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♬~
♬~
♬~
…って これじゃ 歌謡曲の曲紹介か 。
あっ 山田さん おはようございます 。
おはようございます 。 手伝いましょうか?
結構です 。 ごみにも 個人情報がございますので 。
おはようございま~す 。
えっ !? あっ… 。 ( 犬太の鳴き声 )
大丈夫ですか !? ( 雅弘 ) 犬太 ごめんね 。 ➡
びっくりさせちゃって 。 あっ… 。
どこに片付けましょうか?
あっ 大丈夫 。 自分でやるんで 。 ( 犬太の鳴き声 )
いえ やらせてください 。
えっ?
僕やるんで 。 すいません 。
ハァ… 室長は きちょうめんなんですね 。
好きなものだけは ちゃんとしておかないと➡
気が済まなくて 。 分かります!
私の場合は 物理的な物ではないんですけど➡
趣味の間取り図とか 物件に付ける キャッチコピーだけは➡
私的な星の数を付けて 保存してるんです 。
へ~ 。 キャッチコピーって?
えっ… 見ていただけますか?
えっ… 見ていただけますか?
はい 。
どれにしようかな 。
自信作をお見せしないと 。
え~っと… いや こっちかな?
えっ? え~っと… 。
んっ? 犬太? んっ? 犬太? どうした?
(携帯電話) ( バイブレーターの音 ) あっ… 。
(携帯電話) ( バイブレーターの音 )
お疲れさまです 。
( 片山 ) お疲れさま 。 新しい調査依頼 。
今回は ごみ屋敷 。 えっ?
(携帯電話) ( 片山 ) あっ じゃあ 詳細 送るから よろしく 。
おはようございます!
あっ… 依頼の仕方が どんどん 雑になってる… 。
今度こそ 事故物件ですか?
いえ ごみ屋敷だそうです 。
そうですか 。
まあ 心霊系よりは いいか… 。
(携帯電話) ( バイブレーターの音 )
♬~
( 嗅ぐ音 )
んっ? ( 嗅ぐ音 )
何か 今日 調子 悪いな 。
( チャイム )
どなたか いら っ し ゃ いませんか~? あ~… 。
( チャイム ) あっ… 。 えっ !?
( チャイム ) 犬頭さん !?
そんな蚊の鳴くような声では➡
人間の4倍の聴覚を持つ犬にも 聞こえない 。
今日も来てくれるとは 予想外でした 。
心霊系じゃないのに 。
俺は 君のために 来てるわけじゃないぞ 恵美子君 。
俺は 君のために 来てるわけじゃないぞ 恵美子君 。
今日は 「 恵美子君 」 ですか 。
この前は 「 若宮君 」 その前は 「 お前 」
しっかし ひどい臭いだな… 。
人間の1億倍の嗅覚を持ってる 犬にとっては まさに 地獄だ 。
この かいわいの 犬たちのためにも➡
早急に解決しなければならない 問題だな 。
そうですね 。 あ~ めんどくせえ 。
お~い! 誰かいるか?
おい! 犬頭さん… 近所迷惑になります 。
前島! 前島~! シ~ 。
前島! 前島~! シ~ 。
( 前島 ) うるさい!
いた! 前島さん あの… 。
大島不動産販売から参りました 若宮と申します!
( 前島 ) 帰れ!
あ~あ 。 怒らせた 。
怒らせたのは 犬頭さんですよ 。
恵美子君だろ? いいえ 犬頭さんです 。
どうかしましたか?
あっ… 前島さんに お話があって 。
アハハ あの人は出てこないよ 。 あんたたちは?
犬頭だ 。 いえ 。
犬頭だ 。 いえ 。
あの 大島不動産販売から 参りました 若宮と申します 。
( 倉岳 ) あ~ 不動産屋さん?
あっ はい 。 あの ご近所に お住まいの 弊社のお客さまから➡
悪臭問題について クレームがあったので➡
お話を伺いに 。 なるほど 。
私は 蛍の坂交番の倉岳です 。 あっ どうも 。
ここの家主の 前島 四毛は 一人暮らしなのか? 倉岳 。
何年か前に 奥さんが亡くなって➡
息子も 今は 転勤で 地方に行ってるそうだ 。
息子も 今は 転勤で 地方に行ってるそうだ 。
じゃあ 倉岳 クレーム主の家まで案内しろ 。
無礼なやつだな 。 あっ すいません 。
あの 伊藤 明子さんの お宅なんですが 。
あっ 2丁目の? あっ はい 。
レッツゴーだ 。 え~ !? ちょっと… 。
私の自転車だぞ! 犬頭さん 公務執行妨害に➡
なりかねませんよ! せめて ヘルメットを 。
案ずるな 。
♬~
♬~
交番にも 悪臭の苦情が来てるんですね 。
それもあって パトロールを強化してるとこで 。
いつからだ?
2週間くらい前から 。
あの家が ごみ屋敷になったのは?
気付いたのは 1年ぐらい前だ 。
たまった ごみの 腐敗が 始まったってことでしょうか 。
あの悪臭は 生ごみの物だ 。
梅雨時や夏場は 数日で臭い始めるはずだが 。
夏には 別に… 。
じゃあ 生ごみが置かれたのは 最近なんですかね 。
( 明子 ) もう 臭いが すごくて 窓も開けらんないのよ 。
でね 空気清浄機を買おうか 迷ってるんだけど 。
あっ そのお金 そちらで 補償していただけるわよね 。 ➡
10 万円 。 えっ? いえ➡
それは ちょっと 難しいかと 。 ( 明子 ) は~?
前島 四毛に 会ったことは あるのか?
もちろん 。 前は 普通だったもの 。
普通とは? ち ゃ んと常識のある人だ っ たのよ~ 。
礼儀正しくて 身なりも きちんとしてたしね~ 。
( 道代 ) まさに エリート商社マン って感じだったのにね 。
いつから 変わられたんでしょうか?
( 明子 ) 奥さまが 病気で亡くなってからよね 。
息子さん 様子のおかしい父親のこと➡
よく放っておけるわよね 。 ( 明子 ) いや~ 。 そう 。
( 道代 ) 前島さん 夜中に 例の蛍の坂公園で➡
ごみ拾ってたらしいわよ!
あっ 嫌 嫌 嫌… 。 例の公園というのは?
1年前 殺人事件があった公園なのよ 。
えっ !? 詳しく話せ 。
交番の若い警察官が ホームレスに射殺されたのよ 。
交番の若い警察官が ホームレスに射殺されたのよ 。
で 犯人も 死体で見つかったらしいのよ~ 。
( 明子 ) ハァ~ ホントに 住みづらくなっちゃって 。
怖い 臭い うるさいじゃ たまったもんじゃないわよね~ 。
( 道代 ) ね~ 。 あの 「 うるさい 」 というのは?
隣の犬よ 。 ➡
もう ワンワン ワンワン ワンワン… うるさいの 。
犬が鳴くのには 理由がある 。
それを 理解できないのも しつけができないのも➡
飼い主の非だ 。 ( 机をたたく音 )
犬は悪くない 。
犬は悪くない 。
うるさくて 窓も開けられやしない 。
ちょうどいいじゃないですか 。
さっき 臭いで 窓を開けられないって 。
とにかく 犬なんて➡
百害あって一利なしよね~ 。 ( 道代 ) ね~ 。
おい 。 犬と人間 どっちが偉いと➡
思ってるんだ? ( 明子 ) 人間に決まって… 。
犬だ 。 バ~カ 。
バカ?
犬はな 人を 愛し 慈しみ➡
決して裏切らない忠誠心を 持ってる 。
決して裏切らない忠誠心を 持ってる 。
だから 彼らの何げない行動が 人の心を 温かく満たすんだ 。
自分たちには ひたすら甘く➡
不利益は 全て 他人のせいだと 決め付け➡
不愉快ばかり まき散らす あんたらのような存在とは➡
真逆の存在だと知れ!
窓を開けられなくて ちょうどいい という返しは よかった 。
あっ あれは つい 心の声が出てしまって 。
反省してます 。 その必要は ない 。
ムカついたことは 胸に ためておくべきではないという➡
気付きを 得たんだ 。 はあ… 。
あっ 。 そうだ 。
私 犬頭さんのスマホ 預かってるんです 。
この前 落としましたよね 。
そういえば ここのところ 見ていなかったな 。
《もしかして… 室長?》
あの 私 もう一度 前島さんの所に 寄ってから 職場に戻るので➡
あの 私 もう一度 前島さんの所に 寄ってから 職場に戻るので➡
一緒に来てくれたら お返しできます 。
職場というのは 大島 雅弘室長の所なんですけど 。
あっ… 。
ハァ… も~ 神隠しだって 。
んっ?
あっ… 。
あっ… 。
ごみの種類が違う 。
(携帯電話) ( シャッター音 )
ギャッ 。 ( 前島 ) 帰れ!
あっ… 前島 四毛さんですよね 。
少し お話 させていただいても いいでしょうか… 。
( 前島 ) 帰れ!
えっ? えっ えっ? えっ? ちょっと… あの… 。
あっ あした! あした来ます!
あっ 。
ん~… 。
今回は 長丁場になりそうです 。
ご苦労さまです 。
ハァ… 。
⚟ ( 山田 ) 雅弘さま 高丸さまが いらっしゃいました 。
お~ 雅弘 久しぶりだな 。
高丸叔父さん… 。
どうしたんですか? 急に 。
いい肉をもらったんだよ 。 お前と一緒に食べたいと思ってな 。
( 鳴き声 )
フッ… 。 ( 雅弘 ) 犬太 。
相変わらず 元気がいいな 犬は 。
犬太です 。
( 高丸 ) ん~?
もしかして 君 雅弘の恋人?
( 恵美子 ・ 雅弘 ) まさか!
あっ… とんでもないです 。 販売特別室の若宮と申します 。
あ~ 。
片山君が言ってましたよ 。 雅弘の部下は➡
宅建士の資格を持った 優秀な人だってね 。
宅建士の資格を持った 優秀な人だってね 。
あっ いえ そんな 全然 。
お~ 君も 一緒に どう? えっ?
山田さん 食事 3人分にしてくれる?
( 山田 ) かしこまりました 。
( 高丸 ) この間 雅弘から➡
連絡もらったときは うれしかったよ 。
一人前になってほしいという 気持ちからとはいえ➡
難しい仕事をさせてしまって 申し訳ない➡
っていう思いもあるからね 。
でも 雅弘は 順調に クレームを解決してくれてる 。
社長として 叔父として 実に誇らしいよ 。
解決してくれているのは 若宮さんです 。
( 高丸 ) ん~?
( 雅弘 ) 僕は ただ ここにいて 報告を受けているだけです 。
あっ いつも 室長には 相談に乗ってもらってます 。
若宮さんは クレーム対応の経験があるの?
いえ 営業部では むしろ クレームを生む方でした 。
ハハ… 。 まあまあ これからも よろしく頼みますよ 。
ハハ… 。 まあまあ これからも よろしく頼みますよ 。
はい 。 微力ながら 尽力いたします 。
( 高丸 ) それに引き換え うちの愚息は➡
ロサンゼルスまで行って 何を学んでるんだか 。
雅弘の爪のあかでも煎じて 飲ましてやらないとな 。
若宮さん 今夜は楽しかったよ 。 ありがとう 。
こちらこそ ありがとうございました 。
( 高丸 ) じゃあな 。
おやすみなさい 。
( ドアの閉まる音 )
すいません 付き合わせてしまって 。
すいません 付き合わせてしまって 。
あっ いえ… 。
大島社長は 室長のお父さまの 弟さんなんですよね?
両親が亡くなってから➡
身元引受人 ってことになってるけど…➡
僕は あの人に好かれてないから 。
そんなことないと思いますけど 。
♬~
♬~
やっぱり… 。
「 やっぱり 」 何だ? あっ… 。
もう びっくりさせないでください 。
また ごみ投げられないように 緊張してるんですから 。
ごみを投げられたのか?
はい 。 塀の向こうから 。
ハハハ 。 ださ 。
省略されると いっそう 腹が立ちます 。
「 やっぱり 」 の続きを 早く言え 。
あっ はい… 。
手前の ごみが 増えてるんです 。
昨日よりも 5~6個は多いかと 。 ほう 。
それに 手前は ごみ袋の大きさが ばらばらだし➡
置き方も乱雑で 中身は たぶん 生ごみです 。
でも 奥にあるのは ペットボトル や瓶や缶 資源ごみで➡
でも 奥にあるのは ペットボトル や瓶や缶 資源ごみで➡
何というか 奇麗なんですよね 。
悪臭を発しているのは 手前の生ごみだけということか 。
はい 。 量からして 生ごみは➡
わりと 最近 置かれた物じゃ ないでしょうか?
悪臭騒ぎは 2週間前から 。
なるほど 。
近くの ごみ置き場で 話を聞いてきてくれ 。
俺は… 蛍の坂公園で 本でも読んでいる 。
はい 。 あっ 犬頭さん スマホ 。
はい 。 あっ 犬頭さん スマホ 。
えっと… 。
あっ あの~ 待受の写真って… 。
ほら 来たぞ 。 えっ?
ハァ あっ… 。
ハァ… ハァ… ハァ… 。
ハァ… ハァ… 。 収穫は?
ハァ… ハァ… ハァ… 。
前島さんを見た人は いないそうです 。
だろうな 。
それから 町内会が厳しいから➡
それから 町内会が厳しいから➡
深夜から ごみを出す人は いないそうです 。
ごみ置き場から持ってきたという 可能性は つぶれたか 。
はい 。 ⚟ ( 倉岳 ) ご苦労さんです 。
あっ こんにちは 。
調査の方は 進んでますか? いや~ えっと… 。
1年前 ここで殺された警察官は お前の同僚か?
無礼な人間に答える必要はない 。
答えないなら 隠蔽と理解する 。 あっ?
後輩だったよ… 。
なるほど 。 そうだったんですか 。
今も まだ 受け止められなくて 参ってます 。
町内会のおさの所に 案内しろ 。
んっ えっ? 町内会長のことですか?
おさと言ったら おさ 。
ハァ… 。
ん~! おいしい!
うまい 。
うまい 。
( 勝山 ) フフ… ありがとうございます 。
おなかすいてたんで 染みます 。
不動産屋さんって 家 買った後も➡
あの 苦情の調査なんか してくれるんだ 。
できる限りのことは させていただきます 。
前島の ごみ屋敷は 町内会では 問題になっていないのか?
ハァ~ 。 もちろん なってますよ 。
でも 本人は 話 聞いちゃくれなくて➡
行政にも相談したんだけど➡
当事者間で解決するべきだって 言って 何もしてくれないし 。
冷たいですね 。 ( 勝山 ) でしょ?➡
で 最後の手段が 強制撤去なんだけど➡
それも 結構なお金が必要で 。
あの周辺は 再開発候補地だったな?
えっ? ああ 。 ええ 。
低層マンションの 建設計画があって 。
だが 前島だけが 立ち退きを 拒否して 進んでいないと 。
おっしゃるとおり!
正直 立ち退きに応じてくれれば➡
必然的に あの ごみ屋敷も なくなるって➡
期待してたんだけど➡
前島さん 「 絶対 出ていかない 」 の 一点張りだから 難しいかな~ 。
前島さん 「 絶対 出ていかない 」 の 一点張りだから 難しいかな~ 。
自分で建てた家には 特別な思いがあるんでしょうね 。
( 勝山 ) そうかもだけどさあ 。
あ~ 寒っ… 。
まさか 不動産会社に入って こんな➡
刑事みたいなことするとは 思いませんでした 。
付き合えなんて言ってないが 。
あっ… 犬頭さんを1人にすると 何をするか分かりませんから 。
⚟ ( 車の走行音 ) あっ… 。
犬頭さんの読みどおりですね 。
あれ?
はっ!
( 男性 ) 痛っ!
不法投棄だ 。
あっ! ( 男性 ) おい!
あっ… 。
( 男性 ) うわ! お~ 。
( 男性 ) うわ! お~ 。
強い… 。
臭っ 。
不法投棄の目的を言え 。
ここ… ここの じいさんが 立ち退かないから 。
だから 嫌がらせをした?
きっ 近所迷惑で 住みづらくなるだろうって 。
ここに捨てた ごみは 全て持って帰れ 。
( 3人 ) はっ?
ここは ごみ屋敷だ 。
ごみ捨て場じゃない 。
ごみ捨て場じゃない 。
( 関節の鳴る音 ) ( 男性 ) あっ… 。
あっ あっ… 。
今度 不法投棄を見つけたら➡
問答無用で 産業廃棄物になると思え 。
整列!
タナカ 。 ミヤタケ 。 スガタ 。 ( 3人 ) はい 。
帰ってよし 。 ( 3人 ) ありがとうございました 。
さすが 犬頭さんです 。
やっぱり 元ヤンは強いですね 。
やっぱり 元ヤンは強いですね 。
それは 否定したはずだが 。
でも おかげさまで これで 生ごみは なくなりました 。
今回の調査は 報告書を書いたら➡
これで終わりです 。 ありがとうございました!
別に 恵美子君のために やったわけじゃない 。
もしかして 室長のためってことですか?
そんな人間は 知らん 。 あっ… 室長のためと考えると➡
犬頭さんが 毎回 問題物件を 勝手に調べてくれることも➡
納得いくんです 。 まったく 恵美子君は➡
推理まで まどろっこしい 。
そう思うだろう?
前島 四毛 。 えっ?
お前らも 地上げ屋の手先か!
いや➡
そいつらは 今 生ごみと一緒に退散させた 。
あんたのためじゃない 。 俺が 勝手にやったことだ 。
だから 感謝は求めない 。
ただ… 代わりと言っちゃ何だが 2~3 聞きたいことがある 。
遠回しに恩着せがましい… 。
話すことなど何もない!
じゃあ 中を見せてくれ 。 えっ !?
われわれは 近隣の顧客の要請で 悪臭を確認しにきた➡
大島不動産の者だ 。
悪臭を発生する生ごみは 全て撤去した 。
家に残っている ごみからは 悪臭はしないと➡
報告書に記入せねばならん 。
知るか! 帰れ! 確認できるまで➡
何度でも来ることになるんだが?
断る!
あっ!
( 前島 ) えっ えっ? えっ !? えっ? どこ?
あっ !? 犬頭さん 不法侵入です!
おい! 早く あの男 捕まえろ!
あっ はい! うっ… 。
犬頭さ… おっ!
すごい… 。
あっ… 。
紙ばっかりだ… 。
犬頭さん!
こっちだ 。
うわ! また 紙の壁… 。
( 前島 ) そこまでだ!
えっ? えっ あっ あっ… 。
あっ… 。
えっ? 階段が… 。
えっ? 階段が… 。
貴様! 約束が違うだろ!
約束はしていないが これで失礼する 。
えっ? えっ ここで? えっ ここまで来て?
見たいものは見た 。
あっ ちょっと… 。
すみません 。 失礼します!
犬頭さん 。 うわ… 。
チッ 。
1年前 蛍の坂交番の警官 多田 寛は➡
奪われた自らの拳銃によって ホームレスの間村に射殺された 。
( くしゃみ )
おい これ 死体の再現 必要あるか? これ 。
間村が多田を殺した動機は?
特に 因果関係は 見つからなかったそうだ 。
状況証拠だけだということか 。
状況証拠だけだということか 。
ああ 。
間村は ここから転落して死んだ 。
多田については調べたのか?
ああ 。 んっ… 。 おっ 。
優しくて 気の小さい男だったが➡
競馬 競輪 賭け事に…➡
賭け事が 好きなのが➡
玉にきずで 借金も あったらしい 。
借金か… 。
もしかしてとは思うんだが 。 フフ… 。
もしかしてとは思うんだが 。 フフ… 。
思ったんなら 早く言え 。
ごめん 。 フフ… 。
俺が フッ 警察に… 。
俺が警察にいたときから➡
この辺り 西東京地区には➡
反社とつながっている➡
内通者が いるんじゃないかっていう➡
まことしやかな噂があるんだよ 。
ほう 。
検挙しようとすると いつも逃げられるってな 。
その内通者が➡
多田 寛かもしれないと 。
ああ 。 亡くなる少し前から➡
また ギャンブルに 興じていたというから➡
金が入ったということなんじゃ ないかと思ってな 。
あっ それから もう一つの件なんだが 。
何か分かったのか?
ハァ~ 。 犬頭さん 。
ご苦労 。 危うく 無銭飲食するところだ 。
ご苦労 。 危うく 無銭飲食するところだ 。
電子マネー 使ってないんですか?
現金至上主義だ 。
わざわざ ごめんね 。 付けにしとくって言ったのに 。
あっ いえ 。 この勝山君は➡
前島の息子とは 中学の同級生だそうだ 。
えっ? ( 勝山 ) そう 。
猛は 本ばっか読んでる秀才で➡
こっちは 漢字の読めない 落ちこぼれだったけど 。
猛さんと 連絡は取れますか?
あ~ いや~… 引っ越してからは 携帯 変えたのか 連絡つかなくて 。
じゃあ 仲 良かった方とか 。
( 勝山 ) あっ いや~… 中学 高校は 明るくて➡
わりと 人気者だったんだけどね➡
大学も いいとこに行って でかい会社に就職したのに➡
だんだん 暗い顔して 人付き合いも避けるようになって 。
何か あったんでしょうか?
ここには 時々 ふらっと 1人で来てくれて… 。
でも 珍しく酔っぱらったとき 言ってたんだよね 。
いくら 頑張って 結果を出しても 上司が認めてくれない 。
何しても 無能扱いされてるって 。
いや 分かります その気持ち 。
勉強は 頑張ったら 結果につながるけど➡
仕事は そうとは限らないですもんね 。
( 勝山 ) それそれ 。
親父さんも 教育熱心で 威圧的なところ あったから➡
追い詰められちゃったんじゃ ないかな~ 。
なまじ 成功体験のあるエリートは やれば できる➡
できないのは 努力が足りないからだと➡
人に対しても思いがちだ 。 それそれ!
親父さん エリート商社マンだったからな~ 。
前島 猛に 最後に会ったのは いつだ?
あ~ 転勤する前から だいぶ会ってないから➡
2年前かな 。
じゃあ 転勤の話は 誰から聞いた?
親父さんだよ 。 あのころは 今と違って➡
普通に会話してくれてたから 。
すいません 。 ( 勝山 ) はいよ 。
( 男性 ) チキン南蛮 。 ( 勝山 ) チキン南蛮 。 はい 。
有村が調べてくれたんだが➡
前島 猛は 2年前 勤めていた大手企業を辞めてる 。
えっ えっ? 転勤したんじゃないんですか?
退職した後 再就職した様子もないようだ 。
それと… 。 もしかして… 。
恵美子君?
( 明子 ) 《殺人事件があった 公園なのよ》➡
《ホームレスに射殺されたのよ》
( 倉岳 ) 《何年か前に 奥さんが亡くなって➡
息子も 今は 転勤で 地方に行ってるそうだ》
《勤めていた大手企業を 辞めてる》
《勤めていた大手企業を 辞めてる》
( 鳴き声 )
見えた!
前島さん お話があります 。
この家の ごみを 見たときから 違和感がありました 。
ごみ屋敷というと➡
ごちゃごちゃと いろんな物が積まれている➡
ごちゃごちゃと いろんな物が積まれている➡
汚いイメージなのに➡
家の周りには 資源ごみ 家の中には 紙だけと➡
分別されています 。 ( 前島 ) だから 何だというんだ?
話が まどろっこしいのは 恵美子君の癖 。 いつもどおりだ 。
今から言うことが 信じられないというか➡
信じたくないというか 何というか… 。
案ずるな 。
ど~んと いってみよう 。
前島さん あなたは➡
ごみを捨てられずに ため込んだんじゃない 。
人に見られたくないものを 隠すために➡
ごみ屋敷を つくり上げたんですよね!
隠したかったもの それは➡
息子さんの死体です!
あなたは 息子さんを殺して その死体を隠すために➡
家中を ごみで埋め尽くすことで ふたをした 。
そうですよね?
( 拍手 )
さすがは 恵美子君 。
全然 違う 。 えっ?
ごみの種類が違う 奇麗な ごみの積み方をしている➡
というところまでは よかったんだが オチがまずい 。
えっ えっ?
じゃあ 正解は?
ホーダーと呼ばれる人間を 知ってるか?
ホーダー? いいえ 。
物を捨てられず➡
病的なまでに ため込んで➡
家を ごみだらけにしてしまう 人間のことだ 。
恵美子君が言うように➡
ごちゃごちゃと ごみだらけで 乱雑な汚い家➡
ごちゃごちゃと ごみだらけで 乱雑な汚い家➡
いわゆる ごみ屋敷には たいがい ホーダーが住んでいる 。
だが この家は違う 。
ここまでの ごみの置き方は➡
まったくもって ホーダーらしくない 。
あっ あの ホーダーらしさ っていうのが よく分かりません 。
それは… 。
ここから先のような ごみの置き方だ 。
えっ?
ホーダーは 必要な物の取捨選択ができず➡
物を ため込んでいく 。 まさに この状態だ 。
この階段を境に まるで 別の人がやったことみたいです 。
それが 答えだ! えっ?
ここまでの ごみは 前島 四毛が➡
ホーダーのふりをして ためたものだが➡
ここから先の ごみは お前がためたもんじゃない 。
本当のホーダー 2階にいる息子の 前島 猛だ 。
本当のホーダー 2階にいる息子の 前島 猛だ 。
えっ? 猛さん 生きてたんですか !?
どうして 勝手に殺しちゃうの 。
あっ すいません 。 あの 生きてる様子がないから て っ きり 。
それが ごみ屋敷をつくる 狙いだったんだろ?
息子を 2階に閉じ込め➡
存在しないと 周囲に思い込ませるために➡
東北に転勤したという嘘まで 触れ回った 。
閉じ込めた? それには➡
1年前の警察官殺害事件が 関係してる 。
1年前の警察官殺害事件が 関係してる 。
やめろ!
えっと… 例の公園の事件ですか?
ここからは 推測だ 。
1年前 蛍の坂公園で 事件が起こった夜も➡
猛は いつものように公園に行き ごみを集めてきた 。
その中に 殺人を犯した➡
犯人の証拠となる何かが 付いていたんだ 。
例えば 血痕 。
例えば 血痕 。
それを見て お前は 猛が犯人だと思った 。
でも 犯人は ホームレスだったんですよね?
そいつは死んじまってるし➡
なぜ 警官を殺したのかという 動機は 分からずじまい 。
真相は闇の中だ 。
調べられたら 猛が関わっていることが➡
バレてしまうかもしれない 。
だが このまま 猛を隠してしまえば➡
全てを うやむやにできる 。
全てを うやむやにできる 。
そう思ったんじゃないのか?
ああ… 。
息子さんは 認めたんですか?
いや… 何を聞いたって 答えてはくれない 。
私が 息子の心を 閉ざしてしまったんだ 。
どういうことですか?
私のせいなんだよ 。
猛は 私の望みどおりの➡
順風満帆な人生を歩んでると 思っていた 。
だから 2年前 急に 引きこもってしまったときは… 。
《猛! 会社を辞めたって どういうことだ!》
《猛! 会社を辞めたって どういうことだ!》
《このまま 引きこもるつもりか !? 》
《そんな恥ずかしいことを するな!》
( 前島 ) 息子が あんなふうに➡
普通で なくなってしまったことが➡
どうしても 受け入れられなかった 。 ➡
そのうち ごみは だんだん増えて➡
深夜に 古紙回収場所から 集めてきているのは➡
物音で分かっていたが➡
もう 何も聞くことはできなかった 。 ➡
もう 何も聞くことはできなかった 。 ➡
それで 1年前の あの日 。
⚟ ( ドアの開閉音 )
警察には 出頭させず 家の中に幽閉した 。
犯人隠避は 犯罪です 。
( 前島 ) 猛には 「 もう 外には出るな 」 ➡
「 捕まったら困るから 」 と言って 。
猛には 小さいころから 父親の呪いが かけられていた 。
そうだよな 前島 猛!
呪い…?
押し付けられた価値観と 言い換えてもいい 。
父親と同じようなエリート街道を 進むのが➡
当たり前の幸せなんだというな 。
自我が目覚め その教えに 違和感を感じるようになっても➡
猛は ずっと 我慢し続けてきたんだろう 。
だから ゆがみが生じた 。
この ごみは 父親の呪いから 解放されたいという➡
猛の心の現れなんだと 俺は思う 。
全ては 私の責任だ 。
猛と一緒に 出頭する 。
( 嗅ぐ音 )
フッ… 。 いや その必要はない 。
お前の勘違いだ 。
猛は 犯人ではないし➡
真犯人は 他にいる 。 えっ?
真犯人は 他にいる 。 えっ?
では 聞くが 事件当日 猛の衣服には➡
血が付いていたのか?
そもそも 猛は 警官に恨みを持っていたのか?
いや… 。 だが… 。
でも 普通 事件に関係がないなら➡
血の付いた雑誌を 持 っ て帰 っ てきたりしないですよね 。
それが ホーダーなんだ 。
他人から見たら ただの がらくた ごみにしかすぎない物でも➡
集めたホーダー本人にとっては 大切な物なんだ 。
集めたホーダー本人にとっては 大切な物なんだ 。
血が付いていようが いまいが そんなことは関係ない 。
ん~ なるほど 。 猛が➡
血痕や事件について 気が付いていたかどうかは➡
分からない 。
だが くしくも それは➡
真犯人にとっては 重要な証拠だったようだ 。
なあ 倉岳 庄一 。 あっ… 。
あっ… 。
うわ… 。 うっ… 。
うっ うっ… 。
俺が 町内会長に頼んだんだよ 。
前島家の ごみを あした撤去すると➡
交番に伝えてくれと 。
はめやがったのか 。
証拠を奪いに来るとは 思っていたが➡
まさか 燃やしに来るとは 。
お前も 面白い男だ 。 ( 倉岳 ) くそ… 。
これ 犬頭さん 。
うっ… 。 あっ… 。
うっ… 。 あっ… 。
警察の内部事情に詳しい人間に リサーチしてもらったら➡
多田は ギャンブルで 借金をつくっていたことが➡
分かったんだが… 。 ( 縛る音 )
倉岳 お前もだそうじゃないか 。
そんな話は知らん!
西東京の警察署内にいると 噂されている 反社への内通者➡
お前らだったんだな 。 えっ !?
数年前から 羽振りが良くなっていたのは➡
その報酬として 金を受け取っていたからだ 。
その報酬として 金を受け取っていたからだ 。
そうだろ?
気の弱い多田は➡
良心の呵責に耐えかねて 自ら 命を絶とうとした 。
そのとき おそらく… 。
⚟ ( 倉岳 ) 《多田!》
拳銃で命を絶とうとしていた 多田を 止めようとして➡
もみ合いになり… 。 ( 多田 ) 《倉岳さん!》
《あっ あっ…》
《あっ あっ…》
( 多田 ) 《うっ…》
結果 殺してしまったのは 偶発的なことだったんだろう 。
そこで 全てを打ち明けていれば 済んだはずだ 。
だが お前は とっさに 隠蔽を図ろうとした 。
《うわ…》 ( 瓶の割れる音 )
《あっ…》➡
《あ~…》➡
《あ~ 痛っ》
⚟ ( 物音 )
《あっ… あ~…》
( 倉岳 ) 《この…》 ( 間村 ) 《あ~ やめて~!》➡
《やめて!》
一部始終を見ていた間村を 口封じのために殺し➡
偽装のため 多田の拳銃を 間村の遺体の横に置いた 。
その後 古紙回収場所へ戻ったが➡
血痕の付いた雑誌は➡
他の雑誌と一緒に なくなっていた 。
他の雑誌と一緒に なくなっていた 。
《あ~! くそ~!》 あの血を調べられたら➡
おしまいだ 。
何としても取り返すべく➡
パトロールにかこつけて 聞き込みを続けた結果➡
ごみを集めている 前島 四毛が 持っていったのではないか➡
という予想に たどり着き この家を見張っていた 。
だが 持っていったのは➡
前島 四毛ではなく 猛であったことには➡
気付けなかったようだな 。
気付けなかったようだな 。
そんなの どっちだって同じだろ 。
ごみ拾ってる じいさんだろうが➡
引きこもりの 病んでる息子だろうが 。 ➡
何の役にも立たない➡
誰にも必要とされてない 社会のごみ 。
粗大ごみだ!
( 倉岳 ) ん~ ごみは おとなしくしてりゃいいものを➡
邪魔しやがって!
息子は ごみではない 。
息子は ごみではない 。
あいつを必要としている人間も ここにいる 。
侮辱するな!
金を稼げない 生産性のない人間なんて➡
生きてるだけ無駄だろ!➡
俺たちは 世の中 守ってんだ!➡
ハッ… 手荒な連中と うまくやっていくのも➡
必要悪なんだよ!
何ですか? それ 。
何ですか? それ 。
ただの お金もうけのためじゃ ないですか !?
労働の対価だ! こっちは 身 削ってんだからな!
( 倉岳 ) あっ! あっ… 。 うわ… 。
やめろ 。 うわ あっ やめろ!➡
やめろ… う~… 。 う~… 。
( 倉岳 ) う~… 。
圧死という死に方を 知ってるか?
圧死という死に方を 知ってるか?
外傷性窒息死とも言ってな➡
要は 呼吸できずに死んでいくんだ 。
苦しいぞ 。
ごみはな 主張もするし➡
真犯人を殺すことだって できるんだよ 。
( 倉岳 ) たっ 助けて… 。
普通とか 必要悪とか➡
そんな 愚にもつかない お前らの価値観の方が➡
そんな 愚にもつかない お前らの価値観の方が➡
よっぽど ごみだ 。
それに比べて 犬たちは どうだ 。
彼らは 地位にも 名誉にも 肩書にも とらわれず➡
ただただ 本質だけを見て生きてる 。
何て 素晴らしい 。
素直な心を持っていれば 自然と そうなるんだよ 。
えっ? 犬?
えっ? 犬?
んっ… 。 んっ?
証拠 ゲットです 。
⚟ ( ドアの閉まる音 )
猛… 。
猛… 。
猛がいなければ 真相が 明らかになることもなかったな 。
♬~
結局➡
倉岳さんの上で指示しているのが 誰なのかは 謎のまま 。
世の中 権力ですよね… 。
世の中 権力ですよね… 。
そうですか… 。
それで ごみ屋敷は どうなりました?
前島さんが集めてきた ごみは 撤去が決まったそうです 。
息子さんの方は そう簡単には 。
でも 一歩は 踏みだしたんじゃないですか?
そうだといいですけど 。
今日は いい天気だぞ 。
一緒に 散歩 どうだ?
じゃあ いってくるからな 。
♬~
( 雅弘 ) 人間も 犬みたいに 愛だけで生きられたら平和なのに 。
あっ 。 ➡
僕 今 ポエムみたいなこと 言っちゃいました?
あっ… いいと思います 。
あっ… いいと思います 。
私 そういうの大好きなんで 。
( 雅弘 ・ 恵美子の笑い声 )
あれ? 犬太は?
( 雅弘 ) えっ あっ あれ? あれ? あれ?
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