All language subtitles for 青天を衝け#04
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1
00:00:33,789 --> 00:00:36,825
(高島秋帆)お前も…。
2
00:00:36,825 --> 00:00:41,130
お前も励め 必ず励め。
3
00:00:41,130 --> 00:00:46,935
後に 近代日本経済の父と呼ばれる
渋沢栄一。
4
00:00:46,935 --> 00:00:48,871
あと30貫ばっかあるだが。
5
00:00:48,871 --> 00:00:50,871
(渋沢栄一)
じゃあ 30貫 みんなくれとくれ。
6
00:00:53,142 --> 00:00:57,312
1両あれば 来年は〆粕を10斗買っても
どうにかなるんだいな。
7
00:00:57,312 --> 00:00:59,248
へえ。
8
00:00:59,248 --> 00:01:04,086
そしたら もっといい藍が
今年の倍はとれるわけだいなぁ。
9
00:01:04,086 --> 00:01:08,924
へえ!
来年も また必ず➡
10
00:01:08,924 --> 00:01:13,328
うちに売ってくれるかい。
もちろんだらず!
11
00:01:13,328 --> 00:01:19,835
藍葉の不作という危機から
血洗島を救った栄一は…。
12
00:01:19,835 --> 00:01:22,171
(渋沢市郎右衛門)よくやった。
13
00:01:22,171 --> 00:01:25,007
へえ!
14
00:01:25,007 --> 00:01:27,910
ハハハ! お~! やったぞ~!
15
00:01:27,910 --> 00:01:33,282
やった~! ハハハ!
16
00:01:33,282 --> 00:01:36,952
今日もよく働いております。
17
00:01:36,952 --> 00:01:39,988
(尾高惇忠)おう 栄一。
おお あにぃ!
18
00:01:39,988 --> 00:01:42,758
もう一人で
藍の買い付けに行っているのか?
19
00:01:42,758 --> 00:01:46,662
そうよ。 今はこうして商いの修業中だに。
20
00:01:46,662 --> 00:01:49,531
あ ここんところ読書に伺えず申し訳ねえ。
21
00:01:49,531 --> 00:01:52,968
大丈夫 大丈夫。 結構なことだがな。
22
00:01:52,968 --> 00:01:57,139
お前の母さまも「とっさまの機嫌がよい」と
喜んでおられた。
23
00:01:57,139 --> 00:01:59,074
ハハ。
そうだ➡
24
00:01:59,074 --> 00:02:03,011
浜田弥兵衛の本を手に入れたぞ。
おお!
25
00:02:03,011 --> 00:02:05,013
暇が出来たら読みに来い。
26
00:02:05,013 --> 00:02:09,718
はっはぁ~ ごろつきの異人を
とっちめるとはのう。
27
00:02:09,718 --> 00:02:11,687
当時のオランダ人の間でも➡
28
00:02:11,687 --> 00:02:15,324
「江戸のヤヒョウエ」と
恐れられていたそうだで。
29
00:02:15,324 --> 00:02:17,359
(渋沢喜作)つまり 200年の昔から➡
30
00:02:17,359 --> 00:02:22,097
日本男児の気概は
決して異国に劣らねえってことだに。
31
00:02:22,097 --> 00:02:26,935
ましてや 生まれて100年にも満たねえ
ペルリのメリケンなど なんぼのもんだ。
32
00:02:26,935 --> 00:02:30,506
そうだいな。
こっちがひっぺがえしてやらぁ。
33
00:02:30,506 --> 00:02:32,774
そうだに!
おお!
(尾高きせ)まぁまぁ 勇ましいこと。
34
00:02:32,774 --> 00:02:36,445
ああ。 その意気だ。
35
00:02:36,445 --> 00:02:39,245
あ~…。
うっ…。
36
00:02:45,154 --> 00:02:50,154
まだいたんか。
そろそろ戻らねえと叱られるに。
37
00:02:52,794 --> 00:02:56,598
しかし承服できん。
38
00:02:56,598 --> 00:03:00,969
浜田弥兵衛はタイオワン
山田長政はシャム➡
39
00:03:00,969 --> 00:03:05,841
かつては多くのもんが海の向こうにおって
そこで商いまでしていた。
40
00:03:05,841 --> 00:03:12,541
なのに… どうして今 この日の本は
国を閉ざしているんだいなぁ。
41
00:03:15,150 --> 00:03:17,850
よい質問だ 栄一。
42
00:03:19,488 --> 00:03:23,992
今から300年ほど前
戦で荒れ果てた日の本に➡
43
00:03:23,992 --> 00:03:26,328
大勢の異人が入ってきた。
44
00:03:26,328 --> 00:03:28,363
やつらは伴天連だ。
45
00:03:28,363 --> 00:03:34,570
やつらは異国の神を広め
日の本を魂から乗っ取ろうとした。
46
00:03:34,570 --> 00:03:37,773
魂を乗っ取る?
そうだ。
47
00:03:37,773 --> 00:03:43,111
水戸の本にもあるように
日の本が古来持つ誇りや尊厳は➡
48
00:03:43,111 --> 00:03:47,282
決して奪われてはならねぇのだ。
49
00:03:47,282 --> 00:03:49,318
まことよのう。
50
00:03:49,318 --> 00:03:51,453
弥兵衛や長政みてえに➡
51
00:03:51,453 --> 00:03:54,122
日本男児として誇り高くおらねばのう。
52
00:03:54,122 --> 00:03:56,058
そのとおりだ。
53
00:03:56,058 --> 00:03:58,794
弥兵衛のタイオワンが
どこにあるか知っておるか?
54
00:03:58,794 --> 00:04:02,464
今 地図を見せてやろう。
おお まことか!
55
00:04:02,464 --> 00:04:08,604
惇忠の影響で 栄一の好奇心は
どこまでも広がり…➡
56
00:04:08,604 --> 00:04:14,304
時を忘れ 夜通し語り合うことも
しばしばでした。
57
00:04:16,144 --> 00:04:18,444
(尾高千代)兄さま 朝飯が…。
58
00:04:20,015 --> 00:04:22,484
栄一さん?
59
00:04:22,484 --> 00:04:25,320
おやまぁ 寒ぃだんべに。
60
00:04:25,320 --> 00:04:28,620
こんなところで
寝てしまって…。
61
00:04:34,129 --> 00:04:38,329
フフ フフ…。
62
00:04:42,804 --> 00:04:45,440
へ? ヒッ! キャッ!
うわっ…!
63
00:04:45,440 --> 00:04:49,111
す… すいません!
お千代か。
64
00:04:49,111 --> 00:04:53,582
何でお千代が?
え?
ここはどこだ?
65
00:04:53,582 --> 00:04:55,517
あ あにぃの…。
66
00:04:55,517 --> 00:04:59,955
(千代)へぇ あの 寝ていらしたから…。
67
00:04:59,955 --> 00:05:03,592
そうか! しまった~。
68
00:05:03,592 --> 00:05:12,292
あ… つい話が楽しくて
お天道様が昇るまで寝過ごしてしまった。
69
00:05:16,138 --> 00:05:19,474
笑っておられました。
へ?
70
00:05:19,474 --> 00:05:24,613
今 寝ながら… こう ニコリと。
71
00:05:24,613 --> 00:05:26,982
何か よい夢でも見ていらしたんかねぇ。
72
00:05:26,982 --> 00:05:30,018
夢…。
73
00:05:30,018 --> 00:05:32,421
そうだ 見とったぞ!
74
00:05:32,421 --> 00:05:36,925
とっさまと 船で異国に行く夢だ。
75
00:05:36,925 --> 00:05:42,097
俺は異人相手に堂々と商いをして➡
76
00:05:42,097 --> 00:05:45,967
とっさまに
「ようやった」と褒めてもらった。
77
00:05:45,967 --> 00:05:47,969
へぇ。
78
00:05:47,969 --> 00:05:51,573
とっさまは笑っておられた。
79
00:05:51,573 --> 00:05:53,508
俺もうれしかった。
80
00:05:53,508 --> 00:05:56,945
それはそれは よい夢でございましたねぇ。
81
00:05:56,945 --> 00:05:58,880
うむ!
82
00:05:58,880 --> 00:06:16,080
♬~
83
00:06:22,104 --> 00:06:25,307
お お千代。
84
00:06:25,307 --> 00:06:27,507
お前…。
85
00:06:31,747 --> 00:06:33,682
(尾高長七郎)
朝から楽しそうだのう。
86
00:06:33,682 --> 00:06:35,617
(尾高平九郎)楽しそうだのう。
87
00:06:35,617 --> 00:06:38,420
長七郎! 平九郎も!
88
00:06:38,420 --> 00:06:41,256
(長七郎)楽しそうだのう。
(千代)楽しいなどとは何も!
89
00:06:41,256 --> 00:06:48,029
ハハハハ…。
失礼しました。 ほら おいで平九郎。
90
00:06:48,029 --> 00:06:50,029
お千代…。
91
00:06:52,968 --> 00:06:55,804
夢の話をしておっただけだに。
92
00:06:55,804 --> 00:06:58,573
ふうん?
93
00:06:58,573 --> 00:07:01,443
しかし… お千代の顔を➡
94
00:07:01,443 --> 00:07:05,113
あれほど間近で見たのは初めてだ。
95
00:07:05,113 --> 00:07:07,582
は~。
96
00:07:07,582 --> 00:07:10,118
朝稽古をしておったらのう➡
97
00:07:10,118 --> 00:07:15,290
畑では もう
お前のおやじさん 働いておったぞ。
98
00:07:15,290 --> 00:07:19,290
しまった! また叱られる。
お邪魔した!
99
00:07:22,798 --> 00:07:24,733
おぉ いい青だ…。
100
00:07:24,733 --> 00:07:27,302
(伝蔵)本当だで。
101
00:07:27,302 --> 00:07:30,605
(渋沢宗助)お~ こりゃ よく売れたなあ。
102
00:07:30,605 --> 00:07:35,744
あぁ もうちっと多く作れれば
もっと もうかったに➡
103
00:07:35,744 --> 00:07:38,079
それでも いい値になった。
104
00:07:38,079 --> 00:07:41,950
一番藍はあれほど不作だったのに
ありがてぇことだ。
105
00:07:41,950 --> 00:07:48,089
そうだなぁ。
よし 暮れには得意先の百姓衆を集めるか。
106
00:07:48,089 --> 00:07:52,761
(市郎右衛門)あぁ 今年は大いに
ごちそうしなくっちゃなんねえ。
107
00:07:52,761 --> 00:07:57,933
おいちゃん とっさま
その寄り合いだけんど…➡
108
00:07:57,933 --> 00:08:00,769
俺に仕切らせてくんねえか?
109
00:08:00,769 --> 00:08:03,104
思いついたことがあるんだ。
110
00:08:03,104 --> 00:08:05,804
は?
111
00:08:07,976 --> 00:08:09,978
うん。
112
00:08:09,978 --> 00:09:50,412
♬~
113
00:09:50,412 --> 00:11:01,112
♬~
114
00:11:03,618 --> 00:11:08,456
こんばんは。 徳川家康です。
115
00:11:08,456 --> 00:11:12,360
少々おさらいしてみましょうか。
116
00:11:12,360 --> 00:11:16,197
先週の放送では こんなことがありました。
117
00:11:16,197 --> 00:11:19,501
老中の阿部正弘は➡
118
00:11:19,501 --> 00:11:26,274
ペリーが戻ってきた時に
どう対処するべきかを悩みに悩んだ末➡
119
00:11:26,274 --> 00:11:33,048
幕府の中だけでなく
広く意見を聞いてみることにしました。
120
00:11:33,048 --> 00:11:38,748
集まった意見書は 実に700以上。
121
00:11:41,589 --> 00:11:47,395
外様が意見するなど
私の頃には考えられん話だ。
122
00:11:47,395 --> 00:11:53,201
まあ 時代というものですな…。
123
00:11:53,201 --> 00:11:59,808
水戸の斉昭など 大方は「通商反対」。
124
00:11:59,808 --> 00:12:07,682
もしくは「一度開国し 力をつけたら
鎖国に戻す」というものでした。
125
00:12:07,682 --> 00:12:19,627
そんな中 福岡の黒田長溥と
先週の放送で釈放された高島秋帆だけが➡
126
00:12:19,627 --> 00:12:23,998
「異国と交易をすれば
日本にも利益がある」➡
127
00:12:23,998 --> 00:12:31,439
「寛大な心で
異国を受け入れてはどうか」と意見した。
128
00:12:31,439 --> 00:12:37,245
さて これらを受け取った徳川が
どうするか…。
129
00:12:37,245 --> 00:12:41,583
(阿部正弘)
台場は こことここを厚くせよ。➡
130
00:12:41,583 --> 00:12:46,454
できる限りペルリの艦隊を
左右から挟み込むのだ。
ははっ。
131
00:12:46,454 --> 00:12:52,961
江戸城では 既に亡くなった
前将軍の息子 徳川家定が➡
132
00:12:52,961 --> 00:12:57,961
第十三代征夷大将軍に
就任していましたが…。
133
00:13:06,141 --> 00:13:12,614
実務を仕切っていたのは
老中首座の阿部正弘と…➡
134
00:13:12,614 --> 00:13:17,318
新しく海防参与となった徳川斉昭でした。
135
00:13:17,318 --> 00:13:19,254
(徳川斉昭)川路。
136
00:13:19,254 --> 00:13:22,190
(川路聖謨)おぉ これはご老公に東湖先生。
137
00:13:22,190 --> 00:13:27,629
長崎まで
ヲロシア使節の応接に参るそうだな。
138
00:13:27,629 --> 00:13:32,267
さよう。
某の話術にてヲロシアをぶらかし➡
139
00:13:32,267 --> 00:13:34,202
開国の要求をかわしてこいとの仰せ。
140
00:13:34,202 --> 00:13:36,437
ヲロシアなど たたっ斬れ。
141
00:13:36,437 --> 00:13:41,109
陸戦に持ち込めば
我が国の槍剣の長技で➡
142
00:13:41,109 --> 00:13:45,446
異人など皆殺しにしてくれるわ。
143
00:13:45,446 --> 00:13:48,746
ハハハハ…。
ははっ。
144
00:13:52,954 --> 00:13:57,292
政に復帰なされ意気揚々にござりますな。
145
00:13:57,292 --> 00:14:02,797
(藤田東湖)我が殿は 我こそが国を守る
という気概に満ちておられる。 それに…。
146
00:14:02,797 --> 00:14:05,834
(小声で)一橋家のことも…。
147
00:14:05,834 --> 00:14:11,806
そのことですが
本当にあの男で頼りになるのやら。
148
00:14:11,806 --> 00:14:16,311
(やす)
小姓だなんて 立派なお役目じゃぁないか。
149
00:14:16,311 --> 00:14:22,483
でも おめぇ
一橋様といやあ一回りも年下だぜ。
150
00:14:22,483 --> 00:14:25,153
そんな身の回りのお世話ったってぇ。
151
00:14:25,153 --> 00:14:27,188
だったら あんたも逃げんのかい?
152
00:14:27,188 --> 00:14:30,625
年が明けりゃ また黒船が来るってんで➡
153
00:14:30,625 --> 00:14:32,560
みんな江戸から逃げ出してるよ。
154
00:14:32,560 --> 00:14:36,264
はぁ? 逃げる? 何を言ってやんでい。
155
00:14:36,264 --> 00:14:39,767
メリケンごときで
逃げ出していられっか こんちきしょう。
156
00:14:39,767 --> 00:14:42,670
おりゃおめぇ御旗本のせがれだぜ。
157
00:14:42,670 --> 00:14:46,941
なら四の五の言わず行っておいで。
あんたが働かなきゃね➡
158
00:14:46,941 --> 00:14:49,844
雨漏りの屋根直すお金だって
ありゃしないんだから。 ほら…。
159
00:14:49,844 --> 00:14:52,113
いてて… いてっ。
行っておいで。
160
00:14:52,113 --> 00:14:54,949
全く… 何見てんだ。
161
00:14:54,949 --> 00:14:59,149
全く しょうがねえなぁ。
162
00:15:10,131 --> 00:15:12,831
おなりにございます。
163
00:15:27,148 --> 00:15:30,448
平岡円四郎にございます。
164
00:15:36,557 --> 00:15:39,427
(徳川慶喜)平岡円四郎。
ははっ。
165
00:15:39,427 --> 00:15:44,098
私は お前に
私の諍臣になってほしいと思うておる。
166
00:15:44,098 --> 00:15:46,798
諍臣ていやぁ…
167
00:15:49,437 --> 00:15:51,372
…の諍臣でございましょうか。
168
00:15:51,372 --> 00:15:54,575
さよう。 その言葉のとおり➡
169
00:15:54,575 --> 00:15:59,781
私に少しでもおごりや過ちがあれば
必ず いさめてほしい。➡
170
00:15:59,781 --> 00:16:03,117
よしなに頼む。
171
00:16:03,117 --> 00:16:05,117
ははっ…。
172
00:16:11,826 --> 00:16:17,598
(中根長十郎)早う支度をせい。
し 支度…。
173
00:16:17,598 --> 00:16:22,136
中根。 よい。 そなたは下がれ。
174
00:16:22,136 --> 00:16:25,473
ははっ。
175
00:16:25,473 --> 00:16:28,977
支度ったってぇ…。
176
00:16:28,977 --> 00:16:52,300
♬~
177
00:16:52,300 --> 00:16:54,500
(円四郎)へぇ お待ち。
178
00:16:57,572 --> 00:17:01,109
まことのことを申せ。
179
00:17:01,109 --> 00:17:03,444
まことに給仕のしかたを知らぬのか。
180
00:17:03,444 --> 00:17:10,118
それとも私の小姓をするのが不服で
かように不作法なことをしておるのか。
181
00:17:10,118 --> 00:17:15,418
まことを申せば
不服と思うところもございまする。
182
00:17:24,665 --> 00:17:28,136
某は下谷練塀小路の生まれで➡
183
00:17:28,136 --> 00:17:30,972
旗本のせがれとはいえ四男坊と➡
184
00:17:30,972 --> 00:17:33,741
跡取りには程遠い厄介者。
185
00:17:33,741 --> 00:17:40,241
その自分が このように屋敷に籠もる
風流なお役目なんてのは… あっ。
186
00:17:42,450 --> 00:17:46,421
そうか。
ははっ。 ええと…。
187
00:17:46,421 --> 00:17:49,757
おのが住まいでは飯は食わぬのか?
188
00:17:49,757 --> 00:17:54,757
あ いや 手前の飯は女房が いつも
このようにして よそってくれまする。
189
00:17:56,431 --> 00:17:59,731
そうか。 女房か。
190
00:18:05,940 --> 00:18:10,140
よいか。 まず椀をこう持つ。
191
00:18:12,280 --> 00:18:16,784
そして 杓子をこう持ち➡
192
00:18:16,784 --> 00:18:22,584
かようにして飯をよそう。
193
00:18:27,462 --> 00:18:31,899
(慶喜)どうじゃ。
ははっ 何てぇか そのぉ…➡
194
00:18:31,899 --> 00:18:36,737
実にふわりと
美しく盛られてございまする。
195
00:18:36,737 --> 00:18:41,409
さようか… よかった。
196
00:18:41,409 --> 00:18:53,421
♬~
197
00:18:53,421 --> 00:18:56,090
ああ これは農人形といい➡
198
00:18:56,090 --> 00:18:59,760
米の一粒一粒は民の辛苦であるゆえ➡
199
00:18:59,760 --> 00:19:03,760
食するごとにそれを忘れぬようにという
父の教え。
200
00:19:09,770 --> 00:19:13,107
よいか。 給仕はかようにするものぞ。
201
00:19:13,107 --> 00:19:16,144
は ははっ!
202
00:19:16,144 --> 00:19:19,944
まことに恐れ入りましてございまする!
203
00:19:23,818 --> 00:19:29,657
平岡円四郎は
慶喜の小姓として一橋家に入り➡
204
00:19:29,657 --> 00:19:32,894
働き始めました。
205
00:19:32,894 --> 00:19:36,531
輪を作って通す。
206
00:19:36,531 --> 00:19:38,599
そう 口でも引っ張るのじゃぞ。
207
00:19:38,599 --> 00:19:40,735
へい 口でも引っ張る…。
208
00:19:40,735 --> 00:19:44,405
途中で口を利く者がおるか。
209
00:19:44,405 --> 00:19:46,405
すいやせん…。
210
00:19:48,276 --> 00:19:55,750
(慶永)水戸はほかの徳川とは違い
頼りになるのう。
211
00:19:55,750 --> 00:20:00,621
(橋本左内)ハハ… ご老公はもちろん
それを支える東湖先生も➡
212
00:20:00,621 --> 00:20:05,092
知識といい人柄といい
申し分ないお方です。
213
00:20:05,092 --> 00:20:07,428
そうよのう。
214
00:20:07,428 --> 00:20:15,303
そして
ご老公の御子の一橋様ものう。
215
00:20:15,303 --> 00:20:17,772
一橋様?
216
00:20:17,772 --> 00:20:24,645
いっそ あのお方のような方が
将軍になれば…➡
217
00:20:24,645 --> 00:20:31,345
わしは喜んで
この身をささげるんだがのう。
218
00:20:42,296 --> 00:20:44,232
母上!
219
00:20:44,232 --> 00:20:47,602
(吉子)七郎! いえ 一橋殿。
220
00:20:47,602 --> 00:20:51,305
まぁ このように立派になられて。
221
00:20:51,305 --> 00:20:53,808
母上様も お元気そうで何より。
222
00:20:53,808 --> 00:20:55,743
さあ こちらへ。 お疲れでしょう。
223
00:20:55,743 --> 00:20:57,678
今 茶と菓子を持たせますゆえ。
224
00:20:57,678 --> 00:20:59,878
ありがとう。
225
00:21:02,483 --> 00:21:08,356
ふ~ん。 こうやって見ると 年相応だな。
226
00:21:08,356 --> 00:21:10,358
まあ…。
227
00:21:10,358 --> 00:21:14,829
そなたが平岡か。
お!? は… ははっ。
228
00:21:14,829 --> 00:21:18,499
我が息子をよろしく頼むぞ。
229
00:21:18,499 --> 00:21:20,799
ははっ!
230
00:21:28,643 --> 00:21:32,446
(東湖)一橋公は貴人の相がおありだ。
231
00:21:32,446 --> 00:21:36,450
額にこの相を持つ者は
もとより非凡であり➡
232
00:21:36,450 --> 00:21:42,123
ご老公よりも更に一等上の
この先またと いでがたきお人だ。
233
00:21:42,123 --> 00:21:46,294
一橋公が将軍におなりあそばせば…➡
234
00:21:46,294 --> 00:21:50,798
外夷に乱れ始めたこの国を
きっと立て直すことができる。
235
00:21:50,798 --> 00:21:54,602
え?
心して勤めよ。
236
00:21:54,602 --> 00:21:56,602
ははっ。
237
00:22:00,308 --> 00:22:06,608
へ? あのお方を 将軍に?
238
00:22:09,483 --> 00:22:13,487
(円四郎)おかしれぇことになってきたぜ。
239
00:22:13,487 --> 00:22:19,193
将軍か。
将軍というのは 参ったが… へへ。
240
00:22:19,193 --> 00:22:21,996
いや 分からねぇことはねぇ。
241
00:22:21,996 --> 00:22:26,500
さすが俺のほれ込んだお方だぜ。
242
00:22:26,500 --> 00:22:29,503
は? 誰にほれたって?
243
00:22:29,503 --> 00:22:37,003
やす おめぇもよう ちょっとぐれえ
飯のよそい方でも学べってんだ。
244
00:22:38,779 --> 00:22:44,452
ちょいと待ちなよ。 ほれたって…。
245
00:22:44,452 --> 00:22:51,225
まさかお前さん
それで近頃ずっと うわの空で…。
246
00:22:51,225 --> 00:22:54,462
許さない! あたしゃ許さないよ!
うわっ…。
247
00:22:54,462 --> 00:22:56,464
えい!
おい… 違う!
248
00:22:56,464 --> 00:22:59,967
どこのどいつだよ!
違うってんだ… やめねぇか!
249
00:22:59,967 --> 00:23:03,304
や~!
危ない 危ない 危ない…。
250
00:23:03,304 --> 00:23:05,304
何考えてんだ おめぇはよ!
251
00:23:08,142 --> 00:23:14,832
こちら血洗島は
藍農家をねぎらう宴会の日。
252
00:23:14,832 --> 00:23:17,532
(渋沢ゑい)はるちゃん そっちも頼まいね。
へえ。
253
00:23:19,170 --> 00:23:24,008
その仕切りを任された栄一でしたが…。
254
00:23:24,008 --> 00:23:28,646
(権兵衛)角兵衛どん こないだの
2番刈りの時は本当に助かったに。
255
00:23:28,646 --> 00:23:33,951
(角兵衛)おう また困ったら言えや。
へえ。
256
00:23:33,951 --> 00:23:37,288
よしぞうさんは そこだ そこ。
257
00:23:37,288 --> 00:23:39,590
お! 角兵衛さん 角兵衛さん。
258
00:23:39,590 --> 00:23:44,128
角兵衛さんは え~っと…
角兵衛さん ここ!
259
00:23:44,128 --> 00:23:46,964
うん?
ここ! 角兵衛さん。
260
00:23:46,964 --> 00:23:49,300
おお 朔兵衛さん。
朔兵衛さんね そっちだ。
261
00:23:49,300 --> 00:23:51,235
(朔兵衛)
何だい。 今日は席が決まってんのかい?
262
00:23:51,235 --> 00:23:55,473
はい。 あ 権兵衛さん。
え?
263
00:23:55,473 --> 00:23:57,408
権兵衛さんは向こうだい。
え?
264
00:23:57,408 --> 00:23:59,343
権兵衛さ~ん こっちこっち。
265
00:23:59,343 --> 00:24:03,214
え? おい… おらがこんな席かい?
266
00:24:03,214 --> 00:24:06,984
今日は権兵衛さんが大関だかんな。
大関?
267
00:24:06,984 --> 00:24:09,487
大関よ。
どうぞ どうぞ。
いや… ちょっと…。
268
00:24:09,487 --> 00:24:14,325
おい 何でわしの席がこっちなんだい?
269
00:24:14,325 --> 00:24:19,163
何だ いっつも角兵衛さんは
上座と決まってただんべえ。
270
00:24:19,163 --> 00:24:22,833
いや すまねぇが 今日は
そっちに座ってもらえねぇだんべか。
271
00:24:22,833 --> 00:24:25,336
何だ? 何始める気だ。
272
00:24:25,336 --> 00:24:28,839
いいから ちっとやらしてくれ…。
273
00:24:28,839 --> 00:24:33,277
よぉし みんな そろったにぃ。
274
00:24:33,277 --> 00:24:40,050
(宗助)
あぁ みんな 今年もご苦労さんだった。
275
00:24:40,050 --> 00:24:44,989
いや 雨が降らなかった時には
どうなることかと思ったが➡
276
00:24:44,989 --> 00:24:51,462
みんな丹念に育ててくれたってなぁ
はい ご苦労さん。
277
00:24:51,462 --> 00:24:58,235
そうだ。 紺屋も
これはよい藍玉だとたまげていた。
278
00:24:58,235 --> 00:25:01,805
そらよかったのう。
市郎右衛門さんのおかげだい。
279
00:25:01,805 --> 00:25:03,741
(朔兵衛)そうよそうよ。
なあ。
280
00:25:03,741 --> 00:25:07,311
いや とっさまの腕だけじゃねぇ。
281
00:25:07,311 --> 00:25:11,148
この権兵衛さんの藍が
なっからいい出来だったのよ。
282
00:25:11,148 --> 00:25:13,083
え?
283
00:25:13,083 --> 00:25:16,954
あんなにハリがあって
上から下まで美しい藍葉は➡
284
00:25:16,954 --> 00:25:21,158
よほど常日頃 様子見て世話してねぇと
できるもんじゃねぇだんべ。
285
00:25:21,158 --> 00:25:23,093
あれはどうやったんだ?
286
00:25:23,093 --> 00:25:29,500
市郎右衛門さんによく
「けちるな」って言われてたから➡
287
00:25:29,500 --> 00:25:34,000
今年は ちっと〆粕 奮発したんだ。
288
00:25:36,941 --> 00:25:40,444
そこで俺は 今日は権兵衛さんに➡
289
00:25:40,444 --> 00:25:43,744
大関の席に
座ってもらいてえと思ったのよ。
290
00:25:45,583 --> 00:25:49,119
はぁ? 大関だぁ?
そうだ。
291
00:25:49,119 --> 00:25:53,290
こっちから 今年の藍作りの大関➡
292
00:25:53,290 --> 00:25:59,964
関脇 小結 前頭と
こう並んで座ってもらってるんだ。
293
00:25:59,964 --> 00:26:02,466
前頭?
294
00:26:02,466 --> 00:26:06,470
見てくれ。
栄一に頼まれて俺が番付も書いてきた!
295
00:26:06,470 --> 00:26:09,607
おお…。
(朔兵衛)番付だと?➡
296
00:26:09,607 --> 00:26:12,810
おぉ 俺は東の関脇だとよ。
297
00:26:12,810 --> 00:26:17,147
あぁ 今年はだいぶ
下葉が枯がっちまってたかんなぁ。
298
00:26:17,147 --> 00:26:21,619
わしが前頭とは何だいな!
299
00:26:21,619 --> 00:26:25,823
そうだ お前も喜作も勝手なことをして…。
300
00:26:25,823 --> 00:26:27,758
いや あにぃ。
301
00:26:27,758 --> 00:26:31,629
権兵衛どんの藍葉がよかったのは
本当の話だ。
302
00:26:31,629 --> 00:26:36,934
頼む とっさま
あと一つだけしゃべらせてくれ。
303
00:26:36,934 --> 00:26:41,105
このとっさまは 前々から
この土地の武州藍を➡
304
00:26:41,105 --> 00:26:43,941
日本一にしようとたくらんでる。
305
00:26:43,941 --> 00:26:50,714
だから ここのみんなで
また来年も高め合っていい藍を作り➡
306
00:26:50,714 --> 00:26:55,452
武州藍を大いに盛り上げてぇと
思ってんだ。
307
00:26:55,452 --> 00:26:59,752
どうか来年もよろしく頼んます。
308
00:27:04,161 --> 00:27:08,032
いい藍はいいが こんなくだらん番付…。
309
00:27:08,032 --> 00:27:11,732
あ 俺の!
(角兵衛)宗助の旦那!
310
00:27:15,139 --> 00:27:20,611
はあ… はあ…。
311
00:27:20,611 --> 00:27:22,611
ああ…。
312
00:27:26,984 --> 00:27:31,984
おい 権兵衛。
へ へえ…。
313
00:27:35,559 --> 00:27:41,932
どこで〆粕買ったか教えやがれ。
え?
314
00:27:41,932 --> 00:27:47,104
来年こそは わしが一層よい藍を作って➡
315
00:27:47,104 --> 00:27:50,441
番付の大関になってみせるんべえ!
316
00:27:50,441 --> 00:27:56,246
ハハ!
よっしゃ~!
317
00:27:56,246 --> 00:27:59,583
栄一 面白えじゃねえか。
318
00:27:59,583 --> 00:28:04,121
昔から変なこと考えるやつだに。
でも目は確かだに。
319
00:28:04,121 --> 00:28:07,991
(渋沢なか)よかったぁ。
また栄一が しでかしたかと思ったいね。
320
00:28:07,991 --> 00:28:13,130
本当 本当…
はい 皆さん お食事が出来ましたよ~!
321
00:28:13,130 --> 00:28:16,467
(なか)
お酒も たあんと用意しましたからね。➡
322
00:28:16,467 --> 00:28:19,370
ほら 栄一 喜作も手伝って!
323
00:28:19,370 --> 00:28:23,607
はいよ。
はいよ。
324
00:28:23,607 --> 00:28:30,147
♬「天とう様と武州の人は」
325
00:28:30,147 --> 00:28:37,254
♬「天下無双の藍を産む」
326
00:28:37,254 --> 00:28:43,060
いや しかし己でやってみると
商いはまっさか面白ぇなあ。
327
00:28:43,060 --> 00:28:44,995
そうなん?
うむ。
328
00:28:44,995 --> 00:28:49,433
どうやったら ここの百姓たちが
今よりもうけて この家ももうけて➡
329
00:28:49,433 --> 00:28:53,270
そんでもって阿波に負けねぇ藍玉が
作れねぇもんかと➡
330
00:28:53,270 --> 00:28:57,141
そればっかり考えてみてるんだが…。
331
00:28:57,141 --> 00:28:59,341
ふ~ん。
332
00:29:01,578 --> 00:29:05,878
俺は商いより 剣術がいいなあ。
333
00:29:07,451 --> 00:29:10,287
お お千代!
334
00:29:10,287 --> 00:29:12,222
ああ。
335
00:29:12,222 --> 00:29:14,458
油売りの帰りか。
へえ。
336
00:29:14,458 --> 00:29:17,461
女子衆も精の出ることだなあ。
へえ。
337
00:29:17,461 --> 00:29:22,332
あぁ ほれ。
あ あぁ ありがとう 喜作さん。
338
00:29:22,332 --> 00:29:24,968
これぐらいお安い御用だ。
339
00:29:24,968 --> 00:29:30,140
ちょうど長七郎んとこに
行ぐべえと思っておった。
340
00:29:30,140 --> 00:29:33,544
あ 今日は栄一さんは?
341
00:29:33,544 --> 00:29:38,749
ああ 栄一は えれえこと商いに夢中だ。
342
00:29:38,749 --> 00:29:43,620
まぁ ペルリが来てからこのごろ
御用金も増えておるからなあ。
343
00:29:43,620 --> 00:29:47,090
御用金?
あぁ。
344
00:29:47,090 --> 00:29:50,961
この辺で一番の物持ちが
宗助おじの東の家➡
345
00:29:50,961 --> 00:29:54,832
で そん次が栄一の中の家だい。
346
00:29:54,832 --> 00:29:59,269
岡部のお殿様の祝い事やら
御法会やらがあるたんびに➡
347
00:29:59,269 --> 00:30:01,572
何百両と御用金を命ぜられる。
348
00:30:01,572 --> 00:30:06,443
何百両? そんなに…。
349
00:30:06,443 --> 00:30:11,243
俺ん家は そん次 3番目ぐれえだから。
350
00:30:16,453 --> 00:30:21,592
しかし この俺が精進して立派んなり➡
351
00:30:21,592 --> 00:30:27,965
我が新屋敷を 東の家や中の家に負けねぇ
大きな家にしてみせる!
352
00:30:27,965 --> 00:30:35,138
それどころか 岡部の殿様が
頭を下げるような金持ちになってやる!
353
00:30:35,138 --> 00:30:37,138
だから…。
354
00:30:39,610 --> 00:30:41,610
だから…。
355
00:30:46,383 --> 00:30:49,083
待ってろよ!
356
00:30:53,824 --> 00:30:56,627
そして年が明け…。
357
00:30:56,627 --> 00:31:00,497
(永井尚志)ペ ペルリが! ペルリが!➡
358
00:31:00,497 --> 00:31:04,334
黒船7隻が伊豆沖通過!
359
00:31:04,334 --> 00:31:08,534
この男が再びやって来ました。
360
00:31:47,878 --> 00:31:54,985
(堀田正睦)伊勢守殿 もはやここまでじゃ。
361
00:31:54,985 --> 00:31:57,888
国を開きましょう。
362
00:31:57,888 --> 00:32:00,624
(井伊直弼)そうじゃ そのほうが…。
363
00:32:00,624 --> 00:32:03,160
ありえぬわ!
364
00:32:03,160 --> 00:32:08,632
長きにわたり
この日の本で前例なきことを➡
365
00:32:08,632 --> 00:32:15,505
半年から1年で返答するなど
もっての外だ! 阿部!
366
00:32:15,505 --> 00:32:18,008
≪(遠雷のような音)
367
00:32:18,008 --> 00:32:23,347
(堀田)何事じゃ? 何の音じゃ?
368
00:32:23,347 --> 00:32:27,517
(永井)これはおおかた メリケンの軍鑑が
砲をうった音でございましょう。
369
00:32:27,517 --> 00:32:30,854
何? 戦か?
370
00:32:30,854 --> 00:32:34,291
メリケンが戦を仕掛けてきおったか!
371
00:32:34,291 --> 00:32:36,960
これは礼砲です 掃部頭殿。
372
00:32:36,960 --> 00:32:41,465
ワシントンとやらの生誕の祝いにて
砲をうちたいと先に知らせがありました。
373
00:32:41,465 --> 00:32:46,970
ケッ 何が生誕の祝いじゃ。
こざかしいわ!
374
00:32:46,970 --> 00:32:54,478
いいや こうなれば
戦になるより国を開いた方がまし。
375
00:32:54,478 --> 00:32:59,316
伊勢守殿 頼む。 何とぞ 何とぞ…。
376
00:32:59,316 --> 00:33:04,488
ならぬ! 断じてならぬ!
377
00:33:04,488 --> 00:33:09,993
伊勢守! 打ち払え! 打ち払ってしまえ!
378
00:33:09,993 --> 00:33:12,629
戦はなりませぬ! なりませぬぞ!
379
00:33:12,629 --> 00:33:17,501
黙れ貴様! ここからつまみ出せ! 阿部!
380
00:33:17,501 --> 00:33:20,801
阿部は迷った末…。
381
00:33:24,641 --> 00:33:29,841
とうとう… 日米和親条約を締結しました。
382
00:33:38,188 --> 00:33:41,792
(長七郎)ペルリの勢いに負け
港を開くことになったそうだ。
383
00:33:41,792 --> 00:33:45,662
今 下田には黒船が…。
なんと…。
384
00:33:45,662 --> 00:33:48,965
あぁ お千代ちゃん。 お帰り。
385
00:33:48,965 --> 00:33:51,468
夷狄は打ち払わねばならねぇんだ!➡
386
00:33:51,468 --> 00:33:58,341
我が国とて これでは 黒船に攻められ
強引に国を開かされたと同意。
387
00:33:58,341 --> 00:34:01,611
我ら百姓とて
決してこのままじゃあなんねぇ。➡
388
00:34:01,611 --> 00:34:05,315
水戸の教えを学び
何ができるか思案するのじゃ。
389
00:34:05,315 --> 00:34:07,984
おう!
390
00:34:07,984 --> 00:34:10,484
よぉし 俺も…。
391
00:34:12,155 --> 00:34:14,155
駄目よ 平九郎。
392
00:34:15,826 --> 00:34:18,495
(やへ)驚いたねぇ。
393
00:34:18,495 --> 00:34:22,295
あんなあの子を見るんは初めてだよ。
ええ…。
394
00:34:27,838 --> 00:34:31,441
(ゑい)
まぁ またご陣屋からお呼び出しですか。
395
00:34:31,441 --> 00:34:33,777
(宗助)明日すぐに来いとな。
396
00:34:33,777 --> 00:34:36,446
お前は明日も紺屋回りか。
397
00:34:36,446 --> 00:34:41,318
あぁ。 だけんど
行がねえわけにはいがねぇだんべなあ。
398
00:34:41,318 --> 00:34:48,058
うん… だったら栄一 お前が行ぎない。
399
00:34:48,058 --> 00:34:51,461
え… え? 俺が岡部のご陣屋へ?
400
00:34:51,461 --> 00:34:54,364
とっさまの名代なんて
栄一にできるんかいね。
401
00:34:54,364 --> 00:34:56,333
また姉さまはそんなことを。
402
00:34:56,333 --> 00:34:59,202
(宗助)
まぁ 紺屋回りより よほどたやすい。
403
00:34:59,202 --> 00:35:07,010
お代官様の話を へぇへぇと聞き
へぇへぇと頭を下げるのみのこと。
404
00:35:07,010 --> 00:35:12,510
うむ。 お前もこの家の跡継ぎだで。
一度行ってみろい。
405
00:35:14,484 --> 00:35:19,984
(利根吉春)この度 物入りのため
その方どもに御用金を申しつける。
406
00:35:23,193 --> 00:35:29,966
渋沢宗助は1千両 伊勢屋甚五郎は400両➡
407
00:35:29,966 --> 00:35:36,106
丹波屋八兵衛は250両
渋沢市郎右衛門は500両。
408
00:35:36,106 --> 00:35:41,578
500両…。
(利根)番匠屋徳治郎は150両。
409
00:35:41,578 --> 00:35:46,378
承知いたしました。
(一同)ははっ。
410
00:35:48,952 --> 00:35:51,788
(小声で)ほれ 栄一。
411
00:35:51,788 --> 00:35:54,291
ははっ。
412
00:35:54,291 --> 00:35:57,194
私は父の名代で参りましたゆえ。
413
00:35:57,194 --> 00:35:59,796
御用の高は確かに伺いました。
414
00:35:59,796 --> 00:36:02,465
家に戻りまして父に申し伝えた上➡
415
00:36:02,465 --> 00:36:04,467
またお受けにまかり出ます。
416
00:36:04,467 --> 00:36:09,806
はぁ? お主 お上の御用を何と心得る。➡
417
00:36:09,806 --> 00:36:13,476
これしきのことが即答できんで
親の名代と申せるか!
418
00:36:13,476 --> 00:36:16,313
名代には名代の務めがございます。
419
00:36:16,313 --> 00:36:18,248
(宗助・小声で)やめんか 栄一。
420
00:36:18,248 --> 00:36:21,484
即答できず
まことに恐縮ではございますが➡
421
00:36:21,484 --> 00:36:24,387
父に申し伝えた上 お持ちいたします。
422
00:36:24,387 --> 00:36:28,825
ハッ たわけたことを…。
423
00:36:28,825 --> 00:36:32,562
300両や500両など何でもないこと。➡
424
00:36:32,562 --> 00:36:36,266
素直に殿様の御用を聞きおけば
立派な大人となり➡
425
00:36:36,266 --> 00:36:39,769
世間からも
認められるようになるというもの。
426
00:36:39,769 --> 00:36:43,440
それを父に申してからなど➡
427
00:36:43,440 --> 00:36:47,444
ハッ そのような手ぬるは承知せぬ。
428
00:36:47,444 --> 00:36:51,114
今すぐじゃ! 今すぐ「承知した」と申せ!
429
00:36:51,114 --> 00:36:54,451
はい。
なれども自分はただ御用を伺いに…。
430
00:36:54,451 --> 00:36:56,386
はぁ?
(宗助)もうやめろ。
431
00:36:56,386 --> 00:36:59,122
まだ言うか!
御用を伺いに来たのみゆえ➡
432
00:36:59,122 --> 00:37:01,057
やはりお受けすることはできません。
433
00:37:01,057 --> 00:37:03,793
下郎め! 承知と言え!
434
00:37:03,793 --> 00:37:06,463
(宗助)栄一!
435
00:37:06,463 --> 00:37:08,398
(利根)承知と言わぬか!
436
00:37:08,398 --> 00:37:11,198
言わぬとただではおかぬぞ!
437
00:37:15,605 --> 00:37:18,975
言え! 栄一!➡
438
00:37:18,975 --> 00:37:22,175
言え! 栄一! 言え!
439
00:37:24,481 --> 00:37:29,819
言え! 言え! 言わんか!
440
00:37:29,819 --> 00:37:33,019
言え! 言え!
441
00:37:34,557 --> 00:37:41,857
(宗助)申し訳ありません!
私めから厳しく言い渡します!
442
00:38:00,450 --> 00:38:03,950
(市郎右衛門)
なぜすぐに払うと言わなかった?
443
00:38:12,462 --> 00:38:18,662
俺たちは… 藍葉を百姓衆から
かご一つ大体30文で買っている。
444
00:38:20,804 --> 00:38:23,707
藍の百姓はその金で食っていき➡
445
00:38:23,707 --> 00:38:28,545
俺たちはその葉を使って
多くの者を雇って藍玉にし➡
446
00:38:28,545 --> 00:38:33,383
それを一つ1両ちょっとで紺屋に売る。
447
00:38:33,383 --> 00:38:36,920
かっさまや姉さまが育てている
お蚕さんは➡
448
00:38:36,920 --> 00:38:41,920
ひとつき寝ずに繭をとって
ひとつかみでせいぜい1文だ。
449
00:38:44,094 --> 00:38:51,768
それを安易に500両とは…。
450
00:38:51,768 --> 00:38:54,804
500両という金は 決して名代の俺が➡
451
00:38:54,804 --> 00:38:58,804
へぇへぇと軽々しく
返事をしていいような額じゃねぇ。
452
00:39:00,944 --> 00:39:03,144
俺はそう思う。
453
00:39:09,652 --> 00:39:11,652
とっさまはどう思う?
454
00:39:19,963 --> 00:39:26,136
百姓は 自分たちを守ってくれる
お武家様に尽くすのが道理だ。
455
00:39:26,136 --> 00:39:28,605
それは分かってる。
456
00:39:28,605 --> 00:39:35,745
しかし今 岡部の御領主は
百姓から年貢を取り立てておきながら➡
457
00:39:35,745 --> 00:39:43,420
その上 人を見下し
まるで貸したものを取り返すかのごとく➡
458
00:39:43,420 --> 00:39:47,220
ひっきりなしに
御用金を出せと命じてくる。
459
00:39:50,560 --> 00:39:54,260
その道理は
一体どこから生じたもんなんだい?
460
00:39:57,767 --> 00:40:03,106
それにあのお役人は
言葉といい振る舞いといい➡
461
00:40:03,106 --> 00:40:06,776
決してとっさまや惇忠あにぃみてえな
知恵のある人とは…。
462
00:40:06,776 --> 00:40:09,276
(市郎右衛門)お上の悪口はもうやめろ!
463
00:40:12,949 --> 00:40:18,149
いかに道理を尽くそうが
しかたのないこと。
464
00:40:20,824 --> 00:40:26,824
それがすなわち 泣く子と地頭だ。
465
00:40:32,135 --> 00:40:38,007
(市郎右衛門)明日すぐに行って
そのまま払ってくるがよい。
466
00:40:38,007 --> 00:41:05,635
♬~
467
00:41:05,635 --> 00:41:23,935
みい よ いつ む…。
468
00:41:28,358 --> 00:41:36,058
なな や…。
469
00:41:55,451 --> 00:42:00,623
500両 持ってまいりました。
470
00:42:00,623 --> 00:42:03,493
そうか。 下がれ。
471
00:42:03,493 --> 00:42:06,293
ははっ。
472
00:42:13,836 --> 00:42:18,007
恐れながら!
473
00:42:18,007 --> 00:42:21,878
それが我々百姓の銭にございます!
474
00:42:21,878 --> 00:42:25,748
朝から晩まで働き その小さな銭が…。
475
00:42:25,748 --> 00:43:01,484
♬~
476
00:43:01,484 --> 00:43:04,387
掛けがえのなきものを天災で失うは
耐え難きこと。
477
00:43:04,387 --> 00:43:06,356
あぁ!
478
00:43:06,356 --> 00:43:08,625
俺は生きる道を見つけた。
479
00:43:08,625 --> 00:43:11,327
うるせぇんだ 喜作! 小僧のくせに!
480
00:43:11,327 --> 00:43:13,363
理屈だけじゃあいがねぇんだ。
481
00:43:13,363 --> 00:43:17,133
強く見えるものほど 弱きものです。
482
00:43:17,133 --> 00:43:19,068
父上! 母上!
483
00:43:19,068 --> 00:43:23,039
栄一。 ありがとうね。
484
00:43:23,039 --> 00:43:26,039
承服できんぞ! ばかばかしい!
485
00:43:34,300 --> 00:43:37,136
東京都文京区。
486
00:43:37,136 --> 00:43:43,336
小石川後楽園は
水戸藩の江戸屋敷内に造られた庭園です。
487
00:43:45,478 --> 00:43:50,278
二代藩主 光圀の時代に完成しました。
488
00:43:55,188 --> 00:44:00,493
園内には 農耕の尊さと
農民の苦労を教えるために➡
489
00:44:00,493 --> 00:44:05,293
光圀が作ったと伝わる稲田があります。
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斉昭も 農業に強い関心を抱いていました。
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00:44:12,105 --> 00:44:19,805
農夫の人形を食膳に置き
農民の労に感謝したと伝わっています。
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00:44:21,514 --> 00:44:27,014
小石川の江戸屋敷は
慶喜が生まれた場所でもあります。
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00:44:29,188 --> 00:44:37,488
慶喜が養子に入った一橋家は
平川門の近くに屋敷を構えていました。
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今は 家名をしのばせる橋と➡
495
00:44:43,469 --> 00:44:50,143
ここが江戸城内であったことを示す
石垣だけが残されています。
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00:44:50,143 --> 00:44:56,843
幕府の行く末は やがて
慶喜に委ねられることとなるのです。
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00:45:33,820 --> 00:45:38,324
(仁左衛門)すぐに 江戸を出ろ。
さもなくば 容赦はせぬぞ。
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00:45:38,324 --> 00:45:42,562
<盗賊 雲霧一党は
仮牢前に 火を放ち➡
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00:45:42,562 --> 00:45:48,067
その隙に乗じて
因果小僧六之助を連れ去った。➡
500
00:45:48,067 --> 00:45:51,871
火付盗賊改方長官 安部式部は➡
501
00:45:51,871 --> 00:45:55,742
雲霧仁左衛門の早業に
驚くと同時に➡
502
00:45:55,742 --> 00:46:00,580
周囲に 雲霧一党への
内通者がいるのではないかと➡
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