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(涼子(りょうこ))どっちが大事なんですか? 学校の評判と生徒の
(森内(もりうち))黙んなさい! (まり子)ひどい!
(津崎(つざき))条件があります 2年A組全員の承諾を得る
(茂木(もぎ))まるで魔女狩りですよ
(茂木)僕が力になるよ
僕が君を守るよ!
(勝(まさる))あなたは 私の頼みに応じて⸺
告発状も握り潰そうとした
あなた もう 共犯者なんですよ
(神原(かんばら))弁護人を やらせてもらいたいんだけど
えっ 弁護人?
(津崎)第三者委員会を 立ち上げることに決めました
潰そうとしてるんだよ 君の裁判
(涼子) 私 大出(おおいで)のお父さんに会ってみる
神原君
(俊次(しゅんじ))母さん!
(警察官)ちょっと! 危ないから下がって!
下がってください!
(キャスター) 昨日 東京都立川(たちかわ)市で
住宅1棟が焼けた火事で
警察は 放火の疑いがあると見て 捜査を進めています
昨日 午後9時ごろ 立川市柴崎町(しばさきちょう)7丁目の
大出 勝さんの住宅が燃えていると 通報があり
大出 勝さんの住宅が燃えていると 通報があり
(ドアの開く音)
(ドアの開く音)
(ドアの開く音)
消防が駆けつけましたが 全焼しました
消防が駆けつけましたが 全焼しました
消防が駆けつけましたが 全焼しました
(足音)
(足音)
(足音)
ケガ人はありませんでした
捜査関係者によりますと 大出さん宅には
近頃 悪質な嫌がらせが 続いており…
(由利)まずいんじゃないんですか
茂木さんが 番組で あんなにあおるから
(携帯電話の画面のロック音)
(由利)ハァ…
(名古屋)では
火事の前から 嫌がらせが多かったんですか?
(佐知子)あっ はい あの…
“人殺し”とか “お前も殺すぞ”とか
(俊次)フフフフ… ハハハハ…
(佐知子)俊次
ハハハハ… (佐知子)やめなさい
(笑い声)
(俊次)ああ…
(名古屋)ご主人は ゆうべは出張だったそうですね
(名古屋)ご主人は ゆうべは出張だったそうですね
(俊次の笑い声)
(俊次の笑い声)
大出さん!
ちょっと 大出さん ちょ…
やめてください! 大出さん やめてください
クハハハハハ…
(涼子)裁判ですけど やっぱり続けたいと思ってます
柏木(かしわぎ)君と浅井(あさい)さんが亡くなって
今度は 大出君の家が火事になって
うちの学校は呪われてるって 言う人もいます
それでも 黙って見てるのは嫌なので
気持ちは よく分かります
ですから 第三者委員会で 調査すると言いましたよね
(涼子)そのことですけど 変なウワサを聞いたんです
大出君のお父さんが 委員会に手を回してるって
大出さんが?
はい ゆうべ そのことを聞きに 大出君の家に行ったんです
でも 行ったら火事になっていて
あの 校長先生 何かご存じありませんか?
そのウワサは 誰から聞きましたか?
「ニュースアドベンチャー」の 茂木さんです
あの人は信用できませんけど
すぐに分かるようなウソをつく 理由もないと思います
(津崎)ええ 確かに
第三者委員会で不正が行われたら 私たちの裁判にも影響してきます
真実が分からないままに なるかもしれません
(津崎)分かりました
私のほうで調べておきます
よく教えてくれました
ありがとうございます
あの…
校長先生は 私たちの味方だと 信じていいんですよね?
もちろんです
失礼します
(署長)次 火災の発生状況
(名古屋)はい
(名古屋)え~ 火元は離れです
普段は 火の気のある場所ではありません
(署長)火事の前から 嫌がらせがあったそうだな
(名古屋)ええ 詳しい状況は 鑑識の結果待ちですが
まあ 放火で間違いないでしょう
(署長)目撃情報は どうなんだ?
(名古屋)有力な情報は まだ
やじ馬の撮った動画を集めて 解析をしてる…
(紺野)やっぱり放火でしたね (剛)ああ
(ドアの開く音)
(礼子)藤野(ふじの)さん
(礼子)本庁捜査二課の藤野さんが
どうして 大出家の火事を調べてるんですか?
娘さんが裁判されるそうですね
それと何か関係があるんですか?
(剛)あっ…
(井上(いのうえ))承諾書に サインしてほしいんだけど
(竹田)いえ… (井上)何で?
(一美)はい 頑張ってね
(行夫)いや ホントにありがとう
(教子)ねえ (まり子)ん?
(教子)裁判 参加するのって 私たちみたいなのでもいいの?
(まり子)えっ やってくれるの?
(弥生)うん だって 超むかつかない?
あの邪魔してくる先生とか ホントむかつく
(まり子)マジでありがと ねねね 裁判やってくれるって
(ドアの開閉音)
(北尾(きたお))お待たせ
(涼子)前に話してた神原君です
(北尾)柏木のお友達か
(神原)はい 中学の時 塾が同じでした
(北尾)うん 裁判に協力するんだってな
柏木も いい友達を持ったもんだよ
まあ 座って
(北尾)東都(とうと)大付属だって? (神原)はい
(健一)裁判に参加したり 弁護人やりたがったり⸺
何か あんじゃないの?
何で 涼(りょう)ちゃんに近づくの?
偶然だよ
(涼子)健(けん)ちゃん?
ねえ 聞いてる? 神原君の弁護人 許可もらったよ
じゃあ 僕も一緒にやるよ
え 何で?
だって 学校 違うんだから 関係者と会うのに不便でしょ
(北尾)まあ そりゃそうだな うん
どう?
(神原)うん
よろしく
だったら検事は藤野か
えっ?
(北尾)裁判の言いだしっぺだろ
お前がやんなきゃ誰がやるんだよ
分かりました
(北尾)よし これで検事と弁護人は決定だ
で どう動く?
時間がないから手分けします
こっちは大出を説得に行くけど そっちはどうする?
告発状の差出人に 裁判に出てもらう
(ぜうす)どうも
…したから
こいつんちさ…
ハハハ…
(樹理(じゅり))フフフッ (ぜうす)俺 全部 当たってっちゃいまーす
(ぜうす)俺 全部 当たってっちゃいまーす
おーし 早速 いってみよう
(インターホンの呼び出し音)
これ見える?
殺人犯 住んでんのよ ここ
マジ 気をつけたほうがいいよ
じゃあねえ お疲れ
はい じゃ 次 行きまーす 違ったみたいっすわ
はい~ よいしょ
(玄関のチャイム)
(未来)はい
(解錠音)
(茂木)この間の話 考えてもらえました?
(未来)もう来ないでくださいって 言いましたよね
(茂木)樹理ちゃーん! (未来)やめてください!
(茂木)三宅(みやけ)さんには 特集の第2弾で
ぜひ インタビュー させてもらいたいんだよ
もちろん モザイクもかけるし声も変える
安心して 見たことを話してくれればいい
(操作音)
(未来)声が出ないんです
えっ?
精神的にショック受けてて
もちろん信じるよ
だから あの番組を作った
大出君ちの火事 放火らしいよね
その前から
だいぶ 嫌がらせを受けてたみたいでね
その延長で火をつけられたらしい
まあ 自業自得だよね
何しろ 人を殺したんだから
罪を犯せば 必ず裁かれる
大出俊次は 報いを受けなきゃいけない
話してくれるんだよね?
告発状のこと
(インターホンの呼び出し音)
(健一)お金持ちなのに 何だかだね このマンション
(神原)仮住まいだからじゃないの
(健一)裁判の方法とか
詳しいことは ここに書いてあるから
あっ それと 僕たちの連絡先
(俊次)いる?
(健一)あっ… あっ いや 結構です
(神原)柏木卓也(たくや)が死んだ日の夜 どこで何してた?
裁判では俺が弁護するから
弁護方針は 当日のアリバイを証明すること
それから君に 柏木卓也を殺す動機がなかったこと
(俊次)お前 誰?
(神原)神原
友達だよ 君が殺した柏木卓也の
否定しないね
殺したの?
やったとして やりましたって言うと思う?
(神原)やってないなら やってないって言うんじゃないの
ハハッ ハハハ…
面白いじゃん どっちか分かんないほうがさ
まあ 捕まっても お父さんが助けてくれるしね
一応 自覚はあるんだ
父親に守られて生きてるって
神原君
(神原)うっ…
(唾を吐く音)
(神原) 俺が お前の無実を証明する
(ドアの閉まる音)
(健一)大丈夫? (神原)うん
神原君
ホントに大出が無実だって 思ってるわけ?
弁護人だからね
(玄関のチャイム)
(解錠音)
(涼子)急にすみません あの どうしても樹理さんにお話が
どうぞ
(涼子)えっ?
お邪魔します
(涼子)失礼します
(茂木)こんにちは
今 ちょうど 三宅さんから 話を聞いていたところでね
あっ 話?
ああ 三宅さんは 今 しゃべれないから
失声症ってやつでね
主に精神的なものが原因で
1週間から数か月で 自然に治ることが多い
三宅さんの場合も ストレスが原因だろうね
何せ 殺人の告発という 大変なことをやってのけたんだから
(涼子)じゃあ やっぱり 告発状を出したのは
三宅さんだったんだね
(茂木)出したのはね
殺人を目撃したのは 浅井松子(まつこ)さんだから
浅井さんが目撃をして
告発しようと思い 三宅さんに相談を持ちかけた
そして 浅井さんが書いた告発状を 2人で出しに行った
本当に? 本当に全部 浅井さんなの?
(茂木)三宅さんはね
裁判に協力してもいいって言ってる
ただし 匿名という形でね
くれぐれも大出君に 三宅さんの名前が伝わらないように
危険だからね
それから 今後の連絡は僕を通してね
僕は 三宅さんの代理人だから
(茂木)ちょっと待ってよ 歩くの速いね
うれしくないの?
告発状を出した人間が 特定されたのに
(涼子)茂木さんは 面白ければ何でもいいんですね
(茂木)は?
(涼子)全部 浅井さんだった なんて信じられません
浅井さんが 亡くなってるのをいいことに
全部 浅井さんのせいにして
もし ウソがバレたら
浅井さんに責任をなすりつける つもりじゃないんですか
(茂木)そういうの含めて 裁判で解明するんだろ?
三宅樹理を引っ張り出した僕に 感謝してほしいね
あなたは裁判を取材して また学校をたたきたいだけですよね
三宅さんを利用するのは やめてください
(茂木)心外だな
僕は 君のために せっせと協力してるのに
第三者委員会のことだって 教えてあげたっしょ
ねえ
取材はしたいよ
高校生が学校内裁判なんて 前代未聞だからね
しかも 生徒が2人 死んで 放火で火事まで起きてる
だったら 本当に協力者になってください
どういう意味?
(涼子)関係者に取材する時は 事前に私に言ってください
勝手にテレビで放送したり
裁判の邪魔になるようなことは 一切しないでください
そのかわり 裁判に関する情報を 表に出せるようになった時には
茂木さんに一番に教えます
(茂木)僕が勝手に動けないように 抱き込もうって腹だ
いいよ 協力し合おう
死んだ柏木卓也君のためにもね
(涼子)あの日の夜中 浅井さんは 家族にナイショで家を抜け出して
(涼子)あの日の夜中 浅井さんは 家族にナイショで家を抜け出して
(シャッター音)
(シャッター音)
(シャッター音)
この道を歩いていった
この道を歩いていった
(神原)何で夜中に?
“雪景色が きれいだったから 散歩したくなった”
浅井さんは 三宅さんに そう言ったって
(松子)ああ…
(涼子)学校まで行って 引き返すつもりだったけど
(橋田(はしだ))何 震えてんだよ 上がれよ
(井口(いぐち))立てよ おい ハハハ…
(俊次)どうした 優等生 おい
今日は夜の勉強会!
来い! ほら
おい 逃げんな お前 逃げんな この野郎 おい!
(井口)ちゃんと歩けよ
(橋田)お前 疲れてんの?
(井口)しっかり歩け お前
(橋田)屋上 行くぞ (鎖を外す音)
(橋田)遅(おせ)えよ!
(涼子)ここからは 告発状に書いてあったとおり
浅井さんは ここに隠れて 柏木君が落とされるのを見てた
(橋田)おい!
立てよ この野郎
(笑い声)
(卓也)やめてくれよ!
(蹴る音) (卓也)うっ
(井口たちの笑い声)
(卓也)うっ… (橋田)おいおい いてえか?
(井口)どうした? 逃げたいの? お前 逃げんのか おい
(橋田)お前 じゃ 落ちるか? 落ちるか?
(卓也)やめてくれよ
(井口・橋田)はい せーの!
柏木君は 大出に 無理やり柵の外に出されて
(井口・橋田)うらっ
(井口たちの笑い声)
(橋田)おい 来いって 上がれよ
(井口)立てよ!
(橋田)俊(しゅん)ちゃん
(卓也の荒い息)
(井口たちの笑い声)
(卓也)やめてくれ!
(橋田)マジ? マジ? (卓也)やめて… やめて
お願いだよ!
(タバコの火が燃える音) (卓也)うわっ あっ
わああーっ!
(北尾)おーい!
もういいか? 誰か来る前に終わりにしてくれ
(健一)あっ もうちょっとだけ
その告発状 誰が書いたにしろ
その人は実際に ここに来たことがあるんだろうね
(涼子)えっ?
そこに隠れて ここが見えるなんて 想像じゃ書けないから
(タブレットの操作音)
(未来)樹理 ねえ ホントにあなた…
ん?
(タブレットの操作音)
(タブレットの操作音)
(邦子)随分 集まってきたじゃない 承諾書
(涼子)うん まり子たちも 協力してくれて
(邦子)やるからには しっかりね
本物の裁判じゃなくても 人の人生 左右するもんだから
本物の裁判じゃなくても 人の人生 左右するもんだから
(ドアの開閉音)
(ドアの開閉音)
(ドアの開閉音)
(涼子)うん (剛)ただいま
(涼子)うん (剛)ただいま
おかえり (涼子)おかえり
(邦子)ああ ごはん食べる? すぐできるけど
(剛)あっ ありがと ああっ
ねえ お父さん 大出君ちの火事のこと知ってる?
(剛)あ? ああ 聞いたよ
放火だって ねえ 本当かな
(剛)さあな
うちの管轄じゃないから 分かんないよ
(涼子)そ… そうだよね
で 裁判のほうは どうなんだ?
(涼子)検事になった
へえ~ 罪を立証する側か
(涼子)うん 証拠は あの告発状
でも それを信じられない場合は どうすればいいんだろ
(剛)信じられないって… ああ 告発状の内容がか
内容っていうか 書いた人を信用できなくて
(剛)うん…
信用できない人間が ウソついてるとは限らないからな
まあ逆に 信用してるやつが ウソついてることもある
(ドアの閉まる音)
(卓也)人間なんて くだらないよ
誰も信用できないし 信用するに値するやつもいない
何のために生きてるんだか 分かんなくなってきたよ
(携帯電話の振動音)
(高木(たかぎ))2年A組の半数以上が 裁判に承諾しています
(岡野)面白がる生徒が 出てきたんですよ
大出の家の火事で 妙に盛り上がっちゃって
(森内)すみません
子供がやることとはいえ
面白半分に 殺人事件なんてことにされたら
うちの評判は 大変なことになります
裁判に参加させないよう 保護者に連絡をするべきです
(津崎)そんなことをしたら
学校側にやましいことがあると 思われるだけでしょう
それでなくても 先日の森内先生の暴力行為には
それでなくても 先日の森内先生の暴力行為には
(机をたたく音)
それでなくても 先日の森内先生の暴力行為には
批判が集まっているんですよ
(森内)すみません 申し訳ありません
(岡野)しかしですね 第三者委員会も動いてることですし
不安要素は 少しでも排除しといたほうが…
(津崎)大丈夫です
第三者委員会は 必ず 自殺の結論を出します
そもそも 殺人事件など存在しないんですから
そんなことより 調べてもらいたいことがあります
(宏之(ひろゆき))頼まれてた件だけど 卓也が死んだ日
あいつが何をしたのか よく分からなかったんだよ
どうぞ
(涼子)失礼します
あの どういうことですか?
うちの親が 最後に卓也の顔を見たのは
一緒に朝ごはんを食べた時
(功子)あれ もういいの?
(功子)コーヒーもいれよっか?
(宏之)そのあと 父は 会社に行って 母もそのあと
友達と会うために 出かけて
夜まで帰らなかった
(功子)ただいま
(ノック)
(功子)卓也 ごはん食べた?
お土産あるよ
(宏之)返事はなかったから 寝てると思ったって
卓也が部屋にいたのか いなかったのか
それも分からない
お兄さんも お出かけだったんですか?
俺は その頃 この家に住んでなかったから
埼玉の親戚の家にいたんだ 大学が近いから
今は 卓也のことがあって 戻ってきてるけど
でも 時々 見に来てたから 様子は分かるよ
(神原)大出に呼び出されたり
いじめに おびえたりしていましたか?
時々 出かけてたから
今 思えば 呼び出されてたのかもしれない
でも おびえてはいなかったよ
家にいる時は落ち着いて ほとんど本を読んでた
だから 余計 大出は むかついたんじゃないかな
卓也が怖がらないから
(涼子)それで 殺した…
(健一)あっ 柏木君のスマホは?
事件の日に大出から 呼び出しが かかったってことは
記録が残ってますよね
(宏之)スマホは 持ってなかったんだよ
もう いらないって解約して
だから 今 家の電話の 通話記録を取り寄せてる
大出を怖がってたわけじゃないなら
どうして 学校に 来なくなっちゃったんですかね
(宏之)うーん… 分からないけど
最後に担任の先生が来た時…
もう 来てもらわなくて いいですから
(北尾)そう言うなよ
どうしたら また学校に来られるようになるのか
一緒に考えさせてくれよ
(森内)そうよ 柏木君
私たちに何かできることない?
もう 学校に関わるのは嫌なんで
(健一)柏木って どんなやつだったんだよ
何か どんどん 分かんなくなってくんだけど
(涼子)お兄さんの話 聞いてると
自殺するようには 思えなくなってくるよね
(神原)もしくは
そう思わせるような 言い方をしてるのか
(涼子)どういう意味?
(神原)いや
(増井)ハッピーバースデー!
(クラッカーの音) (女子生徒)わっ
(増井)おめでとう!
(増井)あっ 間違えました すいません
(俊次)あー ちょっと
(増井)えっ?
(俊次)橋田
(井口)俊ちゃん 俊ちゃん やめとけって
(井口)あっ
(蹴る音) (テーブルにぶつかる音)
(井口のせき)
(俊次)お前 俺に命令すんなって 何度 言ったら分かんだよ!
(井口)す… すいません
(橋田)おい!
(増井)あっ… 痛っ
(俊次)はい あ~そぼう
(増井)すいません すいません
(増井)あっ
すいません すいません すいません ごめんなさい
(蹴る音) (増井)ううっ うっ
(玄関のチャイム)
(佐知子)はい
中町(なかまち)署の佐々木(ささき)と申します
(刑事)起きろ
(礼子)大出俊次君
用件は分かってるよね
(俊次)フッ
ハァ… はい
(刑事)立て!
(佐知子)あの… (礼子)失礼します
大出が?
(北尾)傷害容疑だよ
殴る蹴るの大ケガを負わせて そのまま放置した
(店員)おい 警察!
(店員)あっ はい
(涼子)じゃあ 大出は捕まったんですか?
(北尾)いや それがな
被害者の親御さんが 被害届を出さなかったらしいんだよ
“息子は 犯人の顔を見てない”って
(涼子)えっ?
大出のおやじさんが もみ消したらしい
ハァ…
(勝)先生 また面倒を押し付けるな
ご苦労さん
(風見)毒を食らわば何とやら… ハッ ですかね
(風見)フッ
(通話が切れた音)
大出君は 自分が捕まらないと分かった上で
他人に危害を加えているんです
これまでにも 何回か同じことが起きています
残念ながら 警察には手出しができません
被害に遭った生徒のケガは どの程度の?
全治2か月で入院中です
後遺症が残るかもしれません
被害者が何と言おうと これは 大出君の犯行だと私は思います
学校からも 大出君のお父さんに お話しいただけませんか
ハァ… 分かりました
(階段を下りる足音)
(恵子)ちょっと あんた
あんたら警察だろ
あんなの 俊次がやったに決まってんじゃん
(恵子)責任 持って 少年院でも何でも入れろよ
(チャイム)
(涼子)勝木(かつき)さん お願いがあるんだけど
裁判に参加してくれないかな
大出のこと 聞いたよ
傷害事件 起こしたけど お父さんが もみ消したって
大出を裁判に引っ張り出したいの
やったか やってないか 分からないけど
大出は一度 ちゃんと裁かれたほうがいいと思う
考えておいて いつでも来て
謄本はどうした?
(佐知子)え? あっ
使えない女だな
保険の請求手続きぐらい まともにできないのか!
(佐知子)すいません あの いろいろ他にも忙しくて
(勝)お前が忙しい?
すいません
随分 焦ってんだな
あんたの会社 金に困ってんだ
(佐知子)俊ちゃん
随分 物が言えるようになったな
俺の家が放火されたのは 誰のせいだ?
この期に及んで 暴力沙汰まで起こして
俺は いつまで お前の尻拭いをすればいいんだよ
別に頼んでないけどね
俊ちゃん やめなさい
あんたの世間体と 大事な会社のために
あんたが好きでやってんだろ
俊次! あっ ああっ 痛い
お前の責任だ
(佐知子) ごめんなさい ごめんなさい
ごめんなさい
あっ…
(携帯電話の発信音)
(携帯電話の着信音)
もしもし
(宏之)あ もしもし
この前 言ってた電話の記録 電話会社から届いたんだけど
あっ どうでした?
うん
それがね…
(涼子)これが その記録
柏木君が亡くなった日
柏木家の電話の記録は 発信が1つと着信が5つ
これが発信
朝の9時32分に
柏木君のお母さんが 友達の家にかけた
着信は どこから?
(涼子)それがね 5件とも公衆電話
(健一)公衆電話? (涼子)うん
12時28分から 夜の7時30分まで
大体 1時間半おきに かかってきてる
この間に家にいたのは柏木君だけ
誰かが外から 柏木君を 呼び出そうとしたんじゃないかな
身元がバレないように 公衆電話から
誰かって…
柏木君を殺した犯人
大出ってこと?
でも あの大出が 根気よく5回も電話をかけるかな
それも全部 違う場所の公衆電話から
じゃあ 誰だと思う?
本人
(涼子)えっ 本人って柏木君?
何で柏木が 外から自分ちに電話するの?
しかも 5回も
迷ってたんじゃないかな
(涼子)何を?
自殺を
あの日 卓也は 早い時間から家を出て
死に場所を探して歩いてた
(携帯電話の 呼び出し音)
(携帯電話の 呼び出し音)
その途中 親に別れを言うつもりで 電話をかけ続けた
でも結局 誰とも話せないまま
夜中に 学校の屋上から飛び降りた
(携帯電話のタップ音)
それが 弁護人としての主張?
(携帯電話の 呼び出し音)
(携帯電話の 呼び出し音)
そう
(携帯電話の 呼び出し音)
(小林)もしもし?
(健一)えっ 誰か出た
えっ!?
あっ もしもし
(小林)おいおい あんた 間違えてかけてるよ
(小林)これ 公衆電話だから
どこの公衆電話ですか?
(小林)え どこのって…
あっ うちの店のそばの
ああ
同じようにして 他の4つの場所も分かったの
1つ目の電話は
12時28分 病院のそばの公衆電話
2つ目は
14時18分 銀座(ぎんざ)八丁目交差点の公衆電話
3つ目は 16時3分 北板橋(きたいたばし)五丁目の公衆電話
4つ目は
18時5分 殿徳(でんとく)公園の公衆電話
そして 5つ目が19時30分
最初に分かった公衆電話
柏木君の地元の電機屋さん
(小林)2日もあれば何とか
(女性)ホントですか? (小林)ああ
(女性)じゃあ お願いします (小林)預かります
(涼子)あの…
(小林)はい
(小林)去年のクリスマスイブ?
(涼子)はい そこの公衆電話から
夜の7時半に 誰かが電話をかけてるんです
ご存じないですか?
ああ 見たよ
見たんですか?
(小林)うん
雪が降ってたから よく覚えてる
いつも見てるニュース番組が 終わったあとだから
えーっと 7時半だ
(子供たち)おじちゃーん
(小林)おお おお おお よく来たな ハハッ
メリークリスマス
(子供たち)メリークリスマス
(小林)ちょ ちょっと待ってなよ
はーい メリークリスマス
(子供たち)メリークリスマス
気をつけて帰んな 寒いからね (子供たち)ありがとう
(小林)バイバイ (子供たち)バイバーイ
(アナウンサー)明日 朝までに 降る雪の量は多い所で…
(小林)何か こう ちょっと困ってるみたいだったなあ
困ってる?
(小林)うん 雰囲気がね
クリスマスイブなのにって 思ったんだよ
あの それ…
もしかして この子でしたか?
うん?
顔は どうかなあ
自信ないな
こう ああ…
黒い色のコートを着て 雪ん中 立ってたよ
黒のコート…
(津崎)え~
先日お話しした 第三者委員会の結論が出ましたので
まず A組の皆さんにお伝えします
結論から申しますと
柏木卓也君は 自ら命を絶ったものであり
告発状は
悪質なイタズラであったとの判断が 下されました
(須藤)何だよ やっぱ自殺なんじゃん なあ
(ざわめき)
(森内)静かにしてください
悪質なイタズラ? 告発状が?
(茂木)第三者委員会は そう判断したようですね
(涼子)柏木君は亡くなった時 黒のコートを着てた
神原君の言うとおり
電話をかけたのは 柏木君だったのかもしれない
(神原)そっか
ねえ
もしかして知ってたの?
(神原)えっ?
柏木君は自殺したって
まさか
言ったでしょ 弁護人としての推測だって
(携帯電話の振動音)
(神原)藤野さん
(携帯電話の振動音)
(紺野)班長!
班長の言うとおりでした
大出 勝は あの家に 火災保険を7件もかけていました
裁判に出てやるよ
ホント?
(俊次)でも その前に言っておく
柏木を殺したのは
俺だよ
やっぱり 大出君が殺したと思ってたんだ
(茂木)事実なら ゆゆしき事態ですよ
(神原)教えてください このままでは 大出君は殺人犯です
(未来)裁判なんか 一切 協力しません
(涼子)本気で信じるから 裁判に出てよ!
(勝)これ以上 調べさせること自体が問題なんだ
(津崎)何か隠してることが あるんじゃないですか?
(井上)開廷します
(涼子)私たち 本気で戦って 真実を見つけよう
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