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Hamnet と Hamlet は 同じ名前で
16世紀末〜17世紀初頭の
ストラトフォードの 記録では
区別されていない
- Hamnetの死と Hamletの誕生
ほら
お腹 すいてたの
繰り返して
ごきげんよう
貴方も
当家に 何をしに?
子らを 教えてる
ラテン語の 師
聞いて おります
何故 庭に?
それは…
問うただけです 師よ
ええ その…
外で 気分転換をと
それに…
鳥を連れた 貴方が見えた
それで?
よいかな?
近寄らぬよう
懐いて おらぬ
ほれ 見ろ
名は?
言うべきか
できよう
然らば…
では キスの時に
何を してる?
名は アニェス
生まれは?
この町では?
違う
私を知らぬ
また…
もう 会えぬ
何処に?
畑で 手伝いを
ナムの具合が 悪くて
されど...
畑では 見なかった
おりました
申してくれ
おりました
新しいラテン教師を 見たか?
グローバーの倅
子らの話では
飛び出して 戻らぬと
父親の借金返しの 授業なのに
見ておらぬ
気づくべきであった
子は 親に似る
そなたらは 村一番の美しき娘
はい
婿が 押し寄せれば
この子は 目を回しましょう
姉のアニェスが 先に嫁ぐと
森を彷徨っては 嫁げぬぞ
それは…
何処に?
皆を 待たせた
で?
仕事です
座って
食事が 冷める
坊主ども!
静かに
授業の 様子は?
彼らは 学者ではない
学問に 意味が?
ラテンを学んでも いずれは羊飼い
食べて行ければ 十分
騒ぐな!
聞いたろう
皆の分はある
昔は 金細工師だった
学者ではない
だが あの子らは立派だ
正直に 働いてる
お前は違う
役立たずで 身についた技もなし
学だけ高く 分別なしだ
父上の借金返しに 教えてる
莫大な借金を 返すために
黙れ!
ヒューランズの 家族とは?
母親と
長女は?
いや
噂では―
森の魔女の 娘らしい
裏道で 見かけた
鷹を 連れて
ヒューランズに 鷹が?
ええ
森へ 連れて行くとも
一人で
それは 本当か?
長女が鷹を?
奉公娘だろう?
ええ
アニェス?
やあ
ここで 何を?
これを 君に
何なの?
これは…
鳥用の 手袋だ
手袋なら ある
アニェス
待ってくれ
誰か 分ってる
誰だと?
その…
聞いた話は
森の魔女の 娘と
そう言われてる
私は 母親の娘
母から 色々学んだ
何を見てる?
- 君を - なぜ?
言葉の 達人では?
そうだ
本当に?
人と話すのは 時に難しい
ならば 物語を
物語?
どんな物語を?
胸を 動かす話を
オルフェウスと エウリュディケは?
オルフェウスは―
音楽の人
声は この上なく美しく
彼が 奏でる―
竪琴の 音は
神々しくて
鳥も…
獣も…
石も 木々も
彼の調べに 聞き入る
オルフェウスは 恋に落ちた
美しい エウリュディケと
結婚後 すぐ
エウリュディケは ヘビに噛まれ
毒がまわって 死んでしまう
オルフェウスは 嘆きのあまり
冥界へと 下り
三つ首の犬を 歌で鎮め
冥王さえ 魅了し
そして―
彼女を連れ帰る 許しを得る
条件は 一つ
それは?
彼女は 後ろを歩き
彼は決して 振り返らぬこと
さて 昇り始めると
足音が 聞こえない
耳を 澄ませど―
何も 聞こえない…
聞こえるのは 自分の鼓動だけ
残るは 静寂のみ
冥界の門に 近づいた時
もう耐えきれず 振り返る
そして 彼女は―
二度と 戻らぬ
いい話だった
気に入った?
ヨモギよ 思い出せ
レグで整え 炉で溶かした力を
それはウナという 最古の草
三も 三十も 退ける
毒にも
病にも
闇にも 抗う草
道に生える 母なる草よ
東へ巡り なお強し
荷車が 通り
女たちが 跨いでも
耐えて 押し返す草よ
本当か?
触れれば 人の全てが分ると
全て ではない
私に触って 何が?
景色が 見えた
景色が?
空間
洞窟
断崖
地下道や 海
深い闇
知られざる国々
口を 開いた
彼女が…
口を…
こんにちは
こんにちは
君と 結ばれたい
私は...
君とで なければ
君の継母と 兄に話す
きっと 反対だろうが
構わない
待つのは 苦手だ
とても 待てない
ご両親は 絶対反対よ
ついて来て
この手袋は―
母のだった
母は 森から現れた
祖母も その前も
家族の女たちには 見えるの
人に 見えないものが
アニェス…
ヨモギよ 思い出せ
レグの炉で 溶かした力を
汝 ウナは
最も選ばれし草
三を清め
三十を清め
毒を清め
病を清め
恐怖を清めよ
汝の 薬液こそ
癒やしとなる
傷は残る?
残るかも
悪いこと ではない
聞こえる?
夢を大事に しなさい
夢は 道を示す
ごきげんよう
アニェス?
どうした?
母上に家を 追い出された
母ではない
家は 兄上の物
私が 決めた事
子を 宿している
お前の子だと
お前の 子なのか?
腹の子は お前が?
そうだ
私たち…
許されないよ!
罪ではない
だが 同意が要る
罪などない!
絶対に 同意しない!
何だ?
惑わされてる
違う
海に出る方が まだまし
この女と 結婚するより
メリー
その必要はない
何とか 折り合えるだろう
結構ね
黙れ 女
妹を祭壇に 立たせたいだろう
息子が裁かれるのは 嫌だろう
そんな必要はない
二人は 結ばれたと
私が 認めれば
青白い学者と 結婚して何になる?
彼には 強い心がある
どんな男より
全ては 変わる
お前も
変わる
もう 変わってる
よく 考えろ
何を?
家は?
母上なら 何というか?
怯れずに 心を開け
闇にではなく
光へ 向けて
“今の私”を 愛してる
“あるべき私” ではなく
幸せを 選べよ
有難う
母上の 言葉を
一緒に
成すべきことを
砕けても 進め
汝の名は ウナ
最古の草なり
三を清め
三十を清め
毒を清め
病を清め
恐怖を清めよ
私を見て
私を見て
アニェス…
見て
火よ
あれ 何かな?
ロバの 荷だ
小さな荷物
目を 細かく
もっと 細かく
そうだ
役立たずめ
さあ 次だ
小さく
どこへ行く?
仕事だ
我慢できない
分ったか?
愛する人よ ベッドへ
何の 書を?
大した ものでは
でも 何か…
多分 仕上がれば…
仕上がれば 話そう
今のを 聞きたい
まだ 未完成だ
まだだ…
ダメだ!
すまん
少し 飲み過ぎた…
飲み過ぎたのだ
どうした?
手を 貸して
頼む…
頼む…
怖いの?
やめろ
私は乱暴で 危ういか
いや 違う
貴方は 善き人
貴方は 善き人
善き人よ
この縁を 悔いているの?
何故 そのような…
そなたとスザンナが 私の全て
生きる 全てだ
では 何故?
やめろ!
頼む…
聞いてくれ
迷っている
私は...
片足を 失った
私は ただ…
働きたいのだ
眠れてないの
怒鳴られた事は?
手を上げた事は?
一度もない
己に 怒っている
病むほどに
彼は 善き人
善き夫で
善き父親
だが 満たされぬ
家族がいても なお
ロンドンに 行かせねば
ロンドン?
何故?
あそこは 世界が集う所
父上の 商いも
広げられるかも
焦りではない
男には然るべき 働きが要る
逃げて ばかりでは…
押し潰される
父上と 距離を置くべき
一緒に 行くのか?
落ち着くまで 待つ
じき 子も増える
身籠ったと?
夏の 終わりには
今 追いやれば…
彼を 失う?
もう 失いかけている
離れれば…
分ってる
愛があれば 揺るがぬはず
お願い
貴方から 父上に
ロンドン行きを 勧めて
お願い
宿を取り 川辺に住もうと
だが川の流れは 危ういと聞く
渡るたび 心得が要るそうだ
毎度きちんと 気をつけるよ
そして そなたとスザンナを想う
ロンドンで 家を探す
また皆で 暮らせるよう
まだ男か女か 分からぬか?
ええ
何故…
子どもは必ず 二人になると?
二人の子を 死に際に
ならば…
これが 二人目か
別れを 言わぬのか?
行けない
出かけるの?
ええ
森へ 行く気だね
行かねば
ならぬ
ギルバート!
お願い 行かせて!
川が 溢れた
もう 渡れない
全て ここに揃ってる
この家では 産まない
ここでは
絶対に
川のこと
川は 危うい
下流へ 流した
息子は 無事よ
手紙は 見たでしょ
落ち着いて
外で 待てと
違うの
人とは 違うの
良い知らせが あった
劇場の
役者の手袋の 契約を得た
アニェス 黙って
静かに
息を 凝らして
どうしたの?
また 始まった
双子だよ
私の死に際に 立っていた
そうなると 信じていた
あの子らは 私の子となる
今 分った
それは お前だ
納屋へ 運ぶよ
もう 来てる
さあ
立って
急いで
思い違いだ
今 分った
彼が いない
あの子は...
できるよ
やるのだ
できない…
さあ
できるよ
やるのだ
夫は ここで生まれた
この部屋で
最初の息は あの窓辺で
どうか この子を
子を 生かしたまえ
どうか お救いを
あの人に この子の顔を
自由に 私から離れて
私を 忘れないで
ママ…
ママ
ママ…
これ以上は
日に日に 弱って
そういうことも
子らには 言わぬほうがよい
他の母と 思ったほうが
まだ 幼い
憶えては おるまい
ママ…
イヤだ!
そばに いさせて!
生まれるよ!
なぜ 泣かない?
泣いてない
生きて いない
抱かせて
見ると 縁起が
渡して
きちんと 弔う
子を 返して!
私は...
男の子がいる
連れて来る
私も一緒に
娘は 天へ召された
天ではない
母の亡き夜 誓いを立てた
教会には 参るが
それは 言わない
お前は 生きる
生きるの
もう決して 離れない
ほら
いいね
帽子 見つけた
いい?
うん
ここに 巻いて
よし
やって あげる
私は ハムネット
ハムネットよ
私は ジュディス
ジュディスよ
家では 走らない!
振舞いは 正しく
淑女紳士らしく
どこに 行くの?
やあ
皆 分ってる
いつまで 惚ける?
本人らが 同じと思う限り
父上 昨日のギリシャ語を
もう 学んだのでは?
いや 学校を抜けたから
もっと勉学に 励まねば
努めねば 上達しない
悪戯者め!
やっぱりか
入れ替わって 惑わせた
私を 殺す気か
スザンナ おいで
ここに
一段ずつ
次は 右だ
もう一段
我ら三人 再会はいつだ?
雷か稲妻か 雨の時か
それは戦の勝敗が 決した刻
その時が 来れば―
その場所で 再会するのだ
参る
鼠の 兆しよ
直ぐに
見事だった!
深く 掘って
土を 脇に
ここに 植える
いい?
そして 土を寄せて固める
この ように
軽く ほぐして
こうだ
回すように
そうだ
いいか?
前へ…
下れ
そして 受ける
いいぞ
もう一度
その後 こうするから
かわすのだ
いいか?
回して
剣を 回せ
剣を 回すんだ
そして 前へ
下れ
1-2-3
かわせ!
いいぞ もう一度
これは?
タイム
そう タイム
それで いい
これは
ローズマリー
何に 使う?
リンゴに
リンゴ?
ローズマリーは...
薬草!
これを手で こすって
そっと 吹いて
願いを 彼に
いい?
お前と彼の 秘密
彼を見た?
空を飛ぶ 彼を
もう一度
別の 願いを
上を 見てごらん
あそこ
見えた?
全ての 願いが
あの子の 胸の中にある
思い出したい 時には
こうやって―
それで いい
父上
大丈夫?
ああ
いいか 祖父には近づくな
姉妹を 叩くな
心配は お前だ
私の留守中の 無事を
また ロンドンに?
明日だ
明日…
心配ない
今度は 一緒に?
いや まだだ
おいで
寂しいが―
行かねば
分るだろ
うん
分ってる
よし
母上と姉妹を 頼んだぞ
出来るか?
はい
強くなれ
はい
なれるか?
はい
強くなれるか?
はい
強くなる
強くなるよ
強くなる
ロンドンで 家を探した
秋に なると―
子らが 病いになる
ジュディスは まだ弱い
すぐ胸が つまるの
ロンドンの 空気では…
無理よ
そのうち 参ります
皆で 参りたい
来ないな
一生 来ない
暑さが 過ぎ
乾燥した 秋
冬の 雪と寒さ
ジュディスは 耐えないと
何があっても 子を守る
それが 母親よ
だから…
家は 郊外で探す
ストラトフォードで
そこで子どもと 暮らそう
有難う
おいで
さあ
いい子だ
大好き
おいで
言ったこと 忘れるな
いい子だ
さらば
さよなら
さらば
さよなら
ハムネット
手を 見せて
何が 見える?
見えるのは―
成長した 姿
たくましい
そして ロンドンで父上と舞台に
劇場で?
舞台小屋で
ぼくは 何を?
何を したい?
剣を持った 役者がいい
剣?
そうだよ
相手の剣と 打ち合うんだ
見せて
激しい 戦いだ
皆が見て 怖がるんだ
勝者は?
もちろん ぼく
そうだね
何かに 苛立ってる
何だろう
天気か?
空気の せいか?
ジョーンに 子らは家に置けと
起きろ
パン屋の猫が 子を産んだ
見に 行かないと
8時だ ジュディス
8時だ 急がないと
雨が 来る
ジュディス?
どうしたの?
どうしたんだ?
ジュディス 答えて
ジュディス 起きて
お願いだ
ジュディス…
どうした?
ジュディス…
いつから?
学校から 帰ったら…
罹ったの?
疫病に 罹ったの?
お祖母様を 呼んできて
水を もっと
火を 強めて
お湯が 必要よ
シナモンを
熱が 引く
テーブルに
反対側
ママは ここよ
飲んで
ローズマリーよ
きっと 良くなる
良くなるわ
ジュディス しっかり
ママが そばに
ルバーブで 毒を出す
持ってきて
ママよ
大丈夫
皆 ここに
ルバーブを 急いで
それと お湯も早く
エライザ 兄に書状を
すぐ 戻れと
ジュディス
口を 開けて
口を 開けて
これを飲めば 必ず助かる
口を開けて 飲むの
そう 全部
それで いい
ママは ここよ
大丈夫
アニェス…
アニェス
できる事は 尽くした
この子を 渡しはせぬ
お祖母様…
娘を三人 亡くされたと
その子らも…
ジュディスの ように?
アンは 七つ
下の二人は まだ赤子
三人とも―
腫れと 高熱が
ジュディスと 同じ
母上は 必死に―
子を 離すまいと
だが 無理だ
授かりしものは すぐ奪われる
気を緩めては ならぬ
決して 当たり前と思うな
子の心が 打ち…
息をし…
また―
歩き 語り…
笑い 争い 遊ぶことを
忘れては ならぬ
子は ふっと消える
ジュード…
一人で 行くな
あれが 見てる
二人で行くと 言う
一緒に 行こう
目を そらせ
そらすんだ
走れ
あれも 誤る
あれが 家にいる
ジュディス 息を合わせて
ぼくの命を やる
良くなれ
ぼくの命を やるよ
ぼくは 褒められる
ぼくは 褒められる
強くなる
強く なるんだ
強くなる…
急いでくれ
ハムネット 来てはならぬ
寝室に 戻ろう
ハムネット
ママ…
ママ…
ママ
ママ…
ほら これを
これでは ダメだ!
石を
二階に 穴あき石がある
すぐ取って来て
それと 塩もいる
急いで
塩を あるだけ持って来て
とても熱い
焼けるよう
きっと 良くなる
大丈夫
絶対に 離さない
分る?
決して 離さない
息子よ…
ハムネット…
ハムネット
離れるな
お願い ハムネット
離れるな
ママの そばに
ハムネット
さあ ハムネット
もう 手遅れよ!
息子を 奪われた
私の 息子…
夜も 更けた
包もう
来るでない
いや 居させて
私のせい
私が 悪い
違う
お前は悪くない ジュディス
兄上が 身代わりに
あれを 欺いた
何を?
死神を
ジュディス…
私の代わりに 連れて行った
二度と それを言うな
熱病が兄上を 奪ったのだ
会いたい?
うん
行きなさい
顔を 見て
兄上では ないみたい
違う
兄上ではない
違う
兄上では…
夜明け前ゆえ
弔いは まだ出来ぬ
遅かったか…
ジュード…
息子は?
どこだ?
我が 息子…
息子よ…
見抜けなかった
もっと気に 掛けていれば
奪われるのは 娘と…
息子だとは…
愚かだった
誰にも 救えなかった
そなたは よく尽した
もちろん
貴方は 居なかった
心臓でも 捧げたのに
命だって 差し出したのに
分るよ
分ってない
貴方は 居なかった
あの子は 苦しんで逝った
とても 苦しみ
アニェス
泣いていた
ずっと 泣いて
言葉にならず…
私を 黙らすな
怖がってたのに
貴方は 居なかった
私は 全て尽くした
分ってる
やったの
出来ること 全て
良く尽してくれた
全てのことを…
そなたに 罪はない
知らせを 送る
知らせを 誰に?
そなたに
私は ここに
ロンドンに 着いたら
ロンドン?
行かねば
なぜ こんな時?
長居は 出来ぬのだ
彼方で 待つ者がいる
季節が 始まる
座付きの連中も 戻る頃だ
今から 行かねば
今から?
旅の一行の 馬で行く
娘たちを 頼む
やめろ
行くがいい
時を告ぐる鐘に 耳を傾け
勇ましき日が 闇に沈み
紫の花も 盛りを過ぎ
黒き髪も 白く染まる
葉繁る木々も 裸となり
暑さから羊の群れを 覆っていた―
夏の緑の大麦は 束ねられ
白く剛い髭を蓄え 手車で運ばれる
そして汝の 美の行末を想う
やがて時の流れで 消えゆくのだ
優しく美しいものは みな衰えて
他に譲りて 滅ぶのだ
時の大鎌に 抗うものはなく
ただ子を 残すほかなし
もう一度 読んで
イヤよ
三度も 読んだ
十分でしょ
では ロンドン土産を
ジュード
気をつけて
アニェス
ルビーね
見事だわ
皆が 新しい家の噂を
町一番の 大屋敷
部屋が多くて 迷うほど
スザンナ 鍵はお前が
家を 仕切るのだ
どうしたの?
家は 見たか?
気に 入ったか?
なぜ貴方が 案内しない?
私が 居つくとでも?
ハムネットは この家で死んだ
息子はどこに 居るのだろう
きっと どこか…
何をしていても それを考える
消える 筈がない
見つけたい
どこかに 居る筈だ
思うと 狂いそうになる
一年たっても
時など 無いに等しい
一年など
毎秒…
毎分 毎日…
探さずには いられぬ
すまぬ アニェス
何が?
あそこに 囚われてる
どこだ?
頭の中の 場所
今や 現実より強い
子の死さえ 引き戻せぬ
ハムネットは 死んだ
苦しみの挙句
貴方は 居るべきだった
別れを 言えた筈だ
何が 見える?
何も
何も?
一つも
そうか
ロンドンに 戻るがいい
我らのことは 気にするな
貴方がいずとも 家は回る
当時は 謎だったが
今は 証明された
昔は 愛していた
本当に 信じておりました
信じるべきでは なかった
人はそう簡単に 変われない
信じるべきでは なかった
人はそう簡単に 変われない
結局は 本性が出る
愛してなど なかった
それは なお酷い
尼寺へ 行け
罪人を 増やす気か
私は分別が ある方だが
自分の罪を 数えたらきりがない
もう一度
だから 尼寺へ行け
罪人を 増やす気か
私は 分別はあるが
もう一度
”私は 分別はあるが”
私は 分別はあるが
自分の罪を 数えたらきりがない
もう一度
私の ような…
もう一度
私は 分別は…
私自身は
私自身は 分別はあるが
自分の罪を 数えたら…
もう一度
自分の罪を…
もう一度!
私は 分別はあるが
自分の罪を
心がこもって おらぬ!
”私は 分別はあるが
”自分の罪は きりがない
”生まれないほうが よかったほど
”私は 傲慢で
”復讐心も 野心も
”思う以上に 罪深く
”想像し形にし 行う暇もないほど
”私のような者が
”天と地を 這い廻るのか
”人間は 悪党だ
”人を 信じるな
”汝は 尼寺へ行け
”このまま 生きるか
”それとも 否か
”それが 問題だ
”どちらが 高貴な心か
”投石や弓矢に 耐えるのか
”この荒れ狂う 運命に
”それとも…
”武器を 取り
”圧倒する困難に 異議をとなえ
”終らせるか
♪ あの木々が 元の姿を返すように ♪
♪ 可愛いロビンは 私の喜び ♪
アニェス?
町に 出たので
寄って みようと
息子さんのこと
お悔やみを
ご主人は?
悲しんで おられよう
大丈夫
喜劇作りに 忙しい
新作は 喜劇ではない
あれは 悲劇
存じて おろう
町中が 噂しておる
結婚には 反対した
気にかける ふりは無用
貴方は 母上ではない
ごきげんよう
何か月も 音沙汰なし
なぜだ?
どんな 劇だろう?
何が?
この芝居
悲劇 ハムレット
誰かを お捜しか?
ウィリアム・シェイクスピア
ストラトフォードの 家族だ
上へ
屋根裏にいる
町一番の屋敷の主が ここに?
あの方だ
確かに
私は どうすれば?
心を 開くのだ
”世界は すべて芝居”
誰だ?
いや 名乗れ
姿を 示せ
国王万歳!
べナルドか
ホレイシオと マルセルスは
見張りの 相棒だ
急げと 伝えよ
奴らの 声だ
止まれ!
誰だ?
あれは 今夜も出たか?
いや 何も
何の話なの?
信じようと しない
怖ろしい…
息子と 関係ない
様子を 見よう
何を?
亡霊の話だ
あの星は 北極星の西
鐘が1時を 打つのを聞いた
静まれ!
見よ!
また 出たぞ!
亡くなった王に そっくりだ
行ってしまう
あれは 夫
ウィルだった
確かか
ウィルが 亡霊
我らが 先王は
先ほどの王は 戦で命を落とした
勇敢な ハムレット王は…
聞いた?
ああ
息子の名を…
そこを どいて
息子の名を 呼んだ
今 名を呼んだの
我々が 見たことを
ハムレット様に 報告しよう
息子の名を 口にするな!
亡霊はきっと 語りかけるだろう
敬愛する兄の 死の記憶も新しく
それでも
分別が 自然の感情と戦い
賢い悲しみで 先王を偲び
我らのことも 忘れず…
もう こんな芝居は
待て
我が従弟 ハムレット
そして 息子よ
何故まだ 沈んでいる?
ハムレット
喪の色は 脱ぎなさい
いつまでも 俯いた眼差しで
亡きお父上を 探すのはやめよ
生あるものは 皆死ぬ
自然を経て 永遠へ行くのだ
はい 母上
それは 当然です
だが私の内には 深い悲しみが
これはただの 嘆きの外套
悲嘆に 固執するのは
頑固な不敬と いうものだ
男らしくない 悲しみ
天に背く 意志の表れだ
この肉体が 溶けて
露となれば よいのに
だが神は 自害を大罪とした
この世は 荒れ果てた庭
卑しきものが はびこっている
事ここに 至るとは
亡くなって 二ヶ月…
いや 二ヶ月もない
あれほど 高貴な王が
今や 獣同然の男に
どこへ行く?
答えよ
これまでだ
我は 汝が父の亡霊
夜を さまよい
昼は炎に 縛られる
時が 迫っている
硫黄の炎に 戻る時が
父上…
哀れむな
我が明かすことを よく聞け
聞くのだ
父への愛が 未だあらば
空気も次第に 朝の香だ
手短に
我は庭で 午睡していた
心安らかなる時
汝の叔父は 隙を伺い
ヘボナの汁の瓶を持って 近寄り
その毒液を 耳に注いだ
毒はたちまち 血液に混じり
水銀のように 滑らかに
血管の中を 通り
瞬時に血を 凝らせる
牛乳に酢を 垂らしたように
我も そうなった
そして 一瞬のうちに
忌わしい 瘡蓋が
健やかだった体を 覆いつくした
ああ…
恐ろしい
何と 恐ろしい
人の心あらば 耐えるな
そうよ
あそこに…
息子が…
私を見て
私を見て
蛍が 知らせている
朝が 近づき
青白い光は 弱ってきた
我が子よ
さらば…
さらばだ
さらばだ
さらば…
忘れるでないぞ
このまま生きるか 否か
それが 問題だ
どちらが 高貴な心か
荒れ狂う運命の 弓矢に耐えるか
困難に抗って 終わらせるか
死とは―
眠ること
それだけだ
眠りで消える 胸の痛み
人に宿る 数多の苦悩
誰もが 望む結末だ
死ぬ… 眠る…
夢を見る…
そこが 問題だ
死の眠りに どんな夢が来るか
それが人を 躊躇わせる
だからこそ 人は
苦難の人生を 生き延びる
耐えられるか
時の鞭と 嘲り…
不正…
傲慢な 侮辱…
報われぬ 愛…
遅い 裁き…
権力の 横暴…
善人が受ける 仕打ち…
短剣一つで 終わらせられるのに
なぜ 重荷を背負い
汗を流し 生き続ける?
死後の 恐れ…
誰も戻らぬ 未知の国…
それが 意志を惑わせ
人を苦しみに留める…
いや それでも飲むな
王妃は?
血を見て 卒倒された
いや 酒だ
その酒
ああ ハムレット
毒を 盛られた
この 悪漢め!
扉を 閉めろ
謀反だ! 犯人を探せ
ここに 居るぞ
君は 死ぬぞ
どんな薬も 治せない
あと 半時間の命
王の 仕業だ
切っ先にも 毒が
こやつは
近親殺しの 呪われた王
さあ 飲め
この 毒酒を
母上の 後を追え
我は 死ぬ
お前は 生きよ
真実を 世に伝えよ
もし我を 想うなら
しばし 生を捨て
この残酷な世で 苦しみながら
語れ 我が物語を
死ぬ…
毒が 我が魂を蝕む
残るは 沈黙…
字幕: chee119
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