All language subtitles for Solomon.no.Gishou.EP06.1080p.NF.WEB-DL.DDP2.0.H.264-MagicStar

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Original subtitles

(健一)告発状を書いたのは 三宅(みやけ)じゃないかって

すごいウワサになってる

(神原(かんばら))ホントのこと言えよ!

あいつは あんたへの復讐(ふくしゅう)で 自白なんかしたんだよ!

(涼子(りょうこ)) どうして そう言い切れるの?

(神原)卓也(たくや)が殺されたと 思いたくなかったのかもしれない

俺ね 父親が母親を殺して 自殺してるんだよね

でも 卓也だけは 俺をそのまま受け入れてくれた

(涼子)被告人 大出(おおいで)俊次(しゅんじ)は

柏木(かしわぎ)卓也君を

本校の屋上から突き落として 殺害しました

(神原)検事側が言ったことは 空想にすぎません

無罪を主張します

(北尾(きたお))ちょっと裁判 止めるぞ

逮捕って どうして?

(北尾)大出の家の火事な 火をつけたのは

大出の父親だったらしい

(涼子)大出君のお父さんは 保険金 目当てで放火したんだよね

でも 家には家族がいたのに

(剛)“花火師”っていってな

人には被害を出さない手口で 放火するプロがいる

家族が巻き添えにならないようには 考えてたんだろう

ただ…

火事の前に

(電話の着信音)

嫌がらせや脅迫電話があったのは 知ってるだろ?

嫌がらせや脅迫電話があったのは 知ってるだろ?

あれな

一部 大出の父親の演出だった

演出?

(剛)火事も その延長だと 思わせるためにな

わざわざ 金払って やらせたんだよ

そのこと 大出にも知らせたんですか?

(剛)ああ ショック 受けてたよ

あんな状況で 父親に利用されたんだからな

(神原)とにかく 大出に会いに行ってくるよ

(涼子)うん

(神原)何?

1つだけ 引っ掛かることがあって

何で お父さんが この事件を捜査してたのかな

(神原)ん?

保険金詐欺だったら 所轄の中町(なかまち)署の担当だよね

何で わざわざ 警視庁が出てきたんだろう?

もしかしたら お父さんが調べてるのは

もっと他のことなのかも

(玄関のチャイム)

ごめん こんな時に

(俊次)いつ再開する?

(神原)え?

裁判

話してやるよ

ホントのこと

(生徒たち)おはよう

(祐子(ゆうこ))いや でも マジ びっくりした

大出のお父さん逮捕

(チカ)ねっ (房江)もう裁判 中止かと思った

(チカ)よく出てこれるよね 大出

(岡野)冗談じゃねえよ こんな時に裁判なんて

(高木(たかぎ))私服で学校に入らない 帰りなさい!

(北尾)まあ まあ まあ いいじゃないですか もう

(高木)まあ まあ まあって 何がいいんですか

北尾先生 あなたは いつも…

(北尾)落ち着いてくださいよ (岡野)はい おはよう

(高木)おはようございます

(佐知子)このたびは

息子が お騒がせしてしまい 本当に申し訳ございませんでした

(神原)証人は 被告人が 被害者を殺したと思いますか?

(佐知子)思いません

(神原)ですが 被告人は 殺人を疑われてからも

はっきりと それを否定してきませんでした

そうしなかったのは どうしてだと思いますか?

(佐知子)父親を 苦しめたかったんだと思います

息子に殺人の疑いがかかれば

社会的信用が損なわれますので

どうして苦しめたかったんですか?

息子は

幼い頃から 父親に ひどい暴力を受けてきました

(傍聴席のざわめき)

(打撃音)

(佐知子) 私は助けてやることができず

つらい思いをして 育ってきたと思います

(殴る音)

(俊次)ごめんなさい ごめんなさい

(佐知子)あの…

息子が人様に 暴力を振るうようになったのは

親である私どもの責任です

そうすることによって 助けを求めていたのに

助けてやれなかった

(神原)父親を苦しめるために

殺人を否定しなかったことが 疑いをここまで大きくしてしまった

そういうことですか?

そうです

あの…

あの… ホントは とっても優しい子なんです

あの 私が殴られそうになると 憎まれ役を買って出たりして

そんな人殺しなんて そんなことできる子ではありません

私は

息子の無実を信じています

(傍聴席のざわめき)

先ほど 被告人は人を殺すような 人間ではないという⸺

証言がありましたが それについて どう思いますか?

(恵子) 随分 無責任すぎると思うけど

(涼子)どういう意味ですか?

(恵子)おやじのことは 同情するけど

それを言い訳にして ほったらかしてきたから

こんなことになってんでしょ

(涼子)去年の11月

被告人と被害者が食堂で もめているのを見ましたか?

(恵子)見たよ

そこで何がありましたか?

(橋田(はしだ))もっと入んだろって 入るだろ おい!

入ったじゃねえかよ

入ったぞ うまいだろ? うまい?

(井口(いぐち))よかったな お前 (橋田)もう1本いくだろ おい

(橋田)俊(しゅん)ちゃん もう1本いけそうだからいくよ

(俊次)フフフッ

(井口)お前 やばいな (橋田)これ世界記録 更新だよ

もっといけるっしょ もう1本 もう1本

(井口)何だ お前

おい!

何シカトしてんだよ てめえ

(卓也)面白い? そんなことして

(橋田)あ?

お前 何なの?

動物だよね 君たち

脊髄(せきずい)反射でしか動くことができない

そんなふうに生きてて むなしくならない?

ふざけんなよ おめえ!

(井口)おい

お前 何 生意気な口 利いてんの ああ?

(俊次)おーい

どうした?

勉強しすぎて ストレスたまっちゃったか?

優等生

なでなでしちゃーう

(卓也)弱い者は 更に弱い者を たたくってことしかできない

動物以下だよ

昆虫だ お前ら

(涼子)この時のもめ事が原因で

被告人は 被害者を殺したと思いますか?

(恵子)柏木が死んで ああ やっぱりとは思ったよ

昆虫なんて言われて この人が放っておくわけないし

(涼子)勝木(かつき)さんは どうして証人になったんですか?

このままじゃ この人がホントにダメんなるから

柏木を殺したんなら ちゃんと罪を償いなよ

(傍聴席のざわめき)

検事からは以上です

(神原)食堂で もめたあと

被告人は 柏木君を殺してやるとか

そういうことを 言っていたんですか?

(恵子)そうは言ってないけど

じゃあ あなたの 想像にすぎないんですね

(恵子)あんたは知らないんだよ この人は…

聞かれたことだけに答えてください

想像ですよね?

ところで証人は被告人と どういう関係なんですか?

え?

(神原)2人をよく知る人から 話を聞きました

俊次さ このままでいいわけ?

お前さ 1回 やったぐらいで 勘違いすんなよ

(リナ)やったの?

(傍聴席のざわめき)

あなたは 被告人に好意を持っていたのに

冷たくされて恨みを抱いた

は?

(神原)その腹いせに

被告人に不利になるような 証言をしたんじゃないですか?

ふざけんなよ

以上です

(井上(いのうえ))証人は退廷してください

(ドアの開閉音)

(ドアの開閉音)

(茂木(もぎ))盛り上がるね

(涼子) 何で あんなこと言ったの?

腹いせなんて

勝木さんは そんなつもりで 証言したんじゃないよ

(健一)僕も ひどいとは思ったんだけど…

勝木さんは 大出のために証言してくれたのに

(チャイム)

(チャイム)

(茂木)でもさ

(チャイム)

彼女に だまされてるって 可能性もあるよね

(涼子)えっ?

勝木さんが大出君のことを ホントに恨んでて

裁判を利用して大出君に 復讐しようとしてるのかもしれない

(涼子)そんなわけないですよ

(茂木)そういうふうにね

あらゆる角度から 検討するのが裁判だってこと

うかうかしてたら負けちゃうよ

それよりさ 例の大出君ちの保険金詐欺

あれ 藤野(ふじの)さんの お父さんが担当してんの?

えっ?

さっき見かけたよ

そのことで来てるのかな

(剛)保護者から 逮捕者が出てしまって

校長先生も大変でしょう

(津崎(つざき))ああ ご心配いただいて

藤野さんには 何かと ご迷惑のかけっぱなしで

どうぞ どうぞ (剛)あっ すいません

(津崎)誠に申し訳ございません

(剛)ところで先生

逮捕の時 大出さんの会社に いらしてましたよね

(津崎)ええ

あれ

どういう ご用件だったんですか?

(津崎)裁判のことで お伺いしました

息子さんが被告人となれば

親御さんとしても ご心配でしょうから

それだけですか?

(津崎)あっ と おっしゃいますと?

何か 他にも ご存じなんじゃないんですか?

(津崎)あっ… 何かとは 何ですか?

逆に教えていただきたい

大出さんは保険金詐欺の他に 何か罪を犯しているんですか?

いえ それなら結構です

何か思い出したら 連絡 下さい

(津崎)はあ…

(ドアの開閉音)

(山田)何も知らないんですかね あの校長は

(剛)うん…

すいません

(剛)おう 神原君だったね

(神原) お聞きしたいことがあります

(剛)何かな?

(神原)保険金詐欺の他に 何か調べてることがあるんですか?

どうして そんなこと聞くの?

(神原)大出を弁護するために アリバイを調べたんです

そしたら 事件の夜 大出の家に 誰か来ていたことが分かりました

誰か来てた?

でも それを 大出のお父さんは隠してる

(勝(まさる))残念ながら それは妻の勘違いです

じゃあ どうして口止めしたんですか?

口止めなんかしてないよ

妻が勘違いして言い張るから

間違ったこと言うなと 言っていただけです

(神原)あんまり隠すから おかしいと思ったんです

家に来たことが バレちゃいけない人間なのかって

もし 大出さんの犯罪が 単なる保険金詐欺じゃないなら

その人が何か 関係してるってことはないですか?

(剛)うん

その人は 誰だか聞いた?

(神原)帝東興産(ていとうこうさん)っていう 会社の人だそうです

やっぱり 関係あるんですね その人に会えませんか?

もし その人が 事件の夜に大出を見ていれば

アリバイが証明できるんです

分かった 情報ありがとう

今は約束できないけど

協力できそうなら 必ず連絡するよ

お願いします (剛)うん

そいじゃ

お前 態度 出すぎなんだよ

(山田)すいません

(秘書)警察の人が来てるそうです

これを預かってください

(津崎)これは…

あなたのためでもありますよ

(ノック)

(剛)失礼しまーす

警視庁捜査二課です

大出 勝さんですよね

はい

(邦子)学校に?

(涼子)うん

お父さん まだ何か 調べてるみたいなんだよね

お母さん 何か知ってる?

(邦子)ううん

お父さん そういうこと言わないじゃない

聞いたって答えてくれないし

(涼子)まあ そうだよね

裁判はどう?

大出君が やってないって言ったんでしょ

(涼子)うん 神原君の弁護がすごくて

だって弁護人じゃない

(涼子)まあ そうだけど

私は よかったと思うよ

今の大出君に必要なのは

罪をもみ消して もらうことじゃなくて

一緒に戦ってもらう 経験だと思うから

(涼子)うん 大出君が本当に無実ならね

涼子のほうは どうなの?

(涼子)いろいろ考えてるよ

あっ 今 丹野(たんの)先生にも 連絡 取ってもらってるし

丹野先生って

前の美術の先生?

(涼子)うん 柏木君が よく話をしてたんだって

そう (涼子)うん

それで三宅さんは? 裁判に出てくれそう?

(未来)もう二度と来ないでって 言ったでしょ

何考えてるの (涼子)すみません

直接 樹理(じゅり)さんとお話しさせて ください お願いします

ホント何なの この子 一体どんな しつけされてんのよ

あなたのせいでね 樹理ちゃん どんな思いしたか分かってんの?

(涼子)どうしても 樹理さんの供述が必要なんです

だから 関わりたくないの!

(涼子)失礼します

(未来)ちょっと

(未来)ちょっと 何 勝手に…

(施錠音)

裁判のこと 考えてくれたかな?

出てくれるだけでいいの 供述調書 私が読むから

(樹理)あんた

私を信じるって言ったよね

声が出るようになったの?

ハッ 泣いたら 出るようになった

(タップ音)

それ見て

“あんたが出した 告発状のせいで”

“学校の評判が悪くなった”

“そもそも告発状なんて ウソなんじゃないか”

“ウソつき ウソつき”

“ウソつき”… (涼子)もういいよ

もっと前から いろいろ書かれてた

ニキビが ひどかった時から

“汚い”とか

“お化け”とか

ハッ

“死んじゃえばいいのに”とか

フッ

でも 告発状はウソじゃない

私はウソつきじゃない

だから

私が見たことを裁判で話す

えっ?

ホントは松子(まつこ)じゃなくて

私が見たの

でも 裁判するって聞いて 怖くて言えなかった

それでも 私を信じる?

信じるよ

ただ 1つだけ教えて

浅井(あさい)さんは どうして死んだの?

(電車の走行音)

(未来)ハァ…

フゥ…

(茂木)お隣 いいですか?

どうぞ

昨日 警察が来てましたね

何の用だったんすか?

お話しするようなことじゃ ありませんよ

(ドアの開く音)

おっ 始まりますよ

(井上)検事側の証人 入廷してください

(女子生徒)超きれいになってる

(女子生徒)やばっ

(女子生徒)超きれいになってる

(女子生徒)かわいいじゃん

(女子生徒)やばい (男子生徒)かわいい

(女子生徒) 超かわいくなってんじゃん

(女子生徒)えっ 何で? (女子生徒)ツルツルだよ

(未来)すいません

(樹理)去年の12月24日の夜

被告人が柏木君を殺すのを見ました

(傍聴席のざわめき)

その時の状況を話してください

その日の夜 雪が降っていたから外に出ました

日付が変わって クリスマスになる瞬間を見たくて

学校へ行きました

校舎のてっぺんにある 時計を見ようと思って

そしたら正門の所に人がいて

大出たちが柏木君を無理やり 中へ連れ込もうとしていました

ここで 図を示しながら確認します

(樹理)心配になって後をつけたら

大出たちが校舎へ入って 屋上への階段を上っていきました

上まで上ると 扉が開いていて

怖かったけど 私も屋上に出て

機械室の陰に隠れました

そこから のぞいてみると

柵のそばに大出たちがいました

(涼子)それから何を見ましたか?

(樹理)大出たちが 柏木君の足を持って

無理やり持ち上げて 柵を登らせていました

そして 柵の向こう側へ追いやったんです

怖くて柵にしがみついている 柏木君の指を

1本ずつ剥がして

屋上から落としました

(傍聴席のざわめき)

他に何か 言いたいことはありますか?

事件を見たあと 友達に話して 告発状を出すことにしました

友達とは誰ですか?

浅井松子さんです

(傍聴席のざわめき)

告発状のことがテレビに流れて

松子は もう名乗り出ようと言いました

(松子)だって ここまで来たら そのほうが信じてもらえるよ

(松子)もちろん 匿名にしてもらって

大出たちにはバレないようにして

(樹理)私は嫌だと言いました

どんなに隠しても バレると思ったし 何より

大出の仕返しが怖かったから

それで言い合いになって

(樹理)もういいかげんにしてよ

表に出たら どんな目に遭うか 分かんないの?

何言ったって 疑うやつは 絶対に出てくるんだよ

(松子)私が一緒だから

お願いだから もう 私の邪魔しないで!

ホントは もう 私 テレビ局の人に連絡してあるの

樹理ちゃんが心配だったから

樹理ちゃんが言いたくないなら 私が見たことにするよ

樹理ちゃんは話さなくて大丈夫 私がテレビ局の人と話すから

今 黙ってて もしバレたら

樹理ちゃんがウソつきって 言われちゃうかもしれない

そんなの絶対に嫌だ!

大丈夫

樹理ちゃんのことは 絶対に言わないから

だから 信じて待ってて

行くね 約束の時間ある

(樹理)松子!

松子

松子

ねえ 松子!

樹理を守りたいの!

ちょっと待って!

(急ブレーキ音)

(樹理)はっ (衝突音)

(樹理の荒い息)

(荒い息)

(樹理)事情を聞かれたら 告発状のことがバレると思って

逃げてしまいました

後悔してます

全部

告発状なんて出したから 松子が死にました

私が こんな事件を見ちゃったから 松子が死にました

ふざけんなよ

やめろ

(俊次)何なんだ こら! おい!

お前 何なんだよ こら! おい!

ホントのことでしょ 人殺し!

松子が死んだのも あんたのせいだから!

人殺し! 人殺し! 人殺し!

(俊次の怒号)

(俊次)ふざけんなよ!

(未来)樹理ちゃん

おつらいですよね 教え子が あんなふうに裁かれるのは

(井上)休廷します!

休廷!

(木づちで打つ音) (井上)休廷!

(俊次の怒号) (井上)休廷!

(俊次)おい!

(樹理)人殺し!

(神原)向こうのウソに 反応するなって⸺

言っといたはずだけど

あんなふうに暴力を振るったら 不利になるだけだ

(健一)どこ行くの? 山(やま)シン!

(涼子)ウソって決めつけるんだね 三宅さんの証言

(神原)始まるよ

告発状は どこに送ったんですか?

(樹理)校長先生と 藤野さんとテレビ局です

(神原)どうして直接 警察に送らなかったんですか?

(樹理) 信じてもらえないと思ったから

警察ではウソがバレる

でも テレビ局なら 被告人を世間のさらし者にできる

そう思ったからじゃないですか?

違います!

(涼子)裁判長 弁護人は推測で質問をしています

弁護人 どうですか?

(神原)質問を変えます

告発状には被告人の他に 2人の名前がありました

誰と誰ですか?

井口と橋田

2人とも大出が柏木君を殺すのを 笑いながら見てました

(傍聴席のざわめき)

俺は知らねえよ

知らないというのは どういう意味ですか?

(橋田)だから 学校の屋上なんて 行ってねえっつってんだよ

事件の夜 被告人と会っていましたか?

(橋田)会ってねえよ 俺も井口も

なあ?

じゃあ どこで 何をしていたんですか?

(橋田)普通に家で寝てたよ

(チカ)寝てたって (男子生徒)しょうもな

(女子生徒たちの笑い声)

普通に家で寝ていたと 言っていましたが

家のどこで寝ていたんですか?

は? 自分の部屋に決まってんだろ

あなたは夜中に 自分の部屋の窓から抜け出して

遊びに行くことが よくあるそうですね

近所の方が その姿をよく見ると 話してくれました

あの夜は出てねえよ

それを誰か 証明できる人はいますか?

(机を蹴る音)

知らねえっつってんだろ

適当なことばっか 言ってんじゃねえよ!

終わります

(井上)証人は退廷してください

(未来)樹理ちゃん

(ドアの開閉音)

(チャイム)

昼休みのあと 午後の裁判は 13時から再開します

(ノック) (ドアの開く音)

(茂木)お疲れさま~

あれ 藤野さんは?

(神原)三宅さんを 捜しに行きましたよ

(茂木)あっ そう

彼女 熱演だったねえ~

(神原)ですね

大出君が暴れちゃったのは まずかったけどねえ

大出君のアリバイ まだ証明できないの?

いろいろ動き回ってるみたいだけど

(紺野)徳田(とくだ)が自供しましたよ

全て あなたの指示だと

徳田?

(剛)花火師って言ったほうが 分かりやすいですかね

資金繰りに困った あなたは

帝東興産を通して 花火師の徳田とつながり

保険金詐欺を 行おうとしたんですよね?

(剛)しかし… いや まあ確かに

大出都市開発の経営は 芳しくないようですが

自宅に放火しなきゃ ならないほどとは到底 思えません

なぜ そうまでして 現金が必要だったのか

民自(みんじ)党代議士 進藤(しんどう)道隆(みちたか)

進藤が実権を握る 大規模公共工事を

どうしても 受注したかった あなたは

進藤側から要求された 多額の賄賂が必要だった

今回の保険金詐欺も

その追加の賄賂を 捻出するために行った

違いますか?

全て あなた方の想像でしょう

(紺野)あなたが 進藤の関与を話してくれれば

検察の心証も 随分 よくなると思うんですがね

(勝)なるほど

あなた方 警察の狙いは 私ではなく そちらのほうですか

話す気になりましたか?

ハハッ… 刑事さん

そんな証拠もない奇想天外な話に 付き合う気はありませんよ ハッ

(風見)証拠がある?

(勝)政治家なんて 信用できんからな

後でひっくり返されないように 録音しておいたんだよ

例の会話を念のために

録音?

それで それ 今どこに?

これを預かってください

(津崎)これは…

あなたのためでもありますよ

(北尾)おう 藤野 検事が板についてきたな おい

(涼子)先生

そういえば 丹野先生のことって どうなりました?

(北尾)あ? (涼子)美術の丹野先生です

前に お願いしましたよね 連絡を取ってくれるって

聞いてないのか?

丹野先生なら もうとっくに 春休みの前に連絡 取れてるぞ

えっ?

(北尾)お前がいなかったから

神原君に 伝言を頼んどいたんだけどな

名前を教えてください

(丹野)丹野です

以前 この高校で 美術を教えていました

(神原)柏木君とは 親しくしていたんですか?

柏木君は絵が好きで よく画集を見に来てました

また その絵 見てるの?

変わらないですね 人間のやることは

(丹野)ん?

勝手に体制を作ってしまって その中で迫害したりされたりする

自分だけは やられまいと画策する

うちの学校もそうですよ

誰かが いじめられてても

巻き添えになりたくないから 見て見ぬふりをする

まあ 人間は無自覚に 自分を守ろうとするから

無自覚な悪が はびこる この世界で

人間は どう存在すれば いいんでしょうね

(丹野)高校生にしては早熟で

人が生きる意味について 深く考察するような子でした

学校という体制や 大人に失望もしていたし

若者が持つ潔癖さで

愚かな人間が 許せなかったんだと思います

(宏之(ひろゆき))おお また難しそうな絵だな

(卓也)あんたには 分かんなくていいんだよ

(丹野)だから 食堂の一件を聞いた時には

ああ 柏木君は 見切りを つけたんだなって思いました

見切り?

その もめ事が原因で 学校に来なくなったんじゃなくて

もう見切りをつけたから

最後に言いたいことを 言ったんだということです

見切りというのは 学校にですか?

(丹野) 学校にも この世界にもです

バカばかりの世の中で 生きる意味を見失い

存在する意義を見いだせないなら 死んでしまおう

そう思ったんじゃないでしょうか

つまり 柏木君は 自殺だったということですか?

そう思います

柏木君みたいな子には 生きづらい世界だったでしょうから

(涼子)それは先生の想像ですよね

柏木君は よく言ってたんです

もし 自分が死んだという 知らせを受けたら

自殺したと思ってほしいって

(傍聴席のざわめき)

何らかの形で それを止められなかったことを

深く後悔してます

まあ 今更 手遅れですけど

(涼子)丹野先生が来るって 何で教えてくれなかったの?

ああいう証言をするって分かったら 裁判に呼ばなかったでしょ

(俊次)フッ

(樹理)ねえ!

何で もっと反論しないの?

あれじゃ みんな 柏木が自殺したって思うでしょ

(涼子)ごめん 急だったから準備が…

(樹理)勝てるんだよね?

(涼子)努力はしてるよ

この裁判は お互い物証がないから

(樹理)解説なんてしてないで 絶対に勝つって言いなさいよ

結局 あんた 私を信じてないんでしょ

大出が どんなやつか分かってない

もし負けたら

あんたを一生 許さない

(足音)

(井口)フゥ…

(机をたたく音)

(涼子)名前を教えてください

(井口)井口

(涼子)事件について 知っていることを話してください

(井口)柏木の葬式のあと 大出が言ってた

(涼子)何を言っていたんですか?

(井口)やったって

柏木を殺したって

(生徒たち)ええっ

おっと…

(傍聴席のざわめき)

(木づちで打つ音) (井上)静粛に

(傍聴席のざわめき)

(木づちで打つ音) (井上)静粛に!

異議あり! 関係のない質問です

ホントのことバラしてんだよ!

こいつが逃げらんねえようによ

(津崎) 無実になるかもしれない教え子を

見殺しにしろと言うんですか?

(剛)息子さんのアリバイ 証明してやったらどうなんすか

(涼子)もし大出がやってなくても 有罪になる可能性が高いよ

(神原)絶対に裁判を 中止にしないでください

(茂木)しつこく聞き出して 分かったんだよ

(涼子)柏木君は 自殺だったと思いますか?

♪~

~♪

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