All language subtitles for スナック・キズツキ＃10

あ～っ！
お疲れ｡

ごめん… 今日も 家 行けないわ｡
また 連絡するわ｡

＜ とある街の路地裏に➡

傷ついた者が たどりつく➡

ｽﾅｯｸが あるらしい＞

｢お金がない｣とは言えなかった…｡

ｼｬﾄｰﾏﾙｺﾞｰなんて 知らねえ…｡

なんか 食べる？

だし巻き卵｡

＜ その名も ｽﾅｯｸ ｷｽﾞﾂｷ＞

ふぅ～｡

＜ｷｽﾞﾂｷを訪れた 瀧井くん＞

＜ その お兄さんの 和也さん＞
はい｡

今回 ご提案させていただきたい
ｻｰﾋﾞｽは こちらです｡

え～ ﾃﾞｻﾞｲﾝ 色 素材➡

お客様に
自由に選んでいただいて➡

自分だけの ｵﾘｼﾞﾅﾙの靴を
作っていただこうという➡

ｺﾝｾﾌﾟﾄのものでして
在庫管理も含めた…｡

＜出張で 久しぶりに
東京に やってきました＞

資料…｡

では よろしくお願いいたします｡

検討します｡
ありがとうございました｡

こちらこそ ありがとうございます
失礼します｡

(ﾊﾞｲﾌﾞ音)

(瀧井)あっ 兄ちゃん？
うん｡

今日の夜だけど 店 押さえたよ｡
あとで 地図 送っとくね｡

うん お前 ７時で大丈夫か？

うん なんとかなりそう｡

仕事だったら
無理して急がなくていいんだぞ｡

＜弟思いの 優しい和也さん＞

ﾊｧ ﾊｧ ﾊｧ…｡

＜ そんな彼も
また 傷ついている＞

｟生きてる分だけ
荷物も多くなる｡

でも どうしても➡

捨てられないものって
あるんですよね｠

あ～ こっち こっち こっち｡
あっ 悪ぃ 待った？

いや 俺も 今 来たとこ｡
あぁ…｡

久しぶりだな｡
兄ちゃん なんか 太った？

えっ そうか？ ﾌﾌｯ｡

失礼します｡
あ～ どうも｡
いらっしゃいませ｡

ありがとうございます｡
あ～ はい｡
おっ｡

もう 頼んでんだ？
うん｡
失礼します｡

ありがとう｡
はい｡

お疲れ｡
はい～ お疲れ｡

あ～っ うまい！

お前さぁ そんなﾗﾌな格好で
仕事 行ってんのか？

俺さぁ 営業部から
企画部に変わったのよ｡

へぇ～ すごいな｡
そんなこと あんだ｡

まあ 単なる器用貧乏｡
ﾊﾊﾊｯ！

あっ あ～ そうだ
お前 なんか頼めよ｡
うん｡

今 お刺身と
だし巻き卵だけ 注文してる｡

あ～ いいね｡

んっ そうだ｡

んっ？
はい これ｡

えっ？
ｸｯｷｰ 翔太に｡

悪いな～ 気ぃ遣わしちゃって｡

もう ６年生か～｡
そうだよ 背 伸びたよ｡

ふ～ん｡
ﾊﾊｯ｡ あっ➡

お前と
もう１回 焼き肉したいってさ｡

あ～ ってか あれさぁ➡

肉より ｿｰｾｰｼﾞのほうが
多かったんじゃない？

そんなことないだろう｡
いや そうだったって｡

うまそう｡

いただきます｡

ﾌﾌﾌｯ｡
うん うまい｡
うまい？

失礼しま～す｡

いつも ありがとうございます｡
こちら 店長からのｻｰﾋﾞｽです｡

お～ やった～
ありがとうございます｡

とんでもないです｡
ごゆっくり どうぞ｡

へぇ～｡

えっ なに…
お前 ここ よく来んの？

うん たまに 彼女と｡
ふ～ん｡

つきあって どのくらいだ？

もう ２年になるかな～｡

結婚は？ 考えてんのか？
えっ？

結婚か～｡
ﾌﾌｯ｡

互いの好物を 知ってる人間が➡

そばにいるってのは
いいもんだぞ｡

｟ｲｶ刺しは？ 好きでしょ？
おっ いいね｡

あと だし巻きも もらおうよ｠

あっ そうだ｡

岡山の おばあちゃんなぁ➡

調子悪くて 大阪で入院させるわ｡

えっ… 悪いって？
腎臓｡

あと
心臓も あんま よくないらしい｡

俺 何か手伝うよ｡

いいよ お前は｡
だって 大変じゃん｡

うんうん 俺のことは いいんだ｡

でも 見舞いは来いよ｡

たぶん もう
退院できないと思うから｡

あっ！ そういえば➡

おばあちゃんの好物って
なんだっけ？

水ようかん｡
あ～ そうだ！

よくなぁ 食べてたなぁ｡
うん｡

お中元で もらって｡
そうそう そう…｡

え～ 兄ちゃん
泊まっていけばいいのに｡

えっ また 今度な｡

明日 朝一で
横浜の お客さんとこ行くから➡

品川に ﾎﾃﾙ取ってんだよ｡
そっか｡

あっ
お前 終わったのか？ 奨学金｡

う～ん…
まあ もう そろそろかな｡

いくらだ？ 手伝うぞ｡

あ～ 大丈夫｡

だって ほら 兄ちゃんだって
自分で払ったんだし｡

そうか…｡
うん｡

なんでも言えよ｡
うん｡

あれ？ 瀧井くん？

ｱｯﾊﾊﾊﾊ…！

えっ？ えっ？
ﾊﾊﾊﾊ…！

覚えてる？

ほら！ 高３のとき 同じｸﾗｽの！

あっ… あ～ 南さん？

ｱﾊﾊﾊﾊ…！

お互い ちょっと ふっくらしたね
ﾌﾌﾌﾌ…｡

ﾊﾊﾊ… あ～ これ 弟｡

わっ 今風のｲｹﾒﾝ｡
まだ 若いよね？

あっ 29｡

そんな
年の離れた弟さん いたんだ～｡

瀧井くん 今 どこ住んでんの？

あっ 転勤で大阪｡
そうなんだ～｡

最近 ﾊﾞｯﾀﾘ 続くな～｡
この前は 香保にﾊﾞｯﾀﾘ｡

息子さんが 京大 受かったって
あの子 ﾀﾜﾏﾝに住んでんだよ➡

すごいよね～ ｱﾊﾊﾊ…！
ﾊﾊﾊﾊ…｡

おっと 行かねば｡
な～んにもしない➡

うちの子たちに
ごはん 作んなきゃ ﾌﾌﾌ…｡

じゃあ またね！
はい｡

同窓会とか したいよね｡
うん｡
じゃあね～！

うん じゃあね～｡

すげえﾊﾟﾜｰ｡

なんか いいね～｡
(笑い声)

同級生が ﾀﾜﾏﾝだってよ｡
へぇ～｡

その窓から
どんな景色が 見えんだろうな～｡

さあな 見たこともない景色だよ｡

もう 一生 見ることないやつだ｡

(笑い声)

じゃあ お姉さんに よろしく｡
あぁ…｡

じゃあ また 連絡するわ｡
うん｡

よいしょ…｡

あっ 兄ちゃん｡

んっ？
あの～｡

ｼｬﾄｰﾏﾙｺﾞｰって 知ってる？

んっ んっ？ 何ﾏﾝｺﾞｰ？
いやいや ﾏﾝｺﾞｰじゃねえし｡

えっ？

いや いいや｡ あっ じゃあね｡

あぁ じゃあな｡

ﾌｯ｡

よいしょ…｡

ﾊｧ… ﾊｧ ﾊｧ ﾊｧ…｡

まだ あったんだ…｡

♬～

｟おう 帰ったか｡

やめてよ｡

ﾊｯﾊｯﾊｯﾊｯ…！｠

こんばんは｡

いらっしゃい｡

１人なんですけど…｡

どうぞ｡
どうも｡

よいしょ…｡

え～っと… んっ？

うち お酒 置いてなくて…｡

はぁ それじゃあ➡

ﾏﾝｺﾞｰｼﾞｭｰｽ あります？

了解｡

♬～

｟あっ ﾔｯﾍﾞ…｡

え～ う～ん…｡

消えねえし…｠

今日も お疲れさん｡

はい…｡

じゃあ いただきます｡

あ～ うまい｡

って 初めて飲むんですけどね
ﾏﾝｺﾞｰｼﾞｭｰｽ｡

ﾌﾌｯ｡
ﾌﾌｯ｡

この店 長いんですか？

もう ５年目かな｡
へぇ～｡

転職したのさ｡
あっ そうなんですか｡

昔の話｡

ここは 偶然 たどりついてね～｡

居抜き物件｡

名前も 気に入って
そのまま使ってんの｡

あぁ…｡

実は… ｷｽﾞﾂｷ って名前 付けたの➡

おやじなんです｡

お父さん？
えぇ｡

昔
ここで 父親が ｽﾅｯｸやってて…｡

ほ～う！

昔
ここで 父親が ｽﾅｯｸやってて…｡

ほ～う！

久しぶりに来てみたら➡

ほとんど変わってなくて
ﾋﾞｯｸﾘしました｡

変わってない？

えぇ… 全然｡

母親が
弟の出産で 里帰りしてるとき➡

しばらく
父親と ２人暮らししてたんです｡

そのとき このｶｳﾝﾀｰで
よく 宿題したり ｶﾚｰ食べたり…｡

懐かしいな…｡

｟和也 昼飯だぞ｡

また ｶﾚｰかよ｡
ぜいたくだろう？

俺の 特製ｶﾚｰ
毎日 食えるなんてさぁ｡

はいはい｡

なんだかんだ言って いつも
すげえ 食ってんじゃねえかよ｡

さっき おばあちゃんから
電話があってな➡

母さん 今朝 入院したそうだ｡

産まれるの？

今夜か 明日の朝にはな｡

ふ～ん｡

楽しみだろう？

べつに｡

弟が欲しいって 言ってたろ？

小学生のころの話だろ｡

そう言うな｡

たった１人の兄弟だろう｡

仲よくしろよ｡

名前 お前が決めていいぞ｡

なに それ？

父さんも もっと頑張るからな～｡

どんどん お客さん増やして
店も大きくして➡

２号店も 出したりしてさぁ｡

２号店なんか出したら
店 回らなくなるじゃん｡

だったら お前が手伝え｡

父さん助けて➡

２号店の店長をやれ！

はぁ？ やんねえよ｡

ﾊﾊﾊﾊﾊ…！

(鼻歌)

ｼﾞｭﾝ…｡

ｼﾞｭﾝとか どう？ 名前…｡

ｼﾞｭﾝか？

う～ん… いいな！

ｼﾞｭﾝ…｡

ｼﾞｭﾝ…｡

ｼﾞｭﾝ…｡
うん…｠

おやじ いつも そこにいて
仕込み したりしてて…｡

いつも 夢ばっかり語って
大きなこと言って…｡

でも
そんなおやじ 嫌いじゃなくて…｡

体壊して 結局 いろいろ
うまくいかなかったんですけどね｡

｟大丈夫だよ 潤｡
うん…｡

≪痩せたね～｡

≪ﾏｰちゃん わかる？

≪いとこの 茂！

だめだ… わかんないみたい｡

ちょっと いいかな？

俺 ﾏｰちゃんに 金 貸してんすよ｡

いや 店 開くときに➡

開業資金 足りないからって
頭 下げられちゃって…｡

あっ こんなとこでする
話じゃないですけど➡

うちも今 いろいろ 厳しくて…｡

ご迷惑を おかけして…｡

他にも あちこちから
借りちゃってるらしいですね｡

これから 大変すね｡

♬～

なにが ２号店だよ…｠

♬～

弟は ひと回り以上も年下で➡

いいときの
おやじの思い出も 少なくて…｡

それは ちょっと
かわいそうだなって ﾌｯ…｡

はぁ～ でも
俺たち なんとか やってるし｡

早くに死んだ おやじに➡

もう 心配すんなって
伝えたいですけどね ﾍﾍﾍ…｡

あ～っ｡
電話｡

えっ？

その 公衆電話
たぶん 当時のままだよ｡

もう 使えないけど
かけてごらんよ お父さんに｡

その 公衆電話
たぶん 当時のままだよ｡

もう 使えないけど
かけてごらんよ お父さんに｡

♬～

もしもし？ 俺｡

父さん 元気してる？

今 あの店から かけてる｡

まだ あったよ｡

同じ場所で 同じ名前で｡

昔のまんまだよ｡

♬～

(せきばらい)

俺 今 息子が １人いる｡

来年 中学｡

なんとか やってるから｡

俺さぁ 楽しかったよ｡

ここで ｶﾚｰ食ったり…｡

うまかった～｡

ちょっと 母さんにかわってよ｡

いるんだろ？ 隣に｡

母さん わかる？ 和也だよ｡

潤も 元気にしてる｡

ﾌｯ ｱｲﾂ まだ
だし巻き卵 大好きなんだよ｡

母さん よく 作ってくれたよね｡

♬～

俺たちは 大丈夫だから｡

心配ないから｡

そっちも 元気で…｡

じゃあ 父さんにも よろしく｡

(受話器を置いた音)

はぁ～｡

あっ… ﾊﾊｯ｡

電話代｡
あぁ…｡

ｻｰﾋﾞｽ｡

ｱﾊｯ… ﾌﾌﾌﾌ…｡

ﾌﾌｯ ﾌﾌﾌﾌ…｡
ﾊﾊｯ…｡

どうも ごちそうさまでした｡

♬～

(和也の声)｢今日は ありがとな！

あの後 いい店 見つけ｣｡

♬～

(和也の声)｢今日は ありがとな！

また一緒に 飯 行こう！｣｡

どうしたの？

兄ちゃんから
また 飯 行こうって｡

お元気だった？ お兄さん｡
うん｡

あっ ちょっと 太ってた｡
ﾌﾌｯ｡

どこに 食べにいったの？
いつもんとこ？

うん｡

だし巻き 食べた？
うん｡

なんで？
潤 好きじゃない ﾌﾌｯ｡

あっ…｡
んっ？

これ 買ってきた｡
んっ？

わぁ～ ﾐﾙｸﾌﾟﾘﾝ！ これ 好き！

(ﾊﾞｲﾌﾞ音)

ちょっと ごめんね｡
うん｡

もしもし？ お母さん？

うん さっき 届いた｡

こんなに たくさん… ありがとね｡

送るの 大変だったでしょう？

お父さん 検査 どうだった？

あっ ﾎﾝﾄ｡

お酒 あんまり飲まないように
言ってね うん…｡

｟和也:互いの好物を
知ってる人間が➡

そばにいるってのは
いいもんだぞ｠

それじゃあ またね～｡

ごめんね 親｡

うん｡
んっ？

あのさぁ…｡
うん｡

ばあちゃん 入院するんだけど➡

見舞い… 一緒に行ってくれない？

俺さぁ…｡

怖いんだよね… 病院…｡

昔 おやじが… 入院してて…｡

うん…｡

一緒に行こう｡

ﾌﾌｯ…｡

｟
｠
転職したのさ｡ 昔の話

♬～

どうも こぐま屋で～す｡
ご苦労さん｡

外 風 すごいっすよ｡
そう｡

配達 大変ですよ…｡
うん｡

どうも｡

あ～ あの…｡

あの… ちょっと さっき
見えちゃったんですけど…｡

んっ？

あれ 漫画の原稿みたいですよね？

それ… えっ なんで
あんなもん あるんですか？

なんでだと思う？

実は 漫画家さんとか？

ﾌﾌﾌ なんてね！
当たり｡

うわっ！ ﾏｼﾞっすか!?

うん｡

ﾎﾝﾄに 漫画家さんなんですね｡

漫画家 だったの｡

もう ず～っと前の話｡

あぁ…｡

漫画家さんだったのか～｡

＜ｷｽﾞﾂｷのﾏﾏ
ﾄｳｺさんの過去が気になる➡

配達の彼 こぐま屋さん＞

三点倒立｡

四苦八苦｡

五臓六腑｡

六法全書｡

七輪焼肉｡

＜ そんな こぐま屋さんも また➡

傷ついている…＞

いらっしゃい｡