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( 恵美子 ) 犬頭さん! 室長の家のことも➡
まだ できることは あるはずです 。
私たちはワンチームですから 。
はい ワンチーム 。 (携帯電話) ( シャッター音 )
またな 。
《俺の願いは 一つだけ…》
♬~
( 鳴き声 )
見えた! えっ?
レッツゴーです!
《犬頭さん お元気ですか?》
《犬頭さんが 私たちの前から消えて➡
1カ月が たとうとしています》
( 片山 )「 鳩の集まる部屋 」 の調査 ご苦労さまでした 。
しかし この 「 鳩の集まる部屋 」 の解決に➡
1カ月も かかるとはね~ 。
申し訳ありません… 。
この調子だと 販売特別室の存続も危ういかも 。
⚟ ( 篠崎 ) あれ !? 若宮さん? あっ 。
専務の篠崎です 。 お疲れさまです! 若宮です 。
聞いてるよ 販売特別室の快進撃 。
いえ 。 このところ➡
そうでもなくて… 。 ( 篠崎 ) あ~ これから これから!
おかげで 風向きが変わりそうだ 。
ぐぬぬ… 。
今後とも 期待してるよ 。
はい!
《販売特別室が 存続していられるのも➡
犬頭さんのおかげだったんだと 痛感しています》
前社長派に 風向きが 変わってきたようだとか何とか 。
小ざかしい 。
《犬頭さん どうして 姿を消してしまったんですか?》
江頭 浩二郎の 行方が ようやく つかめた 。
ホントですか !? ああ 。 宮崎に移住していた 。
えっ 。 けど➡
1年前に 病気で亡くなっていたよ 。
犬頭さんと 全然 違う… 。
( 有村 ) うん 。 まったく 別人だよね 。
ああ… 。 ( 有村 ) うん 。 ちなみに➡
雅弘が保護した犬だが… 7年前 天寿を全うするまで➡
江頭 浩二郎が 大切に飼っていた… そうだ 。
幸せに暮らしてたんですね 。 そうだ 。
クリームソーダ 。
しかし 犬頭のやつ どうして 消えちゃったのかな 。
犬頭さん 自分が何者かを➡
知られたくなかったのかも しれません 。
私が余計なことしたから… 。
いや 俺も あいつのこと 知りたかったから 。
いくら 考えてもさ➡
あいつと いつ どこで 出会ったのか➡
思い出せないんだよ 。
こんな別れ方って あるかよ 。
《犬頭さんの代わりは どこにも いません》
《犬頭さん》
犬頭さんは やっぱり➡
犬太の化身…?
いやいや いやいや いやいや➡
もう そんなこと 探ったりしません 。
だから… う~… 。
そろそろ また 出てきてくれたりしませんかね 。
⚟ ( 雅弘 ) 若宮さん 最近 よく 犬太に話し掛けてますよね 。
この色の服に 親しみを感じて つい 愚痴とかを 。
犬頭さんも いつも 黄色いコート 着てますよね 。
そういや 犬太は 何で いつも 黄色い洋服を?
前に働いてくれてた 家政婦さんが➡
抜け毛が多いから 服を着せた方が いいって➡
黄色が 一番 犬太らしいねって 。
フフフ… なるほど 。
似合ってるよ 犬太 。
フフフ… 。 よし 。 (テレビ) (アナウンサー) 昨夜 港区の保育園の➡
入り口に 車が突っ込み… 。 ( 雅弘 ) あっ 。
(テレビ) (アナウンサー) 塀や花壇などを 破損する事故が ありました 。 ➡
車は その場から逃走し 現在も見つかっていません 。
あれ? 犬頭さん !?
あっ… 。
あの 何か ご用でしょうか?
えっ? えっ えっ えっ… 待ってください!
あっ! あっ 危ない!
止まれ! あっ… 。
( ブレーキ音 )
大丈夫ですか?
犬頭さん…! ( 女性 ) ありがとうございます 。
( バイクの走行音 )
えみちゃん !?
坊ちゃん… 。 えっ?
( えみちゃん ) 坊ちゃん 。 ( 雅弘 ) フフ… 久しぶり 。
( えみちゃん ) フフフ… お外に? あっ えっ… あれ? 犬頭さんは !?
じゃあ えみちゃん… さんは➡
何年も前から ずっと➡
大島家の家政婦を されてたんですね 。
はい 。 あっ 「 さん 」 は なしで➡
「 えみちゃん 」 と 。 えっ?
フフ 。 えっと えみちゃん… が➡
お辞めになったのって… 。
3年ほど前 大病をして それから➡
右手に 少し まひが残ってしまって➡
思うように動かないんです 。 ➡
今日は 最後に 遠くから➡
坊ちゃんのお顔を見るだけの つもりで 来たんです 。 ➡
でも まさか 坊ちゃんが 外に出てこられるなんて➡
思わなかったから… もう 感激です! うっ… 。
あの… 今 「 最後に 」 って おっしゃっていた気が… 。
えっ? 最後?
あっ… 。
どうやら 私には もうすぐ お迎えが来るみたいなんです 。
えっ? どこか 悪いの?
えみちゃん 。
実は…➡
今 私が住んでる 部屋➡
「 終の部屋 」 って いわれてるんです 。
「 終の部屋 」 ?
下の階から順番に お迎えが来て➡
天女の呪いが➡
上が っ てきてんじ ゃ ないかって 噂で 。
天女の呪い !? あっ 詳しく聞かせて 。
坊ちゃんを巻き込むわけには いきません!
あっ… 。 僕 今 若宮さんと一緒に➡
大島不動産の販売特別室 っていうところで➡
不動産物件に関する クレーム対応を してるから➡
力になれると思う 。 ( えみちゃん ) クレーム対応?
はい 。
室長は雅弘さんなんです!
( 鳴き声 ) 不可思議な問題を➡
幾つも解決していて お客さまにも 喜んでいただいています 。
そんな大事なお仕事と違って 私の話なんて… 。
犬太?
( 雅弘 ) ほら 犬太も聞きたいって 。
じゃあ お言葉に甘えて 。
フフフ… 。
その呪いの部屋っていうのは アストラのこと?
はい 。 サービス付き 高齢者向け住宅です 。 ➡
坊ちゃんが お世話してくださったんです 。
弊社の物件ですよね 。
え~っと 亡くなった方たちの 状況を 教えてください 。
1カ月前 最初に亡くなられたのは➡
203 号室の方➡
次が 303 号室➡
その次が 403 号室… 。 ➡
だから 次は➡
私が住む 503 号室じゃないかって 。
そんな… 。
皆さん お部屋で亡くなられてたんです 。
死因は分かりますか?
心不全だったって 。
えっ 3人とも?
事件性は ない っていうことなんですけど➡
でも 3人とも とても お元気だったのに➡
急に 続けて… 。 ➡
順番からいうと 来週あたり 私に お迎えが来るかもしれません 。
来週 !? 私たちだけで大丈夫ですかね 。
( えみちゃん ) いいんです お話 聞いていただいただけで 。
大丈夫 。
僕たちが 絶対 この呪いを解いて えみちゃんを守るから 。
はい 。 お任せください!
坊ちゃん…!
( えみちゃんの泣き声 )
ここが… 。
ひっ… 。
失礼しま~す… 。
室長! あっ… 早かったですね 。
はい 。 1人でも 無事 着けました 。
あっ… 。 遠いところを➡
ようこそ お越しくださいました 。
じゃあ こちらへ 。 はい 。
お~… 。 1階が 事務所と レクリエーションルームで➡
住居は 2階からなんですね 。 はい 。
⚟ ( 茉由香 ) 薦田さん 今日は にぎやかそうですね 。
ええ 。 ここに来るまで お世話になってた➡
お宅の坊ちゃんと ご友人です 。
スタッフの津島です 。 ( 茉由香 ) 西です 。
⚟カワイイね~ 。
何か にぎやかですね 。
⚟ ( 話し声 )
いや~ ルルさん もふもふが過ぎますよ 。
犬頭さん! おう 恵美子君 。 ルルさんだ 。
実に賢い 。
先日は 助けていただいて ありがとうございました 。
いえ 。 その節は 。
お久しぶりです 。 お疲れさまでございます 。
( えみちゃん ) ルルちゃん 遊んでもらってたのね 。 フフ 。
ここで飼ってる子? ( えみちゃん ) ええ 。 ➡
セラピードッグとして 癒やされてます 。
いいですね~ 。 設備も整っていて 清潔感もあって 犬もいる 。
確認だが 販売特別室の仕事として➡
ここの調査を するわけじゃないんだな?
はい 。 あくまでも 個人的な相談に乗るということで 。
えみちゃん 部屋まで 案内していただけますか?
あっ はい 。 こちらです 。
レッツゴーだ 。
久しぶりだと 何か うれしい 。 ヒッ 。
お~! ハハハ… 。
鍵の掛からない 横開きのドア➡
バリアフリーの床➡
間取りは 広めの1DK 。
隣はマンションか 。
えっ えっと… あっ 「 バンデルハイツ 」 ですね 。
えみちゃん こんなの 飾ってたんだ 。
( えみちゃん ) 坊ちゃんが 描いてくれた 私の宝物です 。
( 雅弘 ) 小さいころの落書きまで… 。
私の一番のお気に入りは これです!
( 雅弘 ) ハァ… 。 恥ずかしいよ 。
今度 もっと ちゃんと描くから 。 ( えみちゃん ) いいえ!
これが いいんです!
うん 。 いい絵だ 。
( えみちゃん ) ちっちゃかった坊ちゃんが➡
こんなに立派になられて 会社のお仕事をなさってる お姿➡
旦那さまと奥さまにも 見ていただきたかった 。
きっと あきれられるよ 何も できなくて 。
( えみちゃん ) いいえ 。
跡を継いでくれるんだって 喜んでらっしゃる お顔が➡
浮かびます 。
お父さんから 「 将来 跡を継げ 」 とか➡
「 会社で働け 」 とか 言われたこと なかったし 。
( えみちゃん ) それは 旦那さまの ご経験からじゃないでしょうか 。
えっ?
長男は お父さまの跡を 継がなくてはならない… 。
子供のころから決められていて 息苦しかった 。
だから 坊ちゃんには➡
自分の好きな道を 歩んでほしいって➡
おっしゃってました 。 そのことで➡
弟の高丸さまとの関係も ゆがんでしまったって➡
ずっと 後悔なさってました 。
( 高丸 ) もちろんです 。 ➡
お約束の件は… ええ… 。
ですから➡
何とか 名前が表に出ないよう ご配慮願いますよ 。
ねえ… 署長 。
スタッフからは われわれが 話を聞いてまいります 。
じゃあ よろしくお願いします 。 ( えみちゃん ) お願いします 。
( 犬頭 ・ 恵美子 ) はい 。 恵美子君 。
あっ はい 。 あっ 。 ( 津島 ) 終の部屋だ➡
天女の呪いだって 噂されて 迷惑してるんで➡
調べていただけるのは ありがたいです 。
案ずるな 。 謎は解ける 。
恵美子君 発見されたときの状況を➡
1人目から 。 あっ はい 。 え~➡
203 号室の 新堀 正一さんです 。
( 茉由香 ) 1カ月前の朝➡
いつもの時間を過ぎても 朝食を食べに 下りてこないので➡
お部屋に行ったら… 。
2人目は 303 号室の 澤井 光央さん 。
2週間前の午後➡
ご家族から 「 電話に出ないから 確かめてきてくれ 」 と 言われて➡
確かめに行ったら… 。
朝食は? ここでは 希望した人にだけ➡
食事を提供しているんです 。
澤井さんは 希望されていないので 。
なるほど 。 3人目 。
403 号室の 川原 泰治さん 。
川原さんは 3日前の朝➡
リハビリを予約されていたので 呼びに行ったら… 。
どの部屋の扉にも 鍵は付いていないんだな?
( 津島 ) はい 。 天女っていうワードは➡
どこから出てきたんでしょうか?
203 の新堀さんが 亡くなる前に言ってたんです 。 ➡
あそこから天女が落ちていくのを 見たって!
幻覚を見たってことでしょうか?
( 茉由香 ) いえ 。 新堀さんが亡くなる何日か前に➡
隣のマンションで 女性の転落事故が あったんです 。
バンデルハイツですか? はい 。
つまり 新堀は 転落している女性を➡
自分の部屋の窓から見て➡
天から天女が落ちてきたと思った ということか?
たぶん そうだと思います 。 ( 津島 ) いや でも 新堀さん➡
軽い認知症の症状が出ていて 目や耳も あまり… 。
ホントに見たのかどうかは… 。
天女の呪いって言われている 理由は それだけですか?
( 茉由香 ) いえ 。 澤井さんと 川原さんが 亡くなったとき➡
まるで天女の羽衣みたいな布が➡
ご遺体の上に 掛けられていたんです 。 ➡
白いオーガンジーの ショールだったんですけど➡
2人とも まったく同じ物でした 。
それは 偶然だとは思えませんね 。
もしかして… 殺人 !?
えっ !? 亡くなった3人の➡
健康状態に 問題は なかったのか?
( 津島 ) はい 。 それなりに 持病は おありでしたが 。
( 茉由香 ) あっ 。 今日 朝倉先生 いらっしゃってるから➡
直接 お話 聞けるんじゃないですか?
朝倉先生というのは?
週に一度 ここへ 診察に来ていただいている➡
お医者さまです 。
レッツゴーだ 。 おっ 。 はっ はい!
新堀さんは 心臓 澤井さんは 血圧➡
川原さんは 糖尿の 薬を服用されてましたが➡
このところ 安定してたんですよね 。
今だ 。
おっ 。 180 … 。 3人が死んだとき➡
あんたは ここに いたのか? あっ いえ 。
向かいのバンデルハイツで 転落事故が あったときは?
その日は木曜だったから 来てました 。
じゃあ 新堀が 「 天女を見た 」 と 言ったのを 聞いたのか?
はい 。 新堀は 本当に➡
転落する女性を見たと思うか?
新堀さんの認知機能を鑑みての 答えを➡
求められてるのだとしたら➡
その答えは… 。
五分五分です 。
つまらん! あんたの話は 何の参考にもならん 。
「 つまらん 」 とは何だ? あ っ あの すいません すいません 。
ここに来ている木曜日以外は どこで働いてる?
東明医大附属病院ですけど 。
なぜ ここに来るようになった?
それが 今回の話と 何の関係が?
関係があるかどうかは 俺が判断する 。
前任の先生が 研修医時代の恩師で 。
つまらん! つっ… 。
あんた ホントに失礼な人だな! 申し訳ありません!
あっ… 。 すいません 。 失礼します 。 結局 身長 何 cm だったんだよ!
犬頭さんも 失礼なこと 言わないでくださいよ 。
俺は事実を言っただけだ 。
あ~… もう 。
ルルは むじいね~ 。
こんめえか 。
ルルちゃん いい子ですね~ 。
はい 。 この子が来てから➡
皆さんに笑顔が増えました 。 フフフ… 。
偉いね ルルちゃん 。 カワイイ~! フフフ… 。
( 犬頭 ・ 恵美子 ) あ~… うまい!
ハハハ… 。
( 有村 ) あっ! 犬頭~!
会いたかった~!
うお~っと! バンデルハイツで➡
死んだ人間について 何か 分かったのか?
( 有村 ) 本題に入る前に 再会の余韻 ちょうだいよ 。
無駄な時間は使いたくない 。
そんなこと 言うなって~ 。 触るな 。
ないと思います 。 あると思います!
で 調査結果は?
ああ 。 フッ 。
亡くなったのは…➡
バンデルハイツ 606 号室に 住んでいた… 。
( 有村 ) 1カ月前の明け方➡
自宅のベランダから転落して 即死 。 ➡
遺書は見つかってないが➡
玄関に 鍵が掛かっていたこと➡
室内に 荒らされた様子も ないことから➡
事件性は見当たらず… 警察は自殺と断定 。
岡村さんの ご職業は?
横浜の 潮の杜総合病院で 看護師をしていた 。
レッツゴーだな 。 ( テーブルをたたく音 )
その前に 有村には まだ 調べてもらいたいことがある 。
え~?➡
んだよ~… せっかく会えたのに 。
今回は 仕事で来てるわけじゃないので➡
部屋を見るのは 無理ですよ 。
内見だ 。
えっ? 借りたいって嘘をついて 見せてもらうつもりですか?
ここは事故物件なんだな?
あっ いや あの それは 違って… 。 あっ… 。
事故物件… なんだな?
はい 。 そのとおりですう 。
このやりとり 3回目のような 。
♬~
( 雅弘 ) 犬頭さん 。 室長 。
頑張ってください 。 分かりました 。
犬頭さん 尻尾を ぶんぶん 振ってるように 見えますよ 。
んっ? フッフッフッ… 。
あっ 。 フッフッフッ… 。
203 の新堀は 天女を見たとき➡
降ってきた先… 上を 見上げたかもしれない 。
そのとき もし ここに 人が立っていたとしたら?
もしかして 殺人だと思ってるんですか?
だって 亡くなったとき 玄関の鍵は掛かってたんですよ?
恵美子君 真実は いつも一つだが 鍵が一つとは限らない 。
あっ…! あっ 合鍵の存在を➡
忘れてました! どうして すぐ 忘れちゃうの?
うっ 。 レッツゴーだ 。
( 我孫子 ) あの~ 。 人は 物事を繰り返す存在である 。
アリストテレス 。 おっ… 。
すいません 。 また どこかで 。
(携帯電話) ( 女性 ) 最近 太っちゃって 。 (携帯電話) ( 美紅 ) えっ?➡
そんなことないけどね 。 (携帯電話) ( 女性 ) いやいや 。 来週➡
友達の結婚式だからさ あと3 kg 痩せないと➡
服 入んないんだよね 。 (携帯電話) ( 美紅 ) そりゃ ヤベえね 。
あの… 答えられる範囲で 結構なんですが➡
岡村さんが合鍵を渡すような方に 心当たりは ありませんか?
ずっと 付き合ってる人は いたみたいですけど 。
亡くなる前に 「 もうすぐ 結婚するから➡
今度 紹介する 」 って 言ってたんです 。
なのに どうして 自殺なんて… 。
岡村は この病院以前に➡
他の医療施設で働いていた経歴は あるのか?
東明医大附属病院で 働いてたそうです 。
なるほど 。
おそらく 新堀 正一は➡
向かいのマンションから 女性が転落したのを 見て➡
思わず 上を確認した 。 そのとき➡
バンデルハイツの 606 号室にいた 岡村を突き落とした誰かを➡
目撃してしまったんだ 。
だから 口封じのために その人物に殺された 。
それで さっき 確認してたんですね 。
バンデルハイツの 606 から➡
アストラの3号室にいる人が 見えるかどうか 。
岡村を殺した誰かと➡
アストラの3人を 殺したのは➡
同一人物だということだ 。
その人は 岡村さんの部屋の 合鍵を 持っていた 。
たぶん 恋人ってことですよね?
さらに その誰かは➡
アストラに出入りできる 人物である可能性が 高い 。
なるほど… 。 でも 自然死を装って殺すなんて 。
異物を混入した液体を 注入すれば➡
心不全を引き起こすことなど 造作もない 。
医師や看護師ならな 。
岡村さんには 医療従事者の知り合いが➡
たくさん いますよね 。
その中の誰かが犯人…?
もしかして 澤井さんと川原さんも➡
岡村 美紅さんを 殺した人物を 目撃していたんじゃないですか?
それで? あっ… 。
それをネタに 3人で脅していた?
⚟ ( 物音 ) うわ! あっ… 。
あっ 西さん? あっ… 。
すみません 。 聞こえてしまって… 。
何か 知ってることが ありそうだな 。
ささいなことでも いいので 教えてください 。
実は… 先週 ここで 川原さんが口論してるのを➡
見掛けてしまったんです 。 誰と?
暗くて 電気も ついてなかったので➡
よくは見えなかったんですけど 白衣を着ていたんです 。
それは何曜日ですか?
木曜日です 。
ということは あっ 朝倉先生 !?
それは はっきりとは… 。
⚟ ( 女性 ) 西さ~ん ちょっと 。
すいません 。 失礼します 。 ありがとうございました 。
う~ん… 。
う~… 何か 忘れてることが あるような 。
東明医大附属病院のことか?
《東明医大附属病院ですけど》
《東明医大附属病院で 働いてたそうです》
岡村さんと朝倉先生は 以前 同じ病院で働いていた !?
朝倉先生 結婚指輪 してましたよね?
ということは➡
そこで知り合って 不倫関係になった 。
でも 別れを告げられ 不服だった朝倉先生は➡
岡村さんを ベランダから 突き落として 殺した!
それを見ていた川原さんに 脅されて➡
川原さんのことも殺した 。
新堀 澤井 川原の 3人が➡
結託して 脅していたんだとしたら➡
1人目が殺された時点で 2人目と3人目は➡
身を守るために 策を講じるんじゃないのか?
確かに 。
じゃあ➡
他の2人は 本当に病死で 川原さんだけが殺された 。
他の2人の亡くなり方に 合わせて!
どうですか 犬頭さん! ( テーブルをたたく音 )
この推理は 。
な~んか 違~う 。
えっ? じゃあ 403 号室の川原さんは➡
ここの料金を滞納していた?
( えみちゃん ) 坊ちゃんが 聞いてきてくれたんです 。
はい 。 ( 雅弘の せきばらい )
親しかった住人の方によると➡
世田谷区の自宅を売却して ここに入ったから➡
金銭的余裕は あったはずなのに➡
いつの間にか ギャンブルで 使い果たしてしまったそうです 。
そうです 。 ギャンブル… 。
あのバカ 。
( えみちゃん ) そんな人には 見えなかったんですけどね 。
退去するように 言われてたんですって 。
もうすぐ 大きいお金が入るからと 頼み込んでいた…➡
そうです 。 ( 有村 ) そうだ 。
ということは… 。
犯人を脅していたのは 川原さんだった 。
そして… やっぱり 犯人は➡
あの人 。
すいません 送ってもらっちゃって 。
同じ方向ですから 。
でも… 。
誰しも できることと できないことが あります 。
人と暮らしている犬たちは➡
食事も 散歩も 排せつも 人間に頼りっきりです 。
飼い主は それを面倒だと思っていますか?
いや まさか 。 面倒だなんて 。
あなたは 人に気を使い過ぎなんです 。
頼れる人には 頼ってください 。
お互いに できることを 補い合っていきましょう 。
何か… 犬頭さんと話してると 落ち着くな 。
同感です 。
⚟犬頭さ~ん!
( 雅弘 ) 若宮さん 。 けっ 。
犬頭さんと 電話が つながらないって➡
有村さんが… 。 って いない!
( せき ) あっ… 。
何か 分かったのか?
( 有村 ) 医師の朝倉は 死んだ 岡村 美紅と➡
同じ大学病院で 同時期に働いていた 。
えっ? だが 科が違ったから➡
面識は なかったそうだ 。 それから… 。
んっ 。 ( 有村 ) お~い 。
♬~
( えみちゃん ) 《3人とも とても お元気だったのに➡
急に 続けて…》 《ルルは むじいね~》
( 茉由香 ) 《白衣を着ていたんです》
( 朝倉 ) 《東明医大附属病院…》 ( 女性 ) 《東明医大附属病院…》
( 鳴き声 )
見えた 。 えっ?
来た! 久しぶり!
ごめんなさいね お呼び立てして 。
( 津島 ) いえ 。 あの… 何か?
岡村 美紅と アストラの3人 新堀 澤井 川原を 殺害したのは➡
津島 誠 あんただ 。
突然 何の話です?
医師の朝倉が犯人だと ミスリードさせる➡
小細工まで弄しておいて とぼけるのか?
ごめんなさい 。 何のことだか 。
岡村 美紅と 面識がない 朝倉は 犯人であるはずがないんだ 。
だからって 何で 僕が 疑われなきゃいけないんです?
方言だ 。
《ルルは むじいね~》 「 むじい 」 は 「 カワイイ 」
《こんめえか》 「 こんめえ 」 は 「 小さい 」
どちらも 宮崎のお国言葉だ 。
岡村 美紅も 宮崎出身だ 。
(携帯電話) ( 美紅 ) 《そりゃ ヤベえね》
動画のイントネーションで 分かった 。
高校の同級生で➡
その後も 同じ専門学校に 通っていた あんたらは➡
恋愛関係にあった 。
スタッフの皆さん➡
「 津島さんは もうすぐ 彼女と結婚するらしい 」 と➡
言っていました 。 でも その相手は➡
以前 ここで働いていた 年下の女性だと 。
岡村さんではないですよね?
10 年以上 付き合っていた 彼女に 2股がバレて 責められ➡
殺したってところか 。
ひど過ぎます 。
彼女にとって大事な 10 年を 台無しにしたってことですよね?
( 津島 ) あいつと同じことを言うな!
俺は 結婚しようなんて 一度も言ってない!
( 美紅 ) 《いまさら 別れて 若い女と結婚すっとね !? 》
《私の 10 年 返してよ! 返せって!》
《でけえ声 出さんでって 言っちょるやろが!》
( 美紅の悲鳴 ) ( 頭を打つ音 )
《ハァ… ハァ…》➡
《美紅? 美紅 大丈夫ね?》➡
《大丈夫 !? 》
( 津島 ) バレたら 全てを失うと思って… 。
《うっ…》
( 津島 ) そしたら➡
自殺で処理されて ほっとしてたのに➡
何日かして➡
かばんに 脅迫状が入 っ てたんです 。
( 津島 ) アングル的に 203 303 403 503 の➡
住人の誰かだろうとは 思ってて 。
そしたら 新堀さんが 「 天女を見た 」 って言うから➡
脅してきたのは あの人だと 思って 。 ➡
それで 全て 終わったと 思ったのに➡
また 脅迫状が!
脅していたのは 新堀ではなかったと 。
残る3号室の3人の誰かだから➡
順番に殺していけば 正解に たどり着く 。
それなら 呪いの噂を利用して 下から順番にしようと思って 。
そして あんたは 2人目の澤井を殺した 。
ところが 脅迫状は止まらなかった 。
( 脅迫状を握りつぶす音 ) 残る候補は➡
川原と えみちゃん 。
川原さんが 向こうから 名乗り出てくれて 助かりました 。
薦田さんを 殺したくはなかったから 。
川原さん 相当 金に困ってたみたいで➡
直接 呼び出されて 金を無心されたんです 。 ➡
新堀さんと澤井さんを 殺したことも 疑われてたから➡
バレたくなくて 。 ➡
朝倉先生に疑いを向けたくて 白衣を着て➡
金は あした 渡すと 嘘をついて その場をしのいで➡
その日の深夜に… 。
津島さん 。 ➡
澤井さんと川原さんのご遺体に➡
天女の… ストールのような物を 掛けたのは➡
天女の呪いに 便乗したんじゃなくて➡
せめてもの 良心の呵責だったって➡
私 そう 信じてますから 。
えみちゃんは こう 言ってくれているが➡
あんたは 許されないことをした 。
それは➡
4人もの人間を殺した その手で ルルさんを めでたことだ 。
そこ…?
汚れのない心で➡
人生の たそがれを 迎えた 人間たちを➡
懸命に癒やしている ルルさんに➡
その汚れた手で触れるなど 言語道断!
その罪の重さ しかと覚えておけ 。
ありがとうございました 。 また➡
何か ありましたら ご連絡ください 。
これからは 定期的に 顔 見に来るから 。
坊ちゃん… 。
でも 犬頭さん よく 方言のことに気付きましたね 。
以前 宮崎で暮らしていたことが あってな➡
耳が覚えていた 。
《宮崎に移住していた》 それは いつごろ… 。
あっ… 。
いや いいです 聞かなくて 。
( えみちゃん ) 犬頭さん 。
はい 。
やっぱり あなたは 黄色い洋服が よく似合う 。
私の見立てどおり 。 フフ 。
お気付きでしたか… 。
年を取るとね➡
目に見えないものの方が よく見えることがあるの 。
えみちゃんには かないません 。
これからも 坊ちゃんを見守ってね 。
命のかぎり 。
何のお話ですか?
墓場まで持ってく ひ ・ み ・ つ 。
あっ… そうですか 。
じゃあね えみちゃん 。 ( えみちゃん ) 坊ちゃん… 。
あっ… あの 犬頭さん 。
私 犬頭さんが 犬頭さんでいるかぎり➡
ついていきますから 。
犬頭NGだ 。
え~ !?
お疲れさまでした 。
( 山田 ) 雅弘さま 雅弘さま! 高丸さまが いらっしゃいました 。
( 雅弘 ・ 恵美子 ) えっ? ( 高丸 ) 失礼するよ 。
( 片山 ) 失礼します 。 ( 山田 ) 失礼いたします 。
どうしたんですか?
この販売特別室は 今日をもって解散です 。
( 恵美子 ・ 雅弘 ) えっ? ( 高丸 ) この1カ月➡
君たちの様子を 見させてもらっていました 。
やはり あの 犬頭という社外の人間に➡
頼らないと 駄目なようですね 。
いや アストラの件は あくまでも 個人的に… 。
許可なく わが社の物件に 部外者を関わらせたことに➡
変わりはないでしょう 。
あの… 犬頭さんのことは 私一人の責任です 。
室長は 何も… 。 いえ 。
全ては 室長である僕の責任です 。
うすうす気付いてはいました 。
何の経験もない僕を 室長にしたのは➡
叔父さんが 僕を 陥れるためだ っ たんじ ゃ ないか っ て 。
フッ… 。
フッ… 。 何を言ってるんだ? お前は 。
考え過ぎだよ 。
僕は 両親を亡くして この体になってから ずっと➡
社会との接触を避けて 生きてきました 。 ➡
でも 販売特別室の仕事を するようになって➡
意識が変わって… 踏み出せたんです 。
( 高丸 ) おう… 。 どう 変わったんだ?
僕も お客さまや会社の 役に立ちたいって 。
( 高丸 ) フッ… 。
ハハハ… 。 ➡
雅弘 お前は 本当に➡
兄貴に そっくりだな 。
えっ?
甘いんだよ 。 いいか 。
経営 いや 仕事っていうのはな➡
そんな感情論だけで 成り立つようなもんじゃない!
♬~
僕が証明します 。
( 高丸 ) 証明? 何をだ 。
( 雅弘 ) 父の やり方が 正解だったということをです 。
だから 戦います 。
♬~
♬~
ハァ… 。
♬~
社長 販売特別室の解散は 見送る方向で➡
よろしいでしょうか?
予定どおり 進めなさい 。
( 片山 ) あっ… 。 はい!
室長 カッコ良かったです!
( 雅弘 ・ 恵美子の笑い声 )
♬~
⚟ここに レジャー施設でも造るつもりか?
どうして 君が ここに?
あらためて 取引がしたい 。 取引?
要求は変わらん 。
販売特別室の存続 ならびに➡
大島 雅弘が やろうとしていることに➡
今後一切 横やりを入れないこと 。
ちょっと待ってくれ 。
どうして 私が 君の言うことを 聞かなきゃならないんだ?
この前の取引は 即行で ほごにされたようだからな 。
もう少し強めのカードを 切らせてもらう 。
どこから… 。 8日前の深夜➡
保育園の入り口に 車が突っ込み その場から逃走した 。
その車を運転していたのが➡
先日 ロスから帰国をした あんたの息子➡
大島 慎吾だ 。
まさか 。
これは 事件を担当した警官が 作成した 報告書だ 。
コピーだがな 。
こんな物 どこで… 。
警察内部にコネのある人間が いるんでね 。
実際には 逃走した 大島 慎吾は 捕らえられ➡
調書まで取ったにもかかわらず➡
その報告書は破棄するよう 上からのお達しが あったそうだ 。
そう 取り計らってもらえるよう 警察上層部に頼み込んだのは➡
あんただな 。
この隠蔽工作が 株主総会で告発でもされたら➡
あんたは 即刻 退場だ 。
条件をのめば 口外しないっていうことか 。
大島 高丸 。 あんたが 社長を引き継いで以降➡
7年前まで赤字だった 大島不動産は➡
黒字にV字回復を果たした 。
その功績は 見事と言う他ない 。
情や理想だけじゃ 経営は成り立たないんだよ 。
だから 私は 兄とは違うやり方を選んだんだ 。
情に流されることなく 数字と向き合い➡
たとえ 嫌われても 憎まれても シビアに判断を下し続けてきた 。
これからも この指針を変えるつもりはない 。
あんたのやり方と 先代のやり方の どちらが 正しいのか➡
あるいは 新たなやり方を見つけるのか➡
その答えは➡
あんたの息子である慎吾が 更生し➡
先代の息子 雅弘が 成長した その先➡
未来に あるんじゃないのか?
「 出られない部屋 」 って どういうことなんでしょうか 。
何か わくわくしますね 。 全然 しませんけど 。
お願いします 。 はい 。 失礼します 。
フフ 。 ➡
じゃあ いってくるね 犬太 。
いってきます!
フッ 。
( 犬太 ) 《俺の願いは 一つだけだ》➡
《最初の記憶は 真っ暗な小屋》➡
《小さな おりの中で 次々に消えてゆく 仲間の命》➡
《恐ろしい場所から逃げ➡
当てもなく さまよっていた 俺は➡
君に救われた》
( 雅弘 ) じゃあね 。 ありがとう 。
( 犬太 ) 《命の恩人である君に 報いることが➡
俺の願いになった》 ( 雅弘 ) 元気でいるんだよ 。
( 犬太 ) 《だが 俺は知らなかった》➡
《犬の命の短さを…》➡
《それでも 君の困難を知り➡
虹の橋のたもとから 夢中で走りだして➡
気が付いたら 君のそばにいた》➡
《生まれ変われたと分かった あのとき➡
俺は 君の笑顔を守ると誓った》
( 犬太 ) 《わが輩は犬である》
( 犬太 ) 《犬だから 君のためなら どこへだって行く》➡
《何だって できる》➡
《いつの日か 俺は また 君より先に この世を去るだろう》
( 雅弘 ) 犬太! ( 犬太の鳴き声 )
( 犬太 ) 《だが 君が呼ぶなら➡
俺は 何度でも生まれ変わる》➡
《この奇跡は この思いは➡
君が教えてくれたものだから…》
⚟ギャ~! ⚟ ( 雅弘 ) 助けて~!
犬頭だ!
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