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♬～

(灰谷 純) あの…｡
(あおい) はい｡

(佐倉麻衣) 灰谷先生｡

こんばんは｡
こんばんは｡

どうされたんですか？

いえ ちょっと黒木先生と…｡

(あおい) 今 お茶を｡
(黒木蔵人) 森先生 大丈夫です｡

皆さんも もうお帰りになって
いただいて大丈夫ですので｡

(あおい) はい｡

ここがあなたの
桜花ゼミナール吉祥寺校ですか｡

あ… すいません
同業者が入り込んでしまって｡

あんまり よろしくないですね｡

いえ｡

ご連絡を頂き
この場所を指定したのは➡

私のほうですから｡

先日は大変失礼しました｡

いえ
もうお体は大丈夫なんですか？

おかげさまで｡

あの日 倒れてらっしゃった
先生の仕事部屋を拝見し➡

あなたが この塾の生徒たちにも➡

身を削って取り組んでらっしゃる
ことが分かりました｡

スターフィッシュの子供たちと
同じように｡

先日➡

あなたが私に
お尋ねになったことですが…｡

｟私のほうが あの子たちから
多くのものを与えられている｠

｟それは どうしてなのか
あなたに尋ねたかったんです｠

私なりに考えてますが➡

正直➡

ますます分からなくなりました｡

♬～

かつてのあなたは➡

ルトワックの
打てば響く優秀な子供たちを➡

次々と
御三家に送り込んで来ました｡

将来の日本を支えるｴﾘｰﾄたちを
つくり上げて行った｡

それが➡

あなたの生きがいだったはずです｡

でも 今のあなたは違う｡

ルトワックを捨て➡

あの無料塾や この桜花に
命を注いで…｡

だとしたら➡

かつてのあなたに
憧れていた私は➡

間違っていたということですか？

何が➡

あなたを変えてしまったんですか｡

♬～

私が変わったというなら➡

私が 私の未熟さに
気付いたことが➡

私を変えたのだと思います｡

やっぱり答えは出ませんね｡

今はこんな話より 子供たちの
ことのほうが大切です｡

あなたもそうでしょう｡

そうですね｡

そういえば 先日➡

陸斗君が持っていた
開成の問題集に➡

海斗君の答案が
挟まっていたんです｡

｟この文字は海斗だな｠

(上杉陸斗)｟そうかも｠

添削の赤文字は
黒木先生のものでした｡

海斗君に開成を？

すいません…｡

また余計な詮索でしたね｡

本人の意思です｡

＜秋も深まり➡

１０月も終わろうとしている＞

はい｡
(あおい) はい｡

＜受験本番まで あと３か月余り＞

＜子供たちの目つきも変わり➡

いよいよ正念場だ＞

＜基礎徹底特訓や
志望校別特訓も始まった＞

(松本) この島が何かは分かるね？
はい 柴田さん｡

(まるみ) 小豆島です｡
そう その通り｡

ということは ここで
生産が盛んなものは オリーブだ｡

＜子供たちは
受験日のその日まで➡

ほぼ休みなく走り続ける＞

それでは始めてください｡

＜１１月中旬に行われる
統合判テストは➡

全教科 全単元から出題される
総まとめテストであり➡

その結果は 志望校選択の
重要な材料となる＞

(橘) う～ん…｡

伸びたヤツも 伸び悩んだヤツも➡

これが現実だ｡

統合判の成績表 コピー取れました
お願いします｡

(橘) この先 我々がどこまで➡

あいつらを
フォローしてやれるかだなぁ｡

(歌子) そうねぇ…｡

その通り これが現実です｡

しかし 勝負は まだこれからです｡

基礎固めを
コツコツやって来た者ほど➡

最後の追い込みで
急激な伸びを見せます｡

従って 我々の仕事は➡

生徒たちに
これまでの努力を信じ➡

最後まで諦めさせないことです｡

毎年 桜花ゼミナールが
発行しているので➡

皆さんもご存じかと思いますが➡

吉祥寺校の配布分は
私が改訂しました｡

(木村) 分厚っ！

本日の授業終わりに
生徒たちに配布してください｡

冊子に添付してある これですが➡

各自志望校を記入し 提出するよう
お願いしてください｡

秋の面談とは違います｡

今回は夢見る志望校ではなく➡

現実的な学校名を記入し
提出させてください｡

それから １月に入学試験を行う
学校の受験➡

いわゆる ｢前受け受験｣を
必ず勧めてください｡

１月になると
もう 模試は行われませんので➡

２月の本番に向けて
慣れさせるためにも➡

それぞれの生徒に合った
前受け校を➡

アドバイスしてください｡
(講師たち) はい｡

合格カレンダーが集まったら
各生徒の志望校について➡

皆さんと検討会を
行いたいと思います｡

ここにいる全員参加です｡

過去の統合判テストの結果資料➡

提出された合格ｶﾚﾝﾀﾞｰに記された
志望校をしっかり確認し➡

生徒一人一人の対策を
考えておくようお願いします｡

(講師たち) はい｡

♬～

それと➡

皆さんに報告があります｡

平松先生｡
(平松) はい｡

森先生｡
はい｡

お願いします｡
え？ あ…｡

あの…｡

すみません 私 このたび…｡

森先生と
結婚することになりました｡

(歌子) え～!?

おっと～｡

(平松)
これからも一層 頑張りますので➡

皆さん よろしくお願いします｡
お願いします｡

ちょっと どういうこと
森ちゃん！

ここに勤めて 子供たち見てて➡

私も早く家庭を持ちたくなって｡

≪おめでとう！≫
(あおい) ありがとうございます｡

お～ ちょちょ…
大丈夫か しっかりしろ！

しっかりしろ！

おい しっかり…｡
では そういうことで｡

(今川理衣沙) はぁ…｡

(橘)
いいか？ この必勝マニュアル➡

必ず 家の人に渡すんだぞ｡

で 中に入っている
この合格カレンダーに➡

今の志望校を書いて提出してくれ｡
(子供たち) はい｡

(橘) 提出する合格カレンダーに
書く志望校は➡

家の人と しっかり話し合って
決めて書いて来てくれ｡

分かったな？
(子供たち) はい｡

♬～

(上杉海斗) ママ｡

(上杉麻沙子) ん？ どうしたの？

志望校のことなんだけど…｡

僕…｡

僕 ２月１日は…｡

開成を受験したいんだ｡

｟ご本人にも この面談用に➡

志望校を
書いていただいてまして｠

｟これです｠

｟これは…｠

それって➡

本気なの？

うん｡

あのね 海斗｡

最上位校を目指すっていうのは➡

勉強に向いてる子がすることよ｡

海斗は運動神経がいいんだから
スポーツが向いてると思うの｡

人にはね
向き不向きっていうのがあるの｡

お母さん 向いてないことで
苦労させたくないのよ｡

分かるでしょ？

ママ｡

どうして ママは
いつもそうやって➡

僕たちの 向いてるとか
向いてないを決め付けるの？

｢海斗は これ｣
｢陸斗は これ｣って➡

いつもママが決めて➡

僕らも その通りして来た｡

塾で陸斗の成績のほうが
良かった時も➡

これで また一つ
役割が決まったって➡

ほっとしてたのもホントさ｡

でも それって あの時と同じだ｡

陸斗が僕との試合に負けて
空手をやめた時と｡

ママ
あの時 陸斗の気持ち聞いた？

陸斗は
自分から やめるって言った？

(海斗) いつになったら➡

自分でやりたいことを
自分で決められるの？

僕 桜花に通って 自分で➡

自分のための受験したいって
思うようになれたんだ｡

だから 頑張って来れたんだ｡

僕は ただ➡

最初からできないって➡

決め付けてほしくなかった
だけなんだ！

海斗…｡

♬～

(歌子) ごちそうさま～｡

しんちゃん おいしかった｡
(ﾏｽﾀｰ) ありがとう！

ごちそうさまでした～｡
(ﾏｽﾀｰ) どうも～｡

黒木先生の必勝マニュアル➡

すごかったですね｡
(歌子) ねぇ～｡

あれ 毎年 桜花で配ってるやつの
３倍くらいの量ね｡

へぇ～｡

毎日の過ごし方とか
健康管理についても➡

事細かく書いてあった｡

過去の受験生たちの体験談
なんかも載せてあったじゃない｡

去年 あんなのなかったもんね｡

親御さんたちへの
注意事項も びっしり｡

子供たちが何を不安に思い
どんな気持ちでいるかを➡

分かっているんですね 黒木先生｡

しかし 今日の森先生たちの発表は
驚いたねぇ｡

(歌子) そうそう！

うちの生徒たちを見て
家庭を持ちたくなったって➡

言ってたじゃない 森先生
あれ うれしかったなぁ｡

そうね｡
(グラスを机に置く音)

(木村) もう… 終わりだ…｡

(ﾏｽﾀｰ) 何 どうしちゃったの
あんた ちょっと➡

全然 食べてないじゃない｡
おいお～い｡

もう いいんです…｡

(橘) 何言ってんだよ おい…｡

＜都内の多くの
私立中学の試験は➡

２月１日からスタートする＞

＜御三家など 超難関校は
１日だけの一発勝負＞

＜都立と国立の中高一貫校は
３日のみ＞

＜他の多くの学校は
１日から５日の間に行われ➡

中には それぞれ
午前午後と試験があり➡

同じ学校を
複数回 受けることも可能だ＞

＜合格を確実にするためには➡

どのタイミングで
どの学校を受けるのか➡

パズルのように
日程を組み合わせる➡

テクニックが必要となる＞

では 橘先生 お願いします｡
はい｡

え～ Ωクラス 前田花恋
偏差値６８｡

ブレることなく
桜蔭 偏差値７０が第一志望｡

首都圏難関校 連戦の予定です｡

強気ですねぇ｡

前田花恋さんは➡

落ちることを全くイメージせずに
ここまで突っ走って来た➡

成功例です｡

メンタル面も健康管理も➡

十分な受験態勢が
期待できると考えられます｡

｟花恋は女王になれる所でしか
輝けない｠

前受けも含め 前田さんには
千葉 埼玉 東京➡

トップ総取りを
目指してもらいましょう｡

(橘) はい｡

次に 島津 順 偏差値６８｡

第一志望は開成｡

で 第二志望ですが
国立大学の附属になっています｡

(木村) 国立？

志望校選びに関して
伝えるべきことは➡

お母様と本人に伝えたつもりです｡

島津さんの場合➡

この先 まだ不確定要素も
あると考えられます｡

(順)｟俺 開成 受験したい！｠

(橘)
島津のヤツ 完全に復調したな｡

彼は元々 力のある生徒ですから➡

十分な睡眠と休息｡

オーバーワークを
取り除いた結果でしょう｡

(橘)
次は上杉海斗 第一志望 開成｡

そして 東央｡

開成？
ここ書くだけなら自由ですからね｡

あ…｡

いや 今の海斗の調子なら
可能性がないわけじゃ ない｡

過去１０年
海斗くらいの学力の合格者が➡

桜花から出た前例は何人かあった｡

｟俺にも 開成を
チャレンジさせてください！｠

中学受験は
受験当日まで学力は伸びます｡

本人の意思を
後押ししたいと思います｡

え～ 次は 藤原 昴｡

第一志望は武蔵｡

今回の合格判定は５０％でした｡

(昴)｟青色リトマス紙も
赤色リトマス紙も…｠

(黒木の声)
武蔵はチャレンジですが➡

様子を見ながら ひとまず
このまま進めましょう｡

次は 女子Ｎｏ.２の本多華鈴
偏差値６４｡

第一志望は雙葉で
合格判定は５０％｡

第二志望 第三志望 どこも➡

判定６０から８０％を
超えています｡

(黒木の声)
雙葉はチャレンジだとして➡

１日目の午後に Ａ判定の学校を
選んでいるのは賢明です｡

どの学校にも
それぞれ志望動機があって➡

入学意思があることは
受験時のプレッシャー回避にも➡

大いに役立ってると思います
このまま進めましょう｡

次は 直江樹里です｡

第一志望は
初志貫徹の二葉女子学院➡

合格判定は６０％｡

第二志望 吉祥寺女子➡

第三志望も
判定８０％を超えています｡

｟私にも聞かせて｠
(樹里)｟あっ いいよ｠

抑えは しっかりしてますので
これで走らせましょう｡

(橘) 同じく 二葉女子学院が
第一志望の柴田まるみ｡

合格判定率は３０％
Ｄ判定です｡

現段階では
かなり厳しい状況です｡

｟樹里と一緒に 二女行きたい！｠

チャレンジですが
このまま走らせましょう｡

抑えの学校は既に安全圏です｡

次｡

(樹里)
今日は ありがとうございました｡

(紗良) ううん 本当は もっと
時間かけて案内したいけど➡

受験勉強中だもんね｡

(まるみ) はい｡
≪次屋先生！≫

(樹里) ねぇねぇ あれ見て
ズボンの制服もあるんだね｡

(まるみ) ホントだ！

私服でもＯＫだし
ホントに自由なんだね｡

うん｡

(紗良) 待ってるからね 頑張って｡

(樹里:まるみ) はい！

まるみ 絶対２人で合格して➡

ここ 通おうね！
うん！

(樹里:まるみ) フフフ…！

加藤 匠君ですが 志望校 東央➡

千駄ヶ谷学園
園学院 特進と普通クラス➡

判定全て８０％ Ａ判定です｡

すごい…｡

｟声掛けてくれたら➡

マンツーマンで見てあげるから｠

(匠)｟もう分かんないよ…｠

そこで 上方修正を提案します｡

海堂中学です｡

(朽木) えっ 海堂中？

この３月
偏差値４０からスタートして➡

半年で５８まで上昇｡

今や志望校全てに
合格判定８０％➡

判定Ａをたたき出してる生徒です
｡

｟こういう 鉄研のある
中学校に行きたい｠

彼が最初に目を輝かせた➡

あの学校へ
チャレンジさせてみませんか｡

はい｡

まずは海堂中の過去問を
やらせてみましょう｡

その反応いかんで｡

(歌子) はい｡

え～ 次は三浦佑星君 偏差値５５｡

第一志望
園学院 特進クラス ６０％｡

６年からの参入で この半年で➡

１０ポイント以上
偏差値を上げて来ました｡

志望校はサッカー強豪校です｡

(佑星)｟上がった！｠

園学院は
受験回数が５回もあります｡

あとは念のため
もう少し下の併願を１校➡

しっかり組みましょう｡

承知しました｡

次は Ｒクラスです｡

まず今川理衣沙さん 偏差値３７｡

第一志望校は吉祥寺女子
偏差値６２｡

第二 帝都女学館 ５４｡

いずれも２０％以下 Ｅ判定です｡

偏差値と志望校に
かなり差があります｡

(今川紹子)｟ひとに
言えないような学校じゃ➡

困るじゃないですか｠

(紹子)｟うちの子
後で伸びるタイプなんです｠

｟今はまだ
本気出してないだけで｠

お母様からの相談は？

ありません｡

事情を伺いましょう｡

まずはこちらから
面談を申し入れてください｡

はい｡

次は 浅井 紫さん｡

第一志望
湧泉女子 ２０％以下 Ｅ判定｡

第二志望 水蓮女子 ５０％｡

｟この中学校
園芸って授業があるんです｠

(浅井 紫)｟園芸？｠

(黒木の声)
２月１日 午前にチャレンジ校の➡

湧泉女子を置いているのは
危険です｡

１日に手堅い学校で固め➡

２日に湧泉を
チャレンジすることを勧めます｡

保護者の方と
よく話し合ってください｡

はい｡

(浅井千秋) ねぇ 紫｡
何？

(千秋)
パパとも相談したんだけど➡

２月１日に受ける学校なんだけど｡
うん｡

今 合格判定８０％取れてる
カトレア女子を➡

１日の午前午後とも受けて➡

受かったら
２日に 今 第一志望にしてる➡

湧泉にチャレンジするのは
どうかな？

うん それでいいよ｡
えっ いいの？

うん｡

紫 行きたくない学校は
志望校候補にしてないし｡

それに どこに行ったとしても
そこに通いながら➡

将来の夢 考えたいんだ｡

ん～ 何にしようかな～｡

(白柳) 一緒に考えてあげようか？
やった！

あっ 灰谷先生！

あぁ こんにちは｡

こんにちは お買い物ですか？

ええ まぁ ちょっと｡

私のおじいちゃんです｡

あっ 灰谷と申します｡

灰谷先生
お世話になっております｡

いえ…｡

正直 驚きました｡

紗良さんが 白柳社長の
お孫さんだったなんて➡

大変失礼いたしました｡
(白柳) いえいえ こちらこそ｡

いやぁ 今日は紗良が➡

クリスマスプレゼントをね
ちょっと 一緒に｡

そうでしたか｡

私 黒木先生とは…｡

はい 存じ上げております｡

あ… そうでしたか｡

ええ｡

ということは
社長と黒木先生とは➡

紗良さんのことがきっかけで…｡

ええ まぁ｡

私ね 娘を亡くしてましてね➡

紗良の母親なんですが｡

いろいろありましてね➡

その娘とも➡

しばらく縁を切っていた
時期がありまして｡

私が 紗良の存在を知ったのは➡

中学に入ってからでした｡

それでも
私に優しくしてくれています｡

そうでしたか｡

あの➡

スターフィッシュという塾は…｡
(メッセージの受信音)

失礼｡

紗良からです｡

買いたいものが
見つかったみたいですね｡

あぁ…｡

プレゼントは➡

そのスターフィッシュの
子供たちに➡

サンタが贈るものです｡

灰谷先生｡
はい｡

子供たちには かないませんよ｡

(内村)誕生！
｢リセッシュ プロテクトガード｣

新しい ｢リセッシュ｣は➡

消臭･除菌 さらに抗ウイルスまで！

だから！ お仕事前に！

お出かけ前に！

着る前に！ ｢リセッシュ プロテクトガード｣を
シュ！ としておけば！

ほら こんなに違う！

12時間
ず～っと 抗ウイルス！

｢リセッシュ プロテクトガード｣！

佐倉先生！
あっ 今川さん｡

お待ちしておりました｡

理衣沙の志望校と併願校➡

これですけど～｡

何か問題でも？

えっ あぁ…｡

現段階で➡

出願される予定の学校の➡

どれにも 安全校がありません｡

今の理衣沙さんの実力に合った
安全校の設定を➡

ご検討いただいたほうが
よろしいかと…｡

いいえ うちは初志貫徹で➡

吉祥寺女子 一本に絞っても
いいと思ってるくらいなんです｡

はい？

ちょっと これ見ていただけます？

はい はい はい…｡

じゃ～ん！ うちの理衣沙選手➡

合格者平均点をマークしました！

家で 吉祥寺女子の過去問を
受験と同じように➡

時間を計ってやらせてみたんです｡

正真正銘 私の目の前で｡

他の学校の過去問じゃ
全然 取れなかったのに｡

話には聞いてましたけど➡

学校の相性ってあるんですね｡

正直 あの子が
吉祥寺女子の過去問で➡

こんなに取れるなんて｡

私も驚いたんですけどね｡

そんなわけで 吉祥寺女子
第一志望で行きますので➡

よろしくお願いしますね！

ウフフ… フフ…｡

お気付きかと思いますが➡

間違いなくカンニングですね｡

見れば分かります
まともに解いていれば➡

問題に試行錯誤の跡が
必ず書き込んであるはずです｡

それに 偏差値４５の生徒が➡

５ポイント上の 偏差値５０の
学校に受かることは➡

ままあります｡

しかし 偏差値５５の生徒が➡

６０の学校に受かることは
非常にまれです｡

なぜでしょう？

それは…➡

問題の質？

ご名答｡

偏差値５５くらいまでの
学校の試験は➡

基礎を試す問題が多い｡

しかし
５０台後半以上の学校となると➡

応用を試す問題の比重が
多くなります｡

はい｡

いわゆる
偏差値５８の壁です｡

偏差値６０台の学校となると
もはや別次元｡

今の今川さんが解いたところで
計算問題すら解けないでしょう｡

多分 書店かどこかで 過去問を
立ち読みしてるんでしょうね｡

それじゃ 答えを丸暗記…｡

はい｡

彼女は
とても頭のいい子ですから➡

それくらいのことは思い付くし
できてしまいます｡

どうしましょう➡

お母様には
その件をお伝えして…｡

いえ それは ご法度です｡

伝えれば
お母様も今川さんも憤慨して➡

塾をやめてしまうのが関の山｡

この時期の退塾は➡

絶対に回避しなくては
なりません｡

いかに保護者には
この不正を知らせず➡

怒らせず➡

そして 受験生本人を➡

受験に向き合わせる
ことができるか｡

どうすればいいんでしょうか？

さあ｡

難問ですね｡

豪快に突き放したわね 黒木先生｡

今度ばかりは｡

(木村) 突き放された時こそ➡

人間 力を発揮するものです｡

確かに…｡

(橘) ん？ 今 分かったような
分かってないようなこと➡

言ったよね 君ね｡
(梅原) でも➡

放っておくわけには
いかないですよね～｡

はい 心配です｡

今やめて 一番困るのは きっと➡

今川さん自身だと思うんです｡

お～ よく これできたね｡

≪ゾーン入ってたんで この時≫
おっ 入った？

♬～

｟吉祥寺女子
第一志望で行きますので➡

よろしくお願いしますね！｠

(紫) 先生➡

ここ ３回かけるって
どうすればいい？

これは
まず仮分数にしてみるといい｡

８分の１２５だよね｡

あっ それなら できそう｡

ありがとう 先生｡

♬～

お疲れさまです｡
お疲れさまです｡

あっ 木村先生 先ほどは
ありがとうございました｡

え？

｢突き放された時こそ
力を発揮する｣って｡

あぁ…｡

ただ 正直 今回の件は
ちょっとショックで｡

まさか こんな時期に
どうしてカンニングなんて…｡

この時期のカンニングってのは➡

ぶっちゃけ
あるあるなんですよね｡

そうなんですか？
うん｡

この際 恥を忍んで言いますけど➡

かつての中学受験生だった僕が
そうでした｡

カンニングするほうは
するほうで➡

それなりに動機があるんです｡

点数が悪くて
親に叱られるのがつらいとか➡

単純に 親に褒められたいとか➡

あとは➡

お母さんの喜ぶ顔が見たい｡

僕は それが一番でした｡

まぁ カンニングといっても➡

今川さんの場合
そこまで悪質ではないけど➡

本人のためにはならないですね｡

もちろん
いいことではないんですけど➡

１２歳
幼さゆえの未熟な考えだけど➡

そこまで追い詰められてる
ってことですよね｡

だから 悪いことだと
責める気持ちには➡

僕は なれないんです｡

しかし➡

このまま あの強烈なお母さんの
方針で進めて行くと➡

全落ちって可能性も…｡

いや それは
何としてでも避けないと…｡

受験するのは本人ですし｡

全て落ちてしまって
深く傷つくのも本人です｡

何か 自信をつけさせてやる➡

きっかけがあれば
いいんですけどね｡

一つでも合格させてやりたいなぁ｡

♬～

(歌子) ふぅ～ 寒い寒い…｡

前受け校？

あぁ はい｡

女子校で探してるってことは…｡

今川理衣沙さんです｡
ふんふん…｡

１月に試験がある学校で➡

あの子の実力で
合格できそうな所を➡

調べてるんですけど…｡

地方でよければ
村禎女学院 徳糸賀女子➡

どこも東京で受験することが可能｡

で 千葉 埼玉なら➡

倉知根女子 宮地下中学｡

でも 宮地下
ちょっと難しいかなぁ｡

桂先生 ありがとうございます！

(歌子) １月になると
模擬テストはもうないし➡

本番の試験に
慣れさせるのにも有効｡

はい それに➡

自信をなくしている子には➡

成功体験が 何よりの特効薬に
なるんじゃないかと思いまして｡

そうね うん｡

それで あの子に合った
学校の過去問を➡

やらせようと思ってるんです｡

自分の実力で合格できる学校が
あるってことを➡

実感させてあげたくて｡

う～ん… だとしたら
前受け校じゃなくても➡

吉祥寺女子よりも
後に試験があって➡

併願できる 泰知➡

貴島女子もオススメかも｡

あぁ… ありがとうございます｡

成功体験 特効薬 グレート！

フフ…｡

♬～

いい？
質問があれば ためないこと！

何かあれば相談 来てね｡
(子供たち) は～い｡

さようなら～｡
さようなら｡

勇人 早く帰ろ｡
(勇人) うん｡

さようなら｡

今日の算数の小テスト
よかったね｡

は？ ５問中 たった２問しか
合ってなかったのに？ 何で？

だって
ずっと苦手だった面積の問題➡

完璧にできてたじゃん｡
あぁ…｡

頑張ってんだなぁと思って｡

そんなこと言ってくれるの
佐倉先生だけだよ｡

じゃあね｡
あっ 今川さん｡

明日やる過去問演習なんだけど…｡
え？

ちょっと 別の学校の過去問
やってみない？

えっ 何で？

今はママに 吉祥寺女子の過去問
やれって言われてて｡

何度も何度も 繰り返しやれって
うるさいんだもん｡

うん でも 吉祥寺女子の対策にも
きっと役立つから➡

やってみてほしいんだ｡

お母さんに何か言われたら
私が ちゃんと説明するし➡

責任持つから｡

うん 分かった｡

うん じゃ 明日ね｡

は～い｡

♬～

今日も みんな
それぞれの志望校の過去問➡

本番通りに時間計って
やってもらいます｡

(子供たち) はい｡

今川さん これ やってみて｡

あ… うん｡

はい じゃあ…｡

始め！

♬～

♬～

(チャイム)

はい じゃあ
自己採点 終わった人から➡

お昼休憩ね｡
(子供たち) はい｡

(理衣沙)
先生 この学校の過去問➡

採点してみたんだけど
これ本当に… 本当に合ってる？

私 採点 間違ってる？

大丈夫 間違ってない｡

それに…｡

合格ライン 超えてるよ｡

ホント？ 何で？

今川さんが これまでつけて来た
力を出せば➡

この学校はクリアってこと｡

(泣き声)
何？ 何？

当然のことだよ
今川さん 頑張ってるんだから｡

さようなら｡
さようなら｡

上杉さん｡

黒木先生｡

見ましたよ
提出された合格カレンダー｡

お母様に話したんですね
志望校のこと｡

はい｡

お母様
認めてくださったんですね｡

では 頑張りましょう｡

全力で応援します｡

はい！

ごめんね ごめんね…｡

佐倉先生！ 佐倉先生！
こっち こっち！

来て来て来て…｡

書いて来たよ 志望校｡

吉祥寺女子も受けるけど➡

私の中では 泰知が本命｡

そっか｡

でも 油断は禁物だよ
今日も過去問やってみよっか｡

うん｡

分かった
じゃあ 問題 用意するね｡

は～い｡

次もできそうな気がするんだ～｡
おっ｡

今川さん 泰知中を
併願することにしたようですね｡

はい お母様のご希望とは別に➡

本人が受けたいと
思ってくれたようで｡

そうですか｡

あなたの今回のやり方は➡

間違っていなかったんでしょうね｡

勉強するのも 試験を受けるのも➡

親じゃありません｡

合格のために まず必要なものは➡

本人の意志です｡

それは何も 受験に限ったことでは
ないと思います｡

人生の岐路に立つ時➡

本人の意志なくして➡

新たな一歩を
歩み出すことはできません｡

｟その日 決勝戦の日ですよ｠

｟こんな条件のいい推薦って
二度とないって思うの｠

｟冗談ですよね｠

｟これからでも
みんなで頑張れば…｠

｟本気で言ってんですか？｠

｟あんたのこと一生 恨んでやる｠

私は…➡

いつも子供たちのこと考えて➡

寄り添って➡

そう… やってるつもり
なんですけど…｡

うまく行かなくて➡

分かってなくて…｡

失敗したり 苦しめたり…｡

だから…｡

黒木先生は すごいと思います｡

それは違います｡

私は 何も分かってません｡

かつて ルトワックで 私は
優秀な生徒たちを➡

一つでも偏差値の高い学校に
送り込むことが➡

子供たちの幸せだと信じ➡

私の使命だと思ってました｡

しかし
私が そうやって無理をして➡

難関中学に合格させた
ある卒業生が➡

その後 その学校の授業に
ついて行けず 不登校となり➡

それをきっかけに 彼の家族は
バラバラになってしまいました｡

私は合格後の
その生徒の人生のことを➡

想像できていなかった｡

子供にとって
良かれと思ったことが➡

その子の人生を
つぶしてしまったんです｡

私は教壇に立つのが
怖くなりました｡

しかし それでも知りたいんです｡

この仕事の本質とは➡

学びとは何なのか｡

スターフィッシュや桜花で➡

それを探しています｡

♬～

いやぁ～
いよいよ 押し迫って来たね～｡

(木村) お正月特訓｡
(歌子) 早かったな｡

(橘) あ～ 忙し～い｡

(歌子) お正月特訓…｡

(あおい) は～い さようなら｡
さようなら｡

(あおい) はい 気を付けてね～｡
寒過ぎ！

(頼子) 風邪ひかないでね！
(あおい) 真っすぐ帰るんだよ｡

(歌子) 初日の出｡
(木村) いや 早くないですか｡

全員 帰りました！
(講師たち) お疲れさまです｡

皆さん｡

お仕事熱心なのは分かりますが➡

ここで うっかり
年越しを共にするのは➡

本意ではありません｡

あたたた…｡

そろそろ お開き願います｡

(橘) はい｡
(あおい) はい｡

お先に失礼します｡
はい｡

あっ 冷蔵庫に天ぷらそばが
入ってますので➡

よければ 温めて食べてください｡

ごちそうさまです｡

では｡

良いお年を｡

はい｡

♬～

うん… ごめん｡

今年は 実家帰らないよ｡

うん…｡

そう 仕事｡

子供たちが全員合格するまではね｡

うん 大丈夫｡

ありがとう｡

♬～

♬～

♬～