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(クレア)キャー!
(セリオン)あっ!
(クレア)ああっ!
(セリオン)ハア ハア…
待ちやがれ!
あっ!
くっ…
(グリスト)フフフッ
(セリオン)ぬうう…
うおおーっ!
あの野郎 許さねえ
絶対(ぜってえ)に殺す!
♪~
~♪
(ロイド)俺の名はロイド
支援魔法を得意とする 白魔導師だ
冒険者パーティーでは 戦闘のサポートに専念している
みなしごの俺を保護してくれた 師匠のマーリンと魔法の修行
そんな生活に疲れて 俺は黙って家を出た
実力不足で勇者パーティーを 追放された俺は—
Sランク冒険者パーティーに 拾われた
依頼を受けた農場で モンスターの群れを倒したが—
この一件には 何か裏がある気がする
(ロイド) 俺の推測が正しければ—
これを引き起こしたやつの狙いは イシュタルだ
(ユイたち)えっ?
(ロイド) 俺たちは ハメられたらしい
おそらく 依頼そのものがワナだったんだ
(ユイたち)えっ…
(ユイ)どういうこと?
上位ランクの冒険者たちを 依頼に向かわせて—
イシュタルから遠ざけ 足止めするようにしむけた
イシュタルの守りを 手薄にするためだっていうの?
(クロス)イシュタルには 騎士団だけじゃなく—
勇者までいるんだぜ
そう簡単に 落ちるような街じゃないだろ
確かにそうだが…
(ダッガス)言われてみれば ロイドの予想は否定できない
かもな
あの魔石とか 変だもんな
(シリカ) それじゃ 今頃 イシュタルは…
んっ…
念のため 急いで イシュタルへ戻りましょう
ああ
分かった
んっ!
さあ 行こう
(ユイたち)あっ!
(クロス)ちょっ… 速っ!
待ってよ ロイド!
えっ? 何これ!
(ダッガス)体が軽いぞ (クロス)うおっ
(ユイ)どうなってるの?
みんなに 走力強化の魔法をかけただけだ
またそれかよ
(ロイド)急ごう
(グリスト)優雅なもんだ (ミシュル)ん?
(ミシュル) これはクライアント様
その呼び方はよせ
(ミシュル)フフッ
四天王のグリスト殿—
なんてお呼びするのは 堅苦しいでしょう
(グリスト) チッ… ふざけたやつだ
(ミシュル)始まったのですね
ああ 先陣部隊が イシュタルに迫っている
(ミシュル)そうですか
計画は順調だ
間違いなく成功するでしょう
あの娘のおかげでね
うむ あの女には今後も 我々の力になってもらわねばな
彼女は非常に興味深い存在です
利用価値は高いと思いますよ
どんな考えがあるかは知らんが—
魔王の右腕と呼ばれた あんたなら—
少なくとも 腕は信用できる
まっ 私としては—
カネさえもらえれば それでいいのですがね
(グリスト)フン
本当にふざけたやつだな
フッ
(ミシュル)ポーションは このくらいあれば大丈夫
さて あなたの力を 貸していただきましょうか
(クレア)ああ…
(ダッガス)んっ…
フウ…
もう かなり戻ったんじゃないか?
(ユイたち)あっ…
この調子なら イシュタルまで すぐに戻れそうだ
(シリカ)でも ロイドさんの 負担になりませんか?
えっ?
強化魔法を使い続けるのは—
かなりの魔力を消費すると 聞きましたが…
ああ 確かに連続使用に 慣れてない人は そうだろうな
使い方のコツをつかめば—
魔力の消費を かなり抑えることができるんだ
慣れって… ロイドさんは そんなことを何度も?
まあ 使いまくれば イヤでも慣れるというか…
昔 師匠に 人里離れた森の中から—
一人で帰ってくる訓練を させられたことがあった
白魔導師が一人で モンスターを倒すのは困難だ
逃げるので精いっぱい
俺は生き残るために—
さまざまな強化魔法を 駆使するしかなかった
あれは地獄だったな
いろいろと苦労してきたのね
いや 俺が未熟だっただけだ
よくある一般的な訓練だと思う
師匠には いつも怒られていたからな
(マーリン) もっと素早くできるはずだ
もう一度!
まあ それが いい訓練になったわけだが…
待って 待って
ロイド たぶん あなたのしてきた訓練は—
普通じゃないわよ
えっ?
(シリカ)そうです 並のことじゃありません
(ロイド)な… 並じゃない?
あの程度の訓練は 並以下ということか
ロイドさん?
なるほど そうだな
確かに俺の修行は まだまだだった
(シリカ)えっ?
(ロイド) さすがはSランク冒険者
次元が違うんだな
はい?
あんた 何言ってんの?
俺は もっと鍛錬して—
みんなの役に立てるよう 頑張るよ
また違う意味で解釈してるよ
ですね…
(ダッガス)んっ んん…
よし 行こう
何?
(ロイド)探知魔法だ
そうね 警戒はしておかないとね
(騎士1)ん?
(騎士1・2)ん?
この走力強化魔法 本当にすごいです
うんうん
いつもの何倍もの速さで走れて 息も上がらないんだから
あっ! うっ…
(ロイド)おわっと! (ユイ)うわっ!
(ダッガス・クロス)うっ! (シリカ)あっ!
(倒れた音)
(ダッガス)ぐっ… (ユイ)イッ…
(クロス)何だよ 急に
(ロイド)探知魔法に気配がある
モンスターか?
(ロイド)いや 違う
獲物を追ってきた狩人でしょうか
(ロイド)かもしれないが…
何だろう イヤな予感が…
ロイド?
(ロイド)すまない みんなは先に イシュタルへ向かってくれ
(シリカ・ユイ)えっ?
(ロイド) 確認したら すぐ あとを追う
(ユイ)待ってよ
何か気になるんでしょ その気配が?
だったら一緒に行くわ
あっ いや 確かめるだけなんだし…
でも 何があるか分からないし—
もしものとき ロイド一人じゃ戦えないでしょ
それは確かに…
(シリカ) パーティーの仲間なんですから
(クロス)協力して当然だろ
(ダッガス)ああ
(魔導兵1) 計画の失敗は許されない
(魔導兵2) 再び我らが力を示すために
(ユイ)この小屋なの?
(ロイド)ああ 近づいて はっきりと分かった
この先に魔族がいる
それから もう1人
(ユイ)魔族って 魔導国(まどうこく)の?
(ロイド)ああ
(ダッガス) あの険しい山の向こうが魔導国だ
(ロイド)魔族の国
ああ 今は なりを潜めてるが—
いつ また大陸を支配しようと 動きだすか…
大陸の… 支配
魔族は大陸の3つの国への 立ち入りが—
厳しく制限されてるはずだったな
何だよ 今 思い出したみたいに
ずっと侵略戦争を続けてた 魔導国のやつらよ
ひと事?
あっ いや…
俺は幼いときの記憶がないんだ
(ユイたち)あっ…
師匠と暮らし始めた頃には 戦争は終わってた
もしかしてロイドさんは 戦災孤児?
ごめん ひと事とか言っちゃって
いいんだ 気にしないでくれ
とにかく 魔族が侵入してるのは マズい状況だ
ああ イシュタルに戻ったら 騎士団に報告しないとな
だが 知らせるにしても もう少し情報を集めておきたい
それは危険すぎないか?
確かに危険だが…
魔族の近くから 魔石と同じ魔力が感じられる
えっ?
だとしたら—
農場を襲ったモンスターの群れと 無関係ではないだろうな
うん それに やつらの狙いが イシュタルだとするならば—
危険を冒す必要は 十分あると思う
行きましょう
ユイ…
だってさ イシュタルを 狙ってるかもしれないんだよ
今 見逃すと 逃げられちゃうかもしれないし—
魔族を放ってはおけないわ
私たちで何とかしましょう
(2人)あっ…
(クロス)あ…
(ユイ)うん!
えっ? 何?
リーダーらしいこと言うじゃん
な… 何よ!
そうだな
今回の事件解決の 糸口になるかもしれないんだ
行こう
ん?
誰もいないじゃないか
ん?
誰もいないじゃないか
(ロイド)地下?
ここだ
(ユイ)この下に?
(ダッガス)なら どこかに入り口があるだろ
(ロイド) 探す手間は省けると思う
(ダッガス)えっ?
(ロイド) 土属性の魔法 使えるな?
(シリカ)はい (ロイド)よし
(魔導兵たちが呪文を唱える声)
サンドピット!
(魔導兵たち)ん?
あっ!
ぐっ…
(魔導兵1)うっ… 誰だ?
尋ねるのは こっちよ
あなたたち なんで この国にいるの?
何をたくらんでいるの?
(魔導兵1)くっ…
(魔導兵2)はあっ!
ふっ!
あっ…
(クロス)ふっ! (魔導兵2)ぐあっ!
(クロス)あっ…
シリカ もう一度だ
はい いきます
サンドピット!
(魔導兵たち)あっ…
(魔導兵3)はあっ!
(シリカ)あっ! (ダッガス)任せろ!
(魔導兵1)くっ… (魔導兵3)ううっ
(魔導兵1)ハア ハア…
(ユイ)逃がさない
開かない
(クロス)させるか! ふっ!
(魔導兵3)うっ! (魔導兵4)ぐあっ!
(ユイ)ふっ! (魔導兵4・3)うわっ!
フウ…
(ユイ)息切れひとつしない
お見事
(ユイ)クロス 援護ありがと
何でもねえよ
残るは1人
(魔導兵1)フン
(破壊音) (魔導兵1)あっ!
(魔導兵1)くっ…
待ちなさい!
(魔導兵1)ハア ハア…
ユイ! やつの前へ回り込め
(ユイ)了解!
クロス 右へ!
(クロス)おうよ!
(ロイド)強い魔力反応は あのコクーンの中だ
囲い込むぞ
(シリカ)はい! (ダッガス)おう!
ハア ハア ハア…
あっ!
(ユイ) 逃がさないって言ったでしょ
くっ…
うっ…
うう…
観念しろ 聞きたいことがある
くっ… お前たちに話すことはない
食らえ!
あっ!
あっ! うう… ぐあっ!
(倒れた音)
獣人… か
(ユイ)結局 魔族からは 何も聞けなかったね
(ダッガス) 事情を知ってるのは その子だけか
獣人ですから フォレス帝国の人だと思いますが…
その状態じゃ 話せそうにないな
回復させられるか?
やってみる
ヒール
ロイドさん 回復系の威力もすごいです
ほんと シルビィーの魔石化も 治しちゃったし
(ロイド) まあ 一応 改良はしているが…
(ユイ)魔法の改良?
あのね 普通 冒険者は そんなことしないでしょ
えっ?
魔法をいじれるだけでも すごいです
えっ… そうなのか?
よく師匠に 手伝わされたんだけどな
老化を止める魔法をつくるぞ
回復魔法の改良を手伝え
新しい強化魔法を思いついた!
(ロイド)うう…
まあ 師匠は変人だからな
変人で片づけていいのかな
(クレア)うっ… (シリカ)あっ
ハッ…
(ユイ)大丈夫? (ロイド)おっと…
(クレア)あっ! (ユイ)どうして あそこにいたの?
(ユイ)痛いとこない? 気分はどう? 名前は?
あ… あの…
え… えっ?
ク… クレ… ア
クレ… ハ?
クレハっていうのね!
(クレア)え… ええ
ねえ クレハ
あなたは なんで 魔族に捕まってたの?
そ… それは…
俺たちは冒険者だ
モンスターの大群から 農場を守る依頼を受けたんだが—
そこで獣人の魔力を感じた
あっ…
獣人の中には—
モンスターを使役する魔法を 使える者がいると聞く
あれは 君の力だね?
そうです
私の魔法です
(3人)あっ…
(騎士1)何だ?
そこにいろ
(騎士2)おい 気をつけろ
(騎士1)これは…
(騎士2)あっ!
(茂みが揺れる音)
ん?
ヤバい 逃げるぞ!
(騎士1)あ… ああっ
わっ… うわあー!
(ロイド)クレハ 君の魔法は モンスター使役魔法か?
(クレア)はい
そうか 本当に存在するとは…
モンスターを思うままに 操れるというのは—
使い方しだいでは 危険すぎる魔法だ
魔族は それを使わせたんだな?
はい 無理やりに…
魔族のやつらは—
モンスターを戦力として使うために クレハを捕らえたわけか
これで はっきりしたな
イシュタルを狙っているのは 魔導国だ
ああ イシュタルを攻め落とし 支配下に置けば—
魔導国は大陸侵攻を 進めやすくなる
(シリカ)だから 街の守りを手薄にして その隙に…
(ユイ)もしかしたら イシュタルは もう…
一刻も早く戻ろう
(ロイド)すまないな 走らせることになってしまって
いいえ 私も置いていかれては 困りますから
(クロス)もうすぐ イシュタルが見えてくるぞ
(ダッガス)間に合うといいが…
(ロイド) あと少しだけ頑張ってくれ
ありがとう
(ロイド)あっ!
どうしたんですか?
(ロイド)モンスターの群れだ (クレアたち)えっ!
イシュタルに向かってる?
(ロイド)ああ それだけじゃない
かなりの大群が後方から…
ロイド どうするの?
クレハ 君の力を貸してほしい
私の力?
みんなは街に危機を知らせて 戦いに備えてくれ
でも…
2つの行動は一人ではできない
仲間だからできるんだ
んっ!
(ロイド)頼んだぞ!
♪~
~♪
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