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おにぎり。 おにぎり。 おにぎり。 おにぎり。
フォー おにぎり。
うん!
<「絶メシ」。
それは…>
<失ってしまうには あまりにも惜しい
歴史が積み重ねた その味と 味わい。
これは 平日に くたびれたサラリーマンが
そんな 絶メシに出会う
週末1泊2日の物語。
それでは 案内を開始します>
いただきます!
♪~
うんうん…。
《新しくできた定食屋。
いつもは もっと 長蛇の列。
やはり 12時からの数分間が 勝負なのだ。
勝ったぞ!》
《知り合いだからって それは ありなのか?
割り込みですよ って 言うべきか?
モヤモヤするが まあ オッケーとするか…》
≪次 お並びの方 どうぞ!
あっ あの~ 食券 お持ちですか? えっ!?
《このパターンか… もっと 大きく書いてくれよ》
《店に到着したのが 12時5分。
たしか 前に 3人いて…。
いや 割り込まれたから 5人か…。
今は 約15人 並んでるから
順調にいけば 入店は 30分後の12時45分。
先に 食券を買うシステムだから 早めに来るとして
48分に 料理が来る。
3分前に 会社に着くとして 会社まで 5分だから
食べる時間は 4分… 4分!?
味噌汁が熱かった時点で 詰むぞ。
よし! ここは 男として 勝負かけるぞ!》
すみません!
これ… 返金してください! は~い。
(カラスの鳴き声)
うん。
♪~
ただいま~。
「急用が入ったので おにぎり置いていきます。
車中泊するなら 夜食もどうぞ。
佳苗」。
はぁ~。
朝 昼 晩…。
チャン リン…。
<目的地まで 102キロ。
1時間33分くらい かかります>
<週末 私は ちょっとした旅に出る。
1人だけの時間を 満喫できる
私の 小さな大冒険。
ルールは 3つ。 その1。
期間は 金曜日の帰宅後から
妻の教室が終わる 土曜日の夕方までの 1泊2日。
その2。
誰も 誘わない。
誰も 巻き込まない。
その3。
高速代 ガソリン代 食費
いろいろ含め 小遣いの範囲内に収める。
そのために 必要不可欠なのは
車中泊…>
よっし…。
ハッピー浜崎が フルネットで お届けしている
スカットラジオショー!
今夜は 『聞いてよ 私の県民性!』。
鳥取県 35歳 男性 ラッキョ丸さん。
鳥取 および 島根の山陰地方は
恥ずかしがり屋の方が 大半ですが
仲よくなると とても 前のめりで親切で
つながりを とても大事にします。
でも 県外などに出ると シャイさが 全開になり
東京や大阪の店などで
いろいろ聞けずに ずっと 緊張してしまいます。
根は とても優しい人が多いです。
山陰地方の血が 入ってるのかもな。
今日も 俺は 言いたいことも言えず…。
お店は ともかく 割り込みには 言うべきだった。
あの~ ひと言もらえれば
全然 前に入って大丈夫ですので…。
あっ!
向こうは 3人で来て 食券 先に買ってたんだ!
うわぁ~ わぁ~!
3人の間に 食券も買わずに割り込んだ
変なおじさんは こちらだ~!
うわ~ あぁ~!
くぅ~ うぅ~!
ふぅ…。
車中泊で ストレスためるなんて 本末転倒だ!
夜食でも食べて 気分を変えよう。
おにぎり。 おにぎり。 おにぎり。 おにぎり。
1日で 4回も おにぎり食べるの
最初で最後かもしれないから
今日は おにぎり記念日だな! うん!
うん!
おっ!
あっ あっ あぁ…。
はぁ…。
♪~
グッドモーニング!
高崎!
♪~
さて いただきにいきますか!
俳聖村上鬼城先生旧居跡。
(自転車のベル)
《おしゃれな美容室の看板。
なんか 懐かしいタッチだな》
おっ! おっ!
お~っ! おぉ~。
《純喫茶 これは 昭和の真空パックだ。
トーストに コーヒーに… ピラフ。
おにぎり記念日 翌日だけに ナポリタンの誘惑が すごい…。
コンパル。 コンパル?
さっきの看板は 美容室じゃなくて ここか。
パフェも オススメってことか。
んっ? プ プ…》
プリンア・ラ・モード。
《何年ぶりに 口に出しただろうか?
プリンア・ラ・モード。
今日は もう ここに決まりだ!
2階か!? このパターンか…。
レアケースだけに 足が止まる…》
《おっ おぉ~!
上へ 上へ すべてを誘う アートの吸引力》
《階段を上がると そこは
雪国だった…》
ではなく… 花の国だった…。
《よ~し ここまで来たら 今日は ここだ!》
(ドアベル)
《花だらけだ…。
外とは違い 完全なるアナザーワールド…》
いらっしゃい。
好きな席へ どうぞ。 あっ はい。
《窓際が いいけども
喫茶店は 特に 常連の席とかありそうだし
とはいえ 常連さんって 真ん中は 避けそうだから
ここだな…》
《ここにも 昭和が生きている。
それでは 開きます》
《パフェ エッグサンド
フルーツプリン ピザトースト ウインナコーヒー
クリームソーダ カニピラフ。
純喫茶 アベンジャーズ。
決められないので 初心に帰らせてもらいます》
ナポリタンと
あっ… プリンア・ラ・モードを お願いします。
はい。 はい…。
《大人の男が頼むのは 少し 恥ずかしかったかな…。
プリンア・ラ・モードを 注文したのって
んっ? 初めてかも。
初プリンア・ラ・モード。
ちゃんと言えていたか心配だが なんか うれしい》
(ドアベル)
いらっしゃい。 あっ
これ たくさん もらったから はい お裾分け。
おやおや きれいだな~。 あなたに そっくりだな~。
《なるほど そういうことも あるのか…》
どこでもどうぞ。 じゃあ いつものところで。
はぁ…。
《やはり 常連は 端の席を好む説は 合っていたか》
プリンア・ラ・モード。
《プロだ! プロの プリンア・ラ・モードの言い方だ!》
どうかしました?
えっ? あっ いや あの…。
プリンア・ラ・モードの頼み方が
なんていうか よどみなかったので…。
ハハッ なんですか それ? ホントに すみません…。
あの 僕 今日 初めて
プ プリンア・ラ・モードを 頼んだかもしれなくて…。 ハハッ…。
私 ここに もう 半世紀くらい来てるんです。
50年前から!?
《この女性は 何歳で
店は いつからあるんだ?》
高校生のころ よく来てて
誰にも見えない ここに座って
友達と 恋愛の話なんかしながら
チョコレートパフェで よく 粘ったもんです。
なんか いいですね。 フフッ…。
若い人が集まって とっても にぎやかで。
当時は 店に入るのに 少し緊張して。
大人の世界に こう… 背伸びして入ってく感じ?
ハハハ…! それから コーヒーを覚えたのも ここ。
最初は ミルクとか お砂糖とかも
すごい いっぱい入れないと 飲めなくて… わかるでしょ?
ハハハハハ…! 《話を聞いていると
弾むような話し声と 当時の音楽が 聴こえてきそうだ》
((明日 私 デートなの。 ホントに?
え~ いいな。 いいな~。
かわいくしていこう!
ピンクだよ。 そう?
そう? フフフフ… 群馬の…))
今は 少し 離れたところに住んでるんで
近くまで来ると
ここに寄って プリンア・ラ・モードを食べるんです。
少し ボーッとしながらね。
はい ナポリタン! ありがとうございます。
はい…。
どうぞ。
《見た目 ナポリタン以外の 何ものでもない》
いただきます。
♪~
《トマトケチャップ 最高!》
《パスタが やわらかい。
これは もう アルデンテの概念を
真っ向から ぶち壊す やわらかさだ。
そして パスタが 半分くらいに 割られていて食べやすい》
《サイドのサラダも 丁寧にカットされてる。
んっ?
バナナとパイナップルが入ってる》
《あっ… う うまい!
味もいいが 丁寧さにあふれた 一皿だ》
う~ん…。
ごちそうさまでした。
どう?
とても おいしいです。
当たり前。
《さあ 次は いよいよ…》
はい。
プリンア・ラ・モード。
ありがとうございます。
《うわぁ~! これは まさに
あの方の言葉を 借りるならば 宝石箱。
それ以上の例えが ないほどに フルーツが キラキラしてる》
いただきます。
《まずは バナナ》
《さっきも サラダで食べたけど
普通のバナナよりも おいしく感じる。
続いて グレープフルーツ》
《これも いつも食べてる グレープフルーツより おいしい。
次は パイナップル》
《パイナップルも おいしい!
えっ? こんなに 全部 おいしいはずが…。
次は キウイ》
《キウイも うまい!
王様のメロンもいるぞ》
《メロンも きめが細かくて甘い!
少し 怖くなってきたぞ…。
スイカは さすがに…》
《みずみずしくて 最高!》
入ってるフルーツが 全部 おいしいです!
その季節 その日に
おいしいフルーツ出すのは… 当たり前。
《当たり前のレベルが プロだ。
そして… 生クリーム》
《最高!
んっ? カステラも入ってる》
《重なる甘み!
そして いよいよ 本丸のプリン!》
《おいしいのは もちろん どこか 懐かしい。
昭和の華やかさや人情感が 味から伝わる!
えっ? まだ ある?
締めは アイスだった~!》
《角度の違う甘さ キター!》
♪~
《恐るべし プリンア・ラ・モード…。
すごすぎる コンパル プリンア・ラ・モード!》
えっ! お店 辞めちゃうんですか?
娘に継がせる気はないし
体が だめになったらね…。
誰か 雇わないんですか?
自分以外の人を 自分以上には 使えないよ。
《さらっと 名言 出た》
私より先に 店 なくさないでくださいね。
私が この店をやるようになって 50年。
65歳 過ぎてからは
救急車で 3回 運ばれてるけど…。
お客さんが言ってくれる 「おいしい」が
やっぱり うれしくてね…。
ホント おいしいです。
お店なんだから おいしくて 当たり前!
その 当たり前を 続けてるだけなんだよ。
はい…。
あの絵。
お客さんが 描いてくれたのよ。
それから… あの 毛糸の作品も そう。
あれって お店の看板と 同じですよね?
こうすると…。
2人で
花が 咲くのよ~。
ハハハハハ…!
俺は ず~っと
周りの人に 助けられっぱなし。
女房が いなかったら
ここまで やってこれなかっただろうし…。
俺の人生は
みんなのものなのよ。
だから この店は
みんなから 預かってるだけなの。
《会話すべてが 名言だ》
ごちそうさまでした。
お会計 お願いします!
お会計 うん!
それも 当たり前。
(笑い声)
《半世紀以上 当たり前のように あり続ける
奇跡の純喫茶 コンパル。
この店も また
絶えてしまうかもしれない 絶品メシ
絶メシ フォーエバー!》
♪~
ただいま~。 おかえり。
おにぎり 味 全部 違くて おいしかった。
ありがとう!
私が作ったんだから 当たり前でしょ。
これ… お土産。
んっ?
しゃれてんね~。
ありがと!
<今週も お疲れさまでした>
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