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( 加奈 かな )鮭に塩コショウをして ―
薄力粉をまぶします
フライパンにサラダ油 バターを加えて溶かし ―
鮭を焼きます
次に しょうゆ みりん バター レモン汁を加えて ひと煮立ち
(ドアの開閉音)
(フライパンを振る音)
このソースを鮭にかけると ―
鮭のムニエルの出来上がり!
( 智子 ともこ )加奈 そろそろ看板に電気いれよっか?
はーい
(智子)いらっしゃいませ
(男性)お母さん 荷物こっち置こうか
(女性)ありがとう ここでいいや
(女性)ありがとう
(加奈)いらっしゃいませ (女性)あら
(男性)ありがとう
(女性)かわいいこと (男性)ねえ
(智子)ほら あんまり走らないのよ
(加奈)はーい
ご注文はお決まりですか?
(女性)はい ポークソテーを2つと…
(男性)俺はオムライス
(加奈)ポークソテーを2つと オムライスですね お待ちください
(加奈)ポークソテー 2つと オムライスです
(女性)かわいいこと
(智子)いらっしゃいませ (女性)お願いします
(女性)お嬢ちゃん お手伝いして偉いですね
孫なんです ウフフ
いつの間にやら 看板娘になっちゃって
(調理音)
(真路)おいしくなぁれ エイヤ!
(加奈)おいしくなぁれ エイヤ!
(調理音)
♪~
(加奈)鶏肉の皮目を下に 焼き色が付くまで中火で焼く
(加奈)裏返して焼き キャベツを加えて炒める
カットトマト缶 水 コンソメを加え ―
煮立たせる
(中野)加奈さん オッケーです (加奈)うん
次の工程は 御社のケチャップの特徴である ―
トマトの滑らかさが際立つように ―
ケチャップを入れる ヨリを撮りますので ―
ご確認お願いします (藤村・長沼)はい
(桜井)煮立ちました
真美 まみ さん ケチャップ ゆっくり注いでください
(桜井)はい
いいですね 大丈夫ですか?
(藤村)バッチリです
(加奈)チーズお願いします (桜井)はーい
おいしくなぁれ エイヤ!
(中野・桜井)エイヤ~!
(加奈)おいしそう!
(田代)めちゃくちゃ おいしそうですね
(加奈)箸上げいきましょう (桜井)はい
真美さん 一発で決めてくださいね
はーい
(一同)おぉ~
オッケーです!
あぁ~ おなか減った~ (一同)アハハハ
( 泰次 たいじ )次回の コグレケチャップさんのレシピ ―
ポークソテーにしてほしいって 営業が言ってきた
(加奈)わかりました でも私 ―
ポークソテーには うるさいですよ
うるさいってなんだよ 豚肉焼くだけだろ
いやいや 使う豚肉で全然 味 変わりますから
手ごろでおいしい豚じゃないと ―
クライアントにも 恥かかせることになるんで
たかがポークソテーって 思わないでください
わかったよ あっ そうだ 今朝の件…
(スマホのバイブ音)
(加奈)お父さん (泰次)出ていいよ
すいません
(加奈)はい
(修平) おじいちゃんが 心筋梗塞で倒れた
(加奈)えっ
(修平) 中園(なかぞの)総合病院にいる
わかった
(泰次)どうした? (加奈)すいません
(加奈)後で電話します
(着信音)
(修平) 今―
息を引き取った
♪~
(妙子)お母さん 大丈夫?
(妙子)修平 これからどうするの?
(修平)うん…
(修平)年も年だし ―
一人にしておくわけには…
(妙子)うちは無理よ
(修平)わかってる
(静香)お母さん 水分とってくださいね
(修平)考える
(修平)これからのことだけど ―
まず店は畳むしかない
近くの店も ―
みんな ショッピングモールに お客奪われちゃったし ―
それに 一番近くのコンビニも ―
車で10分かかる
この家に母さん一人で暮らすのは 大変だと思う
それで…
姉さんと ここを見てきた
(妙子)今 老人ホーム すごいのね
リハビリ施設もちゃんとしてるし ―
レクリエーションも いろいろあるみたいよ
私たちが見学に行ったときは お花の教室とかやってて ―
ものすごく楽しそうだったわよ
待って 伯母さん
おばあちゃんをホームに入れる気?
私が今までみたいに しょっちゅう来るし ―
なんだったら ここに住んだっていい
(静香)加奈 今 仕事大変なんでしょ
リモートじゃできないことも ―
たくさんあるって 言ってたじゃないの
ここから会社まで 2時間以上かかるし ―
新幹線代は どうするんだ
それは…
(智子)そうね
(智子)ホーム入りますよ
(加奈)おばあちゃん…
(智子)よさそうじゃないの
(智子)ごはんもおいしそうだし
(加奈)ホントにそう思ってる?
(智子)ホントよ
この年になると ―
一人は大変なのよ
(職員)いち に… うん 歩幅が広い
(面会者)こんにちは 面会お願いします
(職員)こんにちは こちらの面会簿に ―
ご記入お願いいたします
(入居者1)近くにお墓を買ったんで (入居者2)ああ そう
(入居者3)食事が済んだら コーヒー飲もうか
(入居者4)いいわね (入居者3)ねっ
(入居者5)硬い にんじんが
(職員) 大沢 おおさわ さん こんにちは どうぞ~
(智子)ありがとう
いただきます
(ため息)
(館内放送のチャイム)
(職員) お知らせします ただいま1階に―
パン屋さんが来ました パン屋さんが来ました
購入される方は 1階の方へお越しください
(館内放送のチャイム)
(店員)こちらでよろしいですか? 600円になります
(店員)はい ちょうど お預かりです
こちらです ありがとうございます
(店員)こんにちは
(入居者たちの会話)
フフッ
(智子)キッチン大沢
ポークソテー
(智子)いらっしゃいませ
お待たせしました どうぞ どうぞ
(智子)どうぞ
(男性)ポークソテー 2つ お願いします
はい 承知いたしました
(女性)新聞見て来たんです
あれ読んだら どうしても食べたくなって
ありがとうございます
ポークソテー 2つですね
ポークソテー 2つ
(智子)お願いします (真路)はいよ
(ノック)
(智子)はい (ヘルパー)大沢さん
たちばな公園にみんなで一緒に お散歩行きますが ―
大沢さんも一緒にどうですか?
なんか…
頭が重たいのよね
(ヘルパー)そうですか
ゆっくり休んでください
すいません
♪~
(芸人2)わけわからん (芸人1)ビックリするでしょ
(芸人1)屋根だけドーンって なくなっちゃって
(芸人2)そんなわけねぇだろ (芸人1)ね?
(芸人1)でも なくなってるから ビックリして ―
おいおいおい や~ね~ つって
(笑い声)
(芸人2)あ~ ダジャレになっちゃってるよ
(芸人たちの漫才)
( 杉村 すぎむら )あっ 調理の
お待ちしていました 施設長の杉村です
( 水橋 みずはし )水橋です
早速ですけど 食堂をご覧になりますか?
(水橋)あ はい (杉村)どうぞ
(杉村)こちらが食堂になります
現在こちらは 入居者様が 25名ほどいらっしゃいまして ―
食事はこちらで…
給食業者に 3食のお弁当を ―
配達してもらうホームも 多いんですけども ―
うちは ここで調理をして 入居者様に ―
できたての温かいものを 召し上がっていただくというのを ―
売りにしています
(杉村)それぞれのアレルギー等は 冊子にまとめてありますので ―
後ほど お渡ししますね
ここまでで ご不明点や ご質問ございますか?
大丈夫です
(杉村) 厨房 ちゅうぼう 内は水橋さんが やりやすいように ―
作り変えてもらって 構いませんので
じゃあ 施設の他の設備を ご案内しましょうか?
結構です
(杉村)じゃあ よろしくお願いします
(水橋)お願いします
(物音)
いただきます
あ~ ごちそうさまでした
♪~
いただきます
♪~
(智子)いただきます
♪~
いただきます
♪~
(ヘルパー)大沢さん たちばな公園に ―
みんなでお散歩に行きますが 大沢さんも一緒にどうですか?
行きます
(ヘルパー)行きましょう ハハハ 大沢さん 今日ね 初めて
(トレーナー)息を吸って 背筋伸ばして
はい 最後です
フーッと背中丸めて ボールを遠くに
(療法士)お疲れさまです ゆっくりどうぞ
(智子)いい汗かきました (療法士)がんばりましたね
大きな動きで とてもよかったです
(智子)ありがとうございます (療法士)ありがとうございました
♪~
(智子)あの…
ご苦労さまです
いつも おいしいごはん ありがとうございます
どちらのお店で 調理なさってたんですか?
こういうこと 聞いちゃいけないんですよね 今
私 大沢智子と申します
(水橋)水橋です
水橋さん
どうぞ よろしくお願いいたします
(調理音)
いただきます
ここ やっぱ おかしいですかね?
うーん そうねぇ やっぱりさ…
(スマホのバイブ音) (加奈)あ ちょっとごめんね
おばあちゃん
あっ 今 大丈夫?
(加奈) あぁ うん 大丈夫だよ どうしたの?
実はね 加奈に 確認してもらいたいことがあるの
(加奈)確認?
(智子) そう (加奈)うん
(加奈) うん
ウソ…
だから ―
加奈に確認してほしいのよ
分かった すぐ行く
(加奈)あの さっき言ったところさ ―
もうちょっと工夫してみて
(中野)あ はい (加奈)ちょっと いってきます
お気をつけて
(智子)んっ よいしょ!
(電子レンジの報知音)
どうぞ
いただきます
おじいちゃんのと おんなじだ
でしょう
これ作った人って どんな人なの?
それがさ 名前しか分からないの
調べてみるよ その人のこと
フッ そうくると思った
さすが 加奈!
(加奈)ただいま~
(静香)あら 今日どうしたの?
(加奈)あ~ ちょっと こっちで調べものがあって
(静香)そう
(静香)おなかすいてない? なんか作ろっか?
(加奈)うん
よいしょっと
(加奈)すみません 大沢です
(職員)はい お待ちください (加奈)お願いします
(杉村)お待たせしました (加奈)こんにちは
智子さんのことで何か?
(加奈)いえ 調理人の 水橋さんのことをお聞きしたくて
(杉村)水橋さん (加奈)はい
(加奈)ここに来る前は どちらに いらしたんですか?
守秘義務というのがあるからね
私が彼のことを第三者に 話すことはできないんですよ
そうですよねぇ
じゃあ 仕事の依頼ならどうでしょう
(杉村)え? (加奈)私 ―
料理のレシピ動画を配信する会社で 働いてるんです
(杉村)加奈さん ディレクターなんだ (加奈)そうなんです
そこで 老人ホームの食事について 特集を組む予定があるんです
(杉村)そうなの? (加奈)はい 宅配食ではなく ―
ホームで調理したものを 提供しているこちらを ―
ぜひ 取り上げさせて もらえませんか
それは うれしいな うちは食事が売りだからね
(加奈)祖母から聞いています (杉村)で どうすればいいの?
インタビューをお願いできますか
インタビュー!
水橋さんに
あぁ 水橋さんね…
分かった 聞いてみるよ
お願いします
(調理音)
(桜井)よしっ どう?
いいですね~ ケチャップの赤で豚が映えますね
(桜井)じゃあ 味見してもらえる? (加奈)はい
(スマホのバイブ音)
ちょっと待ってください
(加奈)はい 大沢です (杉村) ホームの杉村です
(加奈)どうでしたか? (杉村) 水橋さんね―
どうしても受けたくないって
ホームとしてはいい話だし ―
ぜひ受けてほしいって 強く説得したんだけどね ―
本人の意思が固くて
水橋さん
私 ここの入居者の 大沢智子の孫の ―
大沢加奈と申します
杉村さんには この間 お話ししたんですけど ―
ここで作られてる料理について…
(智子)どうだった? (加奈)待ち伏せ作戦 失敗
(加奈)逃げられちゃった (智子)あら
でもあの感じ なんか訳ありだと思う
ハッ
(落下音)
エプシロンの 蝶々 ちょうちょ
水橋さんのエプロンに エプシロンの蝶々があったの
え?
(智子) おじいちゃんが 昔 働いてた エプシロンの蝶々
水橋さんも あのエプシロンで 働いてたのよ
(泰次)はい (加奈) お疲れさまです
(加奈) 泰次さんって エプシロンに 知り合いいますか?
いるけど なんだ?
エプシロンでシェフを していた人のことを調べたくて
お知り合いの方に 聞いていただくことできますか?
(泰次) ああ いいけど
ありがとうございます! 急ぎでお願いします
(泰次)おいおい 上司をせかすな (加奈) すいません
で 誰のことを調べるんだ?
(修平)母さん 好きだったよね クリームボックス
(修平)母さん ほら (智子)ありがとう
(修平)店のことだけど ―
売却先が決まった
(修平)これでやっと ここの前払い金が払えるよ
姉さんと俺で半分払って ―
月の入居費も安くなるし ―
ホント助かる
いいよね 進めて
(智子)待って
(修平)え?
売りたくない
(修平)何言ってんだよ 母さん
なんで売りたくないの?
売りたくないの
今さら何言ってんだよ
(修平)母さん?
(電子音)
(加奈)どうしたの? (静香)ごめんね 急に
(静香)加奈には電話じゃなくて 会って伝えた方がいいかと思って
(加奈)何を? (静香)実はね ―
キッチン大沢の売却先が 決まったのよ
え?
いろいろ思うところ あるかと思うけど ―
気持ちの整理つけときなさい
あ これ 会社の皆さんに エキソンパイ
あ ありがとう
(スマホのバイブ音)
水橋 英二 えいじ は エプシロンの中でも 老舗 しにせ ―
京橋 きょうばし の店舗を任されるぐらい 腕利きのシェフだったそうだ
仕事人間の彼は 夫婦仲に問題があって ―
奥さんから 長年 離婚を切り出されていたらしい
水橋はそれを無視してたんだけど ―
業を煮やした奥さんは ―
水橋が2歳の娘に暴力をふるったと 児童相談所に訴えて ―
告発したんだよ (加奈)えっ?
水橋は 警察で 事情聴取を受けたんだが ―
そういう事実はなく ―
離婚したいがための妻のウソなんだ ということを説明して ―
とりあえず疑いは晴れた
でも 1年間の接近禁止の命令が 取り消されなかった
そんなことってあるんですか?
もしなんかあったら マズいってことじゃないか
それに最悪なことに そのことを知った名門エプシロンは ―
水橋を解雇したんだ
それで 仕事も家族も 失ったってことですか
そうだ
俺が聞いたシェフが言うには ―
水橋には10歳の長男がいて ―
事情が分かっていない その子とも離れることが ―
相当ショックだったらしい
このこと おばあちゃんに言うのか?
(着信音)
(加奈)もしもし (智子) 加奈
(智子) キッチン大沢を 水橋さんに やってもらおうと思うんだけど―
どう思う? (加奈)えっ?
(智子) おじいちゃんと同じ―
エプシロンで働いてたんだって 何かの縁だし
水橋さんだって自分のお店持てたら きっとうれしいわよ
(智子) ねえ そう思わない?
おばあちゃん あの ―
水橋さんってね ちょっといろいろあって…
(智子) そんなこと どうだっていいの!
(智子) あの人の居場所は ここじゃないの
(智子) 拝啓 いつもおいしいお食事 ありがとうございます
あなたがホームにいらしてから 私の生活は 一変しました
生きる気力を失っていた私は ―
あなたが作る料理に出会い 喜び 元気をもらい
(調理音)
(智子) 毎日が楽しいと 思えるようになったのです
(智子) それはきっと あなたの料理に―
亡き夫の料理と 同じ味を感じたからだと思います
夫と私は キッチン大沢という レストランを営んでおりました
この度 筆を執ったのは ―
もし あなたさえよければ うちの店で ―
あなた自身の食堂を 開いていただきたいと思ったからです
突然のお願いに 戸惑われるかもしれませんが ―
前向きにご検討いただけますと 幸いです
水橋英二様
(ノック)
(杉村)大沢さん (智子)はい
お預かりしてた手紙 お渡ししました
水橋さんね お話をしたいそうです
(杉村)あしたの2時に 相談室を押さえましたけど
ありがとうございます
(杉村)では
あしたもホーム行くの?
うん…
おばあちゃん…
店を任せたい人がいるみたい
え? 誰?
ホームの調理人さん
おじいちゃんが働いてた店で その人も働いてたのよ
おばあちゃんの気持ちは 分からなくないけど ―
お父さん 話進めてるし 今さら無理じゃないかしら
こんな完成予想図だって できてるし
手紙 読ませていただきました
お気持ちは うれしいんですが ―
このホームを 離れるつもりはありませんし ―
この年で飲食店経営を 一から始めるつもりもありません
申し訳ありませんが この話は断らせてください
もし お一人でやるのが大変なら 私が手伝います
年寄りですけど 50年の経験がありますので ―
お力になれると思うんです
(ドアが開く音) (加奈)失礼します
店は 今月末に売却され ―
ドライブスルーの ファストフード店になるそうです
その前に ―
一度 見にきていただくことは できませんか?
結論を出すのは 見てからにしてもらえませんか?
お願いします
(コック)料理長 お先に失礼します (水橋)お疲れ
( 巧 たくみ )こんばんは (コック)こんばんは
(水橋)巧 (巧)うん
(巧)うわ~ すげぇ
へぇ こうなってんだ
(水橋)なんか作ってやろうか (巧)うん
パパはさ ―
どうしてコックになろうと思ったの?
(調理音)
(水橋)巧 うまいもん好きだろ? (巧)うん
(調理音)
そういうことだよ
そっかぁ…
(調理音)
うまそう
(着信音)
はい
(水橋) 水橋ですが―
店 見に行きます
ありがとうございます!
(加奈)じゃあ それ剥がしちゃって
(泰次)うん (中野)はい
(泰次)うわぁ! クモ クモ クモ!
(泰次)ちょっ 痛い痛い痛い
(加奈)こんな小さいクモに 情けない
(泰次)虫 苦手なんだよ
(加奈)うるさい! ピカピカにするよ~!
(加奈)どうぞ中へ
えっと… 俺にどうしろと…
よかったら ご自由にお使いください
祖父が喜びます
♪~
いただきます
(泰次)大沢 企画通ったぞ 予算もつく
絶対に面白いもんにしろよ
はい ありがとうございます
(泰次)今持ってる仕事は 金子 かねこ に引き継いで 企画に専念しろ
はい
(智子)あっ 加奈 加奈 ちょっと座って
(智子)これ…
(智子)300万円ある (加奈)300万!?
(智子)おばあちゃんのヘソクリなの (加奈)え!?
開店資金に使って
改装費とか いろいろいるでしょうよ ね?
いいの?
いいの
(加奈)ありがとう (智子)うん
ちょっと待ってください どうして?
(水橋)できれば もう一度 お客さん相手に調理したいと思いまして
そんなこと急に言われても 困りますよ
いつ辞めるつもりですか?
(水橋)すぐにでも (杉村)いや 無理です 無理です
新しい人 決まるまでは 作ってもらわないと
(水橋)はい それなんですけど お店でお弁当を作って ―
持ってくるようにします (杉村)いやいやいや うちは ―
ここで調理してお出しするのが 決まりなんですから
弁当なんて とんでもないですよ
水橋さんのお料理
冷めても おいしいんです
さあ どうぞ
(杉村)あ うまい (智子)ね!
いやいやいや… ダメです 決まりなんですから
まいったなぁ…
(加奈)お願いします
(改装業者1)お願いします (改装業者2)失礼します
(加奈)荷物 ここに 置いちゃってください
食材に関してなんですけど できれば ―
地産地消にこだわりたいですね
野菜はもちろん 肉も
何か候補はあるんですか?
豚肉に関しては ―
前の店で話を聞いていた 麓山 はやま 高原豚
それならツテがあります
おじいちゃんが使ってたのが…
確かここです
♪~
( 塩田 しおた )お待ちしておりました
塩田ファームの塩田と申します よろしくお願いします
(加奈)大沢です よろしくお願いします
(水橋)水橋です
(塩田)豚は清潔好きなんで ストレスなく ―
毎日快適に暮らせるよう いろいろ気を使ってるんです
(塩田)そっから中 入れないんで ―
そこから のぞいて見てください (加奈)はい
(塩田)エサは エゴマとアマニ油 ―
天然樹木エキスを混ぜた 専用の飼料を使っております
(加奈)へぇ~
(塩田)あっさりした おいしい脂身なんで ―
試してみてください (加奈)はい ぜひ
どうぞ
味付けは塩とコショウだけです
いただきます
うん
ジューシーでやわらかいし 脂はスッキリしてて上品
あとは仕入れ値の交渉ですね よし
(農家)ここでは農薬と 化学肥料を使わずに ―
できるだけ環境に負担を少なくして にんじんを作っています
おお~っ
(農家)どうぞ 抜いてみてください (加奈)いいですか?
(加奈)お~っ いいですねぇ
(着信音)
泰次さん
水橋さんの奥さんの連絡先 分かったんですか…
(杉村)ああ どうも 弁当取りにきました
(杉村)おぉ~
(水橋)麓山高原豚の チンジャオロースです
(杉村)ほぅ…
開店準備は順調ですか
あっ おかげさまで
そりゃ よかった
じゃ 晩ごはんもお願いします
(入居者たちの会話)
♪~
(加奈)いよいよですね (水橋)はい
ついに キッチン大沢 開店です
♪~
(ドアが開く音)
(加奈)いらっしゃいませ こちらへどうぞ
(加奈)奥の席へお座りください
(加奈)いらっしゃいませ 何名様ですか (客)2人です
(加奈)こちらへどうぞ
(調理音)
(水橋)お願いします (加奈)はい
お待たせいたしました ポークソテーです
(男性)おいしそう
(女性)ありがとうございます すごい いいにおいするね
(加奈)いらっしゃいませ ご注文はお決まりですか?
(女性)もう決まった?
(男性)ポークソテーで お願いします
(加奈)はい (女性)じゃ 私も ―
同じポークソテーで 2つ お願いします
承知いたしました メニューをお下げします
( 中川 なかがわ )いただきます
(巧)パパ
巧… どうして?
お店のこと 加奈さんが教えてくれたんだ
(加奈)巧くん 座って (巧)うん
(加奈)すぐに 料理作ってもらおう ねっ
(巧)やった~ 腹ぺこなんだよね
(調理音)
(加奈)キッチン大沢 一番人気のポークソテーです
いただきます
おいしい
(中川)ごちそうさまでした (加奈)ありがとうございました
(中川)あの 実は お話があるんですが ―
少しお時間よろしいでしょうか?
(加奈)はい なんでしょう?
私 「孤高のグルメ」というドラマを 制作している ―
中川と申します
再オープンしたので来てみたら ―
ポークソテーが 前と同じ味で 絶品で
(中川)ぜひ キッチン大沢さんを 舞台にしたドラマを ―
作らせていただけませんでしょうか
まだ 店オープンしたばかりで 従業員もいないので ―
対応は難しいと思います
今は そういった取材は ―
お断りさせてください
(巧)そのドラマ知ってる
(巧)ママ そのドラマ 毎週見てるんだよ
やってよ パパ
撮影の時は 僕 手伝うから
(中川)詳しいご説明を させていただいてもよろしいでしょうか
(水橋)じゃあ どうぞ
(中川)見てくれてありがとう
~♪
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