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(節斎)ま… 間に合った…! 36 00:03:28,780 --> 00:03:30,510 轟 平九郎殿ですな? 37 00:03:32,240 --> 00:03:35,250 それがしは剣術指南役 壇浦五兵衛。 38 00:03:37,200 --> 00:03:40,140 それがしと やり合えば 事は表沙汰になる。 39 00:03:40,140 --> 00:03:41,260 それでも よろしいか? 40 00:03:48,420 --> 00:03:50,330 それがしを斬るのは容易ではないぞ。 41 00:04:05,870 --> 00:04:08,270 用は済んだ。 42 00:04:19,710 --> 00:04:21,530 (五兵衛)菜々! (舟)菜々! 43 00:04:21,690 --> 00:04:23,370 一体 どういうことだよ! 44 00:04:25,040 --> 00:04:27,640 (五兵衛)しっかりせい! (舟)ちょっと あんた…! 45 00:04:29,570 --> 00:04:33,190 死んじまったのかい! おい! おい…! 46 00:04:33,190 --> 00:04:35,850 うそだろ! ちょっと! (正助 とよ)らくだの親分! 47 00:04:35,850 --> 00:04:37,110 親分! 48 00:04:37,110 --> 00:04:39,090 親分! らくだの親分! 49 00:04:39,470 --> 00:04:43,490 (湧田の権蔵)ああっ…! ばか野郎…。 50 00:04:43,490 --> 00:04:45,090 勝手に殺すな…。 51 00:04:45,810 --> 00:04:47,660 らくだの親分! (正助)親分! 52 00:05:01,580 --> 00:05:03,250 [ 回想 ]かわいそうな人。 53 00:05:08,300 --> 00:05:13,780 [ 回想 ]旦那様は 武士の志を信じ➡ 54 00:05:13,780 --> 00:05:16,880 お仲間を信じ➡ 55 00:05:16,880 --> 00:05:18,810 お身内を信じておられます。➡ 56 00:05:19,520 --> 00:05:25,470 でも あなたは… 何も信じていない。 57 00:06:02,400 --> 00:06:06,560 皆さん 申し訳ございませんでした…! 58 00:06:06,560 --> 00:06:09,480 こんな恐ろしいことに 皆さんを巻き込んでしまって…。 59 00:06:09,690 --> 00:06:12,510 いまさら 何言ってんだい。 60 00:06:12,510 --> 00:06:15,260 ただ同然で この家に住み着いたくせに。 61 00:06:16,690 --> 00:06:23,220 (節斎)わしらは もう お前さんたちを放っとけんのじゃ。 62 00:06:23,220 --> 00:06:25,590 その細腕で あるじの無実を信じ➡ 63 00:06:25,590 --> 00:06:29,080 お子たちの面倒を見ているお主の力に なりたいのだ。 64 00:06:29,080 --> 00:06:30,930 みんな 仲間なんだよ。 65 00:06:34,020 --> 00:06:36,200 皆さん…。 (権蔵)聞いたか? 66 00:06:39,550 --> 00:06:41,140 申し訳ありません。 67 00:06:41,140 --> 00:06:44,540 何もかも私のせいで…! ばか野郎! 68 00:06:45,100 --> 00:06:46,080 申し訳ありません! 69 00:06:46,300 --> 00:06:51,500 違うんだよ…! 謝るんじゃねえっつってんだよ。 70 00:06:52,470 --> 00:06:56,020 おめえは もう… 仲間なんだからよ。 71 00:06:57,350 --> 00:06:58,880 えっ…? 72 00:06:58,890 --> 00:07:04,450 「罪を憎んで人を憎まず」。 孔子様もおっしゃっとる。 73 00:07:14,440 --> 00:07:16,230 はい…。 74 00:07:17,330 --> 00:07:21,940 しかし 大切な不正の証しが 燃やされてしまいました。 75 00:07:22,530 --> 00:07:27,750 それだ! その証しが…。 76 00:07:27,750 --> 00:07:31,260 菜々 もしかして…。 77 00:07:42,450 --> 00:07:45,910 さっき 轟が燃やしたのは まさかのときのために➡ 78 00:07:45,910 --> 00:07:49,180 死神先生に書き写していただいた 偽物です。 79 00:07:49,180 --> 00:07:51,020 そういうことじゃ。 80 00:07:52,140 --> 00:07:54,740 うちの蔵に隠してたのかい? それも。 81 00:07:54,870 --> 00:07:57,410 はい。 風早家の天目茶わんの箱に。 82 00:07:58,150 --> 00:08:01,930 言っとくけどね それは まだ れっきとした質ぐさだからね! 83 00:08:01,930 --> 00:08:05,210 取り戻すつもりだったら ちゃんと…。 (五兵衛)材木問屋 日向屋は➡ 84 00:08:05,210 --> 00:08:09,090 十数年も前から お家所有の山林を ただ同然で伐採しておる。 85 00:08:09,090 --> 00:08:14,920 (節斎)日向屋が請け負った普請は 目を疑うほどの高値じゃ。 86 00:08:14,920 --> 00:08:20,550 それを決めていたのが 大殿の意を受けた轟だ。 87 00:08:20,550 --> 00:08:24,470 菜々の父親 安坂長七郎殿は➡ 88 00:08:24,470 --> 00:08:32,000 日向屋と轟 そして 大殿のつながりを 暴こうとしていたのだ。 89 00:08:32,690 --> 00:08:38,020 これは かつて 安坂殿に送りつけられた 普請奉行の文じゃ。➡ 90 00:08:38,920 --> 00:08:42,490 これ以上の詮索はするなと 暗に 釘を刺しておる。 91 00:08:42,710 --> 00:08:48,160 大殿は 日向屋から 莫大な賄賂を 受け取っておったんじゃろう。 92 00:08:48,570 --> 00:08:52,170 それゆえ 菜々のお父上は 轟に陥れられたのか。 93 00:08:52,570 --> 00:08:57,010 (権蔵)まったく… 汚え野郎たちだ! 94 00:08:59,320 --> 00:09:04,350 桂木様 これがあれば 旦那様は助かるのですね? 95 00:09:04,910 --> 00:09:08,820 この文書が公になれば 市之進殿に罪はなく➡ 96 00:09:08,820 --> 00:09:12,550 お家に害をなしているのは轟だと 明らかになるはずです。 97 00:09:13,860 --> 00:09:17,130 では すぐにでも この証しを持って 訴え出ます。 98 00:09:17,130 --> 00:09:17,890 早まるな。 99 00:09:18,170 --> 00:09:21,960 うかつに この証しを出せば 必ず 轟に握りつぶされる。 100 00:09:21,960 --> 00:09:22,900 そのとおりです。 101 00:09:25,440 --> 00:09:31,020 (五兵衛)風早殿は お代替わりを機に お家の改革を進めようとされていた。 102 00:09:31,020 --> 00:09:33,290 その証しは 大殿ではなく➡ 103 00:09:33,480 --> 00:09:35,710 若殿に じかに ご披見いただこう。 104 00:09:35,710 --> 00:09:37,730 それが最善の策じゃ。 105 00:09:37,730 --> 00:09:41,520 若殿は まもなくお国入りされる。 そのときこそ 好機。 106 00:09:43,290 --> 00:09:48,510 それまでに 旦那様に お沙汰が 下されたりはしないのでしょうか? 107 00:09:48,510 --> 00:09:49,730 (節斎)大丈夫だ。 108 00:09:50,570 --> 00:09:55,660 風早様が みずから 罪をお認めにならないかぎりな。 109 00:10:11,650 --> 00:10:14,120 柚木様…。 110 00:10:14,520 --> 00:10:18,460 安坂長七郎殿が隠し持っていたという➡ 111 00:10:18,460 --> 00:10:26,850 不正の証しは なかったと 轟が大殿に知らせたらしい。 112 00:10:26,850 --> 00:10:31,420 だが これは 轟が どこかで文書を探し当て➡ 113 00:10:31,420 --> 00:10:34,330 処分してしまったということかもしれん。 114 00:10:34,330 --> 00:10:39,220 いずれにしろだ 証拠がなかったということになれば➡ 115 00:10:39,220 --> 00:10:44,910 次は お主に罪を認めさせようと 責めたててくる。 116 00:10:46,720 --> 00:10:53,260 わしは 若殿にお目通りを願い 間違った道を歩んではならんと➡ 117 00:10:53,260 --> 00:10:55,990 おいさめしてみる。 118 00:10:57,020 --> 00:10:57,890 風早! 119 00:10:59,770 --> 00:11:04,080 ここが我慢のしどころだぞ! 120 00:11:04,080 --> 00:11:05,000 はい。 121 00:11:05,800 --> 00:11:07,800 ふんばれ! 122 00:11:27,040 --> 00:11:28,520 うわっ! 123 00:11:31,520 --> 00:11:36,470 おおっ? 盛大にやらかしたな 正助。 124 00:11:36,470 --> 00:11:38,740 私ではありません! ええ? 125 00:11:38,740 --> 00:11:41,040 死神先生…。 126 00:11:42,050 --> 00:11:42,970 (舟)おはよう。 127 00:11:43,680 --> 00:11:48,310 ほれ あんたたちの好きな 芋の煮っ転がしだよ。 128 00:11:48,310 --> 00:11:51,320 ありがとうございます。 よかったですね。 129 00:11:53,100 --> 00:11:54,550 あっ…。 130 00:11:56,730 --> 00:11:59,320 とよ 怖かったんだ…。 131 00:12:02,850 --> 00:12:04,390 もう大丈夫ですよ。 132 00:12:06,040 --> 00:12:10,490 ああ。 もう あの悪いお侍は来ないぞ。 133 00:12:10,700 --> 00:12:13,310 そうそう。 あたしらが そばにいるからね。 134 00:12:24,580 --> 00:12:28,930 間違いなく 焼き捨てたのだな? 135 00:12:28,930 --> 00:12:34,500 はい。 あとは 風早市之進に罪を認めさせるだけです。 136 00:12:34,500 --> 00:12:38,520 風早が やすやすと認めるか? 137 00:12:38,840 --> 00:12:41,160 あの男にも弱みはあります。 138 00:12:42,900 --> 00:12:46,960 風早が罪を認めることは これ以上ない屈辱。 139 00:12:46,960 --> 00:12:50,810 その辱めを存分に味わわせてやります。 140 00:12:52,310 --> 00:12:55,500 好きにすればよい。 141 00:13:01,370 --> 00:13:04,560 [ 回想 ]お前は武士になるんだよ。➡ 142 00:13:04,560 --> 00:13:09,790 立派な武士になって わしに恩返しをするんだ。➡ 143 00:13:10,240 --> 00:13:12,150 分かったかい?➡ 144 00:13:12,310 --> 00:13:14,740 分かったかい!➡ 145 00:13:14,740 --> 00:13:17,980 うん。 ああ いい子だ。➡ 146 00:13:19,690 --> 00:13:25,010 もし 恩返しもできないようなら…。 147 00:13:28,590 --> 00:13:29,810 消えろ。 148 00:13:34,650 --> 00:13:35,860 おやじ殿。 149 00:13:40,430 --> 00:13:43,990 おやじ殿は 信じるものはありますか? 150 00:13:49,060 --> 00:13:52,330 どうした? 151 00:13:53,480 --> 00:13:56,030 血迷ったか。 152 00:13:56,920 --> 00:14:00,680 私は何も信じておらん。 153 00:14:00,680 --> 00:14:04,580 特に 人はな。 154 00:14:05,410 --> 00:14:10,020 人は 裏切るものだ。 155 00:14:10,620 --> 00:14:15,710 それは 私とお前も同じだ。 156 00:14:15,710 --> 00:14:20,520 お互い 役に立たなくなれば…! 157 00:14:21,670 --> 00:14:25,040 捨て去るのみ。 158 00:14:31,470 --> 00:14:32,710 分かったな? 159 00:14:42,840 --> 00:14:46,630 (雪江)お目通りをかなえていただき ありがとう存じます。 160 00:14:46,630 --> 00:14:50,900 いやいや 随分以前に 文を頂いておりながら➡ 161 00:14:50,900 --> 00:14:52,250 ご無礼いたしました。 162 00:14:53,650 --> 00:14:56,010 文にしたためましたとおり➡ 163 00:14:56,010 --> 00:15:00,460 轟様のお力で 風早市之進様を お助けいただきたいのです。 164 00:15:01,380 --> 00:15:06,060 轟様は 大殿様の覚えめでたい方。 165 00:15:06,060 --> 00:15:10,740 大殿様に進言できるのは轟様だけだと 父から聞きました。 166 00:15:10,740 --> 00:15:12,750 買いかぶられたものですな。 167 00:15:13,560 --> 00:15:17,040 どうか お力をお貸しくださいませ! 168 00:15:18,560 --> 00:15:22,230 どうぞ お顔をお上げください。 169 00:15:22,230 --> 00:15:26,470 では お尋ねしますが➡ 170 00:15:28,510 --> 00:15:31,060 風早は罪を犯したとお考えか? 171 00:15:31,750 --> 00:15:35,700 風早様にかぎって 曲がったことをなさるはずがありません。 172 00:15:37,900 --> 00:15:38,810 雪江殿。 173 00:15:40,970 --> 00:15:41,840 はい。 174 00:15:44,140 --> 00:15:49,290 風早殿が江戸送りに処せられたのは…。 175 00:15:51,250 --> 00:15:53,900 私の罠に落ちたからです。 176 00:15:55,190 --> 00:15:56,060 えっ…? 177 00:15:56,310 --> 00:16:01,570 ここだけの話 私は風早の一味に 闇討ちを仕掛けられました。 178 00:16:01,570 --> 00:16:07,000 無論 返り討ちにしてやりましたが…。 179 00:16:08,660 --> 00:16:11,130 その一味から口書を取ったのです。 180 00:16:11,130 --> 00:16:14,710 私を襲えと命じたのは 風早市之進だと。 181 00:16:15,520 --> 00:16:17,650 風早様が そのようなこと…! 182 00:16:17,650 --> 00:16:20,190 おっしゃるとおり 風早は何も知らぬ。 183 00:16:20,190 --> 00:16:22,210 一味が勝手にしたこと。 184 00:16:24,140 --> 00:16:28,250 このままでは 風早は切腹に処せられますぞ。 185 00:16:31,410 --> 00:16:34,530 陥れはしたが 殺すには惜しい。 186 00:16:35,060 --> 00:16:38,630 いずれ 必ず お家のために役立つ男。 187 00:16:39,410 --> 00:16:41,760 どうすれば お救いできるのです…! 188 00:16:45,260 --> 00:16:48,870 一つだけ 助ける手だてがある。 189 00:16:50,930 --> 00:16:52,380 それは? 190 00:16:57,830 --> 00:17:00,110 風早が罪を認めること。 191 00:17:14,810 --> 00:17:19,540 罪を認めれば 助かるのですか? 192 00:17:19,990 --> 00:17:24,650 認めれば 切腹ではなく お預けの沙汰が下るでしょう。 193 00:17:24,850 --> 00:17:29,650 そして 此度のお代替わりの恩赦で 罪を許し 国許に戻す。 194 00:17:29,650 --> 00:17:34,490 私なら そう取り計らうことができる。 195 00:17:40,520 --> 00:17:42,980 雪江殿➡ 196 00:17:44,490 --> 00:17:47,200 そもそも そなたの望みは何でしたかな? 197 00:17:49,470 --> 00:17:54,210 風早様が ご無事でお帰りになること…。 198 00:18:00,360 --> 00:18:02,610 私も 思いは同じです。 199 00:18:09,970 --> 00:18:14,580 風早に 文をしたためては いかがかな? 200 00:18:14,580 --> 00:18:16,930 「罪を認めろ」と。 201 00:18:16,930 --> 00:18:22,290 私が どうお頼みしても 風早様が罪をお認めになるとは…。 202 00:18:22,290 --> 00:18:28,510 確かに。 あの男 己のためなら 決して認めないでしょうな。 203 00:18:30,480 --> 00:18:34,770 しかし… あの女子のためなら…。 204 00:18:36,330 --> 00:18:37,450 「あの女子」? 205 00:18:38,330 --> 00:18:39,820 菜々という女中です。 206 00:18:42,300 --> 00:18:46,510 あの女中のために 風早様が? 207 00:18:47,290 --> 00:18:48,850 まさか…! 208 00:18:48,850 --> 00:18:51,770 信じられないのなら…。 209 00:18:54,090 --> 00:18:55,710 確かめてみればいい。 210 00:19:29,530 --> 00:19:33,580 申し訳ございません! むさ苦しい所で…。 211 00:19:44,110 --> 00:19:45,850 風早様のお子たちは? 212 00:19:47,180 --> 00:19:50,350 正助様は 塾で学んでおられます。 213 00:19:50,350 --> 00:19:53,030 とよ様も そこで 面倒を見ていただいております。 214 00:19:53,660 --> 00:19:56,930 あなたは その間 働いているのですね? 215 00:19:57,410 --> 00:19:59,000 はい。 216 00:20:00,210 --> 00:20:04,070 まだ若いあなたが そこまでして…。 217 00:20:04,070 --> 00:20:07,650 まるで お子たちの母親のようですね。 218 00:20:08,540 --> 00:20:14,250 風早様が無事にお戻りになられたら 後添えにと望まれるかもしれませんね。 219 00:20:14,250 --> 00:20:19,020 そんなこと あるはずがございません! 私は 女中です。 220 00:20:20,200 --> 00:20:24,830 そうね。 お子たちは れっきとした武家の出。 221 00:20:25,540 --> 00:20:27,800 学問も 武術も たしなみも➡ 222 00:20:27,800 --> 00:20:31,480 きちんと身につくように 育てなければなりませんものね。 223 00:20:31,480 --> 00:20:33,200 おっしゃるとおりです。 224 00:20:33,200 --> 00:20:39,000 不自由な思いをさせてしまって 奥様に申し訳なくて…。 225 00:20:39,580 --> 00:20:44,920 旦那様とお子たちをお守りすると 奥様とお約束したのに…。 226 00:20:46,300 --> 00:20:49,000 約束? 227 00:20:50,770 --> 00:20:53,360 奥様に頼まれたのですか? 228 00:20:54,920 --> 00:20:55,790 はい。 229 00:20:57,100 --> 00:21:01,120 それは 風早様も承知しておられるの? 230 00:21:10,020 --> 00:21:10,950 はい。 231 00:21:21,810 --> 00:21:23,890 そう…。 232 00:21:27,810 --> 00:21:29,510 あの…。 233 00:21:30,480 --> 00:21:37,010 風早様のご無事を祈る気持ちは 私も同じです。 234 00:21:39,840 --> 00:21:46,510 大殿様に近い方に働きかけて 風早様のことをお願いしてみます。 235 00:21:47,520 --> 00:21:52,590 きっと お力になれると思います。 236 00:21:52,590 --> 00:21:55,020 ありがとうございます。 237 00:21:59,010 --> 00:22:01,720 お嬢様? 238 00:22:54,320 --> 00:22:56,750 螢草…。 239 00:22:59,980 --> 00:23:03,010 もうそんな季節…。 240 00:23:38,860 --> 00:23:41,010 [ 回想 ] (佐知)菜々。 241 00:23:45,670 --> 00:23:48,010 奥様…。 242 00:23:56,570 --> 00:23:59,000 旦那様…。 243 00:24:11,110 --> 00:24:13,980 戻ったか。 はっ。 244 00:24:15,280 --> 00:24:20,290 文書に関する報告は受けておる。 245 00:24:20,290 --> 00:24:23,450 次の一手も打ってまいりました。 246 00:24:23,450 --> 00:24:25,040 ほう。 247 00:24:25,040 --> 00:24:30,540 そろそろ 風早市之進に その毒が効き始めたころかと。 248 00:24:32,650 --> 00:24:37,690 (雪江の声)「おつらい日々を お過ごしのことと 胸が痛みます。➡ 249 00:24:37,690 --> 00:24:41,850 先日 ご当家女中 菜々さんが➡ 250 00:24:41,850 --> 00:24:47,050 轟 平九郎様に襲われるという騒ぎが ございました」。 251 00:24:49,000 --> 00:24:54,000 (勝重)幹にそぐわぬ枝を「忌み枝」という。 252 00:24:57,540 --> 00:25:03,070 こいつを きちんと見逃さず 始末することが大事だ。➡ 253 00:25:03,450 --> 00:25:05,520 どうだ? 254 00:25:07,860 --> 00:25:09,370 お見事にございます。 255 00:25:09,720 --> 00:25:15,870 清くまっすぐなだけでは 人の世は成り立たん。 256 00:25:15,870 --> 00:25:23,960 小さな藩が生き残るためには時には手を 汚さねばならんこともある。 257 00:25:25,390 --> 00:25:27,030 はっ。 258 00:25:28,600 --> 00:25:33,250 (雪江の声)「私は 思い切って轟様に会い➡ 259 00:25:33,250 --> 00:25:36,510 菜々さんとお子たちの命乞いを いたしました。➡ 260 00:25:38,480 --> 00:25:44,380 轟様は 風早様が罪をお認めになれば➡ 261 00:25:44,380 --> 00:25:47,840 もう手出しはしないと 約束してくれました」。 262 00:26:27,250 --> 00:26:31,990 お嬢様? なすが たくさん残っていますよ。 263 00:26:34,540 --> 00:26:37,390 お嬢様? 264 00:26:38,670 --> 00:26:41,010 いけません。 ちゃんと召し上がらないと。 265 00:26:44,150 --> 00:26:45,870 そんなに ほっぺを膨らませたら…。 266 00:26:53,560 --> 00:26:55,990 もう…! お食事中ですよ! 267 00:26:56,520 --> 00:26:59,430 とよが 菜々を笑わせようって。 268 00:26:59,430 --> 00:27:00,970 えっ? 269 00:27:00,970 --> 00:27:02,850 菜々 泣いてたから。 270 00:27:05,900 --> 00:27:07,160 申し訳ありません。 271 00:27:07,590 --> 00:27:09,390 菜々は悪くない。 272 00:27:12,180 --> 00:27:15,600 私が早く大人になって 菜々を楽にしてやる。 273 00:27:22,390 --> 00:27:23,950 ありがとうございます。 274 00:27:29,160 --> 00:27:32,000 ありがとうございます…。 275 00:27:57,460 --> 00:28:00,520 俺に 何か用か? 276 00:28:27,930 --> 00:28:31,000 約束してくれ…。 277 00:28:32,670 --> 00:28:37,530 子どもらと菜々に 手は出さぬと。 278 00:28:49,330 --> 00:28:50,130 頼む。 279 00:28:51,350 --> 00:28:55,960 俺の目当ては お前だ。 女こどもではない。 280 00:29:01,090 --> 00:29:03,220 罪を認めるのだな? 281 00:29:13,300 --> 00:29:14,860 どうなんだ? 282 00:29:24,450 --> 00:29:25,430 認める。 283 00:29:35,430 --> 00:29:37,650 では…。 284 00:29:41,330 --> 00:29:44,770 己で錠をかけろ。 285 00:29:57,890 --> 00:29:58,940 どうした? 286 00:30:33,350 --> 00:30:36,100 何が「世の中を変える」だ! 287 00:30:36,790 --> 00:30:41,750 お前の信じてる正しいやり方で 何が変わった! 288 00:30:41,750 --> 00:30:44,870 何一つ 変わらなかったではないか! 289 00:31:00,440 --> 00:31:03,030 俺を信じられるか? 290 00:31:10,780 --> 00:31:12,040 信じる。 291 00:31:42,330 --> 00:31:45,840 (舟)ああ… 今からかい? はい。 292 00:31:45,840 --> 00:31:50,260 しっかり稼いで さっさと荷車の貸し賃 払っとくれよ。 293 00:31:50,260 --> 00:31:52,010 はい。 294 00:31:56,460 --> 00:31:57,760 雪江様…。 295 00:32:07,650 --> 00:32:09,370 今 白湯を…。 296 00:32:09,370 --> 00:32:11,530 何もいりません。 297 00:32:12,170 --> 00:32:14,530 どうぞ こちらへ。 298 00:32:15,290 --> 00:32:17,030 はい…。 299 00:32:25,170 --> 00:32:28,930 風早様から あなたへの文です。 300 00:32:28,930 --> 00:32:30,520 えっ? 301 00:32:31,670 --> 00:32:33,520 どうぞ。 302 00:33:28,570 --> 00:33:34,580 罪をお認めになったことで 風早様のお命は救われたのです。➡ 303 00:33:35,450 --> 00:33:42,930 お代替わりに伴う恩赦を受けて 風早様は無事に戻ってこられます。 304 00:33:47,290 --> 00:33:50,000 旦那様は…➡ 305 00:33:53,350 --> 00:33:56,760 罪など犯してはおられません。 306 00:33:56,760 --> 00:34:01,530 私も風早様の無実を信じています。 307 00:34:03,850 --> 00:34:05,270 だったら…。 308 00:34:05,270 --> 00:34:09,490 風早様のお命は 風前の灯だった。 309 00:34:10,980 --> 00:34:13,010 こうするしか 手はなかったのです。 310 00:34:26,610 --> 00:34:29,020 それは…➡ 311 00:34:30,710 --> 00:34:37,000 旦那様にとって 死ぬよりつらいことです…。 312 00:34:40,190 --> 00:34:42,450 死んでは 元も子もありません。 313 00:34:56,290 --> 00:34:57,390 泣かないで! 314 00:35:04,890 --> 00:35:11,340 お戻りになれば 風早様は私と祝言を挙げます。 315 00:35:14,550 --> 00:35:19,590 ですから あす お子たちを引き取りに参ります。 316 00:35:28,490 --> 00:35:34,230 私のもとで暮らしたほうが お子たちも幸せになれるはずです。 317 00:35:36,080 --> 00:35:39,520 お支度を整えておいてください。 318 00:36:15,590 --> 00:36:19,670 (市之進の声) 「私は罪を認めることにした。➡ 319 00:36:19,670 --> 00:36:24,530 もはや これ以上の忠義は無用。➡ 320 00:36:26,590 --> 00:36:31,980 赤村に帰って 穏やかに暮らすがよい。➡ 321 00:36:31,980 --> 00:36:37,600 これまでのこと 心から礼を言う」。 322 00:37:45,780 --> 00:37:47,500 (正助)菜々。 323 00:37:48,780 --> 00:37:52,750 坊ちゃま お嬢様 おはようございます。 324 00:37:53,570 --> 00:37:56,670 お着替えが済んだら お話がございます。 325 00:38:00,780 --> 00:38:03,480 (正助)菜々…? 326 00:38:11,140 --> 00:38:13,090 きょうから お二人は➡ 327 00:38:13,090 --> 00:38:16,520 旦那様のお知り合いのお家で 暮らすことになりました。 328 00:38:17,000 --> 00:38:20,000 父上のお知り合いって? 329 00:38:20,000 --> 00:38:23,510 本田内記様とおっしゃる お奉行様です。 330 00:38:23,880 --> 00:38:24,880 (とよ)どうして? 331 00:38:26,010 --> 00:38:31,440 そちらへ行かれたら お嬢様は何不自由なく習い事ができます。 332 00:38:31,440 --> 00:38:35,050 坊ちゃまも 立派な武士になるための 教えを受けられます。 333 00:38:36,510 --> 00:38:38,930 とよは ここが好きです。 334 00:38:38,930 --> 00:38:42,520 私も 死神先生や だんご兵衛さんに 教えてもらっています! 335 00:38:49,380 --> 00:38:50,870 おはようございます。 336 00:38:53,880 --> 00:38:59,200 正助様 とよ様 一度お会いしましたね。 337 00:38:59,480 --> 00:39:01,080 覚えておられますか? 338 00:39:01,540 --> 00:39:03,520 はい。 339 00:39:04,930 --> 00:39:08,280 きょうから よろしくお願いしますね。 340 00:39:09,290 --> 00:39:13,080 これからお二人がお世話になる 雪江様です。 341 00:39:17,140 --> 00:39:20,600 お父上は もうすぐ お帰りになられるのですよ。 342 00:39:21,110 --> 00:39:22,960 まことですか!? 343 00:39:24,020 --> 00:39:29,570 (雪江)はい。 私の家で お父上のお帰りを待ちましょう。 344 00:39:31,870 --> 00:39:33,130 菜々は? 345 00:39:33,930 --> 00:39:37,810 私は ここにおります。 346 00:39:37,810 --> 00:39:40,420 どうして? 347 00:39:40,420 --> 00:39:42,320 菜々も一緒では だめなのですか? 348 00:39:44,160 --> 00:39:45,220 それは…。 349 00:39:45,770 --> 00:39:48,470 坊ちゃま 菜々は…。 350 00:39:48,470 --> 00:39:51,090 (とよ)じゃあ ここで待つ。 えっ? 351 00:39:51,380 --> 00:39:57,300 ここで お骨さんや らくだの親分や 死神先生たちと一緒に➡ 352 00:39:57,300 --> 00:39:58,930 父上を待ちます。 353 00:40:02,000 --> 00:40:02,830 お嬢様…。 354 00:40:03,380 --> 00:40:08,270 いい子にしますから。 もう おねしょはしませんから。 355 00:40:13,180 --> 00:40:21,710 菜々は お暇を頂いたのです。 ですから ご一緒に行くことはできません。 356 00:40:21,710 --> 00:40:23,270 さあ お履物を…。 357 00:40:24,440 --> 00:40:25,860 菜々 嫌! 358 00:40:27,860 --> 00:40:29,720 (雪江)さあ 参りましょう。 359 00:40:30,930 --> 00:40:32,760 嫌! 360 00:40:34,230 --> 00:40:38,070 とよ 行こう。 (雪江)ねっ ほら…。 361 00:40:38,870 --> 00:40:40,560 嫌! 362 00:40:41,370 --> 00:40:43,520 さあ…。 嫌! 363 00:40:44,300 --> 00:40:47,610 嫌! 嫌! 364 00:40:48,460 --> 00:40:53,020 (舟)一体 どういうことだよ! (とよ)嫌! 嫌! 365 00:40:53,690 --> 00:40:55,960 嫌! 366 00:40:57,310 --> 00:41:00,590 ≪(とよ)嫌! (舟)菜々! 菜々…! 367 00:41:00,840 --> 00:41:02,330 どうして止めないんだよ! 368 00:41:03,620 --> 00:41:10,800 ≪(とよ)嫌! 嫌! 30725

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