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(荒い息遣い)
(うめき声)
(ドアの開く音)
(愛川塔子)静さん 大丈夫ですか?
(九鬼 静)実は…→
先日 ジムで→
筋トレ中に
肋骨を痛めてしまったんです。
痛めた…。 骨折ですか?
いえ…。
ヒビが入っただけなんですが→
体勢が悪いと ひどく痛んで…。
えっ…。
あっ… いや…→
かっこ悪いんで
病院では隠していたんですけど。
イテテ…。
もう大丈夫です。
今 グラスを持ってこさせます。
(塔子)あっ はい…。
お座りになって。
(塔子)おはようございます。
みんなには心配かけちゃったけど
無事 戻って参りました。
(森口福美)本当に心配しましたよ。
吉子さんなんか
部長代理で ずっとテンパってて→
ダウンしちゃいました。
(塔子)ええっ!?
有休消化して爆睡する
って言ってました。
ハハッ…。
そうそう 森口さん。
はい。
この点検表のサイン 忘れてる!
あっ… すいませ〜ん。
あっ それと 向坂さん。
(向坂麻美)はい。
申し送りの書き方
もっと丁寧にね。
(麻美)すいません。
書き直します!
(麻美)すいません。
書き直します!
(塔子)ああ…! 静さん。
そんな重いもの持って
痛いでしょ?
お気遣いなく 部長。
無理しないでね。
ありがとうございます。
失礼。
(那須田 歩)どうしたんですか?
どうもしませんよ。
今 どっか痛いとかって。
ジムで 筋トレを頑張りすぎて
ちょっと 肋骨を痛めて…。
笑いましたよね?
…笑ってません。
笑いましたよね? 歩ちゃん。
「歩ちゃん」は やめてください。
笑いましたよね? 歩ちゃん。
「歩ちゃん」は やめてください。
痛いんでしょ?
ああ 助かります。
ああ… あと これ。
307号の安田さんのところまで→
運んでください。
はい…。
歩ちゃん 恐れ入ります。
歩ちゃん。
ᗕ(郡司真都)おはようございます。
(塔子)
おはようございます 郡司先生。
(真都)三上礼くんのご家族を
呼んでください。
至急 お伝えしたい事があります。
はい…。
あっ 那須田くん
礼くんのお母様に連絡して。
わかりました。
PET検査の結果
良くなかったんですか?
そうなんです…。
そうなんです…。
♬〜
(天乃太郎)
この患者 いくつだっけ?
(真都)21です。
(神野博道)21っていったら→
初めて 白トリュフの味に
目覚めた年だな。
(太郎)21か…。
僕はモテ期だったなあ。
医大生ってだけで食いつく女子も
いるからね。
合コンばっかり やってました。
(神野)ハハッ…。
(机をたたく音)
今 モテ期の話なんて
どうだっていいんです!
ど… どうしたんですか?
郡司先生…。
がんの再発で
主治医がいちいち動揺してたら→
メンタル持たないよ。
しかし→
これは ちょっと厳しいな…。
礼くんのお母さんと
連絡取れましたか?
仕事 抜けて
いらっしゃるそうです。
転移… ですね。
うん…。
起きてほしくなかったけど
若いから 進行が早い。
起きてほしくなかったけど
若いから 進行が早い。
♬〜
失礼します。
(麻美)失礼します。
礼くん おはよう。
今日は 調子どう?
今 あの… 取り込み中なので
お待ちくださいね。
何やってるんですか?
礼くん…?
(三上 礼)向坂さん 歩さん
おはようございます。
うわあっ!
(麻美の悲鳴)
ちょっと 2人とも。
病室なんですから
大声出さないで。
なんか すいません…。
(歩・麻美)すいません…。
(礼)「ゾンビは生きている」。
ゾンビ…?
礼くんが そういうタイトルの
シナリオを書いて→
シナリオコンクールで
大賞を取ったんです。
えっ すごい!
(礼)賞金で
映画 作れる事になったんだ。
そっか! おめでとう。
えっ 監督?
うん。
おめでとう! 礼くん。
ありがとうございます。
いやあ… それにしても
インパクトありすぎ!
静さんが ゾンビの特殊メイクが
できるっていうから→
お願いしたんです。
へえ〜 すごいですね…。
いや まだ未完成だけど→
なかなか迫力あるでしょ?
(麻美)はい。
(礼)そんなに すごいの?
ああ…。 はい どうぞ。
うわあ〜っ!
ハハッ…。
どう?
すごい!
気に入った?
(礼)気に入ってます。
まだ未完成だけどね。
(礼)はい。
〈これは 全ての患者と
ナースたちに捧げる→
愛と戦いの物語である〉
〈世界では 彼らを こう呼ぶ〉
〈ザ・トラベルナース〉
礼 そんなに悪いんですか?
(真都)術後は
放射線治療を続けましたが→
進行が 思った以上に早く…→
さらに 脳転移が見つかりました。
(息を吐く音)
(七海)そうですか…。
すぐに手術をして頂けますか?
(神野)いや…。
前縦隔から心臓への浸潤に加えて→
前縦隔から心臓への浸潤に加えて→
骨転移も多発しています。
よって 外科的な治療は
この私をもってしても厳しい。
(太郎)
私はTC療法をおすすめします。
専門の病院で さらに強力な→
抗がん剤治療を受けるのは
どうでしょうか。
では 私は次の手術があるので
失礼します。
その治療をしたら
礼は助かるんですか?
(太郎)延命効果は望めます。
ただし 吐き気や嘔吐
手足のしびれや痛み→
脱毛などの症状が
現れる可能性があり→
今のような日常生活は
送れなくなります。
どうなさいますか?
三上さん…。
今すぐ結論を出さなくても
大丈夫ですよ。
礼くんと話し合ってから…。
(七海)その必要はありません。
礼には その治療を受けさせます。
(七海)
先生 よろしくお願いします。
わかりました。
すぐに病院を手配します。
♬〜
(黒沢彰良)
ついに監督デビューだな!
(市川健大)俺
ゾンビでもなんでもやるから!
みんな 就活 大丈夫?
(黒沢)そんなん 気にすんなって!
(市川)そうだよ。
クランクイン いつするよ?
あんまり時間ないから 急ごう。
(黒沢)そうだな 急ごう。
まあ とりあえず なぎさに
もろもろ やってもらうとして→
俺は こう カメラワークで
グーッてやって こう…。
皆さん お引き取りください。
(礼)お母さん…。
礼。 あなた 今 こんな事
やってる場合じゃないでしょ!
(黒沢)すいません お母さん。
礼くんに 受賞のお祝いを
言いに来たんですけど→
つい盛り上がっちゃって…。
(市川)また来るよ。
(市川)またな。
また。
(七海)皆さんは
勉強や就活で忙しいでしょう。
もう
礼には関わらないで頂けますか?
ごめん。
礼くん これから点滴するから。
ごめん。
礼くん これから点滴するから。
じゃあ お大事に…。
お母さん 僕は…。
映画なんて
何 馬鹿な事 言ってるの。
今は 治療に専念しなきゃ
駄目でしょう!
今度
専門の病院に移る事になったの。
あなたが心配なの。
わかってる…。
心配させて ごめん。
(七海)お願いします。
(礼の声)お母さんには
ずっと前から 夢があったんだ。
(歩の声)どんな?
僕の就職が決まったら
2人でスイスに旅行する夢。
一人で仕事と子育てして
休む時間なかったから。
僕が一人前になったら→
大好きなスイスで
パーッと お祝いするんだって→
いっつも言ってた。
そっか…。
でも…。
僕は お母さんの夢
かなえてあげられない。
♬〜
♬〜
だから 僕も…。
もう いいんだ。
映画 作るなんて
どう考えても無理だよ。
礼くん…。
ねえ…。
歩さんのお母さんは どんな人?
歩さんのお母さんは どんな人?
うちも
シングルマザーだったんだけど→
僕が小さい時に死んじゃったんだ。
(那須田ゆかり)ごめんね…。
(歩の声)その時→
ずっと そばについててくれた
看護師さんがいたんだ。
僕は小さかったから
その人の顔も覚えてないけど→
これだけは忘れない…。
看護師さんの… 手。
手?
うん。
ずっと付き添って→
お母さんの手を
ずっと握っててくれたんだ。
(礼)それで 歩さんは
看護師になろうって思ったの?
いや… 本当は…。
礼くん。
静さん…。
夢を かなえてみませんか?
いきなり 何 言ってるんですか?
映画 『ゾンビは生きている』
作ってみましょうよ。
(歩の声)礼くんに なんで
あんな事 言ったんですか!?
彼は いい子すぎます。
優しいんですよ!
お母さんの事を思いやって
治療に専念しようとしてるのに…。
そんな思いやり クソ食らえです。
親でもない あんたが
なんで そんな事 言えるんだ?
親じゃないから言える事も
あるんです。
無責任です!
今の礼くんには残酷だ。
いいえ。
彼は もっと本音を言うべきです。
親や友人にも言えない
本音があるはず。
親にも言えない本音を 僕たちが
聞けるわけないじゃないか。
患者さんの一番近くに寄り添い
本音を引き出し→
患者さんの一番近くに寄り添い
本音を引き出し→
全てを受け止めるのが
我々ナースの務め。
人を見て 人を治すんです。
(ナースコール)
出ます。
(ナースコール)
はい。
♬〜
♬〜
そりゃ
夢 かなえてやりたいけど…。
♬〜
(息を吐く音)
礼くんは 小さい頃から→
ゾンビ映画が
お好きだったんですか?
(礼)病気になってから
好きになったんです。
現実を忘れられるから。
「現実を忘れられる」…?
暗くて すいません。
ううん。
でも あんなに楽しいゾンビのお話
初めて読みました。
本当に面白かった。
ありがとうございます。
よいしょ。
ちょっと 休憩。 フフフ…。
礼くん。
今日は 君を信じて
ちょっと内緒の話をします。
今日は 君を信じて
ちょっと内緒の話をします。
…はい。
実は…→
私も病気なんです。
えっ…?
自分の命の期限がいつまでなのか
正直わからない。
礼くんの何倍も
生きてるっていうのに→
明日が来ないかもしれない
って思うと…→
明日が来ないかもしれない
って思うと…→
居ても立っても
いられなくなる事があります。
でも 礼くんは→
周りに心配かけまいと
いつも 気丈に振る舞っている。
そんな礼くんを見てて→
本当に すごいなあ!
って思いながら→
どこかで
苦しくなる事があるんです。
礼くんの本心が見えない。
礼くんの本音を聞く事ができない。
ねえ 礼くん。
もし これから
現実を忘れたくなったり→
苦しくなったり
怖くなったりしたら…→
いつでもいい。 なんでもいい。
どんな事でもいい…。
いつでもいい。 なんでもいい。
どんな事でもいい…。
この僕に ぶつけてくれませんか?
さらけ出してくれませんか?
♬〜
礼くんの つらさや 怖さ…→
僕が一番わかるつもりでいるから。
いい?
うん…。
♬〜
ちょっと寒くなってきたね。
ハハッ… 戻ろう。
よいしょ。
よいしょ。
静さん…。
ん?
なんで 僕…→
なんで 僕…→
病気に選ばれちゃったのかな?
静さん…。
僕 まだ 何も知らないし→
僕 まだ 何も知らないし→
何も見てないよ。
やりたい事だって
もっといっぱいあるんだよ。
♬〜
就活したり
卒業旅行 行ったり…。
その前に 映画 撮ってさ→
好きな人に
告白なんかしたりして…。
♬〜
けど… 全部 駄目じゃん!
なんも できないじゃん!
せっかく 映画 作れる
チャンスだって もらったのに…。
なんで?
なんで 今なの?
なんで 僕なの?
死にたくない…。
静さん 悔しいよ。
♬〜
生きてたいよ…。
僕 まだ 生きたいんだよ…。
僕 まだ 生きたいんだよ…。
静さん…。
♬〜
このまま いなくなるなんて
嫌だよ。
♬〜
♬〜
礼くん…。
♬〜
映画 作ろう。
歩さん…?
撮ろうよ。
でも…。
撮ろう。
♬〜
僕 撮りたい!
よし! やろう!
僕たち
ちゃんとサポートするから!
♬〜
♬〜
ついていい嘘と
悪い嘘があるでしょ。
さっきのは最悪だ。
自分も病気だなんて
不吉な事 言って…。
でも…→
礼くんの本音が聞けて
よかったじゃないですか。
外出許可を頂けませんか?
…えっ?
治療が始まったら→
体 動かしたり
あんまりできなくなるんでしょ?
一日だけでいいんです。
(太郎)とんでもない。
転院する前に何かあったら
大変です。
礼くん ごめん。
今は無理だと思う。
治療して 落ち着いてからね。
それって いつですか?
いつですか?
いつですか?
♬〜
お願いします。
(真都)無理ですって。
いつ 容体が急変しても
おかしくないんですよ。
一日だけ
家に帰してあげたいんです。
僕が責任を持って
付き添いますから。
…無理です。
転院したら
大変な治療が待っています。
その前に 一日だけ…→
家で お母さんの… 手料理…→
家で お母さんの… 手料理…→
あの… 肉じゃがを
食べさせてあげたいんです。
無理だって言ってるでしょ。
何かあったら すぐ
病院に戻します。
幸い 車で10分の距離です。
どうしても 肉じゃがを…
食べさせてあげたいんです。
本当なんです。 お願いします!
♬〜
(黒沢の声)「マジで!?」
(市川の声)「撮影一日?」
(市川の声)「撮影一日?」
(礼の声)「うん。
一日で全部撮りきる」
(島川なぎさの声)「急がなきゃ!」
(市川の声)「照明どうしようか?」
(礼の声)
「自然光を最大限利用する」
(黒沢の声)「助監督は?」
(礼の声)「2人は必要だな」
歩さん。
んっ?
フフフッ…。
えっ?
♬〜
♬〜
失礼します。
久しぶりに来ると
いい部屋ですね。
リモート会議なんだから
別に来なくてよかったのに。
ねえ? 礼くん。
っていうか リモートのやり方
わからないんですか?
まさか。 ちょっと失礼。
ちょ ちょっ… なんで…?
なんで座るんですか?
座らなきゃ
リモートにならないでしょ?
今 僕が座ってたんです。
立っててくださいよ!
「なんで 私が
立たなきゃいけないの?」
「僕のパソコン…」
「あなたが立てばいい…」
仲いいのか悪いのか
はっきりしてよ。
仲いいのか悪いのか
はっきりしてよ。
じゃあ 真面目に
打ち合わせ始めるよ。
「はい…」
「はい…。 仲良くはないですけど」
(礼)ストーリーについては
さっき話したので→
詳しい内容について
話していきたいと思います。
女優!? いや 無理ですよ!
シーッ!
どうか よろしくお願いします。
監督のたっての希望なんです。
(麻美)監督?
ここだけの話にしてください。
礼くんです。
彼の思いの全てが詰まった
作品にしてあげたいんです。
いや… いやいやいや
私 演技なんてできないです。
いや… いやいやいや
私 演技なんてできないです。
大丈夫です。
普段の向坂さんのままで。
お願いします。
「わー!」とか「キャー!」とかしか
言わないんで。
お願いします。
お願いします。
(麻美)それは どういう…?
えっ!? 女優? ああ…。
「わー!」とか「キャー!」とか…。
♬〜
♬〜
へえ〜! うまいもんだね。
(礼)上のシャツは白がいいかな。
(なぎさ)「白?」
ほら 赤が映えるから。
(なぎさ)「ああ! 確かに」
ズボンって
なんか 候補あったっけ?
(塔子)お休みですか?
はい。
勝手を言って すみません。
いえ。 お休み 取ってください。
まだ 肋骨 痛むんですか?
いえ。 プライベートで
ちょっと 仲間と…。
仲間 いらっしゃるんですか?
何か?
♬〜
監督 おはようございます。
おはようございます。
おはようございます。
監督 もう少し大きい声で。
皆さん
今日は よろしくお願いします!
(一同)よろしくお願いします!
♬〜
じゃあ いくよ!
シーン3 カット1。
用意 スタート!
(カチンコ)
ウアアッ…!
キャーッ!
イヤーッ!
イヤーッ!
キャーッ!
(礼)カット カット!
静さん 見切れてる。
あれ? ここ…
ここに来ましたっけ…?
すいません。
居場所がわからなくて。
(なぎさ)使えない助監督ね。
痛っ!
監督 次のシーンの準備できてます。
ありがとうございます。
おじさんも
彼ぐらい動いてよね!
はい…。
ナースのくせに鈍くさいわね!
さっき言った 向こうにって…。
(黒沢)あれ?
何してるんですか?
あの… すみません。
(真都)何かあったら
すぐ中断しますから。
えっ?
大丈夫。
今日は 一日 出張ドクターとして
付き添います。
今日は 一日 出張ドクターとして
付き添います。
郡司先生。
ありがとうございます!
ほら! 時間ないんでしょ?
ちゃちゃっと動く!
ほら 何してんの!
よし! じゃあ もう一回いくか。
(麻美)はい!
♬〜
私も 何やってんだろう…。
そこ 映るらしいです。
あっ! そうなんですか?
シーン5 カット3。
用意 スタート!
(カチンコ)
(麻美)なんで
こんな事になったの?
(麻美)なんで
こんな事になったの?
ウウー…!
(麻美)キャーッ!
(市川)またかよ!
カット!
(カチンコ)
オッケー! 休憩しよう!
すごい斬新な光景だね。
体調は どうですか?
こんなに ごはんが美味しいの
久しぶり。
病気の事 忘れてた。
あっ! お茶 持ってきますね。
あっ! お茶 持ってきますね。
♬〜
ねえ。 歩さんの夢は何?
歩さんは 子供の頃から
ナースになりたかったの?
本当は医者になりたかったんだ。
(礼)へえ〜!
うちが貧乏で医大は諦めたけど→
うちが貧乏で医大は諦めたけど→
今は
ナースでよかったと思ってる。
どうして?
ナースにしかできない事もある
って気がついたんだ。
そっか。
あの変なおっさんに
出会ったせいかもしれないな。
本当にムカつく時もあるけど→
あの人… すごいんだ。
助監督 何やってんの?
監督に 早く お茶!
助監督 何やってんの?
監督に 早く お茶!
痛っ!
たたかれてる…。
(礼と歩の笑い声)
監督 お茶です。 はい。
ありがとうございます。
えっ?
いや… くださいよ。
なんで?
静さんの夢は?
私ですか?
もう 夢を見るような年では
ありませんが。
夢なんて いくつになっても
見ていいでしょ。
夢なんて いくつになっても
見ていいでしょ。
そうですねえ。
私の夢は…。
この駄目ナースを→
一人前の
最高のナースにする事です。
かなわない夢だと思いますけど。
はっ?
なんで そんな事 言うの。
早く召し上がれ。
お茶 頂きます。
どうぞ。
お茶 頂きます。
どうぞ。
外出許可なんて聞いてませんよ!
どういう事ですか!?
礼は どこですか?
申し訳ございません!
あなたたち あの子が大変な事
わかってますよね!?
はい…。
先生。
落ち着いてください。
落ち着けるわけないでしょ!
礼は どこ? どこ!?
♬〜
♬〜
部長…! 部長…!
礼くん 今日 どっかで
映画を撮ってるんじゃないかと。
ええっ!?
歩ちゃんと静さんもグルです。
なんですって!?
なんだって!?
どういう事ですか!?
説明してください!
(麻美)ええーっ!?
ああ… ごめんなさい!
次のせりふ なんでしたっけ?
ああ… ごめんなさい!
次のせりふ なんでしたっけ?
カット!
(カチンコ)
もう一回 いこう。
礼くん 大丈夫?
ちょっと診るね。
♬〜
吸って…。 吸って…。
これ以上は無理。
これ以上は無理。
ラスト1カットなんだ。
駄目です。 病院に戻ります。
礼くん 君の映画だ。
君が決めて。
(荒い息)
撮らせてください。
撮らせてください。
お願いします。
僕の最後の夢なんだ。
でも これ以上 続けさせたら…。
私からも お願いします。
ラスト 一発で決めるんで。
向坂さん…。
本当に 一回だけだからね。
最後 頑張りましょう。 監督。
監督。
♬〜
ラストカット いきます!
(なぎさ)よし! みんな やるよ!
(麻美)はい!
(黒沢)いくぞ!
(麻美)お願いします!
(黒沢)いくぞ!
(麻美)お願いします!
お願いします!
さあ 監督。 ヘッドホンして。
シーン16 カット11 テイク2。
用意 スタート!
(カチンコ)
ええーっ!?
♬〜
カット!
(カチンコ)
カット!
(カチンコ)
オッケー!
『ゾンビは生きている』
クランクアップです!
お疲れさまでした!
(一同)お疲れさまでした!
お疲れさまでした! 監督。
(なぎさ)お疲れさま!
(麻美)お疲れさま!
ありがとう…。
ありがとう…。
(真都)礼くん!
礼くん 大丈夫だよ。
落ち着いてね。 ゆっくりね。
(真都)礼くん!
(真都の声)礼くん 聞こえる?
ありがとうございます。
ねえ 看護師さん。
あの子 どこ行っちゃったの?
礼くん
治療のために転院したんです。
歩くん。
(風の音)
(風の音)
(電話)
はい。
天乃総合メディカルセンター
外科病棟です。
三上…?
あっ。 礼くんのご容体は?
えっ…?
礼くんが…。
院長に会わせてください。
(七海)院長は
ご存じなかったんですか?
この人たちが 礼をそそのかして
連れ出したんですよ!?
一日だけ家に帰れるって
嘘をついて→
外出許可まで取って!
外出許可まで取って!
(天乃隆之介)まったく…。
なんて事をしてくれたんだ!
医療に従事する者として
あってはならない事だ!
(太郎)主治医まで一緒になって→
取り返しのつかない事を
してくれたもんだ!
お母様のお気持ちを思うと
言葉になりません。
本当に
申し訳ございませんでした!
謝られても
あの子は帰ってきません。
謝られても
あの子は帰ってきません。
この人たちと この病院を
訴えます!
三上さん 私も人の親。
お気持ちは
痛いほどわかりますが…。
(西 千晶)あなたたちも
なんとか言ったら!?
誠心誠意 謝りなさい!
僕を…。
僕を… 訴えてください。
「僕を」?
何 言ってるんだ!
ナースごときが。
ナース一人じゃ
なんの責任も取れないじゃないか。
主治医の私を訴えてください。
那須田さんたちは→
礼くんの夢を
かなえてあげたかったんです。
礼くんの夢を
かなえてあげたかったんです。
私も それに加担しました。
(七海)夢…?
私の夢は あの子でした。
礼を返して!
ねえ。 あの子を返して!
返して!
(ノック)
(ノック)
遅くなって申し訳ございません。
礼くんの事
心からお悔やみ申し上げます。
礼くんのお友達から
お預かりしてきたものがあります。
礼くんのお友達から
お預かりしてきたものがあります。
礼くんが これを
お母様に渡してほしいと。
礼が?
はい。
♬〜
(礼の声)「前略 お母さん」
「最後のわがままを聞いて下さい」
「この映画が完成したら→
一番観て欲しい人は
お母さんです」
一番観て欲しい人は
お母さんです」
「それから
天乃総合メディカルセンターの→
看護師さんや患者さんたちにも
観てもらいたいです」
♬〜
「ウアアッ!」
「ウアアッ!」
「キャーッ!」
「イヤーッ! キャーッ!」
「なんで こんな事になったの?」
「キャーッ!」
(一同の笑い声)
♬〜
「どうしよう…」
「私 生きたい」
「私 生きたい」
「私は…
私は まだ生きたいんだよ!」
「アアーッ! アアーッ!」
♬〜
「その日が来るまで
目いっぱい生きてみたい!」
♬〜
♬〜
(礼の声)「お母さん」
「僕がいなくなっても→
この映画を観て 思いっきり笑って
元気になって欲しいんだ」
「最後に→
僕は お母さんの子供で
本当に良かったと思ってるよ」
(礼の声)「ありがとう」
(礼の声)「ありがとう」
♬〜
♬〜
(黒沢)「じゃあ 撮るよ!」
「はい チーズ!」
(黒沢)「あっ! 動画だった」
「(一同の笑い声)」
(黒沢)「いや せっかくだから
せっかくだから」
「礼 ラストシーンの前に
何か ひと言!」
「みんな ありがとう」
「僕は 今日
めちゃくちゃ幸せです!」
「最高に生きてる
って感じがするんだ」
「本当にありがとう!」
「本当にありがとう!」
♬〜
「ウェーイ!」
(真都)「監督!」
♬〜
(泣き声)
(嗚咽)
♬〜
(せき込み)
♬〜
♬〜
♬〜
♬〜
♬〜
♬〜
どうしたんですか?
♬〜
いい映画でしたね…。
笑いがあって… 感動があって…。
礼くんは… とってもいい…。
ちょっと…!
静さん!?
大丈夫ですか!? 静さん!
静さん 大丈夫ですか!?
静さん 大丈夫ですか!?
静さん… 静さん!
静さん!?
静さん! 静さん!
静さん!
静さん!
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