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Original subtitles

♪(ブラスバンドの演奏)

(歓声)

♪~

♪~

♪~

(シャッター音)

(球審)ストライク!

(カメラのシャッター音)

♪~

(球審)ストライク!

(歓声と拍手)

🔊(アナウンス)5番 キャッチャー ナガヌマ君

(一同)あと一人 あと一人 あと一人 あと一人 あと一人…

あと一人 あと一人 あと一人 あと一人 あと一人…

(部員たち)あと一人 あと一人…

(山岸)蒼穹に 夢連れ去りし ホームラン

・~

・~

(生徒たち)松尾高校を守ろう!

(女子生徒) お願いします お願いします

(生徒たち)統廃合 反対!

統廃合 反対!

(女子生徒)お願いします

署名 お願いします!

(治子)ごめん 私 興味ないから (女子生徒)私たちの松尾高校が・

このまま 無くなっても いいんですか?

(マスオ) これにより 五・七・五の俳諧から・

新しい発句のみを独立させて・

俳句という文学ジャンルが 出来たわけです

(ざわめき) (マスオ)え~ このように・

正岡子規はマンネリ化していった 近世俳諧を真っ向から否定…

(女子生徒たち)ハハハハッ

あの… すいませんが・

もうちょっと 静かにしてもらえませんか

(チャイム)

(校長)高田先生 (マスオ)はい

私ね むなしいのよ ホントに

この学校を無くすまいと 署名活動なんかしている・

けなげな生徒たちがいると思うと つらくてね

せめて 野球部が甲子園にでも 行ってくれたらと思ってたけど・

それも かなわぬ夢だったし

統廃合までの残りの2年間・

こうなったら ありとあらゆる大会に・

出場してみようと思うのよ

あの…

悲観してばかりも いられないしね!

ポジティブ思考です (マスオ)はあ…

それでね あなた これ 顧問やりなさい

(マスオ)はっ… 俳句甲子園ですか?

校名を ここに残さん 雲の峰

うん いいかもしれない

あの でも あの…

(校長)天川先生 天川先生 (天川)はい

(校長)あなた これやりなさい 漫画甲子園

ハァ…

(夕)練習の前に みんな ちょっといいですか?

先日の野球部の試合は 本当に惜しかった

みんな 頑張ったと思う

野球部は負けちゃったけど・

あしたは サッカー部の試合の応援です

学校の名前を歴史に残すため 頑張っていくよ!

(一同)はい (夕)声が小さい!

(一同)はい!

(夕)内海さん ちょっと残ってくれる?

あのね 内海さん… (マコ)はい

実は 苦情が来てるの

えっ?

あなたを見てると目障りで うまくプレーできないって

だから あの 本当に言いづらいんだけど…

やめてもらうことになった

ごめん

(泣き声)

(山田)あ~ ごめんね

(山田)お前さ 無駄に巨乳なんだよ

ウウ…

(山田)何なんだよ お前

小さくて声が届きませ~ん

(山田)何だと このゲロアマ!

うるせえよ チビ!

(山田)ウワーッ!

(衝突音)

(拍手) (女子生徒たち)カッコイイ!

(弘美)すてき… Pちゃん じゅんときちゃった

神様は不公平よ!

死んでやる!

(すすり泣き)

(土山)言い残すことは?

えっ?

言い残すことないの? あれば伝えといてあげるけど

ウッ ウウ…

次の世は ましな私で 生まれたい

ふ~ん

何よ!

いや 辞世の句なんて センスいいなって思って

辞世の句?

人生の最期に詠む俳句だよ

僕も死ぬとき そうしようっと

(ヨーコ)はい

あなたの答案チェックするの 結構 大変なのよ

和訳しなさいってとこ ぜ~んぶ 平仮名でしょ

読みづらいのよね

いくら帰国子女だからって 最低限の漢字 書けないと・

将来 困るわよ

そんなことないですよ

メールするときとか変換すれば すぐ漢字 出てくるし

あら そう はい

(ヨーコ)はい これ! 夏休み中にやっておくように

で… でも漢字 書けない代わりに 英語は しゃべれるし

だから それで チャラってことで ねっ?

(ヨーコ)私も そうしてあげたいのは やまやまなんだけど・

そうもいかないのよね

他の先生からも苦情が絶えないし

え~ もう 超やだ そういう日本的な考え方

決まりだから しょうがないとか ホントくだらない

あなたが いろいろな意味で・

カルチャーギャップを 感じているのは分かるのよ

カルチャーギャップどころじゃ ないですよ

男子は みんなバカで幼稚だし・

カッコイイ子もいないし

でもね 日本の悪いところばっかり 見てても駄目だと思うの

あなたの いけないところは 日本の心を知ろうとしないこと

日本の心?

これ!

えっ…

えっ?

どっちがいい?

・~

・(ノック)

・(マスオ) 土山君 写真部顧問の高田です

・今から部会があるので 集まってくれますか?

はい!

ん? 部会って…

写真部 俺一人じゃん

3人か…

よく集まってくれました

え~と…

写真部は 今日から夏期限定で 俳句部になります

なりました

はあ?

(ドアが開く音)

あの 私…

入部したいんですけど

俳句というのはですね え~と…

五・七・五という17音に凝縮された 僅かな言葉の空間に・

イメージを解き放ち え~…

そんなことは どうでもいいからさ どうすりゃいいの?

アッ… すいません

アッ えっと…

8月の13日から3日間・

愛媛県の松山市において え~…

俳句甲子園大会が開催されます

8月って夏休み中じゃん

勘弁してよ~

あの… 試合の進め方は・

各校5人一組になって 紅白に分かれ・

順番に各自の句を詠み・

そして その句について 3分間の質疑応答をしていくと

ちょっと待って ってことはさ・

5人そろわないと 出場できないってこと?

まあ…

1 2 3 4

駄目じゃん

じゃ

ま… 待ちたまえ! ああ?

僕は どうしても出場したい

だって 4人しかいないんだよ

でも 僕は どうしても出場したい!

僕は…

僕は お~いお茶の投稿俳句に 何十回も応募してるのに・

まだ 一度も 入選したことがないんだ!

一体 伊藤園は何してんだよ!

こんな いたいけな少年の ささやかな夢を踏みにじってさ

それは単に あんたの俳句が下手なんでしょ

えっ?

私も… 私も出場したい!

うそ…

あんたは どうなのよ?

えっ?

ア… あの 僕は その…

ちょっと みんな よく考えてよ 俳句なんて ダサいっつうの

単なる じじばばの趣味だってば

全然カッコ良くないし おしゃれじゃないし

何で俳句なのよ!

俳句は ダサくなんかない

今や俳句は…

ポップなんだぞ!

あんたのシンプルな顔で 俳句はポップって言われても・

説得力ないっつうの

シンプルな… 顔?

もう どうでもいいよ

アッ いた!

治子せんぱ~い!

えっ?

今日からPちゃんは 治子先輩についていきます

はあ?

何か やるんですか?

(山岸)俳句だよ

ハイク? ハイキングのハイク?

(山岸)いや そうじゃなくて…

何でもいいです! 治子先輩と一緒なら

(マスオ)そろっちゃいましたね え~

(山岸の祖父)お~い ポチコや!

おい ポチコ!

ポチコ!

じいちゃ~ん ポチコは2年前に死んだよ

ああ そうだった ああ そうだった…

あっ じいちゃん

俺 今度 甲子園 出んだぜ

ピッチャーか?

ああ… いや 俳句の甲子園なんだけど

ああ…

バット振る 子に夏草の 茂りたる

(山岸の祖父)ポチコや!

(シャッター音)

(シャッター音)

どけ

どけって!

チッ ハァ…

(男子生徒) 夕ちゃん! 今度 こっち向いて

はい

で 何で 俳句部に入ろうと思ったの?

私の辞世の句を・

土山君が センスいいねって言ってくれたの

何? 辞世の句って

人生の最期に詠む俳句

人生の最期だったの?

そのときはね

でも 今は もう そうじゃなくなった

ウフフフッ

(ウクレレの音)

(弘美) ウクレレの 音色が響く 俳句部に

ジャカジャン!

Pちゃん それは俳句ではなく・

現状を ただ五・七・五に してるだけではないですか

えっ? だって それでいいんでしょ

いや それが そう単純じゃないんだなあ

ちょっとしたルールがあるんだよ

ルール? そんなもん あるんすか?

まず 季語っていうのを 入れないといけないし

何それ? (山岸)季節を表す言葉

例えば 簡単なやつだと・

桜は春の季語 ハンカチは夏の季語・

月は秋の季語とかね

え~ 何か超めんどくさい

だから 初めっから言ってんじゃん

あと 切れ字っていうのがあって…

何それ?

(山岸) ア… えっと 分かりますか?

えっ? 切れ字だって

誰が? はあ?

土山君は分かります?

あ… ごめん 何だっけ?

切れ字

えっ 誰が?

ハァ…

君たち 俳句をばかにしてるね

どうですか?

(弘美)キャー! マスオちゃん 気が利く

はい

先生 切れ字の説明してください

切れ痔なんですか? (山岸)違います

そうですよね え~ いや あの…

切れ字というのはですね 「や かな けり」というのが・

代表的な切れ字なんですけれども

有名な句で言うと え~…

「古池や 蛙飛び込む 水の音」の・

古池やの「や」が 切れ字なんですが・

これが もし 「古池に」だったとしたら・

何というか微妙に その 情緒が伝わってこないというか…

つまり 意味や調子を 一旦 そこで切って 後を響かせ・

より作者の心情を表す ってことかな

(弘美)ああ~

何か「古池に」より 「古池や」のほうが俳句っぽいかも

うん 心に響くような感じするよね

でもさ そんな理屈が 分かったところで・

どうすりゃいいの?

あ~ やっぱ 俳句なんて カッコ悪いよ

そんなことないさ!

今や俳句はポップなんだぞ!

あんたのシンプルな顔で 俳句はポップって言われても・

説得力ないっつうの

シンプルな顔って言うな

(ウクレレの音)

シンプルな 顔と言われて うれしけり

ジャカジャン! なんちって

うれしけりだって ちゃんと切れ字 入ってんじゃん

イエーイ!

(山岸)うれしくないよ

難しい勉強は後回しにして・

とりあえず みんなで 俳句 作ってみませんか?

(山岸)お題は?

じゃあ レモンで

OK!

痛っ

降り注ぐ レモンの雨に 痛たたた

フフフフッ

ちょっと何すんのよ!

俳句 考えてるの

1個 要る?

ヘヘヘッ

怖っ

(弘美)治子せんぱ~い!

えっ 何!?

ちょっと やめてよ 離れろっつうの

(弘美)だって好きなんだも~ん!

キャッ!

今の 見た?

ホントは見たんでしょ

(唾を飲み込む音)

み… 見てません

うそつき!

《そうです 僕は うそつきです》

《その日 家に帰って…》

《いろいろ想像しながら 一発 抜いた》

《だって そうしないわけには いかなかったから》

《僕は上質な文学と・

家の近所をうろつく 猫の毛の色と・

辛いキムチと・

そして 高山治子が…》

《高山治子が… 高山治子が大好きだ》

・~

《届かない あなたを思う レモンの香》

《ごめんなさい… 治ちゃん》

空に向け レモンを…

レモンを… 投げて・

考える

ん? 何で私が?

(マスオ)もともと俳句というのは 1人目が五・七・五を書いて・

次の人が七・七とつなげる

うそつき えっ…

この最初の五・七・五だけが 独立して・

俳句として成り立ったわけですね

つまり 俳句というのは 長いお話の導入部分であって・

だからこそ 謎と期待感が あふれてくると こういうわけです

謎と期待感ね

よし!

便秘には レモンジュースが 効くらしい

ジャカジャン!

ハ… ハハッ

その句の一体 どこに謎と期待感が あるっていうんだい?

(ウクレレの音)

はい! (マスオ)はい 内海さん

初夏の風 レモンの香り 恋の予感

(マスオ)は… 初めてにしては なかなかね

アッ はい

はい

傷ついた 心にレモン 丸かじり

どういう意味?

君たちにシンプルな顔 って言われて・

傷つくって気持ちだよ

ああ~ なるほど 治子先輩のは?

えっ? いいよ 私は

せっかくレモン あげたのに

早く!

分かったよ!

空高く レモンを投げる 昼休み

うん 悪くない (マスオ)うん

空の色とレモンの色の対照が 鮮やかな感じで・

なかなかいいと思います

そう?

はい じゃあ 次 土山君 お願いします

アッ…

え~と…

早く!

えっと…

早く!

う~ん…

早く早く 早く早く 早く早く…

あ~の…

ごめん 今回の あんまり 自信ないからパスってことで

(弘美)え~ 何それ!

そんなの あり?

え~ 今日は 吟行を行いたいと思います

(弘美)吟行?

吟行というのは 外に出て いろいろなものを見ながら・

俳句を作るということです

それじゃ 早速 行きましょうか

ねえ 何の疑問も感じないの?

何が?

休日なのに俳句部

何が? ありえないでしょ 普通

サッカー部も朝練やってましたよ

あいつらは運動がしたくて しょうがない人種なの

私は俳句がしたくて しょうがない人種ではないの

どうかしましたか?

生理痛! 文句ある?

いいえ

・~

・~

(弘美)アッ あった 見っけ

あっつい

(弘美)でもさ こうやって歩くと・

いつもと違う景色に見えるね

ひまわりが 海に反射し 色変える

若人の 集う声なり 青葉潮

なかなか やるのう

句を詠むことは かくのごとく 景色との対話・

自らとの対話なのじゃ

対話は無限に続き・

景色は その度に深みと広さを増す

余韻は どこまでも広がり・

世界は細やかに色づいていく

え~ では ご機嫌よろしゅう

どうかしました?

何か変なじいさんに声かけられて

変なじいさん…

(山岸の祖父) ポチコ! ポチコや~い!

・~

夏風や ただ前向きて 波走る

(女子生徒) ねえ 聞いた? 内海マコ

何?

あの子 俳句部に入ったんだって (夕)俳句?

俳句って… あの俳句?

老人が趣味でやるやつ? (女子生徒)そう

(女子生徒)何それ 超ダッサい (夕)ねえ

夕がチアガール クビにしたから 頭おかしくなったんじゃない?

(夕)クビにしたんじゃないよ 男子から苦情があったの

(女子生徒)でもさ ホント やめてもらってよかったよね

あんな子がいたら チアの格が下がるってもんよ

っていうか 何で俳句なの?

ヤバすぎ ダサすぎ

(夕たち)ありえな~い!

(トイレの水洗音) (夕)マジないよ

集団でいなきゃ 人の悪口も言えないなんて・

バッカみたい (夕)はあ?

あんたたちみたいなバカ女は・

日本女性の地位を下げてる ってこと・

しっかり自覚しろっつってんだよ このブス

(夕)えっ 今 私のこと ブスって言った?

Yes, you are ugly

ちょ… ちょっと待ちなさいよ!

まさか高山さんも やるわけじゃないわよね? 俳句

えっ? いや あの…

やるの?

ウワッ ヤバくない? (女子生徒)ヤバすぎ

俳句なんて じじいのうわごとで・

ばばあのたわ言じゃん

俳句の… 何が悪いのよ

俳句はね 俳句は…

俳句は?

俳句は ダサくない

俳句は…

俳句は?

俳句は…

ポップなんだから!

(3人)♪Yeah, yeah ドゥンダン ドゥドゥ

♪あの人は悪魔

♪私をとりこにする

♪やさしい悪魔

♪レースのカーテンに

♪あの人の影が映ったら

♪私の心は もう動けない

♪フー フー

♪Ah! Ah! Devil

♪My sweet little devil

♪Woo やさしい悪魔

♪やさしい悪魔

♪やさしい悪魔

《それは ある日の放課後のことだった》

《僕は いつものように屋上から 校庭を眺めていると・

高山治子が校舎から出てきて・

転がっていたサッカーボールを 思い切り蹴飛ばした》

《サッカーボールは 校庭の 隅にある水道の蛇口に直撃し・

その拍子に蛇口が壊れて 水が空へ飛び散った》

《噴水のように飛び散る水は そこに虹を作った》

《高山治子は それを見て ふと笑った》

《そして 僕は気付いたら 勃起していた》

《以来 僕の頭の中は 高山治子で いっぱいで・

もう どうしようもなくて…》

・(ノック)

・(マスオ) 土山君 ちょっといいですか?

土山君…

何? あら~

ウワッ ウワー すごいですね これ ねっ

ちょ ちょ…!

全部 土山君が撮ったんですか? これ

へえ~ ちょっと 勝手に見ないでよ

すばらしい… あっ ここにもある

へえ~ いい写真 だから 見ないで

ねえ これ すてきじゃないですか

これ 彼女 ねっ

はあ~ いいな

ああ あの…

いや 余計なお世話 かもしれないんだけど・

一瞬を切り取るって意味では・

写真と俳句って とっても似てると思うんですよ

こんないい写真が 撮れるんだから・

俳句だって きっと… いいものが出来ると思うんだけど

分かってるけど…

分かるな

人を好きになるっていうのは 何か こう…

胸がきゅんとね

ああ 分かるな

先生も誰か好きな人いるの?

そんな! いや 好きな人っていうか…

誰? いや いいですよ 僕のことなんて

いいじゃん 教えてよ

いやいや いやいや…

(ヨーコ)お疲れさまでした

ヨーコ先生!

どうですか? 俳句部

ああ…

何とか 頑張ってはいるんですけどね

僕 まだ自信なくて

私 ドラえもんみたいな教師に なりたいんです

(マスオ)ドラえもん?

小学校4年生のときの担任が ドラえもんみたいな先生で・

見た目もドラえもんなんだけど それだけじゃないんです

困ったときに ちゃんと必要な物を 出してくれるの

高校生なんて 体は大人だけど 中身は み~んな のび太君ですよ

(マスオ)はい

うちのクラスの高山治子 ちゃんと行ってます?

ああ はい

よかった

先生 頑張ってくださいね

はいっ! アッ…

はい

・~

これから見学させてもらう 古池高校は・

去年の優勝校ですからね

皆さん くれぐれも 失礼のないように

(一同)古池や 蛙飛び込む 水の音

五月雨を 集めて早し 最上川

(三浦) 実戦で しくじらないためには・

練習あるのみですよ

(一同)はい!

夏草や 兵どもが 夢の跡

雲の峰 いくつ崩れて 月の山

古池や 蛙飛び込む…

やあ 高田君

よく来たね

ああ どうもすいません お忙しいところ

いやいや

どうでしょう? 早速 練習句会とでもいきますか

いいえ 力が違い過ぎます

フフッ まっ 気楽な感じで

ねえ? フフフッ

はあ… (三浦)フフフフ

ちょっと! どうすんのよ

まあ 気楽な感じで…

ねっ?

では 古池高校から 披講をお願いします

(中村) 夕立の 上がりて空の 深くあり

夕立の 上がりて空の 深くあり

松尾高校 披講をお願いします

夕立が 来るぞと告げる 風の音

夕立が 来るぞと告げる 風の音

それでは古池高校の句について・

松尾高校 質疑をお願いします

あの… (三浦)どうぞ

何か すごいっていうか・

空が深いって… すごい いいと思うけど

では 松尾高校の句について・

古池高校 質疑をお願いします

はい! (三浦)どうぞ

この句は 風の音で夕立が 来ることが分かったぞという・

ただの説明の句にしか なっていません

もっと情景が 広がるものにすべきです

ウウ…

(三浦)では 次 古池高校 披講をお願いします

(部員) 大夕立 6本脚の 獅子を舞う

大夕立 6本脚の 獅子を舞う

では 松尾高校 披講をお願いします

と…

とと と… ととと

と… と…

とっととと と…

とっ と… ハァ ハァ…

とっ と と…

と… とと ととと

すいません 僕のせいで

まあ 本番までに何とか頑張れば

駄目です… 僕 多分 もう駄目です

そんな!

僕 3年間 野球部で・

頑張っても頑張っても 万年 補欠だったから・

ずっとベンチにいて・

人前に出ることなんて 今まで なかったから

だから…

だから 俳句甲子園のこと 知ったとき・

これだって思ったんだ

これなら 僕だって ベンチじゃなくて・

ちゃんと ホームラン打てるかもって

なのに…

あの…

あの…

古池高校の俳句は 確かに上手でした

でも… 僕は あんな練習が 楽しいとは思えません

あんな練習を 君たちにしてほしくない

楽しんでください

そうでなければ 意味なんてないんだ

うまく詠もうなんて しなくてもいいんです

楽しんで詠んでください

楽しんで詠んだ俳句は しっかり伝わるはずです

いつか ホームラン打てますよ

・~

え~ 大会まで あと1週間となりました

土山君

どうだろう そろそろ 自分の句を発表してくれないと

あ~ もう Pちゃん 我慢できない!

ちょ… 何すんだよ! ツッチー もう諦めな!

おい!

(弘美) 「印画紙に 写せぬ君の 笑い声」

・~

・~

・~

ツッチーは雲を作る人だね

えっ?

私ね 煙は空へ昇って・

雲になるんだと思ってたの

だから たばこを吸う人は 雲を作る人なんだって

私 ツッチーの俳句 好きだよ

・~

あの句は 高山さんを思って作ったんだ

僕は… 僕は高山さん…

高…

(頭が ぶつかる音) (2人)ウッ!

今 何かした?

ホントは 何かした?

し… ししし…

してません!

うそつき!

《そうです 僕は うそつきです》

《その日 家に帰って・

一発抜こうか どうしようか 迷ったけど・

やっぱり それは いけないことのような気がして・

やめといた》

夏空に 見られた僕の ファーストキス

ダアーッ!

(マスオ)はい どうぞ

わ~い (弘美)Pの!

お題は? (マスオ)風船で

・~

・~

・~

マスオちゃん

墨汁が 足りない もっと持ってきて

あ~… ああ はいはい

土山君 すご~い

はい はい はい お待たせしました!

(弘美)遅~い

来た来た

(弘美)「か げ ろ う」

ウワッ!

ちょっと何すんのよ!

もう…

墨付いた どうしてくれる ふざけんな

すいません でもわざとでは ありません

・~

・~

ヘヘッ 行きま~す

えっ? ちょっ…

あ~ もう~

・~

・~

・~

(鳥のさえずり)

(一同の寝息)

(船の汽笛)

(弘美たち)♪Ah! Ah! Devil

♪My sweet little devil

(治子たち)アハハッ (弘美)アッ!

治子先輩のまね「エヘヘッ」

いいんですか? そんなにのんびりしてて

他の高校は もう宿舎で 俳句 作り始めてますよ

(弘美)ねえ マスオちゃん Pちゃんたちが・

あした すっごい頑張って 予選突破する確率ある?

そりゃあ もちろん

ないね!

そんな確率はない

でも 全くないとは…

いや ない

ほんの少しくらい… (中村)まるで ない

ちょっとく… ありえない

でっ… 皆無

だ… (中村)ゼロです

練習量から経験まで・

僕らと君らでは 雲泥の差があるし・

しかも 根本的な頭の良さにも 違いがあるからね

まあ 諦めたまえ

中村君 あまり下品なまねを するんじゃないよ

はっ 失礼いたしました

やあ 高田君 よく来たね

はあ どうも

いいですね 夕涼みですか

まあ ゆっくりしていきたまえ どうせ すぐ帰ることになるんだし

いいとこですよ 松山は フフフ

じゃ おいとましましょうか

(部員たち)はい!

古池や

(部員たち)蛙飛び込む 水の音

(中村)五月雨を

(部員たち)集めて早し 最上川

(中村)夏草や… (三浦)フフフ

(部員たち)兵どもが 夢の跡

何あれ…

ムカつく!

あいつら 絶対モテないタイプっすよ

言えてる!

やりますか

(寝息)

どうした?

(太鼓の音)

(司会)第12回 全国俳句甲子園 Fブロック予選 第1試合

赤 明神学園高校対 白 松尾高校

(司会)それでは赤チーム 披講をお願いします

(太鼓の音)

(男子生徒) 紫陽花の 葉陰宇宙分の一

紫陽花の 葉陰宇宙分の一

(太鼓の音)

紫陽花や 昨日と違う 自分かな

紫陽花や 昨日と違う 自分かな

(司会)それでは 白チームから 質疑をお願いします

あの えっと 何ていうか…

紫陽花の葉っぱと・

宇宙の壮大さの対比が・

よろしいんじゃないでしょうか

ねえ?

はい! (男子生徒)はい

そちらの句の上五である 紫陽花やの「や」と・

下五の自分かなの「かな」で 切れ字が2つ重なっています

これは句として 根本的な欠陥だと思います

(司会)判定!

(拍手)

(司会) 白チーム 披講 お願いします

(太鼓の音)

どうしました?

白チーム 披講 お願いします

紫陽花や 好きなあなたと 雨の道

紫陽花や 好きなあなたと 雨の道

(司会) では 赤チーム 披講 お願いします

(太鼓の音)

(女子生徒) 紫陽花の 集合の美を 学ぶべし

紫陽花の 集合の美を 学ぶべし

(司会) 白チーム 質疑 お願いします

(司会)判定!

(拍手)

(太鼓の音)

(男子生徒) 紫陽花や 庭を閉ざして 鯨幕

紫陽花や 庭を閉ざして 鯨幕

(太鼓の音)

(マイクのハウリング音)

あ… あああ…

あ… あじ あっ あっ

あっ ああ あじさ…

あああ…

(司会)そこまで!

(司会)判定!

(男子生徒)よっしゃ! (男子生徒)イエーイ!

(男子生徒)次 頑張んねえと 次

(太鼓の音)

(弘美)ウクレレと 一緒に鳴くぞ 小鳥来る

ウクレレと 一緒に鳴くぞ 小鳥来る

(太鼓の音)

(女子生徒)小鳥来る 賛美歌ひとつ 覚えた日

小鳥来る 賛美歌ひとつ 覚えた日

賛美歌と小鳥さんと どうつながってるのか・

よく分かんないっていうか

(女子生徒) 鳴くぞの「ぞ」という濁点が・

ちょっと お下品な感じがします

(司会)判定!

(拍手)

(ウクレレの音)

(女子生徒) 十字架の 胸に一点 小鳥来る

十字架の 胸に一点 小鳥来る

小鳥来る 深く悩める 我が胸に

小鳥来る 深く悩める 我が胸に

(女子生徒)胸に一点という 小さな十字架を想像させて…

え~っと…

こ… ここ こと…

ウウ…

♪(ウクレレの演奏)

(司会)判定!

(拍手)

(司会)勝者 聖フェリス学院高等学校!

・~

(司会) 古池高等学校 準決勝 進出です

(リポーター)まずは 準決勝進出 おめでとうございます

当然です

(部員たち)当然です

(リポーター)もちろん 2連覇は 狙っていらっしゃいますか?

(せきばらい)

当然です

(部員たち)当然です

(すすり泣き)

すいません 僕のせいで

(中村)古池や

(部員たち)蛙飛び込む 水の音

(中村)五月雨を

(部員たち)集めて早し 最上川

(中村)夏草や

(部員たち)兵どもが 夢の跡

雲の峰

(部員たち)いくつ崩れて 月の山

さあ どうでしょうかね

まっ できれば そうありたいですね ハハハ

はい

何ですか?

敗者復活戦です

これから松山城に吟行に行って みんなで俳句を一句・

それに合わせた写真を一枚

最後の一ふんばり 頑張りましょう

え~ もう やだ

・~

先生 やっぱ 帰りましょう

僕 もう駄目です

(弘美)疲れちゃったよ

腹減ったし

何言ってるんですか!

勝っても負けてもいいから せめて 最後の一句だけ・

みんなで 精いっぱい作らないと

今まで やってきたことが 全部 無駄になってしまうんですよ

私… 帰る! マコ?

もういいの 私のことなんか ほっといて!

ちょっと待ってよ! 内海さん!

帰るったら帰るの!

治子は いいわよ

はあ?

治子は…

治子は きれいだし

痩せてるし

俳句だって めきめき うまくなっちゃったし

私なんて どうせ どうせ…

(マスオ)内海さん!

ちょっと待って マスオちゃん

ツッチーが追いかけてあげて

何で僕が?

何でって 今まで気付かなかったの?

何が?

マコはね ツッチーのことが好きで この俳句部に入ってきたんだよ

えっ?

いいから 早く追いかけてあげてよ

早く!

高山さんだって 今まで 気付かなかったのかよ

はっ?

僕は…

僕は高山さんがいたから 俳句部を続けてきたんだ!

ちょっと待った!

Pちゃんだって Pちゃんだって・

治子先輩が好きなのに!

僕だって 初めからPちゃんのこと かわいいと思ってました

そんなこと言うなら 僕だって ヨーコ先生が!

うるさい!

ちょっと みんな 何言っちゃってんの?

・ギャー!

ギャー!

アアー!

(マスオ)アッ 内海さん! (弘美)やだ

ちょっと 何やってんの!?

ちょっ… とにかく落ち着いて 今 そっちへ行きますから

来ないで!

ほっといてっつってんでしょ

俳句部なんか 入んなきゃよかった

私なんか どうせ…

どうせ ブスだし

デブだし

死んだほうがましなのよ

アッ…

(泣き声)

言い残すことは?

言い残すことは?

えっ?

言い残すことないの?

あれば伝えといてあげるけど

次の世は ましな私で 生まれたい

辞世の句…

土山君がセンスいいねって 言ってくれたから

(すすり泣き)

私!

私 結構 楽しかったんだよね

あんなド田舎に来て 退屈で死にそうで・

廃校にでも何でもなってくれ って思ってて

でも 自分でも信じられないけど 結構 楽しかったんだよね

同じ最後の句なら…

辞世の句よりも 私は・

マコと みんなと一緒に 最後の一句を作りたい!

アッ!

(男子生徒) いにしえの 松山城に 夏満ちる

(男子生徒) いにしえの 松山城に 夏満ちる

(男子生徒)私たちは 初めて 松山城に行ったんですが・

その ずっと昔から変わらないで 存在するという・

力強さを表現しようと思いました

(拍手)

(司会)続いて 静渓女学院高等学校

行くよ

(女子生徒) 昨日は とっても緊張して・

もう やるだけやったし・

本当は もう帰って 寝っ転がってしまいたい・

っていうのが正直な気持ちです

(観客の笑い声)

(拍手)

(司会)続いて 松尾高等学校

ひ…

ひ… ひ…

ア… ひ ひ…

ひひ… ひひ…

ひ… 向日葵や!

ぼ… 僕らにひとつ ある言葉

ハァ…

向日葵や 僕らにひとつ ある言葉

あの…

私 ホントは俳句なんて カッコ悪いと思ってました

でも今は 17文字でしか 伝わらないこともあるのかなって

日本語って結構 すてきなもんだな って思ってます

私たちの笑顔 ひまわりみたいに見えませんか?

みんなで作った最後の一句…

とっても楽しかったです

(拍手)

(司会) それでは発表してもらいましょう

敗者復活戦で 勝ち残ったチームは…

(審査員)え~ 皆さん 吟行を 楽しんでくださったようで・

いい句が たくさん出て・

私たちも 1つだけ選ぶのに 苦労いたしました

その中で とっても楽しそうな写真と・

俳句のコンビネーションが すばらしかった

松尾高等学校

えっ? うそ!

うそ! やった! やった!

ワアー!

ありがとうございます ありがとうございます

ありがとうございます やった~!

(太鼓の音)

(拍手)

(司会)第12回 全国俳句甲子園 準決勝 第2試合

赤 古池高等学校対 白 松尾高等学校

先行 赤チーム 古池高校 披講 お願いします

(太鼓の音)

風鈴や 子規全集の 第四巻

風鈴や 子規全集の 第四巻

(司会)白チーム 松尾高校 披講 お願いします

(太鼓の音)

か… か…

かかかか… かか…

風を吸い込み 白シャツの はためける

風を吸い込み 白シャツの はためける

(司会)では 白チームから・

赤チームに対する質疑を お願いします

(司会)どうしました? 松尾高校

はい!

え~ あの あの…

『子規全集』って 何巻まであるんですか?

(観客の笑い声)

全22巻ですが?

『ドラえもん』は全45巻です

Pちゃん!

あの… 私は 第4巻ってとこが・

何か微妙な数字でいいな って思って

俳句をたしなむ者として 子規先生の作品に触れることは・

最低限の教養です

また風鈴の音のする風流な部屋で それを味わうというのが・

この句に込められた風情なのです

『ドラえもん』と比べられても 困るな

(司会)では 赤チームから 白チームへの質疑をお願いします

(一同)はい!

(部員)はい

え~ この句は 俳句の基本的なリズムを・

崩した型になっていますが・

それが あまり効果的ではないと思います

あの… あの その…

僕は…

リズムを壊すことで・

風が一気に吹いてきた勢いが 感じられるんじゃないかと

それは 全く感じられませんね

まずは リズムに乗せて句を詠むことが・

君たちのような初心者には 必要なことです

あの… あの その…

僕 野球部だったんです

補欠だったけど

けど 一度だけバッターボックスに 立ったことがあって

空振りして転んで また立ち上がって構えたとき・

強い風が吹いてきて・

何か気持ち良かったんだなあ その一瞬が

(司会)判定!

(司会)赤4本 白3本 古池高校

(拍手)

(司会)まずは1勝を決めました 古池高校

では 次 白チーム 披講 お願いします

(太鼓の音)

夏の風 ウクレレの糸 つまびいて

(ウクレレの音)

夏の風 ウクレレの糸 つまびいて

(司会)では 赤チームの披講 お願いします

(太鼓の音)

風船は 空の弔い

風船は 空の弔い

(司会)質疑 お願いします

(部員)その句からは まるで深いものが感じられません

発想が とてつもなく幼稚です

これは優しい風が・

まるで音楽のように 吹いている様子を詠みました

私はウクレレが大好きで 結構 上手です

(一同)はあ?

弾いてみましょうか?

♪Ah! Ah! Devil

♪My sweet little devil

Pちゃん!

♪Woo… (マスオ)Pちゃん!

♪やさしい悪魔

♪やさしい悪魔

ジャカジャン! (山岸)Pちゃん もうやめろ

(司会)そこまで (山岸)すいません

(司会)質疑 お願いします

風船は 空の…

弔い

弔い?

それって 俳句ですか?

(部員)はあ? いや あの…

自由律 ご存じない?

尾崎放哉の句 「せきをしても一人」とか・

ご… ご存じない?

漂泊の俳人 種田山頭火の 諸作などに見られるような・

伝統的な形式 五・七・五にとらわれない・

文字どおり自由な表現です

風船を 飛ばしてしまったことによる喪失

しかし それを 空に与えたことによる・

不思議な癒やしとも言える感情

美しくも切ない

この悲しみ 分からないかな?

何となく分かる気がする

(ウクレレの音)

(司会)判定!

(司会)赤6本 白1本で古池高校

(拍手)

(司会)2対0

続いて 赤チームから 披講 お願いします

(太鼓の音)

青薄 風と嵐を 押し戻す

青薄 風と嵐を 押し戻す

(司会) 白チーム 披講 お願いします

(太鼓の音)

片恋の 涙に風の 薫りけり

片恋の 涙に風の 薫りけり

(司会)それでは 白チームからの 質疑をお願いします

はい

青薄…

何か風が吹いて なびいてる映像が浮かびます

いいですね

アッ! でも漢字が…

はあ?

漢字が… 風と嵐って漢字 すごい似てます

だから?

だから…

あの つまり…

似た言葉の繰り返しに なってる気がする

か… 風と嵐を続けることで・

次々と前よりも強い風が 吹いてる様子を表現してるのです

(司会)では 赤チームからの 質疑をお願いします

(一同)はい

「片恋の涙」情景としては 非常にありきたりです

この… この句は片思いの句です

もう悲しくて悲しくて 涙が いっぱい出たけど・

それでも 私 生きていかなくちゃ いけないんだなって思って

そういった個人的な体験を語る 解説がなければ・

味わえないのであれば 俳句である意味がない

あんたたちには分かんないわよ

ただ失恋の句と詠めば それだけで終わってしまうけど・

「風の薫りけり」 失恋の悲しい涙のあとに・

爽やかな風が吹いて そして 青空が来る

皆さんも そんな経験ありませんか?

ある! ない!

(司会)逃げきりたい古池高校

ここで決めれば 古池の勝利です

それでは 判定!

白4本 赤3本 松尾高校!

うそ!?

やった~

(ざわめき)

ヨーコ先生!

(司会)さあ 踏みとどまった松尾高校 2対1

続いて 白チームから 披講 お願いします

(太鼓の音)

ひらがなの ノオトよ風の 夏帽子

ひらがなの ノオトよ風の 夏帽子

(司会) では 赤チーム 披講 お願いします

(太鼓の音)

青竹を ゆすりて黒南風の過ぎぬ

青竹を ゆすりて黒南風の過ぎぬ

(一同)はい!

ひらがなの「ノオト」 とすることに・

わざわざ意味があるとは 思えません

ひらがなの「ノオト」

ノートじゃなくて ノオトです

ノートだと 実用的な感じがしますが・

ノオトだと知的なイメージが 浮かびますよね

ふわ~っと風が吹いてきて・

ノートが ぱらぱらとめくれる

その横には 今し方 草の中を走ってきて・

置いたばかりの白い帽子がある

作者は きっと その白い帽子の持ち主に・

淡い恋心を抱いてるんだろうなあ

ああ 何か 胸が きゅんときませんか?

「ひらがなのノオト」 とすることで・

一般的には 小学生の子供を思い出す

恋心? そんなものには 全くイメージが広がりません

だから あんたたちには 分かんないわよ

(司会)では 白チーム 質疑をお願いします

あの… 青と黒の色彩を はっきりと対比させていて・

すばらしいと思います

ねえ 黒南風って何?

(ざわめき)

梅雨時のどんより曇った日に吹く 風のこと

雨雲の覆いかぶさる重苦しさこそ この句のテーマです

何で?

何で そんな重苦しさなんて 詠みたいの?

はっ?

楽しい? (部員)えっ?

そう… 年寄り臭いんだ! (部員)えっ?

自分で見た風景じゃないみたい ん?

生き生きとした魅力が ないっていうか…

ななな… なんてことを!

マスオちゃんが教えてくれた

俳句は楽しんで詠まないと 意味がないって

し… しかし! (司会)そこまで

(司会)判定!

(どよめき) (司会)松尾高校!

(拍手)

よし

よし!

(司会)2対2 いい試合になってきました

さあ 最後の勝負

赤チーム 古池高校から 披講 お願いします

(太鼓の音)

風雪に 耐えたる春の 城趾かな

風雪に 耐えたる春の 城趾かな

(太鼓の音)

南風 わたしはわたしらしく跳ぶ

南風 わたしはわたしらしく跳ぶ

(司会)時間です

(司会)それでは… 判定!

(司会)白7本

勝者 松尾高等学校!

(歓声)

やった 勝った!

やった~!

(治子たちの歓声)

(拍手)

やりましたね… やりましたね!

ヨーコ先生!

失礼しました

(歓声) (山岸)やった~!

《頑張るのなんて カッコ悪いと思ってた》

・~

(山岸の祖父) お~い ポチコや~い!

ポチコー!

ポチコ?

ポチコ…

あっ こんなとこにいたんかいな

捜したぞ ポチコ

(鳴き声)

あ~ 捜したぞ

(猫の鳴き声)

(マスオ)はい

ヒヒヒッ (校長)ヒヒヒヒ…

・~

(山田)ウッ…

ハハハハ…

・~

やった~!

やった やった やった!

(弘美)治子先輩

・~

ツッチー!

(自転車のベル)

一緒に帰ろう! えっ?

うっそ~

・~

駆け抜ける 青春恋は 五・七・五

・~

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