All language subtitles for EP.5.280p

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Original subtitles

(渋沢栄一)承服できん。

承服できん! 承服できん!

500両 持ってまいりました。

(利根吉春)そうか。 下がれ。

恐れながら!

それが我々百姓の銭にございます!

朝から晩まで働き その小さな銭が…。

♬~

承服できん! 承服できん!

承服できんぞ! ばかばかしい!

(尾高惇忠)どうした 栄一。

(惇忠)話を聞こうか?

惇忠あにぃ…。

ほほう。 岡部の代官がそのようなことを…。

あぁ 承服できねぇ。 承服できねぇだけじゃねぇ。

胸ん中がムベムベして それが腹に下って… あ~!

どうにも情けなくて治まんねぇ。

俺は いまちっとんとこで あのお代官を殴りつけてやるとこだった!

(渋沢喜作)は? 何言ってんだ。

お代官様なんか殴っちまったら おめぇが斬られっちまうだんべぇ。

だけどよう 俺は…。

そうか。 お前もまさに「悲憤慷慨」だな。

悲憤慷慨?

「慷慨」とは 正義の気持ちを持ち 世の不正に憤り 嘆くことを言うんだ。

今 この世にはお前のように 悲憤慷慨するものが多く生まれている。

俺もそうだ。

え? あにぃもか?

あにぃは 何に憤って 嘆いておられるんだい?

そうだなぁ。

この世だ。

この世?

この世の中そのものだ。

お前も一度 これを読んでみるといい。

このままでは我が日の本も… この清国のように夷狄に踏みにじられる。

これは…。

徳川家康です。

今日も出てきましたよ。

彼らが悲憤慷慨しているこの世とは 私の作った江戸幕府のことですからね。

我が徳川の世は 僅か7%ほどの武士が その他の人々を支配していました。

昔 江戸時代の身分制度は➡

士農工商と習った方も いると思います。

もう教科書に その言葉はありません。

私は武士の世を 長く続けるために➡

ここに厳重に線を引いた。

支配する側の武士か される側のその他か…。

しかし このころになって 圧倒的に人数の多いこちら側まで➡

徳川の世を疑い始めました。

惇忠や栄一だけでなく 日本各地にそういう人物が現れ➡

厳しく引いたはずの線が 揺らぎ始めます。

(清兵が英兵に殺される声や音)

(渋沢なか)栄一 まだ読んでるん?

油がもったいねぇよ。

うん… どっか出てたんか。

おていが 表でキツネの鳴き声が したっていうから見てきたに。

な? 何もいなかったけんどな。 (渋沢てい)うん。

(なか)聞いとらん。

(渋沢市郎右衛門)栄一はどうしている?

(渋沢ゑい)変わりねえですよ。

陣屋から戻ってきたら 繭を出すのを手伝ってくれて…。

今はまた 尾高から借りた本を 夢中になって読んでいます。

(市郎右衛門)そうか…。

でも やっぱり あの剛情っぱりは困りもんだいね。

お上に刃向かうなんて…。

私が甘やかしたんかいねぇ。

いいや。 あいつの理屈には もっともなとこもある。

だけんど どんなに理屈が通っても➡

治めるものと治められるものの あんばいが崩れれば➡

どんな目に遭うか分からねぇ。

それに ほかの者へ迷惑がかかる。

理屈だけじゃあいがねぇんだ。

そうですね…。

それから お前さん。

もう一つ ちっと困ったことがあるんです。

♬~

♬~

まことにたまげた。

この本には俺が生まれた頃の 清国とエゲレスの戦のことが書いてある。

あの なっからでけえはずの清国は どうしてエゲレスに敗れちまったんだい?

それがなぁ まあいろいろあるが まずは交易だ。

エゲレスはまず鴉片という 人から生気を奪うおっかねぇ毒を➡

清国にいっぺぇ持ち込んで 清国人の魂を奪ったんだ。

なんと! 魂が奪われんのか!

そうよ。 そして ふぬけになったところを 軍鑑で襲い 無理やりに国を開かせたんだ。

(尾高長七郎)この日の本も危ないぞ。

メリケンは もう 日の本に足を踏み入れてる。

え? メリケン人はもう入ってきてんのか!

はあ なんてこった。

それじゃあ いつメリケンの連中が➡

俺たちの魂を奪おうとするか 分かんねぇに。

そうだよな。 あぁ。

俺は とうとう生きる道を見つけた。

なぜ俺たちが剣を学ぶか。

それは…。

え~い!

敵を斬るためだ。

敵を斬る?

「俺は生きる道を見つけた」だとよ。

長七郎め 粋がりおって。

あぁ。 大したもんよ。

それに比べて俺は…。

(尾高平九郎)お~い お~い。

おう。

お千代。 油売りの帰りか。 (尾高千代)へぇ。

平九郎も手伝って 偉えなあ。 うん。

いいなぁ。 俺も早く剣術がしてみてえなぁ。

おう 握ってみるか。 うん!

やわらかく… 握る。

剣術剣術って➡

何事も兄のまねばかりしたがって。

そりゃあ あの長七郎と あのあにぃの弟だもんなぁ。

あの このご本は 兄の…?

あぁ お借りしておった。 お千代も読んだんか?

私? あぁ こんな難しげな本は読めません。

なんの。 うちのとっさまは 小せぇ頃からお千代を褒めておったぞ。

覚えがよくて字も美しいと。 いいえ。

それに… このご本を読む時の兄さまたちは➡

いつも何だかおっかねえ顔をしてて。 え?

このままでは この日の本も… この清国のように夷狄に踏みにじられる。

そうか。

あ~ あ~ 平九郎 みっともねえやつだに。

よし。

おい 姉さまは嫁に行がせねえぞ。

(栄一 千代 喜作)ん?

姉さまは 俺の嫁になるんだかんな。

はぁ? バ… バカ言ってんじゃねぇよ おめぇ!

弟と姉さまは めおとに なれねぇんだに!

そうだ! おめぇ うちの姉さまだって おめぇ…。

何をむきに。 子供の戯言だに。

フフフ…。

ん? うわさをすれば おめぇの姉さまじゃねぇか。

おぉ 姉さまだ。 お~い 姉さま!

(平九郎)お~い!

ん? どうかしたのか? 元気ねぇなぁ。

いや 今朝方も麦の汁までお代わりして 元気いっぺぇだったんになぁ。

(渋沢まさ)だからやめた方がいいんに 決まってるだんべぇ。

でも もうお蚕様が落ち着いたら 嫁入りの日取りを決めべぇって➡

向こうさんとも話してるしねぇ。 あぁ。

(まさ)今ならまだ間に合うって。 今すぐ断りな。 な?

断る? どうしたんだい?

いや なかの縁談の相手の家が… どうやら つきもの筋でな。

つきもの筋?

(まさ)そうだよ。 オサキモチさ。

杉沢村のもんが言ってたんだよ。

あの家にはオサキギツネがついてるって。

オサキギツネ…。

おぉ 馬琴の本に出てきた。

美しいおなごに化けて悪さをするっていう 尾っぽの裂けたキツネだいなぁ。

そう それだよ! そんなの ただの言い伝えじゃないか。

はぁそうですよ。 優しくていい方ですよ。

お家だって 杉沢村の商家で一番栄えてるって。

(宗助)つきもの筋の相手と結ばれるとな➡

つきものに縁のねぇ家まで キツネがついてきて➡

みぃんな オサキモチになっちまうってんだ。

つまりこの渋沢の家まで…。

ハハハ。 キツネがついてくるって…。

栄一。 さっきからうるさいよ。 子供は引っ込んでな。

(宗助)わしは金輪際反対だかんな。

(まさ)そうだよ。

♬「お蚕様の ご馳走の」

♬「桑の葉 頂く ありがたさ ありがたさ」

♬「ヨィヨィ」

♬「血洗島の桑葉は」

お~い おてい。 うんまげな桑の実だんべ。

お~! こりゃあ うんまげだに。

あらぁ 本当だねぇ。

(てい 平九郎)あ。

♬~

なかに つきものがついただと?

あぁ 見たんだよ 裏のふちで じっと水面に見入ったり➡

かと思ったら急におっかねぇ顔で 石っころ投げ込んだり。

なぁにバカなことを言ってんだ。

でも… 今朝方も起きてきなかったしなあ。

あんなに明るい子が 近頃はあまり口も利かねぇし…。

ほぉら見ない。

もうこれは キツネのたたりをおはらいする➡

拝み屋を呼んだ方がいいって。

バカな! 拝み屋なんか呼んでどうする!

あ 姉さま。

(まさ)ほぉら あんな生気のねぇ顔して…。

栄一 お前ついてげ。

え 俺? 俺 この桑切り終わったら 道場に剣術の稽古に…。

いいから行がねぇか!

え~。

姉さま! おい 姉さま!

姉さま。

♬~

姉さま 危ねえって…。

姉さま 危ねえって。

その後 なかの縁談は破談となりました。

そのころ 江戸でも 黒船の来航により多くの疫病が流行。

さまざまな迷信が はやるようになりました。

(徳川斉昭) 「流言飛語の類いが人心を惑わせ➡

時勢も悪しく相なり候…。➡

メリケン船が下田へ エゲレス船が長崎へ来たるよしにて➡

年々 夷狄の毒も深く相なり候」。

(徳川慶喜)夷狄の毒か。

父上がやり過ぎぬとよいが。

(斉昭)なんと ぶざまな!

メリケンの次はエゲレスと和親を結び 今度はヲロシアもと申すか!

この事態 天子様はご存じなのか?

(阿部正弘)無論 某がお伝えいたしました。

ならばあえて徳川三家であり 東照神君の血を引くこの斉昭が言上する。

今は天子様を我が国の要と成しまつり➡

この日の本の精神を 統一ならしめることこそ肝要。

その前に安易に国を開けば たちまち清国のような隷属国となるぞ!

隷属国にならぬよう 我らが日々心身を労していることが➡

どうしてお分かりいただけぬのか! 黙れ 黙れ 黙れ!

(阿部)万が一 今 異国より戦端を切られたとして➡

このままの防備で 日の本が無事で済むと本気でお思いか!

黙らんか! (藤田東湖)失礼ながら言上奉ります。

伊勢守様のご苦労はご老公も承知のこと。

ただ伊勢守様のために 何かできぬかと思い➡

励んでおるのでございます。

(伝令)下田より急報!

昨日巳の刻 大地震発生。

(伝令)その後 大津波が湾を襲い➡

和親の交渉中のヲロシア船が 転覆したとのこと!

ヲロシアの船が転覆? 快なり!➡

下田に神風が吹いたのだ!

500人のヲロシア人どもを 一思いに皆殺しにせよ!

ご老公! 何じゃい!

天災に遭うものを不意打ちとは 人の道を外れたこと。

何を? これを機に殺戮を行えば➡

我が国に悪しき評判が立ち ヲロシアはもちろん➡

異国は皆 絶好の口実を得て 攻め寄せることでしょう。

(斉昭)黙れ!

川路様は? 応接掛の皆々様はご無事でござろうか。

(阿部)詳しくは別室にて…。

いろいろと失礼を申しました。

少し疲れておるのです。

また詳しきことが分かり次第 ご報告に参りまする。

さっさと床に入って寝てしまえ!

(東湖)異国人とて 国には親や友がありましょう。

ましてや かのヲロシア人どもは 敵ながら国の使命を果たすため➡

何か月も船に揺られ やって来た いわば忠臣。

どうかお気をお鎮めください。

夷狄の親や友のことなど知るか!

しかし… 誰しも 掛けがえのなきものを 天災で失うは耐え難きこと。

また今となっては夷狄を打ち払うよりも➡

いかにして日の本の誇りを守るかが 肝要でございます。

3, 000万の精神を凝結一致ならしめれば 必ずや富国強兵につながり➡

さすれば国を開いたとしても➡

必ずや我が国は 異国に敬われることとなるでしょう。

そんなことは分かっておる!

ご老公のご心中 この東湖が一番よく存じております。

ここしばらくはどうか どうかお心をお鎮めください。

殿!

しっかりしろ!

(森山栄之助) あちらで急ぎ暖をとらせるのじゃ。 はっ!

(川路聖謨) 森山 炊き出しの米が足りておらぬ!

急ぎ運ばせよ! はっ。

いや これ以上夷狄に…。

このような時に 異国も何もあるか!

はっ。

誰か持ってってあげて! はい!

(藤田小四郎)父上 お帰りなさいませ。

小四郎 どなたかお越しか?

(平岡円四郎)東湖様。 ん?

平岡? お主どうしてここに?

(円四郎)我が殿がお待ちでござんす。

今日も客がひっきりなしだったようだな。

はい。 薩摩の西郷吉之助に越前の橋本左内…➡

多忙でこの一年めっきり白髪も増え➡

一度に年を4つ5つ取ったかのごとき 心地でございます。

して今日は?

夷狄について尋ねに来た。 ほう。

夷狄の武器は船にせよ大筒にせよ 我が国のものより数段上と聞く。

そなたも知ってのとおり 私は元来 武芸を好む。

是非これについて学んでみたい。

すばらしきお考え。 きっとお父上も喜ばれましょう。

そうか? 夷狄嫌いの父の機嫌を損ねぬとよいが。

ご老公は孫子の「彼を知り己れを知れば 百戦して殆うからず」の言葉どおり➡

かねてより西洋兵術を学ばれた。

7つのあなた様が 千波ヶ原の訓練にいらした時も➡

どれほど誇らしいお顔を しておられたことか。

見事じゃ 七郎麻呂。

はっ!

ご老公は元来決して 了見の狭いお方ではございませぬ。

国を守りたいという思いが 誰よりお強いだけ。

伊勢守様もそれはよくご存じです。

たとえ仲たがいがあろうと 伊勢守様はきっとまた➡

ご老公を頼ってまいりましょう。

そうか。

ははっ。

諍臣ってぇのはよ➡

おめぇのおとっさんみてぇなことを 言うんだろうなぁ。

はい? はい?

ハハ。 ひと味違いますぞ 水戸の茶は。

ハハハハ…。

おい 栄一。 今日も来ねぇんか?

いや 今はちっと…。

ついてこないでって言ってるでしょう!

ほっといてくれって言ってんだよ。

道場でも岡部でも 好きな所に行げばいいじゃあねぇか!

おい ねえさま? 栄一は心配して…。

はぁ? うるせぇんだ 喜作! 小僧のくせに!

へ? は?

すまん 喜作。 今はちょっと…。 また必ず稽古 行ぐから。

姉さま…。 離せ! やめろ! やめろ 離せ!

キツネにつかれたってうわさは まことだったのか。

なんという腰抜けだ。 国の一大事に家の者の面倒を見るとは。

おい 長七郎 待てよ。 あいつは腰抜けだよ!

来るな!

へえ 確かに。 また頼まいね。

へえ お願いします。

♬~

俺は キツネがついたなんて思っちゃいねぇ。

とっさまもだ。 おはらいなんかする気もねぇ。

でもな どうやったら 姉さまの気が晴れんのか分かんねぇんだ。

縁談のお相手を 好いておられたのでしょうか。

いや 別に恋仲だったわけでもねえ。

一度か二度お会いしただけのお人だに。

それでも… 何となく心が通じて お人柄にひかれることもございましょう?

そうか? へぇ。

縁談が決まられてから おなかさんはどんどん美しくなられて…➡

嫁入りとは それほど心華やぐことかと 羨ましく思っておりましたゆえ。

そうか。

もしそうなら 姉さまみてぇな気の強えおなごまで➡

こんなことになっちまうたぁ 恋心とは おっかねぇもんだなぁ。

そうですか。

おっと。 そんじゃまたな。

(千代)強く見えるものほど 弱きものです。

弱きものとて強いところもある。

人は一面ではございません。

♬~

(市郎右衛門)なか。➡

たまには とっさまと出かけてみねぇか?

♬~

翌日 市郎右衛門は➡

藍玉の集金回りに なかを連れていくことにしました。

なか 行ぐど。

気を付いてな。

姉さま 大丈夫なんかなぁ。

なかはあんたと違って旅なんて初めてだ。

いい気晴らしになるといいねぇ。

あぁ。

(まさ)おゑいさん。

おねえさん。

市郎右衛門さん 昨日から出かけてるんだって?➡

ちょうどよかった。 これは好都合だ。

この人たちは…。 こちらの方々は修験者様だよ。

おはらいをしてくださるというんだ。

おはらい?

ささ どうぞお入りください。

ちょっと…。 お邪魔する!

散らかっておりますが…。 何言ってんだ かっさま。

まさおばさん 祈祷なんかいらねぇ。 この家にたたりなんかあるもんか。

また あんたの減らず口かい。

大体な 長男のあんたが頼りねぇから こんなことになっちまったんだよ。

俺が頼りねえのと 姉さまの乱心は 関わりのねえことだ。

そもそもな まさおばさんが キツネだとか何だとか➡

言いだすのが悪いんじゃねえか。 何を言うんだい もう。

子供は黙ってな! さささ 皆もどうぞ どうぞ。

もう… 帰れ お前ら! 帰れ!

これが神の声を伝える 口寄せでございます。

では 始める。

かしこみ かしこみ申す。

はらい給え 清め給え。

はらい給え 清め給え。 はらい給え 清め給え。

はらい給え 清め給え。

おぉ! おお おいでなすった。

いずれの神のご降臨にや お告げを被りたし。

この家には… 金神と井戸の神がたたっておる。

えぇ!?

また この家に無縁仏ありて この家をたたっておるなり。

(まさ)ほぉら 見てみない。➡

前にじっさまから聞いたよ。 昔この家からお伊勢さまに出て➡

それっきり 帰ってきなかった人がいるんだ。➡

無縁仏はその人に違いあるめぇ。

そのせいで なかがあんな恐ろしげな病に あっちまったんだよ。➡

やっぱり たたりだったんだいね。

神様 ありがとうございます。 ありがとうございます。

(ゑい)ありがとうございます。

(まさ)このたたりをはらうには どうしたらよいのでしょう。

(修験者)このたたりを清めるには いかようにせば可ならん。

ほこらを建立し あがめ奉るべし。

聞いたかい。 ほこらですね ほこら ほこら…。

一つお伺いしたい。

先ほど 無縁仏と申されたが➡

その無縁仏が出たのは およそ何年前のことでございましょうか。

口を出すんじゃないって言ってるだんべ。

いいや。 ほこらを建てるにも供養するにも その年月知らなかったら困るだんべぇ。

(修験者)フッ よかろう。 無縁仏が出たその年は?

おおよそ60年ほど前のことなり。

60年? ということは そのころの年号は?

天保3年なり。

天保3年は23年前だで?

おい どういうことでえ…。

偉ぇ神様が 無縁仏の有り無しは知ってて➡

年号を知らねぇなんてことあるはずねぇ。

(ゑい)ちょっと 栄一…。 だってそうだに。

人にまつられるはずの神様が こんなこともお分かりにならねぇとは➡

金神だか井戸の神だが知らねぇが 所詮大した神様じゃねぇだんべぇ。

何てこと言うんだい… 天罰が当たるよ!

しかし 栄一の言うことも もっともだい。 そうだいのう…。

修験者様 これ どういうことだい?

こ これは…➡

おおかた 神を偽った野ギツネでも来たのであろう。

野ギツネ? あぁ だったら➡

いたずらギツネに 立派なほこらなんか必要ねぇに。

そうだな? まさおばさん。

そうだねぇ。 そういうことになりますかねぇ。

(修験者) なんと。 神をも畏れぬ不届きものめ!➡

お前にはいずれ 偉大なる神の大きな罰が下るであろう!

野ギツネだか何だか知らねぇが…➡

俺は人の弱みにつけ込む神様なんか これっぽっちも怖かねぇ。

うちの姉さまだってそんなに弱かねぇぞ。

こんなえたいの知れねぇもんで 一家を惑わすのは金輪際御免被る。

とっとと帰れ!

お待ちを お待ちを 修験者様…。

ハハハハ… 栄一のおしゃべりも たまには役に立つ。

二度と来んな このニセモンが。

♬~

栄一!

お 帰ってきたんか。

ふむ。 顔色もいいじゃねぇか。

とっさまと山ん中 歩いてるうちに 気分も晴れたわ。

花もきれいで…。 そうか。

ふうん…。

お千代が姉さまを美しいと言っていたが➡

キツネの妖怪といえば国を滅ぼすほど 美しいといわれた玉藻の前だ。

姉さまなんかに とりつくはずがねぇだんべ。

何だって? この要らぬ口め。 滅ぼしてやるぞ!

こら! こら! 痛っ! 痛い 痛い…。

やっぱりキツネより 姉さまの方がおっかねえ。

栄一。 ん?

ありがとうね。

くっさ! え?

姉さま 旅のアカが落ちてねえんじゃねえか。

はあ? 汗流した方がいいだんべ。 ほら。

ひゃ~! 栄一 こら!

♬~

そして その年の秋…。

殿! 円四郎!

急ぎお屋敷の外に!

上様 お急ぎなさいませ!

(徳川家定)お おお… なんと…!

(歌橋)上様~! 上様~!

上様! 歌橋!

(井伊直弼) 上様はご無事! 上様はご無事じゃ!

上様はご無事。 吹上御庭にお渡りになった。

こりゃあ ひでぇありさまだ。 父上! 母上!

(斉昭)東湖! (武田耕雲斎)東湖殿! 東湖はどこじゃ!

父上! (耕雲斎)よくぞご無事で。

御簾中様もご無事でございます。 それは何より。

そんなことより東湖じゃ!

東湖はどこじゃ! 東湖殿! 東湖! 東湖!

≪(小四郎)父上! 父上…。

父上…。

東湖… 東湖!

東湖!

ああ…。

東湖! 東湖!

東湖! 東湖! 東湖!

異国人とて 国には親や友がありましょう。

誰しも 掛けがえのなきものを 天災で失うは耐え難きこと。

わしは掛けがえのなき友を…➡

掛けがえのなき友を亡くしてしまった…。

東湖…。

東湖! 東湖! 東湖…!

大変だ 兄貴! 道場破りだに!

新しい世が始まろうとしているのです。

ええっ! 何故じゃ!

あたしゃ あなた様を 武士のもぐらと見ておりますんで。

千代はそんな栄一さんを お慕い申しておるんだに!

はら さようでございもすか。

あぁ 分かんねぇ!

本当に男は戦が好きだいねぇ。

道場に漂う緊張感。

神道無念流の稽古場です。

渋沢家や尾高家の人々が学んだ 神道無念流。

剣術のみならず 学問を重んじ➡

後に明治時代に活躍する人材を 輩出しました。

(掛け声)

試合の記録には➡

栄一や喜作 惇忠の名前が残されています。

長七郎は江戸へ遊学し 剣の腕を磨きました。

大川平兵衛が開いた 神道無念流の道場があった➡

埼玉県坂戸市。

平兵衛は ここから血洗島に出向き 栄一たちに剣術の指導を行いました。

栄一が通った道場は 鹿島神社の近くにあったといい➡

境内では試合が行われたと 伝わっています。

ひたむきに剣術をきわめた若者たちは➡

やがて 幕末の動乱に 身を投じていきました。

(仁左衛門) 話が うまくでき過ぎてると?

一旦 捕らえながらも➡

雲霧一党によって 奪い返された 因果小僧六之助を➡

再び 捕らえんと 策を巡らした。➡

しかし 今度も また 煮え湯を飲まされ➡

その必死の探索も 実を結ばなかった>

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