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1
00:00:23,107 --> 00:00:26,557
♪天命最高♪
誰が誰に請い願おうと 春秋時代はただ天地の号令に従うのみ
2
00:00:28,978 --> 00:00:33,336
天命 一体誰が 運命の流れを捻じ曲げられようか
3
00:00:35,771 --> 00:00:40,578
誰がいようがいまいが この乱世を定めるのは結局は人間
4
00:00:42,431 --> 00:00:46,706
一体誰が 歴史を書き換えているのか
5
00:00:48,777 --> 00:00:54,052
喜ぶな 「始祖」と呼ばれたからとて思い上がるな
6
00:00:55,763 --> 00:01:00,847
「万歳」の叫びも永遠の治世も
すべてはお前の望み通りに作られるだろう
7
00:01:02,564 --> 00:01:07,639
だが来世では 誰が「高祖」になろうと知ったことか
8
00:01:08,818 --> 00:01:15,677
賭けに出るのはよせ 天命こそ最高(絶対)なのだから
9
00:01:42,200 --> 00:01:46,280
流石の腕前だ、項少侠、次はお主の番だ
10
00:01:46,480 --> 00:01:47,880
いいぜ
11
00:01:53,320 --> 00:01:56,040
悪りぃな、猿も木から落ちる、馬も足を踏み外すってな
12
00:01:56,080 --> 00:01:59,480
もし怪我をさせちまっても、恨みっこなしだぜ
13
00:01:59,600 --> 00:02:03,720
万が一過ちがあれば、貴様も道連れだ
14
00:02:03,760 --> 00:02:06,000
お互い様だ
15
00:02:08,160 --> 00:02:09,480
これか?
16
00:02:12,080 --> 00:02:15,040
首でも寝違えたのか?
17
00:02:19,240 --> 00:02:22,160
大王、連晋は避けました。敗北と見なすべきかと
18
00:02:22,440 --> 00:02:26,240
連晋、避けるとは何事だ。あまりに腰抜けではないか
19
00:02:26,320 --> 00:02:30,800
大王、項少龍も剣を収め、斬り込む度胸がなかった様子
20
00:02:31,000 --> 00:02:34,240
己の未熟な剣術で連晋を傷つけ
21
00:02:34,360 --> 00:02:36,400
その責で自分の首が飛ぶのを恐れたのでしょう
22
00:02:36,480 --> 00:02:38,760
ですが、連晋が先に避けました
23
00:02:39,040 --> 00:02:40,760
俺の見解は、こうなんですよ
24
00:02:40,920 --> 00:02:43,200
連の兄貴は、俺の剣術がイマイチなのを察して
25
00:02:43,280 --> 00:02:45,400
わざと避けて、俺に華を持たせてくれたんです
26
00:02:45,800 --> 00:02:49,440
なので、ここは引き分けってことでどうでしょう
27
00:02:49,520 --> 00:02:51,600
せっかくのめでたい席なんですから
28
00:02:51,680 --> 00:02:54,720
項少侠、お主の言葉には常に理があるな
29
00:02:54,840 --> 00:02:57,240
ならば引き分けとしよう。それが丸く収まる
30
00:02:57,320 --> 00:03:02,320
大王、そもそも優劣を競うのに武器は不要かと
31
00:03:02,440 --> 00:03:05,080
来月、宮中にて蹴鞠の大会がございます
32
00:03:05,200 --> 00:03:07,960
その折に、お二人に白黒つけていただければ
33
00:03:08,080 --> 00:03:13,000
よかろう。蹴鞠の大会にて一決雌雄を決するがよい
34
00:03:17,120 --> 00:03:18,400
項少龍を殺せと命じたはずだ
35
00:03:18,480 --> 00:03:22,120
土壇場で日和るとは、鼠のごとき臆病者め
36
00:03:22,240 --> 00:03:23,920
侯爺、あなた様もあの場にいらしたはず
37
00:03:23,960 --> 00:03:26,560
もし私が項少龍を殺し、宮殿を血で汚していれば
38
00:03:26,720 --> 00:03:28,680
私の首も飛んでいたに違いありません
39
00:03:28,920 --> 00:03:31,680
今のわしの地位と権力をもってすれば
40
00:03:31,800 --> 00:03:34,560
貴様の命を救うなど造作もないことだ
41
00:03:36,120 --> 00:03:38,000
だが次また職務を怠り、命に背くようなことがあれば
42
00:03:38,080 --> 00:03:40,840
楚に戻って田舎で田んぼでも耕していろ
43
00:03:41,080 --> 00:03:44,920
侯爵様、項少龍を殺すなど容易い御用
44
00:03:45,040 --> 00:03:47,040
今すぐ奴を暗殺して参ります
45
00:03:47,120 --> 00:03:49,240
今はまだ殺してはならぬ
46
00:03:50,320 --> 00:03:52,040
大王が決められた蹴鞠の試合は
47
00:03:52,120 --> 00:03:55,000
我が侯爵家と烏家堡との対決なのだ
48
00:03:55,080 --> 00:04:00,360
今 項少龍が死ねば、わしに疑いの矛先が向く
49
00:04:00,560 --> 00:04:04,760
烏応元に騒ぎ立てる口実を与える必要はない
50
00:04:05,040 --> 00:04:10,200
蹴鞠の試合が終わる時こそ、奴の命日だ
51
00:04:10,880 --> 00:04:13,880
今回の試合、不戦勝ならぬ必勝と思え
52
00:04:13,960 --> 00:04:15,640
しっかり準備しておけ
53
00:04:16,280 --> 00:04:18,920
御意、侯爵様
54
00:04:25,840 --> 00:04:28,480
半刻も注いでいるのに、まだ桶の半分か
55
00:04:28,560 --> 00:04:30,000
いつになったら満杯になるんだ?
56
00:04:30,120 --> 00:04:32,640
項兄、貴殿は毎晩のように行水をするが
57
00:04:32,680 --> 00:04:35,040
風邪をひくのが怖くないのか?
58
00:04:35,960 --> 00:04:37,440
俺が怖いのはワキガの侵略だよ
59
00:04:37,520 --> 00:04:39,120
毎日風呂に入るのは当たり前だろ
60
00:04:39,200 --> 00:04:41,720
お前らこそ、月に一回しか入らないなんて
61
00:04:41,760 --> 00:04:43,160
シラミが湧くのが怖くないのか?
62
00:04:43,240 --> 00:04:44,600
シラミが湧く?
63
00:04:44,720 --> 00:04:46,720
不潔なんだよ
64
00:04:46,760 --> 00:04:48,120
不潔……?
65
00:04:48,160 --> 00:04:50,720
非衛生的だってこと。わかる?
66
00:04:50,800 --> 00:04:52,920
毎晩のように烏家の使用人をこき使って、あのドスケベの世話をさせるなんて
67
00:04:53,000 --> 00:04:55,120
陶総管、あんた一体どんな管理をしてるのよ?
68
00:04:55,240 --> 00:04:58,240
お嬢様、旦那様は項殿を国賓として扱うよう仰せですので
69
00:04:58,320 --> 00:05:00,240
ですから、上賓の礼をもって厚遇せねばなりません
70
00:05:00,360 --> 00:05:02,440
上賓だと? 彼にそれほどの徳や才があるというのですか
71
00:05:02,560 --> 00:05:04,440
淫賊め! …はい
72
00:05:04,600 --> 00:05:07,040
私の家で、これ以上タダ飯を食らうのはやめてちょうだい
73
00:05:07,080 --> 00:05:09,640
明日には出て行って。さもないと、容赦しないわよ
74
00:05:09,720 --> 00:05:11,440
お、俺のことを淫賊(エッチな奴)って呼ぶようになったか
75
00:05:11,560 --> 00:05:14,200
烏家堡じゃ、お前が唯一の美女だからな
76
00:05:14,280 --> 00:05:16,160
俺が残って見てやらなきゃ、誰がお前を見るんだよ
77
00:05:16,240 --> 00:05:18,120
こうしよう、一緒に風呂でもどうだ?
78
00:05:18,160 --> 00:05:19,360
下劣な!
79
00:05:19,440 --> 00:05:20,640
何が下劣だよ。ただの入浴だろ
80
00:05:20,720 --> 00:05:21,600
このド助平!
81
00:05:21,640 --> 00:05:22,440
さて、一風呂浴びるか
82
00:05:22,520 --> 00:05:24,200
お嬢様はうぶな生娘なのですよ
83
00:05:24,280 --> 00:05:28,600
冗談も通じないのかよ。それと、花びらを入れるのはもういい
84
00:05:28,640 --> 00:05:29,560
CM(コマーシャル)を撮ってるわけじゃないんだから
85
00:05:29,600 --> 00:05:33,200
飾りで一、二枚あれば十分だ。サンキュー
86
00:05:33,320 --> 00:05:34,960
項(こう)どの、入浴の邪魔はいたしません
87
00:05:35,280 --> 00:05:39,360
邪魔なんてことないさ。男同士、一緒に洗おうぜ
88
00:05:39,400 --> 00:05:41,080
一緒に……洗うと?
89
00:05:41,160 --> 00:05:42,480
俺の故郷じゃ、これが流行(はやり)なんだ
90
00:05:42,560 --> 00:05:44,440
故郷には「サウナ」っていう風呂があってな
91
00:05:44,520 --> 00:05:47,120
水風呂に熱い湯、それに蒸し風呂まであるんだ
92
00:05:47,160 --> 00:05:49,240
男たちが白いタオルを巻いて中に入り、ひと蒸しされる
93
00:05:49,320 --> 00:05:50,800
それから水風呂に飛び込むんだ
94
00:05:50,880 --> 00:05:54,320
あの感覚は最高だぞ。試したことあるか?
95
00:05:54,400 --> 00:05:58,480
項どの、あなたの故郷のその風習は……
96
00:05:58,520 --> 00:06:01,840
それほど公然と、盛んに行われているのですか
97
00:06:01,920 --> 00:06:04,720
世間に誹(そし)りを受けるとは思わないのですか
98
00:06:04,760 --> 00:06:06,200
そしり? 何のことだ?
99
00:06:06,240 --> 00:06:07,760
男が二人で……
100
00:06:09,680 --> 00:06:11,240
ホモ?(同性愛)
101
00:06:11,320 --> 00:06:12,520
ホモ……?
102
00:06:12,640 --> 00:06:15,800
いや、いい。話してもどうせ分からないだろう
103
00:06:15,880 --> 00:06:20,080
座れよ、いつまで続くか分からんからな
104
00:06:22,760 --> 00:06:25,000
思えば、多大な労力を費やして
105
00:06:25,080 --> 00:06:27,120
ようやく大王様に「和氏の璧」を献上できたというのに
106
00:06:27,200 --> 00:06:30,040
大王様は嬴政を秦国へ帰そうとはなさらぬ
107
00:06:30,120 --> 00:06:31,240
まったく、骨折り損だ
108
00:06:31,360 --> 00:06:35,120
すべては奸臣、趙穆が裏で邪魔をしているせいだ
109
00:06:35,200 --> 00:06:37,320
人質の管理は趙穆の担当じゃないのか?
110
00:06:37,360 --> 00:06:38,360
左様だ
111
00:06:38,480 --> 00:06:39,520
それで、人質屋敷はどこにあるんだ?
112
00:06:39,560 --> 00:06:40,680
城の東にある、あの高い建物だ
113
00:06:40,760 --> 00:06:41,840
警備がやたらと厳重な、あそこか?
114
00:06:41,920 --> 00:06:43,000
その通りだ
115
00:06:43,200 --> 00:06:44,240
呂不韋がこれを知ったら……
116
00:06:44,280 --> 00:06:46,360
大王様が嬴政を返す気がないと知れば
117
00:06:46,440 --> 00:06:48,280
いずれ救出のために手先を送り込むと思うか?
118
00:06:48,360 --> 00:06:50,200
それは分からん
119
00:06:50,360 --> 00:06:52,640
だが、嬴政は呂不韋にとって極めて重要な存在
120
00:06:52,720 --> 00:06:54,720
おそらく救い出そうとするだろうな
121
00:06:54,920 --> 00:06:57,520
堡主様はその時、助太刀されるだろうか?
122
00:06:57,760 --> 00:06:59,520
私には分かりませぬ
123
00:06:59,640 --> 00:07:03,040
項兄、なぜそれほどまでに人質のことを気に留めるのです?
124
00:07:03,080 --> 00:07:06,680
いや、別に。ただの暇つぶしの話題だよ
125
00:07:08,360 --> 00:07:10,280
そうだ、貴殿は智勇兼備の御方
126
00:07:10,320 --> 00:07:12,960
大王様も旦那様も、貴殿を高く評価しておられる
127
00:07:13,040 --> 00:07:15,600
このまま烏家にとどまり、旦那様を支えてはどうか
128
00:07:15,720 --> 00:07:18,320
貴殿ほどの才覚があれば、必ずや大成されるはずだ
129
00:07:20,200 --> 00:07:22,680
来月、宮中で蹴鞠の大会が催される。
130
00:07:22,760 --> 00:07:24,080
お主が出場さえしてくれれば、
131
00:07:24,160 --> 00:07:26,320
必ずや我が烏家を優勝に導けるだろう。
132
00:07:26,360 --> 00:07:29,320
そうなれば、王公や大臣たちの前で名を上げることもできる。
133
00:07:29,400 --> 00:07:32,520
前から聞きたかったんだけどさ、「蹴鞠」って一体何なんだ?
134
00:07:32,560 --> 00:07:34,680
蹴鞠すら知らぬというのか?
135
00:07:34,800 --> 00:07:37,000
じゃあ、あんたは「ポップコーン」って知ってるか?
136
00:07:37,160 --> 00:07:38,440
ポップコーン?
137
00:07:40,160 --> 00:07:42,160
分かった、スポーツの一種だな。
138
00:07:42,320 --> 00:07:44,560
その通りだ。
139
00:07:46,040 --> 00:07:47,360
これが「蹴鞠」か。
140
00:07:47,480 --> 00:07:48,200
いかにも。
141
00:07:48,280 --> 00:07:49,200
中には何が入ってるんだ?
142
00:07:49,320 --> 00:07:50,480
羽毛が詰まっておる。
143
00:07:50,520 --> 00:07:52,680
ルールは?
144
00:07:52,800 --> 00:07:55,480
二組に分かれ、一組六人で競う。
145
00:07:55,600 --> 00:07:58,200
相手の「龍門」に球を蹴り入れるのだ。
146
00:07:58,280 --> 00:07:59,920
双方に三つずつ龍門がある。
147
00:08:00,040 --> 00:08:02,840
より多く入れた方の勝ちだ。
148
00:08:02,960 --> 00:08:04,920
なんだ簡単じゃん、サッカーと同じだな。
149
00:08:05,040 --> 00:08:06,720
蹴鞠も知らぬくせに。
150
00:08:06,800 --> 00:08:09,160
聞いただけで「簡単」だなんて、自負が過ぎますわ。
151
00:08:09,440 --> 00:08:13,240
そこまで言うなら、二組に分かれて手合わせ願おう。
152
00:08:13,360 --> 00:08:14,960
いいぜ。
153
00:08:21,200 --> 00:08:22,680
堡主様。
154
00:08:27,920 --> 00:08:30,760
壁のリバウンド、朝飯前だ!
155
00:08:36,920 --> 00:08:40,720
右に左に、マイホーム買うより気分最高!
156
00:08:49,280 --> 00:08:50,600
実に見事な足さばきだ。
157
00:08:53,560 --> 00:08:55,360
オーバーヘッドキック!
158
00:08:55,960 --> 00:08:57,640
よし、3対0だ。
159
00:08:58,800 --> 00:08:59,680
見事な腕前だ…
160
00:08:59,840 --> 00:09:03,480
項少侠、これほど蹴鞠の腕が立つとは思いませんでした
161
00:09:03,600 --> 00:09:05,440
もし、お力添えをいただければ
162
00:09:05,560 --> 00:09:07,520
来月、王宮で催される蹴鞠大会にて
163
00:09:07,680 --> 00:09:09,920
我ら烏家堡の優勝は間違いありません
164
00:09:10,120 --> 00:09:11,760
この三年の不名誉を一掃できるでしょう
165
00:09:11,800 --> 00:09:12,800
そもそも、蹴鞠っていうスポーツはですね
166
00:09:12,920 --> 00:09:14,720
チームワークと連係プレーが大事なんですよ
167
00:09:14,800 --> 00:09:16,720
僕一人がいくら上手くても、意味がないんです
168
00:09:16,800 --> 00:09:18,720
いかにも、理にかなっております
169
00:09:18,840 --> 00:09:21,560
では、項殿に我が家の家臣らを率いてもらい
170
00:09:21,640 --> 00:09:23,040
指導をお願いするといたしましょう
171
00:09:23,080 --> 00:09:23,840
それは名案だ
172
00:09:23,960 --> 00:09:29,160
項少侠、烏家の名声は貴殿の肩にかかっております
173
00:09:29,280 --> 00:09:32,360
父上、彼に期待しすぎではありませんか?
174
00:09:32,400 --> 00:09:35,880
威よ、お前も項少侠を見習い、謙虚に学ぶのだ
175
00:09:37,800 --> 00:09:41,040
項少侠、何卒よろしく頼みますぞ
176
00:09:41,320 --> 00:09:42,400
まあ、ベストを尽くしますよ
177
00:09:44,560 --> 00:09:45,640
お前たち、しっかり励むのだぞ
178
00:09:45,720 --> 00:09:46,680
ご苦労
179
00:09:46,760 --> 00:09:48,040
はっ……承知いたしました
180
00:09:50,240 --> 00:09:51,520
とりあえず、先にひとっ風呂浴びてから
181
00:09:51,560 --> 00:09:53,320
じっくり教えるってことで、いいかな?
182
00:09:54,160 --> 00:09:54,960
みんな、黙り込んじゃってどうしたの?
183
00:09:55,040 --> 00:09:56,720
は、はい……
184
00:10:02,240 --> 00:10:04,080
見ろ、あの傲慢な態度を
185
00:10:04,280 --> 00:10:07,760
奴は端から人を馬鹿にしている
186
00:10:07,840 --> 00:10:11,040
いずれ必ず痛い目を見せてやる
187
00:10:18,120 --> 00:10:19,840
親父さん、ヒ素(砒霜)はあるかい?
188
00:10:19,920 --> 00:10:22,400
へえ、ございます。旦那様、お宅にネズミでも出ましたかな?
189
00:10:25,760 --> 00:10:27,960
お代は二文です
190
00:10:31,120 --> 00:10:32,960
かたじけない
191
00:10:42,560 --> 00:10:46,080
これらは皆 私が丹精込めて育てた名馬です
192
00:10:46,120 --> 00:10:50,240
毎日 特級の飼料と高山の湧き水を与え
193
00:10:50,360 --> 00:10:52,960
専属の者が 背を流し按摩まで施しております
194
00:10:53,040 --> 00:10:55,320
マッサージまで?
195
00:10:55,400 --> 00:10:57,280
神戸牛より いい生活してるな
196
00:10:57,360 --> 00:11:00,480
マッサジ? それはどのような馬で?
197
00:11:00,760 --> 00:11:05,560
マッサージってのは 馬を貴賓として扱うという意味さ
198
00:11:05,640 --> 00:11:09,640
実際 項殿こそが私の貴賓です
199
00:11:09,840 --> 00:11:13,720
烏家では 貴賓のみが名馬を手にできるのです
200
00:11:13,800 --> 00:11:16,200
さあ この中から一頭お選びください
201
00:11:16,240 --> 00:11:17,880
ありがたい だが正直なところ
202
00:11:17,920 --> 00:11:19,720
あんたの馬は どれも逞しいな
203
00:11:19,800 --> 00:11:22,800
足腰が強く 長距離を走れるだけでなく
204
00:11:22,920 --> 00:11:24,800
寒さや暑さにも 耐え抜くことができます
205
00:11:24,840 --> 00:11:28,000
いわば 馬の中の「フェラーリ」だな
206
00:11:28,080 --> 00:11:31,520
「フェラーリ」とは いかなる意味で?
207
00:11:31,680 --> 00:11:35,840
フェラーリってのは 馬が揃って大儲け間違いなしって意味だ
208
00:11:37,320 --> 00:11:39,480
さあ お好きなものを
209
00:11:45,760 --> 00:11:47,720
父上はなぜ あの不埒者を貴賓扱いするのかしら
210
00:11:47,960 --> 00:11:50,280
愛馬まで あ奴に贈るなんて
211
00:11:50,400 --> 00:11:52,320
項少龍にも 過人なるところがある
212
00:11:52,400 --> 00:11:54,520
連兄様まで あ奴を認めるの?
213
00:11:54,680 --> 00:11:58,400
その話はよそう 今日は君に会いに来たんだ
214
00:11:58,440 --> 00:12:02,040
湖畔へ馬を走らせ 気晴らしでもどうかな?
215
00:12:02,720 --> 00:12:05,200
連兄様 芳児の薬は持ってきてくれた?
216
00:12:05,320 --> 00:12:06,680
ああ
217
00:12:09,440 --> 00:12:11,360
薬問屋の主が言うには この薬を飲めば
218
00:12:11,520 --> 00:12:13,600
手足に力が入らず 眩暈と耳鳴りがするそうだ
219
00:12:13,680 --> 00:12:15,320
ただの薬の粉だ
220
00:12:15,440 --> 00:12:17,400
効き目がこれほど薄いとは、あの淫賊に甘すぎるのではないか?
221
00:12:21,720 --> 00:12:26,280
汁物に入れるか、それとも茶に入れるのがよいか?
222
00:12:27,800 --> 00:12:29,800
芳や…
223
00:12:29,880 --> 00:12:30,600
兄上
224
00:12:30,720 --> 00:12:32,640
見てくれ、これさえあれば今度こそ
225
00:12:32,720 --> 00:12:34,840
あの項少龍をこっぴどく懲らしめてやれる
226
00:12:34,920 --> 00:12:37,240
お前も持っていたのか…
227
00:12:37,360 --> 00:12:38,440
お前のその薬、効き目はどうだ?
228
00:12:38,640 --> 00:12:40,880
方士の話では「騰雲駕霧散」というものだ
229
00:12:41,040 --> 00:12:44,160
服用すれば目眩がし、四肢から力が抜ける
230
00:12:44,240 --> 00:12:46,400
まるで雲に乗り仙界を遊ぶがごとき心地になり
231
00:12:46,480 --> 00:12:49,640
次いで、意識が朦朧として仮死状態に陥る
232
00:12:49,720 --> 00:12:52,960
薬効が消えるまでには数刻かかるそうだ
233
00:12:53,080 --> 00:12:54,040
ならば、まずはその薬を使おう
234
00:13:02,600 --> 00:13:05,240
項兄、早朝から蹴鞠の練習をすると言っていたのに
235
00:13:05,400 --> 00:13:08,960
今、家臣たちが皆、集まってあんたを待っているぞ
236
00:13:09,120 --> 00:13:11,640
項兄、起きろ
237
00:13:18,200 --> 00:13:23,040
家臣たちが皆、集まって待っているんだ。起きてくれ
238
00:13:24,760 --> 00:13:29,400
項兄、どうしたんだ?
239
00:13:30,080 --> 00:13:32,800
何があったんだ?
240
00:13:32,880 --> 00:13:36,680
昨夜、十回以上も下しちまって
241
00:13:36,760 --> 00:13:40,400
熱っぽくて寒気もするんだ
242
00:13:40,440 --> 00:13:41,520
体がひどく熱いぞ
243
00:13:41,560 --> 00:13:42,520
胃腸炎まで起こしてやがる
244
00:13:42,600 --> 00:13:44,240
重症に違いない、すぐに医者を呼んでくる
245
00:13:44,320 --> 00:13:47,120
塩さえないのかよ
246
00:13:59,640 --> 00:14:01,440
先生、いかがでしょうか?
247
00:14:01,560 --> 00:14:03,920
項少侠の脈は実に奇妙だ
248
00:14:04,000 --> 00:14:08,440
実があったかと思えば虚となり、弱まったかと思えば消える。惜しいことに…
249
00:14:08,560 --> 00:14:10,560
一体、俺は何の病気なんだ?
250
00:14:10,640 --> 00:14:11,520
項少侠……
251
00:14:11,680 --> 00:14:17,040
先生、一体何の病だ。遠慮せずに言ってくれ。
252
00:14:17,240 --> 00:14:18,840
治しようのない重病です。
253
00:14:18,920 --> 00:14:22,040
項殿の患っている重病は、手の施しようがありませぬ。
254
00:14:22,320 --> 00:14:24,720
項殿の命は、もう長くはありませぬ。
255
00:14:24,800 --> 00:14:29,840
長くない?先生、あんた頭がおかしいんじゃないのか?
256
00:14:29,920 --> 00:14:35,320
項殿、やり残したことがあるなら、早々に済ませておくことです。
257
00:14:36,120 --> 00:14:37,800
命が長くない、だと?
258
00:14:38,120 --> 00:14:40,800
もし本当に歴史が変わっちまったら、どうなるんだ?
259
00:14:41,080 --> 00:14:43,600
それはまずいぞ、わかってるのか。
260
00:14:43,720 --> 00:14:48,560
俺たちがこの空間に存在する根拠は、歴史そのものなんだ。
261
00:14:48,720 --> 00:14:52,560
もし歴史が変われば、どうなるか想像がつくか?
262
00:14:53,000 --> 00:14:55,360
俺は一体、何を間違えたんだ?
263
00:15:00,120 --> 00:15:02,160
項兄、薬を。
264
00:15:02,240 --> 00:15:04,680
こんなに頻繁に飲む必要ないだろ。
265
00:15:04,760 --> 00:15:06,200
昨日だって4回も飲んだんだぞ。
266
00:15:06,320 --> 00:15:08,320
今日は朝だけで、もう5回目だ。
267
00:15:08,360 --> 00:15:11,360
良薬は口に苦し。快方に向かっておるではないか。
268
00:15:11,440 --> 00:15:15,640
まあな。確かに熱も引いたし、下痢も止まったよ。
269
00:15:15,760 --> 00:15:19,280
兆しがあるなら何よりだ。さあ、お飲み。
270
00:15:19,400 --> 00:15:23,360
熱いよ。少し冷めてからにする。
271
00:15:23,400 --> 00:15:25,600
少し休んだら必ず飲むのだぞ。私は行く。
272
00:15:34,720 --> 00:15:37,400
捨てちまってもいいかな。
273
00:15:38,000 --> 00:15:42,800
だが飲んでも無駄だ。対症療法じゃ根本的な解決にならない。
274
00:15:42,880 --> 00:15:46,240
いや、まずは急いで嬴政を助け出さないと。
275
00:15:46,320 --> 00:15:47,720
じゃなきゃ、元の世界に戻るチャンスがなくなる。
276
00:16:26,560 --> 00:16:31,640
およそ4時間10分おきに交代だ。
277
00:16:32,400 --> 00:16:35,040
各班、4人体制。
278
00:16:35,160 --> 00:16:40,240
交代にかかる時間は約5分か。
279
00:17:03,840 --> 00:17:06,600
このフックなら強度は十分だな
280
00:18:00,880 --> 00:18:04,320
こんな高さ、落ちたら即死だぞ?
281
00:18:18,960 --> 00:18:20,800
これが赤外線の代わりか?
282
00:18:20,920 --> 00:18:23,440
風水の陣形ってとこか
283
00:18:28,000 --> 00:18:29,560
項殿。 項殿だって?
284
00:18:29,600 --> 00:18:30,400
お主の剣だ
285
00:18:30,520 --> 00:18:31,920
俺の剣がどうした?
286
00:18:32,280 --> 00:18:33,440
私だ
287
00:18:33,520 --> 00:18:35,480
あんたか。奇遇だな
288
00:18:35,560 --> 00:18:36,360
それで……
289
00:18:36,480 --> 00:18:37,720
刺客だ……
290
00:18:37,800 --> 00:18:38,440
行くぞ
291
00:18:38,560 --> 00:18:40,360
なぜ逃げる?泥棒じゃあるまいし
292
00:18:40,400 --> 00:18:41,920
我々こそが刺客なのだ、行くぞ
293
00:18:45,640 --> 00:18:48,280
項殿、なぜ夜中に質子の屋敷を?
294
00:18:49,920 --> 00:18:52,400
あんたが来た理由と同じだよ
295
00:18:52,520 --> 00:18:55,480
私の目的が質子の救助だと知っているのか
296
00:18:55,600 --> 00:18:57,560
虎穴に入らずんば虎子を得ず
297
00:18:57,960 --> 00:19:01,080
虎子を得ずか。だろうと思ったよ
298
00:19:01,200 --> 00:19:02,560
質子を助けに来たんだろ
299
00:19:02,640 --> 00:19:04,200
そんな極秘事項を
300
00:19:04,320 --> 00:19:06,240
あけすけに話すもんじゃない
301
00:19:06,360 --> 00:19:08,120
他人に知られたら厄介なことになるぞ
302
00:19:08,200 --> 00:19:10,480
一体、お主は何者だ?
303
00:19:10,600 --> 00:19:12,960
あんたが何者であれ、俺も同じだ
304
00:19:13,000 --> 00:19:14,080
もしや、秦の人間か?
305
00:19:14,160 --> 00:19:16,520
その通り。同じ秦の人間、同じチームだ
306
00:19:16,680 --> 00:19:19,040
呂丞相の差し金か?
307
00:19:19,080 --> 00:19:22,920
そんな機密、軽々しく口にするなよ
308
00:19:23,080 --> 00:19:24,480
もはや、お主に隠すこともあるまい
309
00:19:24,960 --> 00:19:27,600
実は俺、呂相国から遣わされた密使なんだ
310
00:19:27,680 --> 00:19:29,440
素晴らしい。旦那様にも常々申しておりました
311
00:19:30,000 --> 00:19:31,360
お方はただ者ではないと
312
00:19:31,480 --> 00:19:32,640
お味方だと分かった以上は
313
00:19:32,720 --> 00:19:34,840
詳しい話は 烏家堡に戻ってからにしよう
314
00:19:34,960 --> 00:19:38,200
その通り。密談は密かに行うべきだ
315
00:19:38,320 --> 00:19:39,400
行きましょう
316
00:19:39,960 --> 00:19:42,960
呂丞相のお差し金か? ああ、そうだ
317
00:19:43,040 --> 00:19:46,160
だが 丞相からは何も伺っておりません
318
00:19:46,320 --> 00:19:50,800
和氏の璧を運ぶ際も 丞相は仰っていなかった
319
00:19:50,880 --> 00:19:52,760
助っ人の密使を遣わすなどとは
320
00:19:52,880 --> 00:19:55,400
これほど極秘の件を
321
00:19:55,560 --> 00:19:58,800
丞相が むやみに他言するわけないだろう
322
00:19:58,920 --> 00:20:01,440
お前らのような下っ端には特にな
323
00:20:01,560 --> 00:20:04,920
実はだな 呂丞相は心配なさったんだ
324
00:20:05,000 --> 00:20:06,520
お前らがヘマをしないかと
325
00:20:06,600 --> 00:20:08,560
それで俺を “バックアップ”に送ったのさ
326
00:20:08,680 --> 00:20:11,960
“バックアップ”とは どういう意味です?
327
00:20:12,080 --> 00:20:17,560
つまり お前らがしくじるのを想定して
328
00:20:17,680 --> 00:20:20,520
俺が尻拭いに来たってことだ
329
00:20:20,600 --> 00:20:23,360
丞相の読みは 当たってただろ?
330
00:20:23,440 --> 00:20:25,760
長亭に着く前だっていうのに
331
00:20:25,880 --> 00:20:28,120
あの山賊どもに 襲われてたじゃないか
332
00:20:28,160 --> 00:20:29,920
俺が 間に合ったからいいものの
333
00:20:30,040 --> 00:20:32,600
さもなければ 和氏の璧は今ごろ
334
00:20:32,680 --> 00:20:35,040
趙穆や連晋の手に 落ちていたはずだ
335
00:20:35,120 --> 00:20:36,080
仰る通りです
336
00:20:36,440 --> 00:20:38,840
あなたは 本当に秦の人間なのですか?
337
00:20:38,960 --> 00:20:46,960
ああ、間違いねえ。秦のことなら何でも
338
00:20:47,160 --> 00:20:49,440
俺にとっちゃ 朝飯前だ
339
00:20:49,760 --> 00:20:53,760
いや、手に取るように分かると言うべきかな
340
00:20:53,920 --> 00:20:57,760
遠い話はさておき、呂丞相のことなら
341
00:20:57,800 --> 00:21:00,880
どうやって秦王と知り合ったかも知っている
342
00:21:00,920 --> 00:21:03,400
あれだろ、何て言ったっけ、あのエピソード……
343
00:21:03,600 --> 00:21:04,880
「奇貨居くべし」だ
344
00:21:04,960 --> 00:21:07,800
何だと?「奇貨居くべし」の話を?
345
00:21:07,920 --> 00:21:09,840
そうさ、教えてやろう
346
00:21:10,920 --> 00:21:13,480
実はそんなに長い話じゃないんだ
347
00:21:13,640 --> 00:21:17,280
当時、呂丞相はまだ一介の商人だった
348
00:21:17,320 --> 00:21:19,320
彼はある時、偶然にも
349
00:21:19,440 --> 00:21:21,520
当時、秦の人質だった人物と知り合った
350
00:21:21,560 --> 00:21:24,920
名は異人。二人は知り合ってから
351
00:21:25,080 --> 00:21:26,640
呂丞相は異人に
352
00:21:26,720 --> 00:21:30,480
かなりのポテンシャルと才能があることを見抜いた
353
00:21:30,520 --> 00:21:33,400
だから金を注ぎ込んで彼をプロデュースしたんだ
354
00:21:33,440 --> 00:21:36,640
それに、安国君と華陽夫人の前で
355
00:21:36,680 --> 00:21:38,400
しょっちゅう彼を褒めちぎって
356
00:21:38,480 --> 00:21:40,040
将来、彼を太子に立てるよう根回ししたのさ
357
00:21:40,160 --> 00:21:43,680
安国君が亡くなると、彼はすぐに即位した
358
00:21:43,800 --> 00:21:47,760
項少侠、貴殿は呂丞相の「奇貨居くべし」の話まで
359
00:21:47,920 --> 00:21:49,120
それほど詳しくご存じだったとは
360
00:21:49,200 --> 00:21:50,680
こんなの序の口だよ
361
00:21:50,800 --> 00:21:53,920
異人のそばにいた朱姫という歌姫が
362
00:21:53,960 --> 00:21:55,640
呂丞相からの贈り物だったことも知ってる
363
00:21:55,760 --> 00:21:58,320
実は朱姫は、呂丞相の「二太太(セカンド)」なんだ
364
00:21:58,440 --> 00:22:00,280
「二太太」だと?
365
00:22:01,960 --> 00:22:06,160
「二太太」っていうのは、一人目、二人目の奥さんの……
366
00:22:06,320 --> 00:22:07,120
二番目の奥……
367
00:22:07,200 --> 00:22:08,200
つまり「寵妾」のことか
368
00:22:08,280 --> 00:22:11,200
寵妾だと…… それほど機密なことを……
369
00:22:11,240 --> 00:22:12,840
あまり多くは語りたくないんだ
370
00:22:12,880 --> 00:22:14,280
万が一、あんたたちがうっかり口を滑らせたりしたら
371
00:22:14,360 --> 00:22:15,920
俺もどうしていいか分からなくなる
372
00:22:16,000 --> 00:22:18,840
項少侠が、呂丞相のお気に入りだったとは
373
00:22:19,000 --> 00:22:21,920
先ほどは失礼した。どうかお気を悪くしないでいただきたい
374
00:22:22,000 --> 00:22:25,200
そんなこと言わないでくれ、それより早く手を考えよう
375
00:22:25,280 --> 00:22:28,360
彼らを秦に送り届けるのが一番だ
376
00:22:28,440 --> 00:22:34,120
左様、実はそれがし、朱姫母子救出の重任を担っておる
377
00:22:34,240 --> 00:22:36,840
だが、この件は一筋縄ではいかなくてな
378
00:22:36,920 --> 00:22:41,240
今宵の質子府への潜入も、正体が露呈しかけた
379
00:22:41,360 --> 00:22:44,920
じっくりと策を練り直す必要がありそうだ
380
00:22:45,000 --> 00:22:48,160
練り直すだって? のんびり構えてる暇はないよ
381
00:22:48,240 --> 00:22:49,960
早くケリをつけなきゃ
382
00:22:50,120 --> 00:22:53,760
項少侠、もしや何か妙案がおありか?
383
00:22:54,440 --> 00:22:55,840
はっきり言って、俺が思うに
384
00:22:55,880 --> 00:22:57,400
母子を救い出すのは難しくない
385
00:22:57,480 --> 00:23:00,800
でも、安全に秦へ送り届けるのが至難の業だ
386
00:23:00,880 --> 00:23:03,600
あんた、何か良い手はないのか?
387
00:23:03,640 --> 00:23:04,760
ある…… ある
388
00:23:04,880 --> 00:23:08,800
実は邯鄲を脱出する抜け穴を、すでに掘らせておる
389
00:23:08,920 --> 00:23:11,800
やるねえ、もうトンネルを掘ってたのか
390
00:23:11,920 --> 00:23:15,280
さっさと救出する方法を考えよう
391
00:23:15,400 --> 00:23:19,480
この件、呂丞相に書を送り、相談すべきだろうか?
392
00:23:19,560 --> 00:23:22,240
いや、手紙のやり取りに一ヶ月はかかる
393
00:23:22,280 --> 00:23:23,480
先に救い出してしまおう
394
00:23:23,560 --> 00:23:25,960
それから丞相に知らせたほうが効率的だ
395
00:23:26,240 --> 00:23:27,800
よし
396
00:23:28,160 --> 00:23:29,280
そうしよう
397
00:23:41,080 --> 00:23:46,600
11、12、13、14、15
398
00:23:47,200 --> 00:23:53,560
16、17、18、19、20
399
00:23:54,400 --> 00:24:00,480
21、22、23… お嬢様
400
00:24:02,560 --> 00:24:03,960
あのエロ野郎、今度は何を企んでるの?
401
00:24:04,080 --> 00:24:07,680
項殿の話では、これを「腕立て伏せ」と言うそうです
402
00:24:08,480 --> 00:24:12,040
29、30、31
403
00:24:12,360 --> 00:24:19,240
32、33、34、35
404
00:24:19,560 --> 00:24:22,360
妊娠でもしてるのか? そのやり方じゃ…
405
00:24:22,440 --> 00:24:25,160
まるでマタニティ・クラスの腕立て伏せだぞ
406
00:24:25,280 --> 00:24:27,840
腕立て伏せの基本が分かっているのか?
407
00:24:27,920 --> 00:24:30,400
胸を地面に押しつけず、腹を突き出すな
408
00:24:30,480 --> 00:24:32,160
それから、尻を左右に振るんじゃない
409
00:24:32,280 --> 00:24:36,080
そんなんじゃ100回やっても無駄だ、次!
410
00:24:36,120 --> 00:24:37,520
項少龍、貴様…
411
00:24:37,640 --> 00:24:39,800
何だ? お前のレベルで試合に出たら
412
00:24:39,840 --> 00:24:41,800
負けるのは目に見えてる、次だ!
413
00:24:41,880 --> 00:24:45,680
項少龍、私はこれでも烏家堡の若主だぞ
414
00:24:45,760 --> 00:24:48,640
使用人たちの前で、よくもこれほど無礼な真似を!
415
00:24:48,720 --> 00:24:51,520
者ども! こいつを捕らえて板打ち三十回の刑だ!
416
00:24:55,080 --> 00:24:57,000
何をしている? 反抗する気か?
417
00:24:57,080 --> 00:24:58,640
この私の命令が聞けぬというのか
418
00:24:58,720 --> 00:25:00,480
堡主の名は烏応元だろ?
419
00:25:00,600 --> 00:25:02,720
ならお前の名前は「ウー・ダンダン」か?
420
00:25:02,760 --> 00:25:04,720
それとも子供の名は「ウー・ブブ」にでもするのか?
421
00:25:05,240 --> 00:25:08,000
これ以上騒ぐと、口にヤシの実を突っ込むぞ
422
00:25:08,040 --> 00:25:09,800
アヒルのようなツラになりたいか
423
00:25:09,840 --> 00:25:11,840
若旦那、どうか穏便に願います
424
00:25:11,960 --> 00:25:14,640
誰を罰しようと私の勝手だ、口出しするな!
425
00:25:14,760 --> 00:25:16,840
どけ! 早くこいつを捕らえろ!
426
00:25:17,000 --> 00:25:18,640
無礼者!
427
00:25:18,680 --> 00:25:19,720
堡主様
428
00:25:20,760 --> 00:25:21,800
父上、ちょうど良いところに
429
00:25:21,920 --> 00:25:24,680
今日は蹴鞠の選考会のはずだ
430
00:25:24,760 --> 00:25:28,000
あの項という男は 蹴鞠のことなど何も分かっていない
431
00:25:28,120 --> 00:25:30,920
その上 得体の知れぬ猿芝居のような真似で
432
00:25:30,960 --> 00:25:34,480
皆を困らせている 何か企んでいるに違いない
433
00:25:34,600 --> 00:25:38,640
この試験は強靭な肉体を持つ精鋭を選び
434
00:25:38,760 --> 00:25:40,520
厳しい訓練を施すためのものだ
435
00:25:40,600 --> 00:25:43,480
此の件は項少侠に任せると決めたのだ
436
00:25:43,520 --> 00:25:44,880
彼なりに考えがあってのことだろう
437
00:25:45,040 --> 00:25:46,240
違いますよ 父上…
438
00:25:46,320 --> 00:25:50,040
黙れ 自分の力不足を反省もせず
439
00:25:50,080 --> 00:25:52,520
下がっておれ
440
00:25:54,880 --> 00:25:57,800
項少侠 気にせず続けてくれ
441
00:25:57,880 --> 00:26:00,280
了解です 堡主 陶総管
442
00:26:00,440 --> 00:26:03,160
一人ずつやるのは効率が悪い みんなでやりましょう
443
00:26:03,240 --> 00:26:04,960
よし 全員一緒にやるぞ
444
00:26:06,000 --> 00:26:16,720
下げて 上げて…
445
00:26:17,960 --> 00:26:19,520
あの淫賊のどこがいいの?
446
00:26:19,560 --> 00:26:21,520
父上はあいつの言うことばかり聞いて
447
00:26:21,680 --> 00:26:24,520
前に「騰雲駕霧散」を盛った時だって
448
00:26:24,560 --> 00:26:26,160
死にそうになっても懲りてなかった
449
00:26:26,280 --> 00:26:28,600
またお灸を据えてやらないと
450
00:26:28,680 --> 00:26:30,880
またお灸を据えるですって?
451
00:26:56,240 --> 00:27:00,760
何を煮てる? 火傷させる気か? 何なんだ
452
00:27:02,160 --> 00:27:03,800
あんたに飲ませるのよ
453
00:27:03,960 --> 00:27:06,240
何だよ 兄貴が叱られるのを見て
454
00:27:06,320 --> 00:27:08,760
俺の機嫌取りにスープでも作ってくれたのか?
455
00:27:13,960 --> 00:27:16,680
……なんで変な味がするんだ?
456
00:27:22,400 --> 00:27:24,080
この淫賊! よくも私を辱めたわね!
457
00:27:24,120 --> 00:27:25,920
辱めてなんかないだろ 匂いを嗅いだだけだ
458
00:27:26,040 --> 00:27:27,880
君がずっと淫賊だって罵るからさ
459
00:27:27,920 --> 00:27:29,080
君に手を出したことなんてない
460
00:27:29,200 --> 00:27:30,600
本気で手を出してやろうか?
461
00:27:32,240 --> 00:27:35,120
飲まないで、やめて…
462
00:27:42,080 --> 00:27:43,360
毒を入れたのか?
463
00:27:43,400 --> 00:27:46,120
殺すつもりじゃなかったの
464
00:27:46,240 --> 00:27:51,360
驚かせるつもりだった、悪気はなかったの
465
00:28:14,720 --> 00:28:15,840
正気かよ?
466
00:28:15,920 --> 00:28:18,240
狂ってるのはあなたよ、あんな毒を渡すなんて
467
00:28:18,280 --> 00:28:19,480
項少龍はどうなった?
468
00:28:19,600 --> 00:28:20,880
あやうく彼を毒殺するところだった
469
00:28:21,000 --> 00:28:22,800
懲らしめるとは言ったが、命を奪えとは言っていない
470
00:28:22,880 --> 00:28:24,080
幸い、死んだのは犬一匹で済んだものの
471
00:28:24,280 --> 00:28:25,600
でなければ、罪なき人を殺すところだったわ
472
00:28:25,680 --> 00:28:28,120
あり得ぬ、店主の話ではあの粉薬は
473
00:28:28,200 --> 00:28:29,640
ネズミを殺す程度のものだ
474
00:28:29,720 --> 00:28:32,880
人が飲めば、めまいや下痢をするだけで
475
00:28:32,960 --> 00:28:34,480
命に別状はないはずだ
476
00:28:34,600 --> 00:28:36,000
今となっては、いくらでも言い逃れができるわ
477
00:28:36,080 --> 00:28:38,200
毒である以上、分量を間違えれば
478
00:28:38,280 --> 00:28:40,000
むしろ死んだほうが好都合ではないか
479
00:28:40,040 --> 00:28:42,040
項少龍は度々そなたに無礼を働き
480
00:28:42,200 --> 00:28:43,800
私のことも悪意を持って中傷した
481
00:28:43,960 --> 00:28:45,880
まさに、万死に値する男だ
482
00:28:46,240 --> 00:28:51,400
奴の背後には、必ずや陰謀があるに違いない
483
00:28:52,760 --> 00:28:53,960
項少龍は確かに鼻持ちならない男だが
484
00:28:54,280 --> 00:28:56,720
陰謀を企てて人を陥れるようなものではない
485
00:28:56,840 --> 00:28:59,840
狡猾な者ほど、表向きは君子を装うものだ
486
00:28:59,920 --> 00:29:03,080
でも、彼は君子のふりなどしていない
487
00:29:03,200 --> 00:29:05,560
ただ、いつも無頼漢のように振る舞っているだけ
488
00:29:06,160 --> 00:29:10,800
一言で言えば、項少龍は善人などではないのだ
489
00:29:10,920 --> 00:29:13,040
ただの卑怯者に成り下がるだけだ
490
00:29:13,280 --> 00:29:15,600
お主は剣客だ、使ってはならぬ
491
00:29:15,720 --> 00:29:17,800
小人のような卑劣な手で奴を倒すなど
492
00:29:17,880 --> 00:29:20,560
その通り、ゆえに来月の蹴鞠大会
493
00:29:20,640 --> 00:29:22,080
もし奴が出場するならば
494
00:29:22,200 --> 00:29:25,080
必ずや鼻を明かし、手痛い教訓を与えてやる
495
00:29:25,200 --> 00:29:27,200
ええ、必ず勝ってください
496
00:29:27,480 --> 00:29:30,080
奴にいつまでも得意顔をさせぬためにも
497
00:29:30,240 --> 00:29:31,960
父上は今、奴を大変重用しておいでだ
498
00:29:32,040 --> 00:29:35,000
試合に備え、奴に直接、家将たちの特訓を任せるほど
499
00:29:35,120 --> 00:29:36,920
今の奴の増長ぶりといったらありません
500
00:29:37,000 --> 00:29:39,080
侯爵様も、私に出場を命じられた
501
00:29:39,160 --> 00:29:42,680
過去三年間、我が隊は私の指揮の下で勝利してきた
502
00:29:42,760 --> 00:29:45,120
今年も例外にはなるまい
503
00:29:45,160 --> 00:29:48,680
その折に大王様から賜る褒美は、そなたに贈ろう
504
00:29:48,760 --> 00:29:50,520
褒美は二の次です、肝心なのは
505
00:29:50,760 --> 00:29:53,480
項少龍にあのまま付け上がらせぬことです
506
00:29:53,640 --> 00:29:57,920
安心するがいい、決して期待は裏切らぬ
507
00:29:59,200 --> 00:30:00,680
連日の体力試験の結果
508
00:30:00,960 --> 00:30:04,720
ついに諸君らという精鋭を選抜した
509
00:30:04,880 --> 00:30:07,600
これから一連の厳しい訓練を開始する
510
00:30:07,720 --> 00:30:09,400
今回の訓練の目的は
511
00:30:09,520 --> 00:30:11,640
全員のを身体を鍛え上げ
512
00:30:11,760 --> 00:30:13,480
体力と状況判断能力を養うことにある
513
00:30:13,560 --> 00:30:17,040
だから、どんなにキツくても
514
00:30:17,200 --> 00:30:20,360
歯を食いしばってこの訓練をやり遂げろ
515
00:30:20,480 --> 00:30:22,920
そうして初めて、お前たちは
516
00:30:22,960 --> 00:30:25,240
烏家堡の精鋭になれるんだ。分かったか!
517
00:30:25,360 --> 00:30:26,160
はい!
518
00:30:30,040 --> 00:30:34,160
項殿…
519
00:30:35,080 --> 00:30:37,760
始めようか?
520
00:30:38,560 --> 00:30:39,320
準備はいいぞ
521
00:30:39,560 --> 00:30:40,480
ちょっと待て
522
00:30:41,160 --> 00:30:43,120
何を待つんだ? ちょうどいい頃合いだ
523
00:30:43,200 --> 00:30:46,080
何か美味いもんでも持ってきてくれ、喉がカラカラだ
524
00:30:46,200 --> 00:30:47,680
項殿、余計な口を叩くな
525
00:30:47,720 --> 00:30:49,320
また出鱈目ばかり言って
526
00:30:49,400 --> 00:30:52,360
今回は父上が、我々に訓練を受けるよう特別に命じられたのだ
527
00:30:52,440 --> 00:30:56,200
はい、旦那様のご意向にございます
528
00:30:57,960 --> 00:31:01,480
わかったよ。だが、あいつらは体力がなさすぎる
529
00:31:01,560 --> 00:31:03,760
すぐにみんなぶっ倒れるぞ
530
00:31:03,880 --> 00:31:05,560
もし本当に倒れて、俺が寝ちまったとしても
531
00:31:05,640 --> 00:31:07,040
絶対に起こさないでくれよ
532
00:31:07,160 --> 00:31:08,360
お前が倒れても、私は倒れはしない
533
00:31:14,320 --> 00:31:19,640
ほら、気合を入れろ! 早くしろ!
534
00:33:08,240 --> 00:33:10,760
お前ら、オーシャンパークのパンダにでもなったつもりか?
535
00:33:10,840 --> 00:33:13,040
これが「ボールキープ」だと?
536
00:33:16,560 --> 00:33:17,880
いいか、これが本物の「ボールキープ」だ
537
00:33:17,960 --> 00:33:21,000
このボールを奪えたら合格にしてやる。来い!
538
00:33:21,520 --> 00:33:22,760
ならば、行くぞ!
539
00:33:30,240 --> 00:33:32,160
おっと危ない。もし俺が地面に倒れ込んで
540
00:33:32,240 --> 00:33:34,680
重傷のフリをすれば、審判がレッドカードでお前を退場させるぞ
541
00:33:34,760 --> 00:33:35,720
この、破廉恥め!
542
00:33:35,840 --> 00:33:38,120
どこが破廉恥なんだ。球技に接触はつきものだろ
543
00:33:38,200 --> 00:33:39,440
女のくせにボールを蹴るなんてな
544
00:33:39,560 --> 00:33:42,240
お前には無理だ、家に帰って刺繍でもしてろ
545
00:33:42,320 --> 00:33:45,240
調子に乗るな。私は一度も負けを認めたことはない
546
00:33:45,320 --> 00:33:46,680
お前の負けは決まってるんだよ
547
00:33:46,800 --> 00:33:50,080
私を侮るか。ならば私と賭けをする度胸はあるか?
548
00:33:50,200 --> 00:33:51,600
何を賭けるんだ?
549
00:33:51,760 --> 00:33:52,880
お題は何でもいい
550
00:33:52,960 --> 00:33:55,000
私にできなかったら、負けを認めてやる
551
00:33:55,120 --> 00:33:55,960
だが、もしできたなら…
552
00:33:56,000 --> 00:33:58,680
成し遂げられた暁には、何なりと仰せを
553
00:33:58,760 --> 00:33:59,600
泥を啜るような真似もいとわない
554
00:33:59,760 --> 00:34:00,480
当たり前だ
555
00:34:00,600 --> 00:34:01,880
約束だぞ
556
00:34:02,000 --> 00:34:03,040
いいだろう
557
00:34:04,920 --> 00:34:08,880
烏家堡の蹴鞠隊は、項少龍が全権を握り訓練している
558
00:34:08,920 --> 00:34:11,200
彼の訓練は極めて奇妙なものだ
559
00:34:11,320 --> 00:34:14,120
毎日山野を駆け巡り、体力を練るばかりで
560
00:34:14,240 --> 00:34:16,200
無意味な動きを繰り返させている
561
00:34:16,280 --> 00:34:18,360
だが、一度も蹴鞠場に立ったことはない
562
00:34:19,120 --> 00:34:21,640
項少龍という男、素性がまったく知れぬ
563
00:34:21,800 --> 00:34:23,360
言動も奇奇怪怪そのものだ
564
00:34:23,480 --> 00:34:26,880
だが、常に侯爵様を標的にしているように見受けられる
565
00:34:27,200 --> 00:34:28,880
まずは「和氏の璧」を奪い合った遺恨
566
00:34:28,920 --> 00:34:32,440
先日の人質屋敷への刺客も、奴の仕業かもしれん
567
00:34:32,600 --> 00:34:37,120
あの男を生かしておけば、必ずや後顧の憂いとなろう
568
00:34:40,080 --> 00:34:43,640
一刻も早く、始末すべきです
569
00:34:44,320 --> 00:34:47,320
殺めるだけなら、造作もないこと
570
00:34:47,480 --> 00:34:48,440
それよりも
571
00:34:48,480 --> 00:34:52,480
己の力となる有能な人材を見出すことこそが難事なのだ
572
00:34:52,760 --> 00:34:55,360
侯爵様は、奴を懐刀にされるおつもりで?
573
00:34:56,040 --> 00:34:58,360
烏応元がこれほど項少龍を重用するからには
574
00:34:58,440 --> 00:35:00,280
奴には相応の腕があるはずだ
575
00:35:00,480 --> 00:35:02,240
それに、蹴鞠大会もまだ先の話
576
00:35:02,400 --> 00:35:05,240
今回の試合、勝つのは項少龍か
577
00:35:05,360 --> 00:35:09,200
あるいは貴殿か、見届けさせてもらおう
578
00:35:09,320 --> 00:35:15,120
あの男を片付けるのは、焦る必要はない
579
00:35:20,280 --> 00:35:24,320
そんなに厚化粧して、デートにでも行くのか?
580
00:35:24,440 --> 00:35:26,880
怒ったふりをして逃げるなよ
581
00:35:26,960 --> 00:35:30,240
その厚化粧じゃ、訓練場には行かないだろうしな
582
00:35:30,320 --> 00:35:33,560
今日は勝負の約束をしてたのを忘れるなよ
583
00:35:33,680 --> 00:35:36,920
本日は大事な用で外出しますので、稽古は休みです
584
00:35:37,000 --> 00:35:39,320
いいさ。負けたら何でも言うことを聞くっていう約束だからな
585
00:35:39,440 --> 00:35:41,880
さて、何をやらせるか考えておかないとな
586
00:35:42,000 --> 00:35:44,560
何でも言うことを聞く羽目になるのは、あんたの方よ
587
00:35:49,800 --> 00:35:51,040
女心ってのは本当にわからんな
588
00:35:51,120 --> 00:35:54,640
連晋がスケベ野郎だと知りながら、自分から飛び込むなんて
589
00:36:09,680 --> 00:36:10,880
やはりここにおられましたか
590
00:36:10,920 --> 00:36:11,760
廷芳
591
00:36:11,880 --> 00:36:14,800
公主様なら、きっとこちらで景色を眺めておられると思っていました
592
00:36:17,480 --> 00:36:20,600
鳥たちでさえ羽を広げて、あんなに自由奔放に飛べるというのに
593
00:36:20,720 --> 00:36:23,840
公主でいるより、いっそ鳥になれたらどんなに良いことか
594
00:36:23,920 --> 00:36:26,160
廷芳、あなたはいつも私をからかうのですね
595
00:36:26,280 --> 00:36:28,920
左様でございますか、では芳児はもう参内いたしません
596
00:36:29,040 --> 00:36:30,280
これ以上、公主様を怒らせぬように
597
00:36:30,360 --> 00:36:33,480
いけません。あなたまで倩児を訪ねてくれなくなったら…
598
00:36:33,600 --> 00:36:36,040
倩児はより一層ふさぎ込んでしまいます
599
00:36:36,120 --> 00:36:39,520
誰かに怒らされる方が、一人で退屈しているよりずっとましです
600
00:36:39,600 --> 00:36:41,160
ため息ばかりついてしまいますから
601
00:36:41,640 --> 00:36:44,400
廷芳、ここ数日何か楽しいことはありましたか?
602
00:36:44,520 --> 00:36:47,720
楽しいことなどありませんわ、腹の立つことばかりです
603
00:36:47,880 --> 00:36:49,200
またあの「淫賊」に怒らされたのですか?
604
00:36:49,320 --> 00:36:53,520
あの淫賊以外に誰がいるというのです。これを見てください…
605
00:36:53,640 --> 00:36:56,520
まあ、どうして腕がそんなにあざだらけなのですか?
606
00:36:56,640 --> 00:36:59,000
これもあの淫賊の仕業です
607
00:36:59,120 --> 00:37:01,320
あやつ、おかしな遊びを色々と持ち出してきまして
608
00:37:01,400 --> 00:37:03,440
家臣たちに「蹴鞠」の訓練をすると言いながら
609
00:37:03,600 --> 00:37:06,520
ほら、芳、見せてごらんなさい
610
00:37:06,600 --> 00:37:08,720
あざだらけじゃないの
611
00:37:09,840 --> 00:37:10,400
見て
612
00:37:10,880 --> 00:37:13,920
からかうつもりが、逆にやられたわ
613
00:37:35,680 --> 00:37:37,000
お嬢様
614
00:37:37,640 --> 00:37:38,840
これこそが俺の編み出した
615
00:37:38,920 --> 00:37:41,240
超無敵モルモット式 地獄のトレーニングだ
616
00:37:41,360 --> 00:37:43,240
ここが俺とお前の賭けの場だ
617
00:37:43,400 --> 00:37:45,480
砂時計の制限時間内に
618
00:37:45,520 --> 00:37:47,040
指定の動作をすべて完遂すれば
619
00:37:47,160 --> 00:37:49,920
お前の勝ち、そうでなきゃ俺の負けだ
620
00:37:50,040 --> 00:37:51,520
ルールは分かったか?
621
00:37:54,680 --> 00:37:56,240
分かってなさそうだな、始め!
622
00:38:46,360 --> 00:38:47,960
どうした? 飯も食ってないのか?
623
00:38:48,040 --> 00:38:49,240
前回より遅いぞ
624
00:38:49,320 --> 00:38:52,840
これで飯抜きだと? 十分できている
625
00:38:54,920 --> 00:38:56,800
どうだ? やる自信はあるか
626
00:38:56,920 --> 00:38:59,320
できればお前の勝ちだ
627
00:39:08,520 --> 00:39:09,680
始め
628
00:40:28,440 --> 00:40:30,240
お嬢様、大丈夫ですか?
629
00:40:30,360 --> 00:40:33,200
お嬢様、お怪我はありませんか
630
00:40:38,760 --> 00:40:42,080
お嬢様、モスクワのサーカスに入れますよ
631
00:40:42,160 --> 00:40:44,520
砂の落ちるのが速すぎるわ
632
00:40:44,640 --> 00:40:45,880
できるわけない
633
00:40:47,480 --> 00:40:51,760
速い? 陶総管、明日は石に替えろ
634
00:40:51,880 --> 00:40:52,880
石だと?
635
00:40:53,040 --> 00:40:54,800
項少龍、いい気になるんじゃないわ
636
00:40:54,880 --> 00:40:57,520
私、烏廷芳がやってみせる
637
00:41:05,840 --> 00:41:08,440
芳、なぜ最近 会いに来るたびに
638
00:41:08,560 --> 00:41:11,840
烏家堡の家臣に 忙しいと断られるのだ?
639
00:41:12,000 --> 00:41:14,640
烏様が私に会うのを 禁じているのか?
640
00:41:14,760 --> 00:41:17,120
父上が止めているわけではありません ただここ数日
641
00:41:17,240 --> 00:41:19,720
兄上たちと蹴鞠の練習をしておりまして
642
00:41:20,040 --> 00:41:21,560
女の身で蹴鞠の練習をなさるのか?
643
00:41:21,800 --> 00:41:23,440
蹴鞠は体を鍛えるのに良いのです
644
00:41:23,520 --> 00:41:25,440
女でも剣を習えるのですから
645
00:41:25,560 --> 00:41:27,640
なぜ蹴鞠はいけないのでしょう
646
00:41:27,760 --> 00:41:30,200
もちろん構わんが 剣の稽古はもうよいのか?
647
00:41:30,280 --> 00:41:34,080
いいえ あの賭けに勝ってから再開します
648
00:41:34,160 --> 00:41:35,600
その賭けとは?
649
00:41:35,720 --> 00:41:37,680
あの破廉恥漢との ただの賭けです
650
00:41:38,160 --> 00:41:39,800
ところで連兄上 今日のご用は?
651
00:41:39,840 --> 00:41:42,240
大事な話があるとは 一体何事ですか?
652
00:41:42,440 --> 00:41:43,960
以前 お前が言っていた
653
00:41:44,000 --> 00:41:46,080
剣が重すぎるから 軽いものが欲しいと
654
00:41:46,200 --> 00:41:50,040
刀鍛冶に頼んで 一振り打たせておいた
655
00:41:50,400 --> 00:41:51,520
お手間を おかけしました
656
00:41:51,600 --> 00:41:53,680
湖畔へ行って試し斬りをしないか?
657
00:41:53,760 --> 00:41:57,000
またの機会に 早く休みたいのです
658
00:41:57,080 --> 00:42:00,280
明朝も練習がありますので 失礼します
659
00:43:13,840 --> 00:43:15,200
ずいぶん早起きだな?
660
00:43:17,720 --> 00:43:20,160
遅いくらいよ 日はもう高いわ
661
00:43:20,280 --> 00:43:22,920
そんなに怠けていて 趙穆たちに勝てるの?
662
00:43:23,040 --> 00:43:26,360
今日はずいぶんと やる気満々みたいだな
663
00:43:26,440 --> 00:43:31,120
聞くけど あの賭けはまだ有効ね?
664
00:43:31,160 --> 00:43:33,200
もちろん 嘘はつかない主義だ
665
00:43:33,360 --> 00:43:37,040
なら 豚か犬になる準備をしておくことね
666
00:43:42,360 --> 00:43:45,120
準備はいいかい? お嬢様 始めるぜ
55743