All language subtitles for Aimai na mirai, Kurosawa Kiyoshi (2002).jp

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ちゃんと履いてやってもらおうか 20 00:02:04,577 --> 00:02:06,577 ほい… (スタッフ)はい 21 00:02:10,583 --> 00:02:12,583 (スタッフ)これ 脱いで 1回 やってみようか 22 00:02:41,614 --> 00:02:43,614 (スタッフ)こっち側 全部 1枚 入れてくれる? 23 00:02:56,629 --> 00:02:58,629 (スタッフ)つながった? 24 00:04:31,590 --> 00:04:34,593 価値観がぶつかり合って➡ 25 00:04:34,593 --> 00:04:39,598 しかし 若い世代が 上の世代を乗り越えていく 26 00:04:39,598 --> 00:04:42,601 そして その先に 明るい未来がある 27 00:04:42,601 --> 00:04:48,607 っていう まあ 身も蓋もない テーマを ずばり題名にした 28 00:04:48,607 --> 00:04:51,610 うん だから 自分としては やや気恥ずかしいんですけど 29 00:04:51,610 --> 00:04:55,614 これって あまりに まんまなんですけどって 30 00:04:55,614 --> 00:04:59,551 ただ それを 勘違いしちゃいけないのは➡ 31 00:04:59,551 --> 00:05:01,551 僕も含めた… 32 00:05:05,557 --> 00:05:10,562 こう 大人たちにとって 明るいという意味ではないですと 33 00:05:10,562 --> 00:05:14,566 若い人たちが 明るい未来をつくっていく 34 00:05:14,566 --> 00:05:16,568 若い人たちにとって明るい 35 00:05:16,568 --> 00:05:19,571 それが年寄りにとっても明るい 36 00:05:19,571 --> 00:05:24,576 同じように明るいというところに 大変な間違いがあるってことです 37 00:05:24,576 --> 00:05:28,576 それはもう どことも 価値観は対立したままです 38 00:05:44,596 --> 00:05:46,598 (野下)この企画を始める➡ 39 00:05:46,598 --> 00:05:48,600 最初のときから 黒沢さんに➡ 40 00:05:48,600 --> 00:05:50,602 「藤 竜也さんで お話を ちょっと考えてみませんか」➡ 41 00:05:50,602 --> 00:05:52,604 っていうことを言っていて 42 00:05:52,604 --> 00:05:56,608 で 僕も たまたま 全然 別なことで藤 竜也さんを➡ 43 00:05:56,608 --> 00:06:01,547 石井竜也監督の『河童』というのと 『ACLI』というのを見て➡ 44 00:06:01,547 --> 00:06:03,549 まあ ホントにもう 大先輩で➡ 45 00:06:03,549 --> 00:06:06,552 あるイメージが もう できてしまった人かな➡ 46 00:06:06,552 --> 00:06:09,555 と思っていたら 結構 自由に➡ 47 00:06:09,555 --> 00:06:12,558 いろんな役を やられる方なんだな➡ 48 00:06:12,558 --> 00:06:14,560 っていうんで 興味はあったとこだったんですよ 49 00:06:14,560 --> 00:06:18,564 それで どんな内容であるにせよ➡ 50 00:06:18,564 --> 00:06:21,564 藤 竜也さんを やはり… 51 00:06:23,569 --> 00:06:26,572 どっかに大きく… 52 00:06:26,572 --> 00:06:29,575 そんとき 藤さんの了解 なんも取ってないですよ 53 00:06:29,575 --> 00:06:31,577 (浅井)藤 竜也さんという➡ 54 00:06:31,577 --> 00:06:33,579 なんか イメージの名前は 上がっていて➡ 55 00:06:33,579 --> 00:06:36,582 まあ 当て書きという わけではなくて➡ 56 00:06:36,582 --> 00:06:40,586 中年の人と若い人を 主人公にしたような映画 57 00:06:40,586 --> 00:06:42,588 イヤでも 浮かび上がってきたのは➡ 58 00:06:42,588 --> 00:06:46,592 ロバート・アルドリッチの 『北国の帝王』 59 00:06:46,592 --> 00:06:49,595 若い人と藤 竜也さん 60 00:06:49,595 --> 00:06:52,598 絶対 対立するよねっていうね 61 00:06:52,598 --> 00:06:55,601 仲よく手なんか組むわけない 62 00:06:55,601 --> 00:06:57,603 どっちも譲らないよなっていう 63 00:06:57,603 --> 00:07:00,539 あー アルドリッチだ 64 00:07:00,539 --> 00:07:03,542 『北国の帝王』というのは んー 65 00:07:03,542 --> 00:07:07,546 非常に若い男と年取った男の➡ 66 00:07:07,546 --> 00:07:10,549 まあ 一種の 世代間の対決の話なんですよね 67 00:07:10,549 --> 00:07:13,552 これは年取ったほうが 勝つんですけど 68 00:07:13,552 --> 00:07:17,556 そういう 絶対的に 相いれない価値観がぶつかる 69 00:07:17,556 --> 00:07:20,559 それが その どっちが勝つでもなく➡ 70 00:07:20,559 --> 00:07:22,561 えー お互い 認め合いつつ➡ 71 00:07:22,561 --> 00:07:27,566 しかし どっちかは滅び どっちかは勝つ 72 00:07:27,566 --> 00:07:29,568 運命のように そうなる 73 00:07:29,568 --> 00:07:33,568 あー もう そのへんで テーマは決まってきたなと 74 00:07:52,591 --> 00:07:55,594 (スタッフ)はい 到着でーす (スタッフたち)到着です 75 00:07:55,594 --> 00:07:57,594 (藤井)おはようございます おはようございます 76 00:08:16,548 --> 00:08:19,551 自然な感じで結構ですね はい 77 00:08:19,551 --> 00:08:23,551 「これ 1匹の値段ですか?」と はい 78 00:08:25,557 --> 00:08:29,561 で 向こうに去っていく ダメだ これ 79 00:08:29,561 --> 00:08:32,564 まあ 段取りは そういうことです (オダギリ)はい 分かりました 80 00:08:32,564 --> 00:08:36,564 (スタッフ)はい テスト よーい はい (カチンコの音) 81 00:08:43,575 --> 00:08:45,577 (藤井)まあ これ 初日の あの➡ 82 00:08:45,577 --> 00:08:48,580 ワンカット目の 初めのテストなんですけども➡ 83 00:08:48,580 --> 00:08:50,582 まあ ホントに 一番初めの 演技ってことなんですが➡ 84 00:08:50,582 --> 00:08:53,585 監督さんにとって この瞬間っていうのは➡ 85 00:08:53,585 --> 00:08:56,588 どういうもんなんですかね? 86 00:08:56,588 --> 00:09:00,525 えー イヤなもんなんですけど (藤井)はい 87 00:09:00,525 --> 00:09:05,530 まあ なるべく もう何日も 撮ってきたかのように➡ 88 00:09:05,530 --> 00:09:08,533 あのー… 89 00:09:08,533 --> 00:09:11,536 ああ あの いつもの… 90 00:09:11,536 --> 00:09:14,539 まあ これ 雄二という 役名ですけど➡ 91 00:09:14,539 --> 00:09:16,541 「いつもの仁村雄二なんだよな」 って 92 00:09:16,541 --> 00:09:18,543 「まあ オダギリさんの芝居 こうだよな」 93 00:09:18,543 --> 00:09:22,547 「いつもどおりだ」って 思おう思おうと必死に➡ 94 00:09:22,547 --> 00:09:26,551 自分を言い聞かせてる っていう感じですね 95 00:09:26,551 --> 00:09:28,553 初めて見るわけですから➡ 96 00:09:28,553 --> 00:09:30,555 正直 言って さっぱり分からないんですね 97 00:09:30,555 --> 00:09:32,557 これでいいのかどうか っていうのがね 98 00:09:32,557 --> 00:09:35,557 しかし あの 「これでいいんだ」 99 00:09:38,563 --> 00:09:45,570 と思おうと 必死で 自分自身を 説得してるってな心境ですかね 100 00:09:45,570 --> 00:09:50,575 だから 演技というよりも (藤井)はい 101 00:09:50,575 --> 00:09:54,579 「芝居だと こういう声なのね」 とか➡ 102 00:09:54,579 --> 00:09:59,584 「あっ ちょっと早口で しゃべる癖があるんだ」とかですね 103 00:09:59,584 --> 00:10:01,586 それ たぶん 雄二というより➡ 104 00:10:01,586 --> 00:10:03,588 オダギリさんという人なんだと 思いますけど 105 00:10:03,588 --> 00:10:07,592 そこをつかんでる状態ですかね (藤井)ああ 106 00:10:07,592 --> 00:10:11,596 今まで 何度かやってる方だったら まだしも 107 00:10:11,596 --> 00:10:16,601 しかも 大抵 初日の最初っていうのは➡ 108 00:10:16,601 --> 00:10:20,605 映画全体の中でも まあ 特に どうということもない 109 00:10:20,605 --> 00:10:23,608 軽いシーンから 始まるのが多いので 110 00:10:23,608 --> 00:10:27,612 だから 実に➡ 111 00:10:27,612 --> 00:10:30,615 いいかげんに 「もうちょっと早くしてみて」とか 112 00:10:30,615 --> 00:10:33,618 ちょっとしたこと言ってみて 「ああ こうなるのかな」って➡ 113 00:10:33,618 --> 00:10:38,623 数回やって まあ オッケー っていう感じですかね 114 00:10:38,623 --> 00:10:41,626 はい オッケー (スタッフ)はい オッケーです 115 00:10:41,626 --> 00:10:44,626 はい どうも はい (スタッフ)以上で決まりですね 116 00:10:53,638 --> 00:10:58,643 まあ ある意味で 最も重要な部分ですね 117 00:10:58,643 --> 00:11:02,581 ただ まあ 映画を作るという 行為の全部ではないので➡ 118 00:11:02,581 --> 00:11:06,585 撮影っていうものの位置づけは 難しいと思いますね 119 00:11:06,585 --> 00:11:08,587 すべてではない 120 00:11:08,587 --> 00:11:10,589 僕なりの言い方をしますと➡ 121 00:11:10,589 --> 00:11:15,594 いくつかの現実が 記録されていくわけですね 122 00:11:15,594 --> 00:11:17,596 記録された現実を まあ あとで➡ 123 00:11:17,596 --> 00:11:20,599 どう組み合わせていくのか っていうのが➡ 124 00:11:20,599 --> 00:11:22,601 まあ 編集の作業になりますね 125 00:11:22,601 --> 00:11:25,604 必ずしも 脚本どおりではない 126 00:11:25,604 --> 00:11:29,608 どっちか… 片一方が出しても もう片一方が出さないかぎり➡ 127 00:11:29,608 --> 00:11:31,610 永遠と続くので (浅野)はい 128 00:11:31,610 --> 00:11:33,612 そのへんをひとつ (笑い声) 129 00:11:33,612 --> 00:11:39,618 どう考えても ドキュメンタリーと フィクションの境目はないですね 130 00:11:39,618 --> 00:11:41,620 ある意味じゃ ドキュメンタリーっつったって➡ 131 00:11:41,620 --> 00:11:43,622 ある程度 やらせはあるでしょうし➡ 132 00:11:43,622 --> 00:11:45,624 フィクションっつったって➡ 133 00:11:45,624 --> 00:11:48,627 まったく 偶然起こることが たくさんありますから 134 00:11:48,627 --> 00:11:52,631 程度の差はあっても同じですね 135 00:11:52,631 --> 00:11:55,634 ましてや あとで それを編集するという作業は➡ 136 00:11:55,634 --> 00:11:58,637 もう まったくドキュメンタリーも フィクションも同じだと思います 137 00:11:58,637 --> 00:12:02,637 そこで あるものを 構築してくわけですね ええ 138 00:12:15,587 --> 00:12:18,587 このぐらいかなーと さっきは… 139 00:12:20,592 --> 00:12:23,592 (スタッフ)はい (スタッフ)お願いしまーす 140 00:12:27,599 --> 00:12:31,603 あっ 消えてる 消えてるから あれですけどね➡ 141 00:12:31,603 --> 00:12:36,608 これ 本物なんで 失礼します 142 00:12:36,608 --> 00:12:40,612 いやー すごい あっ ありがとうございます 143 00:12:40,612 --> 00:12:44,616 うわ ハハハッ へえー 144 00:12:44,616 --> 00:12:46,618 すごい 145 00:12:46,618 --> 00:12:50,622 えー バツバツまでを まず一気に 1回いきたいんですが 146 00:12:50,622 --> 00:12:53,625 はい えー まず ここに座ってます 147 00:12:53,625 --> 00:12:56,628 はい で クラゲ見てます 148 00:12:56,628 --> 00:13:00,565 で えー 守は あっちにいるんですが はい 149 00:13:00,565 --> 00:13:03,568 で あっちで 「誰とケンカしたんだよ」 150 00:13:03,568 --> 00:13:05,570 「知らない サラリーマンかな」 151 00:13:05,570 --> 00:13:08,573 「しょうがないな」 152 00:13:08,573 --> 00:13:12,577 というのがあってですね はい 153 00:13:12,577 --> 00:13:15,580 すると 守… なんとなく 目で見えると思いますけど➡ 154 00:13:15,580 --> 00:13:18,583 あの なんていうんですか… 155 00:13:18,583 --> 00:13:23,588 守が 最初 あの あそこにいるんですけど➡ 156 00:13:23,588 --> 00:13:26,591 あの なんだ あの… キッチンっていうか 157 00:13:26,591 --> 00:13:32,597 で あの 机を片づけに こう 行きます はい 158 00:13:32,597 --> 00:13:34,599 で それが なんとなく見えたら… 159 00:13:34,599 --> 00:13:36,601 まあ 見えなかったら きっかけ出しますけどね 160 00:13:36,601 --> 00:13:40,605 雄二も立ち上がって 161 00:13:40,605 --> 00:13:45,610 で 守は この これ… カスみたいなの➡ 162 00:13:45,610 --> 00:13:48,613 全部 向こうへ 下げちゃってください 163 00:13:48,613 --> 00:13:53,618 それで雄二は 残ってる鍋と コップ2つぐらいを持って➡ 164 00:13:53,618 --> 00:13:56,621 えー ここへ置いてください はい 165 00:13:56,621 --> 00:13:58,623 ここ 映ってませんが はい 166 00:13:58,623 --> 00:14:01,560 まあ なんか ゴミ捨ててるとか ガシャガシャやってるつもり 167 00:14:01,560 --> 00:14:03,560 はい えー ここで… 168 00:14:05,564 --> 00:14:11,570 まあ 4秒ぐらい 5秒ぐらいありました つもり 169 00:14:11,570 --> 00:14:17,576 で 守は そのままで で そしたら➡ 170 00:14:17,576 --> 00:14:19,578 オダギリさん これ これですね 171 00:14:19,578 --> 00:14:22,581 もともと ここに 正規の位置は ここなんです 172 00:14:22,581 --> 00:14:25,584 はい ですから ここで片づけて➡ 173 00:14:25,584 --> 00:14:30,589 5秒ぐらいあったら で これ持って 持ってきてね 174 00:14:30,589 --> 00:14:32,589 ここに置く はい 175 00:14:34,593 --> 00:14:36,595 で いきましょうか 176 00:14:36,595 --> 00:14:41,600 で 適当なとこでいいです 行きながらでも 行ってからでも 177 00:14:41,600 --> 00:14:45,604 ここで初めて 「餌やってもいい?」 と こうなります はい 178 00:14:45,604 --> 00:14:49,608 で 「あっ 気をつけろよ」 って言われるんで➡ 179 00:14:49,608 --> 00:14:52,611 餌は あそこにあります ああ あれですね 180 00:14:52,611 --> 00:14:55,611 ええ それ 知ってていいです はい 181 00:14:57,616 --> 00:14:59,551 で こう取りに… これ 気をつけてください 182 00:14:59,551 --> 00:15:03,555 これ 気をつけてください これ はい 183 00:15:03,555 --> 00:15:05,557 で やり方は あとでお教えしますから 184 00:15:05,557 --> 00:15:08,560 で これを… 185 00:15:08,560 --> 00:15:10,562 えー どっちからでもいいや 186 00:15:10,562 --> 00:15:13,565 えー これは立ってる… 187 00:15:13,565 --> 00:15:17,569 たぶん スポイトで チューって 1回すくって 188 00:15:17,569 --> 00:15:21,573 たぶん クラゲが この辺に ずっといるから➡ 189 00:15:21,573 --> 00:15:24,576 この なんか クラゲから なるべく離れた辺りに出します 190 00:15:24,576 --> 00:15:26,578 ピューっと入れる はい 191 00:15:26,578 --> 00:15:29,581 やり方は で スポイトは置く 192 00:15:29,581 --> 00:15:31,581 で えー… 193 00:15:33,585 --> 00:15:35,587 「あれ 食べないな」と ちょっと 指突っ込んで➡ 194 00:15:35,587 --> 00:15:37,589 かき回すとか してみてください はい 195 00:15:37,589 --> 00:15:41,593 そしたら 守が ここで気づいて➡ 196 00:15:41,593 --> 00:15:44,596 「おい」っつって やってきます 197 00:15:44,596 --> 00:15:48,600 で 「甘く見てるだろ クラゲの毒を」 198 00:15:48,600 --> 00:15:52,604 で 守は ちょっと どけていいです はい 199 00:15:52,604 --> 00:15:55,607 で ここに 餌とスポイトがありますんで➡ 200 00:15:55,607 --> 00:16:00,545 これを守 さっさと取って えー どっちでもいいや 201 00:16:00,545 --> 00:16:02,547 で ここに置きます はい 202 00:16:02,547 --> 00:16:06,551 えー 「でも 守さんも触ったことないでしょ」 203 00:16:06,551 --> 00:16:08,553 「死にたくないからな」 204 00:16:08,553 --> 00:16:10,555 っていうのが まあ この一連の動きの中にありますね 205 00:16:10,555 --> 00:16:12,557 で 守 戻したら➡ 206 00:16:12,557 --> 00:16:15,560 守 また なんか洗っていたんでしょう 207 00:16:15,560 --> 00:16:17,562 向こうに行っちゃってください 208 00:16:17,562 --> 00:16:23,568 そしたら 雄二は 適当なとこでいいです 209 00:16:23,568 --> 00:16:25,568 行っちゃった… 210 00:16:27,572 --> 00:16:30,575 ここに まあ特に 漫画 読みたいわけじゃないんですけど 211 00:16:30,575 --> 00:16:32,577 この一番上のでも取って➡ 212 00:16:32,577 --> 00:16:34,579 この辺 適当に 座るなり寝るなりして➡ 213 00:16:34,579 --> 00:16:36,581 読み始めてください はい 分かりました 214 00:16:36,581 --> 00:16:39,581 はい 以上です 215 00:16:47,592 --> 00:16:49,594 はい じゃあ いきます テスト (スタッフたち)テスト 216 00:16:49,594 --> 00:16:52,597 はい テスト よーい… あっ ごめん 217 00:16:52,597 --> 00:16:55,600 これはね 今 あっちゃいけないのね 218 00:16:55,600 --> 00:16:57,602 (スタッフ)失礼しました (スタッフ)すいません 失礼しました 219 00:16:57,602 --> 00:16:59,602 これは… 最初は ここに置いとく 220 00:17:01,539 --> 00:17:04,542 はい じゃあ いきます テスト (スタッフたち)テスト 221 00:17:04,542 --> 00:17:08,542 はい テスト よーい はい 222 00:17:13,551 --> 00:17:15,553 誰とケンカしたって? 223 00:17:15,553 --> 00:17:19,553 知らない サラリーマンかな 224 00:17:22,560 --> 00:17:24,560 しょうがねえな 225 00:17:48,586 --> 00:17:50,588 ねえ 餌やっていい? 226 00:17:50,588 --> 00:17:52,588 ああ やってもいいけど 気をつけろよ 227 00:18:18,550 --> 00:18:20,550 食べねえじゃん 228 00:18:23,555 --> 00:18:28,560 おいおいおい… ダメダメ 危ないから ダメだって 229 00:18:28,560 --> 00:18:31,563 お前 クラゲの毒を侮ってるだろ 230 00:18:31,563 --> 00:18:34,566 危ないよ 231 00:18:34,566 --> 00:18:37,569 でも 守さんだって 触ったことないんでしょ? 232 00:18:37,569 --> 00:18:40,572 だって 俺は死にたくないからね 233 00:18:40,572 --> 00:18:42,572 危ない危ない… 234 00:18:53,585 --> 00:18:55,587 はい (スタッフたち)はい 235 00:18:55,587 --> 00:18:57,587 (カチンコの音) (スタッフたち)はい 236 00:18:59,524 --> 00:19:02,524 まあまあ 動きとしては おおよそ 237 00:19:09,534 --> 00:19:11,536 もうちょい きっと 明るくていいんだろうね 238 00:19:11,536 --> 00:19:14,536 ここはね うん うーん… 239 00:19:17,542 --> 00:19:21,546 「知らない サラリーマンかな」 って言うときも➡ 240 00:19:21,546 --> 00:19:25,550 チラッとは 守のほう 見てもいいかもしれません 241 00:19:25,550 --> 00:19:28,550 「餌やってもいい?」 っていうのも➡ 242 00:19:30,555 --> 00:19:32,557 見てもいいかもしれない 243 00:19:32,557 --> 00:19:37,562 多少 ちょっと 明るくてもいいかもしれない 244 00:19:37,562 --> 00:19:39,562 はい 分かりました はい 245 00:19:41,566 --> 00:19:45,570 (スタッフ)すいません 2のときの寄りですけど➡ 246 00:19:45,570 --> 00:19:48,573 まあ 絆創膏 ちょっと 血 滲ましといたほうがいいですか? 247 00:19:48,573 --> 00:19:52,577 まあね ケンカのすぐみたいな まあ そらそうですよね はい 248 00:19:52,577 --> 00:19:56,581 あの 「おい ダメだダメだ」 ってやつ➡ 249 00:19:56,581 --> 00:19:58,583 もう気持ち 本気… 分かりました 250 00:19:58,583 --> 00:20:02,587 今のだとね 「えっ じょ… 冗談だよな」➡ 251 00:20:02,587 --> 00:20:04,589 っていう感じも しなくもないんで➡ 252 00:20:04,589 --> 00:20:06,591 もうちょい… そのあとはいいんですけど➡ 253 00:20:06,591 --> 00:20:10,595 ホントに ヤバいっていうね ホント ダメなんだっていう➡ 254 00:20:10,595 --> 00:20:12,595 もう気持ち… 255 00:20:20,605 --> 00:20:22,607 はい 本番 (スタッフたち)本番 256 00:20:22,607 --> 00:20:25,610 はい よーい はい 257 00:20:25,610 --> 00:20:27,610 (カチンコの音) 258 00:20:30,615 --> 00:20:32,617 (野下)いろいろ 監督も➡ 259 00:20:32,617 --> 00:20:34,619 思うところがあったと 思うんですけれども➡ 260 00:20:34,619 --> 00:20:37,622 まず 一番最初に 藤 竜也さんに お願いするって言ったときに➡ 261 00:20:37,622 --> 00:20:39,624 あまり 年の上の方と➡ 262 00:20:39,624 --> 00:20:42,627 ご一緒されたことがない っていうことで➡ 263 00:20:42,627 --> 00:20:45,630 まあ 自分にできるだろうか っていう気持ちが➡ 264 00:20:45,630 --> 00:20:47,632 黒沢さんの中に あったと思うんですね 265 00:20:47,632 --> 00:20:50,635 ですけれども そのファーストシーンが終わったあとに➡ 266 00:20:50,635 --> 00:20:54,639 監督が つかつかつかっと こちらに歩いてきて➡ 267 00:20:54,639 --> 00:20:58,643 「藤さんが すっごくいいです」 って ひと言 言って 268 00:20:58,643 --> 00:21:03,581 で やっぱり あんまり ふだん 気持ちを口にされないから➡ 269 00:21:03,581 --> 00:21:06,584 「ああ これは藤さんにして ホントによかったな」って 270 00:21:06,584 --> 00:21:11,584 そういう顔していた黒沢さんが すごく印象深かったですね 271 00:21:14,592 --> 00:21:19,597 すごく要望していたのは 分かりやすいもの カッコイイもの 272 00:21:19,597 --> 00:21:22,600 これだけは 絶対 こう… 273 00:21:22,600 --> 00:21:26,600 譲れない条件だったですね 274 00:21:31,609 --> 00:21:34,612 (原田) ハッキリ おっしゃられないんで➡ 275 00:21:34,612 --> 00:21:37,615 何がよくて 何がダメなのかとか➡ 276 00:21:37,615 --> 00:21:39,617 まあ 非常に よく分からない➡ 277 00:21:39,617 --> 00:21:42,620 っていうのが特徴ではありますね 278 00:21:42,620 --> 00:21:46,624 黒沢監督の思う雄二と 僕が思う雄二の やっぱり➡ 279 00:21:46,624 --> 00:21:51,629 多少のズレは まあ あって 280 00:21:51,629 --> 00:21:53,631 分かっていて分からず➡ 281 00:21:53,631 --> 00:21:56,634 分かっていなくて 分かってるみたいな 282 00:21:56,634 --> 00:21:59,570 目の前のことじゃないんですよ 283 00:21:59,570 --> 00:22:02,573 好きなものに対しても… 対象外物 284 00:22:02,573 --> 00:22:05,576 全然 別なことなんですよ 285 00:22:05,576 --> 00:22:11,582 それに合わせたような反応とは ちょっと違うっつう感じですかね 286 00:22:11,582 --> 00:22:13,584 それね あんまり 気にしなくていいですよ 287 00:22:13,584 --> 00:22:15,584 だから どうだっていう… 288 00:22:20,591 --> 00:22:24,595 クリント・イーストウッドですね 『ダーティハリー』 289 00:22:24,595 --> 00:22:26,597 (藤井)「クリント・イーストウッドです」 って言ってるんですよ 290 00:22:26,597 --> 00:22:28,599 で 「『ダーティハリー』です」って 言ってるんですが 291 00:22:28,599 --> 00:22:31,602 んー たぶん たぶんですよ (藤井)ええ 292 00:22:31,602 --> 00:22:35,606 僕が そう言ったとしたら (藤井)はい 293 00:22:35,606 --> 00:22:38,609 ムッと怒ってる (藤井)ああ 294 00:22:38,609 --> 00:22:40,611 「雄二は 大体 怒ってるんだ」 (藤井)ええ 295 00:22:40,611 --> 00:22:45,616 で 目の前では 大したことは 起こってなくても怒ってる 296 00:22:45,616 --> 00:22:47,618 その代わり 目の前で➡ 297 00:22:47,618 --> 00:22:50,621 かなり怒りが 爆発するようなことがあっても➡ 298 00:22:50,621 --> 00:22:56,627 普通の感情から出てくる怒りとは ちょっと違った怒り方なんだと 299 00:22:56,627 --> 00:23:01,566 本能的に怒ってるんだ この人は ってなことを➡ 300 00:23:01,566 --> 00:23:03,568 僕なりのイメージで➡ 301 00:23:03,568 --> 00:23:05,570 「いや それって 『ダーティハリー』なんですよ」 302 00:23:05,570 --> 00:23:08,573 「あの クリント・イーストウッド なんですよ」 303 00:23:08,573 --> 00:23:13,578 あの 犯人に対して 怒ってるわけじゃない 304 00:23:13,578 --> 00:23:15,580 怒ってはいるんですけどね 305 00:23:15,580 --> 00:23:18,583 で 自分の上司に対して 怒ってるわけでもない 306 00:23:18,583 --> 00:23:20,585 怒ってるんですけど 307 00:23:20,585 --> 00:23:23,588 ただ 誰に対してもある 均等な怒りを発してるんですよね 308 00:23:23,588 --> 00:23:27,592 あの 『ダーティハリー』って 309 00:23:27,592 --> 00:23:32,597 それは まあ ひとえに 社会全体に対しての怒りで 310 00:23:32,597 --> 00:23:36,601 そういうことをね たぶん 言いたかったんだと思いますね 311 00:23:36,601 --> 00:23:40,605 だから まあ それで 「『ダーティハリー』見てないです➡ 312 00:23:40,605 --> 00:23:42,607 なんのことでしょう」って 言いますよね そんなのはね 313 00:23:42,607 --> 00:23:44,609 (藤井)オダギリさんは 分かってらっしゃいました? 314 00:23:44,609 --> 00:23:47,609 ええ 分かっていただけたと… 315 00:23:49,614 --> 00:23:51,616 まあ 思ってますけどね ええ 316 00:23:51,616 --> 00:23:53,618 最後まで 「こいつは どういうヤツなんだろう」➡ 317 00:23:53,618 --> 00:23:56,621 っていうのは ホントに もう分かんなくて 318 00:23:56,621 --> 00:24:04,562 えー 終了して 雄二に解放されて ホントに安心してますね 319 00:24:04,562 --> 00:24:07,565 (藤井)そうですか ええ もうホッとしてますね 320 00:24:07,565 --> 00:24:11,569 すいません ホント いえいえ 僕だって分かんないんで 321 00:24:11,569 --> 00:24:13,569 まあね… 322 00:24:24,582 --> 00:24:29,587 (藤)そう… 僕の演ずる男を つくってく過程で➡ 323 00:24:29,587 --> 00:24:32,590 さまざまに こう ああでもない こうでもない 324 00:24:32,590 --> 00:24:36,594 あの 選択肢が たくさんありましたね 325 00:24:36,594 --> 00:24:40,598 そういう曖昧さっていうのが たぶん 分かりづらいものでは➡ 326 00:24:40,598 --> 00:24:43,598 ないのかもしれないですね 監督の中では だから 327 00:24:51,609 --> 00:24:53,609 あのー… 328 00:24:55,613 --> 00:24:59,550 まあ 僕なりの普通 329 00:24:59,550 --> 00:25:02,553 リアルって言葉が 当たってるかどうか… 330 00:25:02,553 --> 00:25:04,553 ただ まあ… 331 00:25:06,557 --> 00:25:11,562 分かりやすく言えば これがリアルだろっていう… 332 00:25:11,562 --> 00:25:15,566 だけですね その… 333 00:25:15,566 --> 00:25:18,569 いや 普通に生きている人って 多義的ですからね 334 00:25:18,569 --> 00:25:21,572 ハリウッド映画に 出てくるような人間は➡ 335 00:25:21,572 --> 00:25:23,574 まあ どこにもいないわけですよ 336 00:25:23,574 --> 00:25:28,579 東京の中で 今という時代の中で➡ 337 00:25:28,579 --> 00:25:30,581 撮らざるをえないですから➡ 338 00:25:30,581 --> 00:25:34,581 そこに出てくる人間が いくら 俳優であれ➡ 339 00:25:36,587 --> 00:25:40,591 曖昧で 多義的たらざる をえないわけですよね 340 00:25:40,591 --> 00:25:45,596 自分が納得できないぐらいが 一番いいのかなとも➡ 341 00:25:45,596 --> 00:25:47,598 どっかで やっぱり… さっき クリント・イーストウッド➡ 342 00:25:47,598 --> 00:25:50,601 『ダーティハリー』を 出しましたけど➡ 343 00:25:50,601 --> 00:25:53,604 あれは あの当時 クリント・イーストウッドが演じて 344 00:25:53,604 --> 00:26:00,544 アメリカ映画の あの中に 奇跡的に いただけで 345 00:26:00,544 --> 00:26:02,546 今 あれと おんなじ人を 東京の街に出すと➡ 346 00:26:02,546 --> 00:26:05,549 これは 頭おかしいですよ 347 00:26:05,549 --> 00:26:07,551 こんな人 いるわけないですね 348 00:26:07,551 --> 00:26:11,555 あの だから んー… 349 00:26:11,555 --> 00:26:16,560 残念ながら出せたら さぞや楽しかろうと思いますけど 350 00:26:16,560 --> 00:26:19,563 今んとこ 出せないですね そんな ハッキリした… 351 00:26:19,563 --> 00:26:23,567 すべてに理由があるような人とか 352 00:26:23,567 --> 00:26:26,570 うん これは素直なところですね 353 00:26:26,570 --> 00:26:28,572 (藤)なるべく… 354 00:26:28,572 --> 00:26:32,576 あんまり よく分かんないものも 残しといたほうが➡ 355 00:26:32,576 --> 00:26:34,578 いいんですよね 356 00:26:34,578 --> 00:26:37,581 なんでもかんでもね その 線引いちゃったら 役者は… 357 00:26:37,581 --> 00:26:40,584 なんか面白くないですもんね 358 00:26:40,584 --> 00:26:45,589 なんか 自分から出てくるものを➡ 359 00:26:45,589 --> 00:26:47,591 出そう 出そうと するんじゃなくて➡ 360 00:26:47,591 --> 00:26:51,595 出てきたものを受け入れる っていうことのほうが➡ 361 00:26:51,595 --> 00:26:55,599 大切なんだなっていうことが 分かって 362 00:26:55,599 --> 00:26:58,602 まあ でも雄二は ホントに面白い… 363 00:26:58,602 --> 00:27:01,539 面白い役でしたね ホントに ええ 364 00:27:01,539 --> 00:27:05,543 これが 中に出てくる まあ 守とか➡ 365 00:27:05,543 --> 00:27:09,547 まったく こう 理解できない 登場人物なんだけども 366 00:27:09,547 --> 00:27:12,550 僕は 特に何もなく 367 00:27:12,550 --> 00:27:14,552 もう 監督が いろいろ指示してくださるんで➡ 368 00:27:14,552 --> 00:27:16,554 それをやってるだけなんですけど 369 00:27:16,554 --> 00:27:19,554 特に難しいことなかったですけど はい 370 00:27:26,564 --> 00:27:29,567 (藤井)「任せた」っていうのが… 「任せた」 フフフッ 371 00:27:29,567 --> 00:27:32,570 これ 覚えてらっしゃいます? いや… 372 00:27:32,570 --> 00:27:34,572 藤原の家の前のシーンなんですが 373 00:27:34,572 --> 00:27:38,576 夜… 夜のシーンの 打ち合わせなんですね 374 00:27:38,576 --> 00:27:40,578 はいはい はいはい 375 00:27:40,578 --> 00:27:42,580 あっ 小林に任せたやつか 376 00:27:42,580 --> 00:27:44,582 (スタッフ)車 来ます ちょっと 車… 377 00:27:44,582 --> 00:27:47,582 それで すいませんが お願いしますっていうんで… 378 00:27:49,587 --> 00:27:51,589 いや マジで 俺 なんも考えてないんだけど➡ 379 00:27:51,589 --> 00:27:53,591 大丈夫よね? (スタッフ)いや 大丈夫ですよ 380 00:27:53,591 --> 00:27:56,594 白石さんにも伝わってるよね? (スタッフ)はい 381 00:27:56,594 --> 00:27:58,596 任せたから はい (スタッフ)はい 382 00:27:58,596 --> 00:28:00,531 (藤井)フフフッ 383 00:28:00,531 --> 00:28:03,534 いや あの… はい 384 00:28:03,534 --> 00:28:06,537 これは そのままなんですけど ええ 385 00:28:06,537 --> 00:28:10,541 あの なんにも考えてなかったので (藤井)はい 386 00:28:10,541 --> 00:28:14,545 んー 小林に… 387 00:28:14,545 --> 00:28:19,550 セカンド助監督である小林に 任せたっていう➡ 388 00:28:19,550 --> 00:28:21,552 まあ そのままなんですけど (藤井)ええ 389 00:28:21,552 --> 00:28:26,557 あの どうにも頭に浮かばない 390 00:28:26,557 --> 00:28:30,561 いろんなパターンがあるけど どの成立のしかたがいいのか➡ 391 00:28:30,561 --> 00:28:33,564 僕も よく分からないという場合➡ 392 00:28:33,564 --> 00:28:35,566 たまにあるんですけど (藤井)ええ 393 00:28:35,566 --> 00:28:40,571 そういう場合 思い切って 自分で くよくよ考えずに➡ 394 00:28:40,571 --> 00:28:43,574 全然 違う人に考えてもらう (藤井)ああ 395 00:28:43,574 --> 00:28:47,578 あの 場合によっては それを全部 俳優さんに➡ 396 00:28:47,578 --> 00:28:50,581 お任せする場合もありますし (スタッフ)小林 笹野さんの➡ 397 00:28:50,581 --> 00:28:52,583 そっちの棚に行く動きから やっとこうか 398 00:28:52,583 --> 00:28:56,587 助監督っていうのは そういう役目も➡ 399 00:28:56,587 --> 00:28:59,523 していいって思ってますから (藤井)ええ 400 00:28:59,523 --> 00:29:01,525 監督が 「どうしても 思いつかないんだよ」って言ったら 401 00:29:01,525 --> 00:29:04,528 それは まさに助けてくれる 402 00:29:04,528 --> 00:29:09,533 そこで物語が大きく違ってしまう とこでしたら➡ 403 00:29:09,533 --> 00:29:12,536 それは意地でも 僕は 考えなければいけないのは➡ 404 00:29:12,536 --> 00:29:15,539 分かってんですけど 時には演出でさえ➡ 405 00:29:15,539 --> 00:29:19,543 まあ 人に任せるとこは任せる… 406 00:29:19,543 --> 00:29:22,543 って感じですね (藤井)ああ 407 00:29:31,555 --> 00:29:35,559 こっちが全然 ホントに ヤな気分にならずに➡ 408 00:29:35,559 --> 00:29:38,562 こう 監督の言うことを 受け入れたいという気持ちに➡ 409 00:29:38,562 --> 00:29:41,565 させてくれるっていうのが あると思うんですけど 410 00:29:41,565 --> 00:29:44,568 そこは やっぱりすごい ありがたいなっていう 411 00:29:44,568 --> 00:29:46,570 あの ホントに 監督の言い方だと➡ 412 00:29:46,570 --> 00:29:49,573 「あっ 僕の言ってること 別にやらなくてもいいんで」➡ 413 00:29:49,573 --> 00:29:53,577 っていうような言い方するから 「いやいや やりましょうよ」って➡ 414 00:29:53,577 --> 00:29:55,577 いう感じになるじゃないですか そうすると (藤井)ええ 415 00:29:59,583 --> 00:30:02,586 着てるのも なかなか 面白いかもしれないね 416 00:30:02,586 --> 00:30:08,592 もし 差し支えなければ投げるの… ええ 大丈夫ですよ 417 00:30:08,592 --> 00:30:12,596 ああいう感じで言われると 非常に なんか こっちは➡ 418 00:30:12,596 --> 00:30:17,601 「はあ」っていうふうに はい 素直になれるかと… 419 00:30:17,601 --> 00:30:19,603 (藤井)こういう感じで おっしゃってるんですが➡ 420 00:30:19,603 --> 00:30:21,605 あるいは あの 「どっちでもいいです」とか➡ 421 00:30:21,605 --> 00:30:23,607 「任せます」とか 結構 おっしゃるんですが➡ 422 00:30:23,607 --> 00:30:25,609 あれは ふだんも大体 ああいった形の演出が➡ 423 00:30:25,609 --> 00:30:27,611 多いわけですか? ええ そうです 424 00:30:27,611 --> 00:30:34,618 で ここが僕の その すごいとこなんですけど 425 00:30:34,618 --> 00:30:36,620 (藤井)はあ フフッ 426 00:30:36,620 --> 00:30:38,622 「どっちでもいいです」 って言ったときは➡ 427 00:30:38,622 --> 00:30:40,624 本当に どっちでもいいんです 428 00:30:40,624 --> 00:30:44,628 その裏に 演出家としての何か すごい作戦がね ないんですよ 429 00:30:44,628 --> 00:30:49,633 もう 素直に言ってるだけ 「どっちでもいい」と ええ 430 00:30:49,633 --> 00:30:51,635 「右ですか 左ですか どっちがいいんですか?」 431 00:30:51,635 --> 00:30:54,638 「僕も どっちでもいいですよ」 と俳優さんが言った場合➡ 432 00:30:54,638 --> 00:30:57,641 「じゃあ 右で」 (藤井)ああ はい 433 00:30:57,641 --> 00:30:59,577 ホント サイコロで 決めるようにっつって➡ 434 00:30:59,577 --> 00:31:02,580 右でやってて まあ カメラマンとかが➡ 435 00:31:02,580 --> 00:31:06,584 「ああ これ 右 行かれると これ 影 出ちゃうな」 436 00:31:06,584 --> 00:31:09,587 「あっ じゃあ ごめん 左」っつって すぐ変えますよね 437 00:31:09,587 --> 00:31:11,589 そうですね ちょっとぐらい 間があってもいいかもしれない 438 00:31:11,589 --> 00:31:13,591 ええ はい 439 00:31:13,591 --> 00:31:15,593 そんときに ちょっと 僕も分かんないんですけども 440 00:31:15,593 --> 00:31:17,595 はい テスト (スタッフ)テスト 441 00:31:17,595 --> 00:31:21,595 はい よーい はい (カチンコの音) 442 00:31:23,601 --> 00:31:25,601 お前 死んでんの? 443 00:31:28,606 --> 00:31:30,606 うっ… 444 00:31:36,614 --> 00:31:40,618 はい (スタッフたち)はい カット 445 00:31:40,618 --> 00:31:42,620 はいはい はい 大丈夫でした? 大丈夫でした? 446 00:31:42,620 --> 00:31:45,620 ええ 大丈夫でした はい はい 447 00:31:49,627 --> 00:31:53,631 まだですか? そっち… (スタッフ)もう つかんで➡ 448 00:31:53,631 --> 00:31:56,634 つかんで もう 気持ちあっても いいかもしれないですね 449 00:31:56,634 --> 00:32:00,571 つかんでる間がですね はい 分かりました 450 00:32:00,571 --> 00:32:03,574 まあ 原理的に すべてに➡ 451 00:32:03,574 --> 00:32:05,576 こだわるわけに いかないわけですから 452 00:32:05,576 --> 00:32:07,578 「呼吸を4回にしてくれ」とかね 453 00:32:07,578 --> 00:32:09,580 アニメーションなら そうせざるをえないでしょうけど 454 00:32:09,580 --> 00:32:11,582 「まばたき 何回しますか?」 みたいな 455 00:32:11,582 --> 00:32:15,586 まあ それはもう 人それぞれですよね 456 00:32:15,586 --> 00:32:17,588 スチャッて戻したい スチャッ 457 00:32:17,588 --> 00:32:19,588 「スチャッ」て なんだか分かんないよね 458 00:32:24,595 --> 00:32:26,595 どうでもいいんですけど はい 459 00:32:35,606 --> 00:32:38,609 (スタッフ)はい じゃあ 本番態勢になってください 460 00:32:38,609 --> 00:32:40,611 (スタッフ)はい それじゃ 次 本番いきますので➡ 461 00:32:40,611 --> 00:32:42,613 本番態勢で お願いします 462 00:32:42,613 --> 00:32:44,615 (無線:スタッフ)雨 お願いします 雨 お願いします 463 00:32:44,615 --> 00:32:47,615 (スタッフたち)雨 お願いします 464 00:33:03,567 --> 00:33:07,571 (スタッフ)はい 本番いきまーす (スタッフ)はい 本番 465 00:33:07,571 --> 00:33:10,571 (スタッフ)本番 よーい はい 466 00:33:17,581 --> 00:33:19,581 (真一郎)仁村君 シート はい 467 00:33:37,601 --> 00:33:39,603 避難しようか はい 468 00:33:39,603 --> 00:33:42,606 メシにしよう はい 469 00:33:42,606 --> 00:33:44,606 そこ 借りちゃおう 470 00:34:00,557 --> 00:34:05,562 (無線:スタッフ)はい カット (スタッフたち)はい カット 471 00:34:05,562 --> 00:34:07,562 (無線:スタッフ)オッケー オッケー… (スタッフたち)オッケーです! 472 00:34:09,566 --> 00:34:11,566 (スタッフ)養生用に 473 00:34:16,573 --> 00:34:18,575 (スタッフ)星野 (星野)はい 474 00:34:18,575 --> 00:34:20,577 (スタッフ)ウエスとか持ってる? (星野)あっ はい あります 475 00:34:20,577 --> 00:34:24,581 今 ここで見てた クラゲが出たあとですけど➡ 476 00:34:24,581 --> 00:34:27,584 軍手を取るんですが その前に 上に こんなもんが➡ 477 00:34:27,584 --> 00:34:29,586 なんで載ってんだか 分かんないんですけど 478 00:34:29,586 --> 00:34:32,589 これを ポーンっと どけたいんですよ はい 479 00:34:32,589 --> 00:34:34,591 で ガラガラガラって いうと思うんですけど➡ 480 00:34:34,591 --> 00:34:36,593 ポーンっと どけて 481 00:34:36,593 --> 00:34:39,596 「雨 やんだみたいですよ」 482 00:34:39,596 --> 00:34:42,599 で 軍手で… 考えてるんです 483 00:34:42,599 --> 00:34:45,602 それで こうなってる なんでかは聞かないでくださいね 484 00:34:45,602 --> 00:34:48,605 はい 雄二って そんなヤツっていう 485 00:34:48,605 --> 00:34:50,607 はい 486 00:34:50,607 --> 00:34:53,610 いや これ 懐かしいな 487 00:34:53,610 --> 00:34:55,612 これは台本にも 何もなくて 488 00:34:55,612 --> 00:35:01,552 撮影の前日の夜かなんかに ふいに思いついた 489 00:35:01,552 --> 00:35:04,555 なんで そんなこと思いついたのか 自分でも分からない 490 00:35:04,555 --> 00:35:07,558 説明ができないんですけど 491 00:35:07,558 --> 00:35:09,560 1つは音なんですね 492 00:35:09,560 --> 00:35:13,564 なんか ある音で 何か その… 493 00:35:13,564 --> 00:35:17,568 クラゲの世界に 引き込まれるようなシーンが➡ 494 00:35:17,568 --> 00:35:21,572 ふいに パッと その 現実に戻りたい 495 00:35:21,572 --> 00:35:25,576 で 雄二が 何か音を出す 496 00:35:25,576 --> 00:35:29,580 ってことを なぜか思いついたんですね 497 00:35:29,580 --> 00:35:31,582 言葉どおりなんですよ 理由が分からないんですよ 498 00:35:31,582 --> 00:35:34,585 なんで そんなことを 思いついたのか (藤井)ああ 499 00:35:34,585 --> 00:35:37,588 「えっ なんで そんなことするんですか?」って➡ 500 00:35:37,588 --> 00:35:39,590 オダギリさんは ひと言も聞かなかったけども➡ 501 00:35:39,590 --> 00:35:41,592 「聞かれちゃ困るな」 と思ったんで➡ 502 00:35:41,592 --> 00:35:44,595 「いや 理由は分からないんだ」って (藤井)ああ そうですか 503 00:35:44,595 --> 00:35:47,598 あらかじめ言った っていうだけですね 504 00:35:47,598 --> 00:35:52,603 やや大げさに言いますと 万事が 僕の演出というかな 505 00:35:52,603 --> 00:35:55,606 「いや 理由っていうのは分からない」 506 00:35:55,606 --> 00:35:58,609 「なんでか そうしてしまった」 507 00:35:58,609 --> 00:36:06,550 「っていうふうに 人間を 動かしていきますね」っていう 508 00:36:06,550 --> 00:36:08,552 えー 今 たまたま 脚を組みましたけど➡ 509 00:36:08,552 --> 00:36:12,556 なんで脚 組んだのかと言われたら 理由ないですからね 510 00:36:12,556 --> 00:36:17,561 えー 人間 生きていて まあ ほとんどの行為は理由がない 511 00:36:17,561 --> 00:36:19,563 ふと立つ ふと座る 512 00:36:19,563 --> 00:36:26,570 まあ そういう 非常に日常的な 僕の感覚に沿って➡ 513 00:36:26,570 --> 00:36:28,572 人にも やってもらうので 514 00:36:28,572 --> 00:36:35,579 黒沢さんが わりと本質的なことを 話すときに言う話が➡ 515 00:36:35,579 --> 00:36:39,583 「いや 人と人は 分かり合おうと思ったらダメだ」と 516 00:36:39,583 --> 00:36:45,589 「だから 理解しようと思うから いろいろ問題が起きるんだ」と 517 00:36:45,589 --> 00:36:48,592 まあ 疑問に思ってることは なるべく答えようとしますが➡ 518 00:36:48,592 --> 00:36:50,594 多くは 「すいません 僕も分かんないです」➡ 519 00:36:50,594 --> 00:36:52,596 つって言うしかないし 520 00:36:52,596 --> 00:36:56,600 撮影に入る前に あまり 今までも 役者の方と➡ 521 00:36:56,600 --> 00:36:59,536 お会いになったことがない っていうことで➡ 522 00:36:59,536 --> 00:37:02,539 まあ いろいろな先入観をね 持たないようにとか➡ 523 00:37:02,539 --> 00:37:05,542 あるんじゃないかと 思うんですけれども 524 00:37:05,542 --> 00:37:07,544 もっとハッキリ言うと 何度も会ってると➡ 525 00:37:07,544 --> 00:37:09,546 こっちのボロが出るんじゃないか っていうね 526 00:37:09,546 --> 00:37:12,549 (藤井)そうですか ええ でも ありますよね 527 00:37:12,549 --> 00:37:15,552 あんまり聞かれても 答えられなかったりしてとか 528 00:37:15,552 --> 00:37:19,556 うん 向こうが すごく不信感を 持つんじゃないかしらっていう 529 00:37:19,556 --> 00:37:22,559 それも大きいですよね 530 00:37:22,559 --> 00:37:27,564 現場だと 「すいません 理由ないんですけど」➡ 531 00:37:27,564 --> 00:37:29,566 って言えますけど➡ 532 00:37:29,566 --> 00:37:32,569 何か月も前に 「すいません 理由ないんですけど」って➡ 533 00:37:32,569 --> 00:37:34,571 「じゃあ 理由は考えといて ください」とか言われると➡ 534 00:37:34,571 --> 00:37:36,573 困るよねっていう 535 00:37:36,573 --> 00:37:38,575 完成度の高いもの 作るためにね➡ 536 00:37:38,575 --> 00:37:40,577 監督が何を考えてらっしゃるのか 537 00:37:40,577 --> 00:37:44,581 何を撮りたいのかっていうと みんな 探ってますからね 538 00:37:44,581 --> 00:37:47,584 今までと ちょっと違う っていうふうに➡ 539 00:37:47,584 --> 00:37:49,586 こう 実感できるようなことを➡ 540 00:37:49,586 --> 00:37:51,588 してもらいたい っていうのがあったので➡ 541 00:37:51,588 --> 00:37:55,592 随分 早い段階 第1稿が書き上がった段階で➡ 542 00:37:55,592 --> 00:37:57,594 皆さんに 会ってもらうことにしました 543 00:37:57,594 --> 00:38:05,535 えー ディスカッションして 役を煮詰めていくとかいうのが➡ 544 00:38:05,535 --> 00:38:07,535 ホント 苦手なんですよ 545 00:38:09,539 --> 00:38:15,545 ディスカッションすればするほど それって ウソっぽくなっていく 546 00:38:15,545 --> 00:38:19,549 つまり 僕が一番 イヤだと思っている理由が➡ 547 00:38:19,549 --> 00:38:21,551 どんどん ハッキリしていく➡ 548 00:38:21,551 --> 00:38:24,554 のではないかという 恐怖があるんですね 549 00:38:24,554 --> 00:38:27,557 でね 監督は 浅野さんに お会いしたときはね➡ 550 00:38:27,557 --> 00:38:30,560 かなり緊張してたんじゃないかな と思ったんですね うん 551 00:38:30,560 --> 00:38:34,564 なんか あの… 何か変わったことを➡ 552 00:38:34,564 --> 00:38:37,567 聞かれたり 言われたりするのかな っていう予測が➡ 553 00:38:37,567 --> 00:38:39,569 もしかすると あったのかしれませんけども 554 00:38:39,569 --> 00:38:41,571 で 黒沢さんのほうから 浅野さんに➡ 555 00:38:41,571 --> 00:38:44,574 「何か ご質問ありますか? 脚本について」って聞いたら➡ 556 00:38:44,574 --> 00:38:48,578 浅野さん 「いや 特にないです」 って ひと言➡ 557 00:38:48,578 --> 00:38:50,580 おっしゃっただけだったんですね 558 00:38:50,580 --> 00:38:54,584 で 黒沢さんは 「うわー」って 「なんか すごい人だな」➡ 559 00:38:54,584 --> 00:38:57,587 っていう気持ちに なったんじゃないかと思いますね 560 00:38:57,587 --> 00:39:00,524 まあ 僕も あんま考えてないんで 561 00:39:00,524 --> 00:39:02,526 どんなヤツでもいいのかな と思って 562 00:39:02,526 --> 00:39:05,529 あとは もう見る人が たぶん 決めてくれるのと➡ 563 00:39:05,529 --> 00:39:09,533 監督の中で きっと 監督なりの答えがあるので 564 00:39:09,533 --> 00:39:12,536 込み入ったことまで話しちゃうと 面白くないしね 565 00:39:12,536 --> 00:39:15,539 なんか こう んー… 566 00:39:15,539 --> 00:39:17,541 縮こましくなっちゃいますからね 567 00:39:17,541 --> 00:39:20,544 まず現場に 一歩 入ってみないと こういうものって分からないし 568 00:39:20,544 --> 00:39:22,546 そういうこと… 569 00:39:22,546 --> 00:39:26,550 全然 今でも たぶん 分かってないとは思うんですけど 570 00:39:26,550 --> 00:39:29,553 なんか… 571 00:39:29,553 --> 00:39:34,558 でも 前みたいに➡ 572 00:39:34,558 --> 00:39:39,563 考えたりすることも まったく なくなってきたし 573 00:39:39,563 --> 00:39:44,568 なんのために あんなに考えたり 悩んだりしてたのかっていうのが 574 00:39:44,568 --> 00:39:47,568 まったく分かんないですね 575 00:39:53,577 --> 00:40:00,584 企画だけで言うと 大半が そういう… 576 00:40:00,584 --> 00:40:04,588 7割ぐらいは そういう ジャンル性のあるものですね 577 00:40:04,588 --> 00:40:06,590 8割かな 578 00:40:06,590 --> 00:40:12,596 ジャンルが ハッキリあったほうが 僕は ずっと やりやすいし➡ 579 00:40:12,596 --> 00:40:16,600 自分に もし 作家性があるんだとしたら➡ 580 00:40:16,600 --> 00:40:19,603 ジャンルが ハッキリしたほうが 作家性は発揮しやすいです 581 00:40:19,603 --> 00:40:28,612 それはジャンルが規定する ある型と➡ 582 00:40:28,612 --> 00:40:33,617 そうはしない ここはそうする っていう 自分の作家としての➡ 583 00:40:33,617 --> 00:40:35,619 ポジションを すごく取りやすいんですよ 584 00:40:35,619 --> 00:40:39,623 「私の考えるホラーは これだ」 とかね 今回は… 585 00:40:39,623 --> 00:40:41,625 ホラーじゃないジャンルの映画 586 00:40:41,625 --> 00:40:45,629 そして 人の気持ちが グッと全面に出たような映画を➡ 587 00:40:45,629 --> 00:40:50,634 撮ってみてもらいたいなっていう 気持ちが すごくあって 588 00:40:50,634 --> 00:40:53,637 「ノンジャンルでいきたい」 589 00:40:53,637 --> 00:40:56,640 逆に 困ったんですね 590 00:40:56,640 --> 00:40:58,642 なんでもありなわけですよ (藤井)まあ そうですね 591 00:40:58,642 --> 00:41:02,579 ええ あの… 592 00:41:02,579 --> 00:41:09,586 僕が どこにいるのか まったく フニャフニャしていて 593 00:41:09,586 --> 00:41:14,591 客が どういうつもりで この映画を見に来るのか 594 00:41:14,591 --> 00:41:16,593 皆目 見当もつかない 595 00:41:16,593 --> 00:41:18,595 単なる ムチャクチャに… 596 00:41:18,595 --> 00:41:20,597 いとも簡単に なってしまうんですね 597 00:41:20,597 --> 00:41:22,599 で それはそれで たやすいんですけど 598 00:41:22,599 --> 00:41:24,601 ムチャクチャにするのは 599 00:41:24,601 --> 00:41:29,606 まあ ある方向で まとめようとするわけですけど➡ 600 00:41:29,606 --> 00:41:32,609 ただ まとめると 面白くも おかしくもない映画に➡ 601 00:41:32,609 --> 00:41:34,611 なってしまうんですね 602 00:41:34,611 --> 00:41:37,614 そのバランスは ひとえに 自分で取らざるをえない 603 00:41:37,614 --> 00:41:40,617 ジャンルからは撮れないんですよ 604 00:41:40,617 --> 00:41:42,619 普通こうするだろってのは ないんですよ 605 00:41:42,619 --> 00:41:46,623 この手が 一番難しいです 606 00:41:46,623 --> 00:41:48,625 やってて つらい 607 00:41:48,625 --> 00:41:51,628 (藤井)つらかったですか? つらかったですね ええ 608 00:41:51,628 --> 00:41:53,628 あのー… 609 00:41:56,633 --> 00:41:59,569 変に抑制しちゃうんですよね 自分を 610 00:41:59,569 --> 00:42:02,569 あの ムチャクチャに なっちゃいけないっていうんで 611 00:42:14,584 --> 00:42:18,588 (スタッフ)そうですね くっついていないです 612 00:42:18,588 --> 00:42:21,591 2人いるの 分かります? あっ いいですね 613 00:42:21,591 --> 00:42:23,593 (スタッフ)ええ このぐらいのほうが 614 00:42:23,593 --> 00:42:26,596 はい じゃあ えーっと おおよそ こういう体勢で 615 00:42:26,596 --> 00:42:30,600 じゃあ ちょっと はい 616 00:42:30,600 --> 00:42:34,604 なんか ある? 包丁みたいな… 617 00:42:34,604 --> 00:42:36,606 (スタッフ) いや 余計にキツいかもしれない 618 00:42:36,606 --> 00:42:38,608 薄いほうがいいかも うん (スタッフ)あっ そうなんだ 619 00:42:38,608 --> 00:42:40,608 お茶でいいんですかね 620 00:42:42,612 --> 00:42:45,612 (笹野)遠慮なくやってください はい 621 00:42:47,617 --> 00:42:49,619 いや この上に 血のり 置きますがね 622 00:42:49,619 --> 00:42:53,623 (笹野)あっ なるほどね ええ これは下地です 下塗りです 623 00:42:53,623 --> 00:42:55,625 ちょっと かけますから (笹野)どうぞ 624 00:42:55,625 --> 00:42:57,627 冷たいです 625 00:42:57,627 --> 00:43:01,564 (藤井) このへん もう かなり慣れた 手つきで いらっしゃって 626 00:43:01,564 --> 00:43:03,566 まあ こういうシーンは 慣れているっていうことも➡ 627 00:43:03,566 --> 00:43:05,568 大きいんですけど 628 00:43:05,568 --> 00:43:07,570 まあ これも スタジオといえば スタジオだったけども➡ 629 00:43:07,570 --> 00:43:12,575 まあ 一応 普通の一軒家で 俳優さんもいて 630 00:43:12,575 --> 00:43:15,578 こういうとこで 血のりをつけるっていうときって 631 00:43:15,578 --> 00:43:18,581 まあ 助監督も美術部も 躊躇するんですよ 632 00:43:18,581 --> 00:43:24,587 ただ 躊躇してはいけないので たっぷり要るときは たっぷりだ 633 00:43:24,587 --> 00:43:27,590 そういうとき 僕が率先して ザーッとやると➡ 634 00:43:27,590 --> 00:43:30,593 「ああ やっていいんだ」って つまり➡ 635 00:43:30,593 --> 00:43:35,598 「汚した責任 僕 取りますから」 っていう姿勢が強いですね 636 00:43:35,598 --> 00:43:39,602 (藤井)監督が かなり楽しそうだな という印象を 僕は抱いたんですが 637 00:43:39,602 --> 00:43:41,604 ええ 638 00:43:41,604 --> 00:43:45,608 ええ あの 楽しいっていうか 639 00:43:45,608 --> 00:43:47,610 いや 誰がやっても これ 楽しいと思いますよ 640 00:43:47,610 --> 00:43:49,612 だって 普通 汚しちゃいけないとこに➡ 641 00:43:49,612 --> 00:43:51,614 バーって 赤いもん まいたりするわけでね 642 00:43:51,614 --> 00:43:54,617 ええ そんな楽しそうでした? (藤井)楽しそうでしたね 643 00:43:54,617 --> 00:43:56,619 ははあ まあ そうですね 644 00:43:56,619 --> 00:44:00,557 あの この映画で 唯一 血が出るとこですから 645 00:44:00,557 --> 00:44:02,557 ええ あの… 646 00:44:04,561 --> 00:44:06,561 ええ はい 楽しみました 647 00:44:08,565 --> 00:44:10,567 とろ… とろーっと もう 648 00:44:10,567 --> 00:44:14,567 ああ はいはいはい そういうこと この辺も いってみましょうかね 649 00:44:18,575 --> 00:44:20,575 やっぱ垂らしたほうが… 650 00:44:29,586 --> 00:44:31,588 ええ 気持ちだけ 651 00:44:31,588 --> 00:44:35,592 「もう 俺は殺してやる」 っていうことなんですが➡ 652 00:44:35,592 --> 00:44:38,595 それを あの 今以上に➡ 653 00:44:38,595 --> 00:44:41,598 無理やり 表情で作ろうと しないほうがいいです はい 654 00:44:41,598 --> 00:44:44,601 ええ 今でもオッケーなんですが 今以上に 本番だからって➡ 655 00:44:44,601 --> 00:44:46,603 こうやって 作りすぎないほうがいいです 656 00:44:46,603 --> 00:44:49,606 分かりました はい 657 00:44:49,606 --> 00:44:51,608 はい では次 本番いきますよ 658 00:44:51,608 --> 00:44:57,614 現代の東京を舞台に 人間と人間がある葛藤 659 00:44:57,614 --> 00:45:03,553 しかも それが肉体的な 表現として成立する➡ 660 00:45:03,553 --> 00:45:08,553 葛藤を演じるときって やっぱり んー… 661 00:45:10,560 --> 00:45:14,564 どっかでね まあ 暴力的な表現 662 00:45:14,564 --> 00:45:20,570 殺しっていうものに 還元されていきますね 663 00:45:20,570 --> 00:45:24,570 それでもう それは絶対的な対立ですね 664 00:45:26,576 --> 00:45:28,578 (浅井)まあ 黒沢さんが この映画ん中で➡ 665 00:45:28,578 --> 00:45:31,581 登場人物を殺すんですけれども➡ 666 00:45:31,581 --> 00:45:35,585 台本を書いてて 打ち合わせしてるときでも➡ 667 00:45:35,585 --> 00:45:40,590 「なんで彼らは殺されるのか」 「あまりにも普通だから」 668 00:45:40,590 --> 00:45:42,592 えー どういうことかっていうと➡ 669 00:45:42,592 --> 00:45:44,594 決して その 普通の生活してる人を➡ 670 00:45:44,594 --> 00:45:46,596 彼は憎んでるわけじゃない 671 00:45:46,596 --> 00:45:51,601 普通に いい気持ちで 生活をしたいっていう気持ちと➡ 672 00:45:51,601 --> 00:45:54,604 どっか それと裏腹な なんか狂気を持ってる 673 00:45:54,604 --> 00:45:56,606 で それがまあ ある種➡ 674 00:45:56,606 --> 00:46:00,543 芸術的なものを作らせたりする 原動力になったり 675 00:46:00,543 --> 00:46:03,546 あるいは こう 普通の生活の中でも➡ 676 00:46:03,546 --> 00:46:05,548 なんか 毎日のルーティンを 壊していくような➡ 677 00:46:05,548 --> 00:46:08,551 心の動きになったりするんだと 思うけど 678 00:46:08,551 --> 00:46:14,557 まったく それをない人を なんか 監督は憎んでるなと 679 00:46:14,557 --> 00:46:17,560 恐ろしく憎んでるんだな っていう気がして 680 00:46:17,560 --> 00:46:22,565 まあ 人種間の対立とか それは ほかの国では もう➡ 681 00:46:22,565 --> 00:46:27,570 それは 本気で戦争してる 宗教間の対立とか➡ 682 00:46:27,570 --> 00:46:31,574 もっと深刻な状況が 世界ではあるのは知っています 683 00:46:31,574 --> 00:46:36,579 なかなか それで現代の日本で ドラマって作れないですよね 684 00:46:36,579 --> 00:46:38,581 なくはないんだけど 発想できなくて 685 00:46:38,581 --> 00:46:42,581 なんでもないような 普通に生きてるような人たちが➡ 686 00:46:44,587 --> 00:46:49,592 よーく見てみると 決定的な対立を生きていて 687 00:46:49,592 --> 00:46:52,595 なんかのきっかけで どっちかが どっちかを殺すまでに 688 00:46:52,595 --> 00:46:54,597 それは あっという間に 発展しますよっていう➡ 689 00:46:54,597 --> 00:46:56,597 ドラマですかね 690 00:47:00,537 --> 00:47:02,539 (黒沢・スタッフたち) ありがとうございました 691 00:47:02,539 --> 00:47:07,539 (スタッフ)はい 本日 以上です (一同)お疲れさまでした 692 00:47:19,556 --> 00:47:21,558 僕が やはり➡ 693 00:47:21,558 --> 00:47:26,563 やりたくない 人間ドラマというのは➡ 694 00:47:26,563 --> 00:47:29,566 人間の心理のドラマなんですよね 695 00:47:29,566 --> 00:47:33,570 人間の心と心が 葛藤するようなドラマが➡ 696 00:47:33,570 --> 00:47:35,572 イヤなんですよね 697 00:47:35,572 --> 00:47:40,577 人間の肉体が葛藤するドラマは 全然オッケーで➡ 698 00:47:40,577 --> 00:47:45,582 人間の 非常に 肉体を通じて➡ 699 00:47:45,582 --> 00:47:50,587 ある葛藤が見えてくるものは➡ 700 00:47:50,587 --> 00:47:52,589 ロバート・アルドリッチが そうですし 701 00:47:52,589 --> 00:47:54,591 俳優に対しての演出もそうで➡ 702 00:47:54,591 --> 00:47:58,595 一見 演出は ほとんどしてないですよ 703 00:47:58,595 --> 00:48:00,530 あの どこで立ってとか➡ 704 00:48:00,530 --> 00:48:04,534 そういう なんか 位置 動きだけを指示してて 705 00:48:04,534 --> 00:48:07,537 実際 映ってんのは肉体なわけです 706 00:48:07,537 --> 00:48:12,542 あの 文字で書けば別ですよ 人間の心理は書けますけど 707 00:48:12,542 --> 00:48:14,544 誰が どう見ても映ってるのは➡ 708 00:48:14,544 --> 00:48:17,547 肉体なのは分かってんですよね 映画ですから 709 00:48:17,547 --> 00:48:19,549 ところが そこに心理が表れてっていったら 710 00:48:19,549 --> 00:48:22,552 なんらかの欺瞞 ウソがあるんですよ 711 00:48:22,552 --> 00:48:29,559 で 今回も 基本的には肉体 顔も含めてですけど 712 00:48:29,559 --> 00:48:36,566 ある肉体としての人間が 描かれていればいい 713 00:48:36,566 --> 00:48:39,569 と思って作り始めてる 714 00:48:39,569 --> 00:48:41,571 今も そうしてるつもりなんですが➡ 715 00:48:41,571 --> 00:48:47,577 見ている人が ともすると 心理の側に引き込まれてしまう 716 00:48:47,577 --> 00:48:51,581 それは俳優さんの力が すごかった っていうのもあるんですけど 717 00:48:51,581 --> 00:48:53,583 変な言い方なんですけど➡ 718 00:48:53,583 --> 00:48:56,586 ここまでになると 思わなかったですね 719 00:48:56,586 --> 00:49:00,523 あの 編集したものを 自分で見ても➡ 720 00:49:00,523 --> 00:49:02,525 心理に引き込まれるんですよ 721 00:49:02,525 --> 00:49:07,530 (野下)あまり あの 人の感情が 全面的に むき出しになってる➡ 722 00:49:07,530 --> 00:49:11,534 強く表に出てきてる映画 っていうのを➡ 723 00:49:11,534 --> 00:49:13,536 撮られるタイプの 監督ではなかったので➡ 724 00:49:13,536 --> 00:49:17,540 逆に 感情に 支配されてるような人を➡ 725 00:49:17,540 --> 00:49:20,543 描いてみてもらいたいな っていうふうに思ったのが➡ 726 00:49:20,543 --> 00:49:22,545 黒沢さんを選んだ 理由だったと思います 727 00:49:22,545 --> 00:49:25,548 まあ ある程度 それは狙いもしましたけど 728 00:49:25,548 --> 00:49:29,552 でも これ 引き込まれすぎなんじゃないかな 729 00:49:29,552 --> 00:49:33,556 あの もっと 肉体を見せたいのに っていうんで➡ 730 00:49:33,556 --> 00:49:38,561 編集では かなり 心理のドラマを➡ 731 00:49:38,561 --> 00:49:42,565 断ち切るような形に もってってんですけど➡ 732 00:49:42,565 --> 00:49:44,567 えー それでも やっぱりね➡ 733 00:49:44,567 --> 00:49:50,573 結構 濃密な心理ドラマが 展開していて 734 00:49:50,573 --> 00:49:53,576 んー… 735 00:49:53,576 --> 00:49:56,579 まあ あと… 736 00:49:56,579 --> 00:49:59,582 これを まあ やみくもに断ち切ってっても➡ 737 00:49:59,582 --> 00:50:01,584 単なる ムチャクチャになるので➡ 738 00:50:01,584 --> 00:50:05,588 んー 心理ドラマは心理ドラマで➡ 739 00:50:05,588 --> 00:50:11,594 まあまあ あー… それはそれで生かしつつ➡ 740 00:50:11,594 --> 00:50:18,601 一方で それを凌駕するような 肉体のドラマのほうに➡ 741 00:50:18,601 --> 00:50:22,605 目を向けさせたいって 今は思ってんですけどね 742 00:50:22,605 --> 00:50:25,608 まあ 最終的に 音楽とか 音も入って➡ 743 00:50:25,608 --> 00:50:29,612 ある程度 そうなればいいなと 思ってんですけど 744 00:50:29,612 --> 00:50:33,616 んー… 745 00:50:33,616 --> 00:50:36,619 いや こん… そうなんですよ 746 00:50:36,619 --> 00:50:38,621 困ってんですよね 747 00:50:38,621 --> 00:50:42,625 「頑固な人だな」と思うことは 何度もあったんですね 748 00:50:42,625 --> 00:50:47,630 で あの 論理的に 話をされるので➡ 749 00:50:47,630 --> 00:50:50,633 ついつい いつも 監督の その話➡ 750 00:50:50,633 --> 00:50:53,636 会話の中に巻き込まれていって➡ 751 00:50:53,636 --> 00:50:56,639 最初 まあ私は 全然 論理的なタイプじゃないから➡ 752 00:50:56,639 --> 00:50:58,641 「なんで 監督 どうして?」 っていう感じで➡ 753 00:50:58,641 --> 00:51:01,577 始まってるんですけれども いつの間にか➡ 754 00:51:01,577 --> 00:51:04,580 「なるほどね」って言って 監督の話で➡ 755 00:51:04,580 --> 00:51:07,583 「うん 納得」っていうふうに 終わる場面が➡ 756 00:51:07,583 --> 00:51:10,583 何度も何度も あったような気がします 757 00:51:17,593 --> 00:51:19,595 (浅井)女性が ほとんど出てこない 758 00:51:19,595 --> 00:51:25,601 ある意味 女性のセンスで 選ばれてるキャスティングであり 759 00:51:25,601 --> 00:51:29,601 今回の 男3人が出てくる 映画っていうのは➡ 760 00:51:31,607 --> 00:51:34,610 組み合わせとして すごい カッコイイなと思うし 761 00:51:34,610 --> 00:51:39,615 あの 色気のある映画にしたいな っていう気持ちがあったんですね 762 00:51:39,615 --> 00:51:42,618 だから もちろん 藤さんも そうなんですけれども➡ 763 00:51:42,618 --> 00:51:46,622 何か こう そこはかとなく 男の人としての色気が➡ 764 00:51:46,622 --> 00:51:49,625 あの 出るような人たちと➡ 765 00:51:49,625 --> 00:51:52,628 ご一緒できたら っていう気持ちがありました 766 00:51:52,628 --> 00:51:55,631 オダギリさんに お願いしようと 思ったきっかけは➡ 767 00:51:55,631 --> 00:51:58,634 すごく色気がある人だな と思ったことと➡ 768 00:51:58,634 --> 00:52:01,571 自分で 何かをこう 見極めたいって思ってるような➡ 769 00:52:01,571 --> 00:52:04,574 若い人に思えたんですね 770 00:52:04,574 --> 00:52:06,576 で 一目 会ったときから➡ 771 00:52:06,576 --> 00:52:08,578 これはもう 監督の言葉ですけれども➡ 772 00:52:08,578 --> 00:52:11,581 「もはや オダギリさん以外 考えられない」っていうくらいに 773 00:52:11,581 --> 00:52:16,586 ホントに 初の主演を やらせていただけるということで 774 00:52:16,586 --> 00:52:19,589 台本も すごく面白かったですし➡ 775 00:52:19,589 --> 00:52:23,593 監督も 黒沢 清監督ということで➡ 776 00:52:23,593 --> 00:52:25,595 もちろん 浅野さん 藤さんと➡ 777 00:52:25,595 --> 00:52:27,597 共演できる っていうものだったんで➡ 778 00:52:27,597 --> 00:52:30,600 自分でも もう気合いが 入りまくっちゃって 779 00:52:30,600 --> 00:52:33,603 とにかく 自分が持ってる力の 倍ぐらいは出していきたい➡ 780 00:52:33,603 --> 00:52:35,605 っていうふうな 781 00:52:35,605 --> 00:52:37,607 まあ 今回 特に驚いたのは➡ 782 00:52:37,607 --> 00:52:41,611 その 僕 北村さんが 衣装 入ってくれるっていうの➡ 783 00:52:41,611 --> 00:52:43,613 知らないで 衣装合わせ 行ってたから➡ 784 00:52:43,613 --> 00:52:46,616 「あれっ」と思って また北村さんが やってくれると思って 785 00:52:46,616 --> 00:52:50,620 それでまあ 結構 だから… 786 00:52:50,620 --> 00:52:53,623 僕もまあ 全然 衣装とか イメージしてなかったから➡ 787 00:52:53,623 --> 00:52:55,625 「ああ そっか 雄二って こういう服 着てたんだ」➡ 788 00:52:55,625 --> 00:52:57,627 っていうのを 僕が なんか知らされちゃった➡ 789 00:52:57,627 --> 00:52:59,562 っていうような感じがあって 790 00:52:59,562 --> 00:53:02,565 ある意味で 衣装が ウイークポイントでもあるようなことを➡ 791 00:53:02,565 --> 00:53:04,567 監督が おっしゃってたんで 792 00:53:04,567 --> 00:53:07,570 で 幸い 北村道子さんが台本を とっても気に入ってくださって 793 00:53:07,570 --> 00:53:10,573 それから メインキャストの3人のことも とても気に入ってくださって 794 00:53:10,573 --> 00:53:13,576 北村さんも 黒沢さんも 初顔合わせだったんですけれども 795 00:53:13,576 --> 00:53:18,581 お互いを ものすごく信頼している っていうことが もう➡ 796 00:53:18,581 --> 00:53:20,583 すごく伝わってきて 797 00:53:20,583 --> 00:53:23,586 北村さんが まず ものすごく パワフルな人だっていうことが ひとつ 798 00:53:23,586 --> 00:53:26,589 そのパワーに 監督が触発された➡ 799 00:53:26,589 --> 00:53:28,591 っていうことも あったと思いますし 800 00:53:28,591 --> 00:53:32,595 んー パワーは ええ ありますよ 801 00:53:32,595 --> 00:53:36,599 (野下)あと あの 台本を ものすごく深く読んでこられて 802 00:53:36,599 --> 00:53:38,601 私たちでも 指摘できなかったようなことを➡ 803 00:53:38,601 --> 00:53:40,603 北村さんが 何度も何度も 804 00:53:40,603 --> 00:53:44,607 衣装 一つ一つに対しての なんですかね 805 00:53:44,607 --> 00:53:46,609 考えがあったりとか 意味があったりとかするから 806 00:53:46,609 --> 00:53:48,611 (北村)で 強引に 私がしゃべりまくった➡ 807 00:53:48,611 --> 00:53:50,613 っていうとこですよね (藤井)ああ 808 00:53:50,613 --> 00:53:53,616 (北村)私は ちょっと セクシュアル入れてますよね 809 00:53:53,616 --> 00:53:55,618 あの 守と雄二には 810 00:53:55,618 --> 00:53:58,621 それは なんなのか分かんないけど 811 00:53:58,621 --> 00:54:00,556 そこ 男だったら たぶん できないところに➡ 812 00:54:00,556 --> 00:54:02,558 女の衣装が ちょっと➡ 813 00:54:02,558 --> 00:54:04,560 デッドラインを穴開けてる➡ 814 00:54:04,560 --> 00:54:08,564 ってとこじゃないんですかね ええ 815 00:54:08,564 --> 00:54:10,566 役が また変わってきたり するんですよね そういう 816 00:54:10,566 --> 00:54:12,568 服 着てるだけで 雰囲気が変わるんではなくて➡ 817 00:54:12,568 --> 00:54:15,571 考えが変わってくるから それは すごい面白いですね 818 00:54:15,571 --> 00:54:18,574 (北村)全部 それは 監督だなと思ってんですよね 819 00:54:18,574 --> 00:54:22,578 黒沢監督の分身なんだろうと 思ってんですよね 820 00:54:22,578 --> 00:54:27,583 で その中で 守の黒いコートは 監督からインスパイアされた➡ 821 00:54:27,583 --> 00:54:29,585 黒いコートを入れてるんですよね 822 00:54:29,585 --> 00:54:31,587 (藤井)あっ 監督の (北村)ええ 黒の世界 823 00:54:31,587 --> 00:54:33,589 私が監督と会ったときも➡ 824 00:54:33,589 --> 00:54:38,594 監督は タバコを吸い続け 真っ黒な世界だったから 825 00:54:38,594 --> 00:54:42,598 黒沢監督で この脚本だから そういう 映画でしか出せない➡ 826 00:54:42,598 --> 00:54:45,601 ムードっていうものが 作れるんじゃないかなと思って➡ 827 00:54:45,601 --> 00:54:48,601 参加したつもりなんで ホントに そこだけが はい 828 00:54:56,612 --> 00:55:00,549 クラゲにしても 何を考えてんのか➡ 829 00:55:00,549 --> 00:55:03,552 全然 分からないわけなんだけども 830 00:55:03,552 --> 00:55:09,558 ただ そういった連中っていうのは なんか非常に 黒沢さんの中に➡ 831 00:55:09,558 --> 00:55:12,558 どっか分身として あるような気はするんですよね 832 00:55:14,563 --> 00:55:18,567 結構 小さいころから なんとなく惹かれていたのは➡ 833 00:55:18,567 --> 00:55:22,571 裏で操作する 自分は表に出ない 834 00:55:22,571 --> 00:55:24,573 私も結構パンクなんだけど 一番… 835 00:55:24,573 --> 00:55:27,576 一番 そういう危険なものを はらんでるのは➡ 836 00:55:27,576 --> 00:55:29,578 監督なんじゃないのかな 837 00:55:29,578 --> 00:55:32,581 つまり 目立つヤツいるわけですよ クラスでも 838 00:55:32,581 --> 00:55:35,584 「あいつを裏から操作したい」 っていうね 839 00:55:35,584 --> 00:55:38,587 それ ありましたね うん (藤井)ああ 840 00:55:38,587 --> 00:55:41,590 仕組んどいて なんか やらせて➡ 841 00:55:41,590 --> 00:55:45,594 自分は それを影で… 結果 影で見てるみたいなね 842 00:55:45,594 --> 00:55:47,596 環境は 843 00:55:47,596 --> 00:55:50,596 そういうのはありましたね 確かに 844 00:55:52,601 --> 00:55:56,605 まあ 幅広く言うと それって ディレクションなんでしょうね 845 00:55:56,605 --> 00:55:58,607 ええ 846 00:55:58,607 --> 00:56:03,607 そんなんが こう… こうなっちゃったのかね ええ 847 00:56:07,550 --> 00:56:14,557 (浅井)黒沢監督の中には 狂気がいっぱい潜まれてるね 848 00:56:14,557 --> 00:56:17,560 だから 面白くて 全然 意味ないんだけど➡ 849 00:56:17,560 --> 00:56:19,562 監督が60ぐらいになってると➡ 850 00:56:19,562 --> 00:56:21,564 真一郎じゃないかなと 思ってるんですよ 851 00:56:21,564 --> 00:56:24,567 ヒゲから この骨格 職人的な骨格 852 00:56:24,567 --> 00:56:30,573 それを ワーッと20代まで 痩せ細ってくと 雄二になってく 853 00:56:30,573 --> 00:56:33,576 で ちょっと 一重にして 危険になってくると➡ 854 00:56:33,576 --> 00:56:35,578 それは なんか 守になってくんですよね 855 00:56:35,578 --> 00:56:37,580 分身だなって感じで 856 00:56:37,580 --> 00:56:40,583 所詮 シナリオが 違う人が書いてるんだったら➡ 857 00:56:40,583 --> 00:56:43,586 違うんだけども 監督のシナリオなんで➡ 858 00:56:43,586 --> 00:56:45,588 やっぱ そんなもんじゃないの 859 00:56:45,588 --> 00:56:49,592 で それをホントは 監督が全部やることなんだけども 860 00:56:49,592 --> 00:56:53,596 ちょっと 手の届かない部分を キュッキュッキュってやりながら 861 00:56:53,596 --> 00:56:57,600 ちょっと スケベっぽくしてるのが 私なんじゃないかな 862 00:56:57,600 --> 00:57:00,536 どうでしょうか? はいはい 863 00:57:00,536 --> 00:57:03,539 そこまで観察されてるとは 思ってなかったですね 864 00:57:03,539 --> 00:57:05,541 ただ やっぱ鋭いですね 865 00:57:05,541 --> 00:57:07,543 藤さんも オダギリさんも 浅野さんも➡ 866 00:57:07,543 --> 00:57:12,548 本人は違うんですけども まあ 脚本で書いた➡ 867 00:57:12,548 --> 00:57:17,553 3人っていうのは これはもう どっか僕なんですよ 868 00:57:17,553 --> 00:57:19,555 それはね 別に 褒めたことじゃなくて➡ 869 00:57:19,555 --> 00:57:23,559 それは もう書けないですよ 全然 他人を 870 00:57:23,559 --> 00:57:25,561 重要な人物であればあるほど 871 00:57:25,561 --> 00:57:30,566 それは僕の脚本を書く 力の限界なんですけども 872 00:57:30,566 --> 00:57:33,569 うーん 悲しいかな 僕自身を越えられないんですよ 873 00:57:33,569 --> 00:57:35,571 脚本では ええ 874 00:57:35,571 --> 00:57:37,573 で それを越えてくれるのが 衣装であったり➡ 875 00:57:37,573 --> 00:57:39,575 俳優さんであったり するわけですね 876 00:57:39,575 --> 00:57:42,578 それはもう 北村さんの おっしゃるとおりなんですよ 877 00:57:42,578 --> 00:57:46,582 たかが 僕の頭から 出てきただけの人物が➡ 878 00:57:46,582 --> 00:57:50,586 堂々としたね そこに存在する 人物になってくってことですね 879 00:57:50,586 --> 00:57:52,588 脚本を忠実に 再現するんじゃなくて➡ 880 00:57:52,588 --> 00:57:55,591 それをこう どんどん その境界線を➡ 881 00:57:55,591 --> 00:58:00,529 さらに広げていこうという スタッフのありようってのは➡ 882 00:58:00,529 --> 00:58:04,529 もうホントに 頭が下がりますね ええ 883 00:58:10,539 --> 00:58:13,542 一見 演出は ほとんどしてないですよね 884 00:58:13,542 --> 00:58:15,544 あの どこで立ってとか➡ 885 00:58:15,544 --> 00:58:20,549 そういう なんか 位置 動きだけを指示してて 886 00:58:20,549 --> 00:58:22,551 あとは その俳優が どういうふうに➡ 887 00:58:22,551 --> 00:58:26,555 監督自身が書いた台本を 読み込んでくるか 888 00:58:26,555 --> 00:58:29,558 で それを なんかこう… 889 00:58:29,558 --> 00:58:32,561 一種のセッションとして 撮影をする 890 00:58:32,561 --> 00:58:35,564 っていうのを楽しんでる というように見えたし 891 00:58:35,564 --> 00:58:40,569 だから そのセッションには 俳優も参加し カメラマンも参加し 892 00:58:40,569 --> 00:58:46,575 えー 衣装 美術 さまざまな そこにスタッフが参加している 893 00:58:46,575 --> 00:58:48,577 (藤)的確ですよ 894 00:58:48,577 --> 00:58:50,579 なんとか こうね みんなで つかもう つかもうって 895 00:58:50,579 --> 00:58:53,582 全セクションがね 一生懸命になるわけで 896 00:58:53,582 --> 00:58:56,585 ということになれば そんな 難しいこともね 起きないしね 897 00:58:56,585 --> 00:58:59,521 やっぱ 映画の現場って もう変な人がいっぱいいるから➡ 898 00:58:59,521 --> 00:59:03,525 変な人が みんな こう うん 一生懸命➡ 899 00:59:03,525 --> 00:59:06,528 1つの作品に対して こう やってるのは➡ 900 00:59:06,528 --> 00:59:09,531 やっぱ すごい居心地がいいことで 僕にとって 901 00:59:09,531 --> 00:59:11,533 それがやっぱ一番ですかね うん 902 00:59:11,533 --> 00:59:14,536 お互い持ってるものを こう➡ 903 00:59:14,536 --> 00:59:19,536 合わせていく作業のほうを 大切に今は… 904 00:59:49,571 --> 00:59:51,573 今回 3週間だったんですよね 905 00:59:51,573 --> 00:59:54,576 最初はプロデューサーに 「5週間くれ」って言ってたんです 906 00:59:54,576 --> 00:59:58,580 たぶん 4週間でも足りないんで 5週間くれっつったら➡ 907 00:59:58,580 --> 01:00:00,582 「とんでもない」っつって 3週間だったんですね 908 01:00:00,582 --> 01:00:05,587 (浅井)黒沢さんは最初に 「いや 僕は➡ 909 01:00:05,587 --> 01:00:08,590 予算とスケジュールを 絶対 守ります」と 910 01:00:08,590 --> 01:00:13,595 えー まあ そういう意味では ぶっ飛ばして進めていきました 911 01:00:13,595 --> 01:00:15,597 ただ 余っちゃってね 912 01:00:15,597 --> 01:00:17,599 「あれ? 余ってるんだけど 時間」 っていう 913 01:00:17,599 --> 01:00:20,602 「あれ? 急ぎすぎたかな」って 914 01:00:20,602 --> 01:00:22,604 だから なんか 「いい映画を作る」とか➡ 915 01:00:22,604 --> 01:00:25,607 「面白い映画を作る」 っていう前に➡ 916 01:00:25,607 --> 01:00:30,612 なんか 「予算とスケジュールを守る」 っていう なんか宣言される… 917 01:00:30,612 --> 01:00:33,615 プロデューサーに宣言する 監督っていうのは➡ 918 01:00:33,615 --> 01:00:38,620 これは偉大な監督なのか それとも なんか うーん… 919 01:00:38,620 --> 01:00:42,624 なんか どう解釈すればいいのかな と思ったんだけど 920 01:00:42,624 --> 01:00:48,630 すばらしい人格者である と思うし➡ 921 01:00:48,630 --> 01:00:53,630 監督としても あの 演出家としても もちろん… 922 01:00:55,637 --> 01:00:58,640 っていうか不思議ですね ええ (藤井)そうですね 923 01:00:58,640 --> 01:01:02,578 あの ひと言で言うと 不思議な感じを➡ 924 01:01:02,578 --> 01:01:05,581 ずっと ええ 受けてましたね 925 01:01:05,581 --> 01:01:09,585 クールというか どのスタッフとも こう キャストとも➡ 926 01:01:09,585 --> 01:01:14,590 距離を取る監督だな っていうところで➡ 927 01:01:14,590 --> 01:01:18,594 それがなんか 僕が今まで こう… 928 01:01:18,594 --> 01:01:22,598 つきあってきた 知ってる監督と➡ 929 01:01:22,598 --> 01:01:26,602 なんか一番スタイルを 異にするとこかな 930 01:01:26,602 --> 01:01:32,608 なんか コミュニケーション取らなきゃとか➡ 931 01:01:32,608 --> 01:01:34,610 仲よくならなきゃとか そういうものも➡ 932 01:01:34,610 --> 01:01:39,615 もう一切 必要に思わなかった 心地いい現場で 933 01:01:39,615 --> 01:01:41,617 (藤井)ええ 934 01:01:41,617 --> 01:01:44,620 その… 935 01:01:44,620 --> 01:01:49,625 「心地よい沈黙みたいなものが あっ ホントに存在するんだな」 936 01:01:49,625 --> 01:01:53,629 っていうのを感じたのは たくさんありましたね 937 01:01:53,629 --> 01:02:01,570 それはやっぱり 皆さんが皆さん ある種 一緒の人間➡ 938 01:02:01,570 --> 01:02:06,575 一緒のカテゴリーに入る人間 だったからなのかもしれないし 939 01:02:06,575 --> 01:02:09,578 まあ 黒沢さんのね 心の中 のぞくわけにはいきませんけども 940 01:02:09,578 --> 01:02:13,582 少しでもね 黒沢さんが 伝えたいことをね➡ 941 01:02:13,582 --> 01:02:16,585 あの 僕は感じ取れて 942 01:02:16,585 --> 01:02:22,585 それが結果として出ればね あの ホントに➡ 943 01:02:24,593 --> 01:02:27,596 望ましいですよね 944 01:02:27,596 --> 01:02:29,596 楽しいですよ 945 01:02:38,607 --> 01:02:40,609 「じゃあ 映画とは何か」 っていうことを➡ 946 01:02:40,609 --> 01:02:43,612 最後に申し上げますと➡ 947 01:02:43,612 --> 01:02:46,615 えー… 948 01:02:46,615 --> 01:02:53,622 ある現実 記録された 現実のつながりを 949 01:02:53,622 --> 01:02:55,624 えー ここが重要なんですけど 950 01:02:55,624 --> 01:02:58,627 大勢の人と一緒に見る ということですね 951 01:02:58,627 --> 01:03:00,562 これが映画ですね 952 01:03:00,562 --> 01:03:06,568 あるシーンで ワーッと人が笑った 俺は おかしいとは思わない 953 01:03:06,568 --> 01:03:10,572 で 誰も笑わないけど 俺は これ おかしいと思う 954 01:03:10,572 --> 01:03:14,576 映像作品を通じて➡ 955 01:03:14,576 --> 01:03:17,579 社会の中で 自分は どういうとこにいるのかを➡ 956 01:03:17,579 --> 01:03:21,583 イヤでも認識する場 それが映画ですね 957 01:03:21,583 --> 01:03:24,586 いや 家で 一人で見てる分には 分かんないわけですよ 958 01:03:24,586 --> 01:03:26,588 自分が反応すればいいんで 959 01:03:26,588 --> 01:03:30,592 これね 大勢と一緒に見るという これを… 960 01:03:30,592 --> 01:03:35,597 まあ 逆に言うと みんなが笑ってるとこで➡ 961 01:03:35,597 --> 01:03:37,599 「自分も やっぱり面白かった」 962 01:03:37,599 --> 01:03:40,602 「ああ みんなと一体になってる」 っていうのもありですよ 963 01:03:40,602 --> 01:03:44,602 一体化してるか 孤独か 964 01:03:46,608 --> 01:03:49,611 えー そういうことを知る場 965 01:03:49,611 --> 01:03:53,615 それが映画ですね 966 01:03:53,615 --> 01:03:56,615 それはなくならないと思います しばらくは 967 01:03:59,555 --> 01:04:02,558 ある程度 コンスタントに 撮れていければね… 968 01:04:02,558 --> 01:04:06,562 撮っていければいいんですけどね 969 01:04:06,562 --> 01:04:10,566 今んところは 日本映画は まあ世界的には➡ 970 01:04:10,566 --> 01:04:12,568 かなり順調にいってるほうだと 思いますけども 971 01:04:12,568 --> 01:04:16,568 明日は分かんないですね ええ 972 01:04:29,585 --> 01:04:32,588 狙ってなかったんですけど 狙ったかのように➡ 973 01:04:32,588 --> 01:04:35,591 雨風 嵐みたいな 974 01:04:35,591 --> 01:04:39,595 危ない! 触っちゃダメですよ! 975 01:04:39,595 --> 01:04:41,595 (真一郎)仁村君! 976 01:04:58,614 --> 01:05:04,553 どう考えても ドキュメンタリーと フィクションの境目はないですね 977 01:05:04,553 --> 01:05:08,557 それ やらせか やらせじゃないか という違いはありますが➡ 978 01:05:08,557 --> 01:05:10,559 ある意味では ドキュメンタリーっつったって➡ 979 01:05:10,559 --> 01:05:12,561 ある程度 やらせはあるでしょうし 980 01:05:12,561 --> 01:05:15,564 フィクションっつったって あの まったく➡ 981 01:05:15,564 --> 01:05:17,566 偶然 起こることは たくさんありますから 982 01:05:17,566 --> 01:05:21,566 程度の差はあっても えー… 983 01:05:23,572 --> 01:05:27,572 すべて同じですね 984 01:05:31,580 --> 01:05:34,583 まあ 温めてあげるというか ええ 985 01:05:34,583 --> 01:05:41,590 こう あわれな人を 優しく包み込むような… 986 01:05:41,590 --> 01:05:43,592 それでカットです 987 01:05:43,592 --> 01:05:46,595 (スタッフ)はい はい 続いていきます 988 01:05:46,595 --> 01:05:48,597 藤さん すぐいくよ (藤)はい 989 01:05:48,597 --> 01:05:51,600 (スタッフ)回りました (スタッフたち)はい 本番 990 01:05:51,600 --> 01:05:54,600 はい よーい はい 991 01:06:37,579 --> 01:06:39,581 はい カット オッケー (スタッフ)カット 992 01:06:39,581 --> 01:06:41,583 (スタッフ)カット オッケー (スタッフたち)オッケー 993 01:06:41,583 --> 01:06:45,587 (藤)ビショビショ… はい よかったですよ 994 01:06:45,587 --> 01:06:47,589 (スタッフ) はい ありがとうございました 995 01:06:47,589 --> 01:06:50,592 (藤)えーと 終わりですか? はい 996 01:06:50,592 --> 01:06:53,595 ありがとうございます 997 01:06:53,595 --> 01:06:57,599 ああ 寒ーい 998 01:06:57,599 --> 01:07:00,535 ハハハハッ おおっ 999 01:07:00,535 --> 01:07:03,538 (スタッフ) どうも ありがとうございました (藤)あっ ありがとうございます 1000 01:07:03,538 --> 01:07:07,542 ありがとうございました (拍手) 1001 01:07:07,542 --> 01:07:10,545 最後は ホント泣けて… 1002 01:07:10,545 --> 01:07:12,547 (藤) どうも ありがとうございました 1003 01:07:12,547 --> 01:07:14,549 ありがとうございました 1004 01:07:14,549 --> 01:07:20,555 (拍手) 1005 01:07:20,555 --> 01:07:23,558 ハァ まあ とにかく あったまってもらいましょう 1006 01:07:23,558 --> 01:07:25,558 いやー… 1007 01:07:27,562 --> 01:07:31,566 最後のカット オダギリさん… 1008 01:07:31,566 --> 01:07:35,570 まあ モニターで見てたんですけど 1009 01:07:35,570 --> 01:07:38,573 ムチャクチャよくて ちょっと 感動しちゃいましたね 1010 01:07:38,573 --> 01:07:41,576 (藤井)ああ そうですか ええ あの… 1011 01:07:41,576 --> 01:07:46,581 まあ こういう悪天候で いろんな状況があったんで➡ 1012 01:07:46,581 --> 01:07:51,586 あの 冷静さを 失っているかもしれませんが 1013 01:07:51,586 --> 01:07:54,589 あの 映画自身のラストカット ではないんですけど➡ 1014 01:07:54,589 --> 01:08:00,529 撮影の最後のカットで えー➡ 1015 01:08:00,529 --> 01:08:05,534 こんな すごいカットが撮れた ってのは初めてで➡ 1016 01:08:05,534 --> 01:08:09,538 それだけで よかったと 今は思ってるところです 1017 01:08:09,538 --> 01:08:11,540 アハッ 1018 01:08:11,540 --> 01:08:15,540 もう なんか… 言葉がないですね 1019 01:08:17,546 --> 01:08:21,546 こんな いい現場を経験できて 1020 01:08:23,552 --> 01:08:28,557 (浅井)で 一転して 今度 編集作業に移るとですね➡ 1021 01:08:28,557 --> 01:08:30,559 監督自ら 僕に言ったんですよね 1022 01:08:30,559 --> 01:08:34,563 「いや 僕は編集に入ると 独裁者になります」と 1023 01:08:34,563 --> 01:08:36,565 で 特にこう 音楽とかは➡ 1024 01:08:36,565 --> 01:08:40,569 「僕は独裁者として 決めていきますから」と 1025 01:08:40,569 --> 01:08:43,572 実は 今回の編集っていうのは➡ 1026 01:08:43,572 --> 01:08:45,574 編集者ってのは ついてないんですよ 1027 01:08:45,574 --> 01:08:48,577 監督自身が やってるんですよ 1028 01:08:48,577 --> 01:08:50,579 まさしく 監督の仕事じゃなくて➡ 1029 01:08:50,579 --> 01:08:54,583 こう 編集者としての仕事を やってるわけで 1030 01:08:54,583 --> 01:08:59,521 「共同作業ではない」という 監督の宣言があったので➡ 1031 01:08:59,521 --> 01:09:03,525 撮影んときには 一見 民主的にやってて➡ 1032 01:09:03,525 --> 01:09:07,529 編集んときに 独裁者になると宣言して 1033 01:09:07,529 --> 01:09:09,531 常に 撮影のときは もちろん➡ 1034 01:09:09,531 --> 01:09:11,533 彼は 狂気を コントロールしてるわけだけど➡ 1035 01:09:11,533 --> 01:09:14,536 編集のときには 自分のなんか 狂気の部分を➡ 1036 01:09:14,536 --> 01:09:18,540 ガーッと出そうとする 1037 01:09:18,540 --> 01:09:21,540 そこがなんかね 面白いなと 1038 01:09:25,547 --> 01:09:29,547 一体化してるか 孤独か 1039 01:09:31,553 --> 01:09:35,557 えー そういうことを知る場 1040 01:09:35,557 --> 01:09:37,557 それが映画ですね 1041 01:09:51,573 --> 01:09:53,575 (スタッフ)はい オッケー はい いきます 本番 1042 01:09:53,575 --> 01:09:57,579 (スタッフ)この状態で 本番 はい よーい 1043 01:09:57,579 --> 01:10:01,579 じっと あれ見てね よーい はい (カチンコの音) 1044 01:10:24,606 --> 01:10:27,609 はい カット オッケー ありがとう (スタッフ)はい オッケーですね 1045 01:10:27,609 --> 01:10:32,614 はい ありがとう どうもね もうね 走んなくていいからね 1046 01:10:32,614 --> 01:10:35,617 じゃあ ちょっと もう… 1047 01:10:35,617 --> 01:10:38,620 (スタッフ)まだあるかな? 1048 01:10:38,620 --> 01:10:41,620 (スタッフ)移動車 バラしますよ 1049 01:10:48,630 --> 01:10:53,630 (スタッフたちの話し声) 1050 01:11:03,578 --> 01:11:05,580 (藤井)ふだん 撮る側にいる 黒沢さんが➡ 1051 01:11:05,580 --> 01:11:08,583 逆に撮られる立場になる っていうのは➡ 1052 01:11:08,583 --> 01:11:11,586 どういう心境ですか? これ いやー 1053 01:11:11,586 --> 01:11:14,589 過去は どんどん捨ててって➡ 1054 01:11:14,589 --> 01:11:18,593 あの どんどん変化していきたいと (藤井)ああ はい 1055 01:11:18,593 --> 01:11:22,597 自分で 頭で思ってるものですから 1056 01:11:22,597 --> 01:11:25,600 その もう捨てていった過去が➡ 1057 01:11:25,600 --> 01:11:27,602 「いや あなた こうでした」 1058 01:11:27,602 --> 01:11:31,606 って見せられるのって うーん… 1059 01:11:31,606 --> 01:11:34,609 つらいっていうとこですね 1060 01:11:34,609 --> 01:11:40,615 んー 僕らは 世代的には➡ 1061 01:11:40,615 --> 01:11:42,617 幼いころの… スチール写真は➡ 1062 01:11:42,617 --> 01:11:44,619 もちろんあるわけですよ 1063 01:11:44,619 --> 01:11:46,621 赤ん坊のころの 1064 01:11:46,621 --> 01:11:48,623 それを見ることには➡ 1065 01:11:48,623 --> 01:11:50,625 さほどの抵抗はないんですよ 1066 01:11:50,625 --> 01:11:52,627 で もっと古い人たち 1067 01:11:52,627 --> 01:11:54,629 スチール写真などというものが➡ 1068 01:11:54,629 --> 01:11:57,632 そもそも普及していなかった ころの人たちってのは➡ 1069 01:11:57,632 --> 01:11:59,567 ひょっとすると あの写真見るだけで➡ 1070 01:11:59,567 --> 01:12:02,570 ゾッとしたかもしれないし (藤井)ああ 1071 01:12:02,570 --> 01:12:06,574 逆に 今のホントの若い人たち 赤ん坊のころからビデオが残ってる 1072 01:12:06,574 --> 01:12:08,576 親が撮ってるじゃないですか 1073 01:12:08,576 --> 01:12:10,578 えー ひょっとすると自分が➡ 1074 01:12:10,578 --> 01:12:12,580 母親のおなかから 出てくるとこまで➡ 1075 01:12:12,580 --> 01:12:14,582 全部 ホームビデオで撮られてる 1076 01:12:14,582 --> 01:12:18,586 で それが もう何時間にもわたる テープで いつでも見れます 1077 01:12:18,586 --> 01:12:23,591 自分の成長記録がっていう人は 全然 違うかもしれません 1078 01:12:23,591 --> 01:12:26,594 (藤井)ああ それを考えただけで➡ 1079 01:12:26,594 --> 01:12:29,597 「ああ 人間 違ってくるな」と 思いますけど 1080 01:12:29,597 --> 01:12:32,600 そんなものが残ってるっていう (藤井)ええ 1081 01:12:32,600 --> 01:12:36,604 僕は残念ながら スチールはオッケーですけど➡ 1082 01:12:36,604 --> 01:12:39,607 動画 音も含めた動画としては ここで急に➡ 1083 01:12:39,607 --> 01:12:42,610 「いや 記録して残ってます」 って言われると… 1084 01:12:42,610 --> 01:12:45,613 (藤井)恐怖を覚えるわけですね 恐怖 ええ 1085 01:12:45,613 --> 01:12:47,615 特に 声ですね (藤井)ああ そうですね 1086 01:12:47,615 --> 01:12:50,618 あの 外見っていうのは もちろん➡ 1087 01:12:50,618 --> 01:12:54,622 スチール写真も含めて 鏡も含めて➡ 1088 01:12:54,622 --> 01:12:58,626 まあ 外見っていうのは おおよそ 想像がつくわけですよ 1089 01:12:58,626 --> 01:13:00,562 まあ 僕らぐらいだったら (藤井)はい 1090 01:13:00,562 --> 01:13:02,564 もっと昔の人は別として (藤井)ええ 1091 01:13:02,564 --> 01:13:06,568 ただね 声ばかりは➡ 1092 01:13:06,568 --> 01:13:09,571 客観的に 自分の声って そうそう聞かないですからね 1093 01:13:09,571 --> 01:13:11,573 (藤井)そうですね ええ ええ 1094 01:13:11,573 --> 01:13:14,576 8ミリフィルムで サイレントで➡ 1095 01:13:14,576 --> 01:13:16,578 映像が残ってるぐらいなら まだ➡ 1096 01:13:16,578 --> 01:13:21,583 動くスチール写真ぐらいの もんなんですけど➡ 1097 01:13:21,583 --> 01:13:25,583 この音もね 自分の しゃべってるところ… 1098 01:13:27,589 --> 01:13:29,591 自分って こんな声してるのって 1099 01:13:29,591 --> 01:13:32,594 あれ 自分って こんなに 曖昧なしゃべり方してるのって 1100 01:13:32,594 --> 01:13:35,597 これじゃ 何 言ってるのか 分かんないじゃんとかいう 1101 01:13:35,597 --> 01:13:39,601 これ つらいですよね (藤井)はあ 1102 01:13:39,601 --> 01:13:41,603 コメンタリー見るのなんか さらにイヤですね じゃあ 1103 01:13:41,603 --> 01:13:44,606 もう ホントに つらいですね ええ (藤井)そうですか 1104 01:13:44,606 --> 01:13:46,606 すいません… 103454

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