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(初音) 私が好きなのは あなたなので!
(朝陽) いや…。
やめておいた方がいい。
(初音) えっ?
(朝陽) 僕は…→
君が思っているような 人間じゃ ない。
♪~
(初音) じゃあ どんな人間なんだよ~!
ん~~!
♪~
(チャイム) (玲緒) はつねっちは?
(奏奈) 上で荒れてる。 OK。
やっほ。
(初音) 玲緒さ~ん。 >> はつねっち。
お~。
(初音) もうオケには行けませぬ 私 旅に出とうございます。
あぁ…。 >> うわ~!
ゆっくり話を聞きまする。
はいはいはい…。
(初音 はなをかむ音)
📱(着信音)
(初音) はい。
(三島) あっ さっき 言い忘れたんだけど→
うちの事務所の連絡先 教えとくからさ→
もし 何かあったら…。
(初音) 彰ちゃん…。 (三島) ん? どうした?
📱(初音) うわ~!!
常葉さんにフラれた~!
>> あっ…。 (初音 泣き声)
>> ん? 📱(玲緒) 三島彰一郎?
どうも お電話代わりました お~!
すいません ちょっと今 失恋したてで→
荒れておりまして。 >> はぁ…。
ただでさえ オケ解散の危機で 大変な時なのに。
えっ? 解散!?
(奏奈) お姉ちゃんも 普通の女の子だったんだな。
何か新鮮。
あっ けどさ 音楽やる人にとっては→
失恋も芸の肥やしっていうの?
絶対に無駄な経験じゃないよね。
(蒼) ありがとね 奏奈ちゃん。
ん? 何が?
ん? (奏奈) フフフ… よし。
(目覚まし時計のベル)
(初音) やっぱ納得できないわ。
(ノック)
(初音) おはようございます!
(朝陽) おはようございます。 (初音) あの…。
(朝陽) 何ですか?
(初音) ひと晩 考えましたが 意味が分かりませんでした。
(朝陽) はい?
(初音) 私が思っているような人間じゃ ないって どういうことですか?
常葉さんが どんな人間なのか 教えてください。
(朝陽) こんなところで 油を売っている暇があったら→
練習してください。 (初音) それはもちろん。
(朝陽) 演奏会まで もう時間がありません よろしくお願いします。
(みどり) \あっ ねぇねぇねぇ!/
(みどり) SNSで 解説動画を流すって どう?
(穂刈) 動画ですか?
(みどり) クラシック初心者の方に この曲が生まれた背景には→
こんなエピソードが あるんですよ!って。
(弓香) じゃ 寸劇でもします?
あっ はつねっち おはよう! (初音) おはようございます。
(玲緒) 今 新しい集客作戦 練ってたとこ。
(初音) あぁ! >> チケットって 今どんな感じですか?
(小野田) ここ数年で 一番の売れ行きです。
(蒼) お~! >> ただ まだ満席には。
(初音) リツイートキャンペーンは どうですか?
(小野田) リツ… ん? それはどういう?
(初音) 定期演奏会の告知を リツイートしてくれた人に→
抽選で たまちゃんステッカー プレゼント!みたいな。
(ヨーゼフ) ナイスだね! ステッカー かわいいもんね!
(藤谷) まずは大勢に 知らせることが大事だもんな。
(小野田) いいですね 早速 準備します。
よし 他にアイデアある人! 📱(振動音)
じゃあ チラシをポスティングする。
(玲緒) 今どき見ないでしょ。 (蒼) ごめんなさい。
(藤谷) 言い方。
♪~
よし!
(団員) 私も あの時のジュニアコンクール 3位だったんですよ。
(三島) ええ もちろん覚えてますよ。
(団員) えっ 覚えてるんですか? >> ええ。
(団員) また ご一緒できて うれしいです。
(三島) いや こちらこそ 頑張りましょうね。
(高階) オケのメンバーと 随分 親しくなったのね。
あぁ 何か初音が…。
あぁ いや…。
谷岡さんから アドバイスをもらって。
あぁ…。
ネットに出てたわね 熱愛記事。
ただの友達です。
もっとバチバチしてて ほしかったのに。
仲良くなられちゃったら つまんないわ。
玉響→
定期演奏会 満席にできなければ解散って→
ホントなんですか? >> そうみたいね。
もし そんなことになれば→
父は指揮を降りると 言いかねませんよ。
こけら落としのオファーを 受けたのは→
谷岡さんと玉響に 興味があったからなんで。
私に言われてもねぇ。
会長が 関わってるんじゃないんですか?
まさか。
西さいたまの市議会で 決まったことでしょう?
(初音)\ハンドクリーム?/ (常葉)\そう/
わが常葉酒造の 酒粕ハンドクリーム。
オンラインショップで 扱ってるんだけどね。
定期演奏会の 手土産にしたらどうかと思って。
(初音) 来場者プレゼント! 提供していただけるんですか?
(常葉) はい。 (初音) わ~!
(康子) お久しぶり~! (初音) あっ こんにちは!
(常葉) お母さん 待ってたよ 実はね もうサンプル出来上がってるの。
(初音) えっ! (康子) 見て~!
なかなか いい感じにできたのよ!
(朝陽) はっ? (初音) わ~!
(常葉) 玉響といえば 朝陽と谷岡さんだろ!
(朝陽) 絶対やめろ。 (康子) いいじゃないの!
結婚式の引き出物みたいで。 (常葉) お母さん…。
(初音) 記念に もらってもいいですか? >> もちろん。
(初音) やった! ありがとうございます! (朝陽) やめろ。
こちらもいいんですけど… あっ たまちゃんの方が→
より幅広く受け入れて もらえるんじゃないかと。
(常葉) そう?
私の方で 一度サンプル 作りますので。
これだってステキなのに~!
あっ そうだ! ピヨピヨ堂のプリン買ってきたの。
みんなでいただきましょう。
(初音) ありがとうございます! >> 私 ちょっと用事が…。
お先に失礼します。 (常葉) お前 元から数に入ってないよ。
(初音) おいしそ~う! (康子) どう?
これとね こっちと…。 (初音) はい。
常葉さん ここの食堂のホットケーキ→
結構おいしいんですよ よかったら 一緒に…。
(朝陽) たった今 プリンを食べたばかりでしょう。
(初音) 常葉さんは カスタード派なんですね。
私はチョコ派だから ちょうどいいですね!
(朝陽) 何がですか?
(初音) わ~ いい感じ!
あっ! 常葉さんもどうですか?
あっ 酒粕! 常葉さん お酒…。
(朝陽) 大丈夫だよ。
(初音) しっとりしますよね!
何ですか?
(朝陽) 開き直った人間ほど 強いものはないなと→
実感しているところです。
📱(振動音)
(初音) あっ 玲緒さん。
あぁ!
逃げられた。
ん? 何これ。
(蒼) あっ 来た来た! あれ あれ あれ…。
(初音) ん?
えっ? 誰ですか? (玲緒) 分かんない。
はつねっちが 手配したんじゃないの?
(初音) ううん…! >> えっ!?
📱(カメラのシャッター音)
えっ! (初音) えっ! いや 怖いんだけど…。
(蒼) 来た来た来た! 怖い怖い怖い…!
(初音) ヤダ~!
(蒼) うわ~! (初音) あぁ~!
(玲緒) 大丈夫!? (初音) 待って…。
(玲緒) どうしたの?
えい!
(初音) あ~!?
どうも ハァ…。
(本宮)\マエストロ/
♪~
(蒼) これ 手作りっすか? >> あの… 徹夜で頑張りました。
(初音) 小野田さん ただでさえ 仕事いっぱい抱えてるのに。
やりたくて やってることなんで。
楽器は弾けませんけど 玉響のためにできることなら→
何でもやりますよ。
おっ 急行 着いたかな。
今 帰宅ラッシュで 人がいっぱい通るんですよ。
俺もやります! (小野田) あぁ ありがとう。
私もやる! よし!
(初音) チケット 絶対 完売させましょうね。
♪~
(男性) お預かりします。 (初音) よろしくお願いいたします。
ありがとう 彰ちゃん こんな大きな会場に→
チラシ置いてもらえるの すごい助かる。
うん。
俺も行きたかったけど この日 大阪なんだ。
頑張って。 (初音) うん 彰ちゃんも。
(初音) あの… ごめんね この間 電話もらった時。
あぁ… 失恋したって。
大丈夫? (初音) うん。
納得できるまで 諦めないことにしたから。
フフフ… タフだな。
(初音) ヘヘっ! (三島) ハハハ!
あっ 父さん! (初音) あっ こんばんは。
(光太郎) あっ 谷岡さん 先日はどうも。
早かったね。 >> うん あっ そうだ。
玉響さんは 今度のこけら落としの曲は→
決まったんですか? (初音) いえ まだ これからです。
(光太郎) うちはね “エロイカ”にしたよ。
(初音) わ~ ステキ!
(光太郎) 今から4月が楽しみだな。
あっ そうだ 常葉君によろしくね。 (初音) はい!
>> ちょっと挨拶いってくるわ。 (三島) うん。
昨日 急に来るって言いだしてさ。
小学生の時以来かもしれない。
(初音) よかったね。
うん。
(弓香)\おはようございま~す/ (穂刈)\おはようございます/
(蒼:初音) おはようございま~す。 (みどり) ねぇ 見て これ!
(初音) えっ? (弓香) 何?
📱♪~
📱♪~ (初音) あっ! ヨーゼフ?
レイちゃんが撮ってくれたんだよ。 (土井) レイちゃんというのは→
あの交際しているという レイちゃんですか?
(玲緒) めっちゃオシャレじゃない? これ。 (初音) うん!
(弓香) えっ!? これ 沖村 礼じゃん!
えっ マジ!? (穂刈) 有名な方なんですか?
はい! インスタでは超有名なんです。
若い子に人気の 映像クリエイターさんです。
(みどり) ヨーゼフ そんなすごい子と 付き合ってたの?
エへへ~! (蒼) あっ!
小野田さんの たまちゃんも 話題になってますよ。
ほら。
(藤谷) えっ それ 小野田さんなの? (蒼) 小野田さん。
(初音) あっ ねぇ 蒼君!
日地谷さんが宣伝してくれてる!
(蒼) えっ! うわ~。
(穂刈) うれしいですねぇ!
皆さん。
定期演奏会→
全席 完売しました!
(玲緒) わ~! (初音) よっしゃ~!
♪~
(初音) 完売 うれしいですね。 >> いや~ こんな日が来るなんて→
夢みたいですよ。
(ノック) (大門) 失礼します。
(朝陽) あっ 大門さん すいません 配置の件で ご相談が。
どうぞ。
(高階) そう 完売したの。
(本宮) といっても 満席になることは→
あり得ないんですけどね。
どういうこと?
フッ… まぁ いいわ。
玉響に関しては 本宮さんの好きにして。
(本宮) 決して悪いようには いたしませんので。
では。
♪~
(奏奈) \いや~ ホントよかった~!/
ホッとした~!
奏奈ちゃんも SNS頑張ってくれてたもんね。
あっ ただ→
ここで一つ 悲しいお知らせが。 (初音) えっ ヤダ 何?
お父さん ぎっくり腰になっちゃって→
2人とも 演奏会 来られなくなったって。
(初音) え~! お父さん 大丈夫なの?
(奏奈) う~ん しばらくは絶対安静。
チケットは お母さんの 東京の友達に譲るって。
(初音) そっか~ ちょっと後で電話してみよ。
(奏奈) うん してみて。 (初音) うん。
(恵子) 蒼 どうしたの?
元気にしてるかなと思って。
☏(蒼) 父ちゃんはどう?
主治医の先生から すごい回復力だって褒められたよ。
📱(恵子) 来月から仕事に復帰するって。
よかった。
でも あんま 無理しないように言って。
自分で言いなさいよ 代わろっか?
いや! また今度で。
フフっ…。
あんたの方はどうなの?
ん~ 頑張ってるよ。
☏(蒼) また電話するわ。
母ちゃんも体 気を付けて。
じゃ。
ご両親 演奏会 呼ばなかったの?
まぁ… そのうちね。
♪~
(足音)
(光太郎) おぉ 帰ってたのか。
(三島) おかえり。 >> うん。
父さん。 (光太郎) ん?
この人が今度のこけら落としの 審査員らしいよ。
ふ~ん。
あのさ…。 (光太郎) うん。
この間のコンサート どうだった?
ん?
ほら父さん すぐ帰っちゃって 感想聞けなかったから。
よく分かんなかったんだよなぁ。
えっ… それは どういう意味?
お前さんさぁ→
人の意見なんて いちいち気にすんな!
♪~
(小野田) おはようございま~す。 (一同) おはようございます。
いよいよ あしたですね! (初音) ですね~ あぁ ドキドキする!
大丈夫! いっぱい練習したからね!
本番直前の練習風景も ばっちりアップしますから!
うん! 最後の練習 気合入れていこう!
(一同) お~! (拍手と足踏みの音)
☏(着信音)
児玉交響楽団事務局です。
えっ!? どういうことですか?
え~!?
(初音) チケットの印字ミス? (蒼) 何ですか? それ。
(小野田) あしたのチケットに 印字されてる開演時間が→
1時間 遅いそうなんです。 (初音) えっ?
5時開演なのに「6時開演」と。
はぁ? 何で?
(小野田) 正しい時間はどちらなのかと→
問い合わせが何件も来てまして。
(土井) そんなはずないですよ!
その策略は 僕が きっちり阻止してます!
策略? >> 阻止?
何だ それ。
(朝陽) どういうことですか?
ハァ…。
1か月ほど前→
本宮議員から 声をかけられたんです。
(土井の声) 高階フィルに 移籍しないかという話でした。
給料も玉響の3倍出すと。
(本宮)〔土井さん〕
〔これから お子さんたちの 教育費だって かかるでしょう?〕
(玲緒の声) ちょっと待って。
お… お子さんって何? (土井) あっ…。
左から 長男 長女 次男です。
(みどり) ウッソ! 土井君 結婚してたの?
はい 2014年の6月3日に 婚姻届を提出しました。
(玲緒) え~! 何で言わないのよ!
穂刈さん 知ってました? >> いえ 初耳です。
(弓香) かわちい! >> 長男は この春から小学生→
次男は年中さんで 長女は8か月です。
(初音) かわいい盛りですね~。
(朝陽) 話を戻してもらっていいですか?
あっ…。 (せき払い)
報酬に一瞬 心が揺れたことは 否めませんが→
もちろん移籍するつもりなど ありませんでした。
でも 僕は あえて その話に乗ったフリをしたんです。
(土井の声) なぜなら 彼は移籍の条件として→
玉響の情報を流してほしいと 持ちかけてきたんです。
(本宮)〔ええ 順調にいってます〕
(土井の声) 本宮議員は きっと これからも→
玉響に 妨害を加えてくるに違いない。
ならば彼の懐に入って→
向こうの情報をキャッチすれば 玉響を守れる。
そう思ったんです。
でも こっちの情報も 流してたってことですよね。
玉響が不利になることは 一切 言ってません。
オーボエのソロが 変更になったことや→
佐々木さんと藤谷さんの スピード婚。
松本さんがオタクアカウントで はじけているといった→
どうでもいい話を。 >> えっ どうでもいい?
何でアカウント知ってんの? >> あっ あと それから→
小野田さんが最近 四十肩になったという話も…。
すると ある時 本宮議員から→
定期演奏会の チケット会社について→
調べるようにと言われました。
〔引き出しを開ける音〕
(土井の声) 僕は その情報を渡して こちらを信用させると同時に→
先回りして チケット会社の 担当者に連絡を取りました。
(土井) 〔チケットもあさんですか?〕
(土井の声) 何か不審なことがあれば 知らせてほしいと→
頼んでおいたところ 予想通り→
玉響スタッフを名乗る人物から 電話が来て→
開始時間を変更するよう 指示されたそうです。
もちろん 本宮議員の仕業です。
僕は その指示を無視するよう 伝えました。
こうして僕は人知れず 敵の策略を阻止したんです。
移籍の話も きっぱり断りました。
でも 結局 間違った時間が 表示されてるんだよね?
ですから そんなはずはないと。
先ほど その理由が分かりました。
えっ? (小野田) 谷岡さん。
西たま印刷って ご存じですよね?
(初音) はい 市役所の印刷物を お願いしている印刷所です。
チケット会社で購入した チケットは→
コンビニなどで発券しますが→
玉響の公式サイトで 購入した場合のみ→
西たま印刷で 印刷したチケットを→
お客さまたちに 郵送してるんです。
先ほど 西たま印刷に確認したところ→
玉響スタッフを名乗る 渋い低音ボイスの男性から→
時間変更の指示があったと。
同じ手口じゃないっすか! >> ってか 完全に本宮でしょ それ。
何が何でも 満席にさせたくないってことか。
(弓香) やることセコいな。 >> 証拠があれば抗議するんですが…。
(初音) でも どっちにしても→
チケット もう 発券されちゃってるんですよね。
(穂刈) 起きてしまったことに どう対処するかですね。
(初音) 時間通りに来れない可能性がある お客さんは→
どれぐらい いるんですか? >> 全体の3割程度です。
その人たちに 正しい時間を 知らせればいいってことよね?
(小野田) ただ 個人情報管理の システム上→
購入者の住所や電話番号は→
週明けにならないと 開示できないと言われました。
メールアドレスだけは分かるので すぐに連絡しますが→
果たして あしたの本番前までに 全員が見てくれるかどうかは…。
そこまでは読めませんでした。
スパイのフリまでして 近づいたのに…。
詰めが甘かった。
(朝陽) あなたが反省すべきは そんなことではありません。
今 僕たちがやるべきことは→
音楽に真摯に向き合うこと それ以外ないんです!
情報戦などという→
くだらないことに 首を突っ込んで→
音楽を政治の道具に しようとする人間と→
同じレベルに成り下がって どうするんです!
♪~
(土井) 長男が…→
こけら落としを 楽しみにしてるんです。
小学生になったら 演奏会に来ていいと→
約束してました。
息子は たまちゃんグッズも コンプリートする→
大の玉響ファンで…。
(土井の声) 建設中の シンフォニーホールの前を通るたびに→
「ここで玉響が見れるんだね」 って→
うれしそうに笑うんです。
初めてのオケは→
何としても 玉響の音を聴いてほしい。
何が何でも解散を阻止したかった。
(土井) でも マエストロの言う通りです。
子供たちは 「ヴァイオリンを弾いてるパパが→
一番カッコいい」と 言ってくれていたのに。
何やってたんでしょうね 僕は…。
すみませんでした!
(朝陽) あしたの本番は “運命”の座席を変更します。
(朝陽) セカンドヴァイオリンは こちらへ。
(穂刈) 対向配置ですか。 (朝陽) はい。
ベートーヴェンの時代の配置です。
今回は このスタイルでやるのが ベストと判断しました。
腕の見せどころだね。
どういうこと? 対向配置は→
セカンドヴァイオリンが ファーストヴァイオリンと→
対等になる配置なんです。
首席が信頼されてる証しです。 >> へぇ~。
(ヨーゼフ) お父さん! 頑張って!
(拍手) (足踏みの音)
はい!
(朝陽) 小野田 チケットの対応策は。 >> あっ はい。
えっと まずは 巨大たまちゃんをですね…。
(初音) まずは お客さまに 訂正メールを送信して→
同時に公式サイトとSNSで→
正しい時間を 告知してはどうでしょう?
そうですね そうしましょう。
(初音) アハハ… 小野田さん→
サイトとSNSに載せる説明文を 作ってくださいませんか?
同じ文章を西さいたま市の ホームページやメールマガジンに→
掲載してもらうよう 私が広報広聴課に掛け合います。
テキパキしてる さすが元公務員。
(初音) 6年やりました。
常葉さんは“フェルマータ”の かおりさんに連絡お願いします。
(朝陽) 分かった。
(玲緒) 他にも何かできることないか 作戦考えよう!
(初音) よろしくお願いします 私は市役所に行ってきます。
(かおり) 正しい開演時間を 拡散すればいいわけね? OK。
(朝陽) すまない 頼む。
知り合いの関係者にも 協力してもらえるか聞いてみるよ。
(朝陽) 助かる。 📱(かおり) 朝陽がこんなふうに→
人を頼るなんてね~ 何かキャラ変わった?
📱(かおり) 誰の影響?
じゃあね。
♪~
(初音) 失礼します!
(みどり) よっしゃ 貼って。 (土井:弓香) はい。
(みどり) うん!
>> 5時です は~い! >> お間違えないようにお願いします。
間違えないように 5時からですね はい。
(小野田) 5時開演になります。 ☏(着信音)
(初音) はい 児玉交響楽団です。 ☏(着信音)
大変申し訳ございません。 ☏(着信音)
(初音) 申し訳ございません。 (朝陽) はい 児玉交響楽団です。
17時開演となります。
(初音) あしたは駅前で 正しい開演時間の告知をします。
あと 開演前に このカフェで お茶をしていく人が多いそうで→
このカフェの付近でも。 (藤谷) でも それやってたら→
出番に間に合わねえだろ。 (みどり) 大丈夫。
うちの娘たちが 協力してくれるって。
(ヨーゼフ) レイちゃんも仲間と一緒に 手伝ってくれるって!
沖村 礼 来るの? >> ヨーゼフは→
トランペット吹いてる時が 一番イケてるからって。
パッ! (一同) ハハハ…。
(初音) 駅前とカフェでの告知は 4時スタート。
開演30分前になったら 会場の入り口受付で→
当日券を販売します。 >> 皆さんのご協力→
ホントにありがたいです。
(朝陽) 僕たちは いい演奏をすることで 応えましょう。
今夜は ゆっくり休んで あしたの本番に備えてください。
(一同) はい!
(ノック) (ドアが開く音)
(初音) あした よろしくお願いします。 (朝陽) まだ いたんですか。
(初音) もう帰ります。
あっ 一緒に帰ります? (朝陽) 帰りません。
(初音) チェっ。 📱(振動音)
(朝陽・ドイツ語)
(初音) そっか…。
常葉さん 玉響との契約は こけら落としまでなんですよね。
ドイツ 帰るんですか?
(初音) 先のことより 今は目の前のことですよね!
あした 頑張りましょう! お疲れさまでした!
(朝陽) 谷岡さん。
(朝陽) 手を冷やさないように。
(初音) ありがとうございます。
やっぱり 一緒に帰り…。 (朝陽) お疲れさまでした。
(案内係) ご来場 ありがとうございます。
(小野田) ご来場 ありがとうございます。
ようこそ。
(穂刈) あっ どうですか? お客さんの入りは。
やはり 出足は今ひとつですね。
(奏奈) 開演時間 今 気付いたって人も 結構いるみたい。
ハァ… ホント申し訳ない。
(藤谷) せっかくチケット 買ってくれたんだもんな。
何とか間に合うといいんだけど。
(初音) あとは呼び込みで どこまで来てもらえるかですね。
(亜美) 児玉交響楽団 定期演奏会 チケットお持ちの方→
開演は5時からです お間違えのないようお願いします。
(女性) 定期演奏会 行かれる方々ですか?
(女性) はい。 >> 開演時間が6時→
…ってなってるんですけど 印字ミスで5時からなんです。
(女性たち) え~!
(案内係) ご来場 ありがとうございます。
日地谷さん!
(更紗) 庄司君! お久しぶりです。
遠い所 わざわざ ありがとうございます。
感激です。 >> 庄司君のフルートも→
谷岡さんの“チャイコン”も 楽しみです。
頑張ってくださいね。
ありがとうございます 頑張ります。
よし!
(奏奈) うん… 5割ってところか。
(小野田) ただ今より 当日券を販売しま~す!
(奏奈) 当日券 販売 始まりました!
(小野田) 当日券 こちらで~す あっ どうぞ!
ご来場 ありがとうございます。
(初音) まだ あと20分ある。
ですよね。
♪~
(朝陽) フゥ…。
(ノック) (朝陽) はい。
朝陽 来たよ。
小野田さんから聞いた。
今日 満席にならないと 解散なんだって?
勘弁してよ こっちは高階との対決→
盛り上げようと思って 頑張ってんだから。
こけら落とし 絶対出てよ。
クラシック界の未来のためにもね。
(朝陽) ああ ありがとう。
おっ 素直じゃん。
この間から どうしちゃったの?
(朝陽) うるさいな。
じゃ 頑張ってね。
♪~
(朝陽) フゥ…。
(貫井) これ ここから入ればいいの?
あっ はい 大丈夫です! どうぞ。
(貫井) 今日は 知り合いが出てるもんでね。
フルートの兄ちゃんなんだけど。 >> あっ 蒼君の!
工事現場で一緒だった。 >> そうそう。
(奏奈) 蒼君から聞いてます ご来場 ありがとうございます。
(女性) お時間あったら 聴いてってください。
あっ 吹奏楽発表会の! (女性) はい。
今からでも いいんですか? (女性) もちろんです。
何… 席 余ってんの?
♪~
(本宮) 完売だと聞いたんですが→
集まり 悪いようですねぇ。
あっ もしかして 団員の皆さん 自分たちで大量に購入して→
無償で配ったとか? まぁ よくあるやり方ですよね。
(常葉) そんなことするわけないだろう。
確認なんですが 市長→
今日 玉響の解散が決まるとして→
辞任 いつされるおつもりです?
(常葉)「音楽のまちプロジェクト」の 始動は見届ける。
では→
こけら落とし公演まで ですね 寂しくなりますねぇ。
(常葉) まだ 解散と決まったわけじゃ ない。
でも 満席にならないでしょう これ。
(小野田) 本宮市議 ようこそ いらっしゃいました。
どうぞ お席へ。 >> はい?
ご自身が他のお客さまから 聴く機会を奪った音楽が→
いかに素晴らしいかを どうぞ思い知ってください。
何ですか それ 言いがかりは…。
つべこべ言わずに座れ!
(康子)\お父さ~ん!/
(常葉) お母さん! こっちこっち! ハハハ…。
杜氏の皆さんも 聴きたいっていうから→
連れてきちゃった。 (常葉) おぉ…!
あら 本宮さん ご無沙汰しております。
いつも主人が お世話になっております~。
どうも。 >> 相変わらず いいお声。
いえ…。 >> どうぞ おかけになって。
どうぞ。
皆さまも お好きなお席に お座りくださいね。
(小野田) ご来場 ありがとうございます。
(玲緒) 埋まってない。
(弓香) もうダメなのかな…。
(朝陽) 僕たちは→
今日 死ぬかもしれません。
帰り道に 事故に遭うかもしれないし→
転んで頭を打つかもしれない。
満席になっても ならなくても→
これが人生最後の演奏に なるかもしれないんです。
(朝陽) 悔いのないステージにしましょう。
(一同) はい。
(朝陽) コンマスからも ひと言。 (初音) えっ?
(初音) 私が10年ぶりに 舞台に復帰できたのは→
皆さんと出会えたおかげです。
玉響のことが大好きです。
それから ステージと客席が 一つになる瞬間も大好き!
私たちとお客さま 今 このホールにいる全員で→
最高の音楽をつくりたい。
今日は みんなで 思いっきり楽しみましょう!
(拍手) (初音) えっ?
(拍手)
(朝陽) お聞きの通り 児玉交響楽団は気合十分です。
皆さま 存分にお楽しみください。
>> マイク オンになってる。 (初音) え~!
>> とってもいいスピーチでしたよ。 (初音) いや スピーチのつもりなんて…。
あっ! レイちゃんたち 来た!
(みどり) えっ どの子 どの子?
あっ! (亜美) みんな 座ろう!
亜美! (玲緒) おっ!
いっぱい連れてきてくれたね~!
(貫井) ほら 座れ 座れ 静かにな 静かに。
(開演のブザー)
♪~
(拍手)
(小野田) あっ じゃあ こちら…。
♪~
♪~
(拍手)
いいじゃん! (指笛)
(拍手)
(みどり) ねぇ 亜美 演奏 どうだった?
(亜美) めっちゃエモかった。
(亜美) 最高! >> わ~ ありがとう!
(初音) 手伝ってくれて ホントに助かりました。
>> 兄ちゃん カッコよかったよ! >> いや~ ありがとうございます。
(貫井) 何か 癖になりそう。 (蒼) アハハ…!
(奏奈) ありがとうございました!
(4人) ヨーゼフ~! >> おっ レイちゃん!
お疲れさま! ヨーゼフ カッコよかったよ。
キレイ!
(拍手)
レイちゃん ありがとう!
あっ! 紹介します みんな レイちゃんで~す。
(礼) はじめまして いつも ヨーゼフがお世話になってます。
ヤバっ 実物カッコヨ!
確かに かわいこちゃんです。
(初音) 今日は お手伝い ホントにありがとうございました。
いえ 演奏 すっごく よかったです!
じゃ 先 帰ってんね。 >> 分かった。
ありがとね~! (女性) イェ~イ!
(ヨーゼフ) ありがと~! (礼) じゃあね。
(ヨーゼフ) 後でね。 (礼) うん。
(奏奈:蒼) ありがとうございました。
レイちゃん めっちゃいい匂いした。
キラッキラだったよね。 >> うん。
(穂刈) あっ。
♪~
来客数の集計が出ました。
(小野田) 座席数 1029席。
お客さまの数は…。
1024人でした。
(小野田) 児玉交響楽団は…。
解散となります。
♪~
(藤谷)\はい お待たせ~/
(蒼) うわ~! うまそう! これ 藤谷さん 作ったんすか?
すごい! (玲緒) こう見えて この人→
結構 料理うまいの。 (蒼) え~! おいしそう!
(土井) 特製ペペロンチーノです。
(穂刈) 土井君は料理もするんですね!
週末の夕飯は 僕が担当してますので。
普段は もっとクリーミーな…。 (奏奈) 唐揚げも できたよ~!
(初音) うわ~ 唐揚げだ! (蒼) これ のんない のんない。
(初音) 唐揚げだ! 唐揚げだ! 食べよう 食べよう!
みんなで食べよう!
(玲緒) これから どうすっかなぁ…。
(弓香) 就活しないとね。
俺 またオケやりたい。
(初音) 私も。
でも 玉響より楽しいところって あるのかな?
(みどり) この数か月 いろんなことがあったね。
悪魔みたいな 怖~いマエストロが来て。
天才ヴァイオリニストが コンマスになってね。
人生変わっちゃうような瞬間→
いっぱい あったよね。
ありましたね。
あった。
ええ。
(はなをすする音)
ダメだよ ヨーゼフ。
違うよ!
ペペロンチーノが辛いんだよ ホホホ…!
(玲緒) 飲もう 飲もう! (グラスが倒れる音)
(土井) あぁ…! ご… ごめんなさい。
(弓香) もう! 何やってるんですか!
(常葉) 酒屋のオヤジに戻ることより…。
玉響がなくなることの方が キツいんだよなぁ…。
(小野田) 私の力が及ばず…。
(小野田) 本当に申し訳ありません。
(常葉) 何言ってんだよ。 (小野田がはなをすする音)
(常葉) 玉響が ここまでこられたのは 小野田がいたからだ。
♪~
(弓香) 就活 進んでます?
え~? めぼしいオケは チェロの募集してないんだよね。
この年で無職は なかなかのハードモードです。
土井さん ご家族もいますもんね。
ええ…。
♪~
(初音) あっ これも運びますか? (大門) あっ はい。
(初音) はい。
(朝陽)\その必要はありません/
(初音) えっ?
(藤谷) えっ 何で? (小野田) 撤収作業は中止です。
あしたから練習を再開します。
(朝陽) こけら落としに 出演できることになりました。
チャイコフスキーの“交響曲第5番”を やろうと思います。
>> ちょ… ちょっと待って えっ? >> どういうこと?
皆さんの頑張りが 報われたんですよ!
(朝陽) 定期演奏会は 過去一番の盛り上がりで→
SNSは高階との対決を→
楽しみにしている人々の声で あふれています。
その様子を見た 一部の議員たちから→
「このまま解散するのは→
市のイメージダウンに つながるのでは」→
…といった声が 上がり始めたそうです。
予算の削減を もくろんだ市議会が→
悪者にされたら困る ということでしょう。
じゃあ また演奏できるってこと?
(朝陽) 市民に認知さえされていなかった 玉響が→
市民のおかげで救われた。
あなた方が魂を込めて 音楽を届け続けてきた結果です。
♪~
(朝陽の声) 町に根差した オーケストラになるという目標に→
僕たちは一歩 近づいたんです。
♪~
(初音) もし こけら落としで 高階に勝てたら→
解散 取り消されるんですか?
(朝陽) 事と次第によっては。
(小野田) そうなれば 恐らく 補正予算が組まれて→
玉響への補助金も出ると 思われます。
(朝陽)“チャイ5”→
チャイコフスキー “交響曲第5番”は→
プレーヤー全員が主役になれる 僕たちのオケにぴったりの曲です。
精いっぱい やりましょう!
(一同) はい!
(初音) やった~!
♪~
盛り上げとくからね! 頼むよ~!
(みどり) うわ~ この常葉さん めちゃくちゃカッコいい!
(初音) ですね。 >> はつねっち。
常葉さんに見せておいで。
(初音) はい。
(穂刈) ハハハハ。
(初音) 失礼します! 常葉さん これ…。
あれ?
(朝陽) お待たせしました。
本当に お待ちしていました。
どうぞ よろしく。
(朝陽) よろしくお願いします。
(初音) チェっ。
♪~
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