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Original subtitles

(中田 恵)結婚? いいよ。 だって 束縛されるしさ。

(恵)遊べないじゃん。 あはは…。

(恵)まだまだ 遊んでた方がいいしね。

ははは…。

(相原 誠)鑑識課の米沢さんを お願いします。

(米沢 守)相原さん。 (相原)米沢さん!

どうも ご無沙汰です。 今日は どうして?

もちろん 米沢さんに会いに来たんです。

ええ? あっ もしかして 本部に異動の内示が出たとか?

いいえ。 相変わらず 千束署にいます。

(相原)今 その通り魔事件の 捜査本部にいます。

ニュースで見ました。 3件も起きてるとか…。

死者は出てないんで→

まだ 所轄だけの 捜査本部なんですけど。

被害者は 犯人見てないんですか?

ええ。 2人とも 背後から殴られてます。

2人… 3人では?

3人目は 今 意識不明です。

…で その3人目の爪から 採取された繊維片なんですけど。

(米沢)はあ…。

ちょっと待ってくださいよ!

所轄の鑑識が ちゃんと調べたんですよね?

いや それで なんにもわからなかったから→

こうして米沢さんに…。 私も やる事は同じですから。

いや 米沢さんなら きっと 何か手がかりを掴めるはずです!

無茶言わないでください。 私も仕事抱えてるんですからね。

(相原)違う。 僕が知っている米沢さんは違った。

あっ。

(杉下右京)おはようございます。 おはようございます どうも。

これ ゆうべ頼まれていた…。

あっ もう出来たんですか。 さすがは杉下警部。

私が抱えている放火事件です。

燃え残った資料が ほとんど英文だったもんで→

杉下警部に 翻訳をお願いしました。

そうそう。 火事といえば もうお聞きになりましたか?

青楽師匠の『火事息子』。

もちろん。 CDも手に入れましたよ。

そうですか。 なんですか? カジムスコって。

落語ですよ。 落語?

ああ!

誰ですか? 杉下警部って。

私の敬愛する刑事です。

この方ですか!

あの… 前に米沢さんが言ってた 敬愛する刑事!

ちょっと… 本人の前でそんな…。 わあ…!

お取り込み中のようなので では 僕はこれで。

すいませんねえ。 警部殿に こんな事お願いして。

いえいえ 頼まれれば なんでもするのが特命係ですから。

頼まれれば なんでもする? はい?

♪♪~

(中園照生)すでに マスコミが騒ぎ始めています。

(内村完爾)もし 4件目が起きて 人が死んだらどうなる?

捜査一課主導の 捜査本部という事になりますね。

そうなったら 今までは何をしてたんだと→

たたかれるのが我々だ。 所轄には任せておけん。

捜査一課の刑事を動かせ。 はっ!

(芹沢慶二)もう やっと事件番が 終わったばっかだってのに…。

(伊丹憲一)上等じゃねえか。

俺は そういう 卑劣な野郎は許せねえ。

そりゃ 先輩はいいっすよ。 ノンプライベートだから。

あいた…。 誰がノンプライベートじゃ。 俺はな…。

(三浦信輔) だから 急な仕事なんだって!

いや 時間を見つけて 一度帰るから。 着替え用意…。

おい トシ子! トシ子?

な? ああやって 家庭を壊す人もいるんだ。

それに比べたら お前…。 まだ壊れてねえぞ!

まだっていうところが なんとも香ばしいっすね。

やかましい お前! 行くぞ おい!

あー ちくしょう!

(神戸 尊)へえ。 捜査状況を しっかり記録してるんですね。

はい。 毎朝9時の捜査会議で 前日の報告があるんで。

この犯人 どうやら→

この地域に詳しい 人物のようですねえ。

捜査本部もそう考え→

地域に詳しいタクシーや運送会社 新聞配達所なんかを→

重点的に聞き込んでいます。 ネット捜査の方は→

どうなっていますか? へっ?

あっ この手の事件が起きると 掲示板の管理者や→

パトロール会社から 通報があります。

そういった書き込みを サイバー犯罪対策課が集めた→

ログがあるはずなんですけど。 では 我々はそちらの方を…。

そのログを見せて頂けますか?

えっ?

相原さん。

君 やはり 捜査本部の人間では ありませんね?

えっ! ああ だからか。

はい?

捜査会議は 毎朝9時なんでしょ?

あ…。 それに 捜査本部の人間ならば→

刑事は2人以上で 動くはずですよ?

昨日 捜査本部を 外されました。

あれ? じゃあ これは?

勝手に持ち出しました。 嘘…。

だって 3件目の事件は→

向島署の管轄だから 合同捜査本部が立つまで→

現場に入るなって 言われたんですよ!

いや 普通の指示のように 聞こえますけど。

もう すでに3人の女性が 被害に遭ってます。

そんな悠長な命令 納得出来るわけ ないじゃないですか!

それで外されたって よっぽど抗議したんだ。

であるならば 君は今 きっと謹慎中のはずです。

でも 謹慎といっても 今回は たった3日です。

「今回は」って…。 謹慎中に捜査をすれば→

さらなる処分を 科せられると思いますよ。

その覚悟はあるんですか?

僕 以前 米沢さんと→

警察の天下り先の横領事件を あぶり出した事があるんです。

(相原)当然 僕は その不祥事の 詳しいところを知ってるんで→

署内では 腫れ物に触るような 扱いになってて…。

だから 大丈夫です。 なんで笑顔なの?

こちら 杉下です。

失礼します。

サイバー犯罪対策課に 頼み込みました。 どうぞ。

どうもありがとう。

しかし 相変わらずですな あなたは。

捜査を外されていたなんて。

すみませんねえ お忙しいところ。

いやいや 相原さんを 押しつけたのは 私ですから。

気になる書き込みがあったら 調べさせます。

書き込んだパソコンって すぐ割り出せるんですか?

ええ。 このログの範囲の 令状請求は済んでるそうです。

(水野沙織)はい。 どうも こんにちは。

(伊丹)通り魔事件について お話を伺いたいんですが。

それなら 昨日も 警察の人が来ましたけど。

すいません どうも。 何度も。

私 これから この子と買い物なんですけど。

でしたら 歩きながらで結構ですんで。

(相原)サイバー犯罪対策課が 集める書き込みって→

目撃証言だけじゃないんですね。

極端に通り魔を賛美したり→

極端にバッシングしたりする 書き込みも洗い出されてますね。

これ 少し気になりますね。

「その通り魔 見たかも」

「女を殴ったの黒服の男だった」

「街灯の下からこっち見上げてた やばかったかも」

昨日の書き込みですね。

「通り魔 見たかも」ですか。

いや こんな書き込み 山ほどありますよ。

米沢さん。 はい。

この書き込みのアドレス ログから割り出せますか?

あ… ちょっと失礼。

(芹沢)どうも ご協力ありがとうございました。

(代田美由紀)いえ…。 (三浦)よし 次はだな…。

ここだ。 (斉藤麻紀)また警察の人?

(美由紀)何やってんの あんた。 出歩いて。

8か月までは歩けって 言われてるの!

あの… 向かいの家の人なんですけど…。

(米沢)出ました。

書き込みがあったパソコンのある 住所です。

ああ…。 3件目が起きた近くですね。

(佐々木真理子) 主人は 今 役所に行ってて…。

あ… 仕事が区役所で。

では 息子さんに お話をお聞きしたいんですが。

え…。 ≪(チャイム)

はい! ≪(相原)失礼します。

≪(相原)千束署の者です。 (真理子)どうぞ。

千束署? (相原)失礼します。

(芹沢)あっ!

どうも。 (三浦)どうも。

千束署って 捜査本部の人じゃないですか?

あ! あの天下り先の 殺人事件の時の…!

(芹沢・三浦)あっ!

近所で色々伺っていたら そんな話を耳にしまして…。

もう 随分長いようですね。

9年です。 (芹沢)9年…。

どうして 引きこもりになったんですか?

わかりません。

高校に入ってすぐ 朝起きられなくなって→

週に一度 学校を休むようになって→

週に一度しか 学校に行けなくなって…。

いじめとかですか?

いじめを受けるほど 高校に行っていません。

1年生の1学期から休学して そのまま退学しました。

普段 息子さんは 2階で何をしているのでしょう?

寝ています。

夜中に起きて テレビを見たり ゲームをしたり→

ネットをしたり… まあ そんな感じで。

つまり 息子さんの部屋には パソコンがある。

ええ。 息子さんの部屋だけでしょうか?

パソコンがあるのは。 あとは 主人の部屋に…。

息子さん 夕飯になったら 下りてきます?

以前は 部屋の前に置いて…。

でも それが 本人のためにならないって→

カウンセラーに言われて。

では 今は 息子さんに 食事を運んでいない。

はい。 そしたら 夜中に コンビニに行くようになって。

どんなにほっとした事か…。

ほっとした?

やっと 外に 出てくれるようになってって…。

どうも。 どうも。

どうも。

そろそろ 教えて頂けませんかね?

どうして あの書き込みが気になったのか。

え?

あっ ちょっと…!

杉下さん!

(相原)どうしたんですか?

あっ ここ 3件目の現場ですね。

「街灯の下から こっちを見上げていた」

そう書き込んでありましたよね。 まるで 上から見たように。

このような構図の書き込みは 他にはありませんでしたからねえ。

当然 気になりました。

じゃあ やっぱり 佐々木真人君が目撃者?

その可能性は 限りなく高いと思いますよ。

さすが杉下さん!

あっ 相原さん!

(相原)真人君! 真人君!

お願いします。 真人は そっとしておいてやってください。

(相原)真人君。 千束署の相原です。

(真理子)やめてください。

≫(相原) 君は 通り魔を見たんだろう?

≫僕に話してくれないか? 僕を中に…。

(佐々木真人) 知らない! 出てけ。

(相原) 君は 黙ってるのが怖くなった。

だからネットに書き込んだ。

(相原)それなら君のその勇気を…。 うるさい! 出てけ!

やめてください お願いします。

勝手に 部屋の前に人立たすなよ クソ親が!

何やってんだ! (相原)真人君!

君は せっかく 目撃証言を書き込んだんだろう!

≫(相原)なら 堂々と 警察に証言してくれ!

真人君 開けて… 開けてって! 相原さん。

なんですか? ちょっと…。

なんなんですか? あなたたちは。 出てってください!

申し訳ありません。

(泣き声)

目撃証言を 聞こうとしただけです!

ええ。 一番しちゃいけない 聞き方でね。

彼も母親も 敵に回してしまいましたねえ。

これで 彼から話を聞くのが 難しくなった。

彼は 人と話したがってます。 そうは見えませんでしたけど?

だからこそ 事件の事を ネットに書き込んで…。

注目されたかっただけかも しれない。

勝手な分析しないでくれ! それは あんたでしょ!

あんな状態の彼 放っとけって言うんですか?

1つ 確認したいんですけど 今日 僕たちは ここに→

引きこもりのカウンセリングに 来たんですか?

違いますよね? 事件の捜査に来たんですよね?

そんな事はわかってますよ。

だったら 我々警察官がすべき事…。

警察官である前に 人間です! はあ?

人として 放っておけない事があります。

(三浦) これ 9年前の写真なんですけど→

ちょっと よく見てください。 (増山浩二)ああ…。

帽子被って 髪の毛長くて 無精ひげの…。

ああ 彼なら深夜に来る人ですね。

えっ それ 何時頃ですか?

雑貨の搬入時間辺りだから 1時か2時頃。

犯行時間ですね。

今週の金曜日 この人 来てましたか?

さあ… でも まあ ほぼ毎日 来てます。

(相原)あっ! ご協力 ありがとうございました。

どうも。 ありがとうございます。

どうも。

(相原)ちょっと! 待ってくださいよ!

やっぱり 佐々木真人を 疑ってるんですか?

なんの話でしょう? とぼけないでくださいよ!

彼の写真なんて持ち歩いて。 ええ?

母親の話では 彼は 深夜にコンビニに行ってた。

コンビニぐらい 誰だって行きます。

それも 通り魔事件が起きた 時間帯に。

で 3件目の現場に近い そこで話を聞いたわけです。

その結果 疑わざるを得なくなった。

彼には通り魔なんて出来ません。 根拠は?

母親の話を聞いたはずです。 彼がコンビニに出かけた→

たったそれだけの事が どれほど救いだったか…。

息子の事を愛してるんです。

人は 誰かに愛されてる時→

進んで凶悪犯罪に 手を染めたりはしません。

(芹沢)今のが根拠?

僕は 昔 少年係にいました。 そこで何人もの少年を見てると→

自然とそういう事が わかるようになるんです。

息子には 愛された実感が なかったかもしれない。

なんで そんな事が言えるんです?

佐々木真人は 家庭内で 暴力沙汰を起こし→

近所に通報された事があった。 えっ?

引きこもりの男が 親を殺した例もある。

現実を受け入れるのも 我々の仕事です。

行こう。

あなたの根拠より 説得力ありますね。

今夜は この辺りを警戒しましょう。

通り魔の時間まで。

それは 捜査本部が やっているでしょう。

犯人は夜中に出歩く以上 朝は寝ているはずです。

(沙織) やだ 起きちゃったじゃない。

(相原)あの その時間→

不審な人物を見たとか ないですか?

そんな時間に出歩けません。 この子の世話があるのに。

では その時間は家に。

ええ でも うちからは このとおり なんにも見えないわよ。

ご主人は お仕事ですか? …で いつも午前様。

という事は ご主人の帰宅は 深夜0時過ぎ。

そう。 この子 私に押しつけて 私がゴミ出しに行ってる間と→

そんな時間に帰ってから この子の面倒見るだけ。

お忙しいところ ありがとうございました。

(麻紀)すいません。

あなた 奥行っちゃダメよ。 はーい。

(美由紀)気をつけて! はいはい。

♪♪~

ねえ… ねえ!

向かいの佐々木さんが怪しいの? (神戸・相原)え?

だって 昨日 入ってったじゃない あなたたちも。

あの 深夜1時頃→

出歩く佐々木さんを 見かけた事は…。

さっきも言ったけど その時間は寝てるの。

そういえば うちの人が見たって。 深夜 コンビニで。

えっ 佐々木さんの息子さんを? 違う違う。 お父さんの方!

立ち読みしてたって。 それはいつの事でしょう?

うーん わからないけど 何度か見たって。

父親って 確か 役所勤めですよね?

そう! なのに そんな夜中に何度も…。

やっぱ 変よね。

♪♪~

佐々木さんなら いつもどおり定時で帰りましたよ。

(相原)そうですか。 ありがとうございました。

毎日 5時には 退社してるみたいですね。

なのに 深夜のコンビニで 立ち読み…。

(ノック)

父親は帰ってきましたか? まだですよ!

やっぱり 佐々木真人を張ってたんですね。

やめてください!

彼は傷ついてるんですよ! この9年 ずっと。

(伊丹)この熱血先生 どっかにやってくださいよ!

その上 警察に傷つけられるなんて事が→

あっていいはずがない! シーッ! 声が大きいよ!

なんだよ おい! ちょちょちょ…。

どうしてもって言うなら 僕も 一緒にここにいます。

どうしてもなんて 頼んでねえよ!

警部殿! 我々は 万一 これが うちの主導になった時のための→

先行捜査を 命じられているんです。

そんな事だろうと 思っていました。

所轄の捜査本部の刑事とは 組めません。

僕は 捜査本部の刑事じゃありません。

(三浦)え? (芹沢・伊丹)はあ?

もういいじゃないですか 杉下さん 行きましょう。

いえ 君も一緒に ここに残ってください。

(神戸・芹沢)えっ? 彼は ここに残ると→

言い張るでしょう。 はい 言い張ります。

その場合 彼だけ ここに残していくのと→

うちの神戸君も ここに残していくのと→

どちらがよろしいですか? なんの2択ですか?

でも でも先輩。

この不安定な人だけ 残されるよりは…。

ちょっと杉下さん。 僕にも意思というものが…。

どうやら結論は出たようですね。

いつだよ! 神戸君 お願いしますよ。

ちょっと 杉下さん…。

警部補殿! 行くなら この人も連れてってくださいよ。

頼みますよ! なんだよ もう…。

(入店音)

佐々木さん… ですね?

(佐々木辰人)あ…。 探しましたよ。

(辰人) 近所に通報された事もあります。

まあ 仕方がないですよね。

夜中に あんな大きな音を立てたら。

息子さんから暴力があるとか。

(真人)全部 お前らのせいだよ! ふざけんな!

(辰人)真人! ≫(真人の叫び声)

(辰人の声)私も妻も 真人を大切に育て…→

勉強だって とやかく言った事はなかった。

だから なぜ こんなに責められるのか→

全くわからないんです。

家に帰りたくありませんか?

仕事をしてる間は→

惨めな息子の姿を 見なくていい。

まあ 妻にはすまないが→

それが今 唯一の救いなんです。

今夜は出かけないつもりか。 …って 狭いよ! もう。

あっ 出てきました こっち来た こっち来た…。

(三浦) あー 知らん振り 知らん振り。

通り魔の犯行時刻だ。 そろそろ行くぞー。

通り魔だって 決めつけないでください!

容疑があるって 言ってるだけですよ。

だったら 堂々と 聴取 取ればいいでしょ!

あっ!

どうもありがとうございました。

クソ… どこ行きやがった?

♪♪~

真人 まさか 本当に 通り魔じゃないんでしょうね?

いえ… 我々は あくまで→

彼に目撃者として お話を聞こうと…。

真人が刑務所にでも 入れられる事になったら…。

もし そうだったら 終わるのかな。

9年続いた この地獄も。

お父さんは 彼を刑務所に入れたいんですか?

相原さん。

息子さんの事 愛してないんですか?

いい加減にしてくださいよ。

うちには 16歳で時が止まった 25歳の息子がいるんです。

向かいの家の麻紀ちゃんと 同い年です。

(辰人)向こうは結婚して もうすぐ子供も…。

そんな事考えると 胸がかきむしられて→

頭の中が真っ白になって…。

(辰人)先が見えないんです。

見えてるのは 親の方が先に死ぬって事だけ。

そうなったら あいつは…。

(三浦)こんばんは。 佐々木真人さんですね?

(伊丹)こんばんは。 (芹沢)こんばんは。

どうしたのかな? ああ 今日は行くコンビニ変えたんだ。

起きるのは いつも この時間らしいねえ。

つまり これから しばらく起きてるって事だ。

聞きたい事がある。 警視庁まで来てもらえるかな?

(相原)断っていいよ。

聴取は任意だし そもそも こんな時間に言う事じゃない。

大体 捜査本部があるのは 千束署です。

いい加減にしろよ。

もし 誰かの助けが必要だったら…。

(三浦)おい… おい!

ねえ なんかあったら 電話して。

ダメだ 行こう。 よし。

どうも。 どうも。

やはり 今夜は起こさないようですねえ。

え? 思ったとおり→

警察を気にしているようです。 まさか 犯人わかってるんですか?

いいえ。 でも 気になる人はいます。

気になる人? しかし まだ証拠がありません。

(月本幸子)いらっしゃいませ。

あれ? あれ?

あの ど… どなたですか?

あっ 月本幸子です。 月本幸子…。

ああ ああ…。

先月から こちらのお店 継がせて頂いてます。

あっ そうですか。 あの 知ってる店だと思って→

待ち合わせ場所にしちゃいました。

どうぞ。 はい 失礼します。

何に致しましょうか?

じゃあ… お酒をひと口だけ。 ひと口…。

お酒 控えてらっしゃるんですか?

はい。 あの… 消えた女房が見つかるまではと。

だけど あの この店だけはいいと 自分に甘くしてるんです。

どうして このお店だけ? ここは杉下警部も来る店です。

お酒を飲んで 酔い潰れちゃいけないと→

自制心が働きますから。

尊敬なさってるんですね。 杉下さんを。

でも 実は… 誘われると 他でも つい飲んじゃうんですよね。

自分に甘くて…。

だけど あの 酔い潰れない程度にですけどね。

酔い潰れちゃったら 悪いんですか?

あなた 人誘っといて それはないでしょう ちょっと…。

やっぱり間違ってる。 あんな考え方。

それは 電話で呼び出された時に 散々聞きましたよ。

刑務所に入れば救われるなんて そんな事あると思います?

(米沢)すいませんね 悪酔いしてて…。

あの父親 もう息子に愛情ないんですかね?

そんな事考えたら なんか もう悲しくなって…。

(泣き声)

ちょちょ… ちょっと ちょっと起きてください。

ちょっと起きて。 ほらほらほら。 ああ ほら…。

これ 聞いてみてください。

相原さんの胸のつかえが 少しは下りるかもしれません。

(芹沢)ああ おはようございます。 おはようございます。 あれ?

起きてください 起きてください。 先輩 三浦さん!

3人目の被害者 意識戻りましたよー!

はい 行きますよ 行きますよー!

(恵)何かで ここを殴られて…。

(恵の声)倒れる時 とっさに 相手の服を掴んだんですけど…。

顔は見てません。

そうですか…。

服を掴んだ…。 (芹沢)ええ 犯人の服でしょうね。

佐々木真人 引っ張ってみるか。

(携帯電話)

神戸君。 はい。

ああ…。

杉下です。

3人目の被害者 意識が戻りました。

えっ。 じゃあ 早速 行きましょう。

その前に そちらの 捜査一課にいてください。

佐々木真人が 引っ張られたんですよ。

あの刑事たちに。

僕も1時間ほどで そちらへ向かいます。

1時間とは 随分 時間がかかりますねえ。

すいません。 課長の説教 いつも それぐらいかかるんで…。

なるほど。 謹慎中の捜査が ばれてしまいましたか。

服の確認は この辺でいいだろう。

あと聞きたいのは 2月4日の午前1時から2時→

君がどこにいたかって事だ。

家にいました。

でも… その時間 いつも コンビニに行くんじゃないのか?

家にいたって 証明出来る人は?

どうも。

いかがですか? 久しぶりに 昼間 外出したご気分は。

あっ これをさあ 書き込んだのは君だよね?

ちゃんと目撃した事 答えられた?

…聞かれなかった。

一課は まだ これに 気づいてないみたいですね。

ちょっと失礼。 (携帯電話の振動音)

あ…。

おや 遅かったですねえ。 (相原)「すいません」

今回は 警務の聴取受けてたんで こんな時間に…。

今 どちらですか?

結構ですよ。 あなたが来ると…。 これから 彼を家まで送りがてら→

夕食をとります。 え?

彼の家の近くで どこか 適当なお店を知りませんか?

ああ それじゃあ あの…。

向島の交差点にある ファミレスにいてください。

すぐ行きます。

相原さんが来たら 彼から話聞けなくなりますよ。

それは困りますねえ。

さあ 送りましょう。 行きましょう。

(ため息)

食事中ぐらいさ 帽子とろうよ。

食べ終わる前に 聞いときたいんだけどさ→

君が見た…。 それより→

なんで 引きこもるようになったの?

「それより」って…。

僕だけだった。 希望の高校 入れなかったの。

え?

それだけの理由? (真人)わかんない…。

でも それ以外 思い当たる事ないし…。

なんで引きこもるようになったか 自分でも わからないの?

わかんない。 昔すぎて忘れたかも。

(相原)なんだよ それ…!

あのさあ 君は どんなに両親が君の事…。

まあ まあまあ まあまあ…。

きっとさ 原因も出口も わからない中で→

君自身も苦しんでたんだよね。 もう この話は…。

そんなの ただ甘えてるだけじゃないですか。

ちょっと相原さん。 邪魔しないでください。

どっちが…。 君は甘えてる。

少なくとも そう言われても…。 (真人)そんな事わかってるよ!!

甘えてるなんて わかってる。 でも どうしようもない…。

うん わかった。 悪かった。 とりあえず座ろう。

もういいよ!

どうせ俺は変人なんだから。 ああ…。

ちょっと待て! あっ おい!

あなたのせいで 肝心の証言が聞けなかった…。

邪魔すんなっつうの! 神戸君。

はい。

君は 会計の方をお願いします。 え?

領収書は 「警視庁刑事部 臨時付特命係 組織犯罪対策部→

組織犯罪対策第五課内都合」で お願いします。

長い…!

(相原)真人君!

離せよ…! お前に関係ないだろ! 9年だぞ 9年!

引きこもった原因を忘れた? ふざけんな!

君は考える事から逃げてただけだ。 9年も!

ずっと! うるさい…!

忘れたという類いのものでは ないのでしょう。

原因は きっと アンテナの感度なのですから。

アンテナの感度? 親や教師が→

たとえ あなたのためを思って 放った言葉でも→

そこに少しでも→

親や教師自身のための気持ちが 入っていると→

あなたは 高感度で それを受信してしまう。

つまり あなたが人と話をする事自体→

あなたが傷ついてしまう事と イコールになってしまう。

人は 100パーセント誰かのためにだけ 話をする事は出来ません。

必ず 主観というものが 入りますからねえ。

たとえ それが親でも。

そして あなた自身も そうなんですよ。

ですから 相手の言葉に 主観が入っていても→

それは あなたを裏切った事には ならないんですよ。

意味わかんないよ…。 もう構うなよ。

あなたは気づいてるはずです。

さすがに9年も経てば あなたは気づいてるはずです。

家族の力だけでは すでに自分は助からない事に。

だから あなたは→

今夜 我々と あそこで食事をしたんですよ。

うるさい。 もうこれ以上 俺に構うなよ。

いいですか? たとえ あなたが逃げても→

彼は あなたを追い続けますよ。 それは わかりますよね?

そして 彼が→

あなたを犯人扱いしていない事も わかりますよね?

♪♪~

『火事息子』っていう落語だ。

『火事息子』…。

親に迷惑をかけ続け 全身に入れ墨を入れ→

当時 やくざな生業とされた 火消しになった→

大店の息子の話です。 知らないよ…。

だから 両親から勘当され 見放された。

誰もが そう思っていました。

もちろん 息子自身も そう思っていました。

しかし ある時 大店が火災に遭い→

火消しに息子が駆けつけた その時 衝撃の事実がわかります。

両親は ずっと息子に会いたかったんだ。

そのために 自分たちの大切な店に 付け火までして…。

君は愛されてる。 母親にも 父親にも。

たとえ 引きこもりだって たとえ 万一 犯罪者になったって。

♪♪~

目撃証言を聞くのを 忘れないように。

神戸君。 はい。

♪♪~

僕ではなく→

相原さんを選んだ理由が 少しわかりましたよ。

そうですか。 少しわかりましたか。

しかし いいカウンセラーに なれますね 杉下さんは。

失礼します。 遅かったじゃないですか。

目撃証言は? はい。 これ見てください。

彼 結構 絵が上手いんですよ。 なので→

見たまんまを描いてもらいました。 失礼。

いや 確かに上手いけど これじゃあ 犯人の顔は…。

(相原)ああ それは見てないって…。

やはり そうでしたか。 何が?

今すぐ在宅確認したい人がいます。 はい?

僕とした事が…。

杉下です。 どうですか?

確認したら いませんでした。

はい。 いつものように ファミレスに向かったそうです。

♪♪~

やめなさい! (相原)やめろ!

♪♪~

大丈夫ですか?

沙織さん。

♪♪~

あなたは 目撃された事に 気づいてましたねえ。

深夜 外で通り魔を 目撃した事があるかどうか→

あなたに尋ねた時…。

でも うちからは このとおり なんにも見えないわよ。

なぜ あんな言い方をしたのか 違和感がありました。

彼に 窓から目撃された。 その印象があったからだよね。

さらに あなたの発言には 気になるところがありました。

という事は ご主人の帰宅は 深夜0時過ぎ。

そう。 この子 私に押しつけて 私がゴミ出しに行ってる間と→

そんな時間に帰ってから この子の面倒見るだけ。

つまり あなたは ご主人が お帰りになった深夜0時過ぎに→

全く出かけられないわけでは なかった。

だとしたら なぜ それを隠そうとしたのか。

その時 目にとまったのが→

あなたが今 着てらっしゃる その服です。

彼は あなたを 2階の窓から目撃しました。

これ 彼が描いた絵。

この服を着た人を上から見れば 頭や体が大きく見え→

さらに 身長もわからないために 男にも見えるでしょう。

だから 黒い服を着た男って 書き込んだんだね。

夜 暗い場所で見れば 黒く見えます。

警察も 通り魔をするのは男って 先入観があるから→

緊急配備による職質も きっと男に絞られたでしょうね。

この期に及んで 否定なさるとは思いませんが→

もし するのであれば…。

3番目の被害者の爪から採取した こちら→

あなたの今 着てらっしゃる その服と照合させてください。

ああ いいね。 春頃がいいよね やっぱ。

あっはは。 いいよ。 だって束縛されるじゃん。

まだ遊んでたいしね。

(沙織の声)見られたと思いました。

(伊丹)だから 口封じに殺そうと思ったのか?

(沙織の声)殺すつもりなんて ありません。

ちょっと脅そうって そう思って…。

それ以前に なぜ通り魔なんてする?

ずっと 夫を殺したかった。

子供が産まれた時→

私が会った事もない人たちを 勝手に連れてきて→

赤ちゃん見せびらかして…。

(水野裕史の声)そういえば 連れて行きましたね。

だって 子供出来たの嬉しかったし 自慢したかったし。

赤ちゃんを連れて帰った日…。

ふーん やっぱり行くんだ。 秋川渓谷。

前から約束してたんだから しょうがないだろ。

夕方には戻るって。

(沙織の声) 出産から帰ったばかりなのに→

友達と遊ぶ約束入れてて…。

冷凍庫を開けたら→

凍ったペットボトルが足の上に…。

痛くて泣いたのに あの人→

その凍ったペットボトル持って 友達とバーベキューに…。

(裕史)ただいま。

(沙織の声)病院で診てもらったら 骨にヒビが…。

そんなひどかったの?

(沙織の声)それからです。 あの人に殺意が…。

(裕史の声)ああ ありましたね そんな事。

でも そのあとは 会社休んで 子供の面倒も見たし→

それに今だって 夜中は 僕が子供の面倒見てるんです。

その間 奥様は ファミレスに行っているそうですね。

ええ。 息抜きだって。

でも 僕は それに対して 文句一つ言ってないし…。

うちの子 夜泣きがすごくて大変なんです。

夜泣きがすごくて大変なのに→

隣で酒の臭いさせて寝てられると すごい腹が立って…。

そういう子育ての愚痴だって 僕は嫌がらずに聞きます。

おふくろからアドバイス聞いて それを伝えたりして…。

子育ての大変さを訴えても→

僕の母親は働きながらやった みたいな事言われると→

すごい頭にくる。

そうなったら もう 何もかもが腹が立って…。

妻を労わる言葉にも 夫の主観は入るのですねえ。

彼女 子供を産んだばかりの時期で→

アンテナの感度が 高かったんですかね。

だからって 妻を裏切ったわけじゃないのに…。

でも 暴力も浮気もなかったんだろ?

だから離婚出来なかったの。 したら私が悪者になる。

あの人を殺しても→

保険金だけじゃ 子供と2人 生きてく自信ないし…。

そんな事ばかり考えて 毎日が地獄で…。

(沙織の声)そんな時 ファミレスの帰りに…。

(沙織の声)こんな時間なのに 結婚してるのに→

私より自由に見えて…。

(沙織の声)そういう女を 見る度に…。

(米沢)えっ?

なんで人が貸したCDを また人に貸すんですか!

すいません あの… 成り行き上。 成り行き…?

今度 今度 絶対返しますんで! じゃあ また。

失礼します。 ちょっと!

なんなんだ あの人は もう…。

そう。 まだ続いてるんだ 引きこもり。

そう簡単に解決される問題では ないのでしょうねえ。

でも あの父親は→

まっすぐ 帰ってくるようになったって。

相原さん まだ あの家族と 連絡取り合ってるみたいだけど→

もう首を突っ込まない方が…。 (携帯電話)

(携帯電話) 噂をすればです。

はい 相原です。

はい。 ほんとですか?

それは よかった。 はい どこですか?

わかりました。 すぐ行きます! はい。

あの… 行くって どこに? 彼が床屋に行くそうです。

は? すごくないですか?

こんな昼間から出かけるんですよ。 まさか その床屋に行くんですか?

ええ 行きます。 3日間の謹慎 解けたんでしょ?

そんな事やってて 大丈夫なんですか?

ああ それなら また3日延びたんで。

え? だから 大丈夫です。

いや なんで笑顔なんだよ。

杉下さん 合同捜査 本当にありがとうございました。

合同捜査って…。 神戸さんも。

相原さん 今度は 事件の起きていない時に→

そして 君が謹慎中ではない時に→

ゆっくり 特命係に お茶でも飲みに来てください。

はい! じゃ。

ぜひ!

頑張って。 神戸さんも。

じゃ 失礼します。 じゃあ。

失礼します。

(2人)こんにちはー。

ねえ ねえ あなた→

通り魔 捕まえるのに 協力したんだって?

えっ? そうなの? そうなのよ。 すごいじゃない!

♪♪~

引きこもりを脱する日 くるんですかね?

くると思いますよ。 それも そう遠くない将来に。

根拠はあるんですか? ありますよ。

だって 彼 愛されてますから。

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