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(愛子) 最後の日は→
一緒に夕飯 食べてくれない?
(誠一) 分かった。
(佐和子) 自分を一番に考えて 幸せになってね。
(誠一) 別に大丈夫 俺 信用されてるから。
(彩香) バカな人。
(彩香) さすが 私が選んであげた結婚相手ね。
(愛子) 安藤彩香…。
ウソ…。
(彩香) 電気 消して。
(エレベーターの到着音)
♪~
(愛子) ハァ…。
(愛子) ハァ ハァ…。
>> ハァ…。
(愛子) うわ~!!
あ~~~! あ~!
あ~! あ~~~!
(愛子) ハァ…。
>> どうかされました? (愛子) あっ すいません 大丈夫です。
♪~
(クリック音)
(クリック音)
(クリック音)
(彩香の声) 「たまにはデートしたい。
水金以外がいいなあ。
休みの日に どっか連れてって」。
(誠一の声) 「しょうがないな。
接待いたしましょうか」。
(彩香の声) 「接待ね。
あの子に そう嘘ついて 家をでるんでしょ?
かわいそ…」。
(愛子) 「あの子」って 私のこと?
(誠一の声) 「結婚したくないって言ったのは彩香だろ。
愛子との結婚を 勧めたのも彩香だし。
まあ 結果 家にいる→
サラリーマンの妻 としては最高の女だよ」。
(彩香の声) 「最高って→
あの子のこと 褒めるの あり得ない」。
(誠一の声) 「もちろん彩香が最高だよ。
身体の相性も」。
(愛子) 《どういうこと?》
>> 〔拍手〕
(愛子) ハァ ハァ…。
ハァ…。
(せき込み)
うっ…。
(せき込み) (ゴボゴボ…)
(愛子) 《夫は私のことなど 愛していなかった》
(せき込み) ハァ ハァ…。
(水を流す音)
(愛子) ⟨これは 殺したいほど愛した夫と私の→
再生の物語である⟩
♪~
(愛子) 《夫の浮気に気付いてから 2年半》
《私は誰にも言えず ただ耐えて→
夫の心が変わるのを待った》
ハァ…。
(愛子) 《そんな期待は無駄だった》
《夫は水曜と金曜 そして 月に一度→
日曜日にも 家を空けるようになっていた》
♪~
(誠一) 愛子。 (愛子) ん? おはよう。
(誠一) 寝てていいって言ったよね。
(愛子) 誠一さんが 日曜日にお仕事なのに→
私だけ寝てらんないでしょ。
はい 座って。
(誠一) あ~ うん。
(彩香) 〔「日曜日は 市場でご飯食べよう」〕
(誠一) 〔「腹 空かしていくよ」〕
(彩香) 〔「楽しみすぎて 家まで迎えに行っちゃうかも」〕
(誠一) 〔「バレたら どうすんだよ」〕
(彩香) 〔「それも面白いかも!」〕
(誠一) 〔「じゃあ また明日 おやすみ」〕
(彩香) 〔「うん 明日ね おやすみ」〕
(愛子) いっぱい食べてね。
接待中にお腹が鳴ったら 恥ずかしいでしょ。
(誠一) そうだな ありがとう。
(愛子) 夕飯は家で食べるよね?
(誠一) あ~ 状況見て連絡するよ。
(愛子) 分かった 頑張ってね。
(チャイム)
(愛子) うん? お義母さん。
(明子) 突然 ごめんなさい。 (愛子) いえいえ…。
>> これ お土産。 (愛子) あ~ ありがとうございます。
>> ここのどら焼き おいしいのよ。 (愛子) すみません。
せっかく来ていただいたんですが 誠一さん 今日は お仕事で。
>> あら そう。 (愛子) はい。
>> じゃあ やっぱり 私の見間違いだったのかしら…。
(愛子) はい?
>> 今朝 駅の近くで 誠一を見かけたような気がして。
隣に女の人がいたから→
愛子さんと買い物でも してるのかしらって→
少し時間をつぶして 来たんだけど→
違った?
(愛子) その人 どんな服装でした?
>> 確か…。
(明子の声) 男の人はカーキのジャケット→
女の人は花柄のワンピース。
(愛子) あ~… ハハハ だったら 人違いです。
誠一さん カーキ色のジャケットなんて 持ってないですし。
>> そう。 (愛子) 仮に誠一さんだったとしても→
花柄のワンピースは 私じゃないです。
誠一さん 私には 花柄は似合わないとか言って→
嫌がるんですよ。 >> アハッ そうなのね。
私の勘違いね ごめんなさいね。
(愛子) いえ せっかくなので どら焼き いただきますね。
お茶 入れます。
>> ねぇ~ 愛子さん。
(愛子) はい。
>> その~ 将来のこととか 誠一と話してる?
子供のこととか…。
(愛子) あ~…。
>> ほら 子供がいれば 誠一だって→
無理してでも 仕事を休むようになるでしょ。
(愛子) そうですね…。
>> 私も楽しみにしてるわね。
(愛子) はい。
♪~
📱(振動音)
♪~
(クリック音)
(愛子) へぇ~ フレンチね~。
♪~
(愛子) うん… おいしい。
《泣かない》
(食器を置く音)
(水を流す音)
(愛子) 《泣かない》
(愛子) おかえりなさい お疲れさま。 (誠一) うん…。
(愛子) 今日ね お義母さんが 家にいらしたのよ。
(誠一) あ~ 疲れた!
(愛子) 今朝 お義母さんが駅の近くで あなたを見かけたって。
(誠一) え~ ごめん 母さんが?
(愛子) お義母さんが 今朝 駅の近くで→
あなたが女性といるところを 見かけたって。
(誠一) 人違いだろ。
(愛子) 私も そう言ったんだけど すっごく似てたみたいで。
あなたが カーキ色のジャケットを着て→
花柄のワンピースを着た女性と 歩いてるところを見かけたって。
それが私じゃないかって 思ったみたいで。
はい お水。 (誠一) うん…。
いや ほら ジャケット 紺色だし。
(愛子) そうだよね。
どっかで着替えない限り そんなはずないよね。
(誠一) バカなことをね…。
それで? (愛子) それだけ。
話しかけずに時間をつぶしてから 家にいらしたの。
(誠一) 何だ…。
(愛子) そんなに似てる人に 私も会ってみたい。
(誠一) そういうのは会わない方がいい っていうだろ。
自分に似てる人に会うと 良くないみたいな。
大体 母さん 何しに来た?
(愛子) さぁ…。
でも 孫の顔が見たいって。
(誠一) まったくさ→
来る前に 必ず連絡するように言っとくよ。
風呂 入ってくるわ~。
♪~
(真島) おめでとう 笹嶋君。 (誠一) えっ?
>> 係長昇進の内示が出たんだよ。
君が中心になって進めた プロジェクトが評価された。
(誠一) ホントですか! ありがとうございます。
>> 係長昇進の 最年少記録 更新らしいぞ。
奥さんに感謝しないとな。
仕事に集中できるのは 内助の功あってこそ。
(誠一) 妻も喜んでくれると思います。
>> 将来的には海外事業部 希望だろ?
(誠一) はい 入社した頃からの目標です。
>> 君なら夢じゃない。
引き続き 頼んだぞ。
(誠一) はい ありがとうございます。
乾杯。 >> 乾杯。
\く~ あ~!/
(誠一) 今日は何でも頼んでいいぞ 俺のおごりだから。
>> えっ! (部下2) マジですか?
何かいいことあったんすか? 笹嶋さん。
(誠一) 内緒。 >> えっ!?
この時期なんだから察しろよ。
えっ… え? え? まさか 昇進?
(誠一) いや だから まだ言えないんだって。
ハハハ…。 >> えっ…。
おめでとうございます。
(誠一) ありがとう。
📱(振動音)
(愛子) えっ?
(チャイム) (愛子) は~い。
>> あ… いきなり押しかけて すみません。
私 笹嶋さんの後輩で 安藤彩香と申します。
(愛子) 笹嶋の妻の愛子です。
>> 笹嶋さんには いつもお世話になってます。
\ちょ ちょ ちょっと あっ…/
(愛子) 誠一さん どうしたの?
>> すいません 奥さん 笹嶋さん 酔っ払っちゃって。
(愛子) あ~ そうなんですね。
>> 僕たち 中に運んだら 失礼しますので。
(愛子) あ~ ありがとうございます。
あの 誠一さんから連絡もらって 簡単なおつまみ 用意してるんで→
もし よかったら 中で飲み直し…。 >> あ~ いや そんなそんな…。
いいんですか? お腹すいちゃって。
失礼しま~す。 (愛子) は~い。
(部下1) じゃあ お邪魔しま~す。
(愛子) どうぞ
(彩香) お邪魔します。
\うん うまい/
(愛子) あっ 安藤さんも どうぞお掛けになってください。
>> あ… はい。
これ めちゃくちゃうまいっす。 (愛子) あ~ よかったです。
どうぞ たくさん召し上がってください。
もし余っても 私と誠一さんじゃ 食べ切れないですし。
>> 安藤も食べた方がいいよ これ マジでうまいから。
あ~… お弁当も いつも おいしそうですもんね。
(愛子) あ… そうですか?
>> 奥さんって 元々 うちの社員だったんですよね。
(愛子) はい。 >> 結婚退職ですか?
(愛子) はい 家庭を守ってほしい っていうのが→
誠一さんの希望だったので。 (部下2) いいっすね~。
俺も愛妻弁当とか憧れるな。 (部下1) 確かに。
笹嶋さん うらやましいっす。 (愛子) いや そんな…。
>> 私は結婚よりも 仕事のキャリアを選ぶけど。
まぁ 家庭を守るのが 幸せだって人もいますからねぇ。
(愛子) そうですね。
>> 私はパートナーとは対等でいたい。
仕事は辞めたくないし 出世もしたい。
まだまだ これから 上を目指していきたいの。
やりたいことを 諦めるなんてことはしたくない。
だから…。
家庭に入るなんて考えらんない。
(愛子) お酒 持ってきますね。 >> あっ…。
(愛子) 《私だって 仕事は好きだった》
《働きたい気持ちは まだある》
《あなたたちが 私を会社から追い出したのに》
(彩香) 私 お先に失礼します。
えっ? まだいいじゃん。
明日の会議までに 読み込んでおきたい資料があるの。
(部下1) 仕事 好きだね~。
今日は奥様にお会いできて 光栄でした。
お料理もホントに上手で 家事も完璧。
私には 絶対まねできません。
(愛子) いえ そんな。
>> それに→
酔いつぶれる笹嶋さんを 久しぶりに見ました。
今日はホントに 楽しかったんだと思います。
よろしくお伝えください。
これからも 笹嶋さんのこと→
よろしくお願いしますね。
お邪魔しました。
(ドアを開ける音) (愛子) お気を付けて。
(ドアが閉まる音)
(愛子) 《私は 幸せになるために 結婚したはずなのに》
(愛子) 《どうして こんなに 苦しいんだろう》
ハァ…。
(彩香) 〔これからも 笹嶋さんのこと→
よろしくお願いしますね〕
(愛子) ハッ!
(愛子) ハァ ハァ…。
《毎日 毎日 苦しい…》
《息が うまくできない》
♪~
(佐和子) 愛子!
(愛子) 佐和子~!
あ~ ハハ…。
>> 旦那の転勤が こっちに決まってから→
愛子に会えるの 楽しみにしてたんだ。
(愛子) 福岡勤務 長かったもんね。 >> うん。
(愛子) 寂しかったよ。 >> ホントかな~?
(愛子) ホントだよ。
>> 結婚生活が充実してて→
私のことなんか 忘れてたんじゃない?
(愛子) ハハハ…。
旦那さんは? いつ こっちに来るの?
>> 仕事の引き継ぎとか済ませてから。 (愛子) あ~ そっかそっか。
>> でも 愛子の旦那さんと違って→
うちは小さい会社だから 気楽なもんよ。
(愛子) でも 幸せでしょ?
>> 何よ いきなり。
(愛子) だって 佐和子 いい顔してるもん。
>> まぁね。
でも正直 愛子がうらやましいかな。
(愛子) えっ?
>> だって 旦那さん 自分が仕事 頑張るから→
愛子には 家を守っててほしい って感じでしょ。
うちは共働きじゃなきゃ 無理だもん。
愛子の方こそ幸せじゃん。
(愛子) そうだね…。
ずっと そう思ってたかったな。
>> 愛子?
(はなをすする音)
ごめん… 私…。
>> どうした?
(泣き声) >> どうした?
(愛子) ごめん…。 >> 大丈夫だよ。
(愛子) ごめん…。
《夫の浮気を知ってから→
私は初めて 声を上げて泣いた》
(泣き声)
(愛子) ごめんね 久しぶりに会ったのに こんな話。
>> ううん。
早く気付いてあげられなくて ごめん。
(愛子) でも何か 話したらすっきりした。
>> けど 信じらんない。
誠一さんは 同じ会社に恋人がいるのに→
愛子と結婚したってこと?
(愛子) うん…。
>> どうして そんなこと…。
理解できない。
(愛子) 私にも訳が分かんなくて…。
でも 今思えば 結婚する前→
誠一さんは 上司によく 縁談を持ちかけられてたの。
>> だったら その付き合ってた彼女と 結婚すればよかったじゃない。
(愛子) 彼女は 出世するまで 結婚はしたくないタイプの女性。
うちの会社って→
古い慣習が残っているような ところがあって→
男性は結婚することで 信頼されて出世ができる。
女性は その逆で→
結婚すると いつ会社を辞めるか 分からないから→
出世コースからは外されるって いわれてたの。
>> じゃあ 何→
誠一さんは出世するために 愛子と結婚したってこと?
(愛子) 私は 好きで結婚したから そうは思いたくないけど…。
>> 愛子…。
よく一人で頑張ったね。
もう大丈夫だよ。
(愛子) 《真っ暗闇に 光が差した気がした》
(愛子) 佐和子がいてくれて よかった。
>> 愛子は? 愛子の気持ちは どうなの?
(愛子) 初めて恋愛して→
この人に一生を ささげようって思った。
だから 家庭に入ってほしいって 言われても受け入れたし→
大好きな人のために 料理も家事も頑張ってきた。
まだ ホントの誠一さんは→
どう思ってるんだろうって 思っちゃう。
ハァ… でも もう分かんない。
だって ここまで尽くしてきたのに→
損をしてるのは 私だけな気がするの。
せっかく入った会社も辞めて 仕事にも戻れないし→
このまま すんなり別れるのも…→
悔しい。
>> そうだよね…。
分かった。
今すぐ決心するのは 難しいかもだけど→
もしものために 準備はしておこう。
(愛子) 準備?
(誠一) 今日は残業で遅くなるから 夕飯は いらない。
(愛子) 分かった。
(誠一) いってきます。 (愛子) いってらっしゃい。
♪~
>> 〔今すぐ決心するのは 難しいだろうけど→
もしものために 準備はしておこう〕
(愛子) 〔準備?〕
>> 〔離婚の準備〕
〔愛子は もう十分 一人で頑張ったんだから→
今度は ちゃんと頼って〕
〔もう 一人じゃない〕
〔愛子が ちゃんと 幸せになれる道を探そう〕
(愛子) ⟨今は決断できなくても 一歩ずつ前に進む⟩
⟨もう一度 この手に 幸せを取り戻すために⟩
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