All language subtitles for 相棒15th#08

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Original subtitles

甲9号証。

これは 犯行が行われた 宮ノ葉公園近くの→

防犯カメラの映像です。

ここに 被告人が映っています。

時刻は 9月23日 夜8時7分。

犯行が行われたと推定される 時刻と合致します。

裁判長 その証拠については→

信用性を争う旨をお伝えしました。

弁護人 どうぞ。

この証拠は 見てのとおり 画像が極めて不鮮明であり→

これが 被告人本人であるかどうかは→

はっきりと確認は出来ません。

確かに この映像だけでは→

被告人であると言い切る事は 出来ないかもしれません。

しかし 同じ時間帯に被告人は 同公園内にいるところを→

通行人によって目撃されています。

その通行人に この写真を見せたところ→

同一人物であるという証言が 得られました。

この事から この写真に写っている人物が→

被告人である事は間違いないと 検察は主張します。

弁護人 何かありますか?

ありません!

続いて 証人尋問を行います。

では あなたが 被告人を目撃した場所を→

指して頂けますか? はい…。

ここです。

ここで間違いありませんか?

はい。 ここで あの人と ぶつかりそうになりました。

検察側は以上です。

それでは いったん 休廷します。

再開後 弁護人の反対尋問を行います。

ああ…。

あれ? 冠城くん?

よっ 久しぶり。

この事件 俺も ちょっと関わった事件なんでね→

傍聴に来た。 聞いた。

驚いた。 冠城くんが 警察官になるなんてね。

やってみると これが 案外 面白くてさ。

それより 君は 同期たちを差し置いて→

最速で 次席検事に昇格する 勢いなんだって?

まだまだよ。

私は いけるところまで いって→

今の生ぬるい検察の在り方を 変えるつもり。

生ぬるい?

日本の検察は 有罪率99パーセント なんて威張ってるけど→

勝てないものは 不起訴にして 排除してるだけ。

罪を簡単に見逃してる。

完璧主義の君らしい。

さすが… 100パーセントの女。

やめてよ 冠城くんまで…。

それより さっきの証人なんだけど…。

えっ? 何? いや…→

僕の記憶違いかもしれない。

あっ… じゃあ 私 そろそろ行くね。

これからは 検察と警察→

お互い協力し合って やっていきましょう。

倉田映子検事。 ええ 噂は聞いています。

なんでも 彼女が起訴した被告の 有罪率は99パーセントどころか→

100パーセントだとか。

そうですか 君のお知り合いでしたか。

法務省時代 研修で一緒だったんです。

当時から優秀で→

彼女にかなう奴は いませんでした。

で 君が引っかかっている事件 というのは→

どのような事件なのでしょう?

2カ月ほど前 暇なんで 俺 伊丹刑事たちに→

くっついてた時が あったでしょう。

あの時 起こった事件なんです。

死亡推定時刻は 昨夜の8時から10時の間→

死因は失血死。

傷の形状から 凶器はナイフだと思われます。

で 身元は? 身分証がありました。

棚橋譲さん 57歳→

外務省欧州第一局長です。

自宅が この先だそうですから→

恐らく 帰宅途中に 被害に遭った っていう事でしょうね。

財布がありませんね…。

コラッ! 冠城巡査。

見学者は おとなしくしてろっつーの。

時計もありませんよ?

と 最初は 物取りの犯行だと 思われたんですが…。

被害者の棚橋譲氏は 事件の4日前に→

次期 駐ロシア特命全権大使として 内々定し→

内示を受けていた事がわかった。

しかも 彼は ロシアに対しては→

強硬派として知られていたようだ。

つまり ロシアにとって 都合の悪い人物…。

その事件ならば 覚えています。

ロシア側にとって 都合の悪い人物が→

駐ロシア大使に任命される直前に 殺された。

上層部は 神経質にならざるを得なかったと→

聞いています。 ところが 翌日→

公園近くにある中学校の 国語教師が→

犯人を見たと 名乗り出てきたんです。

夜の8時頃でした。

私は 公園の この道を歩いてきて…→

ここです!

この辺りで 急に 人が飛び出してきて→

ぶつかりそうになったんです。

40代ぐらいの男の人でした。

その人 そのまま こっちのほうに逃げるように…。

そこで その時間帯の最寄りの 防犯カメラの映像を取り寄せて→

見てもらったところ…。

止めてください!

この人です。 間違いありません。

男の写真を→

被害者の関係者に 確認したところ…。

同じ外務省欧州第一局勤務の→

中嶋祐介だという事が わかりました。

あなたは なぜ あの夜 あの公園にいたんですか?

これ あなたですよね?

私じゃない!

しかし 防犯カメラの映像に映った 男のシャツに→

血痕らしきものが 認められた事から→

目撃証言に信頼性があるとされ→

検察は 被疑者否認のまま 起訴に踏み切りました。

なるほど。 で 君は 一体 何に引っかかっているのですか?

裁判で 目撃者が 証言を変えてるんです。

証言を変えた?

それも… 微妙に。

警察で証言した時は→

こっちから この道を通り→

ここで 中嶋を見たと 言ってたのに…。

公園の この道を歩いてきて…→

ここです!

裁判では こっちから この道を通り→

ここで目撃したと。

ここです。

証言を微妙に変えていたんです。

確かに 微妙は微妙ですねぇ…。

で 気になったんで 聞いてみたんです。

ああ… 勘違いしてたんです。 よくよく思い出してみたら→

目撃したのは あの位置だったんです。

そうですか…。 それは 確かに→

ちょっと 気になりますねぇ。 ですよね?

コラッ 走んなよ! はーい。

だから 答えは イの抵抗感なの。

わかった? ああ… そっか。

もういいでしょう? あとは 自分で考えなさい。

は~い。

先生→

今日の口紅の色は 結構 イケてると思うよ。

気をつけて帰るのよ。 はい。

この間は どうも。

今時の生徒は なかなか 気の利いた事を言いますね。

あっ この人 僕の上司の…。 杉下と申します。

あの… まだ 何か?

先ほど 職員室で伺ったのですが→

例の 公園の事件があった日→

あなたは 夕方6時に 職員室を出ているそうですねぇ。

そこから 駅へ向かう途中の公園で 中嶋を目撃した。

それが 夜8時前後。

しかし ここから 公園までは 10分と かかりません。

その間 あなたは どこで 何をなさっていたのでしょう?

どうして 警察が 今になって 事件の事を調べてるんですか?

おかしくないですか?

何か 調べられて 困るような事でも?

とにかく… 今は 裁判中なので→

事件の事は 誰にも話さないようにと→

そう 検事さんから 言われていますので。

失礼します…。

今の 倉田映子に口止めされてる って事でいいんですかね?

そう受け取れましたねぇ。

ここが 殺人現場です。 時間も ちょうど 今頃です。

ここで 犯人は 被害者を殺害。 財布と時計を奪って 逃亡…。

道に飛び出し ここで 目撃者と ぶつかりそうになった。

…にしても この辺りは かなり薄暗いですねぇ。

確かに。

ここで はっきりと 中嶋の顔を見たと主張すれば→

有能な弁護士ならば→

疑問を呈してくる可能性 ありますねえ。

ええ。 今回の事件は 目撃証言が 鍵になっていますからねぇ。

確かに その辺りは 重要なポイントになるでしょうねぇ。

ここが 裁判で 目撃したと証言した場所です。

ここならば はっきり見えますねぇ。

もしかしたら 倉田検事は→

裁判を有利に進めるために 証言を修正した…。

もし 有罪率100パーセントを 維持するために→

証言を修正したのだとしたら 大問題ですねぇ。

ですね。

こんなに夜遅く 何かな?

明日も裁判抱えているし 忙しいんだけど。

悪い。

こちら 僕の上司の杉下警部。

杉下です。 夜分遅くに申し訳ありません。

どうも。 …で 何か?

冠城くんから聞きました。

今回の事件ですが 目撃者の証言が→

警察と法廷では 微妙に食い違っているとか。

ああ その事ですか。

目撃者の田村紗季に 話を聞いた時→

どうにも 記憶が あいまいだったんで→

その日の事を 順を追って 思い出してもらったんです。

そしたら 夕方6時に学校を出て→

学校近くの商店街を→

ウィンドーショッピングしていた事を 思い出してくれたんです。

だとすると 犯人を見た場所も→

当然 違ってくるはずだと 確認したら→

ここだったと思い出してくれた というわけです。

なるほど。 一応 筋は通ってますね。

しかし 彼女 警察の事情聴取では→

はっきりと ここで見たと言ってたし→

昼間 会った時の態度も なんだか…。

冠城くん。 はい。

証人に会うなんて どうかしてる。

大体 一度 送検になった事案に→

警察が首を突っ込んでくる事自体 ちょっと びっくりなんだけど。

申し訳ありません。 細かい事が 気になってしまうのが→

彼の悪い癖でして。

狙いどおりなら これで動いてくれるはずですが。

ええ。

よろしいですか?

君か…。 どうぞ。

朝食は 毎朝 こちらで とられていると聞いたもので。

君の事は 気にはしていたんだよ。

男の検事たちが 出世頭の君を失脚させようと→

鵜の目鷹の目で 君の弱みを探っているって→

噂を聞いたんでね。

男の嫉妬っていうのは→

女のそれより よほど たちが悪いから。

そのようですね…。

コーヒーを。 かしこまりました。

…で 何かな? 何か話があって来たんだろう。

確か 事務次官ですよね? 冠城亘を警察に送り込んだのは。

あいつが 何かしたかな?

大した事ではないんですが…。

ご依頼の件です。

どうもありがとう。 悪いね いつも。

特命には 捜査資料 貸してくれるはずもないしね。

いえいえ。 それより尊敬します。

いまだに この事件と ロシアとの関係を疑う者もいて→

上層部は 気をもんでいるようですからね。

そこに あえてメスを入れるなんて さすが 特命係です!

ちょっと 気になる事が あったものですからねぇ。

そうですか…。

あっ それと もうひとつの件は 少し 時間がかかります。

構いませんよ。 元々 無理なお願いですから。

もうひとつのお願いって?

最初の証言が真実ならば 目撃者は 被疑者を目撃する前に→

公園の北側に行っていた という事になります。

で その辺りの防犯カメラを 手当たり次第 当たってくれと。

気が遠くなるな…。

いえ おやすいご用です。 では 僕は。

ああ お茶でも…。 いいっすよ。

そうですか。 うん。

まあ せいぜい 今のうち 使ってくださいよ。

お待たせしました。

いらっしゃいませ。

なぜ 俺が お前を呼び出したか わかるか?

まあ 長い付き合いですからねえ。

さしずめ 倉田映子から クレームが入った。

警察が 検察のやる事に 首を突っ込むな。

そんな事してたら→

円滑な協力関係が不可欠な 両者の関係は成り立たなくなる。

まあ そんなとこですか?

事務次官の立場としては イエスだ。

が 俺個人としては…→

楽しんでる。

お前と杉下という男を見てると 退屈しない。

だが 今回は まずい。 やめておけ。

やはり 裏で ロシアが関係しているとか?

実行犯が中嶋だとしても→

彼は ロシアに 計8年も駐在していた外交官だ。

可能性がないわけじゃないだろう。

だったら なおさら。

お前や杉下に責任を取れる 問題じゃないって事だ。

仮に もし 俺が手を引いても 杉下さんは そうはいきませんよ。

あの人 一度 事件に噛みついたら 離れないですから。

そこは… お前が なんとかするしかないだろう。

もし この件で 特命係が消えてなくなれば→

困るのは 杉下との仕事を 希望しているお前じゃないのか?

なんだ? 朝っぱらから。

お二人に 折り入って お願いがあります。

おはようございます。

行きますよ。

行くって? 今回の事件ですが→

やはり 犯行のタイミングが 気になります。

被害者が駐ロシア大使に 任命される直前に殺された。

…というのが いかにも という感じがしませんか?

じゃあ 今度は 事件そのものに疑問が?

もし 検察が 証言を操作したとなると→

冤罪の可能性すら ありますからねぇ。

確かに。

犯人は 裏にロシアが絡んでいると 思わせようとした…。

だとすれば 今回の事件には→

内々定の事を知っていた人物が 絡んでいる→

という事になりますねぇ。

内々定の事を知ってた人間は 外務省の中でも限られるはず。

実際 被疑者の中嶋は 知る立場にはなかった。

あとは 被害者がプライベートで 誰に話していたかですねえ。

まずは 話していた可能性の高い 人物を当たってみましょう。

どうぞ。 すみません。

実は 棚橋から→

大使になるっていう話は 聞いてなかったんです。

事件のあと 事務次官に伺って 初めて知りました。

そうですか…。

しかし なぜ 奥さんにも 話さなかったんですかね?

さあ…。

何事においても 慎重な人でしたから→

きっと 本決まりになったら→

話すつもりだったんじゃ ないでしょうか?

なるほど。 あの…→

もう よろしいでしょうか?

私 これから 夫の裁判の傍聴に 行かなきゃいけないので。

わかりました。 失礼します。

おや…。

これは 奥様のテニスラケットですか?

ええ…。 ロンドンに 駐在している時に始めました。

こう いいコミュニケーションに なると思って。

それが 何か?

いえ 確かに テニスは→

格好のコミュニケーションツール ですからねぇ。

ああ これは失礼…。

では。

特命係のお二人は こんなところで 何をしてるんでしょうか?

さては 内村部長の命令で 我々を監視ですか?

監視じゃねえよ。 捜査をやめさせに来たんだよ。

困るんですよね… 警察が 検察に盾突くような事をすると→

あとで無駄な再捜査させられたり 意地悪されるんですから。

それにしても よく ここがわかりましたね。

そりゃあ こっちもプロですから。

そうですか。 では こちらは用が済みましたので→

どうぞ ごゆっくり。

ちょっと すみません…。

さて 冠城くん 次へ行くとしましょうか。

次は どちらへ?

コミュニケーションツールです。 はい。

間違いありませんね ここです。

中嶋が会員になってる スポーツクラブは。

インドアのテニスコートも あるようですねぇ。

それが?

捜査資料に 中嶋の経歴がありました。

学生時代 テニスの選手として→

国体に出場した事も あるそうです。

そして 棚橋夫人も テニスをしていた…。

都内でテニスが出来て→

なおかつ 外交官夫人に ふさわしい場所というのは→

非常に限られます。

中嶋と棚橋夫人に 接点があったと?

会員名簿で 2人が同時期に 在籍していた事が確認されれば→

その可能性は高くなりますねぇ。 まあ それは。

そもそも 棚橋夫人は→

夫の大使 内々定を 本当に 知らなかったのでしょうかねぇ?

大使に赴任すれば 夫人が中心となって→

パーティーや夕食会を開き 要人をもてなす必要があります。

そのための準備や心構えも ありますからねぇ。

夫人には 真っ先に知らせるのが 極めて当然だと思いますがねぇ。

では 夫人は嘘をついていた?

行きましょう。 そうしましょう。

申し訳ありませんが→

会員名簿は個人情報ですので お見せするわけには…。

それじゃあ 以前 この方が→

ここに通ってたかどうか 教えてもらえませんか?

それも やはり 個人情報に当たりますので…。

≫支配人。

失礼します。

令状を取る以外に ありませんかねぇ。

捜査権もない特命係が→

令状なんて 請求出来るわけない事ぐらい→

わかってますよね?

どうぞ お引き取りを。 ご苦労さまでした。

まさかとは思っていましたが 君でしたか。

捜一のお二人に 行き先を教えていたのは。

日下部さんに言われて もっともだと思ったんです。

今回は国際情勢も絡んでる。 軽はずみに捜査して→

真相を明らかにすれば済む 問題じゃない。

だからといって 僕が止めても→

右京さんは 捜査をやめる人じゃない。

こうするしかなかったんです。

理由はどうあれ 君 上司に内緒で 勝手に行動しすぎですよ。

ああ…。

帰る前に 何を調べてるか 教えて頂けませんか?

はい?

どうします?

はあ…。

あそこまで聞いちまったら 調べるしかないだろ。

捜索令状 取れ。 はい。

あなた 2年前まで→

あのスポーツクラブに 通ってましたよね?

同じ時期に 被疑者の中嶋も 在籍していました。

そこで 中嶋とは→

知り合っていたんじゃ ないですか?

さあ…。 覚えてません。

他にも 大勢 会員はいましたから。

テニスのコーチが 思い出してくれました。

あなたが 中嶋の車に乗るのを→

見た事があるそうです。

それも 何度も。

我々もプロなんでね…。

「その気になれば→

詳しく調べる方法は いくらでもあるんですよ」

「黙秘します」

「弁護士を呼んでください」

ありがとうございます。

僕らに代わって 捜索令状を取って頂いて。

まさか…→

最初から 俺たちを 利用するために…!?

そんな めっそうもない。

てめえ…!

今回の事件は 犯人が 疑惑をよそに向けるために→

ご主人が大使に内々定した タイミングを見計らって→

行われたと 我々は見ています。

もし それを あなたが 中嶋に伝えたのだとしたら…。

真相が明らかになる前に 全てを話してしまったほうが→

あなたのためだと思いますよ。

中嶋との関係 認めますね?

君が 捜査一課を 操るようになるとは…。

なかなかのアイデアでしたよ。

お褒めにあずかり光栄です。

それより 今なら 法廷 間に合いますよね?

ええ。 行きましょう。

意見の違いとはいえ→

計画的に 帰宅途中の棚橋さんを待ち伏せ→

ナイフで背中を刺し→

死に至らしめるという行為は 極めて凶悪であり→

被告人の刑事責任は重大です。

よって被告人に 懲役20年を求刑します。

それでは 1時間の休憩後 弁護人の最終弁論とします。

どうしたの?

ちょっと…。

中嶋に共犯者がいた?

被害者の夫人も 共犯関係を認めています。

本当なの?

ああ。 2人は スポーツクラブで知り合い…。

不倫関係になった。

そんなふうに言われたくない!

棚橋とは→

もう長い間 仮面夫婦だった。

外交官には 夫人が必要なんだよ!

いいか。

離婚は絶対にしない。

裁判にしたところで 勝てるなんて思うなよ。

つまり 動機は不倫だった。

ご本人は 純愛を主張していますがね。

いずれにせよ 動機を見誤ったまま 裁判を進めては→

真実の追究には至らないと 思ったものですから。

わかりました。 裁判長に話します。

恐らく 裁判は休廷 捜査のやり直しとなるでしょう。

ありがとう。

よくやった!

今回の事件の裏には ロシアが絡んでる情報が→

被疑者逮捕後も飛び交っていたが→

それを お前たちが 完全に払拭してくれた。

礼を言う。

ありがとう。

おい お前ら! なんとか言わんか!

部長の せっかくのお褒めの言葉を!

ありがとうございます。 ありがとうございます。

まあ 先輩→

いつもの事じゃないですか。 ねえ。

冠城の野郎 人をコケにしやがって…。

いつか やってやる…。

フウ~! 物騒な人!

失礼します。

危うく 事件の全容を 見間違うところでした。

今日は 改めてお礼が言いたくて。

ありがとうございました。

やはり あの裁判は休廷となり→

改めて捜査という事に なったようですねぇ。

ええ。 まあ 中嶋は→

犯人に間違いないから 有罪率に影響はしないしな→

「100パーセントの女」の名に 傷は付かない。

勘違いしないでほしいんだけど。

はい?

私は そんなものを気にした事は 一度もない。

真実を突き止めたいから 検事をやっている。

それだけよ。 失礼しました。

ええ。 あなたは普段から→

素晴らしい仕事を されているようですねぇ。

検事は 通常 いくつもの案件を 受け持たなければならないため→

実際の現場に行ったり→

自ら事件を調べる事も ままならないようですが→

あなたの場合は 疑問があれば→

自らの足で捜査をしていると 聞きました。

検事として 真相究明するのは当然の事です。

むしろ そうしない検事のほうが おかしいと思いますが。

しかし 今回の事件も→

全ての真相が究明されたわけでは ありませんねぇ。

え? 例の目撃証言です。

中嶋が目撃されたのは→

やはり 最初の証言の 場所だったのではないか…。

僕には どうしても そう思えてならないのですが。

その事は 本筋とは関係のない話だ と言ったはずです。

じゃあ 私はそろそろ。

ああ その前に ひとつだけ。

なんでしょう?

今日は 裁判所からの帰りですか?

ええ。 これから 検察庁に戻るところです。

検事の皆さんは 法廷に 書類や証拠品を持ち込むのに→

風呂敷を使っていますね。 風呂敷は官給品だとか。

ですが あなたは バッグを使ってらっしゃる。

なぜでしょう?

それが何か? 趣味の問題です。

ああ なるほど。 趣味の問題でしたか。

じゃあ 失礼します。

右京さん。

細かい事が気になるのは わかりますが→

事件の真相が はっきりした 今となっては→

証言を変えたかどうか それほど問題ではないのでは?

はい? 棚橋夫人の証言からも→

中嶋が犯人である事は 間違いないわけだし→

公園内で中嶋を見たという証言も 正しかった事になる。

公園のどこで目撃したのか っていうのは もうそれほど…。

しかし 証人が証言を変えるのには それ相応の理由があるはずです。

右京さん 倉田検事が→

有罪率100パーセントを 維持しようとしてたと…?

最初は そう思いましたが→

どうやら彼女は そういう人物では ないようですねぇ。

さっき 風呂敷の事を 気にしてましたね?

それについて 思い出した事があるんです。

なんでしょう? 倉田映子は12年前→

自分が取り調べ 有罪にした男に 襲われた事があるんです。

≪何やってるんだ!

彼女を襲った凶器は スカーフでした。

同じ形状の風呂敷を使わないのは→

その事が 関係してるのかもしれません。

そうですか。 倉田検事には そのような事が…。

彼女にとって 忘れられない 事件だったはずです。

彼女の 罪を憎む強い正義感は→

そんな経験もあっての 事じゃないかと。

見つけちゃいました。

事件のあった夜8時15分前→

あの公園の北側にある カラオケボックスの前で→

撮られたものです。

これって…。

今日の口紅の色は 結構 イケてると思うよ。

これを知られたくなくて 証言を変えたのか…。

ええ。 若い女教師が 夜→

男子生徒と 2人っきりでいたとなると→

学校内では大問題でしょうからね。

これで万事解決という事ですね。

今回も お役に立てて何よりです。

よければ 今夜3人で打ち上げでも…。

青木さん どうもありがとう。 は?

ここですね。

倉田さん。

一体なんなの?

君は やはり 目撃者の証言を変えさせた。

証人が認めたよ。

えっ?

あの夜 田村紗季さんは→

男子生徒と カラオケボックスにいた。

そうだよね?

彼女は あの日の放課後…。

お先に失礼します。

ところが 行ってみると…。

本当に来てくれたんだ。

いい加減にしなさいよ。

先生!

今日 僕 誕生日なんだ。

今日 お母さん 夜勤で帰ってこないし…。

一緒に ケーキ 食べてくれるだけでいいから…。

ケーキだけね。

前から 彼を憎からず思っていた彼女は→

後ろめたい気持ちを持ちつつも 一緒に過ごした。

そして その帰り 公園の中で中嶋を目撃。

ところが 公判前 君に→

裁判では 目撃した前 どこで何していたか→

聞かれる可能性があると 告げられた。

それは困ります。

だったら 証言は出来ません。

殺人犯を このまま 見逃してもいいんですか?

それは…。

でも…。

もう一度 よく思い出してください。

あなたは あの夜→

学校から 真っすぐ 駅に 向かったのではありませんか?

だとすると 中嶋を目撃したのは→

この辺りという事になりますが 違いますか?

そうです…。

この辺りでした。

どうしても証言が取れないなら→

不起訴という選択肢も あったはずです。

犯人は中嶋だと確信してた。

不起訴になんか出来ない。

それに 証言者といえども→

自分が不利になる事は 言う必要はない。

そんな事 問題にしてたら→

証人になってくれる人は いなくなってしまう。

だからといって→

証言を修正していいという事には なりません。

それに あなたのした事は→

果たして 彼女を守ろうとしただけ なのでしょうか?

同期の出世頭として→

あなたは戦々恐々とした状況に 置かれているようですねぇ。

周囲は鵜の目鷹の目で あなたが失脚する事を狙っている。

そんな中で あなたは 少しの弱みを見せる事なく→

今日まで過ごしてきました。

実は あなたが風呂敷ではなく→

バッグを使い続けている事が 気になっていましてねぇ。

12年前 あなたを襲った出来事が→

それに関係しているのでは ありませんか?

12年前 君は 自ら有罪にした男に襲われた。

その時 君を襲った凶器は→

君が首に巻いていた スカーフだった。

12年前の事件がきっかけで 同じ形状をした風呂敷を→

使えなくなったんじゃ ないですか?

だとすれば あなたの心には→

深い傷があるという事になります。

やめて。

先ほど あなたが出てきたビルには→

事件の夜 目撃者が 男子生徒と2人で過ごしていた→

カラオケボックスがあります。

そして 同じビルには→

心理カウンセリングルームも ありますねぇ。

あなたは そこに 通っているのではありませんか?

そして あの夜も→

2人がカラオケボックスにいた時間と ほぼ同時刻に→

あなたも そこにいました。

この偶然から→

もし弁護士が 目撃者の行動を調べれば→

あなた自身の事も知られ→

それが なんらかの形で 公になるのではないかと恐れた。

カウンセリングの事が 検察庁内で知られたとしたら→

それは あなたを失脚させる 格好の材料になりますからねぇ。

ですから あなたは 証言を修正せざるを得なかった。

こう考えれば→

今回の件は 全て納得がいくのですがね。

ああ すいません。

つらい事を お聞かせしてしまったようで…。

馬鹿馬鹿しいと思うでしょうね。

実際 証人が それまで どこで何をしていたかなんて→

弁護側が裏を取るかどうかも わからない。

ましてや→

カウンセリングルームから出てくる私が 発見される確率なんて→

限りなくゼロに近い。

でも→

100パーセント保証されない限り→

安心出来なかったんです。

カウンセリングは→

私にとって 心のバランスを保つためのもの。

決して後ろめたいものではない。

でも そう思わない人もいる。

それこそ 100パーセント 馬鹿げた偏見ですがねぇ。

だからといって→

今回の事件を不起訴にするなんて→

私には出来なかった…。

だとすれば あなたは 偏見を恐れるべきではなかった。

正々堂々と証人を説得し→

裁判を戦うべきだったのでは ありませんか?

そうね。

きっと 杉下さんの おっしゃるとおりだったんです。

でも 私は そこまで強くなかった。

明日にでも 辞表を書きます。

そうですか。

とても残念です。

待ってください。

そこまでさせる必要は ないでしょう。

冠城くん ありがとう。

自分でまいた種だから 自分で拾う。

失礼します。

この事は 我々しか知らないわけですし→

事件にも影響はない。

今回だけは 不問に付してやるわけには…。

冠城くん。

それは 我々が決める事ではありません。

倉田検事ご自身が お決めになる事です。

久しぶりだね 杉下くん。

君については 冠城から 色々聞いている。

恐れ入ります。

一度 ゆっくりと話したいと 思っていた。

どんな事をでしょう?

君が考える正義について… というところかな。

正義?

例えば 今回の件だ。

はっきり言えば→

随分と余計な事をしてくれたと 思っている。

まあ…。

冠城 正直 お前にも腹を立てている。

ですよね。

これから先 彼女がやろうとしていた→

大きな正義を失う事のほうが 大きな損失だとは思わないのか?

お言葉ですが→

法を破って正義を全う出来るとは 思えません。

よろしいでしょうか?

私は 君を許さないよ。

失礼します。

今の 本気じゃないですよね?

本気だ。

これからは お前も せいぜい気をつけるんだな。

失礼します。

どうなさったんですか?

今夜は お二人 静かですね。

おや そうですか?

いつもと同じだと思いますがね。

そうですか?

ああ~!

何も 日下部さん 敵に回さなくても…。

そんなつもりは 毛頭ないのですがねぇ。

まあ そう言うと 思ってましたけど。

100パーセント。 うん?

倉田さんは→

100パーセントでないと 安心出来ないと言っていました。

法に携わる者にとって→

100パーセントは ひとつの理想ではありますがねぇ。

…かもしれませんね。

でも 100パーセントに生きるなんて 必要なんですかね?

それは それぞれの 考え方次第でしょうねぇ。

そろそろ お茶漬けになさいます?

ああ お願いします。 あっ 僕 サビ抜きで。

僕 多めで。

かしこまりました。

産廃場の被害者は 課長のお知り合いでしたか。

中学の同級生だ。

真犯人をかばってるとか?

これは 極めて重大な規律違反だ。

すぐに外れろ。 会わなくてはならない人がいます。

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