

なんで こんな
12年前の ﾚﾃﾞｨｺﾐが今頃…｡

不倫ものって
何年かに１回くるんですよ｡

しかも 電子ｺﾐｯｸは
ﾄﾞﾛﾄﾞﾛ不倫ものが➡

ｳｹるんですよね～｡
へぇ～｡

もっと喜んでくださいよ！

佐々木さんにとって
ささき蜜柑になっての➡

第１作じゃないですか｡

第１作って…
これだけなんですよね｡

ささき蜜柑で
不倫ものの連載とか➡

ｼﾘｰｽﾞ化とか
できるかもしれないですよ｡

連載…｡
まぁ でも まずは➡

１本 読み切りを
描いていただいて➡

その 数字しだいなんですけどね｡

はい｡
ひとまず 新作➡

120ﾍﾟｰｼﾞ いけますか？

120ﾍﾟｰｼﾞ？

次は 妻が不倫 どうでしょう？

あっ… 描きます｡

か か… はい｡

ってか 120って…
ｱｼｽﾀﾝﾄもいないのに…｡

(赤ん坊の泣き声)

｟はい はいはい…｡
(泣き声)

やっぱ
ﾏﾏのだっこが いいんだな｡

え？｠
(泣き声)

(泣き声)

や～るか！

ﾏｼﾞ 学校 遠いんだけど｡
遠いよね～ 東京｡

でもさぁ
引っ越すって わかってたし➡

私立 行くって決めたのも自分｡

ん？ ﾌﾌﾌﾌ…｡
ただいま～｡

おかえり｡

なんか来てたよ｡
ん？

あっ！
ん？
今日ね➡

出版社に行ったんだけど➡

新作 頼まれちゃった｡
へぇ～｡

昔 描いたやつがね…｡
うん｡

電子で ﾊﾞｶ売れなんだって～｡
へぇ～｡

あ～っ えっ えぇ～！

どうした？

見て これ｡

すげえ 何？ これ｡

これだけあれば ﾊﾟｿｺﾝ買えるかも｡

ｱｼｽﾀﾝﾄも雇えるかも｡

俺も ﾊﾟｿｺﾝ欲しい！
なんでよ？

忍ちゃん
こんだけ稼げるんだったら➡

俺 会社 辞めちゃおう！

あ～ あぁ～ あ～っ｡

わぁ わぁ わぁ～｡

漫画家の部屋みたい｡

へぇ～｡

ｳｿ～ ｷｬｰｯ｡

はぁ～｡

すごいな｡

｢ささき蜜柑 漫画家｡
11月15日生まれ さそり座｡

ｱｼｽﾀﾝﾄを募集します！｣｡

ん？ ｷｬｰｯ きてる…｡

きてるし えっ？

橘千秋さん｡ わっ…｡

ﾄﾞﾗﾏか～
私もないんだけどさぁ➡

でも ただただ
ときめきたいの｡

あ～ わかる｡ この先
ず～と 旦那だけか～とかね｡

でも 旦那ってさぁ… 最近さ➡

旦那が死んだら
悲しいのかなって思うよ｡

それ すごいわかる｡

こんにちは｡

はぁ～ 恥ずかしい…｡

(ﾄﾞｱの開く音)

ささき先生ですか？
はい｡

あっ 橘千秋です｡

ああ！ あぁ どうぞ｡

男…｡

家 近っ｡

こんな近くに同業がいたなんて｡

ﾌﾌｯ あ～ 橘くんって➡

ｵｰﾐﾔ先生のとこにいたんだね｡

えっ ｵｰﾐﾔ先生って ﾌﾙﾃﾞｼﾞﾀﾙ？

そうです｡ だから
僕もﾃﾞｼﾞﾀﾙのほうが慣れてて…｡

もしかして… あの
ｿﾌﾄを ｾｯﾄｱｯﾌﾟできる？

あと あの 原稿に入る前に
使い方も教えてもらったり➡

できるかな？
あの その分の時給は➡

もちろん 払うんで｡
もちろんです｡

これからでも平気ですよ｡

これから？
いやいや 家 散らかってるし➡

あの 土曜だから
夫も子どももいるし…｡

僕は 全然 大丈夫です｡
気にしません｡

ﾎﾝﾄ？
はい｡

え～！

入って｡

えっ ちょっと ねぇ もう ｽﾞﾎﾞﾝ！

(洋平)人 連れてくるなんて
聞いてないよ｡

もう はいはい ごめんなさいね｡

早く あっち行ってよ 早く｡

もう やだ～｡

ねぇ ちょっと…
ごめんね こんな感じで➡

おじさんで｡
(洋平)おじさんで悪かったな｡

なんで履いてないの｡

(息遣い)

あっ そこに座って｡

ﾎﾝﾄにね～
もう 全然 わかんなくて｡

え～と…｡

じゃあ まず
ｿﾌﾄを ﾀﾞｳﾝﾛｰﾄﾞしましょうか｡

あっ はい｡

え～っと…｡

これで…｡

あっ できたみたいです｡

あっ ありがとうございます｡

♬～

あっ あっ…｡

この写真の背景を
入れてほしいんだけど…｡

紙に直接
描いたほうがいいですか？

あぁ！ あっ
背景だけ ﾃﾞｼﾞﾀﾙもできるんだ｡

あっ じゃあ 橘くんの
やりやすいほうでいいよ｡

あの ねぇ ﾃﾞｼﾞﾀﾙなら
在宅で作業でもいいし｡

あぁ 僕 家に
ﾊﾟｿｺﾝも ﾀﾌﾞﾚｯﾄもなくて…｡

あぁ そう…｡
通いでもいいですか？

うん もちろん｡

終わりました ﾁｪｯｸお願いします｡

えっ 早っ…
私 全然 終わってないや｡

あ～ どうしよう こんな時間｡

えっ 私 夕飯 作んないと…｡

あぁ じゃあ 僕が作りますよ｡

えっ？
先生は ﾍﾟﾝ入れの続き➡

しててください｡
あっ いやいや… えっ えっ？

料理 得意なの？
母子家庭だったんで 必然的に｡

ただいま｡
ただいま～｡
おかえり｡

すげえ… えっ 何？ これ｡

橘くんが 作ってくれたの｡

お母さんのより 全然 うまそう｡

ちょっと～？

もう 早く
手 洗ってらっしゃい ほら｡

なんか すみません 僕まで｡

作ってくれた人
帰すわけにいかないよね～｡

はい どうぞ｡
ありがとうございます｡

じゃあ… いただきま～す｡

(２人)いただきま～す｡

おいしそう｡
う～ん｡

やっぱり家で仕事する人って
料理 うまくなるよね～｡

普通ですよ｡
普通じゃないよ｡

俺なんて
料理してる時間なんてないもん｡

うまっ！

うちの奥さんより
全然 うまいかも｡

負けちゃってるよ
忍ちゃん 恥ずかしい！

ﾌﾌﾌｯ｡

皆さんは ずっと ここに
住んでるんですか？

ううん｡

ここは 夫の実家｡

夫の父が亡くなって
最近 引っ越してきたの｡

お二人は
どこで知り合ったんですか？

ん？ 私たち!?

はい｡
駅前の飲み屋｡

私も地元 こっちなの｡

えっ ﾅﾝﾊﾟってこと？ ｷﾓっ！

おい よけいなこと言うなよ｡

ｷﾓいよね ﾌﾌﾌﾌ…｡
じゃあ 僕とも➡

どこかで会ったこと
あるかもしれないですね｡

ん？

それにしても 大変だね 君も｡

こんな おばさんの
漫画 手伝わされて｡

ごはんまで作らされてさぁ｡
おばさんじゃないです｡

ご主人には どうか知りませんが➡

僕にとっては おばさんじゃなくて
先生です｡

だって！

じゃあ また 明日｡

先生の漫画
あれは 先生がﾓﾃﾞﾙですか？

夫に不満を持ってて
不倫に走る人妻｡

違うよ｡

ｴｯｾｲ漫画じゃないし｡

じゃあ 願望？

違います｡

あれは… 編集部からの要望｡

人妻が不倫に走るっていう｡

ﾌﾌｯ な～んだ！

じゃあ おやすみなさい｡

おやすみなさい｡

うわぁ～
本降りになっちゃったね｡

ちょっと待って 傘 持ってって｡

ねぇ 傘｡

傘 持ってって！ ねぇ！

♬～

わさび？ わさびじゃん｡

わさび！ わさび！
わさびじゃん！ わさび！

ﾋﾞｯｸﾘした ちょっと… え？
ちょっと待って 待って待って｡

えっ ﾏﾙｺﾒ？

博士？
久々 呼ばれた それ｡

やだ やだ…｡
(笑い声)

わさびはさ
まだ 漫画家 続けてんの？

う～ん まぁ 一応ね｡

さすが
我ら 漫研の星｡

ﾌﾌﾌ…｡
漫画家とさ
知り合いだったりするの？

最近は…
杜殿津ﾏﾘのｱｼｽﾀﾝﾄしてた｡

と… 杜殿津ﾏﾘ？
杜殿津ﾏﾘ｡

すごいじゃん｡
私 大好きなんだよね～｡

今 ﾄﾞﾗﾏもやってるよね？
そうそう｡

杜殿津ﾏﾘのｱｼｽﾀﾝﾄ
ﾎﾝﾄ すごいよ｡

あっ じゃあ さぁ…｡

ﾏﾙｺﾒと博士の子どもは
同級生なんだ｡

うん そう ４年生｡
ふ～ん｡

わさびんとこは
いくつになった？
今 中１｡

玉中？
あっ ううん 都内｡

あの 私立に通ってて…｡
え～ すごい いいな～｡

ご主人 稼いでるんだね｡

うちは ｼﾝｸﾞﾙでさ
毎日 ﾋｰﾋｰだよ｡

そうなの？
うん 離婚したんだ｡

もう ２年前か…
一回り下の女と浮気したの｡

一回り下ってさぁ ｷﾓくない？

あっ ごめん！
わさびんちの旦那さん➡

一回り上だよね｡ ごめん…｡

ううん 全然 気にしない｡

ｳﾌﾌﾌ… それにさぁ…｡

(笑い声)

ごめんね あのね…
あの 一回り下と結婚したのに➡

うちの夫も 浮気したんだよね｡
ﾌﾌﾌ…｡

(ﾏﾙｺﾒ)へぇ～ いつ？

まだ 子どもが
生まれたばっかりのとき｡

子ども抱いてさ
尾行しちゃったよね 私｡

もう もう 笑っちゃわない？

もう 嫌だ… ｱﾊﾊﾊﾊ…｡

(赤ん坊の泣き声)

できた～！

はぁ～ うれしい｡
今日 打ち上げ行きませんか？

今日？
はい 今日です｡

あぁ え～っと… あの…｡

何か予定ありました？

う～ん…｡

う～ん ううん 何にも｡

そうだね 行こっか？

先生と旦那さんが知り合った
飲み屋さんに行きたいです｡

なんで？
もっと いいとこ行こうよ｡

いいんです｡ 行ってみたくて｡

う～ん じゃあ…｡

駅前に６時で どう？

はい！ 楽しみです！

これは… う～ん 違うな｡

え～ これ？

焼き芋だな｡

派手だな～｡

えぇ… これ…｡

何やってんの？
あっ お母さんね➡

今日 お出かけするから｡

今から？
うん｡

あぁ…｡

今日… 今日なの？
ﾎﾝﾄに今日 出かけんの？

そうだよ～ これ ﾏﾀﾞﾑだな｡

誰と出かけんの？
えっ？ 友達だけど だめ？

え？
別に…｡

え～っと これ… これかな？
こっちか？

こちらへ どうぞ｡

えっ ここですか？
こんなんだったっけな｡

え～ ちょっと なんか
恥ずかしいな｡

なんか 感じ違いますね｡

ん？ そう？

出かけるときは
いつもこんな感じ｡

失礼いたします｡

じゃあ… 乾杯｡

乾杯｡

あ～っ おいしい｡

このあとの仕事の予定って｡

あぁ… まだ ちょっと
決まってはないんだけど…｡

今回の結果しだいかな～｡

次があれば また呼んでください｡

うん もちろん｡

あっ 橘くんは
今 何か描いてるの？

この間 ｢ｽﾊﾟｲｽ｣に
持ち込みしたんですけど…｡

全然 だめで｡

えっ 私のﾃﾞﾋﾞｭｰ 『月刊 ｽﾊﾟｲｽ』だよ｡

えっ？ あっ そうなんですか？
へぇ～｡

ｲﾒｰｼﾞじゃないでしょ｡
はい｡

昔は もっとね
とんがったりしてたんだけどね｡

う～ん ｢ｽﾊﾟｲｽ｣って
増刊号もないし➡

ﾃﾞﾋﾞｭｰしても 連載とるの
結構 大変だよ｡

そうなんですよね～｡

僕も 大好きな作家さん
いたんですけど➡

いつの間にか消えちゃって｡

ふ～ん そうなんだ｡
業界からの注目度は➡

高いんだけどね～｡

え～ でもさぁ
雑誌に こだわらなくても➡

今 SNSでさ こう 話題 つかむ人➡

多いじゃない？
そうなんですよ｡

だから 僕も いろいろやってて…｡

正直 持ち込みするより
うちからﾊﾟｿｺﾝで投稿したほうが➡

手軽だし お金もかかんないし…｡

う～ん そうだよね｡

ﾊﾟｿｺﾝ… うちにないって｡

こちら お通しになります｡

うわ～ 降ってる｡

え～ やむかな？ これ｡

え… あ… あっ
ちょっ… どうしよう？

え～っ｡

わわわ… ﾀｸｼｰ つかまるかな？

先生って
結婚 何年目なんですか？

えっ？ ﾌﾌﾌﾌ… なんで？

15年目かな｡

旦那さんの
どこが よかったんですか？

ん？

♬｢We didn't start the fire｣

(鼻歌)

ﾊﾊﾊｯ なんなんですか それ？

ﾋﾞﾘｰ･ｼﾞｮｴﾙの 『ﾊｰﾄにﾌｧｲｱ』｡

『ﾊｰﾄにﾌｧｲｱ』？
そうだよ｡

ｱﾊﾊﾊ 『ﾊｰﾄにﾌｧｲｱ』って…｡
何？

なに その古臭い ﾀｲﾄﾙ｡
ﾊﾞｶにしてるでしょ｡

ﾊﾊﾊﾊ… それ ﾔﾊﾞっ｡

え～ すっごく
かっこいいんだよ｡

だって 夫が 初めて会った日に➡

ｶﾗｵｹで これを すっごい
かっこよく歌ってくれたの｡

いやいや ﾀﾞｻいですよ…｡

え～ 名曲なんだって～｡

あの頃 だって➡

ﾋﾞﾘｰ･ｼﾞｮｴﾙ 聴くような人
周りにいなかったもん｡

今度 聴いてみますね｡

それで 旦那さんより
かっこよく歌いますよ｡

だって こんな日に 僕と
一緒にいてくれたんですから｡

♬～

《私は今日 40歳になった》

(ﾄﾞｱﾁｬｲﾑ)

《ｴﾝｼﾞﾝの鼓動を 聞いていると➡