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(携帯電話の着信音)
(那須田 歩)もしもし。
(花岡耕吉) 「フローレンス財団の花岡です」
「いかがですか? 調子は」 いいわけないでしょう。
いつまで こんな所に いなきゃいけないんですか!
ご機嫌麗しくなさそうですね。
僕は 恩があるから これまで 財団の方針に従ってきましたけど→
今度ばっかりは 3カ月も無理です!
日本じゃ NPのスキルなんか 全然 生かせないし→
手術はもちろん 簡単な処置すら させてもらえない!
自分で言っちゃうけど 宝の持ち腐れですよ!
大体 日本の病院は 医者が えばってる分→
ナースの地位が 低すぎるんですよ!
ホテルも用意してくれなくて 女子寮の相部屋ですよ。
しかも これが一番困ってるんですけど→
クッソ変なおっさんと相部屋…。
(九鬼 静)長電話してると 遅刻しますよ。
うっ…!
〈かのフローレンス・ナイチンゲールは言った〉
〈「天使とは 美しい花を 撒き散らす者ではなく→
苦悩する者のために 戦う者である」〉
ᗕ(一同の笑い声)
ᗕ(五反田宝山) いやいや 本当の話なんだよ。
病院の待合室でね 大崎さんと目黒さんが並んで…。
何事ですか? (弘中スミレ)シーッ。
(五反田)そこで 私の名前は? (三上 礼)五反田宝山さん!
(五反田)ご名答! (一同)おお〜!
(スミレ)あの五反田宝山が 検査入院したんですよ。
「あの」? どの? (向坂麻美)そっか。
歩さん アメリカ帰りだから 知らないんですね。
最近 よくテレビに出てる 講談師さんです。
(スミレ)フォロワー数もすごいの。 へえ〜。
(五反田) 密! 百合子ちゃん激おこ!
(たたく音) (一同の笑い声)
ほんでさ 目の前に おっちゃん…。 すいません 通ります。
失礼しますね。 名前はわかんなかったけど→
そのおっちゃん こんな顔した えびす顔。
はあ!? えびす…。 (一同の笑い声)
おっさんじゃねえよ なんだよ。
まあ この続きあるんだけど それはまた 別のお話という事で。
(男性)もっともっと…! (五反田)終わりだよ 終わり…。
(礼の声)歩さん 大丈夫?
なんか 今日 機嫌悪そうだけど。 えっ?
かのフローレンス・ナイチンゲールは こう言っています。
「心配りは看護師の仕事であり→
患者にさせるものでは ありません」。
礼くんに心配りをさせるなんて クッソ駄目ナースですね。
さっき クッソ変なおっさん って言ったの 根に持ってますね。
そんな事 おっしゃってました? いいえ。
「馬鹿」まで付けましょうか? 「馬鹿」 何回 言うんだよ!
本当 2人のおかげで 毎日 退屈しません。
それはよかった。
(ぶつかる音) いったいよ…!
失礼 失礼。 痛いよ…!
やっぱり 根に持ってるじゃねえかよ…!
痛え もう…。
〈これは 全ての患者と ナースたちに捧げる→
愛と戦いの物語である〉
〈世界では 彼らを こう呼ぶ〉
〈ザ・トラベルナース〉
(愛川塔子)那須田くん。
五反田宝山さんの受け持ち 任せていい?
はい。
検査で何もなければ 2〜3日には退院なさるけど。
(天乃太郎) 彼の事務所から頼まれて→
僕が担当医だから 失礼のないように。
お願いしますね。 はい。
(金谷吉子)部長。 (塔子)うわっ…!
びっくりした…。 どうしたの?
(吉子)私を 五反田宝山の 受け持ちにして頂けませんか?
(塔子)呼び捨ては やめようか。
では 私を 五反田宝山… さんの 受け持ちにしてください。
今週は オペ看もたくさん入ってて 忙しいんじゃない?
大丈夫です。 お願いします。
(塔子)そこまで言うなら いいけど…。
どうしたの?
(吉子)では 五反田さんの受け持ちの前に→
オペ行ってきます。
(太郎)意外だね。 金谷さん 宝山推し?
(スミレ)向坂。 あっ はい。
意外とミーハーだったんだな。
(スミレ)この病院 芸能人なんか めったに来ませんからね。
ああ… でも ファンだから受け持ちって→
公私混同だよな。
いい加減 英語やめろよ!
あっ そうだ 部長。 院長が呼んでます。
わかりました。 すぐ伺います。
(太郎)それから 君。 君…。
…と あんた。 おじさん!
あんただよ。
早く来て。
承知致しました。
いい加減 名前ぐらい覚えろよ。
(天乃隆之介)いやあ 2人が来てくれたおかげで→
今月は 病床稼働率が 90パーセントまで上がった。
こんなにすぐに結果を出すとは いやあ すごいね。
2人がよく働いてくれるおかげで 他の看護師の負担も軽くなり→
離職率はゼロになりました。
おお…。 そこで 2人に話があるんだ。
なんでしょうか?
3カ月契約で来てもらったんだが 延長できませんか?
報酬は弾みます。
お断りします。 (太郎)はあ?
(塔子)那須田くんは→
待遇に不満があるんじゃないかと 思います。
せめて 寮の部屋だけでも…。
とにかく 延長はあり得ません。 那須田くん…!
仕事がたまってるので 失礼します。
(太郎)なんなんでしょうね? あの態度は。
私からも話してみます。 申し訳ありません。
院長 お気持ちは ありがたいのですが→
私も 少し考えさせてください。
いや 忙しいのに悪かったね。 仕事に戻りたまえ。
失礼致します。 (塔子)失礼します。
(太郎)あの2人には 十分 払ってるじゃないですか。
フリーターのトラベルナースに なんで そこまで…?
トラベルナース… 結構じゃないか。
何人分も働いてくれて→
必要がなくなれば いつでも切り捨てられる。
ハハハハ…。
ああ… それより 今月の 内科の外来の件数が減ってるぞ。
件数より 丁寧な診察を心掛けてますので。
甘ったれるな!
いずれ お前が継ぐんだぞ。
経営者の自覚を持て! 馬鹿者!
…はい! お父さん。
受け持ちさせて頂きます 金谷吉子です。
ご活躍は テレビで拝見しております。
どうも…。
採血しますね。 裁判!?
裁判? …じゃなくて 採血です。
血を採ります。 わかりますね? …わかります。
♬〜
(森口福美) なんか 殺気を感じない?
(スミレ)新種の推しですね…。
♬〜
(吉子)終わりました。 あと よろしく。
はい。
失礼致します。
あの… お願いがあるんですけど…。
なんでしょうか? あの…→
あの看護師だけは チェンジしてもらえませんか?
チェンジ? チェンジ。
チェンジ!? チェンジ!
私でよろしければ チェンジ承ります。
金谷さんは お忙しいですから。 本当ですか? 助かります。
検査室に行く前に 検尿をお願いします。
お手洗いにカップありますから。 お一人で大丈夫ですか?
ああ… 大丈夫です。
歩くん。
(五反田)おねえちゃん ちょっとごめんね。
あっ 左です。 左です。
看護師は ホステスじゃないんだから→
チェンジなんて できるわけないでしょ。
そんな事 言ってるから 日本のナースの地位は→
向上しないんですよ。 何か訳がおありなんでしょ。
何がですか? いいえ。
(古谷 亘) 検査入院した五反田さんですが→
直腸S状部に 4センチ大の腫瘍が認められます。
(神野博道)直腸がんの ステージⅢってとこだな。
(神野)この程度なら 私がやるまでもないな。
(古谷)じゃあ 私が切りましょう。 (神野)うん。
(古谷)急いだほうがいいな…。
まずは 本人に告知を。
担当医は太郎先生ですよね?
あの… 先生。
先生! えっ…?
えっ 何?
五反田さんに 告知 お願いできますか?
ああ… はい。 了解。
君。 五反田さん 診察室に呼んできて。
はい。 (携帯電話の着信音)
もしもし 神野です。
えっ マツタケが入った!? 今夜?
解散。
オーケー。 午後からのオペ 1.5倍速でこなして 行くから。
(新田 明)お疲れさまです。
(ドアの閉まる音)
(吉子)手術…。 (古谷)うわっ! びっくりした…。
うまくいきそうですか?
君 まだ いたのか。
問題ないだろう。 なんで そんな事 聞くんだ!
腫瘍の位置 結構 厄介な場所ですよね。
この仙骨の前の血管や神経→
間違ってスパッといったら 大変ですよね。
何 言ってるんだ 君。
急に思い出したんですけど→
古谷先生 前に この辺りの腫瘍を切除してて→
余計な血管 スパッと やっちゃった事ありましたよね。
君… 脅迫するのか!?
(吉子)まさか…。
今度は大丈夫ですよね?
患者さん 芸能人だし→
失敗なんかしたら 大ごとですものね。
♬〜
ああ…。
体調でも悪いんですか?
ああ… プレッシャーかかると お腹 痛くなっちゃうんだよ。
君は気楽でいいね。
はい?
医者ってね 大変なんだよ。
君には わかんないと思うけど→
命とか告知とか すごいプレッシャーでさ。
おまけに 俺 跡取りだから 院長の期待も大きくて…。
大変ですね〜!
今日は 告知 やめとこうかな…。
はあ? 今日の僕にはヘビーで…。
もう 五反田さん 呼んじゃいましたよ。
なんなら 私が告知しましょうか?
早いほうがいいと思います。
ああっ… もう! ああっ!
担当医だから やりますよ!
タブレット 取ってきます。
(五反田)先生 顔色悪いね。 大丈夫?
あっ 患者はこっちか。 ハハハハハッ!
で 検査の結果は?
ちょっ… ちょっと お腹がね…。 (五反田)何か問題が?
いや 僕のほうのね。 いや お前のかよ!
あっ いけね。 癖でツッコんじゃったよ。
ハハハハッ! すいません!
ちょっと お手洗いに…。 えっ?
えっ 何? ちょっと…。
えっ!?
なんだよ 今のは…。 はっきりしねえ先生だな。
(ノック)
失礼します。
あっ… 先生の話 もう終わりましたか?
参ったな…。
がんだから 仕事 休まなくちゃ。
俺より 俺のファンが かわいそうだな…。
そうですね。
ファンのためにも 早く手術して 悪い所 切りましょう。
ん…?
だ… だよな…。
もし 手術しないと どうなるのかな?
あとで 執刀医から説明がありますが→
進行が早ければ 半年で手遅れになると思います。
余命… 半年…。
いえ。 すぐ手術すれば大丈夫ですよ。
不摂生してきたからな…。
♬〜
(息を吐く音)
五反田さん お待たせしました…。
あれ…?
古谷先生が 代わりに言ってくれたんだ!
よかった〜!
(吉子)フフフフ…。 「(叫び声)」
フフフフ…。
今日の吉子さん いつもより楽しそうですね。
(土井たま子) なんか 様子がおかしいの。
さっきは 1人で→
すんごい怖い顔して 月を見上げてたわ。
宝山さん 直腸がんが見つかったらしいの。
(麻美)そうなんですか?
推しが がんになって あんなに大笑いできます?
(福美)吉子さん 元々 ちょっと→
何 考えてるかわかんないとこ あるからね…。
フフッ フフフ…。
(ノック)
ᗒ失礼します。
消灯の時間です。 変わった事ないですか?
(男性たち)大丈夫です。
五反田さん?
えっ?
あれ? 五反田さんは? (礼)稽古に行ってくるって言って→
しばらく戻ってきてないです。 えっ…?
♬〜
五反田さん! 五反田さん?
♬〜
どうしました?
五反田さんがいなくなったんです。 どこにもいなくて…。
捜しましょう。 はい!
まさか 告知でショック受けて…? 僕も そうじゃないかと…。
まだ見つかりませんか? はい。
もう この病院には いないのかもしれませんね。
心当たりの場所を捜せ!
心当たり? そんなの 誰も…。
(古谷)あっ 太郎先生!
五反田さんに 今日 告知なさったんですよね?
いや 僕は してないけど…。 えっ!?
古谷先生が 代わりに してくれたとばかり…。
(古谷)じゃあ まだ 話してないんですね?
(太郎)ええ…。 どうしました?
…すみません。 なんだよ?
僕が告知しちゃいました。
えっ… えっ!? なんで 医者でもない君が…!
五反田さんの事務所の人に聞いて→
心当たりの場所を捜そうと 思ってます。
私も 今すぐ向かいます。 お願いします。
あっ ちょっと…。 金谷さんに代わって頂けますか?
(塔子)「吉子さん?」 なんで 金谷さんなんですか?
シーッ。
ちょっと待ってください。 (福美)どうしました?
五反田さんが 行方不明になったって…。
(一同)ええっ!?
吉子さん? 吉子さん!
静さんが代わってくれって。
♬〜
なんですか?
五反田さんの居場所 心当たりありませんか?
金谷さんが 知ってるわけないじゃないですか。
どうして 私が?
宝山さんのファンと お見受けしたので…。
ファンが居場所わかったら ストーカーじゃないですか。
切りますよ。 待ってください。
五反田さん 今 とても危険なんです。
イレウスを起こして 出血が止まらない恐れがあります。
「心当たりがあれば 教えてください」
だから ストーカーじゃないので わかりません。
(受話器を置く音)
吉子さんも一緒に来てくれるの?
いえ。 ちょっと飲みに行こうと思って。
(一同)えっ?
(塔子)私は病院に戻ります。
(たま子) 部長さん お疲れさまです。
巡回の続き 行ってきます。
イレウスは… 起こさないですよね?
(太郎)ですね…。 (古谷)ねえ。
(ママ)いらっしゃいませ。 お一人様ですか?
(五反田)やっぱ デンマークだよ。
(ホステス)そうか。 (五反田)そうそう。
(ホステス)行った事ないです。 (五反田)誰もねえよ んなもん。
しかし シャバはいいな。
病院なんて 辛気くさくていけねえ。
白衣の天使なんて大嘘だからな。
白衣の悪魔ならいるけどな。 (一同の笑い声)
誰? このおばさん。
知らない 知らない こんなおばさん。
ああっ! 何しやがんだ!
どうせ こんな事だろうと思った。
(太郎)ああ… こっちか?
こっちです! (太郎)えっ!?
(女性)おにいさん 飲みに来ない? (女性)寄っていかない?
(女性)えっ かっこいい! (女性)ちょっと 一緒にどう?
来てよ〜! 一緒に。 いや…。
おにいさんも一緒に…。 (太郎)すいません…。
馬鹿! 行くぞ 早く! (女性)行っちゃうの?
ねえ〜!
ここです! (太郎)えっ?
(ママ)あら いらっしゃいませ。
あら 素敵 2人とも。
どうぞ こちら。
五反田さん! (太郎)心配しましたよ!
連絡 ありがとうございます。
でも どうして ここにいるって…?
そいつの行動パターンは 熟知してるから。
そこまで 熱烈なファンだったんですか?
んなわけないでしょ。
えっ?
私の…→
元旦那。
へえ〜。
…旦那!?
元よ 元! 元!?
えっ? えっ…?
俺 余命半年なんでしょ?
余命半年? いや… 誤解です!
病院で医者に腹切られて 管に繋がれて死ぬぐらいなら→
半年 好きなもん飲んで食って→
おねえちゃんたちと遊んで 死んだほうが よっぽどマシだよ。
ちょっとすいません。
君 なんて事 言ったんだ! 余命半年なんて言ってませんよ。
このまま放置したら 大変な事になると言ったんです。
楽しんでんだからさ もう帰ってくんねえかな。
ママ 飲み直し。 おかわり おかわり!
(ママ)はい ただ今!
いい加減にしな!
どうすんの? 帰るの? 帰らないの?
おとなしく病院戻って 手術するか→
早く どっかで野垂れ死んでよ!
大迷惑なんだよ!!
吉子…。
♬〜(音楽)
♬〜「愛してる」
♬〜(コーラス)「愛してる」
♬〜「とても」
(吉子)すごいチキン野郎なのよ。 がんって聞いただけでショックで→
どうせ そのあとの事は 何も耳に入らなかったんでしょ。
それで 病院 抜け出して…。 そう…。
いや でも まさか→
別れた夫が 五反田宝山さんだなんてね…。
っていうか 結婚した事あるだけで びっくり。
勝手に びっくりしないでくれる? すいません…。
あいつが売れる前に結婚したの。
口車に乗せられて…。 一生の不覚だわ。
あいつの名前→
五反田宝山になる前は 2文字だった。
確か カルテでは 本名… 「拓也」だ。
…じゃなくて→
「ヒモ」の2文字。
わかる! 看護師あるある!
看護師って なまじ経済力あるから→
ヒモ的な男 寄ってくるのよね! ちょっと 福美さん…。
売れる前はヒモ。 売れてから あいつはクズになった。
調子に乗って 女から女に渡り歩いて→
揚げ句の果てには→
その女どもの尻拭いまで 私がさせられたのよ!
早く天罰が下って 地獄に落ちるとこが見たいわ!
いや いや… もっと… もっと悲惨な…。
わかった わかった わかった! もう もう もうね…→
もう そういうのは やめる… やめよう 言うのは…。
疲れたんで 今日は もう寝ますね。
(一同)おやすみなさい…。 (塔子)おやすみ。
ちょっと 一杯 飲もうかな…。
(スミレ)ああ…。
部長は ずっと仕事一筋なんですか?
あっ 聞きたい! (塔子)何? 急に。
まあ そうだけど。
おきれいなのに もったいないです。
まあ 縁がなかったのよ。
フフッ…。
そうですかねえ。
たまちゃん?
たまちゃん 勝手に占うの やめてくれる?
(たま子)12月7日ですよね。 あっ… 部長さん→
30歳の時に 大恋愛の星が出てますけど→
何かありました?
…ありません! あっ 図星です。
はい 図星です。 (塔子)ないわよ! そんな…。
ドクターですか? ドクター? (塔子)本当 やめて!
もう 本当 ちょっと もう… 寝るから もう!
お風呂にも入るし もう…。
おやすみなちゃい。
(福美)ちょっと… 「おやすみなちゃい」って→
相当 動揺してましたよね?
福美ちゃんは どうなの? 浮いた噂 聞かないけど。
あっ… 実はね 理学療法士の田沢さんがね…。
(スミレ)えっ あのイケメン? 付き合ってるんですか?
この間…→
目が合った。 あいつ 私の事 好きだな。
お… おう。 痛いなあ…。 麻美ちゃんは?
まだ癒えてない傷を ほじくり返さないでください。
みんな ろくな恋愛してないわね。
してたら ここにいないですよね〜。
(スミレ)お金持ちの医者 どこかに転がってないかな〜!
ああ〜 死ぬほど疲れた…。
ナースが 告知なんかするからだぞ。
なんか言ったら?
すいませんでした。
すいませんで済んだら 警察いらねえよ。
(ため息)
(ため息)
まだ起きてたんですか。
医者は 病気を見つけて 病気を治し→
ナースは 人を見て 人を治す。
また それですか。
あなたは 日本のナースの地位が 低いと言っていましたが→
そもそも ナースの本分がわかっていない。
五反田さんの事を ちゃんと見ていれば→
こんな事には ならなかったはずです。
告知がまだなんて 聞いてなかったんですよ。
医者から何も聞かなくても→
ナースはナースの目で 受け持ちの患者さんを→
しっかりと 見守らなければなりません。
お説教は 明日 聞きます。 ヘトヘトなんですよ。
いいえ 今日は はっきり申し上げます。
あなたは医者になりたかったが→
家が貧しくて 医大に行けなかった。
それでナースに。
違いますか?
どうして…。
あなたの仕事ぶりを見ていたら わかります。
頑張ってアメリカで NPの資格まで取ったというのに→
いまだ ナースは 医者よりも劣る仕事だと思ってる。
そのひがみと負け犬根性が→
あなたの ナースとしての致命的な欠陥です。
あんたに何がわかる? わかったような事 言うな!
痛いところを突かれましたか?
うるさいんだよ! 逆ギレですか?
ああ… もう無理だ。
出てってくれ。
出ていけ!
わかりました。
いい。 やっぱり 俺が出ていく。 いいえ 私が。
お疲れなんでしょう? 私が出ていきます。
勝手にしろ。
(ため息)
歩くん。
何度でも言います。
人を見て 人を治す事ができる ナースになってください。
♬〜
では。
♬〜
(ドアの開閉音)
♬〜
(福美)静さん。
はい なんでしょう?
(福美)寮 出ていったんだって?
どこに泊まってるんですか?
秘密です。
(福美)何? それ…。
(麻美)あの2人 何があったんですか?
(スミレ)口もきかないね。
(福美)それでも しっかり 仕事は連係するんだから→
すごいよね〜!
(新田)最後に 今週も このとおり オペが詰まっているので→
よろしくお願いします。 (神野)そういえば 五反田さんの→
直腸がん定位前方切除の オペだけど…。
私が執刀致します。 いや 私が切ろう。
えっ? いいね?
異論はないですが…。
うん! じゃあ 決まりだ。
神野先生 どうして 急に…?
定位前方切除のオペ 最近やってなかったから→
たまには やっておきたい。
よろしく。
(ドアの閉まる音)
(古谷)この程度なら 自分がやるまでもない→
って言ってたのに。
オペ 行ってきます。
(福美)明らかに様子がおかしい。
元旦那のオペ看するんですよね? 大丈夫かな…。
相当 恨みあるみたいだからね。
わざと失敗させるかも! まさか!
一服 盛るとか? もっと巧妙に。
器械出しの時に わざと間違えた器具渡して→
オペ失敗させるとか…。 いやいや いやいや…!
(塔子)無駄話 しない!
すいません。 すいません。
部長… 吉子さん 大丈夫ですかね?
彼女はプロよ。 大丈夫。
…多分。
♬〜
(神野) 直腸がん定位前方切除を始める。
メス。
♬〜
(福美)うまーい! (たま子)なんで 歩ちゃんは→
こんなに料理がうまいわけ? 「歩ちゃん」は やめてください。
レシピどおりに 作ってるだけです。
逆に まずく作る秘訣を 教えてほしいですよ。
(たま子)おっ 喧嘩売ってる? はい。
宝山さんの手術 成功してよかったですね。
(塔子)本当に。 ねえ?
(スミレ)歩さん なんで 今日 ご飯 作ってくれたんですか?
お祝いに たまには うまいものが食べたくなって。
いただきます。 (福美)歩ちゃん そこだよ!
「歩ちゃん」は やめてください…。 (福美)こんなにお料理が上手で→
顔もいいのにさ トゲがあるのよ 言葉に。
(吉子)静さんにもトゲ刺したから 出ていっちゃったの?
やっと しゃべった。
ねえ 歩ちゃん 静さん 帰ってこないの?
だから… 「歩ちゃん」は やめてくださいって。
どこに泊まってるんでしょう? (スミレ)カプセルホテルですかね?
公園で寝てたりしないよね?
なんで 僕に聞くんですか?
知りませんよ あんな変なおっさん!
占ってみましょう。
(スミレ)なんか すごい! (福美)本格的じゃん。
♬〜
えっ… すごいわ 九鬼静さん!
一生お金に困らない星の下に 生まれてるわ。
(福美)えーっ! 本当に?
これ 間違いないわ。
あとはね… えっ?
(塔子)どうしたの?
あっ いや…。
今回の占いは当てにならない。 ごめん。
(塔子)たまちゃん しっかりしてよ!
ごめんなさいね。
(吉子)あっ ちょっと!
♬〜(レコード)
♬〜
あっ… イタタタタ…!
足つった!
入ってます 入ってます! (たま子)ごめん まだ入ってた…。
入ってるのに なんで 入ってくるんですか。
これだ… ごめんね。 なんで こんな狭いんだよ。 もう!
イタタタ… もう!
長風呂ボーイね。
変なあだ名つけないでください。
なんで かけるんですか。 早く出てください。
(たま子)はいはいはい。
イタタタタ…!
(たま子)大丈夫? なんで 見てるんですか!
(ため息)
おっさん どこ行ったんだよ…。
♬〜
あっ…。
ああ 歩くん おはようございます。
…おはようございます。
そんな暗い顔してると 患者さんを元気にできませんよ。
スマイル スマイルです。
おはようございます。
どこにいるんですか?
♬〜
内緒です。
(ため息) 心配して損した。
(神野)がんは 完全に取り切れました。
私の腕がいいから 経過も順調です。
まもなく退院できますよ。
ありがとうございます。 おかげで命拾いしました。
♬〜
ハハハハ…。
♬〜
ああっ… いや… お礼!
いやいや スーパードクターに どういったお礼をしたらいいか→
考えてたところなんですよ。 (神野)いやいや お気遣いなく。
いやいや…。 それでは。
(神野)あっ そうそう。
宝山さん ご出身は富山だそうですね。
はい。
私 香箱ガニが好物でして…。
では お大事に。
今のは…。 明らかに催促ですね。
お礼なら あの先生より→
別れた奥さんに なさってください。
どういう事です?
先日 見てしまったんです。
(神野)今すぐ行きます。
前菜はアワビのステーキ 肝のソース多めでお願いします。
(吉子)先生!
(神野)何? 急いでるんだよ。
待ってください! なんだよ!
神野先生に 五反田宝山の オペをして頂きたいんです。
(神野)古谷くんが切るんだろ。 私は 他のオペで手いっぱいだよ。
(吉子)そこをなんとか!
神野先生は オペがすごく速いじゃないですか。
なんとか もう一件… お願いします!
どうか お願いします!
♬〜
見くびらないでくれ!
薄給のナースから こんなものを受け取るような→
せこい医者に見えるか!
安心しなさい。
スーパードクターの私が 執刀しよう。
♬〜
先生…。
よろしくお願いします!
♬〜
あの吉子が…?
あんな必死な金谷さん 初めて見ました。
今日という今日は 言わせてもらいますけど→
そういう嘘は…。 いいえ。
本当の話です。
嘘なんかじゃねえよ。
そういう女なんだよ 吉子は…。
(すすり泣き)
♬〜
(塔子) ご退院おめでとうございます。
(一同)おめでとうございます。 (拍手)
お世話になりました。
(拍手)
どうしたんですか?
あの… 金谷さん 待ってください。
金谷吉子さん!
金谷吉子さん…。
聞こえてますよ。 なんなんですか?
いや…。
忙しいんです。 なんですか?
俺 がんになってよかったよ。
はあ?
(五反田)一番大切なものに 気づいたんだ。
今度こそ 心を入れ替えて まっとうに生きる。
(五反田)だから…。
こんな俺と もう一度 結婚してください!
(吉子)お断りします。
ええ〜? いや… だって→
俺のために 陰で いろいろ 動いてくれたんだろ?
俺の命 助けるために…。
だったら… だって… だから てっきり…。
(吉子)あなたのためではなく→
ファンのためです。
こんなクズでも→
あなたを楽しみにしている ファンのためには→
まだ生かしておかなくちゃ いけないと思っただけです。
私は もう 顔も見たくないので→
二度と…→
二度と ここには来ないでください。
わかりました。
二度と来ません。
あなたのせいで 3分 オペに遅刻しました。
失礼します。
(礼)ドンマイ! 宝山さん。
(男性)ドンマイ ドンマイ! (拍手)
とにかく 退院おめでとうございます。
(五反田)ハハハ… どうも…。
(拍手)
ご退院おめでとうございます。
ハハハ… ありがとうございます。
(礼)テレビ 見ますね。
(女性)今度 高座 行きますね。 (女性)私も行きます。
あっ 出口 左です。
(五反田)あっ… ヘヘ…。
(看護師たち)お大事に。 (麻美)お大事になさってください。
(ドアの閉まる音)
こっぴどく 振られちゃったなあ…。
でも 彼なら きっと→
失恋しても 芸の肥やしにしてくれるでしょう。
部長 お言葉を返すようですが→
失恋ではないと 私は思います。
えっ?
「二度と ここへ来るな」 というのは→
金谷さんの 最愛のメッセージ だったのではないでしょうか。
「もう ここには戻ってくるな」 って事か…。
そっか… ここ 病院ですもんね。
吉子さんったら 痩せ我慢しちゃって。
ツンデレにも 程がありますよ。
(塔子)さあ 仕事 戻ろう。 (麻美)はい。
やっぱり あなたは 何もわかっていませんね。
♬〜
(静の声)頑張ってアメリカで NPの資格まで取ったというのに→
いまだに ナースは 医者よりも劣る仕事だと思ってる。
そのひがみと負け犬根性が→
あなたの ナースとしての致命的な欠陥です。
(静の声)歩くん。 何度でも言います。
人を見て 人を治す事ができる ナースになってください。
人を見て 人を治す…。
(携帯電話の着信音)
もしもし。
「フローレンス財団の花岡です」
「その後 どうですか?」
「やはり 今の病院は無理ですか?」
いえ 大丈夫です。
もうちょっと… 頑張ってみます。
(花岡)そうですか それでは。
理事長 那須田歩くんは→
もうしばらく頑張るそうです。
そうですか。
それはよかった。
♬〜
ありがとう。
♬〜
フローレンス財団の未来に。
〈これは 全ての患者と ナースたちに捧げる→
愛と戦いの物語である〉
♬〜
〈世界では 彼らを こう呼ぶ〉
〈ザ・トラベルナース〉
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