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♪〜
〜♪
(リムル) リムルたちは アメルド大河に沿って北上していた
ゴブリンたちの家や服を作るための 技術者を探しに
ドワーフの王国 ドワルゴンへ 行くのである
同行者はリグルと ほか2名
そして 一度ドワルゴンに 行ったことがあるという
ゴブタが道案内である
牙狼族(がろうぞく)からテンペストウルフに 進化したオオカミたちの
移動速度は風のように速い
(リムル) おい あんまり無理はしなくていいぞ
(ランガ)はっ!
(リムル)あ… ひゃあ〜!
(リムル) なぜ加速する〜!
(ゴブタ)ハア ハア…
(リムル)リグル君
君のお兄さんは 誰に名前 付けてもらったの?
(リグル) はっ! 兄は通りすがりの魔族の
ゲルミュッド様に 付けてもらったそうです
見どころがあるからと
(リムル)ゲル…
“ゲルミュッド” 魔王軍の幹部です
(リムル)ほお…
ていうか 魔王軍? 魔王がいるのか
ヴェルドラは 勇者もいるって言ってたし…
大変そうだから 関わり合いに ならないようにしなくっちゃな
(リムル)あっ
(リムル) なあ ランガ
(ランガ)はっ!
(リムル) 俺って お前の親父(おやじ)さんの
敵(かたき)ってことになるよね?
その辺 気にしなくていいの?
(リムル) 前から気になってたんだけど…
(ランガ)思うところはあります
しかし 我が主(あるじ)は
戦いに負けた我々を 許したのみならず
名前まで授けてくだされました
感謝こそすれども 恨むようなことはありません!
我らの忠義は
我が主 ただお一人のもの でございます!
(リムル)ゴブタ (ゴブタ)は… はい!
(リムル) 俺たちが向かってる町は どんな所なんだ?
え… ええっとっすね
正式には 武装国家ドワルゴンという名称っす
天然の大洞窟を改造した美しい都で
ドワーフだけじゃなくてエルフとか 人間もいっぱいいるっす!
(リムル)エルフ!
(エルフたち)ウフフ…
(リムル) エルフか…
ドワーフ王のガゼル・ドワルゴは 英雄王と呼ばれる人物で
国民に ものすごく慕われてるっす
(リムル)エルフ…
エルフ〜
(リグル)リムル様?
(リムル) そ… そのドワルゴンって
俺みたいな魔物が入っても 大丈夫なのか?
(リグル)心配いりません
ドワルゴンは中立の自由貿易都市
あの地での争いは 王の名において 禁じられているのです
(リムル)ほう
それを可能とするのが
武装国家ドワルゴンの 強大な軍事力です
この千年 ドワーフ軍は不敗を誇るのだとか
(リムル) 千年! そりゃあ すごい
(リムル) そんな無敵の王を 敵に回すようなヤツはいないわな
前に行ったときは門の前で
(ゴブタ)絡まれたっす… (リグル)トラブルなんて
起こりませんよ
(リムル)ん?
(リムル) なんか 今
盛大にフラグが立ったような気が しないでもないが…
(リグル) あっ リムル様 いい感じに焼けてますよ
(リムル) ドワーフの王国へは
ゴブリンの足では 歩くと 2か月はかかるといわれている
その距離を ランガたちの頑張りのおかげで
リムルたちは 3日で走破したのだった
(リムル) あそこにエルフが…
じゃなくて!
ドワーフたちが いるんだな
すてきなエルフに…
じゃなくて! 腕利きの職人に会えるといいな
(リグル) 本当にリムル様とゴブタだけで 行かれるのですか?
(リムル)ああ
あまり大勢で行って 目立たないほうがいいだろう
ゴブタは案内役で連れていく
しかし…
大丈夫っすよ!
(ランガ)我が主…
(リムル)心配いらない!
じゃあ 行ってくるから ここで待っているように
(リグル)お気をつけて
(遠ぼえ)
(リムル)すごい行列だなあ
チェックも厳しそうだ
中に入れば 自由に行動できるんっすけどね
(リムル)自由か…
(エルフたち)ウフフフ…
(男A)お〜い おいおいおい!
(2人)ん?
(男A) 魔物が こんな所にいるぜ?
(男B) まだ 中じゃねえし ここなら殺してもいいんじゃね?
(リムル) はい 早速 絡まれました! フラグ回収です
(リムル) おいおい ゴブタ君 なんか聞こえないかね?
はい 聞こえるっすね…
前 来たときも ここで ボコボコにされったす
弱い魔物の宿命みたいなもん なんすよ
(リムル) 宿命ねえ…
おい 雑魚い魔物! こっち 無視してんじゃねえよ!
ていうか しゃべるスライムってレアじゃね?
見せ物として売れるんじゃね?
(リムル)ゴブタ君 (ゴブタ)え…
(リムル) ルールその1を 覚えているかね?
はい! もちろんっす!
ルールその1 人間を襲わない!
(リムル) では 少し目をつぶり 耳を塞いでおくんだ
(ゴブタ)へ?
(リムル) 決して こっちを 見てはいけない!
了解っす!
(リムル)さてと…
(2人)あ?
(リムル) おいおい! 俺は寛大だから 今なら許してやる
さっさと うせな!
(男A)くっ…
クソ雑魚の 魔物のくせしやがって
ナメてんじゃねえぞ!
お前 死んだぞ!
殺さずにいてやろうと 思っていたんだがな
俺たちを怒らせた以上 そうはいかんぞ!
(リムル) おっ 雑魚っぽいセリフ
(リムル) クソ雑魚の魔物? それは俺のことか?
(男A) てめえに決まってるだろうが!
(リムル) ほ〜う 俺がスライムに見えるのか?
(リムル) まっ そうなんだけど
(リムル)クックック
いつから 俺がスライムだと勘違いしていた?
見せてやろう この俺の真の姿を!
(うなり声)
(リムル) なんか“擬態”が進化してる?
(男A) ヘッ どうせ見た目だけだろ
(男B) それでビビって 逃げるとでも思ったか!
(リムル) もう… 逃げてくれよ めんどくせえ
(リムル)やれやれ…
もういいや かかってこい!
ヘッ 死にやがれ!
お前らも やれ!
(リムル) 仲間 増えた!
くらえ!
斬撃(ざんげき)!
(男C)重破斬(じゅうはざん)!
(男D)ファイヤーボール!
(男E)マジックウォール!
(男A)ああ〜!
(男C)バ… バカな!
(男D)俺のファイヤーボールが…
(男E)なんて硬い毛だ!
(リムル)今 何かしたのか?
(リムル) おおう… やられちゃうかと思った
“擬態”スゲえ
(リムル)俺のターンだな? (男たち)あっ…
(うなり声)
(ほえ声)
(男たち)あ… ああ〜!
(人々の悲鳴)
(リムル)あっ
ヤッベ…
(大賢者(だいけんじゃ)) “威圧”の効果を報告します
失禁34名…
(リムル) いや 被害報告とか いいから…
(カイドウ)こら〜! (リムル)あっ!
(カイドウ)そこの お前〜!
(カイドウ)あ?
スライム?
(リムル)てへぺろ!
(扉が閉まる音)
(ゴブタの寝息)
(リムル) なにが案内役だ この野郎
ていうか こんなときに ずぶといな
(カイドウ)で? (リムル)あっ はい!
(リムル) でも… 以上っす
(カイドウ)ふむ…
まあ スライムとゴブリンだから 絶好のカモだと思われたんだろうな
(リムル) ちょっと追い払おうと 思っただけだったんですが
ご迷惑をおかけして 本当に すんませんっした!
(カイドウ) まあ 大体 目撃者の証言と一致する
今回は君たちを…
(兵士)隊長! 大変だ!
鉱山にアーマーサウルスが!
(カイドウ) なんだと! 討伐隊は?
(兵士)既に向かいました!
それより 魔鉱石の採掘に
奥まで潜ってたガルムたちが 大ケガを…
(カイドウ)回復薬は?
それが 戦争の準備だかで 足りてないんですよ!
あいつらは 俺の 兄弟みたいなもんなんだ
と… とにかく 回復薬を探せ!
(リムル)旦那
(カイドウ) なんとしても かき集めろ!
(リムル)旦那 (カイドウ)ん?
あっ! なに勝手に出てきてんだ お前!
(リムル) まあまあ それどころじゃないんでしょ?
あれ…
必要なんじゃないですかね?
これは…
(リムル)回復薬ですよ
飲んで良し かけて良しの 優れものですよ!
はあ?
ふむ…
(リムル) とりあえず試してみちゃどうです?
うむ
(兵士) 隊長! 魔物の言うことを信じるんですか?
(カイドウ)時間がない!
(カイドウ)行くぞ! (兵士)は… はい カイドウ隊長!
お前 ちゃんと牢(ろう)に入ってろよ!
(リムル) あんなに部下の心配をして…
いいヤツのようだな
(リムル)揺りかご!
ダイヤモンド
鼓(つづみ)
船!
からの…
東京タワー!
(ゴブタの寝息)
(リムル)うっ…
(リムル)それにしても こいつ
ホントに よく寝るな…
(足音)
(カイドウ) 助かった ありがとう!
(ガルム) あんたが薬をくれたんだってな! ありがとよ
(リムル) いえいえ
(ドルド) 腕がちぎれかけてて 生き残れても 仕事がなくなるとこだった
ありがとう
(リムル) どういたしまして
(ミルド)うんうん
うんうん
(リムル) なんか言えよ!
(ガルム)ホントに ありがとよ!
(ドルド)恩に着るぜ!
(ミルド)うんうん
(リムル)釈放っすか
もちろんだ
(カイドウ) それにしても あんなすごい薬は初めて見たぜ
礼と言っちゃなんだが
俺にできることなら 何でも言ってくれ
(リムル)それなら…
ん?
(カイドウ)なるほど
そういうことなら 腕のいい鍛冶師を紹介しよう
(リムル)それは助かります!
(カイドウ) 礼なぞ不要だ 任せとけ!
(にぎやかな声)
(女)いらっしゃい
(リムル)はあ〜
さすがはドワーフの国
ゴブリンの村に比べて 随分 文明的だ!
(カイドウ)こっちだ (リムル)あ…
(カイドウ)迷子になるなよ
(リムル) スゲえ! あの装飾 細工が細けえ…
何だ あの剣? うっすら光ってる?
魔力か?
ああ あれあれ あれを作ったヤツだよ
(リムル)え?
(カイドウ)これから会う鍛冶師
(リムル)ほう!
(カイドウ) ここだ 腕は保証するぜ
おい! 兄貴 いるかい?
(リムル)兄貴?
(カイジン) カイドウか 少し待ってくれ
(カイドウ)ああ
(リムル)おじゃましま〜す
(カイドウ)カイジン
俺の兄貴だ
(リムル) おお 頑固一徹の職人って感じ
(ドルドとガルム)あっ! (リムル)ん?
(リムル)あっ
(カイジン)あ? スライム?
お前たち 知り合いか?
カイジンさん このスライムですよ
昨日 大ケガした 俺たちを
助けてくれたのは!
うんうん
(カイジン) おお そうだったのか!
ありがとう 感謝する
(リムル)いやいや
それほどでもあるような ないような?
ヘヘヘ! ハハハ…
(カイジン)それで 何の用で?
ふむ… なるほど
話は分かった
だが すまん! 今 ちょっと立て込んでてな
どこぞのバカ大臣が むちゃな注文をしてきてなあ
(リムル)むちゃな注文?
戦争があるかもしれないって
ロングソードを20本 今週中に作れってな…
まだ1本しか出来てないんだよ 材料がなくって
だったら 無理だと言って 断ったらいいじゃねえか
(リムル) もっともだ
バカ野郎!
俺だって“無理だ”って 最初に言ったんだよ
そしたら クソ大臣のベスターのヤツが…
(ベスター)おやおや
王国でも名高い鍛冶師の
カイジン様ともあろう お人が
この程度の仕事も できないのですかな?
なんぞと ほざきやがったんだよ
許せるか? あのクソ野郎が!
(リムル) 部長も そんな感じだったな
どこの世界も 人間関係は めんどくさいんだな
(リムル)材料がないって?
(カイジン) ああ 魔鉱石という特殊な鉱石が 必要でな
(ガルム) 昨日 俺たちが堀りに行ったんだが…
(ドルド) アーマーサウルスが出てな
(ミルド)うんうん
(リムル)なるほど
どちらにせよ あの鉱山は ほとんど掘り尽してて…
もう残ってないようだ
うんうん
(カイジン) しかもな… たとえ材料があっても
20本打つのに 2週間はかかるんだよ
なのに あと5日で 王に届けなければならない
国で請け負い 各職人に割り当てが行われた仕事だ
できなければ 職人の資格の剥奪もありえる
兄貴…
(リムル)困ったもんだな
(リムル) あれ?
魔鉱石って 俺… 持ってるんじゃね?
(リムル)フッフッフ〜
ハ〜ハッハッハ!
ハッハッハッハ…
親父…
ぺっ!
これ 使えるかい?
あ?
おいおい…
おいおい おいおい! おいおい おいおい!
魔鉱石じゃねえか!
しかも 純度が ありえんほど高いぞ!
(ミルド)うんうん!
(リムル) おいおい 親父 あんたの目は節穴かい?
(カイジン)え?
おお〜!
魔鉱石じゃない!
既に加工された 〝魔鉱塊(まこうかい)〞だ!
(リムル)正解
更に強力な剣を作ることができる!
そんな… この塊 全てが?
(唾を飲み込む音)
こ… これは譲ってくれるのか?
あっ もちろん 金は言い値で払うぞ!
(リムル) さて どうしたもんかね〜
(リムルの口笛) (カイジン)くう〜 何が望みだ?
(カイジン) できることなら何でもする!
(リムル)その言葉が聞きたかった
(唾を飲み込む音)
(リムル) 誰か親父さんの知り合いで
技術指導として村まで来てくれる 人がいないか探してほしい
そんなことでいいのか?
(リムル) 俺たちにとって最優先が 衣食住の“衣”と“住”なんだよ
まあ それと 今後の衣類の調達や 武具なんかも頼みたい
フッ お安いご用だ
だけど…
今から剣を そろえようとしても…
(ミルド)うん…
(リムル)間に合うのか?
まあ やるだけ やってみるさ
さあ すぐ始めるぞ!
(ドルドとガルム)へい! (ミルド)うんうん!
(ハンマーでたたく音)
(リムル) そうだ… 大賢者さん ちょっとよろしい?
(大賢者) はい
(リムル)なあ 親父さん
(カイジン)ん?
(リムル) さっき 1本作ったって言ってたな その剣を見せてくれ
ああ?
あ… おい
(リムル)これは見事だ
素人の俺にだって 親父さんの腕が確かなのは分かる
ん? この剣も光って見えるな
(カイジン) 魔鋼(まこう)を芯に使ってるからな
(リムル)ん?
(カイジン) 簡単に言うと
使用者のイメージに沿って 成長する剣ってわけだ
(リムル)スゲえ〜!
(リムル) スゲえな… この親父さんが 村に来てくんないかな〜
っと そのためにはっと…
(リムル) ちょっと その剣 借りるぞ
(ガルム)え… わっ! (カイドウ)ああ!
(カイジン)お… おい!
(ガルム)剣が… (ドルド)何を?
(ミルド)ああ…
(一同)あっ!
リムルの旦那?
(リムル)少し待て
(リムル) 大賢者 解析しろ
(大賢者) 解析対象 ロングソード
成功しました
(リムル) 魔鉱塊を使って コピーを作成してくれ
(大賢者) 成功しました
(カイジン)うお! (カイドウ)ええっ?
(2人)えっ!
ああ…
(リムル) 魔鉱塊のロングソード 20本 完成だ!
(一同)ええええ〜!
(リムル)お祝い?
(カイジン) ああ! おかげさまで 無事に納品が終わったんでな
(リムル) 別に そんなことしなくても
まあまあ
エルフのきれいなおねえちゃんが いっぱいいるから!
(リムル)エルフ!
(ドルド) そそ! “夜の蝶(ちょう)”って店でな
若い子から熟女まで!
紳士御用達の店なんだよ
(リムル)蝶… (ミルド)うんうん!
(リムル) しゃべれよ!
おいおい リムルの旦那が来ないと 始まらないぜ?
(ドルド)そそ!
(リムル) まあ そこまで言うなら しょうがないなあ
(ガルム)そうこなくっちゃ!
(一同の笑い声)
(リムル) まったく…
困ったヤツらだぜ!
(エルフたち)ウフフフ…
(ドアが開く音)
(店のママ) あら カイジンさん いらっしゃ〜い!
(一同)いらっしゃいませ〜!
(リムル) うっひょ〜!
エルフ!
エルフ!
エロフ…
もといエルフ!
(エルフA)うわ〜 かわいい!
(リムル) キター!
(エルフB) ちょっと〜! 私が先に目ぇ付けてたのに
(リムル) ちょっ… ヤッベえ! 服 うっす〜い
(エルフC) ポヨヨンしてる 気持ちいい〜!
(リムル) 気持ちいいのは こっちです…
ああ…
これが女の人の胸の感触…
生まれて初めて
これが楽園か…
(カイジン) 嫌がってた割には えらく楽しんでくれてるみたいだな
(リムル)え? あっ…
い… いや それほどでも?
ヘヘッ
(ドルドとガルム)ヘヘ…
(ミルド)うん!
(リムル)くう〜!
(店のママ) さあ 飲みましょう 飲みましょう!
(一同)は〜い!
(リムル) このとき 俺は天国にいた
ずっと この谷間で過ごしたい
なんという豊かな谷間のある人生…
しかし 楽しいときは長くは続かない
それもまた人生
♪〜
〜♪
(大賢者) 次回「英雄王ガゼル・ドワルゴ」
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