All language subtitles for 相棒16th#14

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Original subtitles

坊谷一樹。

この間 瀬戸内米蔵のお寺で 発見された白骨遺体が 坊谷一樹。

もしも ロシアのスパイと→

通じていたならば…。

ヤロポロクから届いた書簡を→

公にしたくなかった。

つまり ヤロポロクは 日本国内にいるという事か?

彼の顔写真がありました。

ロシアを旅行中に 警察に捕まったとかで…。

おめえ 何した?

もっと 彼を 調べる必要がありそうですねぇ。

この件は 状況を 逐一 報告してくれ。

逐一? 命令だ。

あっ 出てきました!

片山さん おはようございます!

片山さん! ひと言 お願いします!

片山さん ひと言 お願いします!

ご覧頂けますでしょうか。 出家姿 初披露です。

片山さん ひと言 お願いします。 今のお気持ちをお伝えください。

なぜ出家されたんでしょうか?

片山さん ひと言 お願いします。

ぜひ ひと言 お願いします!

テレビの前の皆さんに ひと言 お願いします!

妙春か…。 色っぽいなあ。

しかし 『フォトス』だけが 本堂の中 入れたんだな。

何日か前に テレビで取り上げてたけど→

他のマスコミは 外からだけだったんだろ?

この記事 書いた記者が 片山雛子の友人っていう事で→

特別に 得度式に立ち会えたんですって。

なるほど。

でも 出家の評判は散々だな。

最低最悪のパフォーマンスだの なんだのって。

ちっとも反省の色が見えないって。

あっ! 右京さん そろそろ。

ええ。 お出かけか?

ちょっと 野暮用で。 うん。

しかし あいつも図に乗ってますね。

一方的に 時間と場所→

しかも テーブルまで指定するなんて。

オープンスペースの西側の一番奥 プランターのある席。

あそこですねぇ。

あっ! 忘れ物?

いえ 指定された時間に→

指定のテーブルにある という事は…。

あいつですね。 ええ。

いらっしゃいませ。

あっ 僕 コーヒーで。 はい。

僕はミルクティーをお願いします。 かしこまりました。

いきますよ。

『スパイ大作戦のテーマ』

「おはよう 杉下さん 冠城さん」

「ご依頼の件だが 調査結果を報告しよう」

「耳の穴かっぽじって よく聞きたまえ」

「常盤臣吾 平成4年4月4日生まれの満25歳」

「阿伎高市立神井戸小学校 神井戸中学を経て→

私立京文館学園高校へ進学するも 1年で中退」

「その後 数年にわたって 海外を放浪」

「帰国後は フリーターという名の 気ままな労働者となり→

様々な仕事に従事しているが→

特筆すべきは そのボランティア精神で→

災害などあると 真っ先に現地へ駆けつけ→

ボランティアスタッフとして 精力的に活動していた実績が→

散見される」

「渡航歴は豊富で→

いちいち挙げるのは面倒なので やめとくが→

直近だとアメリカへ行っている」

「平成27年1月から同年12月まで 長期滞在してたようだ」

ロシア警察での拘束についてだが→

ロシアへの渡航歴は確認されたが→

拘束についての公式な記録は 確認出来なかった。

当時 報道なども 一切なされていないようなので→

水面下で処理されたと思われる。

そこで 君の使命だが…。

それは自分で考えてくれ。

「例によって 君 もしくは 君のメンバーが捕らえられ→

あるいは殺されても→

当局は一切関知しないから そのつもりで」

「なお この録画は 自動的に消滅する」

「成功を祈る」

「自動的に消滅するわけないので 消去よろしく」

平成27年1月というと→

ヤロポロクが亡命した 3カ月後です。

彼 ちょうど その頃 アメリカにいたんですね。

そのようですねぇ。

アメリカに 結構長く滞在してたみたいだね。

大陸横断バス旅行と しゃれ込みました。

っていうか そんな事まで調べたんですか?

旅の途中 知り合いなんかも 出来るでしょう?

そりゃ出来ますけど。 なんで僕の渡航歴なんか…。

アメリカでは 警察のご厄介に なったりしてませんよ。

例えば 知り合った人と 文通したりするのかな?

はっ? いや… 手紙のやり取り。

いや 文通は知ってますけど…。

今時 電子メールじゃないですか? 連絡取り合うとしても。

ねえ? ええ。

確かに 特別な事情でもないと 文通などしませんね。

ええ。 で 君は?

一般論は おいといて 文通したりしてないの?

特別な事情ないですからね。

そうか…。

彼が ヤロポロクの手紙を中継した…。

ええ。 考えすぎ? 疑いすぎ?

考えるのは いい事ですよ。 大いに考えてください。

疑う事も 警察官としては必須でしょう。

とはいえ どちらも 過ぎれば 休んでるのと一緒でしょうが。

茶化してないで 右京さんの見解 聞かせてください。

まあ ヤロポロクが→

アメリカにいるという 前提に立てば→

臣吾くんが ヤロポロクから手紙を受け取って→

それを社さんに転送した という事も→

可能性としては あるでしょうねぇ。

ちょっと待ってもらえます?

今 「ヤロポロクがアメリカにいる という前提に立てば」って→

言いましたよね? ええ。

それって つまり ヤロポロクが→

アメリカにいないという 前提にも→

立ってみようかなって事ですか?

アメリカにいないという 前提に立てば→

臣吾くんが手紙を中継した 可能性は消えますねぇ。

ちょっと… そう 先々行かず ちゃんと立ち止まりましょうよ!

じゃなくて 思考をいったん ストップさせましょうって事。

言葉を換えれば 落ち着きましょうって事。

僕は 至って落ち着いていますがねぇ。

ヤロポロクの再入国は あり得ない。

アメリカ側は そう言ってます。 ええ。

それを否定するんですか? めっそうもない。

だって ヤロポロクが アメリカにいないって→

立場に立つって事は→

ヤロポロクは日本にいる っつってるわけでしょ?

ええ。

そうなれば アメリカは 嘘をついてるっていう事で→

右京さんは アメリカの回答を→

否定してるって事に なるんじゃないですか。

僕は アメリカの回答が嘘だなんて 言うつもりは毛頭ありませんよ。

回答どおり ヤロポロクの再入国は あり得ないのでしょう。

しかし…。 しかし?

そもそも ヤロポロクは→

日本を出国していないかも しれないじゃありませんか。

えっ…? 出国していなければ→

再入国などあり得ない。

すなわち アメリカの回答は 嘘ではありませんが→

それをもって 直ちに ヤロポロクが日本にいないとは→

断言は出来ないと 申し上げているんです。

それって 亡命時に ヤロポロクが日本を離れず→

そのまま潜伏してる って事ですか?

無論 可能性の問題ですよ。

少なくとも ゼロではないと思いませんか?

ならば アメリカにいないという 前提に立ってみるのも→

悪くないじゃありませんか。

もしもですよ ヤロポロクが日本にいるとしたら→

坊谷一樹の死体を遺棄したのも→

ヤロポロクの仕業って可能性が 濃厚になりません?

そうですねぇ。 手紙の内容からしても→

そう考えるのが自然でしょう。

死体遺棄どころか 殺害の可能性だって浮上します。

社美彌子を ひそかに 監視してた奴を始末した。

ええ。 しかし 遺体については→

司法解剖の結果も 死因不明のようですし→

殺害を立証するのは 相当難しいでしょうねぇ。

確かに。

まあ 単なる僕の屁理屈です。 あまり真に受けないでください。

ああ~! くあぁ~っ!

ああ もう またまた ややこしい事を!

まあ 屁理屈っちゃあ 屁理屈なんですけどね…。

尻をどけろ!

失礼。

どう思います?

どうって…。

杉下右京ブランドだからなあ…。

いやあ いくら熱くてもね 舌をやけどしないってえところが→

このシシの肉の…。

私が タラ持ってきましょう。 ええ。

そっちは? うん。 箸?

箸だってよ。 あんな事…。

あっ いらっしゃいませ。

どうも。

いらっしゃい。

ああ 僕は いつものを。 はい。

僕も。 はい。 かしこまりました。

彼 日本にいるらしい。

はい?

出国はフェイクだったそうです。

つまり ずっと日本にいた?

…みたい。

私 ちょっと お買い物に行って参ります。

お留守番 お願い出来ますか?

平気ですよ。 いや でも…。

私 女将さんの経歴は 知っています。

えっ?

失礼ながら そんな女将さんのところへ→

杉下さんが 足しげく 通っていらっしゃるという事は→

ここは それだけ 信用の置ける場所だから。

一種のセーフティーゾーン なんだと思っています。

何を話しても平気ですね?

ええ。

わかりました。

そうおっしゃって頂けるなら お買い物は また今度にします。

この間 来た時 とてもリラックス出来たんですよ。

今夜はリラックスして 話したかったもので。

あなたの単なる屁理屈が 正しかったようですね。

あっ… 俺 課長には言ってませんよ。

捜一には言いましたけど。 はい?

いや 昼間 右京さん→

じっと黙って 考え事をしてたでしょ?

邪魔しちゃ悪いと思って 時間潰しに向こう行って→

まあ ついでだし…。 僕の屁理屈を伝えた?

どんな反応するか 見てみたくて。

いつも楽しそうで 何よりですねぇ。

とするならば 社さんは→

甲斐さんから お聞きになったわけですね?

さっき 報告があってね。

ええ。

まあ 杉下くんらしい へそ曲がりな報告だったが。

へそ曲がり?

まあ 本人は 単なる屁理屈だと謙遜してたがね。

仮説という意味では 興味深い。

甲斐さんに伝えれば 私の耳に入る事は織り込み済み。

私を使って 確かめようとなさった事は→

わかっています。

僕は 今回の件について 報告を義務付けられたので→

そうしたまでですがねぇ。

通常 単なる屁理屈まで 報告しませんよ。

いいんです。

私も ずっと それは確かめたかった→

彼が どこにいるのか。

いい機会だから トライしてみました。

どうやって確かめたんですか?

…って聞くだけ無駄だから 勝手に想像すると→

課長とは ギブ・アンド・テイクの関係の→

アメリカ大使館関係者 ってとこかな?

課長が内調時代に築いた人脈。

いや もっと えげつなく→

課長に取り込まれて 向こうの情報をこっちに流してた→

協力者かも。

直接 担当してたわけではないので 詳細はわからないそうです。

ただ…→

出国していないのは 間違いないと。

日本での潜伏先は?

なるほど。

いないはずの彼がいたとなれば 死体遺棄は彼の仕業。

当然 その先に狙い定めるだろう 殺人の疑惑も→

彼に降りかかりますよね?

そうですねぇ。

その死亡に関与していない遺体を ただ埋めただけというのは→

通常 考えにくいですからね。

だけど 彼に人殺しは出来ません。

とても愛していらっしゃる。

彼というのが どなたか存じ上げませんけど→

とても大切な人だと感じました。

そうですか…。

情報源の秘匿の意味からも→

捜査会議に 正式には上げられませんよね?

ええ。 だから あなた方に話した。

ありがとう。 気をつけて。

なんか ワクワクしてきましたね。

君の好きなカオスですからねぇ。

ひょっとして彼ならば この混沌に→

秩序をもたらしてくれるかも しれませんね。

君の言う「彼」とは あの彼の事ですか?

あの彼です。 そう思いません?

ええ。 彼ならば あるいは…。

≫和尚さん ちょっといい?

おう。 なんだい?

考えたんだけどね。

僕… 白状するよ。

ん?

折り入って 話してえ事があるってんでね→

朝っぱらから ご足労願ったってわけだ。

俺たちゃ 保護者面して ここにいるが→

まあ 気にしねえでくれ。

我々も ちょうど→

あなたに お目にかかりたいと 思っていたところでした。

で 話したい事って?

僕が見つけた 白骨遺体の事なんですけど…。

あれ… 頼まれたんです 掘り起こしてくれって。

遺体が埋まってるから 掘り起こしてくれって?

はい。

誰に?

知り合いです。

知り合いって どんな? 名前は?

バーニー・オルコット。

バーニー・オルコットです。

貿易関係の仕事で→

アメリカから来てるって 言ってました。

国籍はアメリカって 言ってましたけど→

ロシアなまりの英語を話す 愉快なおじさんで。

ロシアなまり? ええ。

僕 ロシア語 ほんの少しですけど出来るんで→

それで意気投合して。

その愉快なおじさんとは いつ どこで知り合ったの?

2年くらい前に あさぎの森公園で。

あさぎの森公園?

府中にある公園です。

きっかけは?

僕から話しかけたんです。

外国人を見ると→

声かけちゃうんですよね なんとなく。

あなたは 掘り起こす事を 頼まれたとおっしゃいましたが→

そのバーニーさんは 一体 どういったいきさつで→

ここの墓地に 遺体を埋める事に なったのでしょう?

過って人を死なせてしまって→

その処理に困って 埋めたそうです。

過って? そう言ってました。

ここを選んだのは→

以前 僕が ここに バーニーを連れてきた事があって。

長期間 和尚さんがいない事は わかってたし→

勝手知ったる他人の家で→

2人して泊まり込みで 酒盛りした事があったんですよ。

それで ここを覚えてて→

ちょうどいいと 思ったらしいです。

あなたに遺体の発掘を頼んだのは→

あなたならば 偶然を装って発見しても→

不自然ではないからですかね?

はい。 僕は このお寺に ゆかりがありますから。

しかし せっかく→

発覚させないために ひそかに埋めた遺体を→

なぜ 掘り起こしてほしいと 頼んだのでしょう?

ずっと罪の意識は あったみたいなんです。

家族の元に帰して→

ちゃんと供養してあげて ほしかったんですよ。

なるほど。

あえて そもそも論を申し上げますよ。

勝手に遺体を埋めるのは 立派な犯罪です。

頼まれた時 あなたは それを掘り起こすのではなく→

自首を促すべきでしたね。

そのとおりです。

でも なんか→

警察に突き出すのが かわいそうになっちゃって…。

異国の地で 警察のご厄介になるのは→

想像以上に こたえますからね。

もちろん 罰は甘んじて受けます。

ごめんなさい!

とりあえず バーニーさんの連絡先 教えてくれる?

知りません。

知らない? 友達だろ?

知り合いです。 ああ…。

じゃあ どうやって会ってたの? 連絡先も知らず。

会うのは公園です。 別に約束するとかじゃなくて。

会えば そのまま話し込んだり 食事をしたり 飲みに行ったり。

もちろん 時には 次いつここで みたいな約束はしましたけど→

特に電話やメールをし合うような 関係じゃありません。

ちなみに バーニーさんの 写真などはありませんかね?

一緒に 記念写真を撮ったりなどは?

写真はありませんね。

そうですか。 すみません…。

どうだい?

さあ… どうですかねえ?

直感でいいんだ。

女は嘘を見抜く生き物だから なんて 立派なセクハラよ。

古来 女は直感が鋭えんだ。

嘘に敏感なんだよ。

男と女はな 脳の構造が違うんだ。

どうだ? 臣吾は。 そのために呼んだんだぜ。

正直者の顔ではないわね。

あいつは 昔から嘘つきだった。

「三つ子の魂百まで」かしらねえ。

来ました ヤロポロク・アレンスキー。

バーニーです。

もちろん 写真だけじゃ断定出来ないけど→

よく似ています。

どうして バーニーの写真があるんですか?

バーニー・オルコットか…。

ヤロポロクが 日本に潜伏しているならば→

バーニー・オルコットの偽名で 臣吾くんと接触のあった可能性は→

否定出来ませんよね。 ええ。

ここですねぇ。 臣吾くんが バーニーと→

決まって顔を合わせていたという ベンチは。

この辺り 防犯カメラないですね。

証言を裏付けるような 証拠がないと→

なんとも言えませんね。

あっ! 試しに張り込んでみますか?

バーニー 現れるかもしれませんよ!

ぜひ お願いします。 あっ ちょちょ…!

ちょっと右京さん 待ってくださいよ。

特命係のギッタンバッコン!

んっ? なんすか? それ。

うるせえ! おや どうかしましたか?

あっ… 失礼。

おい! バーニー・オルコットってのは 一体 何者だ?

いましたか?

調べてくれたら 教えてあげるなんて→

ふざけた交換条件 出してんじゃねえぞ コラァ!

いないよ!

バーニー・オルコットなるアメリカ人が 入国した記録はなかった!

だから 早く教えろ! 何者だ? バーニーってのは。

まあまあ そう喧嘩腰にならず。

やはり バーニーは偽名ですね。 そのようですねぇ。

2人で納得してないで 教えてくださいよ!

こっちは ちゃんと 調べてあげたんですから。

ヤロポロクです。 えっ?

バーニー・オルコットは→

ヤロポロク・アレンスキー。

常盤臣吾が ヤロポロクの写真を見て→

バーニー・オルコットだと言った。

でも バーニー・オルコットなんて いない。

つまり ヤロポロクの偽名。

それで筋が通るんですよ。 筋?

臣吾くんは 遺体の身元が判明しない事に→

焦れていました。

身元すら まだわからないんですか?

まるで我が事のように怒っていた。 なぜか?

それは 彼が 遺体発掘の目的を 知っていたからです。

聞いていたから。

すなわち 身元が判明しないと 目的を果たせないから→

彼は焦れていたわけです。

さりとて あくまでも第三者の→

偶然 遺体を発見してしまった 役割の臣吾くんが→

目的を明かすわけにはいきません。

警察に嫌みを言うのが関の山です。

日本の警察は優秀だっていうけど 案外 だらしないですね。

しかしです その直後 何が起こったか。

ご承知のとおり ヤロポロクから 社さんに書簡が届きました。

身元を明かし 家族に帰して→

供養してやってほしいという 内容の。

これは 臣吾くんが バーニー・オルコットから聞いた内容と→

一致します。

バーニー・オルコット イコール ヤロポロク・アレンスキー。

この流れを見る限り そういう事になりますねぇ。

どうやら 彼が日本に潜伏しているのは→

間違いないようですね。

まあ 杉下くんの報告によれば そういう結論になるね。

いただきます。

また夫婦喧嘩かい。

お前んとこぐらい のべつに喧嘩をする家はないね。

どうしたんだい?

いえね 今日は 私 夜なべの仕事がありますから→

いっぺん夕方帰って ご飯を食べて それから…。

お待たせしました。

どうも。 はい。 ごゆっくりどうぞ。

カブキ チケッツ。

ごちそうさま。 ありがとうございました。

ありがとうございました。

渡された住所を訪ねたら→

ヤロポロクに よく似た男が現れた…。

そう。

あなたの 思い切った 揺さぶりに対する→

アメリカ側の反応が その住所だったわけですね。

ハロー。

イエス。

オー ソーリー。

だから ここに→

なんらかの回答があると思って 行ってみました。

回答ですか。

ヤロポロクを見かけたという→

揺さぶりに対する 回答とするならば→

それは 他人の空似であるという 意味でしょうかね。

恐らく。 他人の空似ねえ…。

急きょ よく似た風貌の別人を 仕込む事ぐらいやりそうですけど→

さすがに昨日の今日じゃ 整合性が取れなくて→

調べればバレちゃいますよね。

念のため 管理人さんに 確認を取ってみたの。

そしたら 入居したのは 平成26年の10月だった。

平成26年の10月というと→

ちょうど ヤロポロクが 亡命した時期ですねぇ。

ええ。 ただ ひとつ 気になる事があって…。

気になる事?

一昨年の春頃 入居者の雰囲気が→

ちょっと変わった気がするって 言うんですよ。

管理人さんがですか?

ええ。

なんか 外人さんの顔って→

みんな 似通って見えちゃうんだよね。

髪形とか服装が 変わったりしたのを→

錯覚しちゃったんだと思うけどさ。

ハハハハハ…。

なるほど。

途中から 雰囲気が変わりましたか…。

えっ 指紋の検出を?

ええ。 お願い出来ませんかね? 超特急で。

なんで指紋なんか?

調べてくれたら教えますよ。

ハハ…。

もしもし。

しかし 課長も無茶しますよね。

ヤロポロクに会えるかもしれない。 そう思って行ったんでしょ?

会えるかもしれない… いや 会いたかった。

もし会ってたら どうするつもりだったんです?

せっかくヤロポロク問題 乗り切ったのに→

台無しになっちゃう恐れが あるでしょう?

もう少し理性的な人間と 思ってたわ。

自分の事。

どんな感情だって 理性で抑えられる自信があった。

彼は 今 どこ?

一体 どこにいるの?

教えて。

手紙以外に 彼の筆跡のわかるもの?

ええ。 あの2通の手紙以外に→

何か 持ってらっしゃいませんかねぇ?

確実に彼が書いたと 保証出来るもの。

あの手紙の筆跡に 疑問があるって事ですか?

実は あの手紙から 指紋を検出してみたところ→

社課長と大河内さんの指紋しか 検出されなかったんですよ。

お二人以外の指紋は 一切 出なかった。

つまり 書いた本人の指紋がないんです。

これって 妙ですよね。

あえて言えば 用心のために→

指紋を残さなかったという 考え方も→

出来なくはありませんが→

それは 果たして なんの用心でしょう?

内容から 書いたのは ヤロポロクである事が歴然なのに→

どうして 指紋を残さないなどという→

手間をかけたのか…。

つまり 別人が筆跡を真似て書いた?

それを確かめるためにも→

何か 筆跡鑑定のサンプルに なるようなものを→

お持ちではないかと…。

ヤロポロク亡命の時 処分しちゃってますよね?

ええ 処分したわ。 私の持っていたものは全て。

ですよね。

ヤロポロクとの関係性は 当然 消し去りますよね。

今 「私の持っていたものは全て」と おっしゃいましたねぇ。

ひょっとして お嬢さんなら 今も→

サンプルになるようなものを お持ちなのでは?

鋭いですねえ。

マリアの持ち物まで 処分する権利は→

私にはないって理屈をつけて→

彼女に贈られた バースデーカードや→

クリスマスカードは残っています。

それを拝借したいのですが。

悪いね 呼び出したりして。 いえ…。

実は 困った事になりましてね。

困った事?

あなたのお知り合いである バーニー・オルコットですが→

本当は ヤロポロク・アレンスキー だったんですよ。

すなわち バーニーは偽名。

知ってる? ヤロポロク・アレンスキー。

どっかで聞いた事あるような…。

日本で活動していた ロシアのスパイで→

アメリカに亡命した…。

ああ…!

お寺で 君に確認してもらった写真→

あれ ヤロポロクなんだ。

あの時も言いましたけど 確実ではないですよ 写真だし。

ですが バーニーが ヤロポロクである事は→

確実なんですよ。 証拠と呼べるものがあります。

実は 白骨遺体の身元がわかったのは→

ヤロポロクから届いた 手紙のおかげなんだ。

あなたのところに 得意げに→

我が手柄のごとく 身元の判明を お伝えしに行きましたが→

種を明かせば 情報提供のおかげでした。

でね ヤロポロクからの手紙の内容が→

君がバーニーから聞いたという 話と ぴったり一致してね…。

遺体を家族に帰して 供養してほしいという→

あの内容です。

つまり 君に遺体発掘を依頼した バーニーは→

ヤロポロクであるという 結論に達したわけ。

ここまでで 何か 異論 反論があれば…。

いえ 別に…。 で 困った事って?

そんなわけで 君は日本で ヤロポロクに会ってるわけだけど→

ヤロポロクって 実は 日本にいないんだよね。

さっき言ったとおり アメリカに亡命しちゃったから。

これは確実です。

警察が 正式に 米当局へ問い合わせた結果→

ヤロポロクの再入国は あり得ないと→

正式な回答を頂いていますから。

って事はだよ 君の会ったバーニーは→

ヤロポロクじゃないって事に なっちゃうわけで…。

カオスでしょ? ほとほと困り果ててしまいました。

僕に警察の悩みを 打ち明けられてもなあ…。

バーニーはヤロポロクなのか?

それとも バーニーは あくまでもバーニーなのか?

お困りなのは よくわかりましたけど→

僕は力になれませんよ。

いえ これは 単なる経過報告。

えっ? これから お話しする事が→

困っている事です。

ヤロポロクから 届いた手紙なんだけど→

調べてみたら 筆跡が違うんだよね。

ヤロポロク本人じゃなかった。

筆跡鑑定の結果です。 間違いありません。

つまり 君の会ったバーニーは→

ヤロポロクの筆跡を真似て 手紙をよこした事になる。

あなたの会った→

ヤロポロクにそっくりな バーニーが→

ヤロポロクにそっくりな筆跡で 手紙を書いたわけですよ。

遺体の身元を明かして 供養を頼む内容の手紙を。

これは一体 どういう事なのだろうかと→

ますます困惑しました。

確かに困った事態ですね。 だけど 僕は…。

いえ 困っているのは ここじゃありませんよ。

やはり あなたは せっかちですねぇ。

我々は 全面的に あなたを信用していますが→

捜査一課が どうも あなたを疑い出しましてね。

えっ?

いたろ? 見るからに 質の悪そうな捜査一課の2人。

伊丹さんと芹沢さんでしたっけ?

その2人が 君を怪しいと言い出してね。

告白なさったとおり→

あなたが 今回の件に 関与なさっているのは→

事実ですからねぇ。

まあ 疑ってみるのも 警察の仕事ではありますが。

今頃 君の部屋にも 家宅捜索 入ってると思うよ。

あっ お寺にも行ってるかな?

困ったもんです。

それじゃあ 失礼しますよ。

これ 彼の荷物ですよね?

しっかり令状取ってますんでね どうぞ ご理解を。

杉下くんに にらまれたら おしまいだぞって→

忠告したんだがな…。

何したんですか? あの子。

それは はっきりしたらお教えしますよ。

おっと…! 先輩。

これは…。

申し上げたとおり 我々は あなたを信じています。

ですから 一緒にバーニーを捜しましょう。

バーニーが見つかれば あなたの疑いは晴れますよね。

会う時は ここで 会ってらっしゃったんですよね?

今日あたり ひょっこり現れてくれると→

助かるんですがね。

杉下です。

「常盤臣吾の荷物から→

とっても興味深いものが 発見されたんで→

今 冠城に送りました。 よろしく」

おやおや これまた 大いに困りましたねぇ。

どうして こんなもん持ってるの?

さて 君は→

どこまで我々を困らせたら 気が済むのでしょうねぇ。

黙秘か…。

一切 しゃべりません。

雑談にもか?

ええ 応じません。

はあ~…。

完黙とは厄介だな…。

きっと→

実物に会いたいのではないかと 思いましてね。

あなたの所持していた写真は→

ヤロポロク・アレンスキーの 所持していたものです。

写真立ての形状からも それは間違いありません。

あなたは あの写真を いつ どこで手に入れましたか?

あなたは ヤロポロク・アレンスキーに 会いましたか?

あなたは…。 あの手紙は…→

僕が書きました。

あなたに つきまとっていた→

坊谷一樹を殺したのも 僕です。

うう…!

ああ…!

あなたにとって 良くない男だと思って→

始末して埋めました。

ですが…→

供養してやってほしいと 思っています。

手紙に書いた事は 僕の本心です。

平成26年の10月に 私に届いた1通目も→

あなたですね?

はい。

やはり 坊谷一樹殺しは ヤロポロクの仕業じゃなかったわ。

聞かないんですか?

課長の最も知りたい事を。

あとは あなた方に任せる。

我々には 何もしゃべりませんよ。

課長が現れるまで ずっと だんまりだったんですから。

ヤロポロク・アレンスキーは 今 どこにいますか?

もういません この世には。

僕が殺しました。

なぜ?

仕事としてです。

暗殺?

頼まれました。

ヤロポロクは ロシアにとって 裏切り者ですから。

傭兵として戦った時に 敵兵を殺したのと同じ→

あくまでも仕事です。

だから痛痒は感じません。

けれど 坊谷一樹に関しては…→

仕事ではなく 自分の意志で殺害しました。

初めての経験でした。

そしたら…→

罪の意識が芽生えたんです。

不思議ですね やった事は一緒なのに。

あなたは美しい。

目を奪われました。

おちょくってんのか お前!

冠城くん… 冠城くん!

彼は おちょくってなどいませんよ。

標的を始末したあと→

たまたま目に入った 写真立ての女性に目を奪われた。

これが彼の真実です。

そして それは 坊谷一樹殺害の動機にも繋がる。

そんなの わかってますよ。

殴ってやる きっかけが 欲しかっただけです。

あなたが殴る事ないわ。

ヤロポロクの遺体は→

アメリカ側が 隠密裏に処理したと思います。

入居者の雰囲気が変わったのは そのせいですね。

ひそかに ヤロポロクの遺体を運び出し→

代わりに よく似た人間を 住まわせたのだと思いますよ。

亡命で渡米したはずの ヤロポロクが→

日本で殺されたとあっては一大事。

発覚を恐れたのでしょう。

ええ。

アメリカ側が隠している以上→

ロシア側が この件に触れる事は ないでしょうねぇ。

暗殺を白状するようなもの ですからねぇ。

ふと思ったのですが ヤロポロクは→

暗殺のために留め置かれたのでは ありませんかねぇ。

日本にですか?

常盤臣吾は ヤロポロクの潜伏先を→

ロシア側から伝えられたと 言っていますが→

ロシアとて そう簡単に 潜伏先をつかめるとは思えません。

アメリカ側からの 情報提供でもない限り。

アメリカとロシアが結託して→

ヤロポロクを葬った っていうんですか?

ロシアにとって 裏切り者のヤロポロクですが→

アメリカにとっては→

招かれざる客だったのかも しれませんよ。

まあ 単なる妄想です。 真に受けないでください。

さすがは杉下さん。

あんな わずかな手がかりで 犯人検挙まで持っていくなんて…。

わずかな手がかりって?

なんでもない。

質問に答えるわね。

自分なりに禊を済ませた上で もちろん再挑戦するつもりよ。

次の総選挙には 出馬されるんですね。

雛子さん この事件の捜査に なんか噛んだんですか?

ちょっとした情報提供よ。

詳しく。

こっちの事はいいから 質問を続けてちょうだい。

あっ…。

じゃあ 再挑戦の勝算は?

フフッ…。

勝算も何も…。

全ては 有権者の皆さんのご判断よ。

私は まな板の上の鯉。

おめえが これまで 何人殺めてきたか知らねえが…。

立件出来るのは 坊谷一樹の一件だけだ。

恐らく 極刑にはならねえと思うよ。

つまり 生きて罪を償うってわけだ。

服役したあとは 必ず 俺んとこへ訪ねてこい。

いいな?

逃げたら承知しねえぞ。

たとえ 逃げても→

地獄の底まで追いかけていくって 言ってるわ。

おはようございます。

おはようございます。

あっ。

しぶといですね 片山雛子。

てっきり このまま 政界は引退かと思ってましたよ。

それは おあいにくさま。

出家も はなから話題作り。

比丘尼姿も 政界復帰への 足がかりってとこだろう。

違うかい?

すっかりお見通しで 願いをかなえてくださるなんて→

さすがは瀬戸内米蔵ですね。

まあ 腹はどうあれ→

これで 否応なく 俺の弟子って事だからな。

半ちくは させねえよ。

よろしくご指導お願い致します。

せっかく話題を振りまいたのに 世間の評判は散々ですよね。

選挙 平気なんですか?

悪名は無名に勝る。 ん?

ええ 政界では そう言うそうですねぇ。

悪評であれ 何も立たないよりは ずっとマシ。

つまり 悪口すら嬉しい?

片山さんは 議員を辞職してから→

すっかり過去の人でしたからねぇ。

批判が多いといえども→

こんな注目を浴びたのは 久々でしょう?

相変わらず ずけずけと…。

ああ これは失敬。

しかし 目的達成のためとはいえ→

瀬戸内さんのような方を お目付け役に据えた事を→

いずれ 後悔なさるかもしれませんよ。

師匠に叱られないように 身を慎むわ。

まあまあ こんな寒いところで…。

今 お茶を差し上げますから→

どうぞ 中へお入りになってください。

ここ 事故物件だと 伺ったのですが…。

「この手記が発見される時 私は すでに殺されている」

これ 単なる孤独死ですよ。

泰造さんは 身内に 殺された事になる。 証拠はゼロ。

ひとつ 確かめたい事があります。

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≫月が 地球の影に完全に隠れてから

18分ほどが経っています。

皆既月食。

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