All language subtitles for Aimai na mirai, Kurosawa Kiyoshi (2002).jp
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1
00:00:25,611 --> 00:00:28,614
(黒沢)はい 「止まれ」ってあるだろ
(女の子)はい
2
00:00:28,614 --> 00:00:30,616
あそこまで走って
戻ってきてみようか
3
00:00:30,616 --> 00:00:32,618
ただ 20秒以内ね
4
00:00:32,618 --> 00:00:34,620
(女の子)走って…
うん
5
00:00:34,620 --> 00:00:38,624
20秒以内に戻んないとダメ
フフッ
6
00:00:38,624 --> 00:00:40,624
はい よーい スタート はい
7
00:00:54,640 --> 00:00:56,640
(スタッフ)いいよ いいよ
(スタッフ)いいよ
8
00:00:59,578 --> 00:01:01,580
いや よくはないんだよ
9
00:01:01,580 --> 00:01:05,584
あっ ダメだよ 戻ってこないと
10
00:01:05,584 --> 00:01:10,589
(荒い息遣い)
11
00:01:10,589 --> 00:01:12,591
もっかい走ってみようか
12
00:01:12,591 --> 00:01:15,591
(腕時計の操作音)
13
00:01:24,603 --> 00:01:27,603
(スタッフたちの会話)
14
00:01:30,609 --> 00:01:32,609
結構 速いな
15
00:01:42,621 --> 00:01:45,624
はい はい
16
00:01:45,624 --> 00:01:49,628
あー 今度は30秒だったな
残念だった…
17
00:01:49,628 --> 00:01:52,631
ちょっと 1回 テスト
やってみようか
(スタッフ)はい
18
00:01:52,631 --> 00:01:56,635
じゃあね もうあったまっただろ
もう これ なくても大丈夫だな
19
00:01:56,635 --> 00:01:58,635
(スタッフ)1回 ちょっと
ちゃんと履いてやってもらおうか
20
00:02:04,577 --> 00:02:06,577
ほい…
(スタッフ)はい
21
00:02:10,583 --> 00:02:12,583
(スタッフ)これ 脱いで
1回 やってみようか
22
00:02:41,614 --> 00:02:43,614
(スタッフ)こっち側 全部
1枚 入れてくれる?
23
00:02:56,629 --> 00:02:58,629
(スタッフ)つながった?
24
00:04:31,590 --> 00:04:34,593
価値観がぶつかり合って➡
25
00:04:34,593 --> 00:04:39,598
しかし 若い世代が
上の世代を乗り越えていく
26
00:04:39,598 --> 00:04:42,601
そして その先に
明るい未来がある
27
00:04:42,601 --> 00:04:48,607
っていう まあ 身も蓋もない
テーマを ずばり題名にした
28
00:04:48,607 --> 00:04:51,610
うん だから 自分としては
やや気恥ずかしいんですけど
29
00:04:51,610 --> 00:04:55,614
これって あまりに
まんまなんですけどって
30
00:04:55,614 --> 00:04:59,551
ただ それを
勘違いしちゃいけないのは➡
31
00:04:59,551 --> 00:05:01,551
僕も含めた…
32
00:05:05,557 --> 00:05:10,562
こう 大人たちにとって
明るいという意味ではないですと
33
00:05:10,562 --> 00:05:14,566
若い人たちが
明るい未来をつくっていく
34
00:05:14,566 --> 00:05:16,568
若い人たちにとって明るい
35
00:05:16,568 --> 00:05:19,571
それが年寄りにとっても明るい
36
00:05:19,571 --> 00:05:24,576
同じように明るいというところに
大変な間違いがあるってことです
37
00:05:24,576 --> 00:05:28,576
それはもう どことも
価値観は対立したままです
38
00:05:44,596 --> 00:05:46,598
(野下)この企画を始める➡
39
00:05:46,598 --> 00:05:48,600
最初のときから 黒沢さんに➡
40
00:05:48,600 --> 00:05:50,602
「藤 竜也さんで お話を
ちょっと考えてみませんか」➡
41
00:05:50,602 --> 00:05:52,604
っていうことを言っていて
42
00:05:52,604 --> 00:05:56,608
で 僕も たまたま
全然 別なことで藤 竜也さんを➡
43
00:05:56,608 --> 00:06:01,547
石井竜也監督の『河童』というのと
『ACLI』というのを見て➡
44
00:06:01,547 --> 00:06:03,549
まあ ホントにもう 大先輩で➡
45
00:06:03,549 --> 00:06:06,552
あるイメージが
もう できてしまった人かな➡
46
00:06:06,552 --> 00:06:09,555
と思っていたら
結構 自由に➡
47
00:06:09,555 --> 00:06:12,558
いろんな役を
やられる方なんだな➡
48
00:06:12,558 --> 00:06:14,560
っていうんで
興味はあったとこだったんですよ
49
00:06:14,560 --> 00:06:18,564
それで どんな内容であるにせよ➡
50
00:06:18,564 --> 00:06:21,564
藤 竜也さんを やはり…
51
00:06:23,569 --> 00:06:26,572
どっかに大きく…
52
00:06:26,572 --> 00:06:29,575
そんとき 藤さんの了解
なんも取ってないですよ
53
00:06:29,575 --> 00:06:31,577
(浅井)藤 竜也さんという➡
54
00:06:31,577 --> 00:06:33,579
なんか イメージの名前は
上がっていて➡
55
00:06:33,579 --> 00:06:36,582
まあ 当て書きという
わけではなくて➡
56
00:06:36,582 --> 00:06:40,586
中年の人と若い人を
主人公にしたような映画
57
00:06:40,586 --> 00:06:42,588
イヤでも
浮かび上がってきたのは➡
58
00:06:42,588 --> 00:06:46,592
ロバート・アルドリッチの
『北国の帝王』
59
00:06:46,592 --> 00:06:49,595
若い人と藤 竜也さん
60
00:06:49,595 --> 00:06:52,598
絶対 対立するよねっていうね
61
00:06:52,598 --> 00:06:55,601
仲よく手なんか組むわけない
62
00:06:55,601 --> 00:06:57,603
どっちも譲らないよなっていう
63
00:06:57,603 --> 00:07:00,539
あー アルドリッチだ
64
00:07:00,539 --> 00:07:03,542
『北国の帝王』というのは んー
65
00:07:03,542 --> 00:07:07,546
非常に若い男と年取った男の➡
66
00:07:07,546 --> 00:07:10,549
まあ 一種の
世代間の対決の話なんですよね
67
00:07:10,549 --> 00:07:13,552
これは年取ったほうが
勝つんですけど
68
00:07:13,552 --> 00:07:17,556
そういう 絶対的に
相いれない価値観がぶつかる
69
00:07:17,556 --> 00:07:20,559
それが その
どっちが勝つでもなく➡
70
00:07:20,559 --> 00:07:22,561
えー お互い 認め合いつつ➡
71
00:07:22,561 --> 00:07:27,566
しかし どっちかは滅び
どっちかは勝つ
72
00:07:27,566 --> 00:07:29,568
運命のように そうなる
73
00:07:29,568 --> 00:07:33,568
あー もう そのへんで
テーマは決まってきたなと
74
00:07:52,591 --> 00:07:55,594
(スタッフ)はい 到着でーす
(スタッフたち)到着です
75
00:07:55,594 --> 00:07:57,594
(藤井)おはようございます
おはようございます
76
00:08:16,548 --> 00:08:19,551
自然な感じで結構ですね はい
77
00:08:19,551 --> 00:08:23,551
「これ 1匹の値段ですか?」と
はい
78
00:08:25,557 --> 00:08:29,561
で 向こうに去っていく
ダメだ これ
79
00:08:29,561 --> 00:08:32,564
まあ 段取りは そういうことです
(オダギリ)はい 分かりました
80
00:08:32,564 --> 00:08:36,564
(スタッフ)はい テスト よーい はい
(カチンコの音)
81
00:08:43,575 --> 00:08:45,577
(藤井)まあ これ 初日の あの➡
82
00:08:45,577 --> 00:08:48,580
ワンカット目の
初めのテストなんですけども➡
83
00:08:48,580 --> 00:08:50,582
まあ ホントに 一番初めの
演技ってことなんですが➡
84
00:08:50,582 --> 00:08:53,585
監督さんにとって
この瞬間っていうのは➡
85
00:08:53,585 --> 00:08:56,588
どういうもんなんですかね?
86
00:08:56,588 --> 00:09:00,525
えー イヤなもんなんですけど
(藤井)はい
87
00:09:00,525 --> 00:09:05,530
まあ なるべく もう何日も
撮ってきたかのように➡
88
00:09:05,530 --> 00:09:08,533
あのー…
89
00:09:08,533 --> 00:09:11,536
ああ あの いつもの…
90
00:09:11,536 --> 00:09:14,539
まあ これ 雄二という
役名ですけど➡
91
00:09:14,539 --> 00:09:16,541
「いつもの仁村雄二なんだよな」
って
92
00:09:16,541 --> 00:09:18,543
「まあ オダギリさんの芝居
こうだよな」
93
00:09:18,543 --> 00:09:22,547
「いつもどおりだ」って
思おう思おうと必死に➡
94
00:09:22,547 --> 00:09:26,551
自分を言い聞かせてる
っていう感じですね
95
00:09:26,551 --> 00:09:28,553
初めて見るわけですから➡
96
00:09:28,553 --> 00:09:30,555
正直 言って
さっぱり分からないんですね
97
00:09:30,555 --> 00:09:32,557
これでいいのかどうか
っていうのがね
98
00:09:32,557 --> 00:09:35,557
しかし あの 「これでいいんだ」
99
00:09:38,563 --> 00:09:45,570
と思おうと 必死で 自分自身を
説得してるってな心境ですかね
100
00:09:45,570 --> 00:09:50,575
だから 演技というよりも
(藤井)はい
101
00:09:50,575 --> 00:09:54,579
「芝居だと こういう声なのね」
とか➡
102
00:09:54,579 --> 00:09:59,584
「あっ ちょっと早口で
しゃべる癖があるんだ」とかですね
103
00:09:59,584 --> 00:10:01,586
それ たぶん 雄二というより➡
104
00:10:01,586 --> 00:10:03,588
オダギリさんという人なんだと
思いますけど
105
00:10:03,588 --> 00:10:07,592
そこをつかんでる状態ですかね
(藤井)ああ
106
00:10:07,592 --> 00:10:11,596
今まで 何度かやってる方だったら
まだしも
107
00:10:11,596 --> 00:10:16,601
しかも 大抵
初日の最初っていうのは➡
108
00:10:16,601 --> 00:10:20,605
映画全体の中でも
まあ 特に どうということもない
109
00:10:20,605 --> 00:10:23,608
軽いシーンから
始まるのが多いので
110
00:10:23,608 --> 00:10:27,612
だから 実に➡
111
00:10:27,612 --> 00:10:30,615
いいかげんに
「もうちょっと早くしてみて」とか
112
00:10:30,615 --> 00:10:33,618
ちょっとしたこと言ってみて
「ああ こうなるのかな」って➡
113
00:10:33,618 --> 00:10:38,623
数回やって まあ オッケー
っていう感じですかね
114
00:10:38,623 --> 00:10:41,626
はい オッケー
(スタッフ)はい オッケーです
115
00:10:41,626 --> 00:10:44,626
はい どうも はい
(スタッフ)以上で決まりですね
116
00:10:53,638 --> 00:10:58,643
まあ ある意味で
最も重要な部分ですね
117
00:10:58,643 --> 00:11:02,581
ただ まあ 映画を作るという
行為の全部ではないので➡
118
00:11:02,581 --> 00:11:06,585
撮影っていうものの位置づけは
難しいと思いますね
119
00:11:06,585 --> 00:11:08,587
すべてではない
120
00:11:08,587 --> 00:11:10,589
僕なりの言い方をしますと➡
121
00:11:10,589 --> 00:11:15,594
いくつかの現実が
記録されていくわけですね
122
00:11:15,594 --> 00:11:17,596
記録された現実を
まあ あとで➡
123
00:11:17,596 --> 00:11:20,599
どう組み合わせていくのか
っていうのが➡
124
00:11:20,599 --> 00:11:22,601
まあ 編集の作業になりますね
125
00:11:22,601 --> 00:11:25,604
必ずしも 脚本どおりではない
126
00:11:25,604 --> 00:11:29,608
どっちか… 片一方が出しても
もう片一方が出さないかぎり➡
127
00:11:29,608 --> 00:11:31,610
永遠と続くので
(浅野)はい
128
00:11:31,610 --> 00:11:33,612
そのへんをひとつ
(笑い声)
129
00:11:33,612 --> 00:11:39,618
どう考えても ドキュメンタリーと
フィクションの境目はないですね
130
00:11:39,618 --> 00:11:41,620
ある意味じゃ
ドキュメンタリーっつったって➡
131
00:11:41,620 --> 00:11:43,622
ある程度
やらせはあるでしょうし➡
132
00:11:43,622 --> 00:11:45,624
フィクションっつったって➡
133
00:11:45,624 --> 00:11:48,627
まったく 偶然起こることが
たくさんありますから
134
00:11:48,627 --> 00:11:52,631
程度の差はあっても同じですね
135
00:11:52,631 --> 00:11:55,634
ましてや あとで
それを編集するという作業は➡
136
00:11:55,634 --> 00:11:58,637
もう まったくドキュメンタリーも
フィクションも同じだと思います
137
00:11:58,637 --> 00:12:02,637
そこで あるものを
構築してくわけですね ええ
138
00:12:15,587 --> 00:12:18,587
このぐらいかなーと さっきは…
139
00:12:20,592 --> 00:12:23,592
(スタッフ)はい
(スタッフ)お願いしまーす
140
00:12:27,599 --> 00:12:31,603
あっ 消えてる
消えてるから あれですけどね➡
141
00:12:31,603 --> 00:12:36,608
これ 本物なんで
失礼します
142
00:12:36,608 --> 00:12:40,612
いやー すごい
あっ ありがとうございます
143
00:12:40,612 --> 00:12:44,616
うわ ハハハッ へえー
144
00:12:44,616 --> 00:12:46,618
すごい
145
00:12:46,618 --> 00:12:50,622
えー バツバツまでを
まず一気に 1回いきたいんですが
146
00:12:50,622 --> 00:12:53,625
はい
えー まず ここに座ってます
147
00:12:53,625 --> 00:12:56,628
はい
で クラゲ見てます
148
00:12:56,628 --> 00:13:00,565
で えー 守は
あっちにいるんですが
はい
149
00:13:00,565 --> 00:13:03,568
で あっちで
「誰とケンカしたんだよ」
150
00:13:03,568 --> 00:13:05,570
「知らない サラリーマンかな」
151
00:13:05,570 --> 00:13:08,573
「しょうがないな」
152
00:13:08,573 --> 00:13:12,577
というのがあってですね
はい
153
00:13:12,577 --> 00:13:15,580
すると 守… なんとなく
目で見えると思いますけど➡
154
00:13:15,580 --> 00:13:18,583
あの なんていうんですか…
155
00:13:18,583 --> 00:13:23,588
守が 最初 あの
あそこにいるんですけど➡
156
00:13:23,588 --> 00:13:26,591
あの なんだ あの…
キッチンっていうか
157
00:13:26,591 --> 00:13:32,597
で あの 机を片づけに
こう 行きます
はい
158
00:13:32,597 --> 00:13:34,599
で それが なんとなく見えたら…
159
00:13:34,599 --> 00:13:36,601
まあ 見えなかったら
きっかけ出しますけどね
160
00:13:36,601 --> 00:13:40,605
雄二も立ち上がって
161
00:13:40,605 --> 00:13:45,610
で 守は この これ…
カスみたいなの➡
162
00:13:45,610 --> 00:13:48,613
全部 向こうへ
下げちゃってください
163
00:13:48,613 --> 00:13:53,618
それで雄二は 残ってる鍋と
コップ2つぐらいを持って➡
164
00:13:53,618 --> 00:13:56,621
えー ここへ置いてください
はい
165
00:13:56,621 --> 00:13:58,623
ここ 映ってませんが
はい
166
00:13:58,623 --> 00:14:01,560
まあ なんか ゴミ捨ててるとか
ガシャガシャやってるつもり
167
00:14:01,560 --> 00:14:03,560
はい
えー ここで…
168
00:14:05,564 --> 00:14:11,570
まあ 4秒ぐらい
5秒ぐらいありました つもり
169
00:14:11,570 --> 00:14:17,576
で 守は そのままで
で そしたら➡
170
00:14:17,576 --> 00:14:19,578
オダギリさん これ これですね
171
00:14:19,578 --> 00:14:22,581
もともと ここに
正規の位置は ここなんです
172
00:14:22,581 --> 00:14:25,584
はい
ですから ここで片づけて➡
173
00:14:25,584 --> 00:14:30,589
5秒ぐらいあったら
で これ持って 持ってきてね
174
00:14:30,589 --> 00:14:32,589
ここに置く
はい
175
00:14:34,593 --> 00:14:36,595
で いきましょうか
176
00:14:36,595 --> 00:14:41,600
で 適当なとこでいいです
行きながらでも 行ってからでも
177
00:14:41,600 --> 00:14:45,604
ここで初めて 「餌やってもいい?」
と こうなります
はい
178
00:14:45,604 --> 00:14:49,608
で 「あっ 気をつけろよ」
って言われるんで➡
179
00:14:49,608 --> 00:14:52,611
餌は あそこにあります
ああ あれですね
180
00:14:52,611 --> 00:14:55,611
ええ それ 知ってていいです
はい
181
00:14:57,616 --> 00:14:59,551
で こう取りに…
これ 気をつけてください
182
00:14:59,551 --> 00:15:03,555
これ 気をつけてください これ
はい
183
00:15:03,555 --> 00:15:05,557
で やり方は
あとでお教えしますから
184
00:15:05,557 --> 00:15:08,560
で これを…
185
00:15:08,560 --> 00:15:10,562
えー どっちからでもいいや
186
00:15:10,562 --> 00:15:13,565
えー これは立ってる…
187
00:15:13,565 --> 00:15:17,569
たぶん スポイトで
チューって 1回すくって
188
00:15:17,569 --> 00:15:21,573
たぶん クラゲが
この辺に ずっといるから➡
189
00:15:21,573 --> 00:15:24,576
この なんか クラゲから
なるべく離れた辺りに出します
190
00:15:24,576 --> 00:15:26,578
ピューっと入れる
はい
191
00:15:26,578 --> 00:15:29,581
やり方は
で スポイトは置く
192
00:15:29,581 --> 00:15:31,581
で えー…
193
00:15:33,585 --> 00:15:35,587
「あれ 食べないな」と
ちょっと 指突っ込んで➡
194
00:15:35,587 --> 00:15:37,589
かき回すとか してみてください
はい
195
00:15:37,589 --> 00:15:41,593
そしたら 守が ここで気づいて➡
196
00:15:41,593 --> 00:15:44,596
「おい」っつって やってきます
197
00:15:44,596 --> 00:15:48,600
で 「甘く見てるだろ
クラゲの毒を」
198
00:15:48,600 --> 00:15:52,604
で 守は ちょっと どけていいです
はい
199
00:15:52,604 --> 00:15:55,607
で ここに
餌とスポイトがありますんで➡
200
00:15:55,607 --> 00:16:00,545
これを守 さっさと取って
えー どっちでもいいや
201
00:16:00,545 --> 00:16:02,547
で ここに置きます
はい
202
00:16:02,547 --> 00:16:06,551
えー 「でも
守さんも触ったことないでしょ」
203
00:16:06,551 --> 00:16:08,553
「死にたくないからな」
204
00:16:08,553 --> 00:16:10,555
っていうのが まあ
この一連の動きの中にありますね
205
00:16:10,555 --> 00:16:12,557
で 守 戻したら➡
206
00:16:12,557 --> 00:16:15,560
守 また
なんか洗っていたんでしょう
207
00:16:15,560 --> 00:16:17,562
向こうに行っちゃってください
208
00:16:17,562 --> 00:16:23,568
そしたら 雄二は
適当なとこでいいです
209
00:16:23,568 --> 00:16:25,568
行っちゃった…
210
00:16:27,572 --> 00:16:30,575
ここに まあ特に 漫画
読みたいわけじゃないんですけど
211
00:16:30,575 --> 00:16:32,577
この一番上のでも取って➡
212
00:16:32,577 --> 00:16:34,579
この辺 適当に
座るなり寝るなりして➡
213
00:16:34,579 --> 00:16:36,581
読み始めてください
はい 分かりました
214
00:16:36,581 --> 00:16:39,581
はい 以上です
215
00:16:47,592 --> 00:16:49,594
はい じゃあ いきます テスト
(スタッフたち)テスト
216
00:16:49,594 --> 00:16:52,597
はい テスト よーい…
あっ ごめん
217
00:16:52,597 --> 00:16:55,600
これはね
今 あっちゃいけないのね
218
00:16:55,600 --> 00:16:57,602
(スタッフ)失礼しました
(スタッフ)すいません 失礼しました
219
00:16:57,602 --> 00:16:59,602
これは… 最初は ここに置いとく
220
00:17:01,539 --> 00:17:04,542
はい じゃあ いきます テスト
(スタッフたち)テスト
221
00:17:04,542 --> 00:17:08,542
はい テスト よーい はい
222
00:17:13,551 --> 00:17:15,553
誰とケンカしたって?
223
00:17:15,553 --> 00:17:19,553
知らない サラリーマンかな
224
00:17:22,560 --> 00:17:24,560
しょうがねえな
225
00:17:48,586 --> 00:17:50,588
ねえ 餌やっていい?
226
00:17:50,588 --> 00:17:52,588
ああ
やってもいいけど 気をつけろよ
227
00:18:18,550 --> 00:18:20,550
食べねえじゃん
228
00:18:23,555 --> 00:18:28,560
おいおいおい… ダメダメ
危ないから ダメだって
229
00:18:28,560 --> 00:18:31,563
お前 クラゲの毒を侮ってるだろ
230
00:18:31,563 --> 00:18:34,566
危ないよ
231
00:18:34,566 --> 00:18:37,569
でも 守さんだって
触ったことないんでしょ?
232
00:18:37,569 --> 00:18:40,572
だって 俺は死にたくないからね
233
00:18:40,572 --> 00:18:42,572
危ない危ない…
234
00:18:53,585 --> 00:18:55,587
はい
(スタッフたち)はい
235
00:18:55,587 --> 00:18:57,587
(カチンコの音)
(スタッフたち)はい
236
00:18:59,524 --> 00:19:02,524
まあまあ 動きとしては おおよそ
237
00:19:09,534 --> 00:19:11,536
もうちょい
きっと 明るくていいんだろうね
238
00:19:11,536 --> 00:19:14,536
ここはね うん
うーん…
239
00:19:17,542 --> 00:19:21,546
「知らない サラリーマンかな」
って言うときも➡
240
00:19:21,546 --> 00:19:25,550
チラッとは 守のほう
見てもいいかもしれません
241
00:19:25,550 --> 00:19:28,550
「餌やってもいい?」
っていうのも➡
242
00:19:30,555 --> 00:19:32,557
見てもいいかもしれない
243
00:19:32,557 --> 00:19:37,562
多少 ちょっと
明るくてもいいかもしれない
244
00:19:37,562 --> 00:19:39,562
はい 分かりました
はい
245
00:19:41,566 --> 00:19:45,570
(スタッフ)すいません
2のときの寄りですけど➡
246
00:19:45,570 --> 00:19:48,573
まあ 絆創膏 ちょっと 血
滲ましといたほうがいいですか?
247
00:19:48,573 --> 00:19:52,577
まあね ケンカのすぐみたいな
まあ そらそうですよね はい
248
00:19:52,577 --> 00:19:56,581
あの 「おい ダメだダメだ」
ってやつ➡
249
00:19:56,581 --> 00:19:58,583
もう気持ち 本気…
分かりました
250
00:19:58,583 --> 00:20:02,587
今のだとね
「えっ じょ… 冗談だよな」➡
251
00:20:02,587 --> 00:20:04,589
っていう感じも
しなくもないんで➡
252
00:20:04,589 --> 00:20:06,591
もうちょい…
そのあとはいいんですけど➡
253
00:20:06,591 --> 00:20:10,595
ホントに ヤバいっていうね
ホント ダメなんだっていう➡
254
00:20:10,595 --> 00:20:12,595
もう気持ち…
255
00:20:20,605 --> 00:20:22,607
はい 本番
(スタッフたち)本番
256
00:20:22,607 --> 00:20:25,610
はい よーい はい
257
00:20:25,610 --> 00:20:27,610
(カチンコの音)
258
00:20:30,615 --> 00:20:32,617
(野下)いろいろ 監督も➡
259
00:20:32,617 --> 00:20:34,619
思うところがあったと
思うんですけれども➡
260
00:20:34,619 --> 00:20:37,622
まず 一番最初に 藤 竜也さんに
お願いするって言ったときに➡
261
00:20:37,622 --> 00:20:39,624
あまり 年の上の方と➡
262
00:20:39,624 --> 00:20:42,627
ご一緒されたことがない
っていうことで➡
263
00:20:42,627 --> 00:20:45,630
まあ 自分にできるだろうか
っていう気持ちが➡
264
00:20:45,630 --> 00:20:47,632
黒沢さんの中に
あったと思うんですね
265
00:20:47,632 --> 00:20:50,635
ですけれども
そのファーストシーンが終わったあとに➡
266
00:20:50,635 --> 00:20:54,639
監督が つかつかつかっと
こちらに歩いてきて➡
267
00:20:54,639 --> 00:20:58,643
「藤さんが すっごくいいです」
って ひと言 言って
268
00:20:58,643 --> 00:21:03,581
で やっぱり あんまり ふだん
気持ちを口にされないから➡
269
00:21:03,581 --> 00:21:06,584
「ああ これは藤さんにして
ホントによかったな」って
270
00:21:06,584 --> 00:21:11,584
そういう顔していた黒沢さんが
すごく印象深かったですね
271
00:21:14,592 --> 00:21:19,597
すごく要望していたのは
分かりやすいもの カッコイイもの
272
00:21:19,597 --> 00:21:22,600
これだけは 絶対 こう…
273
00:21:22,600 --> 00:21:26,600
譲れない条件だったですね
274
00:21:31,609 --> 00:21:34,612
(原田)
ハッキリ おっしゃられないんで➡
275
00:21:34,612 --> 00:21:37,615
何がよくて 何がダメなのかとか➡
276
00:21:37,615 --> 00:21:39,617
まあ 非常に よく分からない➡
277
00:21:39,617 --> 00:21:42,620
っていうのが特徴ではありますね
278
00:21:42,620 --> 00:21:46,624
黒沢監督の思う雄二と
僕が思う雄二の やっぱり➡
279
00:21:46,624 --> 00:21:51,629
多少のズレは まあ あって
280
00:21:51,629 --> 00:21:53,631
分かっていて分からず➡
281
00:21:53,631 --> 00:21:56,634
分かっていなくて
分かってるみたいな
282
00:21:56,634 --> 00:21:59,570
目の前のことじゃないんですよ
283
00:21:59,570 --> 00:22:02,573
好きなものに対しても…
対象外物
284
00:22:02,573 --> 00:22:05,576
全然 別なことなんですよ
285
00:22:05,576 --> 00:22:11,582
それに合わせたような反応とは
ちょっと違うっつう感じですかね
286
00:22:11,582 --> 00:22:13,584
それね あんまり
気にしなくていいですよ
287
00:22:13,584 --> 00:22:15,584
だから どうだっていう…
288
00:22:20,591 --> 00:22:24,595
クリント・イーストウッドですね
『ダーティハリー』
289
00:22:24,595 --> 00:22:26,597
(藤井)「クリント・イーストウッドです」
って言ってるんですよ
290
00:22:26,597 --> 00:22:28,599
で 「『ダーティハリー』です」って
言ってるんですが
291
00:22:28,599 --> 00:22:31,602
んー たぶん たぶんですよ
(藤井)ええ
292
00:22:31,602 --> 00:22:35,606
僕が そう言ったとしたら
(藤井)はい
293
00:22:35,606 --> 00:22:38,609
ムッと怒ってる
(藤井)ああ
294
00:22:38,609 --> 00:22:40,611
「雄二は 大体 怒ってるんだ」
(藤井)ええ
295
00:22:40,611 --> 00:22:45,616
で 目の前では 大したことは
起こってなくても怒ってる
296
00:22:45,616 --> 00:22:47,618
その代わり 目の前で➡
297
00:22:47,618 --> 00:22:50,621
かなり怒りが
爆発するようなことがあっても➡
298
00:22:50,621 --> 00:22:56,627
普通の感情から出てくる怒りとは
ちょっと違った怒り方なんだと
299
00:22:56,627 --> 00:23:01,566
本能的に怒ってるんだ この人は
ってなことを➡
300
00:23:01,566 --> 00:23:03,568
僕なりのイメージで➡
301
00:23:03,568 --> 00:23:05,570
「いや それって
『ダーティハリー』なんですよ」
302
00:23:05,570 --> 00:23:08,573
「あの クリント・イーストウッド
なんですよ」
303
00:23:08,573 --> 00:23:13,578
あの 犯人に対して
怒ってるわけじゃない
304
00:23:13,578 --> 00:23:15,580
怒ってはいるんですけどね
305
00:23:15,580 --> 00:23:18,583
で 自分の上司に対して
怒ってるわけでもない
306
00:23:18,583 --> 00:23:20,585
怒ってるんですけど
307
00:23:20,585 --> 00:23:23,588
ただ 誰に対してもある
均等な怒りを発してるんですよね
308
00:23:23,588 --> 00:23:27,592
あの 『ダーティハリー』って
309
00:23:27,592 --> 00:23:32,597
それは まあ ひとえに
社会全体に対しての怒りで
310
00:23:32,597 --> 00:23:36,601
そういうことをね たぶん
言いたかったんだと思いますね
311
00:23:36,601 --> 00:23:40,605
だから まあ それで
「『ダーティハリー』見てないです➡
312
00:23:40,605 --> 00:23:42,607
なんのことでしょう」って
言いますよね そんなのはね
313
00:23:42,607 --> 00:23:44,609
(藤井)オダギリさんは
分かってらっしゃいました?
314
00:23:44,609 --> 00:23:47,609
ええ 分かっていただけたと…
315
00:23:49,614 --> 00:23:51,616
まあ 思ってますけどね ええ
316
00:23:51,616 --> 00:23:53,618
最後まで 「こいつは
どういうヤツなんだろう」➡
317
00:23:53,618 --> 00:23:56,621
っていうのは
ホントに もう分かんなくて
318
00:23:56,621 --> 00:24:04,562
えー 終了して 雄二に解放されて
ホントに安心してますね
319
00:24:04,562 --> 00:24:07,565
(藤井)そうですか
ええ もうホッとしてますね
320
00:24:07,565 --> 00:24:11,569
すいません ホント
いえいえ 僕だって分かんないんで
321
00:24:11,569 --> 00:24:13,569
まあね…
322
00:24:24,582 --> 00:24:29,587
(藤)そう… 僕の演ずる男を
つくってく過程で➡
323
00:24:29,587 --> 00:24:32,590
さまざまに こう
ああでもない こうでもない
324
00:24:32,590 --> 00:24:36,594
あの 選択肢が
たくさんありましたね
325
00:24:36,594 --> 00:24:40,598
そういう曖昧さっていうのが
たぶん 分かりづらいものでは➡
326
00:24:40,598 --> 00:24:43,598
ないのかもしれないですね
監督の中では だから
327
00:24:51,609 --> 00:24:53,609
あのー…
328
00:24:55,613 --> 00:24:59,550
まあ 僕なりの普通
329
00:24:59,550 --> 00:25:02,553
リアルって言葉が
当たってるかどうか…
330
00:25:02,553 --> 00:25:04,553
ただ まあ…
331
00:25:06,557 --> 00:25:11,562
分かりやすく言えば
これがリアルだろっていう…
332
00:25:11,562 --> 00:25:15,566
だけですね その…
333
00:25:15,566 --> 00:25:18,569
いや 普通に生きている人って
多義的ですからね
334
00:25:18,569 --> 00:25:21,572
ハリウッド映画に
出てくるような人間は➡
335
00:25:21,572 --> 00:25:23,574
まあ どこにもいないわけですよ
336
00:25:23,574 --> 00:25:28,579
東京の中で 今という時代の中で➡
337
00:25:28,579 --> 00:25:30,581
撮らざるをえないですから➡
338
00:25:30,581 --> 00:25:34,581
そこに出てくる人間が
いくら 俳優であれ➡
339
00:25:36,587 --> 00:25:40,591
曖昧で 多義的たらざる
をえないわけですよね
340
00:25:40,591 --> 00:25:45,596
自分が納得できないぐらいが
一番いいのかなとも➡
341
00:25:45,596 --> 00:25:47,598
どっかで やっぱり…
さっき クリント・イーストウッド➡
342
00:25:47,598 --> 00:25:50,601
『ダーティハリー』を
出しましたけど➡
343
00:25:50,601 --> 00:25:53,604
あれは あの当時
クリント・イーストウッドが演じて
344
00:25:53,604 --> 00:26:00,544
アメリカ映画の あの中に
奇跡的に いただけで
345
00:26:00,544 --> 00:26:02,546
今 あれと おんなじ人を
東京の街に出すと➡
346
00:26:02,546 --> 00:26:05,549
これは 頭おかしいですよ
347
00:26:05,549 --> 00:26:07,551
こんな人 いるわけないですね
348
00:26:07,551 --> 00:26:11,555
あの だから んー…
349
00:26:11,555 --> 00:26:16,560
残念ながら出せたら
さぞや楽しかろうと思いますけど
350
00:26:16,560 --> 00:26:19,563
今んとこ 出せないですね
そんな ハッキリした…
351
00:26:19,563 --> 00:26:23,567
すべてに理由があるような人とか
352
00:26:23,567 --> 00:26:26,570
うん これは素直なところですね
353
00:26:26,570 --> 00:26:28,572
(藤)なるべく…
354
00:26:28,572 --> 00:26:32,576
あんまり よく分かんないものも
残しといたほうが➡
355
00:26:32,576 --> 00:26:34,578
いいんですよね
356
00:26:34,578 --> 00:26:37,581
なんでもかんでもね その
線引いちゃったら 役者は…
357
00:26:37,581 --> 00:26:40,584
なんか面白くないですもんね
358
00:26:40,584 --> 00:26:45,589
なんか 自分から出てくるものを➡
359
00:26:45,589 --> 00:26:47,591
出そう 出そうと
するんじゃなくて➡
360
00:26:47,591 --> 00:26:51,595
出てきたものを受け入れる
っていうことのほうが➡
361
00:26:51,595 --> 00:26:55,599
大切なんだなっていうことが
分かって
362
00:26:55,599 --> 00:26:58,602
まあ でも雄二は
ホントに面白い…
363
00:26:58,602 --> 00:27:01,539
面白い役でしたね
ホントに ええ
364
00:27:01,539 --> 00:27:05,543
これが 中に出てくる
まあ 守とか➡
365
00:27:05,543 --> 00:27:09,547
まったく こう 理解できない
登場人物なんだけども
366
00:27:09,547 --> 00:27:12,550
僕は 特に何もなく
367
00:27:12,550 --> 00:27:14,552
もう 監督が
いろいろ指示してくださるんで➡
368
00:27:14,552 --> 00:27:16,554
それをやってるだけなんですけど
369
00:27:16,554 --> 00:27:19,554
特に難しいことなかったですけど
はい
370
00:27:26,564 --> 00:27:29,567
(藤井)「任せた」っていうのが…
「任せた」 フフフッ
371
00:27:29,567 --> 00:27:32,570
これ 覚えてらっしゃいます?
いや…
372
00:27:32,570 --> 00:27:34,572
藤原の家の前のシーンなんですが
373
00:27:34,572 --> 00:27:38,576
夜… 夜のシーンの
打ち合わせなんですね
374
00:27:38,576 --> 00:27:40,578
はいはい はいはい
375
00:27:40,578 --> 00:27:42,580
あっ 小林に任せたやつか
376
00:27:42,580 --> 00:27:44,582
(スタッフ)車 来ます
ちょっと 車…
377
00:27:44,582 --> 00:27:47,582
それで すいませんが
お願いしますっていうんで…
378
00:27:49,587 --> 00:27:51,589
いや マジで 俺
なんも考えてないんだけど➡
379
00:27:51,589 --> 00:27:53,591
大丈夫よね?
(スタッフ)いや 大丈夫ですよ
380
00:27:53,591 --> 00:27:56,594
白石さんにも伝わってるよね?
(スタッフ)はい
381
00:27:56,594 --> 00:27:58,596
任せたから はい
(スタッフ)はい
382
00:27:58,596 --> 00:28:00,531
(藤井)フフフッ
383
00:28:00,531 --> 00:28:03,534
いや あの…
はい
384
00:28:03,534 --> 00:28:06,537
これは そのままなんですけど
ええ
385
00:28:06,537 --> 00:28:10,541
あの なんにも考えてなかったので
(藤井)はい
386
00:28:10,541 --> 00:28:14,545
んー 小林に…
387
00:28:14,545 --> 00:28:19,550
セカンド助監督である小林に
任せたっていう➡
388
00:28:19,550 --> 00:28:21,552
まあ そのままなんですけど
(藤井)ええ
389
00:28:21,552 --> 00:28:26,557
あの どうにも頭に浮かばない
390
00:28:26,557 --> 00:28:30,561
いろんなパターンがあるけど
どの成立のしかたがいいのか➡
391
00:28:30,561 --> 00:28:33,564
僕も よく分からないという場合➡
392
00:28:33,564 --> 00:28:35,566
たまにあるんですけど
(藤井)ええ
393
00:28:35,566 --> 00:28:40,571
そういう場合 思い切って
自分で くよくよ考えずに➡
394
00:28:40,571 --> 00:28:43,574
全然 違う人に考えてもらう
(藤井)ああ
395
00:28:43,574 --> 00:28:47,578
あの 場合によっては
それを全部 俳優さんに➡
396
00:28:47,578 --> 00:28:50,581
お任せする場合もありますし
(スタッフ)小林 笹野さんの➡
397
00:28:50,581 --> 00:28:52,583
そっちの棚に行く動きから
やっとこうか
398
00:28:52,583 --> 00:28:56,587
助監督っていうのは
そういう役目も➡
399
00:28:56,587 --> 00:28:59,523
していいって思ってますから
(藤井)ええ
400
00:28:59,523 --> 00:29:01,525
監督が 「どうしても
思いつかないんだよ」って言ったら
401
00:29:01,525 --> 00:29:04,528
それは まさに助けてくれる
402
00:29:04,528 --> 00:29:09,533
そこで物語が大きく違ってしまう
とこでしたら➡
403
00:29:09,533 --> 00:29:12,536
それは意地でも 僕は
考えなければいけないのは➡
404
00:29:12,536 --> 00:29:15,539
分かってんですけど
時には演出でさえ➡
405
00:29:15,539 --> 00:29:19,543
まあ 人に任せるとこは任せる…
406
00:29:19,543 --> 00:29:22,543
って感じですね
(藤井)ああ
407
00:29:31,555 --> 00:29:35,559
こっちが全然 ホントに
ヤな気分にならずに➡
408
00:29:35,559 --> 00:29:38,562
こう 監督の言うことを
受け入れたいという気持ちに➡
409
00:29:38,562 --> 00:29:41,565
させてくれるっていうのが
あると思うんですけど
410
00:29:41,565 --> 00:29:44,568
そこは やっぱりすごい
ありがたいなっていう
411
00:29:44,568 --> 00:29:46,570
あの ホントに
監督の言い方だと➡
412
00:29:46,570 --> 00:29:49,573
「あっ 僕の言ってること
別にやらなくてもいいんで」➡
413
00:29:49,573 --> 00:29:53,577
っていうような言い方するから
「いやいや やりましょうよ」って➡
414
00:29:53,577 --> 00:29:55,577
いう感じになるじゃないですか
そうすると
(藤井)ええ
415
00:29:59,583 --> 00:30:02,586
着てるのも なかなか
面白いかもしれないね
416
00:30:02,586 --> 00:30:08,592
もし 差し支えなければ投げるの…
ええ 大丈夫ですよ
417
00:30:08,592 --> 00:30:12,596
ああいう感じで言われると
非常に なんか こっちは➡
418
00:30:12,596 --> 00:30:17,601
「はあ」っていうふうに
はい 素直になれるかと…
419
00:30:17,601 --> 00:30:19,603
(藤井)こういう感じで
おっしゃってるんですが➡
420
00:30:19,603 --> 00:30:21,605
あるいは あの
「どっちでもいいです」とか➡
421
00:30:21,605 --> 00:30:23,607
「任せます」とか
結構 おっしゃるんですが➡
422
00:30:23,607 --> 00:30:25,609
あれは ふだんも大体
ああいった形の演出が➡
423
00:30:25,609 --> 00:30:27,611
多いわけですか?
ええ そうです
424
00:30:27,611 --> 00:30:34,618
で ここが僕の
その すごいとこなんですけど
425
00:30:34,618 --> 00:30:36,620
(藤井)はあ フフッ
426
00:30:36,620 --> 00:30:38,622
「どっちでもいいです」
って言ったときは➡
427
00:30:38,622 --> 00:30:40,624
本当に どっちでもいいんです
428
00:30:40,624 --> 00:30:44,628
その裏に 演出家としての何か
すごい作戦がね ないんですよ
429
00:30:44,628 --> 00:30:49,633
もう 素直に言ってるだけ
「どっちでもいい」と ええ
430
00:30:49,633 --> 00:30:51,635
「右ですか 左ですか
どっちがいいんですか?」
431
00:30:51,635 --> 00:30:54,638
「僕も どっちでもいいですよ」
と俳優さんが言った場合➡
432
00:30:54,638 --> 00:30:57,641
「じゃあ 右で」
(藤井)ああ はい
433
00:30:57,641 --> 00:30:59,577
ホント サイコロで
決めるようにっつって➡
434
00:30:59,577 --> 00:31:02,580
右でやってて
まあ カメラマンとかが➡
435
00:31:02,580 --> 00:31:06,584
「ああ これ 右 行かれると
これ 影 出ちゃうな」
436
00:31:06,584 --> 00:31:09,587
「あっ じゃあ ごめん 左」っつって
すぐ変えますよね
437
00:31:09,587 --> 00:31:11,589
そうですね ちょっとぐらい
間があってもいいかもしれない
438
00:31:11,589 --> 00:31:13,591
ええ
はい
439
00:31:13,591 --> 00:31:15,593
そんときに ちょっと
僕も分かんないんですけども
440
00:31:15,593 --> 00:31:17,595
はい テスト
(スタッフ)テスト
441
00:31:17,595 --> 00:31:21,595
はい よーい はい
(カチンコの音)
442
00:31:23,601 --> 00:31:25,601
お前 死んでんの?
443
00:31:28,606 --> 00:31:30,606
うっ…
444
00:31:36,614 --> 00:31:40,618
はい
(スタッフたち)はい カット
445
00:31:40,618 --> 00:31:42,620
はいはい はい 大丈夫でした?
大丈夫でした?
446
00:31:42,620 --> 00:31:45,620
ええ 大丈夫でした
はい はい
447
00:31:49,627 --> 00:31:53,631
まだですか? そっち…
(スタッフ)もう つかんで➡
448
00:31:53,631 --> 00:31:56,634
つかんで もう 気持ちあっても
いいかもしれないですね
449
00:31:56,634 --> 00:32:00,571
つかんでる間がですね
はい 分かりました
450
00:32:00,571 --> 00:32:03,574
まあ 原理的に すべてに➡
451
00:32:03,574 --> 00:32:05,576
こだわるわけに
いかないわけですから
452
00:32:05,576 --> 00:32:07,578
「呼吸を4回にしてくれ」とかね
453
00:32:07,578 --> 00:32:09,580
アニメーションなら
そうせざるをえないでしょうけど
454
00:32:09,580 --> 00:32:11,582
「まばたき 何回しますか?」
みたいな
455
00:32:11,582 --> 00:32:15,586
まあ それはもう
人それぞれですよね
456
00:32:15,586 --> 00:32:17,588
スチャッて戻したい
スチャッ
457
00:32:17,588 --> 00:32:19,588
「スチャッ」て
なんだか分かんないよね
458
00:32:24,595 --> 00:32:26,595
どうでもいいんですけど
はい
459
00:32:35,606 --> 00:32:38,609
(スタッフ)はい じゃあ
本番態勢になってください
460
00:32:38,609 --> 00:32:40,611
(スタッフ)はい それじゃ
次 本番いきますので➡
461
00:32:40,611 --> 00:32:42,613
本番態勢で お願いします
462
00:32:42,613 --> 00:32:44,615
(無線:スタッフ)雨 お願いします
雨 お願いします
463
00:32:44,615 --> 00:32:47,615
(スタッフたち)雨 お願いします
464
00:33:03,567 --> 00:33:07,571
(スタッフ)はい 本番いきまーす
(スタッフ)はい 本番
465
00:33:07,571 --> 00:33:10,571
(スタッフ)本番 よーい はい
466
00:33:17,581 --> 00:33:19,581
(真一郎)仁村君 シート
はい
467
00:33:37,601 --> 00:33:39,603
避難しようか
はい
468
00:33:39,603 --> 00:33:42,606
メシにしよう
はい
469
00:33:42,606 --> 00:33:44,606
そこ 借りちゃおう
470
00:34:00,557 --> 00:34:05,562
(無線:スタッフ)はい カット
(スタッフたち)はい カット
471
00:34:05,562 --> 00:34:07,562
(無線:スタッフ)オッケー オッケー…
(スタッフたち)オッケーです!
472
00:34:09,566 --> 00:34:11,566
(スタッフ)養生用に
473
00:34:16,573 --> 00:34:18,575
(スタッフ)星野
(星野)はい
474
00:34:18,575 --> 00:34:20,577
(スタッフ)ウエスとか持ってる?
(星野)あっ はい あります
475
00:34:20,577 --> 00:34:24,581
今 ここで見てた
クラゲが出たあとですけど➡
476
00:34:24,581 --> 00:34:27,584
軍手を取るんですが その前に
上に こんなもんが➡
477
00:34:27,584 --> 00:34:29,586
なんで載ってんだか
分かんないんですけど
478
00:34:29,586 --> 00:34:32,589
これを ポーンっと
どけたいんですよ
はい
479
00:34:32,589 --> 00:34:34,591
で ガラガラガラって
いうと思うんですけど➡
480
00:34:34,591 --> 00:34:36,593
ポーンっと どけて
481
00:34:36,593 --> 00:34:39,596
「雨 やんだみたいですよ」
482
00:34:39,596 --> 00:34:42,599
で 軍手で…
考えてるんです
483
00:34:42,599 --> 00:34:45,602
それで こうなってる
なんでかは聞かないでくださいね
484
00:34:45,602 --> 00:34:48,605
はい
雄二って そんなヤツっていう
485
00:34:48,605 --> 00:34:50,607
はい
486
00:34:50,607 --> 00:34:53,610
いや これ 懐かしいな
487
00:34:53,610 --> 00:34:55,612
これは台本にも 何もなくて
488
00:34:55,612 --> 00:35:01,552
撮影の前日の夜かなんかに
ふいに思いついた
489
00:35:01,552 --> 00:35:04,555
なんで そんなこと思いついたのか
自分でも分からない
490
00:35:04,555 --> 00:35:07,558
説明ができないんですけど
491
00:35:07,558 --> 00:35:09,560
1つは音なんですね
492
00:35:09,560 --> 00:35:13,564
なんか ある音で
何か その…
493
00:35:13,564 --> 00:35:17,568
クラゲの世界に
引き込まれるようなシーンが➡
494
00:35:17,568 --> 00:35:21,572
ふいに パッと
その 現実に戻りたい
495
00:35:21,572 --> 00:35:25,576
で 雄二が 何か音を出す
496
00:35:25,576 --> 00:35:29,580
ってことを
なぜか思いついたんですね
497
00:35:29,580 --> 00:35:31,582
言葉どおりなんですよ
理由が分からないんですよ
498
00:35:31,582 --> 00:35:34,585
なんで そんなことを
思いついたのか
(藤井)ああ
499
00:35:34,585 --> 00:35:37,588
「えっ なんで
そんなことするんですか?」って➡
500
00:35:37,588 --> 00:35:39,590
オダギリさんは
ひと言も聞かなかったけども➡
501
00:35:39,590 --> 00:35:41,592
「聞かれちゃ困るな」
と思ったんで➡
502
00:35:41,592 --> 00:35:44,595
「いや 理由は分からないんだ」って
(藤井)ああ そうですか
503
00:35:44,595 --> 00:35:47,598
あらかじめ言った
っていうだけですね
504
00:35:47,598 --> 00:35:52,603
やや大げさに言いますと
万事が 僕の演出というかな
505
00:35:52,603 --> 00:35:55,606
「いや
理由っていうのは分からない」
506
00:35:55,606 --> 00:35:58,609
「なんでか そうしてしまった」
507
00:35:58,609 --> 00:36:06,550
「っていうふうに 人間を
動かしていきますね」っていう
508
00:36:06,550 --> 00:36:08,552
えー 今 たまたま
脚を組みましたけど➡
509
00:36:08,552 --> 00:36:12,556
なんで脚 組んだのかと言われたら
理由ないですからね
510
00:36:12,556 --> 00:36:17,561
えー 人間 生きていて
まあ ほとんどの行為は理由がない
511
00:36:17,561 --> 00:36:19,563
ふと立つ ふと座る
512
00:36:19,563 --> 00:36:26,570
まあ そういう 非常に日常的な
僕の感覚に沿って➡
513
00:36:26,570 --> 00:36:28,572
人にも やってもらうので
514
00:36:28,572 --> 00:36:35,579
黒沢さんが わりと本質的なことを
話すときに言う話が➡
515
00:36:35,579 --> 00:36:39,583
「いや 人と人は
分かり合おうと思ったらダメだ」と
516
00:36:39,583 --> 00:36:45,589
「だから 理解しようと思うから
いろいろ問題が起きるんだ」と
517
00:36:45,589 --> 00:36:48,592
まあ 疑問に思ってることは
なるべく答えようとしますが➡
518
00:36:48,592 --> 00:36:50,594
多くは 「すいません
僕も分かんないです」➡
519
00:36:50,594 --> 00:36:52,596
つって言うしかないし
520
00:36:52,596 --> 00:36:56,600
撮影に入る前に あまり 今までも
役者の方と➡
521
00:36:56,600 --> 00:36:59,536
お会いになったことがない
っていうことで➡
522
00:36:59,536 --> 00:37:02,539
まあ いろいろな先入観をね
持たないようにとか➡
523
00:37:02,539 --> 00:37:05,542
あるんじゃないかと
思うんですけれども
524
00:37:05,542 --> 00:37:07,544
もっとハッキリ言うと
何度も会ってると➡
525
00:37:07,544 --> 00:37:09,546
こっちのボロが出るんじゃないか
っていうね
526
00:37:09,546 --> 00:37:12,549
(藤井)そうですか
ええ でも ありますよね
527
00:37:12,549 --> 00:37:15,552
あんまり聞かれても
答えられなかったりしてとか
528
00:37:15,552 --> 00:37:19,556
うん 向こうが すごく不信感を
持つんじゃないかしらっていう
529
00:37:19,556 --> 00:37:22,559
それも大きいですよね
530
00:37:22,559 --> 00:37:27,564
現場だと 「すいません
理由ないんですけど」➡
531
00:37:27,564 --> 00:37:29,566
って言えますけど➡
532
00:37:29,566 --> 00:37:32,569
何か月も前に 「すいません
理由ないんですけど」って➡
533
00:37:32,569 --> 00:37:34,571
「じゃあ 理由は考えといて
ください」とか言われると➡
534
00:37:34,571 --> 00:37:36,573
困るよねっていう
535
00:37:36,573 --> 00:37:38,575
完成度の高いもの 作るためにね➡
536
00:37:38,575 --> 00:37:40,577
監督が何を考えてらっしゃるのか
537
00:37:40,577 --> 00:37:44,581
何を撮りたいのかっていうと
みんな 探ってますからね
538
00:37:44,581 --> 00:37:47,584
今までと ちょっと違う
っていうふうに➡
539
00:37:47,584 --> 00:37:49,586
こう 実感できるようなことを➡
540
00:37:49,586 --> 00:37:51,588
してもらいたい
っていうのがあったので➡
541
00:37:51,588 --> 00:37:55,592
随分 早い段階
第1稿が書き上がった段階で➡
542
00:37:55,592 --> 00:37:57,594
皆さんに
会ってもらうことにしました
543
00:37:57,594 --> 00:38:05,535
えー ディスカッションして
役を煮詰めていくとかいうのが➡
544
00:38:05,535 --> 00:38:07,535
ホント 苦手なんですよ
545
00:38:09,539 --> 00:38:15,545
ディスカッションすればするほど
それって ウソっぽくなっていく
546
00:38:15,545 --> 00:38:19,549
つまり 僕が一番
イヤだと思っている理由が➡
547
00:38:19,549 --> 00:38:21,551
どんどん ハッキリしていく➡
548
00:38:21,551 --> 00:38:24,554
のではないかという
恐怖があるんですね
549
00:38:24,554 --> 00:38:27,557
でね 監督は 浅野さんに
お会いしたときはね➡
550
00:38:27,557 --> 00:38:30,560
かなり緊張してたんじゃないかな
と思ったんですね うん
551
00:38:30,560 --> 00:38:34,564
なんか あの…
何か変わったことを➡
552
00:38:34,564 --> 00:38:37,567
聞かれたり 言われたりするのかな
っていう予測が➡
553
00:38:37,567 --> 00:38:39,569
もしかすると
あったのかしれませんけども
554
00:38:39,569 --> 00:38:41,571
で 黒沢さんのほうから
浅野さんに➡
555
00:38:41,571 --> 00:38:44,574
「何か ご質問ありますか?
脚本について」って聞いたら➡
556
00:38:44,574 --> 00:38:48,578
浅野さん 「いや 特にないです」
って ひと言➡
557
00:38:48,578 --> 00:38:50,580
おっしゃっただけだったんですね
558
00:38:50,580 --> 00:38:54,584
で 黒沢さんは 「うわー」って
「なんか すごい人だな」➡
559
00:38:54,584 --> 00:38:57,587
っていう気持ちに
なったんじゃないかと思いますね
560
00:38:57,587 --> 00:39:00,524
まあ 僕も あんま考えてないんで
561
00:39:00,524 --> 00:39:02,526
どんなヤツでもいいのかな
と思って
562
00:39:02,526 --> 00:39:05,529
あとは もう見る人が
たぶん 決めてくれるのと➡
563
00:39:05,529 --> 00:39:09,533
監督の中で きっと
監督なりの答えがあるので
564
00:39:09,533 --> 00:39:12,536
込み入ったことまで話しちゃうと
面白くないしね
565
00:39:12,536 --> 00:39:15,539
なんか こう んー…
566
00:39:15,539 --> 00:39:17,541
縮こましくなっちゃいますからね
567
00:39:17,541 --> 00:39:20,544
まず現場に 一歩 入ってみないと
こういうものって分からないし
568
00:39:20,544 --> 00:39:22,546
そういうこと…
569
00:39:22,546 --> 00:39:26,550
全然 今でも たぶん
分かってないとは思うんですけど
570
00:39:26,550 --> 00:39:29,553
なんか…
571
00:39:29,553 --> 00:39:34,558
でも 前みたいに➡
572
00:39:34,558 --> 00:39:39,563
考えたりすることも
まったく なくなってきたし
573
00:39:39,563 --> 00:39:44,568
なんのために あんなに考えたり
悩んだりしてたのかっていうのが
574
00:39:44,568 --> 00:39:47,568
まったく分かんないですね
575
00:39:53,577 --> 00:40:00,584
企画だけで言うと
大半が そういう…
576
00:40:00,584 --> 00:40:04,588
7割ぐらいは そういう
ジャンル性のあるものですね
577
00:40:04,588 --> 00:40:06,590
8割かな
578
00:40:06,590 --> 00:40:12,596
ジャンルが ハッキリあったほうが
僕は ずっと やりやすいし➡
579
00:40:12,596 --> 00:40:16,600
自分に もし
作家性があるんだとしたら➡
580
00:40:16,600 --> 00:40:19,603
ジャンルが ハッキリしたほうが
作家性は発揮しやすいです
581
00:40:19,603 --> 00:40:28,612
それはジャンルが規定する
ある型と➡
582
00:40:28,612 --> 00:40:33,617
そうはしない ここはそうする
っていう 自分の作家としての➡
583
00:40:33,617 --> 00:40:35,619
ポジションを
すごく取りやすいんですよ
584
00:40:35,619 --> 00:40:39,623
「私の考えるホラーは これだ」
とかね 今回は…
585
00:40:39,623 --> 00:40:41,625
ホラーじゃないジャンルの映画
586
00:40:41,625 --> 00:40:45,629
そして 人の気持ちが
グッと全面に出たような映画を➡
587
00:40:45,629 --> 00:40:50,634
撮ってみてもらいたいなっていう
気持ちが すごくあって
588
00:40:50,634 --> 00:40:53,637
「ノンジャンルでいきたい」
589
00:40:53,637 --> 00:40:56,640
逆に 困ったんですね
590
00:40:56,640 --> 00:40:58,642
なんでもありなわけですよ
(藤井)まあ そうですね
591
00:40:58,642 --> 00:41:02,579
ええ あの…
592
00:41:02,579 --> 00:41:09,586
僕が どこにいるのか まったく
フニャフニャしていて
593
00:41:09,586 --> 00:41:14,591
客が どういうつもりで
この映画を見に来るのか
594
00:41:14,591 --> 00:41:16,593
皆目 見当もつかない
595
00:41:16,593 --> 00:41:18,595
単なる ムチャクチャに…
596
00:41:18,595 --> 00:41:20,597
いとも簡単に
なってしまうんですね
597
00:41:20,597 --> 00:41:22,599
で それはそれで
たやすいんですけど
598
00:41:22,599 --> 00:41:24,601
ムチャクチャにするのは
599
00:41:24,601 --> 00:41:29,606
まあ ある方向で
まとめようとするわけですけど➡
600
00:41:29,606 --> 00:41:32,609
ただ まとめると
面白くも おかしくもない映画に➡
601
00:41:32,609 --> 00:41:34,611
なってしまうんですね
602
00:41:34,611 --> 00:41:37,614
そのバランスは ひとえに
自分で取らざるをえない
603
00:41:37,614 --> 00:41:40,617
ジャンルからは撮れないんですよ
604
00:41:40,617 --> 00:41:42,619
普通こうするだろってのは
ないんですよ
605
00:41:42,619 --> 00:41:46,623
この手が 一番難しいです
606
00:41:46,623 --> 00:41:48,625
やってて つらい
607
00:41:48,625 --> 00:41:51,628
(藤井)つらかったですか?
つらかったですね ええ
608
00:41:51,628 --> 00:41:53,628
あのー…
609
00:41:56,633 --> 00:41:59,569
変に抑制しちゃうんですよね
自分を
610
00:41:59,569 --> 00:42:02,569
あの ムチャクチャに
なっちゃいけないっていうんで
611
00:42:14,584 --> 00:42:18,588
(スタッフ)そうですね
くっついていないです
612
00:42:18,588 --> 00:42:21,591
2人いるの 分かります?
あっ いいですね
613
00:42:21,591 --> 00:42:23,593
(スタッフ)ええ このぐらいのほうが
614
00:42:23,593 --> 00:42:26,596
はい じゃあ えーっと
おおよそ こういう体勢で
615
00:42:26,596 --> 00:42:30,600
じゃあ ちょっと はい
616
00:42:30,600 --> 00:42:34,604
なんか ある? 包丁みたいな…
617
00:42:34,604 --> 00:42:36,606
(スタッフ)
いや 余計にキツいかもしれない
618
00:42:36,606 --> 00:42:38,608
薄いほうがいいかも うん
(スタッフ)あっ そうなんだ
619
00:42:38,608 --> 00:42:40,608
お茶でいいんですかね
620
00:42:42,612 --> 00:42:45,612
(笹野)遠慮なくやってください
はい
621
00:42:47,617 --> 00:42:49,619
いや この上に
血のり 置きますがね
622
00:42:49,619 --> 00:42:53,623
(笹野)あっ なるほどね
ええ これは下地です 下塗りです
623
00:42:53,623 --> 00:42:55,625
ちょっと かけますから
(笹野)どうぞ
624
00:42:55,625 --> 00:42:57,627
冷たいです
625
00:42:57,627 --> 00:43:01,564
(藤井)
このへん もう かなり慣れた
手つきで いらっしゃって
626
00:43:01,564 --> 00:43:03,566
まあ こういうシーンは
慣れているっていうことも➡
627
00:43:03,566 --> 00:43:05,568
大きいんですけど
628
00:43:05,568 --> 00:43:07,570
まあ これも スタジオといえば
スタジオだったけども➡
629
00:43:07,570 --> 00:43:12,575
まあ 一応 普通の一軒家で
俳優さんもいて
630
00:43:12,575 --> 00:43:15,578
こういうとこで
血のりをつけるっていうときって
631
00:43:15,578 --> 00:43:18,581
まあ 助監督も美術部も
躊躇するんですよ
632
00:43:18,581 --> 00:43:24,587
ただ 躊躇してはいけないので
たっぷり要るときは たっぷりだ
633
00:43:24,587 --> 00:43:27,590
そういうとき 僕が率先して
ザーッとやると➡
634
00:43:27,590 --> 00:43:30,593
「ああ やっていいんだ」って
つまり➡
635
00:43:30,593 --> 00:43:35,598
「汚した責任 僕 取りますから」
っていう姿勢が強いですね
636
00:43:35,598 --> 00:43:39,602
(藤井)監督が かなり楽しそうだな
という印象を 僕は抱いたんですが
637
00:43:39,602 --> 00:43:41,604
ええ
638
00:43:41,604 --> 00:43:45,608
ええ あの 楽しいっていうか
639
00:43:45,608 --> 00:43:47,610
いや 誰がやっても
これ 楽しいと思いますよ
640
00:43:47,610 --> 00:43:49,612
だって
普通 汚しちゃいけないとこに➡
641
00:43:49,612 --> 00:43:51,614
バーって 赤いもん
まいたりするわけでね
642
00:43:51,614 --> 00:43:54,617
ええ そんな楽しそうでした?
(藤井)楽しそうでしたね
643
00:43:54,617 --> 00:43:56,619
ははあ まあ そうですね
644
00:43:56,619 --> 00:44:00,557
あの この映画で
唯一 血が出るとこですから
645
00:44:00,557 --> 00:44:02,557
ええ あの…
646
00:44:04,561 --> 00:44:06,561
ええ はい 楽しみました
647
00:44:08,565 --> 00:44:10,567
とろ… とろーっと もう
648
00:44:10,567 --> 00:44:14,567
ああ はいはいはい そういうこと
この辺も いってみましょうかね
649
00:44:18,575 --> 00:44:20,575
やっぱ垂らしたほうが…
650
00:44:29,586 --> 00:44:31,588
ええ 気持ちだけ
651
00:44:31,588 --> 00:44:35,592
「もう 俺は殺してやる」
っていうことなんですが➡
652
00:44:35,592 --> 00:44:38,595
それを あの 今以上に➡
653
00:44:38,595 --> 00:44:41,598
無理やり 表情で作ろうと
しないほうがいいです
はい
654
00:44:41,598 --> 00:44:44,601
ええ 今でもオッケーなんですが
今以上に 本番だからって➡
655
00:44:44,601 --> 00:44:46,603
こうやって
作りすぎないほうがいいです
656
00:44:46,603 --> 00:44:49,606
分かりました
はい
657
00:44:49,606 --> 00:44:51,608
はい では次 本番いきますよ
658
00:44:51,608 --> 00:44:57,614
現代の東京を舞台に
人間と人間がある葛藤
659
00:44:57,614 --> 00:45:03,553
しかも それが肉体的な
表現として成立する➡
660
00:45:03,553 --> 00:45:08,553
葛藤を演じるときって
やっぱり んー…
661
00:45:10,560 --> 00:45:14,564
どっかでね まあ 暴力的な表現
662
00:45:14,564 --> 00:45:20,570
殺しっていうものに
還元されていきますね
663
00:45:20,570 --> 00:45:24,570
それでもう
それは絶対的な対立ですね
664
00:45:26,576 --> 00:45:28,578
(浅井)まあ 黒沢さんが
この映画ん中で➡
665
00:45:28,578 --> 00:45:31,581
登場人物を殺すんですけれども➡
666
00:45:31,581 --> 00:45:35,585
台本を書いてて
打ち合わせしてるときでも➡
667
00:45:35,585 --> 00:45:40,590
「なんで彼らは殺されるのか」
「あまりにも普通だから」
668
00:45:40,590 --> 00:45:42,592
えー どういうことかっていうと➡
669
00:45:42,592 --> 00:45:44,594
決して その
普通の生活してる人を➡
670
00:45:44,594 --> 00:45:46,596
彼は憎んでるわけじゃない
671
00:45:46,596 --> 00:45:51,601
普通に いい気持ちで
生活をしたいっていう気持ちと➡
672
00:45:51,601 --> 00:45:54,604
どっか それと裏腹な
なんか狂気を持ってる
673
00:45:54,604 --> 00:45:56,606
で それがまあ ある種➡
674
00:45:56,606 --> 00:46:00,543
芸術的なものを作らせたりする
原動力になったり
675
00:46:00,543 --> 00:46:03,546
あるいは こう
普通の生活の中でも➡
676
00:46:03,546 --> 00:46:05,548
なんか 毎日のルーティンを
壊していくような➡
677
00:46:05,548 --> 00:46:08,551
心の動きになったりするんだと
思うけど
678
00:46:08,551 --> 00:46:14,557
まったく それをない人を
なんか 監督は憎んでるなと
679
00:46:14,557 --> 00:46:17,560
恐ろしく憎んでるんだな
っていう気がして
680
00:46:17,560 --> 00:46:22,565
まあ 人種間の対立とか
それは ほかの国では もう➡
681
00:46:22,565 --> 00:46:27,570
それは 本気で戦争してる
宗教間の対立とか➡
682
00:46:27,570 --> 00:46:31,574
もっと深刻な状況が
世界ではあるのは知っています
683
00:46:31,574 --> 00:46:36,579
なかなか それで現代の日本で
ドラマって作れないですよね
684
00:46:36,579 --> 00:46:38,581
なくはないんだけど
発想できなくて
685
00:46:38,581 --> 00:46:42,581
なんでもないような
普通に生きてるような人たちが➡
686
00:46:44,587 --> 00:46:49,592
よーく見てみると
決定的な対立を生きていて
687
00:46:49,592 --> 00:46:52,595
なんかのきっかけで
どっちかが どっちかを殺すまでに
688
00:46:52,595 --> 00:46:54,597
それは あっという間に
発展しますよっていう➡
689
00:46:54,597 --> 00:46:56,597
ドラマですかね
690
00:47:00,537 --> 00:47:02,539
(黒沢・スタッフたち)
ありがとうございました
691
00:47:02,539 --> 00:47:07,539
(スタッフ)はい 本日 以上です
(一同)お疲れさまでした
692
00:47:19,556 --> 00:47:21,558
僕が やはり➡
693
00:47:21,558 --> 00:47:26,563
やりたくない
人間ドラマというのは➡
694
00:47:26,563 --> 00:47:29,566
人間の心理のドラマなんですよね
695
00:47:29,566 --> 00:47:33,570
人間の心と心が
葛藤するようなドラマが➡
696
00:47:33,570 --> 00:47:35,572
イヤなんですよね
697
00:47:35,572 --> 00:47:40,577
人間の肉体が葛藤するドラマは
全然オッケーで➡
698
00:47:40,577 --> 00:47:45,582
人間の 非常に 肉体を通じて➡
699
00:47:45,582 --> 00:47:50,587
ある葛藤が見えてくるものは➡
700
00:47:50,587 --> 00:47:52,589
ロバート・アルドリッチが
そうですし
701
00:47:52,589 --> 00:47:54,591
俳優に対しての演出もそうで➡
702
00:47:54,591 --> 00:47:58,595
一見 演出は
ほとんどしてないですよ
703
00:47:58,595 --> 00:48:00,530
あの どこで立ってとか➡
704
00:48:00,530 --> 00:48:04,534
そういう なんか
位置 動きだけを指示してて
705
00:48:04,534 --> 00:48:07,537
実際 映ってんのは肉体なわけです
706
00:48:07,537 --> 00:48:12,542
あの 文字で書けば別ですよ
人間の心理は書けますけど
707
00:48:12,542 --> 00:48:14,544
誰が どう見ても映ってるのは➡
708
00:48:14,544 --> 00:48:17,547
肉体なのは分かってんですよね
映画ですから
709
00:48:17,547 --> 00:48:19,549
ところが
そこに心理が表れてっていったら
710
00:48:19,549 --> 00:48:22,552
なんらかの欺瞞
ウソがあるんですよ
711
00:48:22,552 --> 00:48:29,559
で 今回も 基本的には肉体
顔も含めてですけど
712
00:48:29,559 --> 00:48:36,566
ある肉体としての人間が
描かれていればいい
713
00:48:36,566 --> 00:48:39,569
と思って作り始めてる
714
00:48:39,569 --> 00:48:41,571
今も
そうしてるつもりなんですが➡
715
00:48:41,571 --> 00:48:47,577
見ている人が ともすると
心理の側に引き込まれてしまう
716
00:48:47,577 --> 00:48:51,581
それは俳優さんの力が すごかった
っていうのもあるんですけど
717
00:48:51,581 --> 00:48:53,583
変な言い方なんですけど➡
718
00:48:53,583 --> 00:48:56,586
ここまでになると
思わなかったですね
719
00:48:56,586 --> 00:49:00,523
あの 編集したものを
自分で見ても➡
720
00:49:00,523 --> 00:49:02,525
心理に引き込まれるんですよ
721
00:49:02,525 --> 00:49:07,530
(野下)あまり あの 人の感情が
全面的に むき出しになってる➡
722
00:49:07,530 --> 00:49:11,534
強く表に出てきてる映画
っていうのを➡
723
00:49:11,534 --> 00:49:13,536
撮られるタイプの
監督ではなかったので➡
724
00:49:13,536 --> 00:49:17,540
逆に 感情に
支配されてるような人を➡
725
00:49:17,540 --> 00:49:20,543
描いてみてもらいたいな
っていうふうに思ったのが➡
726
00:49:20,543 --> 00:49:22,545
黒沢さんを選んだ
理由だったと思います
727
00:49:22,545 --> 00:49:25,548
まあ ある程度
それは狙いもしましたけど
728
00:49:25,548 --> 00:49:29,552
でも これ
引き込まれすぎなんじゃないかな
729
00:49:29,552 --> 00:49:33,556
あの もっと 肉体を見せたいのに
っていうんで➡
730
00:49:33,556 --> 00:49:38,561
編集では かなり
心理のドラマを➡
731
00:49:38,561 --> 00:49:42,565
断ち切るような形に
もってってんですけど➡
732
00:49:42,565 --> 00:49:44,567
えー それでも やっぱりね➡
733
00:49:44,567 --> 00:49:50,573
結構 濃密な心理ドラマが
展開していて
734
00:49:50,573 --> 00:49:53,576
んー…
735
00:49:53,576 --> 00:49:56,579
まあ あと…
736
00:49:56,579 --> 00:49:59,582
これを まあ
やみくもに断ち切ってっても➡
737
00:49:59,582 --> 00:50:01,584
単なる ムチャクチャになるので➡
738
00:50:01,584 --> 00:50:05,588
んー 心理ドラマは心理ドラマで➡
739
00:50:05,588 --> 00:50:11,594
まあまあ あー…
それはそれで生かしつつ➡
740
00:50:11,594 --> 00:50:18,601
一方で それを凌駕するような
肉体のドラマのほうに➡
741
00:50:18,601 --> 00:50:22,605
目を向けさせたいって
今は思ってんですけどね
742
00:50:22,605 --> 00:50:25,608
まあ 最終的に
音楽とか 音も入って➡
743
00:50:25,608 --> 00:50:29,612
ある程度 そうなればいいなと
思ってんですけど
744
00:50:29,612 --> 00:50:33,616
んー…
745
00:50:33,616 --> 00:50:36,619
いや こん… そうなんですよ
746
00:50:36,619 --> 00:50:38,621
困ってんですよね
747
00:50:38,621 --> 00:50:42,625
「頑固な人だな」と思うことは
何度もあったんですね
748
00:50:42,625 --> 00:50:47,630
で あの
論理的に 話をされるので➡
749
00:50:47,630 --> 00:50:50,633
ついつい いつも
監督の その話➡
750
00:50:50,633 --> 00:50:53,636
会話の中に巻き込まれていって➡
751
00:50:53,636 --> 00:50:56,639
最初 まあ私は 全然
論理的なタイプじゃないから➡
752
00:50:56,639 --> 00:50:58,641
「なんで 監督 どうして?」
っていう感じで➡
753
00:50:58,641 --> 00:51:01,577
始まってるんですけれども
いつの間にか➡
754
00:51:01,577 --> 00:51:04,580
「なるほどね」って言って
監督の話で➡
755
00:51:04,580 --> 00:51:07,583
「うん 納得」っていうふうに
終わる場面が➡
756
00:51:07,583 --> 00:51:10,583
何度も何度も
あったような気がします
757
00:51:17,593 --> 00:51:19,595
(浅井)女性が ほとんど出てこない
758
00:51:19,595 --> 00:51:25,601
ある意味 女性のセンスで
選ばれてるキャスティングであり
759
00:51:25,601 --> 00:51:29,601
今回の 男3人が出てくる
映画っていうのは➡
760
00:51:31,607 --> 00:51:34,610
組み合わせとして すごい
カッコイイなと思うし
761
00:51:34,610 --> 00:51:39,615
あの 色気のある映画にしたいな
っていう気持ちがあったんですね
762
00:51:39,615 --> 00:51:42,618
だから もちろん
藤さんも そうなんですけれども➡
763
00:51:42,618 --> 00:51:46,622
何か こう そこはかとなく
男の人としての色気が➡
764
00:51:46,622 --> 00:51:49,625
あの 出るような人たちと➡
765
00:51:49,625 --> 00:51:52,628
ご一緒できたら
っていう気持ちがありました
766
00:51:52,628 --> 00:51:55,631
オダギリさんに お願いしようと
思ったきっかけは➡
767
00:51:55,631 --> 00:51:58,634
すごく色気がある人だな
と思ったことと➡
768
00:51:58,634 --> 00:52:01,571
自分で 何かをこう
見極めたいって思ってるような➡
769
00:52:01,571 --> 00:52:04,574
若い人に思えたんですね
770
00:52:04,574 --> 00:52:06,576
で 一目 会ったときから➡
771
00:52:06,576 --> 00:52:08,578
これはもう
監督の言葉ですけれども➡
772
00:52:08,578 --> 00:52:11,581
「もはや オダギリさん以外
考えられない」っていうくらいに
773
00:52:11,581 --> 00:52:16,586
ホントに 初の主演を
やらせていただけるということで
774
00:52:16,586 --> 00:52:19,589
台本も すごく面白かったですし➡
775
00:52:19,589 --> 00:52:23,593
監督も
黒沢 清監督ということで➡
776
00:52:23,593 --> 00:52:25,595
もちろん 浅野さん 藤さんと➡
777
00:52:25,595 --> 00:52:27,597
共演できる
っていうものだったんで➡
778
00:52:27,597 --> 00:52:30,600
自分でも もう気合いが
入りまくっちゃって
779
00:52:30,600 --> 00:52:33,603
とにかく 自分が持ってる力の
倍ぐらいは出していきたい➡
780
00:52:33,603 --> 00:52:35,605
っていうふうな
781
00:52:35,605 --> 00:52:37,607
まあ 今回 特に驚いたのは➡
782
00:52:37,607 --> 00:52:41,611
その 僕 北村さんが
衣装 入ってくれるっていうの➡
783
00:52:41,611 --> 00:52:43,613
知らないで
衣装合わせ 行ってたから➡
784
00:52:43,613 --> 00:52:46,616
「あれっ」と思って また北村さんが
やってくれると思って
785
00:52:46,616 --> 00:52:50,620
それでまあ 結構 だから…
786
00:52:50,620 --> 00:52:53,623
僕もまあ 全然 衣装とか
イメージしてなかったから➡
787
00:52:53,623 --> 00:52:55,625
「ああ そっか 雄二って
こういう服 着てたんだ」➡
788
00:52:55,625 --> 00:52:57,627
っていうのを
僕が なんか知らされちゃった➡
789
00:52:57,627 --> 00:52:59,562
っていうような感じがあって
790
00:52:59,562 --> 00:53:02,565
ある意味で 衣装が
ウイークポイントでもあるようなことを➡
791
00:53:02,565 --> 00:53:04,567
監督が おっしゃってたんで
792
00:53:04,567 --> 00:53:07,570
で 幸い 北村道子さんが台本を
とっても気に入ってくださって
793
00:53:07,570 --> 00:53:10,573
それから メインキャストの3人のことも
とても気に入ってくださって
794
00:53:10,573 --> 00:53:13,576
北村さんも 黒沢さんも
初顔合わせだったんですけれども
795
00:53:13,576 --> 00:53:18,581
お互いを ものすごく信頼している
っていうことが もう➡
796
00:53:18,581 --> 00:53:20,583
すごく伝わってきて
797
00:53:20,583 --> 00:53:23,586
北村さんが まず ものすごく
パワフルな人だっていうことが ひとつ
798
00:53:23,586 --> 00:53:26,589
そのパワーに 監督が触発された➡
799
00:53:26,589 --> 00:53:28,591
っていうことも
あったと思いますし
800
00:53:28,591 --> 00:53:32,595
んー パワーは ええ ありますよ
801
00:53:32,595 --> 00:53:36,599
(野下)あと あの 台本を
ものすごく深く読んでこられて
802
00:53:36,599 --> 00:53:38,601
私たちでも
指摘できなかったようなことを➡
803
00:53:38,601 --> 00:53:40,603
北村さんが 何度も何度も
804
00:53:40,603 --> 00:53:44,607
衣装 一つ一つに対しての
なんですかね
805
00:53:44,607 --> 00:53:46,609
考えがあったりとか
意味があったりとかするから
806
00:53:46,609 --> 00:53:48,611
(北村)で 強引に
私がしゃべりまくった➡
807
00:53:48,611 --> 00:53:50,613
っていうとこですよね
(藤井)ああ
808
00:53:50,613 --> 00:53:53,616
(北村)私は ちょっと
セクシュアル入れてますよね
809
00:53:53,616 --> 00:53:55,618
あの 守と雄二には
810
00:53:55,618 --> 00:53:58,621
それは なんなのか分かんないけど
811
00:53:58,621 --> 00:54:00,556
そこ 男だったら
たぶん できないところに➡
812
00:54:00,556 --> 00:54:02,558
女の衣装が ちょっと➡
813
00:54:02,558 --> 00:54:04,560
デッドラインを穴開けてる➡
814
00:54:04,560 --> 00:54:08,564
ってとこじゃないんですかね ええ
815
00:54:08,564 --> 00:54:10,566
役が また変わってきたり
するんですよね そういう
816
00:54:10,566 --> 00:54:12,568
服 着てるだけで
雰囲気が変わるんではなくて➡
817
00:54:12,568 --> 00:54:15,571
考えが変わってくるから
それは すごい面白いですね
818
00:54:15,571 --> 00:54:18,574
(北村)全部 それは
監督だなと思ってんですよね
819
00:54:18,574 --> 00:54:22,578
黒沢監督の分身なんだろうと
思ってんですよね
820
00:54:22,578 --> 00:54:27,583
で その中で 守の黒いコートは
監督からインスパイアされた➡
821
00:54:27,583 --> 00:54:29,585
黒いコートを入れてるんですよね
822
00:54:29,585 --> 00:54:31,587
(藤井)あっ 監督の
(北村)ええ 黒の世界
823
00:54:31,587 --> 00:54:33,589
私が監督と会ったときも➡
824
00:54:33,589 --> 00:54:38,594
監督は タバコを吸い続け
真っ黒な世界だったから
825
00:54:38,594 --> 00:54:42,598
黒沢監督で この脚本だから
そういう 映画でしか出せない➡
826
00:54:42,598 --> 00:54:45,601
ムードっていうものが
作れるんじゃないかなと思って➡
827
00:54:45,601 --> 00:54:48,601
参加したつもりなんで
ホントに そこだけが はい
828
00:54:56,612 --> 00:55:00,549
クラゲにしても
何を考えてんのか➡
829
00:55:00,549 --> 00:55:03,552
全然 分からないわけなんだけども
830
00:55:03,552 --> 00:55:09,558
ただ そういった連中っていうのは
なんか非常に 黒沢さんの中に➡
831
00:55:09,558 --> 00:55:12,558
どっか分身として
あるような気はするんですよね
832
00:55:14,563 --> 00:55:18,567
結構 小さいころから
なんとなく惹かれていたのは➡
833
00:55:18,567 --> 00:55:22,571
裏で操作する
自分は表に出ない
834
00:55:22,571 --> 00:55:24,573
私も結構パンクなんだけど 一番…
835
00:55:24,573 --> 00:55:27,576
一番 そういう危険なものを
はらんでるのは➡
836
00:55:27,576 --> 00:55:29,578
監督なんじゃないのかな
837
00:55:29,578 --> 00:55:32,581
つまり 目立つヤツいるわけですよ
クラスでも
838
00:55:32,581 --> 00:55:35,584
「あいつを裏から操作したい」
っていうね
839
00:55:35,584 --> 00:55:38,587
それ ありましたね うん
(藤井)ああ
840
00:55:38,587 --> 00:55:41,590
仕組んどいて なんか やらせて➡
841
00:55:41,590 --> 00:55:45,594
自分は それを影で…
結果 影で見てるみたいなね
842
00:55:45,594 --> 00:55:47,596
環境は
843
00:55:47,596 --> 00:55:50,596
そういうのはありましたね 確かに
844
00:55:52,601 --> 00:55:56,605
まあ 幅広く言うと
それって ディレクションなんでしょうね
845
00:55:56,605 --> 00:55:58,607
ええ
846
00:55:58,607 --> 00:56:03,607
そんなんが こう…
こうなっちゃったのかね ええ
847
00:56:07,550 --> 00:56:14,557
(浅井)黒沢監督の中には
狂気がいっぱい潜まれてるね
848
00:56:14,557 --> 00:56:17,560
だから 面白くて
全然 意味ないんだけど➡
849
00:56:17,560 --> 00:56:19,562
監督が60ぐらいになってると➡
850
00:56:19,562 --> 00:56:21,564
真一郎じゃないかなと
思ってるんですよ
851
00:56:21,564 --> 00:56:24,567
ヒゲから この骨格
職人的な骨格
852
00:56:24,567 --> 00:56:30,573
それを ワーッと20代まで
痩せ細ってくと 雄二になってく
853
00:56:30,573 --> 00:56:33,576
で ちょっと 一重にして
危険になってくると➡
854
00:56:33,576 --> 00:56:35,578
それは なんか
守になってくんですよね
855
00:56:35,578 --> 00:56:37,580
分身だなって感じで
856
00:56:37,580 --> 00:56:40,583
所詮 シナリオが
違う人が書いてるんだったら➡
857
00:56:40,583 --> 00:56:43,586
違うんだけども
監督のシナリオなんで➡
858
00:56:43,586 --> 00:56:45,588
やっぱ そんなもんじゃないの
859
00:56:45,588 --> 00:56:49,592
で それをホントは
監督が全部やることなんだけども
860
00:56:49,592 --> 00:56:53,596
ちょっと 手の届かない部分を
キュッキュッキュってやりながら
861
00:56:53,596 --> 00:56:57,600
ちょっと スケベっぽくしてるのが
私なんじゃないかな
862
00:56:57,600 --> 00:57:00,536
どうでしょうか?
はいはい
863
00:57:00,536 --> 00:57:03,539
そこまで観察されてるとは
思ってなかったですね
864
00:57:03,539 --> 00:57:05,541
ただ やっぱ鋭いですね
865
00:57:05,541 --> 00:57:07,543
藤さんも オダギリさんも
浅野さんも➡
866
00:57:07,543 --> 00:57:12,548
本人は違うんですけども
まあ 脚本で書いた➡
867
00:57:12,548 --> 00:57:17,553
3人っていうのは
これはもう どっか僕なんですよ
868
00:57:17,553 --> 00:57:19,555
それはね 別に
褒めたことじゃなくて➡
869
00:57:19,555 --> 00:57:23,559
それは もう書けないですよ
全然 他人を
870
00:57:23,559 --> 00:57:25,561
重要な人物であればあるほど
871
00:57:25,561 --> 00:57:30,566
それは僕の脚本を書く
力の限界なんですけども
872
00:57:30,566 --> 00:57:33,569
うーん 悲しいかな
僕自身を越えられないんですよ
873
00:57:33,569 --> 00:57:35,571
脚本では ええ
874
00:57:35,571 --> 00:57:37,573
で それを越えてくれるのが
衣装であったり➡
875
00:57:37,573 --> 00:57:39,575
俳優さんであったり
するわけですね
876
00:57:39,575 --> 00:57:42,578
それはもう 北村さんの
おっしゃるとおりなんですよ
877
00:57:42,578 --> 00:57:46,582
たかが 僕の頭から
出てきただけの人物が➡
878
00:57:46,582 --> 00:57:50,586
堂々としたね そこに存在する
人物になってくってことですね
879
00:57:50,586 --> 00:57:52,588
脚本を忠実に
再現するんじゃなくて➡
880
00:57:52,588 --> 00:57:55,591
それをこう どんどん
その境界線を➡
881
00:57:55,591 --> 00:58:00,529
さらに広げていこうという
スタッフのありようってのは➡
882
00:58:00,529 --> 00:58:04,529
もうホントに
頭が下がりますね ええ
883
00:58:10,539 --> 00:58:13,542
一見 演出は
ほとんどしてないですよね
884
00:58:13,542 --> 00:58:15,544
あの どこで立ってとか➡
885
00:58:15,544 --> 00:58:20,549
そういう なんか
位置 動きだけを指示してて
886
00:58:20,549 --> 00:58:22,551
あとは その俳優が
どういうふうに➡
887
00:58:22,551 --> 00:58:26,555
監督自身が書いた台本を
読み込んでくるか
888
00:58:26,555 --> 00:58:29,558
で それを なんかこう…
889
00:58:29,558 --> 00:58:32,561
一種のセッションとして
撮影をする
890
00:58:32,561 --> 00:58:35,564
っていうのを楽しんでる
というように見えたし
891
00:58:35,564 --> 00:58:40,569
だから そのセッションには
俳優も参加し カメラマンも参加し
892
00:58:40,569 --> 00:58:46,575
えー 衣装 美術 さまざまな
そこにスタッフが参加している
893
00:58:46,575 --> 00:58:48,577
(藤)的確ですよ
894
00:58:48,577 --> 00:58:50,579
なんとか こうね
みんなで つかもう つかもうって
895
00:58:50,579 --> 00:58:53,582
全セクションがね
一生懸命になるわけで
896
00:58:53,582 --> 00:58:56,585
ということになれば そんな
難しいこともね 起きないしね
897
00:58:56,585 --> 00:58:59,521
やっぱ 映画の現場って
もう変な人がいっぱいいるから➡
898
00:58:59,521 --> 00:59:03,525
変な人が みんな こう うん
一生懸命➡
899
00:59:03,525 --> 00:59:06,528
1つの作品に対して
こう やってるのは➡
900
00:59:06,528 --> 00:59:09,531
やっぱ すごい居心地がいいことで
僕にとって
901
00:59:09,531 --> 00:59:11,533
それがやっぱ一番ですかね うん
902
00:59:11,533 --> 00:59:14,536
お互い持ってるものを こう➡
903
00:59:14,536 --> 00:59:19,536
合わせていく作業のほうを
大切に今は…
904
00:59:49,571 --> 00:59:51,573
今回 3週間だったんですよね
905
00:59:51,573 --> 00:59:54,576
最初はプロデューサーに
「5週間くれ」って言ってたんです
906
00:59:54,576 --> 00:59:58,580
たぶん 4週間でも足りないんで
5週間くれっつったら➡
907
00:59:58,580 --> 01:00:00,582
「とんでもない」っつって
3週間だったんですね
908
01:00:00,582 --> 01:00:05,587
(浅井)黒沢さんは最初に
「いや 僕は➡
909
01:00:05,587 --> 01:00:08,590
予算とスケジュールを
絶対 守ります」と
910
01:00:08,590 --> 01:00:13,595
えー まあ そういう意味では
ぶっ飛ばして進めていきました
911
01:00:13,595 --> 01:00:15,597
ただ 余っちゃってね
912
01:00:15,597 --> 01:00:17,599
「あれ? 余ってるんだけど 時間」
っていう
913
01:00:17,599 --> 01:00:20,602
「あれ? 急ぎすぎたかな」って
914
01:00:20,602 --> 01:00:22,604
だから なんか
「いい映画を作る」とか➡
915
01:00:22,604 --> 01:00:25,607
「面白い映画を作る」
っていう前に➡
916
01:00:25,607 --> 01:00:30,612
なんか 「予算とスケジュールを守る」
っていう なんか宣言される…
917
01:00:30,612 --> 01:00:33,615
プロデューサーに宣言する
監督っていうのは➡
918
01:00:33,615 --> 01:00:38,620
これは偉大な監督なのか
それとも なんか うーん…
919
01:00:38,620 --> 01:00:42,624
なんか どう解釈すればいいのかな
と思ったんだけど
920
01:00:42,624 --> 01:00:48,630
すばらしい人格者である
と思うし➡
921
01:00:48,630 --> 01:00:53,630
監督としても
あの 演出家としても もちろん…
922
01:00:55,637 --> 01:00:58,640
っていうか不思議ですね ええ
(藤井)そうですね
923
01:00:58,640 --> 01:01:02,578
あの ひと言で言うと
不思議な感じを➡
924
01:01:02,578 --> 01:01:05,581
ずっと ええ 受けてましたね
925
01:01:05,581 --> 01:01:09,585
クールというか どのスタッフとも
こう キャストとも➡
926
01:01:09,585 --> 01:01:14,590
距離を取る監督だな
っていうところで➡
927
01:01:14,590 --> 01:01:18,594
それがなんか 僕が今まで こう…
928
01:01:18,594 --> 01:01:22,598
つきあってきた 知ってる監督と➡
929
01:01:22,598 --> 01:01:26,602
なんか一番スタイルを
異にするとこかな
930
01:01:26,602 --> 01:01:32,608
なんか
コミュニケーション取らなきゃとか➡
931
01:01:32,608 --> 01:01:34,610
仲よくならなきゃとか
そういうものも➡
932
01:01:34,610 --> 01:01:39,615
もう一切 必要に思わなかった
心地いい現場で
933
01:01:39,615 --> 01:01:41,617
(藤井)ええ
934
01:01:41,617 --> 01:01:44,620
その…
935
01:01:44,620 --> 01:01:49,625
「心地よい沈黙みたいなものが
あっ ホントに存在するんだな」
936
01:01:49,625 --> 01:01:53,629
っていうのを感じたのは
たくさんありましたね
937
01:01:53,629 --> 01:02:01,570
それはやっぱり 皆さんが皆さん
ある種 一緒の人間➡
938
01:02:01,570 --> 01:02:06,575
一緒のカテゴリーに入る人間
だったからなのかもしれないし
939
01:02:06,575 --> 01:02:09,578
まあ 黒沢さんのね 心の中
のぞくわけにはいきませんけども
940
01:02:09,578 --> 01:02:13,582
少しでもね 黒沢さんが
伝えたいことをね➡
941
01:02:13,582 --> 01:02:16,585
あの 僕は感じ取れて
942
01:02:16,585 --> 01:02:22,585
それが結果として出ればね
あの ホントに➡
943
01:02:24,593 --> 01:02:27,596
望ましいですよね
944
01:02:27,596 --> 01:02:29,596
楽しいですよ
945
01:02:38,607 --> 01:02:40,609
「じゃあ 映画とは何か」
っていうことを➡
946
01:02:40,609 --> 01:02:43,612
最後に申し上げますと➡
947
01:02:43,612 --> 01:02:46,615
えー…
948
01:02:46,615 --> 01:02:53,622
ある現実 記録された
現実のつながりを
949
01:02:53,622 --> 01:02:55,624
えー ここが重要なんですけど
950
01:02:55,624 --> 01:02:58,627
大勢の人と一緒に見る
ということですね
951
01:02:58,627 --> 01:03:00,562
これが映画ですね
952
01:03:00,562 --> 01:03:06,568
あるシーンで ワーッと人が笑った
俺は おかしいとは思わない
953
01:03:06,568 --> 01:03:10,572
で 誰も笑わないけど
俺は これ おかしいと思う
954
01:03:10,572 --> 01:03:14,576
映像作品を通じて➡
955
01:03:14,576 --> 01:03:17,579
社会の中で 自分は
どういうとこにいるのかを➡
956
01:03:17,579 --> 01:03:21,583
イヤでも認識する場
それが映画ですね
957
01:03:21,583 --> 01:03:24,586
いや 家で 一人で見てる分には
分かんないわけですよ
958
01:03:24,586 --> 01:03:26,588
自分が反応すればいいんで
959
01:03:26,588 --> 01:03:30,592
これね 大勢と一緒に見るという
これを…
960
01:03:30,592 --> 01:03:35,597
まあ 逆に言うと
みんなが笑ってるとこで➡
961
01:03:35,597 --> 01:03:37,599
「自分も やっぱり面白かった」
962
01:03:37,599 --> 01:03:40,602
「ああ みんなと一体になってる」
っていうのもありですよ
963
01:03:40,602 --> 01:03:44,602
一体化してるか 孤独か
964
01:03:46,608 --> 01:03:49,611
えー そういうことを知る場
965
01:03:49,611 --> 01:03:53,615
それが映画ですね
966
01:03:53,615 --> 01:03:56,615
それはなくならないと思います
しばらくは
967
01:03:59,555 --> 01:04:02,558
ある程度 コンスタントに
撮れていければね…
968
01:04:02,558 --> 01:04:06,562
撮っていければいいんですけどね
969
01:04:06,562 --> 01:04:10,566
今んところは 日本映画は
まあ世界的には➡
970
01:04:10,566 --> 01:04:12,568
かなり順調にいってるほうだと
思いますけども
971
01:04:12,568 --> 01:04:16,568
明日は分かんないですね ええ
972
01:04:29,585 --> 01:04:32,588
狙ってなかったんですけど
狙ったかのように➡
973
01:04:32,588 --> 01:04:35,591
雨風 嵐みたいな
974
01:04:35,591 --> 01:04:39,595
危ない! 触っちゃダメですよ!
975
01:04:39,595 --> 01:04:41,595
(真一郎)仁村君!
976
01:04:58,614 --> 01:05:04,553
どう考えても ドキュメンタリーと
フィクションの境目はないですね
977
01:05:04,553 --> 01:05:08,557
それ やらせか やらせじゃないか
という違いはありますが➡
978
01:05:08,557 --> 01:05:10,559
ある意味では
ドキュメンタリーっつったって➡
979
01:05:10,559 --> 01:05:12,561
ある程度 やらせはあるでしょうし
980
01:05:12,561 --> 01:05:15,564
フィクションっつったって
あの まったく➡
981
01:05:15,564 --> 01:05:17,566
偶然 起こることは
たくさんありますから
982
01:05:17,566 --> 01:05:21,566
程度の差はあっても えー…
983
01:05:23,572 --> 01:05:27,572
すべて同じですね
984
01:05:31,580 --> 01:05:34,583
まあ 温めてあげるというか ええ
985
01:05:34,583 --> 01:05:41,590
こう あわれな人を
優しく包み込むような…
986
01:05:41,590 --> 01:05:43,592
それでカットです
987
01:05:43,592 --> 01:05:46,595
(スタッフ)はい はい 続いていきます
988
01:05:46,595 --> 01:05:48,597
藤さん すぐいくよ
(藤)はい
989
01:05:48,597 --> 01:05:51,600
(スタッフ)回りました
(スタッフたち)はい 本番
990
01:05:51,600 --> 01:05:54,600
はい よーい はい
991
01:06:37,579 --> 01:06:39,581
はい カット オッケー
(スタッフ)カット
992
01:06:39,581 --> 01:06:41,583
(スタッフ)カット オッケー
(スタッフたち)オッケー
993
01:06:41,583 --> 01:06:45,587
(藤)ビショビショ…
はい よかったですよ
994
01:06:45,587 --> 01:06:47,589
(スタッフ)
はい ありがとうございました
995
01:06:47,589 --> 01:06:50,592
(藤)えーと 終わりですか?
はい
996
01:06:50,592 --> 01:06:53,595
ありがとうございます
997
01:06:53,595 --> 01:06:57,599
ああ 寒ーい
998
01:06:57,599 --> 01:07:00,535
ハハハハッ おおっ
999
01:07:00,535 --> 01:07:03,538
(スタッフ)
どうも ありがとうございました
(藤)あっ ありがとうございます
1000
01:07:03,538 --> 01:07:07,542
ありがとうございました
(拍手)
1001
01:07:07,542 --> 01:07:10,545
最後は ホント泣けて…
1002
01:07:10,545 --> 01:07:12,547
(藤)
どうも ありがとうございました
1003
01:07:12,547 --> 01:07:14,549
ありがとうございました
1004
01:07:14,549 --> 01:07:20,555
(拍手)
1005
01:07:20,555 --> 01:07:23,558
ハァ まあ とにかく
あったまってもらいましょう
1006
01:07:23,558 --> 01:07:25,558
いやー…
1007
01:07:27,562 --> 01:07:31,566
最後のカット オダギリさん…
1008
01:07:31,566 --> 01:07:35,570
まあ モニターで見てたんですけど
1009
01:07:35,570 --> 01:07:38,573
ムチャクチャよくて
ちょっと 感動しちゃいましたね
1010
01:07:38,573 --> 01:07:41,576
(藤井)ああ そうですか
ええ あの…
1011
01:07:41,576 --> 01:07:46,581
まあ こういう悪天候で
いろんな状況があったんで➡
1012
01:07:46,581 --> 01:07:51,586
あの 冷静さを
失っているかもしれませんが
1013
01:07:51,586 --> 01:07:54,589
あの 映画自身のラストカット
ではないんですけど➡
1014
01:07:54,589 --> 01:08:00,529
撮影の最後のカットで えー➡
1015
01:08:00,529 --> 01:08:05,534
こんな すごいカットが撮れた
ってのは初めてで➡
1016
01:08:05,534 --> 01:08:09,538
それだけで よかったと
今は思ってるところです
1017
01:08:09,538 --> 01:08:11,540
アハッ
1018
01:08:11,540 --> 01:08:15,540
もう なんか…
言葉がないですね
1019
01:08:17,546 --> 01:08:21,546
こんな いい現場を経験できて
1020
01:08:23,552 --> 01:08:28,557
(浅井)で 一転して
今度 編集作業に移るとですね➡
1021
01:08:28,557 --> 01:08:30,559
監督自ら 僕に言ったんですよね
1022
01:08:30,559 --> 01:08:34,563
「いや 僕は編集に入ると
独裁者になります」と
1023
01:08:34,563 --> 01:08:36,565
で 特にこう 音楽とかは➡
1024
01:08:36,565 --> 01:08:40,569
「僕は独裁者として
決めていきますから」と
1025
01:08:40,569 --> 01:08:43,572
実は 今回の編集っていうのは➡
1026
01:08:43,572 --> 01:08:45,574
編集者ってのは
ついてないんですよ
1027
01:08:45,574 --> 01:08:48,577
監督自身が やってるんですよ
1028
01:08:48,577 --> 01:08:50,579
まさしく 監督の仕事じゃなくて➡
1029
01:08:50,579 --> 01:08:54,583
こう 編集者としての仕事を
やってるわけで
1030
01:08:54,583 --> 01:08:59,521
「共同作業ではない」という
監督の宣言があったので➡
1031
01:08:59,521 --> 01:09:03,525
撮影んときには
一見 民主的にやってて➡
1032
01:09:03,525 --> 01:09:07,529
編集んときに
独裁者になると宣言して
1033
01:09:07,529 --> 01:09:09,531
常に 撮影のときは もちろん➡
1034
01:09:09,531 --> 01:09:11,533
彼は 狂気を
コントロールしてるわけだけど➡
1035
01:09:11,533 --> 01:09:14,536
編集のときには
自分のなんか 狂気の部分を➡
1036
01:09:14,536 --> 01:09:18,540
ガーッと出そうとする
1037
01:09:18,540 --> 01:09:21,540
そこがなんかね 面白いなと
1038
01:09:25,547 --> 01:09:29,547
一体化してるか 孤独か
1039
01:09:31,553 --> 01:09:35,557
えー そういうことを知る場
1040
01:09:35,557 --> 01:09:37,557
それが映画ですね
1041
01:09:51,573 --> 01:09:53,575
(スタッフ)はい オッケー
はい いきます 本番
1042
01:09:53,575 --> 01:09:57,579
(スタッフ)この状態で 本番
はい よーい
1043
01:09:57,579 --> 01:10:01,579
じっと あれ見てね よーい はい
(カチンコの音)
1044
01:10:24,606 --> 01:10:27,609
はい カット オッケー ありがとう
(スタッフ)はい オッケーですね
1045
01:10:27,609 --> 01:10:32,614
はい ありがとう どうもね
もうね 走んなくていいからね
1046
01:10:32,614 --> 01:10:35,617
じゃあ ちょっと もう…
1047
01:10:35,617 --> 01:10:38,620
(スタッフ)まだあるかな?
1048
01:10:38,620 --> 01:10:41,620
(スタッフ)移動車 バラしますよ
1049
01:10:48,630 --> 01:10:53,630
(スタッフたちの話し声)
1050
01:11:03,578 --> 01:11:05,580
(藤井)ふだん 撮る側にいる
黒沢さんが➡
1051
01:11:05,580 --> 01:11:08,583
逆に撮られる立場になる
っていうのは➡
1052
01:11:08,583 --> 01:11:11,586
どういう心境ですか? これ
いやー
1053
01:11:11,586 --> 01:11:14,589
過去は どんどん捨ててって➡
1054
01:11:14,589 --> 01:11:18,593
あの どんどん変化していきたいと
(藤井)ああ はい
1055
01:11:18,593 --> 01:11:22,597
自分で 頭で思ってるものですから
1056
01:11:22,597 --> 01:11:25,600
その もう捨てていった過去が➡
1057
01:11:25,600 --> 01:11:27,602
「いや あなた こうでした」
1058
01:11:27,602 --> 01:11:31,606
って見せられるのって うーん…
1059
01:11:31,606 --> 01:11:34,609
つらいっていうとこですね
1060
01:11:34,609 --> 01:11:40,615
んー 僕らは 世代的には➡
1061
01:11:40,615 --> 01:11:42,617
幼いころの… スチール写真は➡
1062
01:11:42,617 --> 01:11:44,619
もちろんあるわけですよ
1063
01:11:44,619 --> 01:11:46,621
赤ん坊のころの
1064
01:11:46,621 --> 01:11:48,623
それを見ることには➡
1065
01:11:48,623 --> 01:11:50,625
さほどの抵抗はないんですよ
1066
01:11:50,625 --> 01:11:52,627
で もっと古い人たち
1067
01:11:52,627 --> 01:11:54,629
スチール写真などというものが➡
1068
01:11:54,629 --> 01:11:57,632
そもそも普及していなかった
ころの人たちってのは➡
1069
01:11:57,632 --> 01:11:59,567
ひょっとすると
あの写真見るだけで➡
1070
01:11:59,567 --> 01:12:02,570
ゾッとしたかもしれないし
(藤井)ああ
1071
01:12:02,570 --> 01:12:06,574
逆に 今のホントの若い人たち
赤ん坊のころからビデオが残ってる
1072
01:12:06,574 --> 01:12:08,576
親が撮ってるじゃないですか
1073
01:12:08,576 --> 01:12:10,578
えー ひょっとすると自分が➡
1074
01:12:10,578 --> 01:12:12,580
母親のおなかから
出てくるとこまで➡
1075
01:12:12,580 --> 01:12:14,582
全部 ホームビデオで撮られてる
1076
01:12:14,582 --> 01:12:18,586
で それが もう何時間にもわたる
テープで いつでも見れます
1077
01:12:18,586 --> 01:12:23,591
自分の成長記録がっていう人は
全然 違うかもしれません
1078
01:12:23,591 --> 01:12:26,594
(藤井)ああ
それを考えただけで➡
1079
01:12:26,594 --> 01:12:29,597
「ああ 人間 違ってくるな」と
思いますけど
1080
01:12:29,597 --> 01:12:32,600
そんなものが残ってるっていう
(藤井)ええ
1081
01:12:32,600 --> 01:12:36,604
僕は残念ながら
スチールはオッケーですけど➡
1082
01:12:36,604 --> 01:12:39,607
動画 音も含めた動画としては
ここで急に➡
1083
01:12:39,607 --> 01:12:42,610
「いや 記録して残ってます」
って言われると…
1084
01:12:42,610 --> 01:12:45,613
(藤井)恐怖を覚えるわけですね
恐怖 ええ
1085
01:12:45,613 --> 01:12:47,615
特に 声ですね
(藤井)ああ そうですね
1086
01:12:47,615 --> 01:12:50,618
あの 外見っていうのは
もちろん➡
1087
01:12:50,618 --> 01:12:54,622
スチール写真も含めて
鏡も含めて➡
1088
01:12:54,622 --> 01:12:58,626
まあ 外見っていうのは
おおよそ 想像がつくわけですよ
1089
01:12:58,626 --> 01:13:00,562
まあ 僕らぐらいだったら
(藤井)はい
1090
01:13:00,562 --> 01:13:02,564
もっと昔の人は別として
(藤井)ええ
1091
01:13:02,564 --> 01:13:06,568
ただね 声ばかりは➡
1092
01:13:06,568 --> 01:13:09,571
客観的に 自分の声って
そうそう聞かないですからね
1093
01:13:09,571 --> 01:13:11,573
(藤井)そうですね ええ
ええ
1094
01:13:11,573 --> 01:13:14,576
8ミリフィルムで
サイレントで➡
1095
01:13:14,576 --> 01:13:16,578
映像が残ってるぐらいなら まだ➡
1096
01:13:16,578 --> 01:13:21,583
動くスチール写真ぐらいの
もんなんですけど➡
1097
01:13:21,583 --> 01:13:25,583
この音もね
自分の しゃべってるところ…
1098
01:13:27,589 --> 01:13:29,591
自分って こんな声してるのって
1099
01:13:29,591 --> 01:13:32,594
あれ 自分って こんなに
曖昧なしゃべり方してるのって
1100
01:13:32,594 --> 01:13:35,597
これじゃ 何 言ってるのか
分かんないじゃんとかいう
1101
01:13:35,597 --> 01:13:39,601
これ つらいですよね
(藤井)はあ
1102
01:13:39,601 --> 01:13:41,603
コメンタリー見るのなんか
さらにイヤですね じゃあ
1103
01:13:41,603 --> 01:13:44,606
もう ホントに つらいですね ええ
(藤井)そうですか
1104
01:13:44,606 --> 01:13:46,606
すいません…
103454