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死亡時の状況を 知る事が出来ました。
1人目の妻 亞矢さんは バスルームで感電死。
2人目の妻 加世子さんは プールで溺死。
3人目の妻 めぐみさんは 階段から転落死。
ことごとく 事故死として 処理されていたというわけです。
地検の検事が来たわ。
なんか 魂胆があるんじゃないかしら?
平井事件の担当 私に代えてくれませんか?
あなたに特命係の 指揮統括をやって頂けないかと。
僕は無実だ。 おわかりかな?
この捜査は 僕の指揮下で行う。
捜査権のないあなた方を 参加させるわけにはいかない。
駄目だ。 捜査資料は 一切見せられない。
上からの命令なんだ。 悪く思わないでくれ。
奴 どうやら本気で→
俺たちを 捜査から締め出すつもりですね。
さあ それは どうでしょう? 「するな」というのは→
「しろ」という事かも しれませんからねぇ。
は?
例えば お笑いの人が 「押すなよ」というのは→
「押せ」という意味。 まあ それと同じ事ですねぇ。
ここで お笑い芸人のお約束 引き合いに出されてもね…。
いずれにしても 社さんが怪しんでいたように→
僕も 彼には 何か 魂胆があるように思いますねぇ。
例えば ここへ来て→
我々の捜査権を 問題視しているのは→
いささか唐突な気がします。
確かに 捜査対象者に 脅迫で告訴されてるんだから→
捜査には参加させない っていうのは わかるけど→
捜査権を引き合いに出して 拒絶するのは→
なんか狙ってる感じがありますね。 ええ。
でも そこまでわかってて あえて飛び込みますかね。
僕の中では 平井事件の解明は 中途半端のままです。
どんな状況であれ→
おとなしく引き下がっている 気には なれませんよ。
「私は 平成19年2月16日の夜 9時半頃→
亞矢の殺害を決心して バスルームへ行きました」
「亞矢というのは 最初の妻です」
「彼女には 一種の悪癖がありました」
「風呂上がりに→
よく体も拭かないまま 髪を乾かすのです」
「これは危険です」
「もちろん めったに起こりませんが→
感電の恐れがあります」
「私は 彼女の その悪癖を利用して 妻を感電死させました」
「事故死に見せかけやすいと 思ったからです」
「もちろん 事前の準備は必要でした」
「ドライヤーのプラグの根元を さりげなく傷めつけて→
ほんのわずか 導線をむき出しにする事と→
バスマットに たっぷり 水分を含ませておく事です」
「電気が しっかり 体を流れるようにするためです」
「どうして 亞矢を殺したかというと→
もう 亞矢は 不要になったからです」
素晴らしい!
よく そこまで暗記しましたね。
その調子で 2番目の奥さんのも 聞かせてください。
「加世子も 亞矢の時と同様に→
彼女の周知の習慣を利用して 事故死に見せかけて殺しました」
「平成28年9月6日の 午後8時過ぎ→
私は 加世子殺害のために 自宅プールへ向かいました」
「暑い時期 彼女は夕食後に 必ずプールで泳ぐのです」
「プールの排水溝による死亡事故が ヒントになりました」
「泳ぐ時には くくっている 彼女の長い髪を使って→
溺れさせようという計画です」
「そのために 私は 彼女への プレゼントを用意しました」
「指輪です」
「狙いどおり 彼女の長い髪は 排水溝に吸い込まれて→
彼女は 浮上出来なくなりました」
「あとは待ちました」
「ただ じっと待ちました」
「彼女の息が切れるのを」
「私の計画は成功しました」
「私は 加世子の殺害も 成し遂げたのです」
「なぜ 私が 加世子を殺したのかというと→
彼女は もう いらなくなったからです」
いやあ 参りました!
驚異の記憶力 感服です。
ここまで来たら→
3番目の めぐみさんの殺害の 供述も お願いします。
君も 供述調書は 読んでいるのですからねぇ→
人を頼らずに→
少しは ご自分の記憶を 呼び起こしたら いかがですかね?
だから 右京さんの 正確無比な記憶を聞く事で→
自分の貧弱な記憶を 補完修正しつつ→
呼び起こそうとしてるんじゃ ありませんか。
くつろいでくれ。
特に気を使うような 場所じゃないんだよ。
で 何? 話って。
まず 2人に謝罪したい。
捜査から外そうとしたのを 怒ってると思うが→
どうか 機嫌を直してくれ。
多少の言い訳をさせてもらえれば→
平井の告訴状に基づいて 捜査している事になっている以上→
捜査対象から告訴されている 人物を外すという→
ポーズは必要だったんだ。 ポーズ?
つまり 本心じゃなかったって事ですか?
はなから そんな要請は 拒絶されると思っていた。
まあ どちらにせよ 気を悪くされたと思うので→
そこは素直に謝りたい。
申し訳なかった。
一体 何 企んでんだ?
さっき 平井の告訴状に基づいて→
捜査している事になっているって 言いましたよね?
している事になっているって→
実際には していないって事ですか?
捜査はしている。
だが 脅迫の告訴状とは無関係だ。
当然 標的は あなた方ではない。
平井は 素直に殺害を認めている。
状況的に矛盾点はなく その供述は 十分 信用出来る。
そういう判断で送検されました。
ところが 平井は供述を翻して 一転 無実を主張し始めた。
自白は 脅迫されてしたものだと言って。
どの程度だったかは わかりませんが→
恐らく 自白を無理強いする場面は あったのでしょう。
ならば 無理強いされて→
平井が どのぐらい真実を語ったか。
殺したという事以外 実は 全て でたらめかもしれない。
あるいは 半分が真実で 半分が嘘かも。
はたまた ごくわずかだが 嘘が交ざってるとか。
その辺りが気になるんですよ。
あの2人を 違法捜査で立件する?
そうだ。
それが本当だとしたら…。
本当だ。 よっぽどの暇人だな。
けど 面白そうだ。
で そんな事 俺たちに明かしたって事は?
警視庁に協力者が欲しい。
どうも我々は 警察では 目の敵になってしまうんでね。
それって翻訳すると→
我々と お友達になりたいって事ですか?
フッ…。
いきますよ。
さあ そろそろ お見えになる頃です。
ええ。
あっ すいません お忙しいところ。
助かりました。
あきれて 物が言えませんよ。
ボール遊びをしていたら 庭にボールが入ってしまったから→
開けてもらえないかなんて。
お悔やみを はるかに超える口実ですね。
さすがに 馬鹿馬鹿しすぎるから よそうって言ったんですけどね。
名案が 浮かばなかったものですから。
しかし 快く開けて頂けて 感謝します。
まあ 毒にも薬にもならない会話は このくらいにして→
本題に移りましょうか。
私に どういうご用ですか?
本題? ご用?
あっ いや ですから 屋敷の鍵を開けて頂くために…。
口実は もう結構です。
魂胆が知りたいんです。
私を ここに呼び出した 本当の理由。
だって お屋敷に入るだけならば→
こんな ややこしいまね 必要ないじゃありませんか。
ここは 犯行現場なんですから 特命最前線のお二人なら→
警察官の権限で いくらでも入れるでしょう。
あっ すいません。 あの… 特命係です。
たとえ 馬鹿馬鹿しすぎる 口実であっても→
あなたが そういうふうに 深読みなさって→
来てくれるだろうと 踏んでいました。
深読みって…。
呼び出したのは 本当に 屋敷の鍵を開けてもらうため。
それ以外の理由はありません。 ええ。
「3人目の妻の めぐみを殺したのは→
平成29年8月14日の夜 9時を回った頃でした」
「浴衣を使う事を思いついて→
この日 実行に移しました」
「着物に不慣れな人は→
履物のせいもあって 歩くのが 危なっかしかったりします」
「めぐみは 着物はもちろん→
浴衣も 着た事が ほとんどなかったので→
やはり 足元が 少しおぼつかない様子でした」
「階段には→
めぐみを転落させるための 仕掛けをしておきました」
「仕掛けといっても→
テグスを張っただけの 簡単なものですが」
「私は 下から めぐみに声をかけました」
めぐみ!
「“下りておいでよ"と」
下りておいで。
「私が めぐみを殺したのは→
彼女が もはや私にとっては 不要だったからです」
3人の奥様方は→
それぞれ浪費家だったように 聞いていますが→
それは 間違いありませんか?
そうですね。
みんな お金目当てで 社長と結婚した節があります。
それを言っちゃ 身も蓋もないでしょう。
社長も それを承知で 受け入れてたと思いますよ。
いくらでも 欲しいものは 買い与えてましたし。
となれば 奥様方へのプレゼントなども→
一流品ばかりでしょうねぇ。
同じ女としては うらやましい限りですよ。
ああ でも 不要になったら 殺されちゃいますよ。
推測と決めつけで 物を言わないように。
社長は 犯行を 全面的に否認していますから。
推定無罪。
すっかり 有名無実化してますけどね。
あれ? 先輩。
ありゃまあ 先生が ご一緒とは。
フッ…。
えっ 何がおかしいの?
いや… 社長に訴えられた4人が そろい踏みだなと思って。
お二人そろって どうしました?
現場百遍 基本に立ち返って捜査ですか?
フン…。
お前らこそ まさか 捜査してるんじゃねえよな?
我々は これ 庭に入っちゃったもんで。
いいか 警告しとくぞ。
お前らに捜査権はない。
わかってらっしゃいますよね?
ご親切に 警告 どうも。
特命最前線って 非捜査部門なんですか?
特命係です。
やっぱり 平井陽ともなると 弁護料は破格なわけ?
ここぞとばかりに 思いっきり吹っかけてます。
先輩!
どうでもいいけど トイレに いつまで かかってるんだよ?
トイレなんか 嘘に決まってるでしょ。
きっと 目当てのとこで調べてますよ。
何年 あの人と 付き合ってるんですか。
あっ ほら いました。
あんまり お帰りが遅いんで 心配しましたよ。
申し訳ない。
あまりに お屋敷が広いもので 道に迷ってしまいました。
ほら 言い訳も 俺の言ったとおりでしょ。
僕たちの警告 ちゃんと聞いてました?
もちろん。 フン。 そうは見えませんがね。
これは 亡くなった時に→
めぐみさんが 身につけていらした ものですかね?
こんなもの どこで?
ベッドの下にありました。
ご遺体を 死に装束に着替えさせたあと→
そのまま 置いておいたんだと 思いますけど。
いや その見解には異を唱えたい。
えっ?
確かに いったんは 事故として処理されましたから→
着替えさせた浴衣一式が ベッドの下にあったとしても→
不思議はないでしょう。
例えば 我々が→
お悔やみにお邪魔した あの日ならば…。
あっても不思議はありません。
…が 今あるのは おかしい。
冠城くん そう思いませんか?
事故ではなく 殺しじゃないかって事で→
あのあと 現場検証 入ってましたからね。
当然 この部屋も 調べられたはずです。
もちろん ベッドの下だって。 けど 鑑識の資料に→
そんなものが発見されたという 記載はなかった。
ええ。 発見されていれば→
ガイシャが 死亡時 身につけていたものですからね→
場合によっては 押収されるでしょうし→
少なくとも 鑑識報告には→
なんらかの記載があって しかるべきです。
つまり どういう事かというと→
これは 現場検証が終わったあとに→
ここに置かれたものと 考えられるわけですよ。
ついでに言いますとね…。
このウォークインクローゼットですが→
歴代の奥様が お使いになっていたそうです。
ですね? ええ。
つまり めぐみさんが亡くなるまで→
ここには めぐみさんの衣類が ぎっしりと詰まっていた。
しかし…。
今は こうです。
平井陽によれば 妻の死亡時 その持ち物は全て焼却した。
ところがですよ…。
これは こうして今も残っている。
何ゆえ これだけ こうして残っているのか…。
不可解ですねぇ。
すみませんね 急に。
いいえ。
ごく一般的な浴衣ですね。
プレタの浴衣ですよ。
いわゆる吊るしんぼ。
仕立て上がりを 販売しているやつですね。
ええ。 手縫いじゃなくて ミシン縫いですし。
高級な浴衣の生地というと→
綿紅梅 綿絽 綿縮→
あるいは麻縮などが 思い浮かびますが…。
これは コーマ地ですね。
つまり 高級浴衣とは言えない?
とてもとても…。
僕の見立てどおりです。 フフフフ…。
ゴーイング マイ ウェイ。 相変わらずですね 杉下警部。
フン… あとで 吠え面かくなよ。
証言を? そう。
捜査権を持たないあの2人が 捜査していた事を証言してほしい。
それと あの2人の捜査活動を 黙認していたというような→
揚げ足取りを封じるためにも→
最低1度は 2人に警告してほしい。
つまり 警告しつつ 泳がせておくって事ですね?
証拠品でしたら またあとで→
ゆっくりと お調べになったら よかったんじゃありません?
いや みんな意地悪だから→
我々に調べさせてくれないんです。
ですから 正式な証拠品となる前に→
自分の見立てが正しいか 確かめたかったもので→
あなたに無理言って ご足労願ったわけですよ。
お役に立てたのでしたら 光栄ですけど…。
でも あの浴衣の品質が どう事件と関係あるんですか?
何をどうしたらいいのか 言ってくれよ!
平井事件の証拠品だ よろしく頼む って置いていったきり→
なんの指示もなきゃ こっちだって困るんだよ!
なんの証拠だよ? 何を調べればいい?
だから 何が知りたいんだよ? お前。
杉下右京に聞いてくれ! はあ?
お前 俺の言う事が 聞けないっていうのか!?
ちょちょ… ちょっと…。
ああ…。
すいません。 続けてください。
来い! えっ…!
ちょちょ ちょちょ…。
こんな感じでいいのか?
上出来です。
ちょっと待て。
俺 評判 悪くなるよな?
特命係選んだ時点で 評判なんか捨ててるでしょ。
馬鹿馬鹿しい小芝居に 付き合わされてと→
思ってるかもしれませんけど これは 僕にとって→
大切な リスクヘッジなんですからね。
それだけ 特命係に協力する事は リスクを伴うんです。
それをわかってください。 はいはい。
万が一の時は 僕は迷わず→
脅されて 不本意ながら協力したと 主張します。
1人の主張じゃ弱いから→
それを裏付けるための証人を こしらえたんですから。
わかった。
よろしく頼むよ。
任せといてください。
大丈夫か?
気に入らないと暴力に訴える 哀れな奴ですよ。
人格が破綻してるのかもしれない。
特に はしゃいでたつもりは ありませんがねぇ…。
どうぞ。
アメフトのボールを小道具にして 邸内に侵入し→
勝手にガサ入れを行い→
浴衣を発見して 嬉々としている様子は→
はしゃいでいるように 見えたんじゃありませんか?
まあ 伊丹 芹沢両刑事の目には そう映ったのかもしれませんが。
はしゃいでいたかどうかは 置いておくとして→
手応えはあったようですね。
そうですねぇ ある程度は。
小言 頂いてる最中ですか?
いえ まだ頂いてはいません。 これからかもしれませんが。
度重なる警告を無視して 傍若無人な振る舞い→
いい度胸だな。
何しに来た? これから説教か?
いや どう手応えがあったのか→
具体的に聞かせてもらおうと 思ってな。
うん? 本日の 我々の行動の一部始終は→
伊丹さんたちから お聞きのようです。
手応えの具体的内容というと→
あの浴衣一式に 関してでしょうかね?
ええ。 あなたの推理をお聞きしたい。
それが聞きたいなら 俺たちを捜査に参加させろ。
そうだろ? 捜査は許さないが 収穫は こっちによこせじゃ→
虫が良すぎる。
言っておくぞ。
そもそも 俺らの捜査権については 一種のグレーゾーンだからな。
仕事柄 グレーは好まん。 白黒はっきりつけたい性分でね。
それと 冠城くん 君は まだ巡査だろ。
たとえ 捜査部門にいたとしても→
司法警察員としては 見習いという身分だ。
偉そうにするな。
右京さん 俺 プライド ズタズタですよ。
推理と呼べるほどのものじゃ ありませんが→
お聞かせしましょうか?
浴衣の品質については 鑑識でも 一応調べてみました。
あなたと 花の里の女将さんの 見立てどおり→
綿コーマの ごくごく一般的な浴衣でした。
帯はポリエステル 下駄は桐。
恐らく 浴衣と帯と下駄 3点セットで→
販売されていたものではないかと。
あんな普及品を 平井が買い求めるかというのが→
まず疑問です。
平井が妻に買ってやるならば 安物の吊るしんぼではなく→
恐らく それなりの価格のものを 生地から仕立ててやるでしょう。
しかし あれは いわば 殺しのための小道具ですからね。
安物でも構わない?
そういう考え方も出来るでしょう。
だけど 平井は→
同じ殺しの小道具に ダイヤの指輪を買ってる。
2人目の妻殺害の時だ。
殺害後 指輪は回収し 燃やして捨てたという事で→
現物はありませんが→
買い求めたという 宝石店の販売記録により→
間違いなく本物のダイヤの指輪→
相当に高額な代物だった事が 判明しています。
確かにそうですが 浴衣の場合→
指輪のように 思い立ってすぐ ってわけにはいかない。
仕立てるとなれば 2カ月ぐらい かかったりしますからね。
そういう労力 いとわないタイプだろ 平井っていうのは。
自分のルールを おざなりにするとは思えない。
ああ…。
指輪と同様 浴衣を 殺しの小道具と考えるならば→
殺害後 焼却処分して しかるべきです。
ところが 残っていた。 この点も大いに疑問ですねぇ。
さらに もうひとつ疑問は→
風呂敷です。 風呂敷?
ええ。 浴衣一式をくるんでいた風呂敷。
お調べになりましたか?
あれはオーダーメイドなんですよ。 それなりの品です。
浴衣とは 釣り合いが取れていない。
そのチグハグ感も 気になりますねぇ。
で それら疑問に対する解答は?
今 探しているところですよ。
わかっています。 だから 言ったじゃありませんか→
あなたの推理を聞きたいと。
それが正解かどうかは あとの話。
あなたなりの解釈が 当然 あるでしょう?
ここまで話したんだ 聞かせてください。
本人が 脅迫によるものと主張している→
平井の自供ですが→
1人目と2人目の奥様 殺害については→
おおよそ 真実を語っているように 思います。
しかし 3人目の奥様 めぐみさん殺害についての供述は→
でたらめではないかと。
受けて立つおつもりですか?
どうするか迷ってる。
向こうの魂胆は 明白じゃありませんか。
例えば 君なら どうする?
断りますね。
調教不能な暴れ馬2頭… リスクが大きすぎます。
そうか…。
ええ。
前の検事は 尻尾を巻いて逃げ出したのかい?
ここは あなたの質問する場では ありません。
前のは→
いきなり 僕を お前呼ばわりする ろくでもない奴だったが→
あんたは 多少マシだ。
さて 今日が初対面という事で→
改めて 確認しておきたい事があります。
おお! 元気だった?
伝えたい事がある。 あとで 与謝野に行かせるよ。
黙れ! さっさと来い!
これは 警告無視でも なんでもありませんよね?
我々は たまたま 通りかかっただけですから。
そんな理屈 通るんですか?
物は試し。 とがめられたら そう言ってみましょう。
右京さん ところどころ 大ざっぱですよね?
勝手に お邪魔していました。
これは どうも。 ご無沙汰でしたねぇ。
どうしました?
毛艶を確かめに。
あの田臥って検事→
日下部事務次官の子飼いだそうよ。
彼の背後で 日下部事務次官が 糸を引いているんじゃないかって。
そうじゃなきゃ 今回の脅迫の告訴に→
検察が動くはずがない。
昔取った杵柄。
内調時代のつてを 駆使しましたか?
日下部事務次官と 何かありました?
さあ?
仮に あったとしても 詳しく聞くつもりはありません。
…が 少し おとなしくしていたほうが→
身のためじゃありません?
少なくとも 田臥検事の魂胆が はっきりするまでは。
ご心配頂き感謝しますが→
何しろ 勾留期限がありますからねぇ。
悠長にしていられないんですよ。
そうですか… わかりました。
すいません。 せっかく 我々の身を 案じてくださってるのに。
いいの。 少しは 人の言う事を聞くかどうか→
試してみただけだから。
でたらめ…。
確かに そのとおりだな。
認めるという事ですか?
しかし 3人目だけじゃない。
でたらめと言うならば 1人目も2人目も でたらめだ。
なぜなら→
あの供述は 脅迫によるものだからね。
無理やり言わされた。
真実は 3人とも事故死なんだよ。
僕は殺人犯なんかじゃない。
おわかりかな?
3人目の供述が でたらめではないか→
という検事の指摘→
あなた方の受け売りではないかと 社長は言っています。
昨日のお屋敷での浴衣の一件を 報告しましたので→
そう思ったんでしょう。
そして 3件目だけでなく 1件目も2件目も→
すなわち 供述全てが でたらめだと→
お答えになりましたか…。
ええ。 改めて 強く無実を主張したと。
平井らしいな。
わざわざ 我々に そんな事 伝えてこいって?
いえ 本題は これから。
「ごきげんよう 杉下さん 冠城さん」
「与謝野から聞いたが あなた方は 随分と虐げられているようだね」
「捜査は まかりならんと 申し渡されているとか」
「しかし そんなものは屁の河童」
「お二人は 果敢に捜査を続けているようで→
その反骨精神や良しだ」
「非常に頼もしく思う」
「そこで提案だが… よく聞きたまえよ」
「僕のぬれぎぬを 晴らしてみる気はないかね?」
「僕の供述が でたらめである という事を証明してほしい」
「殺人なんかではなく 3件全てが事故死だという事を→
立証してくれ。 どうだろう?」
「ああ… なんの見返りもなく こんな事を頼むほど→
僕は ずうずうしい人間じゃない」
「それをしてくれるというならば 相当の見返りを与えよう」
「その見返りとは…」
「2人への告訴を取り下げる事だ」
「どうだ? 悪い話じゃあるまい?」
「いい返事を期待しているよ」
…という事で→
返事をもらってこいとの 仰せなんですが。
これって 我々をからかってる?
社長は いつも真剣です。
とはいえ お返事は わかりきっていますので結構です。
そう伝えます。
ご期待に沿えず 申し訳ありませんねぇ。
告訴の取り下げではなく→
金のほうがよかったかな?
欲しいだけの額をやる という事ならば…。
無理ですよ。 どんな事をしても 2人は→
社長の手下になんか なりませんよ。
手下…。
ハハッ。 人を盗賊みたいに…。
ならば 君は 僕の手下か?
そういう思いで働いています。
そうか。 よかろう。
さすれば 手下に尋ねよう。
僕は 起訴を免れないだろうか?
はあ?
本来 嫌疑なしの不起訴を望むが…→
この際だ 嫌疑不十分の不起訴でもいい。
どうかな?
嫌疑なしはおろか 嫌疑不十分でも ハードルが高すぎて無理です。
ならば 起訴猶予。
これだけ耳目を集めている 重大事件の起訴猶予なんて→
あり得ません。
どうしても起訴されるのか…。
検察は 意地でも起訴しますよ。
裁判員裁判だね?
ええ。
裁判員を買収出来ないか?
どうしても裁判になるならば 仕方ない。 裁判には付き合おう。
けれど 判決は無罪にしたい。
無罪を確実にするために 裁判員に金を握らせる。
どうかな?
判決は 多数決で決まるそうじゃないか。
死刑判決ですら 全員一致は必要なく 多数決。
フフッ…。 素晴らしきかな 民主主義だね。
多数決ならば 全員買収の必要はなく→
判事3人 裁判員6人の 計9人だから→
裁判員5人を抱き込めばいい。
聞いてるか? 無理です!
やりもしないうちから…。 やりようがありません!
いくらかかってもいいぞ。
そういう問題じゃありませんし そもそも 多数決といっても→
そこには 判事の票が必ず必要なんです。
つまり 最低1票は 判事の票が入っていないと→
多数意見も 無効という事になります。
ふーん…。 判事も買収しないと 駄目という事か…。
なるほど。
となると ハードルは高いか…。
おわかり頂けましたか?
うん。
役に立たん手下だという事がな。
しかし 浴衣は失敗だったなあ。
僕の律義な性格が災いしたね。
彼らは どこまで迫ってくるだろうね?
風呂敷について 聞きたいというのは→
どういう事でしょう?
検事さんの多くは 風呂敷を活用なさってますねぇ?
便利ですからね→
形状の様々な裁判資料を 持ち運ぶのに。
官給品 お使いですか?
ええ。
これ お願いします。 はい。
どうも。 ここ数日 音沙汰ありませんでしたね。
ええ いろいろと。
実は ひとつ お願いがあるのですが。
お願い?
それでは 早速…。
≫何が始まるのかな?
あなた方は ご招待してませんけど?
黙れ。
性懲りもなく まだ捜査してるみたいだね。
嫌がるこいつを脅して 情報を取らせたんだって?
すみません…。 特命に 調査結果報告しに行った帰り→
呼び止められまして…。
あっ ちょっと…。
特命係に 何しに行ったんだ?
チェスの時間じゃないもんね。
まさか 奴らの違法捜査に 協力なんかしてねえよな?
事実を ありのままに言いました。
あれだけ警告したのに→
ここ数日も あちこち動いてたでしょう?
平井の屋敷の付近を うろうろしたかと思えば→
近くの大型スーパー のぞいたり 地裁へ行ったり 地検へ行ったり→
ああ~ 忙しい!
なんなら 詳しい日時も言おうか?
あれ? マジで俺たちを監視してます?
されたくなかったら 余計なまね するんじゃねえよ。
なんか お取り込みの様子なので→
私 出直しましょうか? いえ それには及びません。
何が始まるか よろしければ→
ご覧になっていたら いかがですか?
ええ そうさせてもらいましょうかね→
せっかくだから。
では 改めて。
ビデオメッセージですよ。
本当は 直接 会って 伝えたいのですが→
会わせて頂けないもので 仕方なく。
与謝野先生 こちらへ どうぞ。
いつでも どうぞ。
今日 こうして あなたへメッセージを送るのは→
あなたの3人目の奥様 めぐみさん殺害についての供述は→
やはり でたらめ。
真相は こうだったのではないか という事が→
かなり鮮明に見えてきたからです。
ご承知のとおり その鍵となったのは→
お宅で発見した浴衣一式でした。
殺害の小道具とはいえ なぜ あのような普及品を使ったのか?
それは 前の2件が 計画的犯行だったのに対し→
3件目は 突発的犯行だったからなのです。
突発的犯行 すなわち 計画外ですから→
当然 あなたにふさわしい 贅沢な小道具が準備出来ず→
あのような普及品で→
お茶を濁す事に なってしまったわけですよ。
実は そのヒントとなったのは→
浴衣をくるんでいた風呂敷でした。
既製品ではなく あつらえの風呂敷です。
ある意味 くるまれていた浴衣とは 対照的な代物でした。
どういう事なのだろうかと 思いを巡らせた時→
非常に素朴な しかし 重要な一点が→
気になり始めました。
この風呂敷は あなたのものなのだろうか? と。
一方で 浴衣を含め 風呂敷が発見された状況が→
よみがえりました。
めぐみさんの遺品は 一切合切が 焼却処分されていたのに→
これだけが残っていた。
しかも 家宅捜索をすり抜けて。
勘案するに この風呂敷は→
あなたのものでは ないのではないか。
故に 処分に躊躇したものを→
ああいう形で 発見されてしまったのではないか。
そんなふうな考えが 脳裏をよぎったのです。
そこで 我々は 風呂敷が 誰のものかを調べ始めました。
ああ 先ほどの地裁に行ったり 地検に行ったりというのは→
その調査なんですよ。
地裁や地検で 持ち主がわかるんですか?
やみくもに 調査してたわけじゃありません。
とりあえず 目星を付けて その裏付け調査で地裁や地検に。
地裁には 民事裁判の記録を 閲覧に行ったけど→
我々の情報だけじゃ検索出来ず→
ならば 刑事裁判の記録を求めて 地検に行ってみたけど→
なんのかんのと理屈をこねられて 閲覧出来ず。
それでも なんとか彼のつてで 求める裁判記録が閲覧出来→
そのおかげで 東京地検公判部の検事さんに→
お目にかかる事が出来ました。
色目も柄もいいので 気に入って使ってるんですよ。
ええ ええ ええ。
弁護士さんでも 風呂敷をお使いになってる方は→
いらっしゃいますよね? まあ 検察官ほどの→
普及率ではないにせよ。
たまにね。 まあ 数は少ないですけど いますよ。
弁護士の与謝野慶子さん 覚えてます?
一度 法廷で対決なさってますよね?
ちんけな窃盗犯の 国選弁護についた時です。
派手めな美人なんで よく覚えてますよ。
あっ… そうだ 彼女 風呂敷 使ってたな。
我々は あなたの弁護士である 与謝野慶子さんこそ→
風呂敷の持ち主ではないかと 目星を付け→
法廷で与謝野さんと対決した 検事さんを捜し出し→
与謝野さんが法廷で 風呂敷を使っているという→
証言を得る事が出来ました。
あつらえの あの風呂敷→
与謝野さんのものでは ありませんかねぇ?
おっと これは 目の前のご本人に 直接聞いたほうが早いですね。
仮に そうだったとしたら なんだとおっしゃるんですか?
まず こちらの質問に お答え願えませんかね?
答えは保留します。 続けてください。
残念ながら 与謝野さんから→
明快なお答えは 得られませんでしたが→
とにかく先へ進めます。
我々は あの風呂敷が→
与謝野さんのものだと 思っています。
つまり あなたのものではない。
そして 実は くるまれていた浴衣も→
あなたのものではないんです。
正確に言うならば→
あなたが ご自分で 調達したものではない。
だから あなたは 処分する事を躊躇したんです。
やはり 持ち主に返却すべきではないかと→
思ったんです。 さて 浴衣ですが→
浴衣を調達したのは 与謝野さんではありませんかね?
あっ これも 目の前のご本人に 聞いてみましょう。
お答え頂けるといいのですが…。
浴衣を調達したのは あなたですね?
平成29年8月14日の夜。
そう めぐみさんが亡くなった夜ですよ。
なんの根拠もなく 言ってるんじゃありません。
さっきの 平井の屋敷の付近を うろうろしたかと思えば→
近くの大型スーパーをのぞいたり ってのが この調査。
屋敷近くの防犯カメラの位置を 確認したり→
そのスーパーで 夏場 浴衣を売ってたかどうか→
確認したりしてた。
彼が調べてもらったのは…→
ああ 改めて聞きますが→
君は調べてもらうのに→
本当に 青木くんを脅したんですか?
脅しました。 目撃者も多数います。 なんなら確認を。
冠城さんも 切羽詰まってたんだと思います。
僕は 罪を憎んで人を憎まずですから→
どうか この件は穏便に。
失礼。 あっ…。
調べてもらったのは 8月14日 午後9時前後の→
平井邸付近の 防犯カメラの映像です。
あなたが 映ってらっしゃいましたよ。
スーパー グースの袋を持って…。
あなたは あの夜→
大型スーパー グースで 浴衣セットを買い→
平井邸へ届けた。
そうですね?
調べたのは 防犯カメラの 映像だけじゃありませんよ。
Nシステムで記録も調べました。
それを解析すると→
あなたは 8月14日の 午後8時過ぎに ご自宅を出発し→
大型スーパー グースに 立ち寄って→
午後9時前に 平井邸に 到着している事がうかがえます。
先ほど 3件目は→
突発的犯行だったと 申し上げましたが→
計画的だった前の2件と違い→
殺してしまったあとで 事故死に見せかけるのに→
あなたは苦慮しました。
そこで 与謝野さんに連絡をした。
なんとかしてほしいと…。
ちなみに 8月14日の 平井陽との通話記録も調べました。
あなたは 平井と 何度か電話でやり取りしてますね。
ちょい ちょい ちょ ちょ ちょ ちょ…。
お前は黙ってろ。
補足したほうが わかりやすいでしょ?
着慣れない浴衣の裾に 足を取られて転落死というのは→
与謝野さんの考えた筋書きだった。 そうではありませんか?
小道具である浴衣も 与謝野さんが調達した…。
そういう事なんです。
社長へのメッセージというのは 口実。
私を追い込むために こんな場を設けたわけですね。
あなたは 3件目の真相を ご存じのはずですから→
ぜひとも お聞きしたいと 思いましてねぇ。
平井陽に聞いたところで無駄→
のらりくらりと かわされるだけでしょうからね。
非常に興味深く拝聴致しました。
どうです? 先生。
場所を変えて もう少し詳しく お話をお伺い出来ればと→
たった今 思い立ったんですが。
任意で引っ張って 脅迫で自供を取りますか?
脅迫なんかするように 見えます? 僕たち。
任意同行は お断りします。
逮捕状を持ってこいと?
浴衣の販売ルートを調べれば グースが挙がるでしょうし→
日にちも おおよその時間も わかっているのですから→
聞き込み次第では 与謝野さんが購入したという→
裏が取れるかもしれません。 そうすれば 逮捕状を…。
そんな事 ご教示頂かなくても結構。
あっ 風呂敷。
あの風呂敷 あなたのですよね?
せめて それぐらい答えてくださいよ。
ええ 随分前 社長に 届け物をした時に置いていって→
そのままになっていたものです。
やはり 返却すべき風呂敷には→
全く関係ないものを 包んだりしない。
その人に返却すべきもの 包みますよね?
変なとこ 律義なんです 社長は。
得意げに 捜査してらっしゃいますけども→
ご自分たちの足元に ご注意なさったほうが。
田臥検事の標的は お二人ですよ。
社長の告訴状を受理したのも→
異例の担当交代によって 捜査の陣頭指揮を執り始めたのも→
狙いは お二人の 違法捜査の立件だと思います。
どうして そう お思いになるのですか?
田臥検事も私も→
しょせんは 法曹界にうごめく 同じ穴のむじな。
そもそも根っこは一緒で→
たまたま 検事 判事 弁護士と→
三者に分かれて 戦っているにすぎません。
なんとなく 相手の考えが読めるんですよ。
なるほど。
不起訴?
理由を聞かせてもらおう。
理由は開示していません。
とにかく 不起訴という決定を下しました。
つまり 僕を脅迫した あの4人は 野放しという事だね?
そんな事より→
あなたには 新たな弁護人を 選定して頂く必要があります。
なんだと?
与謝野慶子は 犯人隠避の容疑で逮捕されました。
平井めぐみさん殺害に関して→
見聞きした事を 洗いざらい ぶちまけてもらおうか。
与謝野慶子 ようやく供述を始めたようです。
ちょっと待てよ!
離してよ! この変態!
あの夜 平井は バルコニーで→
妻 めぐみと いさかいになり→
カッとなって 階段から突き落としてしまった。
平井は すぐに冷静になり→
弁護士の与謝野慶子に連絡して→
とにかく事故死に見せかけろと 命令した。
まあ そのあとは おおむね あなた方の想像どおりです。
そうですか。
いずれにしろ 3件目の犯行に 第三者が関与していて→
それを裏付ける証拠と供述が 取れた事は→
平井の起訴に向けて 非常に大きな成果でした。
礼は いらない。
そんな事より 俺たちを立件するんだって?
彼女から聞いたんだってな。
やはり 本当か?
首を洗って待っててください。
君もだよ 冠城くん。
ちょっと待って。
どうして 俺たちを そう 目の敵にする?
お前が しゃかりきになって 立件を目指す理由がわからない。
そもそも俺たちには なんの因縁もないはずだ。
あの人の差し金か?
僕は法を犯す者を許せないんだよ。
発見したら退治しようとするのは 当然だろ。
まあ いかように 理屈を お使いになろうと構いませんが→
いつでも受けて立ちますよ。
…と あの方へお伝えください。
立件だと?
ええ。
捜査権のない者が 捜査をしていた廉で。
ハハハ…。 本気かね?
至って本気のようです。
うむ…。
特命係の2人は 諸刃の剣です。
これをひとつの潮時と捉えるのも ありかと。
いいや まだ早い。
今のままだと 吹っ飛ぶのは彼らだけだ。
爆破するならば しっかりと 紐がついてからだよ。
紐というと…?
紐は紐だよ 大河内くん。
爆破の巻き添えを食らう…→
紐だよ。
私が命令をですか?
そうだ。
今回の平井事件の捜査に 参加しろと命じた。
いや 私は口が裂けても→
そのような命令を 特命係の2人にするような事は…。
いや したんだ。
そして 君は それを聞いていたから→
捜一の部下にも徹底した。
いやいや 私は そのような事を 全然聞いては…。
いや 聞いたんだ! とにかく 君は命令した。
そして 君は それを聞いて 部下に徹底した。
わかったな?
これはですね… 命令だ!
はっ! はっ!
思わぬ邪魔が入ったか。
まさか 刑事部長が 2人に 捜査命令を下したと言い出すとは。
命令があったとなると 違法性は問えないな。
それは 前に お話ししたとおりです。
わかった。
お役に立てず申し訳ありません。
冠城が脅していたという 特別捜査官は→
青木年男か? ご存じですか?
ちょっとな。 そうか…。
お考え頂けましたか?
まあ…→
話に乗っかってみるのも 悪くないなと思ってる。
ああ そうですか。 ぜひ お願いしますよ。
しかし 君を後悔させるような事に→
ならなければいいんだが…。
あなたの事です。
そんな心配は 全く しておりませんよ。
どうだい? 今度 ゆっくりと食事でも。
光栄ですが どうして私なんかと?
なんだか あなたが面白そうだから。
あっ… おはようございます。 おはようございます。
一向に立件されませんね。
いろいろと ご都合があるんじゃありませんか。
まあ いつ クビになるかわからないし→
出来る時に 精いっぱい 捜査しときますか。
ええ そうしましょう。
おい 暇か?
おはようございます。 おはようございます。
聞いたか? 特命係 甲斐さんの配下になるそうだぞ。
甲斐さんって 甲斐峯秋?
うん。 配下って?
手下だろう。
まあ 引っ越しとかあるわけじゃなく→
組織図上の変更らしいけどな よくは知らん。
何が起こってるんですかね? さあ。
良くない事の前触れかも。
かもしれませんが→
何か具体的に起こってから 考えましょう。
何か?
いえ そういう大ざっぱなところ 嫌いじゃありませんよ。
それは どうも。
銀婚式の招待状です。
「ご報告しなければ ならない事があります」
彼女は なぜ お前さんたちに→
助けを求めなかったんだ? 車椅子に細工が可能なのは→
家の中の人間だけ。 犯行の手口は→
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