All language subtitles for 大奥(17)幕末編 - [1440-FHD@KFMVFR.hevc10_crf 20_p 8][字]

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Original subtitles

(瀧山)こたび 大奥は 薩摩より御台様を迎えることとなった。

(家定)で 薩摩の狙いは?

(正弘)婚儀を好機として➡

幕政に深く食い込みたい というところではないでしょうか。

私たちが守るべきは上様 徳川家定公…。

<阿部様や大奥の男衆が 敵を迎え撃たんと勇んでいる中…>

我らが大奥だ! (一同)はっ!

<むくつけき男と噂の御台所様が ついに…>

(胤篤)胤篤である。 よろしう頼む。

どうかしたか? い いえ!

以後 何なりとお申しつけ下さいませ!

何だ あの美貌は。

⚟見たか!? 御台様。 ⚟(池谷)見た見た!➡

どんないかつい薩摩隼人が来ると 思うたら 随分と男前で!

しかし さすがに瀧山様より 男前ではなかろ?

いやいや それが 伝説のお万の方様とは あのようなお方かと思わんばかりの。

お万の方様は お心ばえまで すばらしきお方であったそうじゃ。

顔形だけで語るとは 愚か者のすることぞ!

(正弘)世にもまれな顔のよい男。 は。

(正弘)そなたよりもか?

どちらの面がよいなど 私には計りかねますが。

フッ。 案ずるな。

私は顔形になど惑わされぬ。

上様! さすがでございます!

♬~

上様。 大事ございませぬか。

その 婚礼の場では いささか。

驚いただけじゃ! まぁ 見ておれ!

あ~ 大儀 大儀!

今宵は疲れた! もう休む!➡

そなたも もう休んでよいぞ。

では 私も休ませて頂きます。

無礼者! 何をいたすか!

(胤篤)何をと仰せになりましても。➡

一つ床では足に触れてしまうことも ございましょう。

今宵は おとなしく休みますので。

今宵だけではない ずっとじゃ!

え!? ず ずっとにございますか?

(家定)私は体が弱うてのぅ。

子など はらめば 命に関わることになるし 房事も好かぬ。

私をねやにて籠絡し➡

慶喜を次の将軍にと考えておるのなら 諦めよ。➡

その筋書きは はなから成り立たぬ。

しかし 慶喜公でなければ どなたをお考えなのですか?

紀州の福子姫あたりに ございますか?

私は慶喜を後継にはせぬ。

(胤篤)随分と切れるお方と お聞きしておりますが。

慶喜には他人を思う心がないのだ。➡

さような者は どれほど頭がよかろうが 将軍の器ではない。

慶喜を将軍にすれば国が滅ぶ よって 後釜にはせぬ!

以上 明日にでも 薩摩の斉彬に知らせておけ。

はい。 え! も もうよいのか。

はい。 大変よう分かりましたので。

では おやすみなさいませ。

♬~

昨夜は ぐっすりとお休みになられたようで。

(胤篤)瀧山 上様は実にすばらしいお方であるな!

(家定)この上は自分をうまく使ってくれ?

はい。 上様のご慧眼に感服したと。

ついては よりよい国づくりに お力添えいたしたいと。

それは まぁいい笑顔で。 はぁ…。

まずは そう考えるに至ったいきさつを お話ししたいと仰せなのですが。

ふん では 今宵の夜伽の折にでも 聞いてやると伝えておけ。

恐れながら それでは 明らかに 向こうの手に乗ってやることに…。

それも一興。

ふん 面白くなってきたではないか。➡

郷中の教育。

薩摩の武士は その教えにより育ちます。

ふーん。 それはいかなるものなのじゃ。

例えば 年かさの者から かように尋ねられるのです。

「もし そなたが 1人で道の端を歩いていて➡

ある屋敷にいた武士から 唾を吐きかけられたらどげんする!」。

例えば こう答えます。

「そのふらちもんの屋敷に押し入って 成敗いたしもす!」。

しかし 1人で押し入ったところで 逆に成敗されてしまおう。

いかにも! そう告げられれば ほかの手を考えねばならなくなります。

「ぐっとこらえて 我慢しもす!」。 それでは また同じことが起こりもす!

では 唾を吐きかけられぬよう 次からは道の真ん中を通りもす!

よき「解」かと。 ふっ。

のせられておるではないですか。

(胤篤)かように 「もし ならば」と問うことを繰り返し➡

よき解を見つける。 これが薩摩の郷中教育なのです。

なるほど 薩摩者は 常に現に即して考えることを➡

すり込まれるということか。 はい。

つまり 私は上様が実にご慧眼 その現に即し考えた場合➡

もはや 薩摩は水戸を介することなく➡

将軍家と じかに手を組むが最もよかろう という解に至ったわけにございます。

仰せのとおり 薩摩の狙いは 政に食らい込むこと。

その一点がかなえられるのならば。

薩摩は 水戸から はしごを外すということか。

はい。 そのために 私をうまく使って下さいということです。

おっ しゃれた懐紙入れじゃな。

(仲野)はい! 御台様に すてきですねと 申し上げたら下さいました!

御台様?

それは 西洋の懐中時計なるものにございますか。

(胤篤)あぁ。 時々 巻いてやらねば 止まってしまうのでな。

薩摩は まことに裕福。 密貿易さまさまにございますね。

御台様のお持ち物には百歩譲って 目をつむりましょう。

しかし 大奥の男衆は将軍に仕える者。

密貿易にて得たものを下賜なさるのは ご遠慮頂きたい!

では そちらも今後は 添い寝を遠慮願えるか?

添い寝は 大奥のしきたりにございますゆえ…。

いや 添い寝のしきたりは 側室との夜伽の折のみのはず。

そもそも側室が寝所で 上様に不届きなおねだりをせぬように➡

始まったものだからな。

隠密?

外様が あそこまで大奥の事情に詳しいのは➡

おかしゅうございます。

これは中に必ずや 隠密がおると見て 間違いはございませぬ!

それほど油断ならぬお方なのか? あの御台所は。

あの隙のない かわいげのなさは 陰間茶屋でも天下を取りましょうぞ!

あい分かった。

近々 上様に折り入って ご相談事がある。

その折にでも お話ししてみましょう。

⚟(中澤)では うまくいきましたので。

(胤篤) まこと 薩摩の隠密の優れたることよ。➡

そなたのほうはどうだ? ⚟(中澤)こたびのことで➡

胤篤様付きの部屋子は 入れ替えられましょう。

ただいま その代わりに私が入れるよう 図っておるさなかで。

それは頼もしい。

⚟(中澤)これからも 何なりとお申しつけ下さいませ。➡

胤篤様の命は太守様の命。

で 徳川の寝首をかくのは いつごろで。

そうだなぁ。

(家定)すまぬの。 御台が一度 そなたに挨拶をしたいと言うもので。

(正弘)いえ。

では 上様 私はこれにて。

(家定)よい。 御台もここにおれ。

しかし。 表のお話となるのでございましょう。

薩摩の者は密貿易の達人じゃ。

ぜひ意見を賜りたいところじゃ。 の。

(正弘)はい。

メリケンは必ずや 再び通商を求めてまいりましょう。➡

我らが特に留め置いたがよきところなど ございましょうか。

やはり アヘンにございますかね。

清が エゲレスの支配を 受けるようになったのは➡

アヘンをばらまかれたゆえにございます。

正弘 その辺りの考えはどうじゃ。

私も それはせねばならぬと 考えておりました。

ほかには何かございますか。

武器の取り引きに関しては➡

相手は幕府のみとされたほうが よいかもしれませぬ。➡

例えば 水戸 攘夷派などが 勝手に 武器を手に入れられるようになっては➡

国内の騒乱は 避けられぬことになりましょう。

正弘 事ほどさように➡

御台は もはや水戸 一橋を 推したいというわけではないというのだ。

薩摩が政に加わることができる というのであれば。

お似合いの2人ではないか とは。

ええ 慶喜公のことは もう諦めたと言うておられたし。

甘うございます!

そう見せかけ 懐に入り込む魂胆かも しれぬではないですか!

(ため息)

そうじゃないとよいですねぇ。

誰よりも頼りになるお相手が御台所様。

そうなれば 上様にとって この上ないことであろう?

頼りになる相手は伊勢守様で いいのではないですか?

まぁ 多いに越したことはなかろう。

それはそうですが…。

かような時に。

(堀田)ああっ… 伊勢守様!

市中にて 謎の疫病が。

え 疫病!? それはどのような。

市中では あっけなく人が死ぬので➡

「コロリ」などと 呼ばれだしておるようですが。

コロリ…。

<コロリ 後にいう コレラは 異国船により持ち込まれたものであった>

天罰じゃ!

開国などするから 天がお怒りなのじゃ!

今すぐ 夷狄を追い出せ!

斉昭公。

確かに コロリと開国は因果にございますが➡

今更 条約を破棄したところで コロリを追い出せはしませぬ…。

我が国は かつて赤面を駆逐した 神国ではないか!➡

よき行いをしておれば 神がお助け下さる!

そなたが ご政道を違えるから かようなことになるのじゃ!

とにかく打ち払え! 分かったな!

(ため息)

堀田殿 コロリの対策をいま一度。

伊勢守様。

⚟だから 早々に手を切れと言ったのだ。➡

攘夷派のバカどもなど。 井伊掃部頭様!

<井伊掃部頭直弼様。➡

徳川四天王・井伊直政を祖とする井伊家は 家臣の中でも別格であった>

(直弼) そなた どう この責を負うつもりじゃ。

責?

(直弼)そもそも そなたが考えなしに➡

大名や旗本の意見を求めるからこその この混乱!

徳川の威光は 地に落ちるばかりではないか!➡

そなた その座を退け。

この国難を ナヨナヨと 女のやり方で乗り切るのは無理じゃ!

だからダメなのですよ。

あなたのようなお考えが この国を滅ぼすのです!

はははははっ…!➡

お主。 阿部ごときが ようも井伊に さような口をきいたな!

そなた 家格を 何と心得る!

ですから もはや家格に縛られておる 余裕はないと申し上げております!

何を言っておるのだ!

そなただって 先祖の働きで 今 その座に座っておるのだろうが!

ですから! 私は この国難に立ち向かっていける➡

新たな仕組みを作ろうとしているのです!

そのために 国中から人を求めておるのです!

それさえ やり遂げれば どなたかが やり遂げて下さるのなら➡

いつでも この座を退きます!

お忙しい中 わざわざ かようなところにお運び頂き➡

ありがとうございました。

♬~

(家定)正弘が見ておるのは 遠い遠い この国の行く末よ。➡

あやつの目指すところは 身分出自にかかわらず➡

国を導くにふさわしい人物が かじを取れるようにすることじゃ。

しかし この理屈 突き詰めていけば➡

徳川の血を引くものだけが かじを取るのは➡

おかしいというところに行き着く。

そこは上様としては いかがお考えに。

よいのではないかと思うぞ。

何も徳川は太古の昔から この国を治めてきたわけではない。

メリケンなどは入れ札にて 国の主を選んでいると漏れ聞くしな。

要するに 正弘の目指しておるものの 最後を邪魔するのは➡

実は 正弘自身の徳川への忠義。

ほかならぬ私なのではないかと 思うことがある…。

理屈は分かりますが➡

一足飛びに さようなやり方が できうるわけもございますまい。

してみたところで 徳川様に入れ札が集まって➡

終わりにございましょう。 ふん。

薩摩者は とことん 現しか見ぬな。

まぁ 上様 伊勢守様の理想を かなえたいとお思いなら➡

まずは 私と そぞろ歩きをいたしましょう。

は? 意味が分からぬ。

日の光とは かようにまぶしいものであったか!

(胤篤)座敷牢ででもお育ちに。

(家定)御台。 何だか妙に温かいぞ。 まだ さように暖かい季節ではないのに。

(胤篤)上様が お体を動かされたせいでございましょう。

身のうちから 温まっておるのでございます。

そうなのか…。

♬~

瀧山。 御膳所の料理人が変わったか?

いえ。 何も変わりはございませぬが。

そうか。 今日の飯は とりわけうまく。

この羹のお代わりを! はい!

♬~

♬~(お囃子)

(胤篤)ほう~ これが噂の 城内での祭り見物にございますか。

(家定)五代綱吉公の父上 桂昌院様が 始めなさってな。➡

民と共に楽しめと。

私も担いではいけませぬか?

このあと 慶喜と福子が来る。

会ってみるか? もちろん! もちろんにございます!

(家定)面を上げよ。

(家定)久方ぶりじゃの 慶喜。

ここにおるが 新しく来た御台じゃ。

養父の斉彬から ご評判を聞いております。 大層 英明なお方であると。

(慶喜) 過分なお言葉 恐悦至極にございます。

しかしながら 英明とは 御台様にこそ ふさわしいお言葉にございましょう。➡

分家筋にありながら 斉彬様のお目に留まり➡

こうして 御台所にまで栄達されたのですから。

(家定)単刀直入に参ろう。 慶喜➡

そなたは メリケンとの通商条約を 調印すべきか否か➡

いかがに考えておる?

特にございませぬ。

何の考えもないわけなかろう。

次の将軍とも噂される そなたが。

私ごときが次の将軍など。

将軍につくのは 僅かな例を除き 女ばかり。

男である私には とてもとても 将軍職などつとまりませぬ ご勘弁を。

(家定)の 驚いたであろ?

はい。 慇懃無礼が衣を着て 歩いておるようにございました。

やつは 水戸学どっぷりの尊王論者。

己に帝と同じ血が流れていることを 何より誇りに思っているような男よ。

己が徳川を継ぐのは当然➡

今更 女の将軍などと 私のことも腹の内ではバカにしておる。

⚟紀州徳川福子姫が参られました。

通せ。 ⚟は。

福子にございます。 本日はお会いできてうれしうございます。

随分 待たせてしもうたの 福子姫。

(福子)いえ 天下祭が長く楽しめ ようございました。

そうか。 祭りは楽しかったか。

はい。 私も皆と一緒に担ぎとうなりました。

福子姫。 実は今 わしは悩んでおっての。

メリケンと交易をする条約を 結ぶかどうか。

姫はどうするがよいと思う?

上様。 そのような難しい話は。

もし断れば どうなるのですか?

(家定) メリケンは 力ずくで来るであろうの。

力ずく…。

まことにそうなりましょうか? ほう。

(福子)力を振るうというのは 実のところ 相手も骨折りなことかと思うのです。

(家定)確かに。

その辺りを腹の内に留め置き➡

とことん話し合い よき落としどころを探る というのは。➡

あ。 あの 考え足らずで。

いや ためになった。 意見ありがたいぞ。

(家定)どうぞ召し上がれ。 はい! いただきます。

なかなかの器であろ? はい。

(家定)どうした? 口に合わぬか? いえ。

姫 構わぬ! 吐き出せ! 姫! (胤篤)誰か! 匙を呼べ!

⚟はっ! 姫! 姫!

幸い 大事には至らず 紀州からは あまり騒ぎ立てたくないと言ってきた。

紀州の中にも 水戸の手の者が 入り込んでいるのかもしれぬ。

こたびのことは 水戸の仕業で。 証拠はないがな。

ああっ! もう この手のことは いつも闇の中になるのじゃ。

上様 一つお願いがございます。

私とのお子を お考え頂けませぬか?

え?

上様は お体が弱く お子は望めない。

その前置きをもとに 諸藩も 幕閣も思惑を巡らせている。➡

ならば その話を 根こそぎ 吹っ飛ばしてしまいませぬか?

今のご丈夫になられた上様なら それが おできになるのでは?

し しかし どんな子が生まれるか 分かったものではないぞ。

目も当てられぬ ど阿呆かもしれぬ。

もちろん 生まれついて上に立つ 器量を持つお方など➡

よほどの運がない限り望めぬでしょう。

しかし 人というのは教育です。➡

生まれた子に私たちが教えればいい。

上様は国を民を思う心を➡

私は 現に即し 物を考える術を。

その子が後継ならば➡

伊勢守様の目指すところにも 多少は近づきやすうもなりましょう。

これは 最もよい解ではございませんか?

⚟上様 御台様!

お散歩中 申し訳ございませぬ。 火急の要件にございまして!

何じゃ。

伊勢守様が急な患いにて 明日から登城かなわずと。

(正弘)まぁ カステラ。

はい。

もしや これは。

はい。 上様が御自ら。

上様は 近頃は いかがなご様子じゃ。

それが目をみはるがごとく お元気になられ。

実は お散歩が肝でして。 ほぉ。

お散歩をする すると 腹が減る すると お食事をよう召し上がられる➡

すると ますます お散歩ができる すると ますます腹が減り➡

ますます召し上がられ すると ますます。 分かりやすい。

こうしておると思い出すの。 そなたと初めて会った日のことを。

確か お役目に疲れ 愚痴をそなたに聞いてもろうた。

違いますよ。 伊勢守様は 愚痴など ひと言もおっしゃりませんでした。

あれ そうであったか?

私が花魁の成り立ちなどをしゃべり➡

学問をしたいなどと 夢のようなことを申し。

あぁ そうじゃ そうじゃ あの時 そなたは➡

あそこを出たら 今度こそ己の翼で飛びたいと言って。

私は そのとおりじゃと勝手に合点し。

おやめ下さい!

私はまだ あなたと思い出話など したくはござりませぬ!

そう申すな 瀧山➡

私だって 悔しいのだ。

あのころの私は 広い空さえあれば➡

自分は どこまでも 羽ばたいていけるものと考えておった。

まさか 己の翼が折れて➡

飛べぬようになる日が来るなど➡

夢にも思わなんだ…。

♬~

瀧山。 これはどういうことじゃ。

今日は天気もようございますので。

⚟(家定)正弘!

正弘 見ておれ!

はっ。

あの上様が… 馬に?

ええ。

はっ。

全ては あの日 伊勢守様が 上様をお救いになられたからです。

あのすばらしい上様は 伊勢守様がお作りになられたのです。

はっ。

(家定) よい 正弘! そのまま! そのままじゃ!

見たか? 本当は柵を飛び越えるところも 見せたかったのだが➡

それでは曲芸になってしまうと 言われてな。

こちらのことは案ずるな。

そなたの代わりとまではいかぬが 今度は私が そなたの身代わりを務める。

だから じっくりと治し 戻ってこい。

♬~

いいえ。 いいえ 上様。

身代わりは阿部のお役目➡

最後まで 私にお役目を全うさせて下さいませ。

上様の過去も病も 私が全て あの世に。

私にお運びさせて下さいませ。

実のところ 病になってから こちら 私 恨んでばかりおりました。

何故 私が。

何一つ成し遂げられぬままで 一体 何のために生まれてきたのかと。

けれど やっと分かりました。

いいえ 思い出しました。

(正弘)私は そもそも 上様を生かすための者にございました。

正弘。

ありがとうございました。 上様!

(正弘)私と巡り会って下さって…。

(正弘)思い切り 空を飛ばせて下さって。

上様 どうか これよりは 誰よりも お幸せになって下さいませ。

阿部正弘 最後の願いにございます!

何が身代わりじゃ!

上様! さような理屈で生き死が動くなら➡

わしは 毒くらいくろうてやるわ。 離せ!

上様! 離せ!

(泣き声)

御台。 私は幼き頃より 父の慰み者であったのだ。

そのせいで 母には毒を盛られ 身も心も病んでおってな。

いつ死んでもおかしくはない 私自身 いつ死んでも構わぬと。

そこから救い出してくれたのは 正弘じゃ。➡

あやつの言うとおりなのだ。

あやつは 私に 己の命をよこしたのだ。

(泣き声)

(胤篤)人は 悲しいにせよ 楽しいにせよ➡

己の来し方を一つの物語に編めた時➡

どこか心安らぐものです。

伊勢守様は 見違えるように お元気になられた上様を見て➡

ご自分の一生を美しい物語にすることが できたのではないでしょうか。

詭弁じゃ!

正弘… 正弘。

回想 (正弘)上様。➡

どうか これよりは 誰よりも お幸せになって下さいませ。

上様?

♬~

上様。

もし 私に あやつにしてやれることが あるとするならば それは➡

私が誰よりも幸せになることだ。

私にとって幸せとは!

今度は私が… あやつの身代わりになって 飛ぶことじゃ!

♬~

勅許…?

そなたら 通商条約の調印には 帝の許しがいるゆえ➡

しばし待てとメリケンに言うたのか?

それを理由に 内容の変更に持ち込めるかと。

バカか!

これすなわち 朝廷が国の政に口出しすることを許した➡

いや 自ら口を出してくれと 頼んだことになるのだぞ!

(堀田)そこは… 見落としており。

で いつ出るのだ。 その勅許とやらは。

それが 京の公家たちも攘夷を唱え 勅許などありえぬと。

では 条約は結べぬ 勅許は下りぬということか?

上様。 こたびの失策 重大なるものかと。

堀田正睦… そなたの処分 追って沙汰…。

(一同)上様!

匙を! 匙を呼べ~! はっ。

はらんだとて 無事に生まれるかどうかなど➡

分からぬではないか。

待て井伊! 御台様。

今 徳川がすがれるものは…。

奥でも 表でも 共に時を刻むのじゃ。

あの言葉は まことなのでしょうかね。

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