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Original subtitles

(今平 卓)浅田くん 吸引して。 (浅田元樹)はい 吸引します。

(今平)はさみ。 (看護師)はい。

(今平)よーし 全部取れた。 (浅田)はい。

(軽部健司)おお~! やっぱり すごいですよ 今平先生。

まさに ゴッドハンド。

♬~

(曽根崎光成)お疲れさま。

(今平)院長 例の話 ご検討頂けましたか?

(曽根崎) まあ 私なりに考えましたよ。

♬~

(今平志摩子)パパ! (今平)おお 志摩子。

どうしたんだ? 急に。 何かあったのか?

久しぶりに パパに会いたくなったの。

(今平)来るなら来るって 事前に 連絡してくれればいいだろう。

急に私が来たら 困る事でもあるの?

女でもいるの?

いるわけないだろう。

しばらく パパのとこ泊めてね。

≫(石川康代) 今平先生 来てください。

302号室の高木さん 痙攣発作起こしてます。

(今平)行きます。 じゃあな。

♬~

(銃声)

うっ… うう…。

なんで…?

♬~

♬~

(ブレーキ音)

(糸村 聡)はあ…。 よいしょ…。

ご苦労さまです。

ご苦労さまです。

(岩田信之)ご苦労さんです。 (雨宮 宏)ご苦労さまです。

(雨宮)検視官の見立てでは 死亡推定時刻は→

昨夜の9時から11時の間。

銃創は胸に1発。 至近距離から撃たれてました。

犯行に使われた銃は? (雨宮)見つかっていません。

犯人が所持したまま 逃走してるとなると 危険だわね。

ご苦労さまです。

おい 糸村 相変わらずの重役出勤だな。

はい 結構 大変でした 自転車で来るの。

自転車で来るなよ。

自転車って…。

あの方ですか? 第一発見者。

(岩田)ああ。 曽根崎脳神経外科の曽根崎院長。

昨日の夜から連絡が取れなかった 今平医師の様子を見に来たところ→

遺体を発見した。

この家は あの院長の別宅なんだって。

5年前 ゴッドハンドを→

東京の大学病院から自分の病院に スカウトした時に→

住まいとして提供したんだって。

ゴッドハンド?

ゴッドハンド。 殺害された今平医師は→

どんな難しい手術もこなす 神の手を持つ医者→

ゴッドハンドと 呼ばれていたらしい。

ふーん…。 お前 聞いてんのか?

えっ? 娘さんが?

(曽根崎)普段は東京にいる 志摩子ちゃんが→

おととい 急に うちの病院にやって来て…。

この家に泊まってた?

でも あなたが遺体を発見した時には→

誰もいなかったんですよね? はい。

ちょっと待ってください。

娘さんの姿が 見当たらないんですか?

(曽根崎)そのようですね。

じゃあ この本は 娘さんが書いたんですね。

「今平志摩子」

(曽根崎)その「とある病院」って 私の病院の事なんです。

彼女が うちを取材して 書いたんですよ。

(路花)「医療ジャーナリスト」…。

♬~

あの… これ なんでしょう?

知りません。

♬~

♬~

(呼び出し音)

出ない。 娘と連絡が取れない。

まさか 娘の犯行って事はないですよね?

(ドアの開く音)

現場で採取された銃弾の 鑑定結果です。

ライフル銃の弾でした。 線条痕に前歴はありません。

ライフル銃まで用意して 犯行に及んだって事は→

犯人は 今平先生に対して→

相当な憎しみを 抱いていたのでしょうか?

医者っていう仕事はさ 病気を治せば感謝されるけど→

治せなかったら 恨まれたり憎まれたりするしね。

でも 今平先生は ゴッドハンドだったんですよね?

いくら有能だって 時には ミスする事だってあるだろう。

もし 医療ミスがあったとしたら 患者か その家族による犯行?

よーし… じゃあ その辺り攻めてみるか。

病院 行くぞ。 はい。

よろしくね。 (岩田)はい。

(キーボードを打つ音)

これ 今平先生が使っていた パソコンですか?

ロックがかかってるので パスワードの解析中です。

ご苦労さまです。

糸村さん カム イン。

なんでしょう?

お馬さん。 お馬さん?

ヒヒ~ン パッカ パッカ パッカの お馬さん!

あっ これ 馬の毛だったんですか!

お馬さんの毛色は 14種類以上もあるんですが→

主なところですと→

鹿毛と呼ばれる茶色系→

黄色みを帯びた栗毛→

そして 芦毛と呼ばれる 白系のお馬さん。

あなたがお持ちになった これは 芦毛のお馬さんの毛でした。

なるほど!

でも 今平先生は なぜ 馬の毛を保管してたんでしょう?

バイオリンとかの弦楽器の弓は 馬の毛で作りますよね。

馬頭琴という モンゴル伝統の楽器にも→

お馬さんの毛を用います。

他にも 靴を磨くブラシ 書道の筆や絵筆など…。

まあ ここに記しておきました。

えっ? こんなに 調べてくださったんですか?

さすが 村木さん!

あのさ あとになってさ 「あれもお願いします」→

「これもお願いします。 なる早で」 って言われるのが→

「んん…」って 「んん…」ってなるから→

完璧に調べておいたの! 素晴らしい。

で これ オスの毛だったんですか?

(カメラのシャッター音) えっ…?

それとも メスの毛ですか? えっ?

これです。 糸村さん。

被害者の病院に行きますよ。 あっ わかりました。

じゃあ オスかメスか よろしくお願いしますね。

お待ち! ちょ ちょ… ちょっと お待ち お待ち。

それ 調べる必要ある!?

これで満足だという時は すなわち 衰える時だ。

…って 誰かが言ってました。

ヒヒ~ン!

えっ… 病院というより ホテルみたいな感じですね。

(岩田)ああ 5年前に建て替えたんだそうだ。

あの本によると 曽根崎院長は→

親から引き継いだ 地域病院のままでは→

将来性が見込めないと。 で 思いきって方向転換した。

東京から今平先生をスカウトして 脳手術専門の病院にしたんだ。

その結果 ゴッドハンドに 治療してもらいたいという患者が→

全国から殺到。

日本一予約が取りにくい病院と 言われるようになった。

あっ… 岩田さん。 ああ?

(岩田)「TEAM今平」…。

まずは この連中から攻めてみるか。

(雨宮・莉緒)はい。

あの… お手伝いしましょうか?

(山上孝江)いや まあ ご親切に。 ほな 頼みます。

よっ。

どうぞ。 おおきに。

(孝江)嫌やね 年取ると こんなんも できにくうなって。

(中間望美)お母さん。 手術は2週間後だって。

この浅田先生がやってくれる。 (浅田)こんにちは。

手術なんか せんでもええよ。 商売 休みとうないし→

お金かて ぎょうさんかかるんやろ?

はあ…。 先生 お母さんの頭 開くついでに→

このドケチも治してください。

♬~

あっ 糸村さん…!

(岩田)あなた オペの時には→

今平先生と 同じチームなんですよね?

(軽部)はい。 私が チーム今平を… 先生をアシストしてました。

今平先生を恨んでる人物に 心当たりは?

人に恨まれるような方では ありませんよ。

あっ でも もしかしたら→

あの先生は 恨んでるかもしれないな。

先生? お医者さんですか?

(曽根崎)医療ミスなんて あるわけないでしょ。

今平先生に治せない 患者さんなんていません。

みんな うちの病院に感謝して 退院していきますよ。

そうですか…。

あの… こちらに写ってるのは 院長先生と今平先生ですよね?

ああ…。

20代の頃 東京の大学病院で 一緒に働いてました。

あの頃の今平は 気の弱い男でした。

患者を救えなかった事に 落ち込んで→

旅に出ちゃうような。 ほう…。

そんな方が どうやって→

ゴッドハンドとまで呼ばれるように なったんでしょう?

30代になって 彼は変わったんです。

誰よりも優れた医者になるために→

努力に努力を重ね 腕を磨いていった。

なるほど…。

志摩子ちゃんが生まれ→

父親になって 心境の変化があったんでしょう。

おととい 志摩子さんが こちらに来た時→

親子の間で 何か変わった様子は? どうだったかな?

そういえば…。

急に私が来たら 困る事でもあるの?

女でもいるの?

女…。

今平先生には 付き合ってる女性が いるんですか?

さあ? 奥さんは 6年前に がんで亡くなってるから→

いても 別にね。

ただ 娘としては面白くないか。

今平先生 バイオリンは弾きますか?

(莉緒・曽根崎)えっ?

現場にあった これ 馬の毛だったんです。

今平先生には 弦楽器を弾くようなご趣味→

ありませんでしたか?

音楽系の趣味は なかったと思いますよ。

では お習字とか。

いや… 最近の彼の趣味は お菓子作りですよ。

お菓子作り?

あっ ここですね 今平先生が通ってたお菓子教室。

すいません。 失礼します。

(木戸凪子)どうぞ。

じゃあ ふかした紫いもを こしていきましょう。

女性ばっかり…。

もしかしたら この中に→

今平先生が交際していた人が いるのかしら?

ん? …ったく もう!

(女性) 今平さん 殺されたんだってね。

(女性)ねえ。 気さくで 楽しい人だったのにねえ。

ホント あんないい人…。

あら あなた なかなかやるわね。

どういたしまして。 ハハハハ…。

ご職業は お医者様だと お聞きしましたけど→

ここでは 皆でお菓子作りを楽しむ→

普通のおじ様でしたよ。

教室以外でも 今平先生と→

お付き合いのあった方は いますか?

さあ…? 私が知る限りは…。

あの… すいません。

この裏ごし器の網の部分って これ 馬の毛ですよね?

えっ? これ 馬の毛なんですか?

ええ。 馬毛は 弾力があって 裏ごしがしやすいので→

プロの調理人は→

馬毛のこし器を使う事が 多いんですよ。

あっ… まさか これを作るために 馬の毛を持ってたっていうの?

う~ん… どうでしょう…?

(女性)ねえ あなた。 はい。

これ よかったら 持って帰って。

ああ… ありがとうございます。 どうぞ。

ああ… でも こんなにたくさん とても 1人では…。

今平さんも よく そう言ってました。

だから 看護師さんや 舞妓さんたちにあげるんだって。

舞妓さん…?

上七軒に 行きつけのお茶屋さんがあると→

おっしゃってました。 ねっ?

そう。 そういえば言ってたわね。

(風鈴の音)

あっ ここですね。 ええ。

ごめんください!

(孝江)なんですやろ?

あっ! お茶のお母さん!

いやあ 病院にいてはった方やねえ。

お茶のお母さん お茶屋さんの 女将さんだったんですか。

山上孝江いいます。

なんのご用どすやろ?

京都府警 特別捜査対策室の 神崎です。

糸村といいます。

警察の方やったん?

今平先生は よく こちらに来ていたそうですね。

堪忍どっせ。

お客さんの事は なんもお話しできしませんのが→

この街のしきたりやさかいに。

ほな 失礼致します。

すいません お母さん→

舞妓さんのお化粧道具 拝見できませんか?

はあ? はあ?

♬~(三味線)

♬~(三味線)

あっ… すいません。

あの… この中に→

馬の毛を使ったものも ありますよね?

化粧筆にも 馬の毛が使われてるんですか?

馬の毛は腰がしっかりしてる。

特に 天尾いう毛は ええ筆になるんや。

ここが馬の毛やね。

なるほど~。

でですね こんな話を→

今平先生とした事は ありませんか?

いいえ ありません。

やっぱり 今平先生は よく来てたんですね。

あの病院の先生方には ごひいきにしてもろうてます。

(藤千夜)望美さん またテンポが早うなってる。

そんな事ないわよ。

藤千夜さんが疲れてるだけでしょ。

(藤千夜) そっちが うちに合わせよし。

地方なんやさかい。

地方? ああ→

ああやって三味線を弾いたり 歌を歌ったりする人の事です。

今日は もう おしまいにし。

はい。

藤千夜さん姉さん おおきに。 また おたの申します。

お疲れさん。

(息を吐く音)

私たちも帰りましょう。

あれ?

あれって馬じゃないですか?

糸村さん もう 早く! いや でも あれ 馬…。

お邪魔致しました。 おじゃ… お邪魔しました。

なんですの? あの人ら。

警察やって。

(藤千夜)ふ~ん…。

♬~

えーっと… どっちに行ったんでしょう?

さあ…?

糸村さんが もたもたしてるから!

ねえ 今平っていう医者の事件を 調べてるんでしょ?

路花さん 容疑者が浮かびました。

谷勝利。 半年前に病院を辞めた医者です。

(路花)医者?

その谷勝利は 今平先生の娘 志摩子の恋人だった。

えっ!? この本を書くために→

志摩子は 病院に何度も取材に来ていた。

そこで谷と知り合い 付き合うようになったが→

父親の今平先生は→

2人の交際を あまりよく思ってなかったらしい。

無理やり別れさせた上に→

谷が病院を辞めるよう 追い込んでいったようです。

では よろしくお願いします。 (谷 勝利)はい。

谷くんは オペに入らなくていい。

カルテの整理でもしていなさい。

(谷)…はい。

(岩田の声) 今は 別の病院で働いているが→

事件の前日から休みを取ってる。 自宅に行ってみたが 不在だった。

事件の前日って事は 娘が父親を訪ねてきた日よね。

ええ。 その日 志摩子を 病院まで送ってきたのは→

谷でした。 ちょっと これ見てください。

(路花)う~ん。 また大きなスーツケースねえ。

この中に ライフル銃が 入っていたんじゃねえのかと。

谷は ライフル銃の所持許可を 持ってます。

じゃあ 娘と その恋人が 交際を反対していた父親を殺した。

(銃声)

うっ… うう…。

なんで…?

嫌だ…!

(雨宮の声)今は2人で一緒に 逃げてるんじゃないかと。

僕たちの時代で言う 愛の逃避行ってやつですよ。

すいません。

2人の携帯の電波を 調べてもらうよう→

要請しておくわ。 (岩田・雨宮)お願いします。

私 病院の先生たちのお座敷でも よく三味線 弾いてたのよ。

でね この前…。

金なら 十分 払ってるじゃないか!

今の倍の報酬を要求します。

それができないというなら 私は病院を辞めます。

♬~

≫(杯が割れる音)

あの野郎…! 人の足元 見やがって。

曽根崎院長と今平先生は 対立していた。

あの… お宅の縁起棚に→

こんな丸っこい馬の置物が 置いてありましたね。

あれは 馬みくじよ。

馬みくじ?

(藤千夜)望美さん 何やってんの?

まさか お座敷で見聞きした事→

ペラペラしゃべってんの 違うやろね?

私が何しようが勝手でしょ。

あのね この小姑みたいな藤千夜さんは→

院長先生の女なの。

えっ!? 違います。

もう なんで あんたって そう嘘つきなん?

この子 嘘ばっかりつくんです。

この前なんて 酔っ払うた拍子に→

今平先生には隠し子がいるとか 言うんですよ。

隠し子!? いるんですか?

いるわけないじゃない。

はいはい。 私は嘘つきですよ。

あっ すいません。

あの 馬みくじについて もう少し お話を…。

ほんまに うちと院長先生は そんな関係おへんし。

院長と今平先生が もめていた というのも嘘なんですか?

そんな事…。

うちの口からは言えません。

♬~

(英語の会話)

(英語の会話)

浅田 大変だ。

院長が ドクタートンプソンの 代理人と会ってる。

ドクタートンプソンって…。 アメリカで評判のゴッドハンドだ。

亡くなった今平先生の代わりに→

院長は この医者を呼ぼうとしてる。

この僕がいるのに。

今平先生の後継者は僕だろう!

♬~

脳腫瘍ですか。

うん。 難しい手術になるみたい。

お母さんには 長生きしてほしいんだ。

私の恩人だから。

恩人? あの…→

望美さんと孝江さんは 親子ではないんですか?

私のお母さんは とっくに死んでる。

15歳の時に たまたま 孝江さんにスカウトされて→

舞妓になったの。

えっ?

望美さん 舞妓さんだったんですか?

でも あの世界は息苦しくて。

舞妓を辞めて 大阪に行って ロックバンドやってた。

ものすごい落差ですね。

けど 全く売れないまま諦めて→

で おととし こっちに戻って来たのよ。

はあ…。

で 今は 地方さんですか。

お母さんには甘えてばかりだから 恩返しがしたいんだ。

♬~

シンメ像がありますね。

この神社は 馬にまつわる神社なんだって。

お母さん 午年だから→

ここの馬みくじを買って 縁起棚に飾ってるの。

ふ~ん…。

シンメは どこにいるんでしょう?

なんか お正月にだけ 白い馬がいるらしいよ。

白い馬…。

あの… 今平先生は 白い馬の毛を持ってたんです。

その理由を 望美さん 何かご存じありませんか?

知るわけないでしょ。

あの人とは ろくに話した事もないです。

(携帯電話の着信音)

もしもし 糸村です。 なんでしょうか?

「なんでしょう?」じゃないわよ! どこ ふらついてるの?

今平志摩子が 遺体で見つかったの!

今平志摩子が 遺体で見つかったの!

♬~

まさか 娘さんまで殺されるとはね。

父親と娘 連続殺人か…。

(アナウンサー) 「昨日 京都市左京区の雑木林で→

医療ジャーナリストの 今平志摩子さん 27歳が→

遺体で発見されました」

「先日 父親の今平卓さんが 銃で撃たれて亡くなっており→

これで 父親に続き…」

(孝江)お茶 入ったよ。

(テレビの電源を切る音)

ねえ お母さん。

手術の日程 早めてもらおうよ。 浅田先生に頼んでみる。

なんで? 急ぐ事あらへんって 先生 言うてはったやない。

私がいるうちに やってもらいたいの。

あんた… また ここ出て行く気なん?

行かないよ。 ずっと お母さんのそばにいる。

お茶 飲もう。

♬~

(岩田)おかえりなさい。

谷勝利さん。 この数日 どこで何してました?

どこって… キャンプだけど。

キャンプ?

すいませんね。

ちょっと開けさせてもらいますよ。 (谷)ちょっと!

ああ 岩田さん これ。

ああ…。 ちょっと 開けてもらえます?

♬~

ライフルは 熊よけに持って行っただけです。

そんな言い訳は通用しません。

娘さんと交際していたあなたを→

今平先生は よく思っていなかった。

だから 邪魔になって殺したのか?

交際?

僕は あの女に 便利に使われただけです!

(谷)うう…!

僕は 付き合ってないんだ!

僕は…!

司法解剖の結果 志摩子の死因は 首を絞められた事による窒息死。

索条痕から推定される凶器は→

幅4センチくらいの 平らな ひも状のものだって。

平らな ひも状?

そんなもの 現場にありませんでしたよね?

犯人が持ち去ったんでしょ。

彼女の服に付着していた血痕。

これは父親の血液だった。

今平先生の? そう。

死亡推定時刻は 11日の午後9時から11時の間。

父親が殺害されたのと 同じ時間帯よね。

ああ その時間 谷勝利は→

竹富山で 一人キャンプをしていたらしい。

一人キャンプ…。

ちょっと その写真 見せてもらっていいですか?

キャンプ場にいた事は確かですが→

夜 犯行現場を往復する事も 可能です。

でも 線条痕の鑑定の結果 谷の銃は→

今平先生殺害の凶器では ありませんでした。

クソ… じゃあ 一体 誰が?

(岩田) 同じ時間帯に殺されたって事は→

同一犯の仕業だろう。

娘の遺体が発見された場所は→

あの家から さほど離れてはいないわよね。

もしかしたら 父親が殺された時 娘は家にいたんじゃないかな?

(銃声)

なんで…?

パパ!

♬~

(路花の声)でも 犯人に追いつかれてしまい→

口封じに殺された。

娘は巻き添えをくらったって事か。

ん?

あの… この写真の…→

これって…。

あっ…。

曽根崎院長は 今 どちらにいらっしゃいますか?

カンファレンスの 立ち会い中だと…。

あっ 浅田先生 カンファレンス終わりましたか?

はい。

(事務長)院長を呼んできます。 ご一緒します。

浅田先生。 はい。

馬の毛って使いますか? えっ?

あっ すいません。 医療現場で…。

こういった馬の毛を使う事って ありますか?

ないと思います。

そうですか…。

(浅田)お願いします。

(康代)先生も お一つどうぞ。 (浅田)ありがとうございます。

あの… よかったら。

えっ いいんですか? ありがとうございます。

わあ これ 手作りですか?

うちの子が作ったの。 まだ小学生なのに上手でしょ?

ええ とっても。

あっ… 今平先生も お菓子作りなさってましたね。

ああ… ここにも 持ってきてくれた事があります。

これ 先生の手作りなんですか?

ああ。 でも 僕はね 甘いものが苦手なもんでね。

みんなで食べてください。

(一同)ありがとうございます。

甘いものが苦手…。

(路花)これは 以前→

そちらの病院に勤めていた 谷さんが→

この家に来た時に 撮影したものです。

(路花)ライフル銃が 置いてありますよね。

あなたは 猟銃として→

ライフル銃を1丁 所持していますね。

本来 銃は→

こんなふうに むき出しで 置いてちゃいけませんよね。

明らかに 銃刀法違反です。

一時的にですよ。

普段は 自宅のガンロッカー→

銃専用の保管庫に しまってあります。

では その銃を調べさせてください。

フッ… まさか 私が今平を殺したとでも?

今平先生は これまでの倍の報酬を→

あなたに求めていたそうですね。

今の倍の報酬を要求します。

それができないというなら 私は病院を辞めます。

あの野郎…!

さらに あなたは今平先生に代わる ゴッドハンドとの契約交渉を→

事件前から進めていたと 聞いています。

仕方ないだろう!

今平には もう 見切りをつけなきゃならん!

だからって殺す事はないでしょう。

私が来た時は もう死んでたんだ!

今平!

(曽根崎の声) 私の銃で殺されたんだと→

すぐにわかった。

これは まずいと思って…。

銃を車に隠してから 通報したと言っていますが…。

自分で殺して 第一発見者のふり してるんじゃねえのか?

(銃声)

うっ… なんで…? (志摩子)パパ!

♬~

それにしても…→

父親は ライフル銃で撃たれて殺され→

娘の志摩子は 首を絞められて殺された。

凶器は なんだったのかしらね?

幅4センチのひも状のものって 結構 太くないですか?

♬~

今平先生 甘いものが 苦手だったそうなんです。

なのに なぜ このお菓子教室に 通ってたんでしょう?

本当は 凪子先生目当てで 来てたんじゃない?

ちょっと そんなわけないじゃないですか。

先生に野菜持ってきてたり してたもんね。

そう その野菜が すごく美味しいのよね。

野菜ですか?

今平さんは 先生に どんな野菜を?

ああ… 山科なすを 持ってきてくれました。

ああ 珍しい。 山科なすですね。

これで 何か お菓子できますかね?

考えてみます。

山科なす…。

♬~

美味しい!

これ ネギが入ってるんですか?

九条ネギです。 京野菜の。

京野菜。

京野菜とは 京都府内で取れた野菜 全てを示しております。

中でも 明治時代以前からのものを 伝統野菜と呼び→

さらに 京都ならではのイメージを持つ→

九条ネギや 万願寺とうがらしなどを→

ブランド京野菜と称しております。

なるほど。 で この馬の毛については→

何か調べは ついたんですか? はいはい!

オスなのか メスなのか さあ どっちでしょう?

わかんなかった。 えっ?

毛根が付いてなかったんだから わかんないですよね。

ただし!

年老いたお馬さんの たてがみの毛である事は→

わかりました。 なるほど。

で この箱に付いている…。

ストップ! 痛っ 痛っ。

もう これ以上 なんにも調べないぞ!

村木は泣いちゃうぞ!

ばあばに怒られちゃうぞ!

…ばあば?

ただいま。

お母さん?

お母さん!?

お母さん!? お母さん!

お母さん! お母さん! お母さん 返事してよ! ねえ。

お母さん… お母さん!

お母さん!

お母さんを助けて! もう大切な人を失いたくないの。

♬~

♬~

嫌…!

♬~

(路花)ねえ これじゃないかな?

ん?

今平志摩子の首を絞めた凶器。

幅4センチほどの 平らな ひも状のもの。

あっ… スーツケースを留めていた ベルト。

(路花)うん。 志摩子はスーツケースを持って→

あの家に行ったはずよね?

でも 事件後 あの家には スーツケースもベルトもなかった。

犯人が凶器として使って 持ち去ったのか…。

うーん…。 ベルトだけじゃなくて→

スーツケースも 持ち去ったって事は→

その中に 犯人を示す何かが 入ってたのかもしれないなあ。

もう一度 現場付近を洗ってみるか。

(雨宮)はい。 じゃあ 私は→

曽根崎院長周りを調べてきます。

うん。 糸村くんもね。

…って ちょっと!

糸村くんは どこ!? 知りません。

♬~

♬~

あの… すいません。

山科なすって この辺りで 栽培されてるんですよね?

どこに行けば 買えるんでしょうか?

あっちのほうですよ。

あっ そうですか。 ありがとうございます。

♬~

お母さん…?

わかる? 私よ! お母さん!?

そんな大声 出さんときよし。 みっともない。

そう簡単には うちは へたばらへんえ。

お母さん…。

あんたが 心配ばかりかけるさかいやなあ。

ごめんね。

あっ いらっしゃい。 どうですか?

あった。

あの… すいません この山科なすなんですけれど→

この人が買いに来た事は ありませんか?

岩田さん。 ん?

おっ! 粗大ゴミだから 回収されなかったんだな。

ちゃんと 粗大ゴミのシール 貼らなきゃ駄目だな。

よし…。

♬~

空っぽか…。

(2人)あっ…。

スーツケースの中に 付着していたものは→

今平先生の血痕でした。

えっ… 今平先生の? そう。

志摩子の服に付いてたものが スーツケースの中に付いたんだ。

志摩子の毛髪も 複数 検出されています。

つまり 彼女はスーツケースの中に 入れられていた。

どうやら 俺たちは 間違っていたようだなあ。

どういう事ですか?

志摩子は あの家から逃げて→

雑木林で殺害されたと 思ってたけど→

実際は 父親と同じく 家の中で殺されていたんだわ…。

(銃声)

うっ… なんで…? (志摩子)パパ!

(岩田)その遺体を 犯人は スーツケースの中に入れて→

家から運び出し 雑木林で遺棄した。

でも なんで 娘の遺体だけ運び出す必要が?

犯人は 志摩子に関する何かを 隠したかった。

失礼します。 今平先生のパソコン ロック解除できたので→

中に入っていたファイルを コピーしておきました。

ほとんどがオペの記録でした。 それから 志摩子さんのスマホも。

ご苦労さま。

あれ? 今日 糸村さんは?

捜索願 出してるとこ! フフッ… そういう人ですよね。

ちょっと これ見てください。

事件当日 志摩子とメッセージの やり取りをしてる人物がいます。

(岩田)もろ 金でもめてるって感じだな。

「脇坂」…。

ここに来た事があるんですか? ええ。 なすを見せてくれって。

(今平)いやあ 久しぶりです。

こうやって なってるのを 見るのは。

「久しぶり」…?

ええ。 妙に山科なすの事に 詳しかったよ。

栽培が難しいから 一時期 誰も作らなかった事とか→

絵美さんが 地元の伝統野菜 守ろうって言い出した事とか。

絵美さん… ですか?

♬~

(雨宮)すみません。 脇坂正也さんですよね?

今平志摩子さんと あなたは→

どういった ご関係なんでしょうか?

(脇坂正也)どういうって…。

彼女に 20万円 要求してますよね?

なんの金だ?

(岩田)ゆすりか? たかりか?

違う。 情報料だよ。

情報料?

とっておきの情報って なんですか?

俺は 元々 宇治市で 救急隊員やってたんだ。

今は もう やってねえけど。

あなたが書いた この本を たまたま読んでたら→

見覚えのある顔が写ってた。

(脇坂)浅田元樹。

あんな事をしておきながら まだ医者をやってたんだって→

驚いたよ。 あんな事って?

浅田は 金をもらって 患者を殺したんだよ。

えっ!? 詳しく聞かせてください。

医者が金をもらって 患者を殺したなんて…。

その脇坂って男の話 信用できるの?

それは雨宮に調べさせます。

少なくとも 志摩子は 脇坂の話を信じて→

浅田の事を調べ始めたようです。

(藤千夜)はい。 お見舞いのお花。

(望美)もう少し気の利いたもん 持ってきなよ。

花なんて なーんの足しにもならない。

あんたって ほんま がめつうて 感じ悪っ!

仲ええなあ あんたらは。

(藤千夜・望美)どこが!?

フフフフ…。

フフッ…。

(浅田)お加減いかがですか?

(女性)おかげさまで。 ありがとうございます。

♬~

えっ…?

またね。

私 あの先生と付き合ってるの。

(岩田の声)今平志摩子さんを ご存じですか?

ええ。 でも もう長い事 会ってません。

ああ そうですか。

じゃあ 事件のあった夜 9時から11時の間→

あなた どこで何してました?

あの日は 当直明けで休みだったんで→

ジムに行ったあと デートしてました。

さっきの あの女性です。 中間望美さん。

彼女にも聞いてみてください。

望美さんとは いつから お付き合いされてるんですか?

話す必要ないでしょう。 戻らないと。 失礼します。

付き合ってるって 本当なんでしょうか?

神崎は どう思う?

(望美) 私 あの先生と付き合ってるの。

わざわざ 私に言いに来たのが 不自然です。

ああ 不自然極まりない。 あの女 何かありそうだな。

(携帯電話の着信音)

えっ… なす!?

なんなんですか? こんな所に来てくれって…。

この辺りは 山科なすの栽培地なんです。

でも 栽培が難しく→

かつては 作る人が いなくなってしまうのでは?→

という時期があったんです。

そんな山科なすを 皆で守ろうと呼びかけたのが→

中間絵美さんだったんです。

中間… 絵美?

中間望美さんのお母さんです。

えっ…?

この場所で 京野菜を作っていた絵美さんは→

23年前 畑の中に倒れているところを→

発見されました。 えっ…?

見つけたのは 当時7歳だった望美さんです。

♬~

(望美)お母さん…?

お母さん?

お母さん!

(望美)お母さん! お母さん!

(泣き声)

亡くなっていたんですか?

はい。 シングルマザーだった上に→

畑を 一人でやっていたものですから→

体に不調を覚えても 休む事ができなかったんでしょう。

無理がたたっての 突然死だったそうです。

あっ… で 次は どこ行くんですか?

望美ちゃんの事は よく覚えてます。

母親の遠縁にあたるという女性が→

望美ちゃんを ここへ連れてきて…。

(高原祐子)あの子の父親にも 連絡したんですけど→

引き取る気はないって 断られました。

えっ!? 望美さんには 父親がいるんですか?

(三味線)

(風鈴の音)

(戸の開く音)

(藤千夜)あんたなあ お座敷 急に休むって→

どういうつもりなん?

藤千夜さん…。

私に何かあったら 孝江お母さんの事 頼むね。

どうしたん? 急に。 「なんか」って なんやの?

帰ったら 話 しよう。

ねっ?

♬~

「今平先生には隠し子がいる」。

それは あなた自身の事だったんですね?

調べたんだ…。

私には父親の記憶がないの。

母は 父親の事は 何も話さなかったし。

まあ 母さえいれば 私には それでよかったんだけどね。

でも あなたのお母さん 中間絵美さんは→

突然 亡くなってしまった。

(望美の声)お母さん!

お母さん! お母さん!

(泣き声)

お母さん!

母が亡くなって 遠い親戚だっていう人が来て…。

初めて 自分に父親がいる事を知った。

(祐子)今平っていう 医者なんですけどね。

よそにできた子なんて 引き取れないって…。

(望美の声)「よそにできた子」…。

当時は 意味がわからなかった。

中学生の時に なんかの雑誌に 載ってたんだよね。

♬~

(望美の声) 向こうには別の家庭があって→

私より3歳下の娘がいるんだって 知ったの。

今平先生とは 連絡を取ったんですか?

なんで そんな事する必要があるの?

なんの記憶もない人の事 親だなんて思えないし→

向こうだって同じでしょ。

向こうも…?

(望美)地方になって 初めて あの人と会った時…。

地方を務めさせて頂きます 中間望美です。

新人さんか。

おきばりやす! ハハハハ…。

よそに作った子供の事なんて 覚えていなかった。

覚えていてほしかったですか?

別に。 何も感じなかった。

私には孝江お母さんがいる。 15歳の あの時から…。

(孝江)なあ あんた。

舞妓にならへん?

私の家族は孝江さん。 父親なんて必要ない。

孝江さんの手術を 今平先生に頼まなかったのは→

父親と深く関わるようになるのが 嫌だったから?

そんなんじゃない。 院長が言ってたのよ。

今 うちで一番優秀な医者は 浅田だよ。

(藤千夜)今平先生 違うの? (曽根崎)今平は もう年だ。

浅田は 若くて体力もある。 腕もいい。

(望美の声)だから 浅田先生に 孝江さんの手術を頼んで→

ついでに 私と付き合って! って お願いしたの。

あの日の夜は 浅田先生と2人で ずーっとデートしてたのよ。

♬~

警察にアリバイ聞かれたら 私が証言してあげる。

またね。

♬~

その日は 浅田さん 来てますね。

午後3時に入館 退出は30分後。

あっ また入館しているのか…。

えっ… じゃあ 何? 出たり入ったりしてるって事?

そういえば あの日→

浅田さんを呼んでくれって女性が 来たんですよ。

その女性って… この人?

中間望美は 今平先生の もう一人の娘だったの?

実の父親と再会して なんの感情も湧かないなんて→

嘘ですよ。

中間望美は 自分を捨てた父親を 恨んでいたと思います。

浅田と付き合っているというのも 信用できません。

(望美) 私 あの先生と付き合ってるの。

その浅田も嘘をついていた。

事件当日の午後 その浅田が通うスポーツジムに→

浅田を訪ねてきた女がいた。

防犯カメラで確認したところ→

今平志摩子だった。

浅田元樹さんを呼んでください。

志摩子に呼び出されて戻ってきた 浅田の様子は→

少し おかしかったらしい。

(従業員)おかえりなさいませ。 チェックインでよろしいですか?

はい…。

(雨宮)やはり 志摩子は→

脇坂から聞いた話を 浅田に ぶつけたんじゃないでしょうか。

過去に金をもらって 患者を殺したって話?

ええ。 浅田は かつて→

宇治市の病院で 救命救急医をしていました。

救急隊員だった脇坂との接点は そこです。

(路花)裏取り 急いで。 (雨宮)はい。

父親を恨んでいた中間望美と→

志摩子に脅されていた浅田が 手を組んで 今平親子を殺害した。

(銃声) (今平)うっ…。

(志摩子)うっ うっ…! うっ…!

(ため息)

2人は共犯者…。

(綾子)今平先生のパソコンの中に 馬に関するサイトへの→

アクセス履歴がありました。 ほう。

引退した競走馬を まとめたサイトなんですけど→

今平先生が このサイトに 書き込みをしてました。

書き込み? はい。

5年前から 何度も同じ書き込みをしてます。

「ハニーライアンの子孫を 探しています」…。

ハニーライアンという名前の 競走馬は→

1983年からの5年間 地方競馬に登録されてます。

1983年 約40年前…。

馬主は… あっ 今平先生じゃないんですね。

はい。 引退したあとの→

ハニーライアンの消息は 不明ってなってます。

うん…。

この木箱は とてもとても 古いもののように見えますね。

はい アンティークの葉巻入れかと。

古い時代の葉巻入れ。 うん。

実は それをかたどった お土産品でした。

えっ お土産?

(村木) この焼き印のように見えるもの→

ただの印刷です。

どこのお土産なんでしょう?

(村木)なんで 私が 連れてこなきゃいけないの?

忙しいの!

んっ んっ もう帰りたい! あっ!

ここで売ってる お土産だったんですね。

あっ お馬さんだ!

乗れるみたいですよ。

えっ 今 なんて言った? 乗馬体…。

ちょっと待って ちょっと待って! えっ 何? 乗るの? 私?

はっ…。 あ~ 視界が高いですねー!

あっ まだ動かないよ。

あの ちょっと よろしいでしょうか?

はい。

この方について 何かご存じありませんか?

さあ…?

そうですか。

では ハニーライアンという馬の事 聞いた事ありませんか?

ハニーライアン? はい。

園長 ハニーライアンって 前にいた馬ですよね?

(田沼広大)ああ いたよ。

君が入ってくる前に 死んじゃったけど。

ああっ 動くの? どうするの?

スイッチ… スト… ストップのスイッチ!

スイッチ… 危ない 危ない 危ない!

この馬がハニーライアンですか。

この写真は8歳の時。

人間で言えば 32歳 女盛りだね。

美人さんですね。

競走馬 引退して うちに来ました。

まあ 馬にしては長生きで 5年前に亡くなりました。

このたてがみは その時に?

ええ。

この子の形見として 今平さんにも差し上げました。

(田沼)これを。

(今平)ありがとうございます。

(田沼)間に合いませんでしたね。

何が間に合わなかったんですか?

どうぞ。

8年前 あなたは 宇治市内の病院で→

救命救急医を していたんですよね。

そこに ある患者が運び込まれてきた。

(脇坂) 3階からの転落による頭部外傷→

腰椎と両腕の骨折 意識不明。

(浅田)脳のCT撮るよ 準備して。 (看護師)はい。

♬~

知り合いですか? いいえ。

転落の原因は?

通報してきた妻が 自分が突き飛ばしたと言ってます。

えっ? (脇坂)だから 警察を呼びました。

浅田先生 応援の先生 呼びますか?

いや 僕がやる。 バイタルは?

(看護師) 脈が触れにくくなっています。

♬~

(心電図のアラーム音)

21時38分 死亡確認。

あなたは その患者を救えなかった。

(岩田)当時 救急隊員だった脇坂さんは→

あなたが 患者さんを見た時の反応が→

どうしても気になって つい調べてしまったそうです。

当時 あなたの住まいは 亡くなった患者と同じマンション。

しかも 隣同士だったそうですね。

もしもし ゆみこ 何してるの? うん。 ハハハッ…。

(泣き声)

♬~

≫じゃあ 1時間ぐらいしたら 連絡する。 はいはい。

はーい じゃあね。

その男は 日常的に奥さんに 暴力を振るっていたそうよ。

♬~

あの… 大丈夫ですか?

(岩田)脇坂さんは ずっと疑念を抱いていた。

もしかしたら あなたは 隣の奥さんから お金を受け取り→

旦那さんを 見殺しにしたんじゃないかって。

今平志摩子は その話に すぐに飛びついた。

そして あなたに 直接話を聞きに行ったってわけだ。

隣の奥さんから頼まれたの? 殺してくれって。

そんなわけないだろ。

(志摩子) あの男さえ いなくなれば→

隣の奥さんは暴力から解放される。

だから 救えるはずの命を あえて救わなかった。

そんなんじゃないって 言ってるだろ!

あなたは人殺しよ!

わざと患者を殺した人間が いまだに医者を名乗っている。

この事実を私は書くわよ。

楽しみにしてて。

(路花の声)本が出版されたら あなたは医師免許を剥奪され→

刑罰にも問われる可能性がある。

(岩田)そうなる前に あなたは 志摩子さんを殺害したんだな。

(岩田)あなたは 志摩子さんを殺害したんだな。

違います。 僕は医者です。

人の命を奪うなんて 絶対にしません!

8年前のあの時だって…→

確かに ほんの一瞬 心によぎった感情はありました。

♬~

でも わざと患者を見殺しになんて できません。

目の前の命を救うために 全力を尽くしました。

(浅田の声) ただ 僕の力が及ばなかった。

未熟だったんです。

もう絶対に誰も死なせたくない。

その一心で→

それからは オペの技術を磨く事に 専念してきたんです。

(路花)浅田が嘘をついてるとは 思えないのよね。

(岩田)確かに 医者としての信念に 嘘はないような気がしますね。

ねえ 隣の奥さんって 今 どうしてるんだろう?

♬~

♬~

(田沼の声) 間に合いませんでしたね。

(糸村の声)何が 間に合わなかったんですか?

なんか お正月にだけ 白い馬がいるらしいよ。

(綾子の声)ハニーライアン という名前の競走馬は→

1983年からの5年間 地方競馬に登録されてます。

私の家族は孝江さん。 父親なんて必要ない。

よそに作った子供の事なんて 覚えていなかった。

(望美)お母さん! お母さん!

(曽根崎の声)誰よりも 優れた医者になるために→

努力に努力を重ね 腕を磨いていった。

♬~

嘘をついていたのは あなただったんですね。

嘘も方便 言うやろ。

望美さんは 本当の事を知るべきだと思います。

ほんまの事なんか知らんでも 生きていける。

うちは一生 あの子に話す気はない。

あんたも そうしや。

それは本当に 望美さんのためなんでしょうか?

これを見てください。

なんやの?

馬の毛です。

この白い馬の毛を→

今平先生は 大切に持っていたんです。

(雨宮)8年前の捜査記録が 見つかりました。

夫を屋上から突き落とし→

傷害致死で逮捕されたのは 水戸なぎさ。

現在の所在は不明です。

あっ この人!

♬~

木戸凪子さん。

本名は 水戸なぎさ。

この人を知っていますよね?

知りません。

8年前 あなたの隣人だった人ですよ。

(凪子)あの頃は地獄でした。

夫の暴力に耐えられなくて 死のうと思いました。

なんだ コラッ!

いいから 早く金出せよ! コラッ!

♬~

≫何やってるんだ!

ああっ…! こっちに来い!

もう死なせてよ!

うわっ… ああーっ!

(衝撃音)

あっ…。

♬~

(凪子の声)隣に住んでいる人だと 気づきました。

お医者さんだったんだって 初めて知りました。

裁判では 夫から 暴力を受けていた事が証明されて→

執行猶予がつきました。

でも 夫を殺した女だと→

後ろ指をさされる つらい日々でした。

名前を変え→

誰も 私の過去を知らない場所を 探しました。

そして→

ようやく 今のお菓子教室の仕事に 巡り会えたんです。

ダマが残らないように 混ぜてくださいね。

(生徒たち)はい。

あっ ちょっと 穴開いちゃったかな。

(凪子の声)笑うのって→

こんなに楽しいんだって 思い出しました。

でも あの日 志摩子さんが 突然 私のもとに取材に来て…。

(志摩子) 暴力夫が死んだって聞いた時→

どう思いました?

ほっとした?

殺してくれた医者に感謝した?

やめてください。

生徒さんたち もうすぐ来るんです。

答えてくれないと適当に書くわよ。

じゃあ 話す気になったら 連絡くれる?

本なんて出されたら 誰かが私の事だと気づいて→

今の生活が続けられなくなる。

書かないでほしいって 頼むしかないと思いました。

(凪子)お願いします。

やっと手に入れた 穏やかな生活なんです。

そっとしておいてください。

人殺しのくせに。

私は この本を出す。 医療現場で殺人。

ショッキングな内容で 話題になるわ。

この人殺し。

なんだ コラッ!

いいから 早く金出せよ! コラッ!

♬~

(志摩子の声)人殺し。

♬~

何やってるの?

私は人殺し。

夫も殺した。

だから… あなたも殺せる。

(今平)志摩子 お客さんか?

♬~

(銃声)

うっ… うう…。

なんで…?

パパ… パパ!

パパ しっかりして! パパ! ねえ ねえ パパ! パパ!

パパ! どうしよう…。 パパ! パパ!

あっ 救急車… 電話…。

駄目 呼ばないで…。

また繰り返しになる…。

♬~

(志摩子)うっ うっ…! うっ…!

うっ…! ううっ…!

(凪子)ああっ…!

もう後ろ指さされるのは 嫌なの…!

(志摩子)うっ…!

♬~

(凪子の声)もう あの頃には 戻りたくなかった。

それから 志摩子さんの遺体を スーツケースに入れて→

運び出したんですね?

えっ?

えっ?

じゃあ 誰が…。

遺体を運び出したの?

(風鈴の音)

あなたですよね?

志摩子さんの遺体を 運び出したのは。

違いますか?

(風鈴の音)

バレちゃったか。

そう 私。

あの日 孝江さんの手術を 浅田先生に直接頼みに行ったら…。

(志摩子)あなたは人殺しよ!

救えるはずの命を あえて救わなかった。

そんなんじゃないって 言ってるだろ!

わざと患者を殺した人間が いまだに医者を名乗っている。

この事実を私は書くわよ。

楽しみにしてて。

(望美の声) 2人の会話が聞こえちゃったの。

志摩子が浅田先生の弱みを 本に書こうとしている。

余計な事するなって あの人に言うつもりで→

あの家に行ったら…。

♬~

浅田先生がやったんじゃないかと 思った。

でも 浅田先生が捕まったら 孝江さんの手術はどうなるの?

その時 思いついたの。

浅田先生に 容疑がかからないためには→

原因を作った あの人がいなきゃいい。

それで遺体と荷物を運び出した。

もちろん バレたら 逮捕される事はわかってた。

本当に 理由は それだけですか?

…えっ?

今平先生は…。

こんなふうに→

右腕を伸ばした状態で 亡くなっていました。

この右手の先には→

志摩子さんがいたんじゃ ありませんか?

その姿に何かを感じたから→

望美さんは 志摩子さんの遺体を 運び出そうと→

思ったんじゃありませんか?

何かって何よ?

志摩子さんは愛されていた。

でも 自分は その存在すら忘れ去られていた。

同じ娘なのに。

あまりにも大きすぎる その差を→

2人の姿から 見せつけられたような気がして→

悔しさや悲しさを 抑える事ができなかった。

♬~

その感情は→

2人を引き離してやりたいという 衝動となって→

そして…。

♬~

だって あの男は 私とお母さんを捨てたのよ!?

私たちを見捨てて 忘れて なかった事にして…!

お母さんは苦労したまま死んだ!

私は あの男を許さない。

絶対に許さない!

望美さん 3分でいいんです。

僕に時間をもらえませんか?

あっ 糸村さん。

(望美)なんなの? ここは。

望美さんに 見て頂きたいものがあるんです。

15歳の時に 施設を飛び出した望美さんは→

孝江さんに声をかけられて 舞妓さんになったんでしたね?

(孝江)なあ あんた。

舞妓にならへん?

♬~

よう似合うてる。

あれは 偶然じゃなかったんです。

えっ?

望美さんのお母さん 中間絵美さんと→

孝江さんは 昔 一緒に 舞妓さんをしていたんです。

えっ!? お母さんも舞妓だったの?

まるで姉妹のように仲のいい 2人だったそうですよ。

孝江さんは なんで それを 私に言わなかったの?

それには事情があるんです。

あの子には 決して 父親の名を告げたらあかん。

生前の絵美さんに 口止めされてたさかい。

その約束を うちは 墓場まで持っていくつもりやった。

お母さんが?

そうや。

絵美さんは芸妓にはならんと 農家にならはった。

生まれた土地の伝統野菜を 守りたいいう思いから。

一人で畑やって 苦労してはったわ。

ようやく ええ野菜が できるようになった頃→

今平さんと出会わはったんや。

その頃の今平先生は→

思うように 患者さんを救う事ができず→

また お見合いで結婚した奥さんとは→

周囲には内緒で別居していて→

人としても医師としても 行き詰まりを感じていました。

そんな時 一人旅で訪れた京都で→

今平先生は 絵美さんと出会いました。

中間さん!

(糸村の声)一人でも 力強く生きている絵美さんに→

今平先生は生きる活力と勇気を もらったのかもしれません。

(中間絵美)大丈夫ですか?

そして お二人の間に 望美さんが生まれました。

♬~

(今平)へえ~! 京野菜で お菓子を作るの?

傷物の野菜を利用できないかな って思って。

うん。

野菜嫌いの子供もいるから お菓子にすれば食べてもらえる。

お母さんは たくましいね。 ハハハハ! わあ…!

休みのたびに 今平先生は京都を訪れ→

絵美さん 望美さんと→

3人の時間を 過ごすようになりました。

あの人が?

望美さんは まだ幼くて 覚えていないかもしれませんが→

3人で この牧場に来た事が あるんですよ。

♬~

(絵美)望美! 走ったら危ないわよ。

そんな生活が3年ほど続いた ある日→

今平先生は 絵美さんから 急な別れを告げられます。

そこには 絵美さんの 強い決意がありました。

もう会いに来るのはやめて。

…えっ?

望美のためよ。

あなたは 望美の正式な父親にはなれない。

いつか この関係は 望美を悩ます事になるわ。

(絵美)最初から 父親はいなかったと→

あの子には思わせたいの。

だから あの子の記憶に残る前に もう会いに来ないで。

大丈夫。

私 たくましいお母さんよ。

一人でも ちゃんと育てていく。

心配しないで。

(絵美)望美 帰ろう。 (望美)うん!

♬~

お母さんが…。

それからの今平先生は→

患者を救う事だけを考えて 生きるようになりました。

どんなに難しい手術でも 率先して取り組み→

やがて ゴッドハンドとまで 呼ばれるようになったんです。

奥さんとの関係も修復して→

やがて 志摩子さんが生まれました。

そんな折 今平先生のもとに届いたのは→

絵美さんの突然の訃報でした。

望美さんが 一人になってしまう事を知った→

今平先生は 望美さんを 引き取るつもりでした。

えっ?

(祐子) 父親にも連絡したんですけど→

引き取る気はないって 断られました。

よそにできた子なんて 引き取れないって…。

望美さんを施設に連れて行った 遠縁の親戚→

高原さんに会ってきました。

高原さんは 当時 大変 お金に困っていたんです。

だから 今平先生に 本当は こう頼み込んだんです。

(祐子)望美は 私たちと暮らしたい と言っているので→

養育費を出してください。

大学までのお金をまとめて うちに振り込んでください。

じゃあ あれは…。

嘘だったんです。

6年前 今平先生の奥さんは 病気で亡くなりました。

それから今平先生は→

曽根崎院長の誘いに応じて 京都に移り住んできました。

でも 京都に来た一番の理由は→

やっぱり 望美さんとの 再会だったんだと思います。

お菓子教室に通い→

絵美さんとの思い出のお菓子を 作りながら→

温めていた 今平先生の願いは→

去年 思いがけず 唐突に かなってしまいました。

地方を務めさせて頂きます 中間望美です。

♬~

新人さんか。

ハハッ…。

おきばりやす! ハハハハ…。

じゃあ なんで あんな よそよそしい態度を?

唐突すぎたんです。

だから まだ 準備が整っていなかったんです。

準備?

今平先生には 望美さんのために→

長年かけて準備をしていた事が あったんです。

これを見てもらえますか?

これは 昔 望美さんが この牧場で→

今平先生に 乗りたいとせがんだ→

ハニーライアンという馬の たてがみです。

私が?

あっちのお馬さんがいい! 白いお馬さん!

(今平)望美は まだ小さいからね あれには まだ乗れないんだよ。

こっちに乗ろうね。

(望美)白いお馬さん…。

じゃあ 望美が もう少し大きくなったら→

また ここに来よう。

あの白いお馬さんに 乗りに来ようね。

うん!

望美さんと 離ればなれになったあとも→

今平先生は 毎年 この牧場に通っていました。

♬~

いつの日か 娘と再会できたら あの馬に乗せてあげたいんだと→

今平先生は こちらの田沼園長に 打ち明けました。

だから ハニーライアンが 元気でやっているか→

毎年 見に来ているんだと。

二十数年間 ずっとです。

しかし 5年前→

ハニーライアンは 寿命で亡くなってしまいました。

これは そのハニーライアンの 形見のたてがみだったんです。

♬~

(今平)ありがとうございます。

(田沼)間に合いませんでしたね。

娘が どこにいるかも わからないまま→

月日だけが過ぎていきます。

でも きっと いつかは会えると信じています。

でも 田沼園長が 思い出してくれたんです。

ハニーライアンは この牧場に来る前→

一時期 繁殖牝馬として 何頭か子供を産んでいた事を。

今平先生は ハニーライアンの子供を 探し始めました。

去年は まだ 見つかっていなかったんです。

半月前になって…。 ≪(いななき)

来ましたよ。 (望美)えっ?

♬~

今平先生が見つけた ハニーライアンの孫です。

名前はマイディアホープ。

今平先生は いつだって 望美さんの事を考えていたんです。

望美さんの前で父親だと名乗って→

遠い日に交わした 親子の約束を果たすために。

望美が もう少し大きくなったら また ここに来よう。

あの白いお馬さんに 乗りに来ようね。

うん!

♬~

♬~

♬~

♬~

これで やっと 父親だと名乗れる。

♬~

(望美)美味しい!

♬~

お父さん…。

(望美のすすり泣き)

♬~

孝江さんの手術 無事に終わったそうです。

おお よかったね。 やったな。

そういえば 今平さん 引退を考えてたんだって?

曽根崎院長に 高額な報酬を要求したのは→

自分に見切りつけてもらうため だったみたいです。

離ればなれになっていた娘と→

親子の関係を取り戻そうと 思っていた。

その矢先に 命を絶たれてしまったのね。

うん…。

ところで あのトーヘンボク どこ行った?

えっ…?

知りませんよ! あんなトーヘンボク!

♬~

(綾子)糸村さん! ハハハッ…。

(村木)早く交代してよ! あと1周しますね。

撃っちゃうよ! 撃つよ! もう。

ハアッ!

ハイドー! アミーゴ!

フッフゥ! ヒャッホー!

カムバーック!

村木さんの中では 疾走してるんでしょうね。

でしょうね…。

(村木)ヒャッハー!

(村木が馬から落ちる音) あっ 落ちた!

(野口姿津花) 私 負けませんから。

(野口聖子)銀座のクラブのママと 心中したのよ!?

(佐伯信勝)野口くんが 会社の金を横領していました。

(永井文奈)奥さんと別れて 一緒に暮らさない?

〈不幸は→

奈落の底にたたき落とされた 私の心に 嫉妬の炎をともす〉

(姿津香) 私を ここで雇って頂けませんか?

(文奈)女は女に嫉妬されて 輝きを増す生き物なんだから。

〈真実をつかむためなら 私は どんな事でもしてみせる〉

(文奈)負け犬は消えな。 (姿津花)ふざけないで!

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