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Original subtitles

( 正助 ) ん~ おいしい? ( 朝陽 ) うん 。

パパ 粉チーズ取って 。

うん 。

はい 。 正助君 。

いちいち そうなるの やめれる? あっ すいません 。

( 朝陽 ) 一平おじさんは? んっ?

パパ 。

俺のパパ? あっ 朝陽のじいちゃんな 。

( せきばらい ) 会ったことない 。

一回も? ない 。

えっ 何で? ああ おいしいな~ 。

聞いてる? ん~ おいしい 。 ねっ ひまり 。

会いたい! 会っても面白くないよ 。

いつも むすーっとしてて 。 むすー?

笑ってる顔 見たことないもん 。

楽しい思い出とか 一緒に どっか行ったとか➡

そういうのゼロ 。

( 都 ) えっ でも 来てたよね? ふれあい冬祭り 。

一平さん歌ったとき 。

んっ? ( 朝陽 ) お祭り?

うん 。 地域のちっちゃいやつね 。

毎年 おみこしの後に のど自慢大会があって 。

えっ 一平さん歌ったんですか? 高校んときね ノリで 。

準優勝 。 えっ すごっ!

輝いちゃうのよ どうしても 。

でも 優勝じゃないんだ 。 グサッ 。

優勝は 生徒会長 。

いっつも 負けちゃうんだ その人に 。

グサッ グサッ 。 その後 誰かとケンカして… 。

武流 。 武流先輩 。 そっちも負けてたよね 。

ボッコボコ 。 負けてねえし 。

ていうか 来てないよ 親父 。

えっ… でも ちーと見たよ 。 人違いだろ 。

親父が来てたら 絶対 怒鳴られてるし 。

息子が 人前で チャラチャラ 歌うなんて 一番 嫌いなやつだからね 。

あっ 。 つうか 何で 正助君 親父と… 。

都さん 写真 撮ってもらってもいいですか?

聞いてる? 朝陽 おいで 。

撮るよ~ 。 はい チーズ 。

(携帯電話) ( シャッター音 )

♬~

よろしいですね?

はい 。

はい 。

ちょ待っ… 一応 書面 交わさせて 。

同意書… 。 いいから そんなの 。

ちょっ… 。 あっ 。

ああ… 。

家族じゃん 。

だよね 。

ファミリー 。

ファミリー!

フェミリィ 。 フェミリィ!

フェミリィ 。

ちょろいわ~ 。

( 真壁 ) 正助氏とは 和解成立ってことでいいんだな?

和解成立っていうか… うやむや?

駄目だろ それじゃ 。

同居継続の確約と➡

今後一切 利用されたうんぬん 吹聴しない確約➡

その言質を取らないと 。 言質って… いや 家族だよ?

ハァ… 。

何つって 。 あっ それよりさ➡

ふれあい冬祭りの のど自慢 覚えてる?

んっ? ああ… 俺が優勝したやつな 。

都が 俺の親父が来てたって 言うんだけど 見た?

俺は見てないな 。 うちの両親は来てたけどさ 。

おばさん ビデオ撮ってたもんな こうやって 。

「 考ちゃ~ん! 」 っつって 。

そんなことより… 。

言質ね 。 分かってる 。 取る取る 。 任せて 。

♬~

あっ すいませんでした この前 。 んっ?

あの お父さんのこと聞かれたのに はぐらかしちゃって 。

ああ… 。 あれ はぐらかしてたんだ 。

あの 実は 僕も まだ お会いできてなくて 。

そうなの? はい 。

陽菜さんと 初めて会ったときには➡

お父さん もう 群馬のホームに入ってらして➡

何回か伺ったんですけど 会ってくださらなくて 。

何で?

いやぁ… たぶん 嫌われちゃってるんだと思います 。

陽菜さんのお葬式のときも➡

体調 崩したって いらっしゃらなかったの➡

たぶん あれ 僕に 会いたくなか っ たからなのかな っ て 。

いやいやいや… 会ってもないのに 嫌われてるって➡

嫌ってる方に問題ありでしょ 。

つうか もし 本当に嫌ってたとしても➡

それで 娘の葬式に来ないって さすがに クソでしょ 。

いや クソって… 。

俺 俺 。 親父が会いたくないのは 俺 。

一生 反抗してたからね 。

のど自慢に出たのも ほとんど 親父への当て付けだし 。

親父が嫌がること やってやろうって 。

もう 20 年ぐらい会ってないね 。 え~ 。

一緒に暮らしてたときも 仕事ばっかで➡

ほとんど 家にいなかったし 。

あっ 何か 社長さんだったって 陽菜さんに… 。

社長っつったっても ちっちゃな町工場 。 孫請けの 。

朝から晩まで➡

土曜も 日曜も 祝日も 関係なく働いて➡

家族のことなんか ほっといてさ 。

俺に仕事を継がせるって 勝手に決め付けてさ 。

嫌だって言うたんびに ぶちギレられて… 。

あ~ 思い出すだけで腹立ってきた 。

すごいですね 一平さん 。

何が?

嫌だって言えて 。

僕なら たぶん 継いじゃってます 。 優しいもんね 正助君 。

楽なだけです 。

自分よりも 人を喜ばせる方が 。

そうかな?

自分と向き合わなくても できるじゃないですか 。

でも ちょっと うらやましいな 。

えっ?

うちの両親 良くも悪くも こう 無干渉っていうか 。

全然なかったです そういう ぶつかり合いみたいなの 。

ちゃんと育ててはくれましたけど 僕が成人したら➡

すぐに 2人で一緒に オーストラリアに移住して➡

それっきり 連絡もないです 。

あの… 前に 一平さん 聞いてくれたじゃないですか 。

何で保育士になったのって 。 うん 。

もしかしたら➡

自分がしてもらいたかったこと 子供たちにしてあげることで➡

埋めようとしてるのかもなって 。

不思議ですよね 。

えっ?

家族を遠ざけてた僕たちが 今 こうして 家族やってるなんて 。

あのさ… 。

⚟ ( 物音 )

えっ… 今 何か 玄関から音が 。

見てきて 。 えっ?

いやいや 一緒に行きましょうよ 。 やだよ 。 ちょっと 見てきて 。

そんな 。 行ってよ 。 ちょっ… 。

⚟ ( 足音 ) はっ? ちょちょ… ちょっと 。

ちょっと ちょっと 待って 。

いや それ 武器にしちゃうの? シッ!

あっ… 。 ちょっと 何で 一平さんが そっちにいるの!

えっ?

親父!

えっ… 。

何でいるんだ 。

こっちのせりふだよ 。 俺の家だ 。

俺だって 俺の家だから 。

あっ… ごめんなさい 。

何で謝った?

俺が呼んだんだよ 。 あの… お邪魔してます 。

勝手に いじりやがって 。

したくなかったわ こっちだって 大金かけたリフォームなんて 。

しょうがなかったの 。

あの辺なんて 床が腐っちゃってて… 。

んなことより 何で帰ってきたんだ 。

ホームは? だから ここは俺の… 。

あっ お前 まさか 俺の部屋まで リフォーム… 。

してねえよ! 俺の大事な退職金… 。

退職?

お前 仕事 辞めたのか?

辞めたっていうか 転職だよ 。 ( 平蔵 ) 工場 継がねえで➡

勝手に就職して 勝手に出てって 首になったからって➡

のこのこ帰ってきたってのか! 首じゃねえよ!

で… 出た! その決め付けな! なっ 何だと?

決め付けんなよ 勝手に! 何だよ 。 ➡

何 言ってんだ この野郎! 首じゃねえっつってんだろ!

⚟ ( ひまり ) うるさいんだけど 。

( 朝陽 ) ケンカしてるの?

あっ ごめん 。 ごめん ごめん ごめん 。

大丈夫だから 。 ねっ?

( ひまり ) 誰?

俺の親父 。

ってことは おじいちゃん?

おじいちゃん?

あっ… 朝陽 朝陽! 朝陽!

ごめんなさい 。 すいません 。

孫だよ 。 ひまりと朝陽 。

♬~

( 平蔵 ) 寝る 。 おい… ちょっと!

♬~

ほっといていいよ 。

体調 悪いとかじゃないと いいんですけど 。

( ひまり ) 死んでたりして 。

正助君 見てきてよ 。 いや ここは 息子の一平さんが 。

息子だからこそキレるでしょ 万が一 生きてたら 。

生きてたらって… 。

いいから 早く 。 いやいや いやいや… 。

失礼します 。

( 寝息 )

遺書? ノートに走り書きで➡

ほとんど 読み取れなかったんですけど➡

でも そうとしか思えなくて 。

「 そのうち 消えて なくなってしまう 」 とか➡

「 限られた時間の中で 」 とか➡

「 生と死のハザマ 」 とか 。

もしかして お父さん 何か重い病気とか… 。

でも 病気だったら 逆に帰ってこないんじゃないかな 。

ホームの方が安心できるとか 。

入られてるのって 健康型の老人ホームですよね 。

病気になったら 退去しなければならないことも 。

そうなの?

⚟ ( 朝陽 ) あっ おじいちゃん!

親父… 。 おはようございます 。

あっ すいません 。 朝陽 。

あの 朝ご飯 こちらにあるので よかったら… 。

パパのご飯 おいしいよ!

陽菜が死んで 世話かけるな 。

そんな… 。

共働きだったので もともと 家事は2人で 。

あんたの稼ぎじゃ やってけなかったのか 。

あのさ それ 何時代の話 してんの?

全然 普通だから 。

夫婦で働いて 家事 分担するって 。

金のためだけじゃねえの 仕事って 。

親父の時代が異常だったんだよ 。

おふくろのこと 家に閉じ込めて こき使って➡

おふくろが出てったら 今度 陽菜のこと こき使って 。

外で働いて帰ってきてんだ 俺は!

うちでぐらい ゆっくり… 。

じゃあ おふくろや陽菜は どこに帰って➡

どこで ゆっくりすりゃいいんだよ!

とかいって 俺も 何もしなかったけど 。

家のこととか 親父のこととか 陽菜に任せっきりで 。

けど 分かったんだよ 間違ってたって 。

正助君と ひまりと 朝陽と 一緒に暮らして 。

みんなが 頑張らなくていい場所は➡

みんなで ちょっとずつ 頑張ってつくるもんなんだって 。

親父!

長居はしねえよ 。

お前が 俺 嫌ってんのは 分かってる 。

♬~

あんたにも世話はかけねえ 。

いや そんな… 。

ふれあい冬祭りが終わったら 出てくよ 。

( ドアの閉まる音 )

ふれあい冬祭り?

⚟ご苦労さんです 。

( 真壁 ) あ~ 林さん 。 お風呂ですか?

これしか楽しみがないもんでね 。 ハハ… 。

( 男性 ) よお! すーさん!

寒いな 。 ( 男性 ) しばらく 。

入ろう 入ろう 。

( 話し声 )

( ひまり ) ふれあい冬祭りって➡

おじさんが のど自慢で負けたやつ?

負けてないから 。

準優勝じゃ駄目ですか?

ふれあい冬祭りが 終わったらって… 。

意味 分からん 。 いつ? お祭り 。

( 都 ) 毎年 12 月の第2日曜日だったけど 。

あっ じゃあ 2週間後ですね 。

(携帯電話) ( 都 ) でも もう ないよ 。 去年 廃止になったし 。

ふれあい冬祭り 。

廃止?

( 慎太郎 ) そうなんだよ 。

町会連合会の会議で決まってね 。

費用対効果が見合わないって 補助金も打ち切られちゃって 。

費用対効果? ああ 。

ここ数年は みこしの担ぎ手も足りなくて➡

担ぎ屋さん 外から雇ったりしてたからね 。 ➡

今はさ 町のお祭りなんかより 楽しいこと 色々あるでしょ 。

特に若い人はさ 。

それと… 。 ➡

そういうこと 。 ➡

あっ… 会ったよ 剣聖と パートナーの智也君 。

君には ホントに感謝してるよ 。

ありがとう 。 そんな そんな… 。

いや~ 分からないもんだな 話してみないと 。 親子なのに 。

いや… 親子だからこそ なのかもな 。

《楽なだけです》

《自分よりも 人を喜ばせる方が》

《自分と向き合わなくても できるじゃないですか》

♬~

見たよ そのノート 。

すいませんでした 。

僕が… 。 どういうことだよ それ 。

ハァ… そういうことだよ 。

何で言ってくれなかったんだよ 。

恥ずかしかったからだよ 。 決まってんだろ 。

恥ずかしい? はっ?

何 言ってんだよ 。

だから 帰ってらしたんですね 。

無理だからな ホームじゃ 。

ふれあい冬祭りは?

陽菜と約束したんだよ 。

陽菜さん… 。 何を?

んっ 。

えっ?

分かってるよ 俺が間違えてたってことぐらい 。

結婚しても同居したいって陽菜 突っぱねて➡

1人になって 初めて分かった 。

俺は 赤ん坊とおんなじだ 。 1人じゃ何もできねえ 。

飯も作れねえし 風呂にも入らんねえ 。

結局 しょっちゅう 陽菜が ここへ通ってきて➡

掃除だ 洗濯だ 飯の支度だって でかい腹 抱えてるときも 。

その頃だよな 親父がホーム入ったの 。

そうすりゃ 俺の世話なんかしないで済むし➡

陽菜 ここに住めると思ってよ 。

あの… 。

陽菜さん➡

お父さんが うちに 帰りたくなったときのために➡

空けとくって… 。

伝わんないって 。 思ってるだけじゃ 。

思ってるだけで伝わるのが 家族だって 女房だって➡

思ってたかったんだよ 。

不機嫌 まき散らかして➡

機嫌 取ってもらって 安心してた 。

俺は そういう価値のある人間だってな 。

分かってるよ!

俺の人生は 間違ってた!

けどな➡

もう やり直せねえ年になって… 答え知っても!

親父 。 答えじゃないし➡

間違ってもないです 。

お父さんは ただ➡

その時代の価値観を 生きてきただけで➡

きっと いつかは 今の価値観も変わって… 。

でも そのときに➡

お前の人生 間違ってたなんて 言われたら 悲し過ぎます 。

変化が 正しい方に 向かってるかどうかなんて➡

ホントは 誰にも分からないし… 。

だから 答えじゃないです 。

あの歌みてえだな 。 えっ?

おい 。

お前が祭りで歌った あの歌 。

まだ 話 終わってないだろ 。 一平さん 。

全部 聞き出そうとしない方が… 。

でも 病名とかさ… 。 恥ずかしいって何だよ 。

病気が恥ずかしいわけないじゃん 。

一平さんの前では➡

強いお父さんで いたかったのかもしれません 。

意味 分かんない 。

遺書が陽菜との約束って 何だよ それ 。

最後に ちゃんと気持ち伝えてって➡

言いそうです 陽菜さんなら 。

(携帯電話)

(携帯電話)♬ 「 永遠なのか本当か 」 ➡

♬ 「 時の流れは続くのか 」 ➡

♬ 「 いつまで経っても 変わらない 」 ➡

♬ 「 そんな物あるだろうか 」 ➡

♬ 「 見てきた物や聞いた事 」 ➡

♬ 「 いままで覚えた全部 」 ➡

♬ 「 でたらめだったら 」

( タップ音 )

( 真壁 ) ふれあい冬祭りを 復活させる?

どうしたらいい? ( 真壁 ) う~ん… 。

まあ 「 費用対効果に見合わない 」 が 廃止の理由なら➡

それを覆すプランを立てて 来年度の補助金を… 。

来年じゃなくて 2週間後 。 ( 真壁 ) はっ?

例年どおり 12 月の第2日曜日に開催したい 。

( 真壁 ) それは無理だろ 。 補助金の申請だってさ… 。

親父が長くないらしい 。

理由は謎なんだけど➡

今年のふれあい冬祭りに行くって 陽菜と約束したらしくて 。

親父には 来年がないかもしれないから 。

だから… 。 悪くないかもな 。

えっ? あっ いや… 。

亡き妹と 余命いくばくもない 父親のために 祭りを復活 。

いかにも 大衆が好きそうな物語だ 。

物語? ( 真壁 ) 覚えとけよ 一平 。

最後に人を動かすのは➡

金でも 理屈でも 思想でも 信念でもない 。

物語だ 。

この物語を 選挙に使う気はあるか?

もう使ってるか 家族 。

一石二鳥だ 。

選挙と 最初で最後の親孝行 。

えー 2週間後に 祭りを開催する方法は 一つだな 。

お前が主催者になる 。 えっ?

基本 祭りは 誰でも主催できる 。 問題は金だな 。

自腹を切れ 。

じば… 。

( 真壁 ) 《私財を投じたとなれば 物語も さらに強化される》

( 真壁 ) 《その上で 幅広く寄付を募る》➡

《金額より 活動を認知させて➡

当事者意識 参加意識を 持たせることが目的だ》➡

《全ての告知で お前の名前を売りまくれ》

お願いします 。 いや~ 私の一存じゃ… 。

今 私は➡

町会長ではなく あくまで 二階堂 慎太郎さん個人に➡

ご寄付を お願いしております 。

( 真壁 ) 《次に 前回まで祭りを仕切ってた➡

商店街の青年部に 協力を要請しろ》➡

《ここで 彼らと一体感をつくれば 選挙戦での協力も期待できる》➡

《大江戸商店街 青年部 現リーダーは…》

よりによって武流か… 。

《はっ? 継ぐって 酒屋を?》

《おう》

《継がねえって言ってたじゃん 武流》

《気が変わった》

《何だ それ》

《乗っちゃったわけね 親の決めたレールに》

( ラムネを置く音 )

《何すんだ…》

《痛えな!》

♬~

ぺーやん?

久しぶり 。

ていうか その呼び方やめろ 。

町 捨てたやつが 何 いまさら祭りだよ 。

捨てたわけじゃ… 。

あっ 悪い 。 親のレールに乗らなかったやつな 。

めちゃめちゃ根に持ってんな 。

商売の邪魔だ 。 帰れ 。

協力してくれたら➡

会場で販売する酒類 その他ドリンクは➡

全て この店で調達する 。

利権? 悪い話じゃないだろ 。

あのときは ごめん 。

うらやましくてさ お前が 。

分かってた 。

武流は 親のレールに 乗るようなやつじゃないって 。

分かってたから… 。

本気で継ぎたいって 思ったんだなってさ 。

俺も そう思えたら➡

親父のこと 喜ばせられたのにって 。

♬~

♬~

サンキュー 。

俺が継ごうと思ったのは お前の歌 聴いてだよ 。

えっ?

《♬ 「 答えはきっと奥の方 」 》

《♬ 「 心のずっと奥の方 」 》

( 武流 ) 聞いてみたらさ 奥の方に 。

そしたら まっ 酒屋も悪くねえなって 。

俺だって 冬祭りは続けたい 。

青年部のやつらもだ 。 じゃあ… 。

でも もう 無理なんだよ ふれあい冬祭りは 。

えっ?

間違いない これだ 。

ここに 売っちゃったってことですか?

まあ 確かに 祭りがなければ みこしは無用の長物だけどな 。

レンタル料金 26 万 !?

頑張れば レンタルできないこともないけど 。

《みこしは祭りの顔だ》

《借りもんの顔は担げねえよ》

骨太… 。

マジで そういうの いらないんだよ 。

あっ 購入もできるみたいですよ 。

あ~… 。

一平さん 退職金は… 。 無理 無理 無理 無理 。

選挙資金 ゼロになる 。 ああ… どうしよう 。

信じられない 。

お父さんのことまで 選挙に利用するなんて 。

ちょっと書いてみただけ 。

駄目ですよ 。 さすがに それは最低すぎます 。

駄目 駄目 こんな… ないない ないない 。

⚟ ( ギターの音 )

⚟ ( ギターの音 )

親父? おう 。

これ どういう状況?

歌詞ができたから作曲だよ 。

歌詞… 。 作曲?

おう 。

俺は 先に 詞 書くタイプでな 。

タイプ… 。

バレちまったときは 赤っ恥だったけど➡

堂々とやれるから よかったよ 。

こそこそ 夜中にやんのは よくねえな 。 起きれねえし➡

食欲は出ねえし 朝飯も食えねえ 。 えっ?

( 平蔵 ) あんたのおかげで いいの書けたよ 。

えっ… 。 えっ ちょ待っ… えっ?

それ 遺書だよね?

遺書?

(TAPE) ( 平蔵 ) ♬ 「 改札口を抜けて 」 ➡

♬ 「 あの子に会いに行く 」 ➡

♬ 「 狭い改札口を抜けて 」 ➡

♬ 「 あの子に会いに行く 」

本気で プロ目指したときも あったけどな➡

工場も継ぎたかった 。

趣味で続けりゃよかったんだけど やめるなら➡

すぱっと やめちまおうって 意地になってな 。

けど こいつだけは捨てられなくて 。

それ どこにあったの? 俺の部屋のたんすの奥 。

え~ 。 あの… 。

ホームじゃ無理って おっしゃってたのは… 。

これがねえと 作曲できねえからな 。

何か ごめんなさい 。 僕 色々 妄想しちゃった… 。

いや ちが… 俺も 。

( 平蔵 ) 歌ったろ お前 。

ふれあい冬祭りの のど自慢で 。 ➡

陽菜に聞いてさ➡

初めて 仕事ほっぽり出して 工場 飛び出して 見に行ったよ 。

うれしかったよ 。

いや うれしかったなぁ 。

一回だけ 見舞いに行ったよ 。

えっ?

そんときの話になってさ… 。

( 陽菜 ) 《言えばよかったのに お兄ちゃんに 見に行ったって》

《調子に乗るだろ あいつ》 《まあ…》

《ねえ 今度は お父さん歌ってよ》

《えっ?》 《お母さんから聞いたよ》

《お父さん 若い頃 ギター弾いて歌ってたんでしょ》

《自分で 歌 作って》 《遊びだよ 遊び》

《えっ でも お母さん 好きだったってよ お父さんの歌》

( 陽菜 ) 《外出できそうだったら➡

正助君と子供たち 連れていくからさ》

《ふれあい冬祭り》

《聞かしてよ お父さんの歌》➡

《あっ お兄ちゃんも呼んじゃお》

《あ~ 見たいな》

《お兄ちゃんと正助君が 一緒に おみこし担いでるところも》

( 陽菜 ) 《ねっ 。 約束ね》

俺 歌うからさ… 。

お前ら担げよ みこし 。

一平さん?

♬~

くー… 。

くっ… 。

( 一平たち ) わっしょい わっしょい わっしょい わっしょい… 。

( 朝陽 ) わっしょい! わっしょい!➡

わっしょい! わっしょい!

( 一平たち ) わっしょい わっしょい わっしょい わっしょい… 。

( 一同 ) わっしょい わっしょい わっしょい わっしょい… 。

はい どうぞ 。 ( 子供 ) ありがとうございます 。

( 拍手 ) ありがとうございます!

さあ 続きまして➡

剣持酒店 店主 剣持 武流さんの登場です!

( 拍手 )

司会は 私➡

今年度 大江戸ふれあい冬祭り 主催者➡

大森 一平 大森 一平でございます!

うるせえよ 一平! ( 笑い声 )

よかったら このまま ずっと一緒に暮らしませんか?

健康型の老人ホームは➡

もし… もしもですけど➡

介護が必要になったり 大きい病気されたら➡

出ていかなくちゃ いけないじゃないですか 。

だったら… 。

( 平蔵 ) ありがとな 。 心強いよ 。

高い入所金 払ったんだ 。 いれるところまで いてやるよ 。

ハハハハ… 。

いいやつだな あんた 。

あっ いや… 違うんです 。

自分のためです 。 んっ?

すごい後悔してるんです 僕 。

陽菜さんに➡

帰っておいでって 言えなかったこと 。

きっと 陽菜さん 本当は 病院じゃなくて家で… 。

だから… 。 おい… ちょっと待て 。

違う 。 それは違うぞ 。 えっ?

聞いたんだ 俺も そう思ってな 。

( 平蔵 ) 《ホントは 一緒にいたいんじゃないのか?》

《えっ?》

( 平蔵 ) 《旦那と 子供らと》

《うち 使ってもいいんだぞ》

《考えたの》

《どっちがいいのかなって》

《子供たちと正助君にとって》

《お前 こんなときまで…》

( 陽菜 ) 《私も そう思ったよ》

《私 何で こんなときまでって》

《だから 考えたの》

《私にとっては どっち? って》

( 陽菜 ) 《家だと どうしても お母さんになっちゃう》

《きつくても 我慢しちゃうし 頑張っちゃう》

《だから 我慢も 頑張らなくてもいい場所で➡

私でいる時間が欲しいなって》

《もちろん お母さんでもいたいよ》

《でも 今の私には ずっとは きついから➡

会いに来てくれたときに 全力で…》

《わがままだけど…》

《わがまま言える人なの 正助君》

悪かったな 。

あんた一人に 陽菜 見送らせて 。

( 平蔵 ) 言い訳にはなんねえけどな どうしても 見るのが怖かった 。

娘の死に際も 死に顔も 。

最低な親父だよ 。

ありがとな 。

あんたでよかった 。

あの… 。 ( 平蔵 ) んっ?

いつか… 。

まだまだ先ですけど➡

まだまだ先の いつか➡

お父さんのことも 僕が ちゃんと見送りますから 。

安心だ 。 一平は当てになんねえからな 。

ヘヘヘヘ… 。

もし… もしだぞ 。

もし 陽菜みたいに 順番 狂ったら➡

俺が お前の親父として お前のこと見送ってやるからな 。

安心しろ 。

お父さん… 。

( 平蔵 ) 安心だ 。 安心しろ 。

安心しろ 。

それでは いよいよ わが町が生んだ伝説➡

Hey☆大森の登場です!

『 追悼の唄 』

♬~

♬ 「 そのうち消えて 無くなってしまう 」

♬ 「 今いるあなた そして私 」

♬ 「 限られた時間の中で 」

♬ 「 あなたと出逢い あなたと笑う 」

♬~

( 平蔵 ) ♬ 「 生と死のハザマの河を 」 ➡

♬ 「 小さな舟が 流れてく 」

♬ 「 ぶつかりながら 寄り添いながら 」 ➡

♬ 「 無数の舟が流れてく 」

♬ 「 空ゆく鳥に 言葉は要らぬ 」

♬ 「 道ゆく私に 答えは要らぬ 」

♬ 「 無数の舟を見送りながら 」

♬ 「 いつか私の舟が出る 」

♬~

( ひまり ・ 朝陽の笑い声 )

( ドアの開く音 )

そろそろ タクシー着きそうです 。

( 平蔵 ) おう 。 はい よいしょ 。

( 朝陽 ) おじいちゃん また来てね 。 ( 平蔵 ) はいはい はいはい… 。

( 朝陽 ) 絶対ね 。 ( 平蔵 ) は~い 。

( ひまり ) 私たちも行くから 。 ( 平蔵 ) 待ってるからね 。

あのさ… 。 ( 平蔵 ) えっ?

一応 言っとくけど… 。

カッコイイと思ってたよ 工場で仕事してる親父 。

♬~

♬~

手 入れさせてもらったぞ 。

んっ?

選挙の あれ 。

♬~

♬~

クソ親父… 。

より 費用対効果を高める提案も まとめてあります 。

( 慎太郎 ) 次の町会連合会の会議で 議題にあげるよ 。

それと 多額のご寄付も 本当に ありがとうございました 。

いやいやいや 。 やっぱり 必要だね 。

毎年 変わらずにやってく 地域の行事って 。

特に これからは… 。

近々 君の耳にも入るだろうけど まだ ここだけの話ね 。

えっ?

この町は これから 大きく変わっていくから 。

♬~

再開発?

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